2020年1月21日 00:00
高橋一生が語る夫婦の愛のカタチ「重ねているのは、肉体だけじゃない」
そんなことを感じながら、試写を観ていました」
劇中では、妻の園子との夫婦の営みの場面が何度か描かれる。それは、生々しく、官能的な香りをたたえながら、それでいて優しく、不思議な儚さに満ちていた。
「ベッドシーンに関しては、下品なものにはしたくないという気持ちがありました。タナダさんなら、きっとファンタジックになりすぎず、過剰に生々しくもなりすぎないものを撮ってくださるだろうという信頼を皮膚感覚で感じていたので、何も考えずに現場に行くことができました」
特に終盤で描かれる夫婦の営みは、ある種の神秘さえ感じてしまう。
「不思議な感じです。なんだか哲雄の中でも世界が分断されているような感覚でした。園子と同じ世界に住んでいるようで、住んでいない。この映画は哲雄のモノローグから始まっているので、もしかしたらここに出てくる園子は哲雄によって美化された園子なのかもしれないと思っていて。
ある意味、“哲雄にとってのミューズ”の側面が強く出ていたりもするんですが、そもそもそういうものなんだと思うんです、人が人を見るときって。そういう奇妙な生々しさが伴っているシーンだと思います」
会話はキャッチボールじゃない
妻の園子を演じるのは蒼井優。