ベーシックインカムのデメリットとは?導入事例から見る制度の問題点をFPが解説
現在の制度では、国民は適用される社会保障それぞれに申請しなければなりません。制度を知らなければ、適用される社会保障でも受け取れないのです。しかし、ベーシックインカムは無条件で全員に給付されるため、このような受給漏れはなくなります。
行政にとっては、社会保障が一本化することでさまざまな申請の手続きに関した労力を減らすことができます。人員配置も少なくて済むため、社会保障に関わるコストを圧縮することもできます。
ベーシックインカムの導入事例
ベーシックインカムを継続的に導入している国はありません。しかし、いくつかの国・自治体では実験的に期間限定で導入しています。ここではベーシックインカム実施国の導入事例をご紹介します。
フィンランドでの導入事例
フィンランドでは2017年から2018年までの2年間に渡ってベーシックインカムの導入実験を行っています。
2020年に研究チームから発表された最終報告書によると、ベーシックインカム受給者のほうが生活に対する満足度は高く、精神的なストレスを抱えている割合が少なかったと言います。
ベーシックインカムによって自律性が高まったというインタビュー回答も多く、実際にベーシックインカムによってボランティア活動などに新たに参加したケースもありました。