がん患者の「3割」にうつ的症状!患者の心に響く言葉とは何か?
そこからうまれた「がん哲学外来メディカル・カフェ」は、2008年以来、またたく間に全国に広まり、いまや90ヶ所にものぼるといいます。
がん哲学外来の理事長を務める樋野興夫先生に、処方される言葉について、また、メディカル・カフェというローカルな場の持つ力についてお聞きしてきました。
■うつ的症状がでたときはどうすればいいのか
がんと宣告されて、初めから笑っていられる人など、まずいないでしょう。それどころか、笑いが消えてなくなる人がほとんどではないでしょうか。
実際、がん患者の3割にうつ的症状があるといわれるそうです。
樋野先生はいいます。「そんなときは、1時間、部屋に閉じこもって深刻に考え込むといいんです」
「その心は?」とお聞きすると、「人間は、1時間以上は深刻に考えられない生物なんです。1時間もすると、部屋を出て、ちょっとお茶でも飲もうかという気分になるんです。
中途半端に悩むから、一日中悩むことになる」とのこと。
これは、普通の悩みにも効き目がありそうですね。
■クオリティ・オブ・デスという新しい価値観
2008年以来、3,000人以上の患者さん・ご家族に言葉を処方してきた樋野先生。