7浪して医学部、国家試験に2回落ちて53歳で医師になった女性「それでも諦めなかった理由」
年齢とか、子供がいるとか、お金がないとか、成績が悪いとかは関係ないんです。夢を持ち続ければ、いつでも挑戦できるということをお伝えしたいと思って、今回の取材も受けました」
さらにインタビューを終えた数日後、こんなメールが届いた。
〈取材では、偉そうなことを言ったかもしれません。私が医師を目指したのは、父の死をきっかけに誰かを救いたいと思ったというのは、そのとおりです。そして今、私は誰かのために診療していますが、実はその行為のなかで、寂しさを感じている人とかつての自分を重ねていて、いちばん救われているのは私自身なのだと思います〉
■2人の子供も医療の道へ「これからも患者に寄り添いたい」
そのわが子たちについて、貴子先生自身は、こう語る。
「長女は私立大学薬学部の2年生で、長男はハンガリー留学中で医学部1年生、高1の次男は吹奏楽部で、今は音楽か医学かで悩んでいる最中のようです。私の影響?それはないです(笑)。私の記事が地元の新聞などに出ると、『いや違う』『恥ずかしい』なんて言ってますから」
そう話しながらも、うれしそうに母親の顔になるのだった。
「年齢やキャリアを考えても、私は大病院でバリバリ手術して、というタイプとは違います。