リモワ(RIMOWA)から「チェス アタッシェ」が、2024年1月25日(木)よりリモワの一部店舗などで発売される。チェスセットを収めたアタッシュケース「チェス アタッシェ」は、中にチェスセットを収めたアルミニウム製のアタッシェケース。ケース表面には、スーツケースにも施される、リモワのアイコニックなグルーヴデザインが施されている。内側はブラックの上質レザー上部にコンビネーションロックを備えることで、中のチェスセットを安全に保護。内側には、洗練されたブラックのレザーを配している。チェスはリモワ モノグラム入りケースを開くと、木製のレザー巻きボードにアルミニウムのフレームを配したチェスボードが出現。その下にはプレミアムレザーの仕切りがあり、内側にはシルバー&ブラックのアルミニウム製チェスピースがきれいに並べられている。いずれも、台座にリモワのシグネチャー“モノグラム”を施した、特注のピースだ。【詳細】リモワ「チェス アタッシェ」850,300円発売日:2024年1月25日(木)販売店舗:リモワ一部店舗、オフィシャルウェブストアカラー:シルバーサイズ:H35×W41.5×D8.5cm【問い合わせ先】リモワ クライアントサービスTEL:03-4571-1319
2024年01月28日1898年のブランド誕生以降、本物を追求する旅行者や愛好家のために多くのアイテムを生み出してきたリモワ(RIMOWA)は、リモワのブランド哲学に基づき、チェスセットをアルミニウム製アタッシェケースに収めた「チェス アタッシェ」を発表しました。Courtesy of RIMOWAチェスファンを魅了するこのアイテムは、リモワのアイコンともいえるグルーヴデザインのアルミニウムで仕上げられています。時代を超越したミニマルなデザインは、ご自宅のインテリアにもマッチし、ご家族や友人との楽しいゲームの時間をスタイリッシュに演出します。ハンドル部分は人間工学に基づき、ケースを快適に持ち運べるよう設計されています。Courtesy of RIMOWAまた、中身を安全に保護するためのコンビネーションロックも備え付けられています。ライニングは洗練されたブラックカラーのレザーで仕上げられており、フロントにはリモワのロゴとモノグラムがデザインされています。Courtesy of RIMOWAケースを開けると、中には木製のレザー巻きボードに陽極酸化処理されたアルミニウムのフレームを配したチェスボードが現れます。その下にはプレミアムレザーの仕切りがあり、その内側には特注のマイクロファイバーのコンパートメントにシルバーカラーとブラックカラーのアルミニウム製チェスピースが収められています。控えめなポーンから堂々としたキングまで、オーダーメイドのチェスピース(駒)は台座にリモワのシグネチャーであるモノグラムのレーザー加工が施され、洗練されたモダンな印象で仕上げられています。また、ピース(駒)の底にはフェルトが付いており、 ボード上でのスムーズな動きをサポートします。Courtesy of RIMOWACourtesy of RIMOWAチェス アタッシェは2024年1月25日よりリモワ一部店舗及びオフィシャルウェブサイトにて限定発売を開始します。Courtesy of RIMOWAお問い合わせ:リモワ クライアントサービスTel 03-4571-1319
2024年01月25日ラルフ ローレン(Ralph Lauren)のコーヒーショップ「ラルフズ コーヒー」から、秋限定「チェスナッツ&ナッツタルト」が登場。2023年11月下旬まで、ラルフズ コーヒー 表参道ほか全国各店にて販売される。秋限定“サクッと香ばしい”「チェスナッツ&ナッツタルト」「チェスナッツ&ナッツタルト」は、秋の味覚を使用した限定タルト。サクッとしたナッツの食感や香ばしさがポイントだ。アーモンドが香るタルト生地に、栗本来の甘さや味わいを楽しめるマロンカスタードを贅沢に重ね、ナッツやくるみをプラス。トップにはピーカンナッツをのせ、食べ進めるごとに様々な食感を楽しめる一品に仕上げている。【詳細】「チェスナッツ&ナッツタルト」1,210円販売期間:2023年9月1日(金)~11月下旬販売店舗:ラルフズ コーヒー(表参道、ニュウマン横浜、レイヤード久屋大通パーク、京都BAL、三井アウトレットパーク 大阪門真)
2023年09月14日ナチスに命がけで抗議した作家の世界的ベストセラー「チェスの話」を映画化した『ナチスに仕掛けたチェスゲーム』が7月21日(金)より全国公開。主演を務めたのは、『帰ってきたヒトラー』や『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』などに出演してきたドイツの名優オリヴァー・マスッチ。メイキング写真とともに、オフィシャルインタビューがシネマカフェに到着した。本作の原作は、ナチスに抗議した文豪シュテファン・ツヴァイクの最期の小説「チェスの話」。ナチス占領下のオーストリアを舞台に、ヒトラーの命令でホテルに監禁された男が、1冊のチェス本を武器にナチスとの心理戦に挑むヒューマン・サスペンスとなっている。主人公のヨーゼフを演じたオリヴァー・マスッチは1968年、ドイツ生まれ。ベルリン芸術大学を卒業後、舞台俳優としてキャリアをスタートさせた。その後も舞台を中心に活躍していたが、2015年に映画『帰ってきたヒトラー』で21世紀にタイムスリップしたアドルフ・ヒトラー役に抜擢されたことで、映画界にもその名を知らしめることに。近年は『ある画家の数奇な運命』(18)、『ヒトラーに盗られたうさぎ』(19)や『デイ・シフト』(22)などに出演、『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(22)ではファシズムを連想させる黒い魔法使いを信奉する魔法大臣を演じ、ドイツの名優として知られている。マスッチが本作で演じたヨーゼフは、ウィーンで公証人を務める男。ヨーゼフは莫大な資金を管理していたが、ヒトラーによるオーストリア併合の日、彼の資産を奪おうとするドイツの秘密国家警察に逮捕され、監禁されてしまう。このヨーゼフの役柄は、映画化に際して原作から多少のアレンジが加えられているそうで、役作りに関してマスッチは、「たいてい撮影が始まるまでは役柄にのめり込まないようにしているんです。役に入った瞬間、周囲のすべてをそのキャラクターの視線で眺めるようになってしまって、抜け出すのが難しくなりますからね」と明かす。「特に本作のこの役は大変な苦しみを味わう役だから、あまり長く演じたくなかったんです。演じることは自分自身を占領されることでもありますからね。4か月の撮影で本当に心を削られました。その後、今度は役作りのために体重を減らさなければなりませんでした。それにこの映画はすべてヨーゼフの視線から語られるから、私はほぼすべてのショットに参加しています。だから撮影中は多大な集中力が必要だったし、この集中力を保つことは大変なストレスでしたね。正直、撮影が終わった時は心からほっとしました」と、ナチスに監禁される男を演じることの壮絶さを語った。さらに、監禁された後もナチスに立ち向かい続けたヨーゼフについて、「ヨーゼフのように自由を奪われると、もはや自分が何者なのかということすらわからなくなるでしょうね。心の中では抵抗する気持ちを持ちながらも、自我はどんどん小さくなる。ヨーゼフは秘密国家警察に対して立ち上がるけど、最後には狂気に逃げるんです。ここは原作者であるシュテファン・ツヴァイクの自伝的な部分でもありますね」と自らの思いを話した。フィリップ・シュテルツェル監督とオリヴァー・マスッチ演じるのが最も辛かったシーンを尋ねられると、「チェスの手の列挙、そしてその裏に隠された状況が描かれるシーンです」とマスッチ。「この男は孤独のなかで狂気を悟ります。これほどの暴力にさらされる人物を演じるのは、簡単ではありませんでした。それに20ものチェスの手を暗唱するのも」とチェスを題材に扱った本作ならでは苦労を語り、「たぶん、チェスのプレイヤーには簡単なのでしょうが。まったく、彼らは本当に特別な人々に違いないですよ!」とコメント。最後に、原作小説「チェスの話」が名作として今日に至るまで世界中で読まれ続けている理由について聞かれると、マスッチは「この小説は人間がいかにあっという間に壊されるかを描いています。この小説があらゆる人の記憶に残るのは、これほど短く、緊密に本能的な恐怖が語られているからではないでしょうか」と原作の魅力を深掘り。また、この物語と現在の世相の繋がりについて聞かれると、「原作者であるシュテファン・ツヴァイクは、ナチスが戦争に勝つと思ったから命を絶ちました。今日でも私たちは似たような圧力を受けています。それは決していいものではないですよ」と力強く締めくくり、現代にも通ずる本作の影響力の大きさを語った。『ナチスに仕掛けたチェスゲーム』は7月21日(金)よりシネマート新宿ほか全国にて順次公開。(シネマカフェ編集部)
