2018年8月22日 06:00
2歳の双子を育てる女性医師も働いてる「女性が一生働ける病院」
「東京医科大学で受験者の得点を意図的に操作し、女子入学者数を抑制していたことは、医師を目指している女性全体にとって許しがたい不正。大学からは、出産や育児で離職、休職せざるをえない女性医師を、積極的に合格させたくないという思惑を感じます。こうした問題を解決するために不可欠なのは、出産・育児のある女性医師が働きやすい、復帰しやすい医療現場を作ることです」
そう語気を強めるのは、6月に開院した「みなみ野グリーンゲイブルズクリニック」(産婦人科)の桑江千鶴子院長(66)だ。東京都立多摩総合医療センターの産婦人科部長として、緊急帝王切開や高難度の婦人科手術でメスを握っていたが、現在は、女性医師を含む、女性全体が安心して出産・育児ができる枠組みを作ろうとチャレンジしている。
3歳の娘と2歳の双子の息子を持つ医師・小澤桃子さん(33)も、大病院から桑江さんのクリニックに常勤医として移籍してきた。
「子どもが3人もいると当直は無理です。そのため以前の職場は人員の問題もあり、常勤医として働くのは困難になりました。ただ非常勤では外来や病棟のみの担当で手術ができません。
どうしようかと迷っていたところ、桑江先生から声をかけていただいたんです」