おとな向け映画ガイド 今週のオススメはこの3作品。
島本理生の原作を三島有紀子監督が映画化。ハードなラブストーリーであり、女性の自立の映画でもあります。散りばめられたキーワードや、印象的な映像、気になるセリフ、音楽と音、個性的な役者たち……、観終わっていろいろなことが、記憶に残りました。前作『幼な子われらに生まれ』では不思議な集合住宅が、話題になりました。今回は鞍田の住む、建築家らしい住居が彼の孤独を表現しているかのように使われています。塔子の母役・余貴美子や、職場の同僚役・柄本佑のセリフも彼女の生き方を変える役割を果たします。劇中に流れるジェフ・バックリィの『ハレルヤ』、心に響きます。作者はレナード・コーエン。
「愛はマーチのような威勢のいいものじゃない……」、そんなフレーズもある名曲です。
『スキャンダル』
全米を代表するニュースチャンネル、FOXニュースで起きた、たった3年前の「スキャンダル」を、会社のロゴや関係者の実名までもそのまま使い、内幕を映画にしてしまう。こんなことができちゃうんですね。しかも、社会派というより、ハリウッドの三大女優が熱演する、つまりハラハラどきどきのサスペンスなのです。
局内部の描写や、人間模様が見ものです。