2021年10月13日 11:00
ノーベル賞・真鍋淑郎さん 妻語る結婚60年の軌跡「フルーツパーラーでお見合いを…」
私の勘は間違っていませんでした。東京へ行ったとき、再訪したこともありました。主人はどこへ行ってもお見合いのときと同じクリームソーダを飲むんです。『変わったねえ』とか言いながら(笑)」
大学を中退し、淑郎さんと結婚を決め渡米。言葉の壁も立ちはだかったが、つらかったのは好きなものが食べられないこと。
「主人の好物はうな丼なんですね。でもいいレストランがなかったから、朝、港に着く船を待って買ってきて、私、自分でウナギを裂きました。タレも作りました。
しょうゆはチャイナタウンがあるからそこから手に入れて。日本では料理が好きだったから料理教室にずっと通っていたんです」
■真鍋家は「褒めること」と「ありがとう」がとても好き
おいしかった飲食店のレシピをすぐさま家で再現。和洋中日替わりで出てくる食卓に、淑郎さんは“自分は果報者”だと感謝する。娘さん2人に恵まれた真鍋夫妻。
「うちは褒めるのと『ありがとう』と言うのがとても好きなんです。あまりにも軽くありがとうって言うから、主人は『もうそれ聞き飽きた』って(笑)」
その優しさが逆に娘2人には大いにプレッシャーだったようで、
「勉強でよく『間違えてもいいんだよ』と言っていたら、娘たちは『もう間違えられない!』とすごく嫌だったと大きくなってから言っていました」