役所広司、佐藤浩市を主演に迎え、誰もが知っている「忠臣蔵」の知られざる“その後”を描いた『最後の忠臣蔵』。ドラマ「北の国から」の杉田成道がメガホンを握っている本作だが、杉田作品であるがゆえの見どころ――歴史的な建造物や景勝地、さらには世界文化遺産で行われた撮影、そのリアリティと映像の美しさが大きな話題を呼んでいる。そのいくつかのポイントをご紹介!赤穂浪士による吉良邸討ち入りから16年後。大石内蔵助の密命を受けて、討ち入りを果たした後、ひそかに生き延びた寺坂吉右衛門(佐藤さん)と、同じく大石の命で討ち入り直前に脱盟した瀬尾孫左衛門と(役所さん)、そして大石の隠し子・可音(桜庭ななみ)による後日談が展開される。「北の国から」シリーズで北海道の雄大な大自然をカメラに収めてきた杉田監督とあって、本作でも映像美は大きな見どころ。ほぼ全編が京都の撮影所および京都近辺で撮影された。嵐山・大覚寺孫左衛門の家へと至る美しい竹林は、撮影所に近い嵐山の大覚寺のもの。1,000本以上の竹の間から陽の光が差し込む、幻想的な光景がスクリーンに広がる。時に帰宅を急ぎ、時に呆然と立ちすくむ――竹林でのシーンは孫左衛門のその時々の微妙な心情を表現していると言える。香川県琴平町・金丸座京を離れて香川県の琴平町にある、1835年に建てられた現存する日本最古の芝居小屋「金丸座」では、天下の豪商・茶屋四郎次郎の息子が可音にひと目惚れするシーンが撮影された。国の重要文化財に指定されているこちらの芝居小屋だが、毎年「四国こんぴら歌舞伎大芝居」の公演が行われる。これまでにも映画の撮影に使われたことはあるが、本格的に金丸座の中にカメラが入って撮影が行われるのは初めてのこと。約200人の地元の人々が参加し、江戸時代のにぎやかな芝居小屋「竹本座」に変身を遂げた。滋賀県・伊香保ここで撮影されたのは赤子の可音を抱いて孫左衛門が歩くシーン。監督の「どうしても本物の雪山で撮りたい!」という要望に応え、急遽、伊香保郡余呉町の雪山がロケ地に選ばれた。役所さんは太ももまで積もる雪の中を、可音を抱いて何度も歩いたという。東近江・五個荘、亀岡市・桂川沿い、京都市・下鴨神社可音の輿入れのシーンは多くの名所で撮影。近江商人発祥の地として知られる東近江の五個荘の街並みに、亀岡市宇津根町の桂川沿い。そして、京都市左京区の下鴨神社――正式には賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)の境内、糺の森(ただすのもり)は、紀元前から祀られていたとあって、世界文化遺産としてユネスコにも登録されている。こうした名所を背景に、荘厳に輿入れが行われるさまは必見!ほかにもいくつもの名所、景勝地で撮影が!実力派の俳優たちの掛け合いはもちろん注目だが、シーンを彩る風景にも目を向けてみては?ちなみに「忠臣蔵」に関係するある場所についてのトリビアを最後にひとつ。本作の撮影とは関係ないが、討ち入り後の浪士たちのうち10名が元禄16年(1703年)の2月4日に切腹して果てたのが毛利家下屋敷。いま、この跡地に現在、建っているのが六本木ヒルズ。かつては赤穂浪士の切腹の碑が毛利庭園内の池の端にあったそうだが、いまは取り払われているとか。インターネット上では、このことと絡めて、“六本木ヒルズの祟り”として様々な憶測が飛び交っているとか…。『最後の忠臣蔵』は12月18日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:最後の忠臣蔵 2010年12月18日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010「最後の忠臣蔵」製作委員会■関連記事:役所広司&佐藤浩市で描かれる“その後”『最後の忠臣蔵』試写会に50組100名様ご招待役所広司&桜庭ななみ、『最後の忠臣蔵』ハリウッド試写盛況で笑顔マシ・オカも出席岡ちゃん“サムライシネマ”応援団長就任「まさかこんな風になっちゃうとは」シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第6回)ちょんまげが似合う“まげメン”俳優といえば?「社長になってほしい俳優」ランキング接戦を制したのは奮闘中のあの社長!
