2020年1月21日 00:00
高橋一生が語る夫婦の愛のカタチ「重ねているのは、肉体だけじゃない」
ふたりのシーンで特に強く印象に残るのが、夫婦がテーブルを挟んで離婚について話し合う場面だ。高橋一生と、蒼井優。優れた俳優ふたりの見えない糸を引き合うような演技が、緊張感とおかしみをつくり出す。
「あそこは監督から『一連(カットを割らないこと)でやっていい?』と聞かれて。『もちろんいいですよ』と答えて、何パターンか一連で撮ったんです。会話はキャッチボールじゃないんだ、ということがわかるシーンでした」
よく息の合ったお芝居はキャッチボールに例えられる。けれど、高橋一生の考えは違う。
「キャッチボールと言うと、相手がフォームをとって投げてくるまでの間、僕はグローブを構えたまま。
けれど、本来、会話は同時進行でいろんなことが進んでいる。敢えて例えるなら、卓球台の上で1つの球を打ち合いながら、台の下で球を5〜6個同時に投げているようなもの。そういうお芝居ができたのは、相手が蒼井優さんだからこそでした」
蒼井優とは、『リリィ・シュシュのすべて』以来、映画では実に19年ぶりの共演となった。
「優ちゃんが素敵だなと思うのは、自分のことを女優だとは思っていないんです。あくまで俳優部の一員という感覚で。