社員の離職率が低下した企業も!掃除を自前で行う意外なメリット
キレイなオフィスやトイレは、従業員のモチベーションを上げてくれます。では、キレイになりさえすれば、掃除は誰がやっても同じなのでしょうか。
今回ご紹介する一冊は、『掃除と経営 歴史と理論から「効用」を読み解く』(大森信著、光文社)です。
大阪商工会議所が行った「企業経営における『清掃、整理・整頓、清潔』に関するアンケート」では、掃除を自前で行っている企業と外注している企業を比較した場合、すべての項目において自前企業の方がモチベーションは高い、という結果になったそうです。
「売上が向上した(新規顧客・取引先の獲得など)」にいたっては、外注1.3%であるのに対し、自前12.7%と、なんと1ケタも違う結果だというのですから驚きです。
古くて新しい、21世紀の「掃除と経営」論を、著者の大森さんに詳しくお聞きしてきました。
■掃除は「必要なムダ」である!
現代のビジネスシーンでは、ムダは嫌われ者です。特に、経営学の主流とされるアメリカ型の企業においては、本来の業務に直結しない掃除など、ムダの最たるものだといえるでしょう。
大森さんの持論はこうです。
「掃除は“必要なムダ”だと考えています。