2010年11月27日映画『のぼうの城』の製作現場会見が10月26日(火)、撮影が進められている京都・東映撮影所で行われた。この場で新たなキャスト陣も発表され、石田三成を上地雄輔、大谷吉継を山田孝之、長束正家役を平岳大、そして豊臣秀吉役を市村正親が演じることが明らかになった。天下統一を目前に控えた豊臣秀吉の命を受けた石田三成率いる2万の軍勢と、北条家の支城である“忍城”を守るおよそ500の兵たちの攻防を描いた本作。この日の会見には、すでに出演が発表されていた野村萬斎、佐藤浩市、榮倉奈々、山口智充、成宮寛貴に、上地さん、山田さん、平さんを加えた8人のキャスト陣が出席した。“でくのぼう”から取った“のぼう様”という名で領民に呼ばれても意に介することなく、窮地に際して卓越したリーダーシップを発揮する不思議な主人公・成田長親を演じた萬斎さんは「原作では大男となっておりますが、私はこのように、並んでも大きくありませんので、また違った形で監督・ほかのキャスト、スタッフのみなさんと撮り進めております。また違う“のぼう”をご期待いただきたいと思います」と挨拶。“忍城”を守る側の面々は、長親の幼なじみで侍大将の“丹波(たんば)”こと、正木丹波守利英を演じる佐藤さんと若き侍大将の酒巻靭負を演じる成宮さん、丹波をライバル視する豪傑の和泉(いずみ)こと、柴崎和泉守に扮する山口さん、そしてヒロイン甲斐姫役の榮倉さん。撮影中のエピソードを尋ねられた佐藤さんが「北海道のオープンセットの合戦シーンから撮影に入りまして、主役の萬斎さんに会ったのはクランクインしてから1か月後ぐらい。この軍の三銃士(佐藤さん、山口さん、成宮さん)といいますか、そのメンバー全員に会ったのは、1か月半後ぐらいで、いまもちょっとギクシャクしているんですが(笑)…と漏らすと、萬斎さんが「そんなことない!」と“反論”。佐藤さんは「冗談です」と笑いつつ「みんなバラバラで戦っていたので、やっと会えて一つになれたなという思いがしました。不思議なもので合わなそうな皆ですが、舞台裏や楽屋では本当に楽しく、世代もみんな違うんですが明るくやっております。忍城の雰囲気というかそれぞれのキャラクターに合わせた感じで、非常に上手くハマって接してられるので、そういうイメージを醸し出してるんではないかと思います」と明かした。「山口さんがいつも笑いを提供してくれる」と榮倉さん。「山口さんはやはり面白い?」というMCの問いに「うーん…面白いです」とちょっと迷いつつ答えると、早速山口さんから「そこはハッキリ言ってもらわないと!」と突っ込みが入り、会場は笑いに包まれた。成宮さん曰く現場では「浩市さんも萬斎さんも山口さんも奈々ちゃんもみんなが盛り上げ隊長みたいな感じ」。一方の忍城を攻める豊臣の側の面々。三成役の上地さんは「僕たち(上地さん、山田さん、平さん)もクランクインして2か月近くになるんですけど、昨日初めて成田軍にお会いしました。それまで2か月間、3人で(成田軍に)負けないぐらい仲良く和気藹々と過ごしておりました。プライベートでも飲み行ったり、ご飯食べたりしているぐらい、仲が良いです」とアピール。三成の友であり同僚である吉継役の山田さんは「(チームワークは)良いと思いますよ。作品の中ではチームワークは悪いです。吉継と正家がきゃんきゃん言い合って、三成はボケーっとしてる感じですが、撮影中の僕らは良いと思います」と同意。高飛車な武将・正家役の平さんは、“リーダー”上地さんについて「たまに英語を喋ったり、笑わせてくれるリーダーです」と説明。上地さんによると「平さんは帰国子女なので、英語を教わろうと思いまして、日々、英語を使うようにしています」とのこと…。山田さんの「リーダー上地さん、いいんじゃないですか」という言葉に会場は再び笑いに包まれた。三成、吉継という“歴女”たちの間で人気の高い武将の配役も決まり、ますます期待が高まるところ。このキャスト陣がどのような化学変化を見せてくれるのか?完成が楽しみな『のぼうの城』。公開は2011年秋、全国東宝系にて。■関連作品:のぼうの城 2011年、全国にて公開■関連記事:榮倉奈々『のぼうの城』で時代劇初挑戦男勝りな姫役で乗馬も披露!野村萬斎7年ぶり映画主演で“でくのぼう”の総大将に!佐藤浩市、成宮寛貴らと共演
