2021年4月11日 11:10
誰もが誰とも分かちあえない思いを抱いている 分かちあえないからこそ、心を寄せ、愛をこめる
その痛みも悲しみも丸ごとわかることはできないけれど、痛みや悲しみがあることをわかって心を寄せることはできるのです。
これが命に関わること、また深い悲しみであれば、その孤独感は想像を超えるでしょう。
ひとり息子を病気で亡くした友人がいます。友人を慰める言葉は見つかりません。何を言っても、それは友人の心には届かないからです。
ただただ、彼女の涙を受けとめるだけです。悲しみを語る言葉に耳を傾けるだけ。その語る言葉さえ、悲しみの欠片でしかないのです。
「神様と約束した時間だったんだね」
最愛のパートナーを亡くした友人にそう声をかけたことがあります。彼女は、その言葉に慰められ、そう思えるようになったと後に話してくれました。『神様と約束した時間』……数年前に親友が亡くなったとき、こう思うことで、喪失感を受け入れることができたのです。
これは、私が、私の中で作った『物語』です。このように解釈することで、悲しみを癒すことができる。
心は、悲しみから守るように、このような『物語』を作るそうです。生きていくために私たちに備わった心の機能なのですね。
自分と同じように、誰もが誰とも分かちあえない思いを抱いている。