不動産業界をひっくり返しかけた「更新料」をめぐるあれこれ
今回は賃貸物件で発生する「更新料」についてご説明します。
更新のタイミングは住居費が急上昇して家計に与える影響も大きく、それだけ更新料というものは多くの人々の関心を集めやすい話題です。
更新料が無効だと主張した裁判が各地で起こされ、地裁・高裁レベルでは判例が真っ二つに分かれたため、最終的に最高裁判決が出るまで随分とやきもきした記憶があります。
■ 更新料とはあくまで商慣習にすぎない
metamorworks / PIXTA(ピクスタ)
更新料は賃貸物件の賃貸借契約において、契約期間が満了して更新契約を締結する際、借主から貸主に対して支払うお金です。
不動産の賃貸借契約を締結する際に契約期間というものは大変に重要な項目になります。
「平成28年12月20日から平成30年12月19日まで2年間」というように曖昧さを一切排除して契約書に明記しますが、その隣には必ず「更新」という項目があり、「借主は、新賃料の1ヶ月分に相当する更新料を貸主に支払った上、更新できるものとする」と書かれているものです。
更新料はこのように不動産取引において重要な事項ですが、実は法律や条例等において根拠となる規定は一切なく、これまでの商慣習に基づくものでしかありません。