2023年07月16日世界的ベストセラーを映画化した『ナチスに仕掛けたチェスゲーム』より、予告編とポスタービジュアル、場面写真が解禁された。シュテファン・ツヴァイクの傑作小説「チェスの話」を原案とした本作。ヒトラーの命令で監禁された公証人が1冊のチェス本を武器に、ナチスとの心理戦に挑む驚愕のサスペンスだ。この度解禁となった予告編は、冒頭、公証人であるヨーゼフ(オリヴァー・マスッチ)が、妻のアナ(ビルギット・ミニヒマイアー)とダンスをしながら優雅な夜を過ごしている姿から始まる。ところが状況は一転し、彼は秘密国家警察<ゲシュタポ>に突然拉致されてしまう。ゲシュタポのフランツ=ヨーゼフ・ベーム(アルブレヒト・シュッヘ)から、「あなたが管理してる貴族の資産を渡しなさい」と迫られ、「なんの話だかわからない」としらを切ると、そのまま“特別処理室”へと監禁されてしまうのだった。その後、家具以外何もない一室で精神的な拷問をうけ衰退、錯乱していくがヨーゼフ。だが一冊のチェスの本を手に入れてから、彼はチェスの世界へとのめり込んでいく…。場面は切り替わり、船上で繰り広げられるチェスの大会にヨーゼフの姿があった。彼はどうやってナチスから逃れることができたのか?その答えが明かされる時、彼の物語はひっくり返され、もう一つの事実が立ち上がる…。併せて一挙解禁となった場面写真は、ゲシュタポのフランツ=ヨーゼフ・ベームの姿や、船上で繰り広げられるチェス大会にくわえて、ナチスを支持する突撃隊が車をさまたげるシーン、ダンスパーティーを楽しむヨーゼフ夫妻、監禁前に暖炉で書類を燃やすヨーゼフ、神妙な面持ちで車から顔を覗かせるアナの全6点。ちなみに突撃隊が車をさまたげるシーンは、実際にウィーン市庁舎の裏で総勢180人のエキストラが参加して撮影されており、製作におけるこだわりも垣間見える場面写真となっている。またポスタービジュアルは、日本版のオリジナルデザイン。チェスの碁盤の上に、たたずむヨーゼフとゲシュタポとみられる人物の背中。まるでチェスの駒のように人物が配置された印象的な構図のビジュアルとなっている。また、ヨーゼフの横に添えられた「何ものにも屈したくない」というコピーからは、ナチスとの心理戦へ挑んだヨーゼフの強い意志を感じさせる。『ナチスに仕掛けたチェスゲーム』は7月21日(金)よりシネマート新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2023年05月18日ルイ・ヴィトンより、伝統的なダミエ・パターンとモノグラム・キャンバスが融合した「モノグラム・チェス」のメンズ新作バッグが登場しました。2022秋冬メンズコレクションに登場した本アイテムは、透明なPVCの正方形を交互に並べたパターンが特徴的。メゾンを代表するバックパック「クリストファー」や、トートバッグ「サックプラ」をはじめ、ショルダーバッグ「スリム・ソフトトランク」、ポーチ「スタンド・ポーチ」など様々なバリエーションで展開。ルイ・ヴィトンの伝統と現代のデザインを共に感じることができます。©LOUIS VUITTONクリストファー MM69万8,500円(税込価格)「モノグラム・チェス」に相応しく、フューチャリスティックな雰囲気に仕上げた「クリストファー MM」。ヴァージル・アブローが手掛けた最新アイテムが伝統的なダミエ・パターンでアップデートされました。モノグラム・キャンバスと透明なPVCの正方形を交互に並べた、市松模様が特徴。サイドポケットから2つのスナップボタンで開閉する補強のダブルストリップまで、「クリストファー」ならではのディテールをすべて備えています。38 x 21 x 44 cm (幅 x 高さ x マチ)©LOUIS VUITTONサックプラ45万1,000円(税込価格)「モノグラム・チェス」のテーマに相応しく、シンプルかつ機能的に仕上げた「サックプラ」。モノグラム・キャンバスと透明なPVCの正方形を組み合わせて市松模様を表現し、ルイ・ヴィトン伝統のダミエ・パターンをアップビートでモダンな雰囲気に再解釈しました。大容量のメインコンパートメント、ダブルハンドル、取外し可能なストラップを備えた、多彩な持ち方をお楽しみいただける遊び心あるアイテムです。36 x 9 x 40 cm (幅 x 高さ x マチ)©LOUIS VUITTONスリム・ソフトトランク48万8,400円(税込価格)「モノグラム・チェス」のテーマでアップデートした、2022秋冬コレクションに相応しい「スリム・ソフトトランク」。メゾンの伝統的なダミエ・パターンをモノグラム・キャンバスと透明なPVCの市松模様で表現し、遊び心溢れるモダンな雰囲気に再解釈しました。日常の必需品をハンズフリーで持ち運ぶのにぴったりです。25 x 10 x 18 cm (幅 x 高さ x マチ)©LOUIS VUITTONスタンド・ポーチ22万円(税込価格)独特のフォルムが魅力の「スタンド・ポーチ」。日々の必需品をトレンディに持ち運べるアイテムです。ルイ・ヴィトンが誇るダミエ・パターンと定番のモノグラム・パターンの2つを融合させ、透明なPVC素材と組み合わせて遊び心溢れるモダンな印象の「モノグラム・チェス」バージョンへとフレッシュにアップデートしました。29 x 9 x 15 cm (幅 x 高さ x マチ)※2022年8月29日時点の価格価格などの詳細は予告なく変更される可能性がございます。
2022年08月31日第78回ゴールデン・グローブ賞で作品賞・女優賞(リミテッド・シリーズ部門)に輝いた傑作『クイーンズ・ギャンビット』(Netflixドラマ全7話)の全話レビューも遂に最終回。チェスの戦術名でもあるタイトルに込められた意味を、ゲーム作家の米光一成が解説します。ラスト、真っ白なコスチュームで現れる主人公ベス(アニャ・テイラー=ジョイ)の美しい姿も、チェスのクイーンに由来しているのです。「解かなきゃいけない問題」だったベスラスト、白のクイーンのように美しいベス(アニャ・テイラー=ジョイ)/Netflixオリジナルシリーズ『クイーンズ・ギャンビット』独占配信中。【『クイーンズ・ギャンビット』全話レビュー第7話】vol.7『クイーンズ・ギャンビット』各話レビューの最終回。続編を期待する声も多いが、多くの伏線をガッツリ回収し、これだけきれいに完結している作品だけに、蛇足にならないように続きを作るのはむずかしいだろう。最終話は、アリスが元夫のところに5年ぶりに出向いて、助けを乞うシーンから始まる。1話でチラっと描かれた無理心中を企てる直前のできごとだ。元夫は、すでに新しい家庭を築いている。「今さら遅い帰ってくれ」と言われて激昂、車にもどってくるアリス。「ママ?あの人誰?」というベスの問いに「誤りよ」と答える。”端数処理の誤差”だ、と。実母アリスは数学の博士である。「解かなきゃいけない問題」「問題って?」「お前をどうするか」ベス・ハーモンは、この母親の呪いと戦ってきたのだ。「希望の星だったの、みんなのね」孤児院でチェスを教えてくれたシャイベルさんが亡くなる。シャイベルさんの部屋に入ったベスは、壁一面に自分の記事が貼っているのをみつける。「シャイベルさんだけじゃない」孤児院でいっしょだったジョリーンは、自分もアイスを買うお金でベスが載ってた雑誌を買ったのだと話す。ベスの活躍が、彼女を勇気づけていたのだ。「私はあんたを救う気なんかない。自分だけで精一杯よ。ただそばにいるために来た。それが家族よ」6話で再会した初の公式戦の相手となった少女も、こう言っていた。「希望の星だったの、みんなのね」ベスの活躍が自分にとって意味のあることだと伝えていたのだ。ベスは、チェスが孤独な戦いではなく、たくさんの人に見守られていることを知る。たくさんの人を勇気づけていることを知る。それが、ラストのボルゴフとの対局につながる。孤児院でいっしょだったジョリーン(モーゼス・イングラム)と再会。薬を捨てる重大な意味『クイーンズ・ギャンビット』は、よく「少年漫画みたいに熱い」と絶賛される。それは、このラストの対局のインパクトが大きい。「オラにほんのちょっとずつだけ元気を分けてくれ」的な盛り上がりがあるからだろう。みんなを勇気づけ、みんなから勇気づけられる。「誰よりも強いのは孤独を恐れない人間。問題は周りの人たち。行動や感情を指図してくる人たち。