学童で遊ぶ子供たち 大人がハッとさせられたことは…【きしもとたかひろ連載コラム】
なんだろう?ヨットのようにも見えるしリボンのようにも見えるな…と正解を探しそうになって慌てて「ほんまや、すごいなあ。適当にやったらなんかできるんやな」とその子の言葉をそのまま借りて、本心を伝えた。
隣で見ていた子が「それなに?」と尋ねた。やっぱり気になるよね、と耳をそばだてていると、その子は「なんか!」と答えた。
なんだ、なんでもない「なんか」だったのか。ああ、やっぱり僕の想像なんか飛び越えてて素敵だなとあらためて思った。
折り紙や工作をしていると、その作ったものでごっこ遊びが始まったりする。お店屋さんをしたり、学校ごっこをしたり。
そのごっこ遊びが発展するとそれを広げるためにまた、例えばお金だったりバッグだったり、さらに新しいものを制作していく。
小学生にもなってごっこ遊びというと「幼稚っぽい」と心配されるけれど、意外とそんなことはない。子どもの発達や育ちに大きく関係していて、社会性や創造性を育む重要で質の高いあそびだ。
学童で過ごす時間は短いため、あそびが盛り上がり始めたタイミングで帰る時間になることがある。そんなときには、次の日に続きをする。しなかったりもする。
ある年、2、3年生の子たちがやっていたごっこ遊びが半年ほど続いた。