スリル満点な田植え体験!見ず知らずの4人が「10年来の友人」に
「な、なに……!?」
和久井が恐る恐る聞くと、彼は黙って和久井を見つめています。
(どうしよう、ここは峰不二子的になんか気の利いたこと言わなきゃいけないのかな……)
モンモン考えていると、彼はそのままプイッと後ろを振り返り、折りたたんであるお布団へ突進し、そのままグーグー寝始めました。
……なんだったんだ……。
結局、朝まで緊張してあまり寝られず、どうしたものかと思っていると、リタイア男子はムクリと起き上がってそのまま部屋を出て行きました。
そうして階下のみんなと合流した彼が、こう言っているのが聞こえます。
「朝、気づいたら姉さんの部屋で寝てた。たぶん知らないうちに連れ込まれたんだと思う」
軽く殺意が湧きました……。
お前のせいでほとんど寝られなかったんだぞ。
結婚間際のヤツなんか連れ込むか!
民宿や古民家風のゲストハウスは、個室に鍵がついていないことが多いですが、それは顧客同士の信頼感があってこそ。数々のゲストハウスに泊まっていますが、個室破りは初めてですよ。
「面倒くせえ……」と思いながら、和久井も階下へ合流しました。
ところが予想に反してみんな、和久井が連れ込んでないこと、なんもやらかしてないことも承知のようなんです。