知らぬ間に人生を無駄にしてしまう」と言っていた母親の呪縛から逃れ、「自分が居ていいのだ」と思えるようになるまでを描いているからこそ、ラストの対局が盛り上がるのだ。ベスは依存していた薬をトイレに捨てる。「薬物依存はいけませんよ」という教訓のためだけの場面ではない。この緑の薬は、母親の呪縛の象徴だ。1話を見返してみると、一瞬だがはっきりと、ベスの母親が手に持った緑の薬の瓶を落とす場面が描かれている。母アリスは、薬物のせいで無理心中まで追い込まれてしまったのだ。『クイーンズ・ギャンビット』に込められたものその薬物を捨て、みんなの協力を得て、ベスは戦う。タイトルの『クイーンズ・ギャンビット』は、序盤の定跡の名。ポーン(歩兵)を捨て駒にして、局面を有利に持ち込む戦術だ。ボルコフとの戦いで、ベスはクイーンズ・ギャンビットを仕掛ける。弱い駒を切り捨て突き進む。ロシアの強豪ボルコフ(マルチン・ドロチンスキ)との戦い。だが、最後に勝負の明暗を決めるのもポーンだ。ベスは、ポーンを一番奥まで進める。一番奥まで進んだポーンは昇格(プロモーション)できるというルールがある。ポーンが、クイーンになる。最後、ベスの服装は真っ白な長いコートに白い帽子。その姿は白いクイーンの駒のように見える。これは、コスチュームデザイナーのガブリエレ・ビンダーが意図したことだとブルックリン美術館のバーチャルコスチュームエキシビジョンの解説(※1)にある。60年代ファッション、めちゃキュートな部屋、豪華なホテルの内装、家具など、映像の美しさにもほれぼれするし、アニャ・テイラー=ジョイ演じるベスの魅力、さらにチェス対局の見せ方の多彩さなど、見どころの多いドラマだ。人間ドラマとしても緻密に構築されており、二度三度鑑賞するたびに新しい発見のある傑作であった。文・米光一成(ゲーム作家、代表作に『ぷよぷよ』『はぁって言うゲーム』など)information『クイーンズ・ギャンビット』原作・制作:スコット・フランク、アラン・スコット出演:アニャ・テイラー=ジョイ、ビル・キャンプ、マリエル・ヘラー文・米光一成
2021年03月24日ゴールデン・グローブ賞2冠!主役のアニャ・テイラー=ジョイの授賞式での美しい姿も話題になった『クイーンズ・ギャンビット』(Netflixドラマ全7話)。全話レビューの第6回目では、ゲーム作家・米光一成が、人間模様の描き方の見事さに着目。最終話直前の緊迫感を解説します。ミュージカル化への期待も高まる主役のベスを演じるアニャ・テイラー=ジョイ。受賞おめでとう!Netflixオリジナルシリーズ『クイーンズ・ギャンビット』独占配信中。【『クイーンズ・ギャンビット』全話レビュー第6話】vol.6『クイーンズ・ギャンビット』が第78回ゴールデン・グローブ賞で作品賞・女優賞(リミテッド・シリーズ部門)に輝いた。アニャ・テイラー=ジョイの深いグリーンのディオールのドレス姿も話題になった。放送映画批評家協会賞も作品賞・女優賞をダブル受賞。アニャは、こちらもディオールのプラム色のギリシャ風チュール姿で登場。さらに、デヴィッド・O・ラッセル監督の次回作に、アニャ・テイラー=ジョイの出演が決定したと報じられた(※1)。ロバート・デ・ニーロ、マイク・マイヤーズ、ティモシー・オリファント、マイケル・シャノン、クリス・ロック、アニャ・テイラー=ジョイ!発表された出演陣だけでも超大作の予感だ。さらにさらに、原作小説の劇場用舞台権をLevel Forward社が取得。ミュージカル化への期待も高まっている。快進撃の『クイーンズ・ギャンビット』各話レビューもついに第6話。最終回直前だ。「男たちはいろいろ教えたがる。賢いわけじゃない。自分を大きく見せたいだけ。指図しても聞き流せばいい。自分の思うままに進めばいいの。強い女にならなくちゃ。妥協が当たり前のこの世の中で。自分を貫くにはね。ほら、あなたはあなたよ」第5話(※2)同様、実母アリスがベスに向かって語る言葉からはじまる。この力強い名台詞が、単純な「良いセリフ」としては機能しないところに『クイーンズ・ギャンビット』の迫力がある。第6話、第7話は、最終ボスであるボルコフとの戦いに向けて盛り上がると同時に、無理心中をしようとした母親の記憶との戦いにも突入する。クレオ=スパイ説を検証第3話のレビュー(※3)でも書いたが、『クイーンズ・ギャンビット』は、チェス対局パートは明快かつ爽快だが、ベスを取り巻く人間ドラマのパートは謎が多い。たとえば、第6話に登場するクレオ。けっこうな謎の女だ。ベニーの地下部屋へ、チェス仲間と一緒にやってきたクレオ。ベスと友達になり、パリに来たら連絡してねと約束する。1967年、パリの国際大会で、ボルコフとの対局の前夜に電話をしてきて、ホテルのバーにいるから飲もうとしつこく誘う。ベスは誘惑に負けて、飲んでしまい、二日酔い。対局に遅刻してあわてて向かうハメに(第1話の冒頭のシーンがようやく!)。結局、コンディションが整わないままにボルコフと対局し、負けてしまう。クレオ(ミリー・ブレイディ)の誘惑に負けて飲酒してしまうベス。クレオは、友人なのになぜ大切な試合の前に飲みに誘ったのだろうか。しかも、しつこく。もちろん、そういう性格なのだということで観ていても全然かまわない。が、「IMDb」(インターネット・ムービー・データベース)では、クレオがソ連のスパイなのではないか説も出ている。ベスが勝つのを妨害するために行ったのだ、と。それを示す明確なシーンやセリフはないが、最終話のタウンズのセリフが、クレオ=スパイ説を傍証している。タウンズが、モスクワでの対局に駆けつける。「すぐにビザが取れたの?」とベスに聞かれ、タウンズは「新聞社の世話でね」と答え、その後に、モスクワ大使館の協力もあったと語る。「君の気をそらすためかも」「失敗ね」と会話する。ベスの想いを知っているのは(ドラマ上では)クレオだけだ。タウンズがそのことを知り、モスクワ大使館の協力もあって駆けつけることができたとあれば、ふたりの会話も気の利いたジョークではないのかもしれない。そうなると、クレオがスパイ説はとても濃厚だ。蛇足。クレオがバーで飲んでいたのはパスティス。パスティスの元の意味はSe pastiser(まがいもの)の意味だ。いよいよあと1話。ベスのチェス人生はどうなる?眼の縁を真っ黒にしたメイクベルディックやベニーたちの仲間に支えられ、酒やドラッグを絶っていたベスだったが、この敗北で、ふたたび自堕落な生活へ逆戻りしてしまう。酒を瓶でラッパ飲み、60年代の大ヒット曲ショッキング・ブルー「ヴィーナス」を聞きながら踊り、飲み、吐く(名シーン)。心配して訪ねて来てくれたハリー・ベルティックをガン無視。会場まで駆けつけてくれるが、「同情はいらない」とあしらい、「スーパーで働いてる人とは違う」と酷いことまで言ってしまう。この時のベスは、眼の縁を真っ黒にしたメイク。「闇落ち」感の演出にしてはやりすぎ!と思った人もいるかもしれないが、これはショッキング・ブルーのボーカルのマリスカ・ヴェレスとそっくり。「ヴィーナス」の映像を観て真似たのだと考えるとオチャメである。文・米光一成(ゲーム作家、代表作に『ぷよぷよ』『はぁって言うゲーム』など)information『クイーンズ・ギャンビット』原作・制作:スコット・フランク、アラン・スコット出演:アニャ・テイラー=ジョイ、ビル・キャンプ、マリエル・ヘラー文・米光一成
2021年03月16日Filmarksでは4.3の高得点、2020年秋ドラマ満足度ランキングのベスト3にランクイン、辛口で知られるRotten Tomatoes(ロッテン・トマト)で97%と高評価の『クイーンズ・ギャンビット』(Netflixドラマ全7話)。全話レビューの第5回目では、主人公のチェスの天才少女ベス(アニャ・テイラー=ジョイ)の同棲生活が描かれます。相手のベルティックを演じるのは『ハリー・ポッター』シリーズではおでぶのダドリー役、ハリー・メリング(大変身に驚きます)。ゲーム作家・米光一成といっしょに佳境に入っていきましょう。仕事と恋愛ははっきりと切り離せるのか?天才少女の恋愛は前途多難。Netflixオリジナルシリーズ『クイーンズ・ギャンビット』独占配信中。【『クイーンズ・ギャンビット』全話レビュー第5話】vol. 5仕事と恋愛をはっきりと切り離すことはできるのか。しかも、それが厳しい競争社会であるチェスのプロともなるとどうだろう。第5話は、主人公ベス・ハーモン(アニャ・テイラー=ジョイ)が、恋愛に巻き込まれる回。そもそもベスは、人間関係においてはクールでポーカーフェイス。あまり泥沼化させない。「世界のすべてが64マスでコントロールできれば安心できるのに」というタイプだ。『ハリー・ポッター』シリーズのダドリーがスリムに宿敵ボルコフに負け、養母を亡くしたベス・ハーモン(アニャ・テイラー=ジョイ)。