2022年6月2日 06:00
松原智恵子「素敵な世界を見せてくれてありがとう」50年連れ添った夫へ贈るラブレター
いつも若い私に気を使ってくださっていたのでしょうね。取材が終わると、『仕事をしたら腹が減りましたね。何か食べてから東京に帰りますか』、そんなふうに声をかけてくれるのですが、この日だけは『すみません。申し訳ありませんが、今日はすぐに帰らせてください』と……」(同行していた編集者)
編集者に黒木さんはこう説明したのだ。
「今日、自宅に来てくれるはずだった人が急に来られなくなってしまって。いま、あの人がウチで一人きりになってしまってるんですよ。若いころから一人でいると寂しがる人で……。だからすぐにでも帰ってあげなくちゃ」
コマーシャルの撮影中に、シャワーで寒がる松原さんを心配そうに見つめていた黒木さん。
その優しいまなざしは、50年たっても変わることはなかったのだ。
松原さんはこう語る。
「どんな話をしていて、そんな会話になったのでしょうか。実は最近も、純一郎さんはこんなことを言ってくれたのです。
『あなたを一人で残していくのは本当に心配だ。だからきちんと看取って、あなたを送ってから僕もいくよ』と……」
■コロナ禍後の計画も立てていたが、夫婦を悲劇が襲った
女優として、そして記者として、生涯現役を目指していた松原さんと黒木さん。