2021年10月4日 11:00
元日本2位の女性サーファーは71歳。還暦で海に戻ってきた理由
友人の結婚式の二次会で出会った彼は同い年。笈川さん同様、実家は寿司店を営む板前だった。「堅い職業の男性に嫁がせたい」と考えていた両親、とくに母は結婚に大反対だった。
「寿司屋の苦労は知ってたから、私も本当はサラリーマンと結婚するつもりだった。でも、それまで恋愛らしい恋愛をしてこなかったから、だまされちゃったのね(笑)」
25歳で結婚。ところが、その1年前から、体に異変が生じ始める。
「急に、たびたびぎっくり腰になるようになって。病院で診てもらったら、生まれつき重度の脊柱側彎症だったことがわかったんです」
それまでは、ゆがんだ体を海で鍛えた筋肉が支えてくれていた。
サーフィンをやめ陸に上がったことで突如、病いが表面化したのだ。
「医者からは『背中を開いて背骨をネジやフック、棒で真っすぐに矯正する手術がある』と言われました。でも、半年間は寝たきりと」
結婚式が目前だった笈川さんは手術を回避。別の治療法を探した。
「ちょうどカイロプラクティックが日本に入ってきて。『これだ』と思い通ったんです。でも、カイロの先生からは『1~2年じゃ治らないよ』と念を押されました」
激痛を伴う治療を毎週のように続けたが、症状はなかなか改善しなかった。