雨の中、たくさんの荷物を持って暗い家に帰宅する。電気をつける。養母が好きだった動物画。テーブルのコーヒーカップ(口紅がついている)。暗い部屋でそれを眺める。セリフがなくとも、その動き、表情、照明、カメラの動きから、孤独が伝わってくる。ハリー・ベルティックから電話がかかってくる。最初のトーナメント戦の最終試合で打ち負かした相手だ。実は、ハリー・ベルティックは、『ハリー・ポッター』シリーズのダドリー・ダーズリー役のハリー・メリングが演じている。ダドリー役のときは、ぽっちゃりまるまるした子どもだったのに、しゅっとした大人になってる!言われなければぜんぜん気づかない風貌の変化に驚く。ベルティックは、ベスに恋している。ボルコフに負けて落ち込んでるベスに電話をし慰め、自分が練習相手になると申し出る。歯並びを治したのもベスに再会するためだ。奔放に誘うベス!だが、うまくいかない。ついアドバイスをしてしまう。「君はすぐカッとなって周りが見えなくなる」「怒りは武器よ」「怒りは香辛料だ。使いすぎると感覚が鈍る」いや、いいことを言ってるのだ。だが、うまくない。「くそ、何をやってるんだ」と帰りの車でベルティックは後悔に苛まれる(エンジンをかけ損ねたタイミングに重ねる演出の妙!)。次の日もやってしまう。「(ボルコフは)州チャンピオンとは違う。世界チャンピオンだ。10歳の彼にも勝てないさ」トイレに入ったベルティックは自分の言ったことを「最悪だな」と後悔する。自分より強いベスに、アドバイスし、教訓めいたことを言う滑稽。しかも「州チャンピオンとは違う」と自分のことを卑下してしまう。ベスは奔放だ。服を一枚脱いで、ラジオのボリュームをあげて踊っている。「もう夏よね」。曲はペギー・リーの「feaver」。「あなたが腕を私に回すと、我慢できなく燃えてしまう」という歌だ。チェスボードの前に座り「来る?」と誘う。セクシャルな誘いだと受け止めていいようなシチュエーション。だが、ベルティックは、暗い顔をして帰る。才能の格差が恋愛を阻むベスとベルティックは同棲することになるのだが、うまくいかない。チェスの対局をすると、ベスにははっきりと見えている手筋が、ベルティックには見えない。「君にはついていけない」チェスのことだとベルティックは割り切ることができない。「ぼくはチェスが好きじゃない。かつてのぼくほどには」とベルティックは言ってしまう。ベスと一緒に暮らすことで、自分のチェスへの集中力がベスほどではないことを思い知らされてしまったのだ。ベルティックは、ベスのスタイルをこう表現する。「ナイトやビショップを惜しみなく捨てる。素早くキングを攻め敵を動けなくする」ベルティックは、自分を惜しみなく捨てられた駒のように感じている。恋のABCにコーチは必要か1967年オハイオ米国チェス選手権で、ベスは連勝。マルチ画面を使ってテンポよく試合を見せる。過去の対局では負けたベニー・ワッツにも勝つ。ベニー・ワッツを演じるのは、トーマス・ブロディ=サングスター。『ラブ・アクチュアリー』の片思いに悩む少年を演じて一躍有名になり、『メイズ・ランナー』でイケメンに成長した姿を見せ、『ゴッドレス 神の消えた町』『ゲーム・オブ・スローンズ』等に出演。ボルコフと再戦するためには、「いいコーチが必要だ」というベニー・ワッツ。「ベルティックでなく、もっと強いヤツ。もっと大人な誰かだ」ということで、ベニー・ワッツが色恋抜きでコーチになるのだ。最後にかかる曲は、Nancy Wilsonの「Teach Me Tonight」。「今夜教えて、恋のABCを」っていう歌だ。第5話の冒頭で母アリスはこう語る。「誰よりも強いのは孤独を恐れない人よ。問題は周りの人たち。行動や感情を指図してくる人たち。言いなりになって、知らぬ間に人生を無駄にしてしまう」教訓のようにみえる言葉は、呪縛としても機能してしまう。文・米光一成(ゲーム作家、代表作に『ぷよぷよ』『はぁって言うゲーム』など)information『クイーンズ・ギャンビット』原作・制作:スコット・フランク、アラン・スコット出演:アニャ・テイラー=ジョイ、ビル・キャンプ、マリエル・ヘラー文・米光一成
2021年03月09日辛口で知られるRotten Tomatoes(ロッテン・トマト)で97%と高評価評価の『クイーンズ・ギャンビット』(Netflixドラマ全7話)。全話レビューの第4回目では、主人公のチェスの天才少女ベス(アニャ・テイラー=ジョイ)と養母アルマとの別れが描かれます。『愛の不時着』にも劣らない熱狂を生んだ傑作の見どころを、『嵐にしやがれ』でもプレイされて話題になった『はぁって言うゲーム』の作者・米光一成が一話ずつ解説していきます。【『クイーンズ・ギャンビット』全話レビュー第4話】vol. 4養母アルマとベスの違いベス(アニャ・テイラー=ジョイ)はチェスの大会で、養母とメキシコに行く。Netflixオリジナルシリーズ『クイーンズ・ギャンビット』独占配信中。好きなことや得意なことを仕事にすべきか、趣味にすべきか。悩ましい問題だ。『クイーンズ・ギャンビット』第4話は、この悩ましい問題をめぐるドラマだ。主人公ベス・ハーモン(アニャ・テイラー=ジョイ)は、孤児院から出て、チェスの才能ひとつでのしあがってきた。1966年、メキシコ大会へ。養母アルマ(マリエル・ヘラー)は文通相手の男に夢中だ。毎日遊びに出かけている。ベスは、大会に集中しようと焦っている。リラックスしたほうがいいと、養母アルマが遊びに出かけようと誘う。「明日、大会がはじまるのよ。エンドゲームの研究をする」「もう少し人生の研究をしたら。人生チェスだけじゃない」「これが得意なの」「私の経験からして得意なことが大事なことじゃない」「なら何が大事?」「生きること成長すること。人生を楽しむの」とはいえ、養母アルマが奔放に遊んでいられるのは、ベスの賞金のおかげだ。養母アルマは、自分が得意なことを仕事にしなかった。彼女はピアニストを目指していた。だが、あがり症のため断念したのだ。文通相手の男は、オアハカ(メキシコの都市)に帰ってしまう。アルマは「仕事でオアハカへ」と言っているが、おそらくこれは彼が家庭や仕事のある街へ戻ったということだ。「オアハカってきっとデンバーみたいなところね」とアルマは言う。デンバーは、養父ウィートリーがいる場所。ウィートリーは、デンバーに行ったきり戻ってこなくなった。デンバーで仕事をし、おそらく別の家庭を築いている。ベスの実母アリスも、才能をどう扱うか悩んでいたのかもしれない。第1話で、実母アリスとベスがトレーラーハウスで暮らしている場面が描かれる。やりなおそうと夫が説得しても、かたくなにアリスは拒絶する。その時にベスが拾い上げるのが数学の本。著者は、アリス・ハーモン博士と表紙に記されている。母アリスは、コーネル大学数学科の博士だ。養母アルママ(マリエル・ヘラー)とベス、ふたりともお酒が好きだ。なぜマナー違反を?ベス・ハーモンと少年ジョルジ・ギレフの対局。この対局、ベス・ハーモンが奇妙な行動にでる。席を立ってスカートをひらひらさせながら歩いたり、貧乏ゆすりをしたりする。あきらかにマナー違反だ。なぜ、ベスはこんなことをしたのだろう?幼いジョルジ・ギレフは、攪乱されてしまう。負けた少年とベスは話す。「いつか世界チャンピオンになります」「もしなれたら次はどうするの?」と質問するベス。「意味がわかりません」「16で世界チャンピオンになったら残りの人生は何をするの?」ジョルジ・ギレフは、やはり意味がわかりません、と答える。少年にとって、これは微塵も「仕事」ではないのだ。純粋に、世界チャンピオンになることを目指し、チェスを趣味として愛しているのだ。ベスが、マナー違反をしてまで勝ちにこだわったのは、彼女にとって、チェスの対局が、ある部分で「仕事」になってしまったからだろう。ベスは、ジョルジ・ギレフを「いままでで最高の相手」と認める。勝利しても浮かない表情のベスがロビーで目撃するのは、ピアノを弾いている養母アルマの姿だ。あがり症の彼女が大勢の人の前で華麗にピアノを演奏している。「あがり症じゃなかったの?」「楽しんで弾くぶんには平気なの」ここでも、自分の得意なことを趣味にするという選択が描かれている。チェスの大会を追って、アルマとベスは豪華なホテルを渡り歩く生活をしていた。ふたたび薬物に手を出すベス得意なことを仕事にする道は厳しく、時には汚いことにも手を染めてしまう。だがベスはその道を選んだ。選んだにもかかわらず、ベスは、宿敵ボルゴフに負ける。「弱点がなかった」大敗だ。追い打ちをかけるように、養母が肝炎で亡くなってしまう。ふたたび精神安定剤に手を出してしまう。薬局で、緑の薬を差し出されたベスは、スペイン語でこう言う。「もっと」もっと厳しい道がベスの歩む先に続いている。文・米光一成(ゲーム作家)information『クイーンズ・ギャンビット』原作・制作:スコット・フランク、アラン・スコット出演:アニャ・テイラー=ジョイ、ビル・キャンプ、マリエル・ヘラー文・米光一成(ゲーム作家)
