学童で遊ぶ子供たち 大人がハッとさせられたことは…【きしもとたかひろ連載コラム】
と答えると「ではお作りしておきますね」と、お洒落なカードを渡された。素晴らしい接客。僕がパン屋の店長だったらバイトに引き抜いているところだ。
面白いのが、みんながみんな接客をしたがるわけではなくて、裏で景品を制作したりゲームの仕込みをしている子たちもいたこと。
こんなこと言ったらまじめに働いている人に怒られそうだけれど、考えてみれば僕たちが生活している社会も、それぞれの役割になりきっていろんな役を演じている、ある意味ごっこ遊びみたいなものだよな、なんてことを考えたりしていた。
あそびがこま切れにならずに地続きであることや、発展して周りを巻き込んでいくことは保育の一つの理想だ。といってもなかなかそんなに上手くはいかず、それは大人の都合の時もあれば移り気な子どもの気分によるところもある。無理に続けさせるようなことはしないから、自然とこんな風に行事に発展したのはすごいと思ったし、次の年に子どもたちが「今年も夏祭りしよう!」と言い出して、下の代に受け継がれながら毎年の恒例になったことも、なにか成功しているように感じた。
そうすると、どのあそびもなにか成果の見えるものに向けてされるべきなんじゃないか、と期待してしまうようになる。