会社倒産を経験した弁護士が法律トラブルで「スピード感」を重視する理由とは
これは、ネットで海外の商品を仕入れて売ると行ったサービスだったのですが、先に商品を売ってしまってから後から仕入れるというシステムをとっていました。しかし、このシステムが仇となり、結局品物が入ってこないことによって、取引相手との間で、違約金が発生してしまったのです。
当時は、きちんと契約書などにも目を通していなくてハンコを押していました。契約書の中には、かなり高額な違約金の条項もあって、それが払えないことでキャッシュフローがおかしくなり、事業が回らなくなったのです。
この失敗は、最初の時点で、契約書をしっかりと見ておけば防げたことでした。また、今思えばトラブルになった後も、法律を知っていればいろいろと対策できることもあったと感じます。この倒産は、法律がわからなくてダメになってしまった部分も多々あったので、今度は法律面でベンチャー企業を支える側になろうと思ったのが、弁護士を目指すきっかけです。
___経済学部から法律の世界への転身で、苦労したことはありますか?
ちょうど当時はロースクール制度が始まったばかりで、制度移行の過渡期でした。
私は、学習院大学のロースクールに通ったのですが、その後、司法試験の合格までには4年ほどかかりましたね。