2021年03月03日Netflixの大人気作『クイーンズ・ギャンビット』の主人公のベス(アニャ・テイラー=ジョイ)はチェスの天才少女。第3話では、ライバルのイケメンプレイヤー、ベニー・ワッツ(トーマス・ブロディ=サングスター)が登場する。『愛の不時着』に比肩する傑作の見どころを、神木隆之介と福山雅治のコラボ動画などで話題の『はぁって言うゲーム』の作者・米光一成が一話ずつ解説していきます。【『クイーンズ・ギャンビット』全話レビュー第3話】vol. 3主人公ベス・ハーモン、チェス大会で連勝好敵手・ベニー・ワッツ(トーマス・ブロディ=サングスター)とベス・ハーモン(アニャ・テイラー=ジョイ)。Netflixオリジナルシリーズ『クイーンズ・ギャンビット』独占配信中。アメリカではチェスセットの売り上げも爆伸びさせた『クイーンズ・ギャンビット』(Netflixドラマ全7話)。全話レビューの第3回目。ベス・ハーモン(アニャ・テイラー=ジョイ)はチェス大会で連勝し、賞金を稼ぎまくる。初めての大会で勝負したタウンズ(ジェイコブ・フォーチューン=ロイド)は、「チェスレビュー」の記者としてやって来ている。美しくなったベスを見て「わお!」と感嘆の声をあげる。ベスも、それに応じてポーズをとる。「君の記事を書きたい」とタウンズはベスを誘う。「部屋にカメラがある」「あなたの部屋?」いぶかしむ表情のベスだが、「チェスボードもあるから指せるよ」で、すぐに部屋に行ってしまう。お笑いコンビ・納言のネタなら「なぜついてくるの?」「チェスボードはセコいってよ」と続く流れだ。チェスボードにつられて部屋に入ってしまったベス。写真を撮りながら、タウンズはベスに近づき、手を伸ばして髪の毛を触る。見つめ合うふたり。急にドアが開いて男が入ってくる。「お邪魔しちゃったかな、ぼく」この男が、短パンにカットしたムチムチのジーンズをはいている。登場人物を紋切り型な人間に描かない『クイーンズ・ギャンビット』はチェスのドラマだ。チェスの試合は勝敗がはっきりする。いっぽうで人間関係は試合のように白黒つかない。ていねいに慎重に、人間関係を描いていく。説明セリフや、あからさまなシーンで関係性にわかりやすい決着をつけることを良しとしない。タウンズと男はおそらくカップルだ。ベスはそう推測したように見える。わかりやすいラブロマンスに堕さず、登場人物を紋切り型な人間に描くことはない。このあたりの匙加減が絶妙だ。ベスと養母アルマ(マリエル・ヘラー)の関係も、多層的だ。チェス大会で賞金が入ることを知った養母アルマは、ステージママとなる。賞金と経費を計算し、スケジュールを仕切り、学校に「風邪だ」とウソをついてベスを休ませ、飛行機に乗り、豪華なホテルに宿泊する。ベスと一緒に、チェス大会に出向く。養母アルマからそれまでの暗い表情が消える。エリック・サティの曲を悲しそうに弾くこともなくなる。「ベス、考えたんだけど、わたしに10%くれない。エージェントの手数料」「それじゃあ、15パーセントにしましょう」ベニー・ワッツにミスを指摘されて、対局を振り返るベス。養母アルマは、ベスをサポートしたいのか、お金を稼いでくれるから利用しているのか、はっきりしない。おそらくその両方だろう。ベスも、アルマをよき養母だと思っているのか、チェス以外の段取りをしてくれる便利なマネージャーと思っているのか、はっきりしない。ベニー・ワッツ(トーマス・ブロディ=サングスター)との対局で、大会で初の敗北を喫したベスを、養母アルマはなぐさめる。「常に完璧とはいかない。それは無理」「チェスのことわからないくせに」ベスは八つ当たりする。「負けたときの気持ちはわかる」「そうでしょうね」と、いじわるなベスの返事。「これであなたもわかった」ついアルマもいじわるに返してしまう。ベスは怒って立ち去ってしまう。その後、空港に向かうタクシーに乗り込むふたり。そっぽを向いている。そっぽを向いたまま、ベスは、アルマの手を握る。「The End of the World」(Herman’s Hermits)が流れる。別れの曲だ。さよならを言ったあと、どうやって生きていけばいいのかわからないと嘆く歌。ふたりは、孤独を通じて、つながっているのだ。文・米光一成information『クイーンズ・ギャンビット』原作・制作:スコット・フランク、アラン・スコット出演:アニャ・テイラー=ジョイ、ビル・キャンプ、マリエル・ヘラー文・米光一成
2021年02月24日コンバース(CONVERSE)は、スニーカー「オールスター クップ レザー OX(ALL STAR COUPE LEATHER OX)」のシーズンカラーとして、チェスナットを2020年12月に発売する。ヨーロピアンテイストの「オールスタークップ レザー OX」「オールスター クップ レザー OX」は、コンバースの定番スニーカー「オールスター」をミニマルで上品なテイストにアレンジしたアイテムライン。ドレッシーなカップソールや、タン部分に施されたゴールドロゴが高級感を漂わせる一足だ。軽量でクッション性の高い、インジェクションE.V.A.のカップインソールが取り入れられており、快適な履き心地を実現してくれる。新色は栗のようなカラー"チェスナット"シーズンカラーとして登場する"チェスナット"は、栗のようなブラウンカラー。アッパーとシューレースは同色で統一されており、ソールの生成り色との相性は抜群。上品な印象を与えつつ、カジュアルにも取り入れられるデザインに仕上がっている。【詳細】コンバース「オールスター クップ レザー OX」発売時期:2020年12月価格:14,000円+税カラー:チェスナットサイズ:22.0~28.0、29.0、30.0cm【問い合わせ先】コンバースインフォメーションセンターTEL:0120-819-217月~金曜日(土日・祝日除く)9:00~18:00
2020年11月05日現在、空前の将棋ブームが巻き起こっていますが、同じく“盤上の格闘技”と言われている競技といえばチェス。そこで、フランスのチェス界を賑わせたある天才少年の波乱の人生を映画化した注目作をご紹介します。感動の実話『ファヒム パリが⾒た奇跡』【映画、ときどき私】 vol. 318政変が続くバングラデシュに暮らしていたファヒムは、身の危険を感じ、父親と一緒にフランスのパリへと脱出をする。わずか8歳にして、母親と離れ離れになってしまうだけでなく、言葉も文化も違う異国で、さまざまな困難に見舞われることに。そんななか、母国で“チェスの天才”と呼ばれていたファヒムは、フランスでもトップコーチのシルヴァンと出会う。国籍も年齢も超えてぶつかり合っていた2人だったが、いつしか信頼関係で結ばれていた。ところが、父親が強制送還の危機にさらされ、姿を消してしまう。その問題を解決する唯一の方法は、ファヒムがフランス王者になることだった……。1人の少年の実話をもとに映画化された本作は、本国フランスでも多くの観客の心を捉えた話題作。今回は、本作を手掛けたこちらの方にお話をうかがいました。ピエール=フランソワ・マルタン=ラヴァル監督もともとは俳優としても活躍しているピエール監督。これまでは、コメディを中心に制作してきたこともあり、実話ものに挑戦するのは初となります。そこで、完成までの心境や舞台裏などについて語っていただきました。―本作は、監督がテレビでファヒムくんのインタビューを見たことがきっかけだったそうですが、実際に会ったときはどのような印象を受けましたか?監督テレビで見たあと、実際に会ったのは2014年のフランス選手権のとき。最初は彼がチェスを戦っている様子を客席から見ていましたが、とてもエモーショナルな感動を覚えた瞬間でしたし、彼の姿からはインスピレーションを受けました。―そのときに、映画化のお話もすぐにされたんでしょうか?監督はい、そうです。でも、「君の映画を作りたいんだ」とファヒムに伝えると、彼はすごく恐縮していました。なぜなら、私はフランスでは喜劇の作品を作る監督として知られているので、そんな私がある意味“悲劇”のような物語を映画にしたいと言ったことに対して驚いていたのです。そのいっぽうで、彼のコーチは、「とてもエキサイティングなことだ!」と言って、すごく興奮していましたけどね(笑)。―脚本を作り上げていくなかで、ファヒムくんから意見をもらうこともありましたか?監督自伝を脚色する作品だったので、今回は脚本を書くたびにファヒムに読んでもらって許可を得るという形を取りました。