2018年4月23日 16:00
90歳の現役弁護士 元気のヒミツはお能の「謡」と大好きなお肉
でも結局、待たんでよかったです。夫はそれから10年受け続けたのに、通らんかった。私と違って頑固なんが、いかんかった(笑)」
やがて長男、長女と2人の子宝にも恵まれた。
’57年、弁護士として開業すると、湯川さんは地元のちょっとしたスターになった。“九州初の女性弁護士”には取材が殺到。地元紙ではコラムの連載も持った。その土地柄か、九州第二号の女性弁護士の登場まで、10年がかかった。湯川さんの30年後輩で、長年の仕事仲間である稲村鈴代弁護士が言う。
「女性弁護士が出始めてから、湯川先生は毎年、女性の新人に声をかけて一緒に仕事をしていました。私もそうやって経験を積ませてもらったんです。母に『湯川先生と一緒にやらせてもらえる』と伝えたら、大喜びでした。先生と同世代の九州女にとって、弁護士第一号の湯川先生は、憧れの存在だったんです」
昨年秋、湯川さんは長年の弁護士生活で培った生きる知恵を1冊の本『ほどよく距離を置きなさい』(サンマーク出版)にまとめた。すでに12万部を超えるベストセラーだ。湯川さんは本の中で、長生きで得た歳月を「ご褒美の時間」