くらし情報『67回目の訪朝へ。寺越友枝さん「国交なき国境を越えて」』

2018年8月26日 11:00

67回目の訪朝へ。寺越友枝さん「国交なき国境を越えて」

万景峰号が就航しとったときは、片道5万円で乗せてもろうたけど、就航がなくなってからは飛行機や。武志家族への土産代や、渡す金も入れたら、一回の渡航で60万〜70万円は必要や。武志から、『これを買いたいからお金を送ってください』ちゅう手紙も届く。そのたびに5万円は送らんならん。そやさかい私は、北朝鮮には66回も行っとるが、普通の旅行はしたことないがよ」

めまぐるしく変化する北朝鮮情勢だが、つい最近も、日本人が拘束されたというニュースが報じられたばかりだ。こうした現状を、友枝さんはどう感じているのか。

「私は、あの国のシステムについては口出しできん。ただ、武志や家族が北朝鮮で配給をもらいながら暮らしとる以上は、感謝ちゅう言葉は出にくいけども、ありがとうございます、という気持ちや」
そんな母の願いは、ただひとつ。
武志さんやその家族が、無事で幸せに生きていてくれること。

「私は自由があるところに住んでいるけど、武志にはない。あれを助けて守ってやれるのは私しかおらん。そやけど私も87歳。いつか、『お母さんが死んだ』ちゅう知らせが武志に行くときが来るやろう。そしたら武志は苦しむやろうから、娘には死んでも、しばらく武志に知らせるなと言うつもりや」

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