2010年10月28日ワーナー・ブラザース製作による時代劇『最後の忠臣蔵』のハリウッド・プレミア試写会が10月11日(現地時間)、L.A.のワーナー本社にある「スティーヴン・ジョン・ロス・シアター」にて行われ、主演の役所広司、共演の桜庭ななみがレッドカーペット・イベント、舞台挨拶に参加した。赤穂浪士の吉良邸討ち入りから16年後、討ち入りに参加した四十七士のうち、大石内蔵助の密命を受けて唯一生き残った寺坂吉右衛門(佐藤浩市)と討ち入り直前に一味から逃走したと思われていたが、実は同じく大石からある使命を授かっていた瀬尾孫左衛門(役所さん)が再会。名誉の死を許されなかった2人がそれぞれに使命を果たそうとする姿が描かれる。会場には「THE LAST RONIN U.S. PREMIERE」という看板が掲げられ、役所さんはスーツ、桜庭さんは赤い着物姿で登場。レッドカーペット上で報道陣の取材に対し「アメリカのお客様が日本の時代劇をどう観てくださるか、楽しんでくださるかが楽しみです」(役所さん)、「ずっとこの日を楽しみにしていました。どう反応してもらえるか知りたかったので楽しみです」(桜庭さん)とそれぞれ期待を口にした。今回のプレミア試写会にはハリウッドの映画関係者が多数訪れており、女優の桃井かおりやマシ・オカも来場。500席を超えるシアターがほぼ満席の状態となった。上映中には笑い声やすすり泣きがあちこちで聞こえ、終了と共に大きな拍手と共にスタンディングオベーションが起こった。本編上映後、役所さんは「一緒に製作に参加した身内(=ワーナー・ブラザースの関係者)に楽しんでいただけたので嬉しかったです。普通だったらエンドロールで帰ってもいいところで、最後まで観てもらってありがたいですね。今日の反応で日本の公開に向けて勇気が沸いてきました」と自信を深めた様子。桜庭さんも「自分の作品が海外で上映される現場に初めて立ち会えて、観客の反応がよくて嬉しかったです」と笑顔を見せた。『最後の忠臣蔵』は12月18日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:最後の忠臣蔵 2010年12月18日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010「最後の忠臣蔵」製作委員会■関連記事:岡ちゃん“サムライシネマ”応援団長就任「まさかこんな風になっちゃうとは」シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第6回)ちょんまげが似合う“まげメン”俳優といえば?「社長になってほしい俳優」ランキング接戦を制したのは奮闘中のあの社長!役所&浩市『忠臣蔵』ヴェネチアのコンペ目指す役所広司×佐藤浩市“討ち入り後”を描いた『最後の忠臣蔵』で世界へ!
2010年10月15日野村萬斎、佐藤浩市ら豪華キャストで贈る『のぼうの城』のヒロイン役で、榮倉奈々が初めて時代劇に挑戦することが明らかになった。天下統一を目前に控えた秀吉の命を受けた石田三成が率いる二万の大軍を、でくのぼうを揶揄した“のぼう様”こと成田長親を城代とする武州・忍城の500人の軍勢が迎え撃ち、見事に城を守り通したという戦国時代の実話を映画化した本作。榮倉さんは長親にひそかに想いを寄せる、当主・成田氏長の娘・甲斐姫を演じる。この甲斐姫、誰もが見とれるほどの美貌を持ちながらも、自ら刀を握って斬りこんだり、侍を投げ飛ばすなど男勝りの激しい一面を持つ。榮倉さんは時代劇初挑戦となるが、乗馬や合気道の練習をこなし、甲斐姫に関する歴史書を読み漁り「すっかり戦国モノのファンになった」らしく、8月末の撮影初日から見事な手綱さばきで華麗な乗馬シーンを披露していたという。榮倉さんは「乗馬や合気道の練習、犬童(一心)監督、樋口(真嗣)監督に勧めていただいた黒澤明監督の作品を観たりしているうちに、すっかり自分自身が戦国時代のファンになっていました。