2020年11月4日 11:00
増える老親再婚トラブル「父の死後、後妻が勝手に実家を売却」
しかし、私たちも若いころ親から反対されて経験したように、恋愛は反対されればされるほど燃え上がるもの。思わぬトラブルに発展することもあります」
東京都在住の堀内美恵さん(56・仮名)も、その一人だ。
「11年前に母を亡くし、その1年後に父がまさかの再婚宣言。父とは母が亡くなってからずっと不仲だったので“もう他人だし、関係ない”と、音信不通状態でした」
ところが昨年、父が遺言も残さず、脳梗塞で急逝。ほとんど会話もしたことのない後妻と、相続の話を進めることになった。
「最初は大人同士だしなんとかなるだろうと思っていたのですが、いざ話し合いとなると、後妻は『金融資産はほとんどない』と言い張り、開示を拒否。私たち家族の思い出がつまった実家も、あっさり売却すると言いだし、大もめに。裁判をしようにも、裁判費用のほうが高くつくし、10年近く、父に寄り添ってくれたのは事実。
結局、家の評価額2,000万円に対して、半分の1,000万円を現金で後妻に支払い、実家の権利を手にしました」
父親との音信不通状態を放置したために起きてしまったこのケース。生前、財産分与に関して話したり、遺言を書いてもらえていれば、このような事態は防げたはず。