くらし情報『「つっぱり棒」作る3代目社長 夫婦二人三脚で業界トップを守る』

2021年11月14日 06:00

「つっぱり棒」作る3代目社長 夫婦二人三脚で業界トップを守る

未来の夫に背中を押され、竹内さんは新聞社を退職し、平安伸銅工業に入社。26歳のときだった。27歳の誕生日の目前に、一紘さんと結婚もした。気持ちも新たに、新しい職場に足を踏み入れた竹内さん。だが、最初は戸惑いも大きかった。

「新聞社時代は、わりと皆でガヤガヤ議論しながら仕事してたんです。それが、当時のこの会社は、なんて言うか、静かなんですよ。皆、粛々と淡々と自分の仕事をしてる、そんな感じで」

そこには、おそらく当時の社長の経営方針も多分に影響していた。


「この業界も価格競争が厳しくて。体力の弱い中小企業には多角化や新ビジネスに投資をする余裕もありませんから。父は新商品開発など不確実なことにお金を使わずに、既存の製品のマイナーチェンジやコスト見直しを繰り返して。すでに業界の中で認知されていた『つっぱり棒は平安伸銅』というポジションだけは守るという方針を立てていたんです」

理屈としてはわかるけど、と竹内さんは思った。父の苦労のかいあって、社の業績は黒字を維持している。でも、現状維持を第一義に掲げたそのやり方では、ジリジリと会社は追い詰められていくのではないか。まだ20代の自分や、働いてくれている社員たちの未来は決して明るくないのではないか。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.