【『夕暮れに、手をつなぐ』初回感想】永瀬廉の演じる音の優しさに心惹かれる 共感系、純愛ドラマの誕生
や『わげもん』(NHK)などさまざまなジャンルのドラマに引っ張りだこだ。
子犬のような可愛らしさ、繊細さと、それでいて真剣な目つき、クールさも持ち合わせており、表情だけでもかなりバリエーションが広い。
かっこいい見た目とはギャップのある優しい声もまた魅力の一つだろう。
本作では、どこか頼りなさも感じるのに、困っている人を放っておけない、そんな優しさが、絶妙に声にマッチしていた。
婚約者に振られた空豆にジュースを奢ってあげたり、絶対に修羅場になるであろう元婚約者の家に一緒についていってあげたり、「さすがに人が良すぎる…!」という面が多々見えた。
空豆との会話で、「あまり人を好きにならないみたい」と話す音。
その言葉の裏には、これまでの人生、まだこれといった大恋愛も失恋もしていない、という、どこか寂しさと味気なさも感じた。
作曲家として、作品を生み出すには、まだ自分の人生に深みがないことをわかっているのだろう。
その純粋さが、このドラマの真意に違いない。
また、2022年に放送された清原果耶主演の『ファイトソング』(TBS系)というドラマを思い出した。恋愛をすることで、間宮祥太朗演じる芦田はいい曲を生み出すことができたのである。