映画としておもしろくするために、どうしてもフィクションの要素も入れなければならなかったのですが、ときには彼が気に入らないこともあったので、そこが難しかった部分ですね。ただ、僕としては本人のことを裏切りたくなかったので、心がけていたのはきちんと話し合いをすること。なので、2人で一緒に協力をして作業を進めていきました。それから、ラストシーンに関してですが、脚本の第一稿の段階でフランスにファヒムの家族が到着するところまでを描きたいと伝えましたが、その時点で彼はまだお母さんには会えていませんでした。でも、せめてフィクションの世界では家族が再会するところで終わりたい、という思いがあったんです。そうしたら、その数か月後、なんと本当にお母さんがフランスに来ることに。まるで魔法のような話なんですが、脚本が彼の現実を裏切らずにその通りになった瞬間でしたね。物語に真心を持って語ることが大事だと気がついた―ステキなエピソードですね。ただ、監督はこの映画を作る資格があると自信を持てるようになるまで時間が必要だったとそうですが、なぜですか?監督僕は90年代の末に非常にシュールな喜劇集団に属していたこともあり、映画の世界に移っても、演じるのも監督するのも喜劇のものばかりでした。なので、それとはまったく違う作品を作る資格が自分にあるのか、ということを当初は悩んでいたんです。―その後、自信を与えてくれたものは何ですか?監督それは、シルヴァン役のジェラール・ドパルデューがイエスと言ってくれたときですね(笑)。今回は彼のエージェントが気に入ってくれたこともあって、すぐドパルデューに脚本を渡してくれたんですが、なんと彼は脚本を手にした24時間後には、イエスの返事をくれたんです。そのことが、僕に“翼”を授けてくれることとなりました。そのあと、自分で気がついたこととしては、ファヒムの物語を映画にするうえで、ジャンルは関係ないんだということ。確かに自分はコメディの出身だけど、物語に真心を持ち、真摯な気持ちで語ることのほうが大事なんだとわかってからは、リラックスして取り組むことができました。―いろいろな意味で、ご自身にとって挑戦的な作品だったと思いますが、完成まで一番大変だったことを挙げるとすれば?監督一番難しかったのは、素人を俳優として起用したことですね。今回は、子役だけでなく、お父さんの役もストリートキャスティングで選びましたが、彼らもファヒムたちと同じような経験をしてきた人たちだったんです。なので、演技の経験はなかったんですが、彼らを信じ、僕が彼らのエモーショナルな部分を引き出せるように意識しました。それが、僕にとっては一番大きな仕事だったと思います。素人俳優を起用したことが第一の賭けだとすると、第二の賭けはチェスを映画にしなければいけないことでした。というのも、チェスの対局を長々と映すのはボクシングを映すのとは違って、観客が退屈するリスクが大きかったからです。そこで至った結論は、俳優にフォーカスすること。そうすることで、よりおもしろさを伝えられることができたと思っています。俳優たちとは時間をかけてわかり合うことができた―ファヒムを演じたアサド・アーメッドくんは、演技初挑戦とは思えないほどで、驚かされました。監督本当に彼は素晴らしかったと思います。私たちは何か月もの間、スーパーや道で子どもたちを探していたんですが、なかなかリアルにファヒムと感じられる少年に出会えませんでした。そんなとき、背が高すぎるという理由で諦めた男の子に別れを告げようとしたとき、その子を迎えに来ていたのが、彼のいとこであるアサドだったのです。アサドはお医者さんになることが夢だったので、俳優になることはまったく考えていなかったんですが、キャスティングディレクターも「この子しかいない!」と言ってお父さんに何度も電話をして来てもらうことができました。実は、彼もファヒムと同じく、政治亡命した父親とフランスに来た子で、僕が会ったときは3か月前に入国したばかりだったんですよ。―運命的な出会いだったんですね。とはいえ、演出するうえでの苦労もあったのでは?監督アサドは大人に対して怒りを示してはいけない、という宗教的な教育を受けて育ったこともあり、そういう場面での表現ができず、最初の4週間は、演技らしいことはまったくできませんでした。でも、徐々にこれは演技なんだということに気がついてから、できるようになっていったので、かなり時間をかけてわかり合えたという思い出がありますね。―そんななかで、フランスの名優ドパルデューさんの存在感は大きかったと思いますが、一緒にお仕事をされていかがでしたか?監督まず、彼との出会いについてお話しますが、実は2004年に『RRRrrrr!!!(原題)』という映画で共演したことがありました。ただ、彼はおそらく僕のことは覚えていないので、今回は僕にとって彼との“2回目の初めての仕事”という感じでしたね(笑)。―(笑)。そのなかでも、忘れられないやり取りなどがあれば、教えてください。監督そもそも、彼自身がものすごく印象的な人。フランスだけでなく世界的にも有名な大御所俳優ですからね。ある日、映画の話をするために、彼のお宅に初めてお邪魔したときのこと。とても暑い日だったんですけど、パンツ一丁でお出迎えしてくれました(笑)。そして、大きなテーブルに座って話し始めたんですけど、当然この映画の話をするのかと思いきや、彼が最初に話したのは、日本のことだったんですよ。普遍的なテーマをこの映画から感じてほしい―なぜ日本の話になったのでしょうか?監督彼は日本がすごく好きで、いまも日本を舞台にした映画を撮っているらしいんですが、「日本はプライベートでも何度も訪れているほどなんだ」といきなり始まったんです。広島の原爆の話にも詳しいので、アメリカに対して怒っていましたが、そのほかには日本料理、あとは日本女性のことについても延々と語っていましたよ(笑)。―その後、映画の話はきちんとできましたか?監督「じゃあ、そろそろ映画の話をしましょうか」って言ったら、今度はアルジェリア戦争の話が始まってしまって……。ただ、そのことによって彼は教養があって、世界市民的な感覚を持っているということがよくわかりました。でも、この映画の話をするまでに、2時間くらいかかってしまいましたけどね(笑)。―彼自身が印象的な人、とおっしゃる意味がわかった気がします。この作品では、ファヒムくんの物語とともに、難民や亡命者たちの抱える苦しみについても描かれています。普段あまり身近ではない問題も映画を通じて知ることができますが、観客に伝えたいことはありますか?監督日本のみなさんがこの映画をどういうふうに受け止めるのか、ということは僕自身も不安に思っているところもありますが、この映画で描かれているのはとても普遍的なテーマ。特に、移民と難民の問題ですが、ヨーロッパの人でさえ移民と難民の違いを理解していない人が多いので、そういった“混乱”を正すことができるのではないかなとも考えています。つまり、移民とは豊かな国の富を得るために移動する人たちのことであり、難民は母国で死の危険にさらされてしかたなくほかの国に逃げる人たちを指しているということ。難民たちがいかに困難な立場に置かれているのか、ということはこの映画で啓蒙できるのではないかと思っています。それがこの映画のテーマの一つでもあるのです。―興味深いお話をありがとうございます。そして今回は、なんと現在20歳になったファヒムくん本人もananwebにコメントを寄せてくれました。本人から日本の観客へメッセージファヒムくん私が自分の経験を通してみなさんに言いたいことは、決して諦めないこと。もし、やりたいことがあるのなら、それに向かって最後までとことん行くべきです。そうすることによって、たくさんのことを学ぶことができますから。「自分のやりたいことをやっていれば、人は決してルーザーになることはない」ということを伝えたいです。私のモットーは、「後悔なく生きる」。どんなに困難な状況にあるときでも、全力で物事と向き合うことが大切だと思います。小さな巨人から大きな力をもらう!不可能と思えるようなことでも、諦めなければ自らの力で道を切り開くことを教えてくれる本作。ひとりの人間が持つ力の可能性、そして周りの人たちの絆に胸が熱くなり、いまの苦しい状況のなかでもがんばろうという勇気をもらえるはず。まさに、いま観ておきたい1本です。心を揺さぶる予告編はこちら!作品情報『ファヒム パリが⾒た奇跡』8月14日(⾦)ヒューマントラストシネマ有楽町 ほか全国公開配給:東京テアトル/STAR CHANNEL MOVIES© Fahim Mohammad._Fahim_bis©POLO-EDDY BRIÉRE.
