2022年9月11日 06:00
くわばたりえ 別れた彼氏のTシャツをビニール袋に保管してニオイを嗅いだ
服のニオイを嗅いだり、髪の毛をなめたりする姿に戦慄した。
芸人を目指すことを親に告白したのは、そんな高校生活が終わろうとしていたころ。
「商業科だったので、大半が進学せずに就職していました。でも、私は就職活動をまったくせず、どこも募集を打ち切った時期を見計らって、芸人になるために吉本興業の養成所(NSC)に入りたいと伝えました。父は『3年間だけなら』と許してくれたのですが、母は大号泣。“本家の恥”とまで言われてしまって……」
最終的にはしぶしぶNSC入りを受け入れてくれた母には、こんな思い出も。
「あるとき、母がレンタルビデオ店から映画『マディソン郡の橋』(’95年)を借りてきて、5回も6回も繰り返し見ているんです。理由を聞いても『あんたも同じ漫才を何回も見るでしょ』って返されるだけ。
それで、どんだけおもしろいのか確認しようとビデオを見てみると、不倫の映画!かなりショックで……」
幸せだがありきたりな日常生活を送る女性が、束の間の不倫を経験し、その思い出を大事に心にしまっているという物語。
「自分が母になって家事に追われる毎日を送っていると、そんな特別な恋に憧れる気持ちもわかります。