2021年10月4日 11:00
元日本2位の女性サーファーは71歳。還暦で海に戻ってきた理由
よわい71、古希を過ぎてなお現役のサーファーだ。
同じく現役で、いまも全国各地の大会に出場している鈴木さんは「70代の女性サーファーなんて、見たことないよ」と笑う。
笈川さんは日本舞踊「猿若流」の師範をしながら、4年ほど前から海に通っている。だが、それは彼女の人生で2度目のこと。鈴木さんはこう述懐する。
「あれはまだ、笈川さんが10代だったから50年前だ。毎週、東京からわざわざ通ってくるんで『やる気あるな、本気だな』と思ったもんです。まだ、まともなウエットスーツもない時代。
バケツの水が凍るような真冬の寒い日も、海に入ってた。大した根性の持ち主だ、と感心したのを覚えてます」
笈川さんも当時を懐かしんだ。
「水着の上にTシャツ1枚、その格好で、雪が降るなか波乗りしてましたから。あれは寒かったなぁ」
じつは笈川さん、黎明期の60年代にサーフィンを始め、全日本選手権では準優勝も。彼女もまた“レジェンド”の1人なのだ。いまやオリンピック種目にも採用されたサーフィンだが、笈川さんによれば、「かつて、世間では不良の遊びと思われてた」という。
「でもね、私は最初っから、純粋にスポーツとして捉えていました。