実際、北海道の巨大なオープンセットに初めて足を踏み入れた瞬間、そのスケールの大きさにテンションが上がりました。緊張や不安よりも、楽しみ、ワクワク感でいっぱいです。時間を超えて、当時の世界に生きている感覚を味わい、のびのびとお芝居ができたらいいなと思っています」と意気込みを語ってくれた。ちなみに、榮倉さんの言葉にもあるが本作の撮影は北海道で行われており、苫小牧に広大なオープンセットを組んで忍城を再現。劇中、三成が“水攻め”を行うが、水の中に浮かぶ城がどのように描かれるのかも注目を集めそうだ。さらに今後、10月下旬まで山梨、京都などで撮影が行われる予定だという。『のぼうの城』は2011年、全国にて公開。■関連作品:のぼうの城 2011年、全国にて公開■関連記事:野村萬斎7年ぶり映画主演で“でくのぼう”の総大将に!佐藤浩市、成宮寛貴らと共演
2010年09月08日“100年に一度の大不況”や貧富の二極化などが声高に叫ばれる世相を反映してなのか、TVドラマや映画でも企業、ビジネスを扱った作品が続々と登場。当然のことながら会社ごとに社長がいるわけだが、そこで描かれる社長さんのカラーも十人十色!ずばり、あなたの理想の社長は?シネマカフェでは読者のみなさんの心の内…すなわち“読者ゴコロ”を調査する投票企画「シネマカフェゴコロランキング5」を月ごとに実施。第3回のテーマ「あなたが自分の会社の社長になってほしい俳優は?」の投票結果をこのたび大発表!接戦を制したのは…?栄えある1位に輝いたのは…やはり放送中のTVドラマの影響力は絶大!佳境を迎えている月9ドラマ「月の恋人〜Moon Lovers〜」(フジテレビ)でインテリア会社の社長を演じているSMAPの木村拓哉。同じくTVドラマ「CHANGE」(フジテレビ)で演じた総理大臣役から“リーダー”としてのイメージも多くの人が持っているよう。どんな業界で活躍してほしいか?という質問では「ファッション系」(10代・女性)、「アパレル関係で活躍してほしい」(20代・女性)といった、おしゃれなイメージそのままの業種や、「芸能関係で、自分でもモデルやプロデューサーをしてほしい」(40代・女性)という声も。そして、僅差で2位につけたのが実力派俳優、堤真一。先頃公開された『孤高のメス』では、信念を貫く天才外科医を演じたが、これまでにドラマ「恋におちたら〜僕の成功の秘密〜」や「恋ノチカラ」(共にフジテレビ)で会社経営者は経験済み。そのイメージからか「IT企業の社長」(30代・女性)として推す声が多数を占めた。続いて3位にランクインしたのは、この貫禄は社長にぴったり!渡辺謙。2位の堤さん同様、IT企業の社長をイメージする声と共に、「商社で世界を相手に戦ってほしい」(40代・女性)などという声も多い。単身、ハリウッドに乗り込み成功をつかんだ渡辺さん足跡を「世界で戦う」というイメージと重ねる人が多かったよう。ちなみに、渡辺さんは7月公開のハリウッド大作『インセプション』ではまさに、絶大な影響力を持つ巨大企業のTOPを演じているのでこちらもご注目。ほかに上位にランクインしたのは、現在、NHK大河ドラマ「龍馬伝」で幕末の“革命家”坂本龍馬を熱演中の福山雅治。龍馬といえば「社長にしたい歴史上の人物」アンケートでも上位の常連だけに納得。さらに「安心感を感じさせる」(20代・男性)、「落ち着きがあって信頼できる」(20代・女性)といった声を集めた大沢たかおが、また「仕事には厳しいが、キッチリ責任を取ってくれそう」(30代・男性)など男性からの支持を集めて佐藤浩市がそれぞれ上位にランクイン。意外な(?)ところでは「面白い商品を開発しそう」(30代・女性)と所ジョージも多くの支持を集めた。と、ここまでご紹介したように、日本人俳優が上位を占めたが、ハリウッドスターで上位に食い込んできたのは2人。1人目は、1位の木村さん同様、映画で演じた首相の役柄のおかげで“ラブコメの帝王”というイメージと並んで“リーダー”としての印象も強いのか?ヒュー・グラントが7位に。そしてもう一人は「金融」「証券」「IT」などなど、頭のキレるクールな社長さんのイメージと共にジョージ・クルーニーがランクインした。