【法的に問題は?】事件や事故の被害者を写真入りで実名報道…弁護士が解説!
例えば、個人情報の保護に関する法律で対象となる個人情報は、「生存する個人に関する情報」(法2条1項)であり、死者に関する情報は対象とされていません。
死者の権利が保護される例としては、たとえば著作権法においては
「著作物を公衆に提供し、又は提示する者は、その著作物の著作者が存しなくなった後においても、著作者が存しているとしたならばその著作者人格権の侵害となるべき行為をしてはならない。」
と規定され、著作者が「存しなくなった後」も著作者人格権は保護されるとしています(法60条本文)。
また、刑法においては「死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。」(法230条2項)と規定され、虚偽の事実摘示による故人の名誉を毀損する行為が処罰対象とされています。そして、この場合の保護法益は「死者自身の名誉」と考えられています」
死者のプライバシーは保護対象にならない?
櫻町弁護士:「他方で、死者の「プライバシー」については、法的な保護の対象にならないと考えられています。
ただし、東京高等裁判所昭和54年3月14日判決・判タ387号63頁は、
「死者の名誉ないし人格権についてであるが、刑法二三〇条二項及び著作権法六〇条はこれを肯定し、法律上保護すべきものとしていることは明らかである。