2020年08月13日パリへ逃れた政治難民の少年がチェスチャンピオンを目指す、フランスで起きた感動の実話を基にしたヒューマンドラマ『ファヒム パリが見た奇跡』。この度、スピード感に思わず目を奪われる本編映像がシネマカフェに到着した。母国バングラデシュで天才チェス少年として有名だったファヒムは、8歳のときに政治難民として父と共に突然パリに移り住む。そして、自由な未来を勝ち取るため、言葉も分からず住む場所も定まらないパリで、チェスのチャンピオンを目指すことに…。今回、シネマカフェが独占入手した映像では、すでに天才チェス少年として有名だったファヒムが、その実力をさらに磨くため、チェスのトップコーチ・シルヴァン(ジェラール・ドパルデュー)のチェススクールを訪れ、シルヴァンと自信満々に対局するシーン。自分のチェスの腕に自信満々のファヒムだが、対局は彼には全く想定外だった“引き分け”に。しかし、ファヒムはその現実が受け入れられず、対戦終了後のシルヴァンの握手も無視してチェスを打ち続ける…。世界に飛び出したことで、初めて厳しい現実を知ったファヒム。その挫折を乗り越え、自らの努力で未来を切り開いていく“スタート”となるワンシーンとなっており、そのスピード感にも注目だ。『ファヒム パリが見た奇跡』は8月14日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ファヒムパリが見た奇跡 2020年8月14日 ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開©POLO-EDDY BRIÉRE.
2020年08月01日母国バングラデシュからパリへ逃れた政治難民の少年が、チェスチャンピオンを目指す実話を映画化した『ファヒムパリが見た奇跡』(原題:Fahim)。この度、8月14日(金)より日本公開が決定した。ストーリー政変が続くバングラデシュ。家族が反政府組織に属していたことに加え、チェスの大会で勝利を重ね続けるファヒムに対する妬みが原因で、徐々にファヒムと家族は脅迫を受けるようになっていた。自分たちの身に危険を感じた父親は、まだわずか8歳だった少年・ファヒムを連れ、2人だけでパリへ国外脱出、そこでチェスのトップコーチであるシルヴァン(ジェラール・ドパルデュー)と出会う。独特な指導をする、かつての天才チェスプレーヤーでもあるシルヴァンと、天才的頭脳で口達者なファヒムはぶつかり合いながらも、チェスのトーナメントを目指して信頼関係を築いていく。そんな中、移民局から政治難民としての申請を拒否されたファヒムの父親は、身の置きどころがなくなり姿を消してしまう…。迫りくる強制送還のタイムリミット、そこから逃れるための解決策はただ一つ。ファヒムがチェスのフランス王者になることだった――。主人公の少年は、実際の亡命者の息子ファヒムの才能をいち早く見抜き、彼をフランス王者にするために厳しくも愛情溢れた熱心な指導に没頭するファヒムのチェスコーチ、シルヴァンを演じるのはフランスの誇る名優ジェラール・ドパルデュー(『シラノ・ド・ベルジュラック』)。監督が実際の“ファヒム”の指導者であるグザヴィエ・パルマンティエに出会った際に、「彼の恰幅の良さ、優しさ、激しい気性を知りまっさきに思い浮かべたのがジェラール・ドパルデューだった」という。「私はおめでたい人間ですから、すぐにジェラールがぴったりだと思い、1秒たりとも断られる可能性を想像しませんでした。それでもジェラールのエージェントに脚本を送った時は多少ドキドキしましたよ。脚本は140ページあり、この長さがジェラールのやる気をそぐんじゃないかと怖くなったのです。でも違いました。48時間後に彼はOKの連絡をくれました」とその喜びを語る。そして、チェスの天才少年ファヒムを演じたのは、これが演技初挑戦であり、自身も撮影が始まる約3か月前にバングラデシュから政治亡命者の息子をして逃れてきたというアサド・アーメッド。ある日、父親から「いとこと一緒にでかけろ」と言われた先が映画のキャスティング現場だったと言う。本作について「脚本の内容を聞いた時、とても感動しましたし、バングラデシュの首都ダッカで起こっているいろいろな問題を思い出しました」とアサド。「ファヒムの物語は僕のものではありません。でも僕が経験してもおかしくなかった」「この映画を通して、人々が移民の生活が簡単ではないと分かってくれることを願います」とその想いを語る。監督は、俳優としても活躍するピエール=フランソワ・マルタン=ラヴァル。本作を製作することになったきっかけについて、彼は「2014年2月、テレビで14歳のバングラデシュ人の少年が、彼のこれまでの人生を語った本『Un roi clandestin(密入国者の王さま)』(日本未発売)についてインタビューを受けていたのを見たのです。それまで彼のことをまったく知りませんでしたが、落ち着いた声で話すこの少年に魅了され心を揺さぶられたのです」と明かす。「なぜ8歳の時に急に母親から引き離され、国を出なければならなかったのか。父親と一緒に言葉も生活習慣も知らないフランスに降り立ち、その4年後に、不法滞在のホームレスであったにもかかわらず、どうやって12歳以下のチェスのフランス王者になったのか。すごい道のりです!私の映画作家としての血が体をひと巡りし、すぐにこの映画を作りたいと思ったのです」。政治難民の父親に伴われ、わずか8歳で見ず知らずの街で生きることになったファヒムが“チェス”という共通項を通して様々な人と出会い、信じ合うことでその才能が花開き、目標に向かってひたむきに生きる姿には心打たれるだろう。『ファヒムパリが見た奇跡』は8月14日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ファヒムパリが見た奇跡 2020年8月14日 ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開©POLO-EDDY BRIÉRE.
