無理していたら無理をしている体になる。そこがすとんと落ちるポイントを、監督とイメージを共有しながら探っていったという感じです」
また、本作の演技面での特徴と言えるのが、ひとりのシーンが多いことだ。相手と会話を重ねながら感情を膨らませていく通常の芝居とは、性質がまったく異なる。
「個人的には、人とやった方が楽しいです(笑)。ひとりでやると予想外って起きないんですね。だから人とやっている方が楽しい。寂しかったですよ、ひとりは。よく舞台でひとり芝居とかありますけど、絶対やりたくない(笑)。
観ている分には楽しいんですけどね。すげえなと思うし。でも、僕がやることはないと思います。人と仕事がしたいですね」
地に足のついた歩みをするしかないってことがもうわかっている
中村倫也といえば、ステイホームの期間中、「中村さんちの自宅から」「動物を飼ったらやりたいこと」など、ゆる〜い動画の数々をアップし、重苦しい世の中の空気に癒しをもたらした。まさに「表に立つ中村倫也」の影響力が強く感じられたが、こちらに関しても本人はいたって力んだところはない。
「自分の立場とか影響力とか、それによって左右されるものがありがたいことに年とともに増えてはきていますけど、それとは関係のないところでああいうことをやってみようという発想は昔から変わっていないというか。