くらし情報『更年期に差しかかっているという作家の森美樹さん。「不調を感じたら自分がラクになるような逃げ道を作ってあげるようにしています」#3』

2021年9月17日 23:05

更年期に差しかかっているという作家の森美樹さん。「不調を感じたら自分がラクになるような逃げ道を作ってあげるようにしています」#3

――園枝の死の裏側にあったものを知ることで、珠美子と雪仁は血縁にこだわらない家族の形に気付いたのだと感じました。

森さん珠美子にしてみれば、自分が思っていた母親像が崩れることで初めて園枝の人間らしい一面を知ることができました。それは珠美子にとって良いことのような気がしています。

――衝撃的なできごとが次々と起こる『母親病』ですが、ハッピーエンドの物語だったということでしょうか。

森さんはい。そうあって欲しいと願っています。

コロナ禍によって意識が変わり作品にも影響を与えた

――『母親病』の完成までには、どれくらいの時間がかかっているのでしょうか?

森さん編集者さんから「うそ偽りのない大人の恋愛小説を読ませていただきたい」とお話をいただき、企画がスタートしたのが3年ほど前です。当初は恋愛がメインの連作集にする予定でした。
でも、その間に私の意識が変わったこともあり、血縁から逃れた家族の形というテーマに軸足が移ったような感覚です。――昨今のコロナ禍も森さんの意識に影響を与えたのでしょうか?

森さん自分にとって本当に大切なものはなんなのかを考えてみたりとか、コロナ禍で明らかに意識が変わりましたね。

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