【エルピス 第10話 感想】国家権力や報道責任を描いただけでなかった『エルピス』の本質
壇上を降りて、勝負に出る。
「では、本城彰を逮捕させてください」
浅川の表情には一点の曇りもなかった。
そして斎藤が差し出した手を浅川は強く握り返し、ついに本城彰の特集の放送が決まった。
もう1人ではない、『希望』という存在を得た浅川
しかし半ば勢いだったし、「明日まで待つと、事故か病気で出れなくなるよ」という脅しまでオマケされ、浅川は少々不安気味だった。
だが浅川には『希望』がいた。岸本拓朗がいた。その『希望』が偶然にも、テレビ局に特集データを持って出向いていた。
「君、最高!」という言葉に、信じていて良かったという気持ちが詰まっていた。
浅川は岸本に何故か愛情のビンタをお見舞いし、そのままスタジオへ駆けていく。
そして運命の『ニュース8』の放送が始まった。
彼らが必死に掴んできた真実が、知りたい誰かに伝わっていく。駆け抜けた彼らの集大成だ。
そして冤罪を暴くために協力してくれた人々が、岸本の連絡を受け、その放送を見守っていた。
誰よりも松本を信じ続け、冤罪事件を暴くそのきっかけを作ったチェリー(三浦透子)をはじめ、『フライデーボンボン』で特集に協力した若者達。被害者のために奮闘した遺族や西澤の嘘の目撃証言を覆した由美子。