5分でわかる!家計簿相談室 『あと10年で教育資金と老後資金を準備したい。貯蓄目標額はどう考えたらよい?』
■老後資金を具体的にイメージしてみましょう
次に、老後資金の準備です。一般的に、老後の生活費を公的年金のみで賄うことは難しく、不足する金額は現役をリタイアするまでに準備しておく必要があります。
ただ、老後資金は教育資金と違って必要な額がイメージしにくいもの。順序立てて考えるために次のような計算式で導いてみましょう。
橋本さまの場合、繰り上げ受給をされなければ、老齢年金が支給されるのは65歳からです。60歳以降、再雇用制度などを利用して得られる収入がどのくらいになるか調べておきましょう。
老齢年金については、「ねんきん定期便」でご自身の加入状況を確認しておきましょう。50歳以降はねんきん定期便で老齢年金の見込み額を知ることができます。
老後は生活費のほかにも、海外旅行、子どもの結婚費用の援助、住宅のリフォームや住み替え、介護費用などもかかります。想定されるものは予算に組み込んでおきましょう。
今回、ひとつの目安として、統計データを使って試算してみました。総務省「家計調査報告(家計収支編)平成26年(2014年)平均速報結果の概況」によれば、「世帯主60歳以上無職2人以上世帯」の実支出は277,860円、実収入は206,992円です。
橋本さまの場合、老齢年金の支給は65歳からですが、簡易的に60~64歳までも上記と同じ収入が得られるものとして試算してみました。
表3の試算では、必要な老後資金は約3,500万円となりました。
退職金を1,500万円とし、これに準備済みの500万円(現在の貯蓄1,000万円-大学進学資金500万円)を加算すると、不足額は約1,500万円となります。
これを今後10年間で準備すると考えると、必要な年間貯蓄額は約150万円です。
橋本さまの家計は毎月約18万円の黒字、ここにご主人さまのボーナスを加えた年間の貯蓄可能額は約257万円ですから、10年間では約2,570万円になり、今回の試算では、老後資金の準備も万端のようです。