くらし情報『【エルピス 第2話 感想】『フィクション』でありながら『リアル』に感じる絶妙なさじ加減』

【エルピス 第2話 感想】『フィクション』でありながら『リアル』に感じる絶妙なさじ加減

そして今日も純白なケーキを笑って食べる。それが本当はぐちゃぐちゃになっているとも知らずに。

『エルピス』がフィクションでありながらリアルな点

情報提供のお礼として斎藤を自宅に招いたとき、そして「マスコミ報道は無責任」と木村に突かれたとき、浅川は自分のこれまでの有様を思い返していた。

浅川は上層部にかけあって入社3年目でサブキャスターとなった。将来性のある斎藤との関係も、今思えば自分を大きく見せるための手段でしかなかった。

その矢先のスキャンダル。浅川は皮相だけを見続ける自分に気づいたのだ。ずっと前から知らぬうちに沢山のものを失っていた。


そしてそれは『どんなことが起こっても正しい真実を伝えるキャスター』という夢も同じだった。

「そんな夢は一生叶えられないと知りました」

浅川は思い出す。

3.11。原発に関して、問題ないと強調した自分を。

2020五輪の招致。汚染水による東京への害はないと、最終プレゼンを報道した自分を。

東京五輪が開催決定し、震災復興へ人々も期待を寄せているというコメントをした自分を。

そこには、実在する出来事の映像と共に、笑顔の仮面を着け、渡された原稿を、何度も練習して修得した『真実のような語り口』で伝える浅川の姿があった。

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