くらし情報『風の谷の熱血園長 親子の体温、子供の責任感を信念に理想の幼児教育を根付かせた25年の奮闘』

風の谷の熱血園長 親子の体温、子供の責任感を信念に理想の幼児教育を根付かせた25年の奮闘

スクールバスなしにこだわるのは、乗せて終わりじゃなくて、親子が手をつないで通うことが大事だから。体温は思いなんです。自然に会話も生まれるし、子供の体調の変化にも気づく。

お弁当も同じ。親の思いが込められていれば、おかずは昨夜の残り物でもいいんです。

延長保育なしも、家庭に戻っての“個”の時間を、子供だからこそ大切にしてほしかった」

とはいえ、さすがに当初は子供が集まるだろうかと不安もあったが、初年度からその理念に賛同して45人の子供たちが入園、5年後には168人まで増えた。

■決していい母親ではなかったけれど、母親の背中を見ていた息子たちはしっかり育って

「偉そうに言ってるけど、私、けっしていい母親じゃなかった。長男が小学校高学年のころに体調をくずしたとき、『32人の子供たちが待っているから』と言い聞かせて、息子を残し病院から園に戻ったことがありました。


あとで知るのは、一人帰宅した長男は、途中のゴミ箱に吐いてしまったと。

本当に申し訳なかったと思うけれども、私は、けっして息子をほったらかしにしていたわけじゃないの。『お前たちも我慢してね』ときちんと事情を話すことは徹底していた。

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