【『ラストマン』感想1話】福山雅治と大泉洋、双璧で魅せる疾走感・写真全41枚
爆破現場に足を運んだ皆実は、火薬の匂いから一人の男を探り当てるが、そこから事件は意外な展開を迎える。
初回の見どころは、やはり次から次に繰り出される『人たらし』、皆実広見という人物の魅力だろう。
盲目という大きなハンデと引き換えに会得した鋭敏な聴覚、嗅覚。
犯人の数手先まで見越した推理と適格な判断力、そしてシャープな身のこなし。
捜査官としての高い能力はもちろんだが、皆実の周囲への飄々(ひょうひょう)とした言動一つ一つが魅力的だった。
皆実はとにかく頻繁に相手の名前を呼ぶ。相手の存在が自分にとって記憶に足る特別なものだと暗に示すようだ。そして些細なことでも細かく礼を伝える。お礼の言葉は、いつも紋切り型のものではなくて、その場に応じた彼なりの言葉だ。
爆破事件解決ののち、助力してくれた吾妻ゆうき(今田美桜)に、わざわざアイカメラの向きを変え、顔を見せて礼を伝えた場面はとりわけ印象に残った。
皆実自身には視覚という感覚が失われているからこそ、その心遣いの重みが感じられるように思う。
視覚の欠如は最新のガジェットや他の感覚で補い、無類の機転と身体能力で『ほぼ』健常者と同じように、いやそれ以上の能力を見せる皆実だが、それでも盲目という要素は大きく、どうしても彼一人でミッションを完結することは出来ない。