2020年05月23日宝石のように美しい街「世界一美しい街」とガイドブックに書かれるチェコ南部のチェスキー・クルムロフ。首都プラハから車で3時間ほどの山間にあるその街は、小さく可愛らしい姿から「宝石」や「おとぎ話」と形容される。 中世からタイムスリップしたかのような街全体が世界遺産。街の真ん中をU字に流れるのは、日本ではドイツ語名の「モルダウ」で知られるヴルタヴァ川。プラハ、さらにはドイツのドレスデンやハンブルグでも雄大な姿が見られる川だが、この街で見ると不思議と街のサイズに合った可愛い川に思える。 多くの建物は16世紀に建てられたルネサンス様式のものがそのまま使われている。一時は痛みも激しかったそうだが、1989年の革命以降、修復が進められ今も現役。元は住居だったはずのそれらの建物は、現在はほとんどが雑貨店やレストランとして利用されている。 中世×現代の共存景観を守る義務があるとはいえ、お店があるならそれに伴った最低限の装飾は必要。現代に残る中世の街でどのような「ファサード(建物の正面のデザイン)」や「サイン(看板、標示)」が使われているのか注目して街歩きをしてみた。 色鉛筆などの筆記具で有名なチェコの老舗メーカー「KOH-I-NOOR(コヒノール)」のショップ入り口。 ベテランウェイターが迎えてくれるレストラン。猫のいる壁。観音開きのドアや窓を上手く利用するのは定番の様。季節柄、カボチャや落ち葉を使った秋らしいコーディネートが多かった。ぶら下げ型サインや、窓枠と一体化しているアイアンの飾り。細い路地までカワイイが詰まっている。16世紀にこんなデザインのサインがあったかと言われると、おそらく無かったと思うのだけど、新しい意匠が不思議と街にしっくり馴染んでいるのだから面白い。30分もあれば一周できる小さな街だが、細い路地で道に迷って隅々まで見てみたくなる。 ここ数年はオーバーツーリズム(=観光客が増え過ぎて地元住民が住みにくくなること)が街の人々の悩みの種らしい。私も観光客なので加担しているわけだけど。これほど完璧なテーマパークのような、でも作りモノ感の無いこの貴重な景観が保護されるなら入場制限や入場料を設けるなどしてでも街が守られることを願う。 文・写真:Noriko NaniwaBlog::
2018年10月25日セルリアンタワー東急ホテルのバー・ベロビストでは、限定メニュー「バレンタインショコラ〜チェスボード〜」が登場。2017年2月1日(水)から14日(火)まで期間限定で提供される。「チェスボード」をモチーフにした今回のショコラは、駒やチェスボードのほか、今にも煙を揺らせそうな葉巻も表現した。シンプルなデザインながら、バリエーション豊かなチョコレートとなっており、オレンジ・ベリーなどのフルーツ系や、ナッツ・塩キャラメルテイストなど、様々な味わいを堪能できるのも魅力だ。また、チョコレートと合わせて提供されるシャンパンは、「ポメリー ウィンタータイム ブラン・ド・ノワール」。冬限定でポメリーから登場した、黒ぶどうだけを使用して造られたシャンパンだ。フルーツの豊かな香りに、フレッシュさと熟成感を兼ね備えた辛口のシャンパンは、チョコレートの甘さや苦みとの相性が抜群。なお、美しい眺望を意味する「ベロビスト」はその名の通り、薄暮に包まれる夕刻から夜にかけて、東京タワーや富士山も見られるバー。ドラマティックな景色に包まれて、大人の上質な時間を過ごせる空間となっている。夜景と共にチョコレートを楽しんでみてはいかがだろう。【詳細】バレンタインショコラ〜チェスボード〜提供期間:2017年2月1日(水)〜14日(火)価格:1プレート 2,613円、2グラスシャンパン付き 7,500円 ※サービス料、税金込み場所:セルリアンタワー東急ホテル 40階 タワーズバー「ベロビスト」住所:東京都渋谷区桜丘町26-1営業時間:平日 16:00〜25:00(24:00L.O.)、土日祝 13:30〜25:00(24:00 L.O.)※19:00以降は1名 1,306円のテーブルチャージがつく。【予約・問い合わせ先】タワーズバー「ベロビスト」TEL:03-3476-3398(直通)
2017年01月23日年を重ねても、脳はいつまでも若々しくいたいですよね。じつは、週3回以上チェスや楽器演奏をする人は、何もしない人に比べて認知症になるリスクが60%ダウンする、という研究結果があります。頭を使うと同時に、誰かとコミュニケーションをすることで脳は活性化されるのです。そこで今回は、そんなチェスに使われるチェスボードを使ったクイズをお届けします。これも、脳トレの一環!最近、記憶力や思考力に自信がなくなってきている人にピッタリ。さっそく問題を見ていきましょう。■脳にいい「数字の○×クイズ」問題編8×8で白黒の格子模様になっているチェスボードがあります。このチェスボードの上に、2マス分の大きさのケシゴムを敷き詰めていきます。右上と左下のマスを1つずつ残して、残りの62マスを埋めることはできるでしょうか。制限時間は、30秒。理由もちゃんと答えられるようにしておいてくださいね。■脳にいい「数字の○×クイズ」解答編……みなさん、答えはわかりましたか?ズバリ、正解は「×」でした!62マスと偶数なので、敷き詰められるような気がしますよね。しかしこれは、どうやってもできません。それでは、解説を見ていきましょう。まず、チェスボードは格子模様になっているので、64マスの中に黒いマスと白いマスが32マスずつあります。右上と左下のマスは両方とも黒なので、白32マスと黒30マスを消しゴムで埋めることになります。同じ色のマス同士は隣に並んでいないので、消しゴムを縦に置いても横に置いても、必ず白と黒の1マスずつを使うことになりますよね。ということは、余った白の2マスを消しゴムで埋めることはできません。埋められるのは白黒それぞれ30マスで、計60マスなのです。*これは、2つのマスを使う=白と黒のマスを1つずつ使う、ということに気づけば簡単ですね。ただ、気づくか気づかないかで大違い。数字に強くないと気づけないので、30秒以内に答えが分かった人はかなりのIQの持ち主。IQは100を平均値とし、約70%の人がIQ85~115の間です。IQ135以上の人は2%程度とされています。この数字クイズを1分以内で正解した方は、IQ135以上かもしれません。白黒マス1つずつ、というところに気づかなかった人も、このような脳トレを習慣にしてみてください。記憶力や思考力も高められるうえに、数字への苦手意識がなくなって、一石二鳥ですよ。(文/平野鞠) 【参考】※快活脳!思考の罠と脳の基礎知識※老年若脳※IQ脳.net【クイズ】※北村良子・・・パズル・クイズ作家。書籍の他、企業、新聞、TV番組、雑誌等向けに作成。著書は『大人のIQパズル』(彩図社)『60歳からのボケないための思い出しパズル』(永岡書店)他。お問い合わせはフォームからお願いします。
2016年09月09日ファストファッションとハイブランド、オーガニックフードとファストフード、そんな風に、女性たちにとって「相反するもの」を自分の状態に合わせてバランス良く取り入れることは当たり前となりつつある今、まさにその時代性を反映させた次世代ヘアケアブランド『CHESS(チェス)』がモルトベーネから誕生!3月29日(木)より、全国の理美容室にて発売が開始される。『CHESS(チェス)』は、モルトベーネが表参道のトップヘアサロン「artifata(アルティファータ)」の協力のもとに開発した新世代ヘアケアブランド。自然の素材を閉じ込めた「オーガニックライン(オルガニコサイド)」と、最先端のケミカル補修成分を配合した「ケミカルライン(ケミコサイド)」、2つの相反するラインを1つのブランドで実現させたユニークなコンセプトが特徴だ。オーガニック化粧品とケミカルな化粧品を自分の体調に合わせて上手に使い分ける女性たちの、フレキシブルでサスティナブルな生き方をそのままヘアケア商品として実現した『CHESS』は、ありきたりのストイックなメソッドではなく、「髪へのやさしさ」、「ケア力」、「オーガニック精油による香りの癒し」の3方向からアプローチする、今までありそうでなかったヘアケアブランド。環境や心身の状態によって揺らぎやすい女性たちの髪のコンディションに対応するために提案する「オーガニック」と「ケミカル」の両ラインから必要なアイテムを自由にセレクトすることで、自分が其の時々に求めている髪の美しさや仕上がりを導き出すことができる。たとえば、「素髪に戻してリラックスしたい」時は…髪と頭皮をリセットして植物の力を行き渡らせるオルガニコサイドをライン使いで。左から、豊かな泡で汚れをすっきり落とし、健やかな頭皮と髪に導く「チェス オルガニコサイド シャンプー」260mL 2,940円、自然なボリューム感とツヤやうるおいを与えるオーガニックトリートメント「チェス オルガニコサイド トリートメント」200g 3,150円、すべすべな指通りとうるおいを与える洗い流さないオーガニックトリートメント「チェス オルガニコサイド ヘアスムージー」150mL 2,940円「ケア効果を実感したい」時は…シャンプーとトリートメントにはケミコサイドを使いしっかりと補修。仕上げはオルガニコサイドのヘアスムージーでナチュラルな美しさをプラス。左から、クリーミーな泡立ちでなめらかに洗い上げ、アクティブな印象に導くケミカルシャンプー「チェス ケミコサイド シャンプー」260mL 2,730円、うるおいに満ちた、やわらかい髪に仕上げるケミカルシャンプー「チェス ケミコサイド トリートメント」200g 2,940円その他、トリートメント前に使用するサロン専用のアイテムとして、スペシャルトリートメント「チェス ケミコサイド スペシャルミスト」220mL/ 400mLも。2ライン共通の香りは、“聖なる香り”と崇められたフランキンセンス。どちらも、このフランキンセンスをベースに、「オルガニコサイド」は、ラベンダー、ゼラニウム、ティーツリーなどをブレンドし、リラックスをイメージ。「ケミコサイド」は、イランイラン、シダーウッド、ローズマリーなどをブレンドし、アクティブでポジティブな香りをイメージ。心を癒しながらおるおす100%オーガニックのエッセンシャルオイルも魅力になっている。95%は植物由来原料と水だけという厳しいオーガニック自社基準をクリアしたオルガニコサイド。6種のオーガニック認定ケア成分のほか、3つの化学的な補修成分を配合したケミコサイド。その日求めている洗い上がり(仕上がり感)を、2つのラインの計6アイテムの中から自由に組み合わせることができる新しいクロス使い:『CHESS』に注目したい。お問い合わせ:株式会社モルトベーネ(お客様相談室)Tel 03-3204-0111取材/松浦明
2012年03月27日