【『不適切にもほどがある!』感想3話】「適切」にラインはあるか 笑いであぶりだす答え
昭和のエロ全開な深夜番組と、令和の配慮でがんじがらめの情報番組を交互に配し、見る側の『不謹慎』を揺さぶってくる。
もちろん、エロ全開の昭和の深夜番組を全肯定するわけでもないし(自分が十代で見ていた頃にも居心地の悪さはあった)、どちらもデフォルメされた描写だと理解しながらも、今のバラエティ番組がなぜ没個性になるのか、今のテレビの萎縮具合が痛感できるエピソードだった。
今回興味深く感じたのは、サカエが深夜番組の収録でぽつりと呟いたこの言葉である。
「偉いよね、あの子たち。なぜ自分がここに呼ばれ、どう振る舞うべきかちゃんと心得てる。求められる役目を、誇りをもって果たしてる」
サカエはフェミニズムの研究者である。だが昭和の露骨で野蛮な性差別に呆れはするものの、その価値観でリアルタイムに生きている昭和の人々を全否定はしない。
性的な衝動を想起させる、昭和のバラエティとしての仕掛けを『役割』と見抜きつつ、同時にサカエは女性に対する価値観に混乱を起こす小川に「どんな女性も娘だと思って」と助言を送る。
「娘に対するように」というエピソードとしての解答は、もちろん全ての人にアドバイスとして届くわけではないし、女性としては「今まだそこ?」