学童で遊ぶ子供たち 大人がハッとさせられたことは…【きしもとたかひろ連載コラム】
学童にある本を並べて本屋を開いたり自分たちで本を作ったり、絵を描いたりそれをお面にして売ったり、折り紙やイラストを並べてお店屋さんごっこをすることもあれば、レジ自体を作って遊ぶ日もあった。
その日その日で、やりたいことや思いついたあそびをして、次第に周りを巻き込んでいく。関係ないあそびをしている男子たちが、手を止めて色紙で作られたバッグを持ってお店屋さんで買い物をする。そんな不思議な風景が見られるようになっていった。
ある子が、そのごっこ遊びをそのまま生かして夏祭りをすると言い出した。日程を決めてポスターを貼り、ダンボールで作ったモグラ叩きや輪投げを制作して、景品も折り紙などで大量に作った。
僕はといえば、手出し無用とばかりに買い出しリストを渡されて、仕入れ担当に任命された。たまにお面の色ぬりをさせてもらって褒めてもらった。
当日は大盛況だった。普段ごっこ遊びに興味がない子でもノリノリで楽しんでいた。お店に並んでいる子が「楽しみすぎてばくはつしそう!」と笑顔を爆発させていた。
「ポイントカードはお持ちですか?」と聞かれて、接客応対まで本物みたいだなと感心しながら「持っていません」