土地とのマリッジブルー【新宿に建売住宅の値段で注文住宅を建てて住んでいます】
でも自らの足でY社に行き、自らの手でたくさんの書類にハンコを押してしまった……。
そんな状況に追い詰められていました。
そんなときに鳥夫から「どうしたの?嬉しくないの?」と問われ、人目も憚らず泣き出してしまったのです。
■ 鳥夫の反応
マイホームは、夫から妻への愛のプレゼントです。
こんなに大きな決断をしたのに、肝心の妻が喜んでくれないことに、いつも温厚な鳥夫もさすがに感情を露わにし、
「なんでもっと早く言わないの!今更どうするんだよ!」
と怒りをぶつけてきました。
鳥はボロボロ泣きながら、
「自分でもどうしたらいいかわからなかった。あそこがすごくいい土地だとよくわかっている。私だって新宿は大好きだし、あそこに地縁があるとも感じているし。
あとは私の四ツ谷への執着だけ。私の気持ちだけが流れに逆らっているだけじゃない。それがわかっているから、早く気持ちを変えようと思っていたけど、そう簡単に気持ちが変えられなくて…。でも白紙解約の期限まで3か月あるから、その間にまた気持ちも変わっていくかと思って……」
と説明するしかありませんでした。
優しい鳥夫はすぐに鳥の告白を受容してくれましたが、それでも感情を押し殺しながらの抑揚のない声で
「まあ、いざとなったら白紙解除できるから……。