【『不適切にもほどがある!』感想3話】「適切」にラインはあるか 笑いであぶりだす答え
一方、小川とは逆に令和から昭和にタイムトラベルしてきた親子がいた。
社会学者の向坂サカエ(吉田羊)と、その息子のキヨシ(坂元愛登)である。
フィールドワークとしてやってきたサカエだが、純子に一目惚れしたキヨシの熱望で昭和に滞在することになる。
昭和と令和を行き来する小川と、昭和に滞在している向坂親子。それぞれの価値観を通した過去と未来はどんなふうに見えるか。
爆笑とときめきと、時々涙と、そしてなぜか歌とダンスでそれを描き出す『不適切にもほどがある!』(TBS系金曜22時)。
3話で描かれるのは、セクシュアルハラスメントに明確な判断基準はあるのかという、極めて、デリケートな内容である。それは現代の火薬庫である。このエピソードにあたり配役されたのは、善人悪人どんな人物にでも変化する万能の名優・山本耕史。そして『いると場がまとまる』スパイスのようなバイプレーヤー八嶋智人。
さらに、ヤバいキャラも不思議な可愛げで『あり』に見せてしまう異能のコメディアン・ロバートの秋山竜次。
くせの強さがロイヤルストレートフラッシュのような組み合わせで、脚本含め制作はこのデリケートな回を組み上げた。