【エルピス 第5話 感想】岸本の強行突破に浅川がかけたひと言 2人の関係性が見える第5話
そして岸本にこの話を持ちかけたチェリーこと大山さくら(三浦透子)が自殺を図っていた。
命は助かったものの、錯乱状態だったチェリーは、自分自身に殺意を向け、ベランダから身を乗り出したのだ。
松本のために真相追及していたチェリーだったが、それがかえって松本を追い詰めることになり、責任を感じているのだ。
浅川はそのチェリーの姿を見て、これ以上詮索することは危険だと判断し、引き返すことを決めてしまった。
手に入れた決定的な証言
一方の岸本はこの時、立派な髭を生やし、人が変わってしまったようだった。
友人を見殺しにした過去。『負け続けている』本当の自分を知り、彼は正義に縋ることでしか精神を保てる方法が見つからなくなっていたのだ。
それは、ここで諦めたくないと躍起になっていた、かつての浅川恵那のようだった。
「なんでこんなとこまで来ちゃったんだよ…」というぼやきは、タイヤがパンクしたまま加速し続ける自転車のハンドルをただ握り、後ろの自分が見えないようにする岸本の心の声なのだろう。
そんな彼が目を付けたのは、松本逮捕の決め手となった目撃証言だった。
当初報道された『ロン毛の男』の証言はいつの間にかすり替わり、いかにも松本を犯人に仕向けたような胡散臭い証言が取り上げられた。