さて、あなたは誰の下で働きたい?あなたが自分の会社の社長になってほしい俳優は?1位:木村拓哉2位:堤真一3位:渡辺謙4位:福山雅治5位:佐藤浩市6位:大沢たかお7位:ヒュー・グラント8位:所ジョージ9位:ジョージ・クルーニー「シネマカフェゴコロランキング5」■関連作品:孤高のメス 2010年6月5日より全国にて公開© 2010「孤高のメス」製作委員会インセプション 2010年7月23日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved最後の忠臣蔵 2010年12月18日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010「最後の忠臣蔵」製作委員会■関連記事:レオ&渡辺謙共演『インセプション』各キャラのポスターと共に役柄が明らかに!役所&浩市『忠臣蔵』ヴェネチアのコンペ目指す『孤高のメス』吉沢悠インタビュー立ち止まり、進む…自らを重ねて演じた青年医師ディカプリオ×渡辺謙『インセプション』異例の“日本版”特別予告編が到着!「トラを救え!」レオナルド・ディカプリオが野生のトラ保護キャンペーンに参加
2010年06月28日狂言師の野村萬斎が映画『のぼうの城』で『陰陽師II』以来7年ぶりとなる映画主演を務めることが決定!併せて佐藤浩市、山口智充、成宮寛貴が共演陣として出演することも発表された。本作の原作となっているのは、本屋大賞で2位にランクインし、直木賞の候補にもなった和田竜による同名ベストセラー。和田さんは新人脚本家の登竜門、城戸賞を受賞しているが、その受賞作品「忍ぶの城」が、映画化を前提に和田さん自身の手で小説化され、「のぼうの城」として2007年に小学館より刊行された。戦国末期、天下統一を控えた豊臣秀吉の北条家攻略のさなか、最後まで落城することがなかった支城があった。武州の忍城(おしじょう)。秀吉の命を受けた石田三成が2万の大軍で城を包囲するが、城代・成田長親はわずか500騎でこれを迎え撃つ。領民から、でくのぼうを意味する“のぼう様”との愛称で呼ばれる長親は、天下を敵に回し、いかに城を守ったのか?その戦いの一部始終が描かれる。主人公の“のぼう様”こと成田長親を演じるのは、狂言界の至宝・野村萬斎。『陰陽師II』以来の7年ぶりの映画主演作となる本作で、底知れぬ人望で人心を掌握する希代の総大将を演じる。「自分は長親のように、ぼーっとしているのかなと思ったのですが、そういう自覚がないところや、時々、突然ビックリするようなことを発言するらしいところなどが、既に役に近いのかもしれません(笑)」とは萬斎さんの弁。さらに、長親についても「ある種、高みにいるのか低みにいるのかよく分からないのですが、ちょっと俯瞰して見ていたり、仙人的な空気を持っていたり、どこかネジが1つ落ちてしまっているようでもあり(笑)」と、とにかく、これまでになくぼーっとした役柄であると説明。長親の幼なじみにして成田家の侍大将で、武辺者の証である“皆朱の槍(かいしゅのやり)”を持つ“丹波(たんば)”こと正木丹波守利英を演じるのが佐藤さん。萬斎さんによると「冗談で、もし『陰陽師III』を撮ることになったら、悪役は佐藤浩市さんにお願いしたいというお話をしておりました」とのことだが、思わぬ形で初共演が実現することになった。その丹波をライバル視する、6児の父で恐妻家の一面も持つ豪傑“和泉(いずみ)”…柴崎和泉守に扮するのは山口さん。今回の発表に際し、山口さんは「多勢の敵を少数で迎え撃つ勇姿や、妻子を持ちながらも命がけで戦い抜く精神に、男として『こういう男でありたい!』と憧れを持ち、どこか自分の中にもある、『なまぬるくおさまりたくはない!刺激を求めて生きたい!』という気持ちを奮い立たせてくれる役だと思います」と強い言葉で役柄、作品への思いを語ってくれた。そしてもう一人、若年で実践の経験はないものの、あらゆる兵書を読破し“軍略の天才”を自称する“靭負(ゆきえ)”こと、侍大将の酒巻靭負を成宮さんが演じる。成宮さんは「原作が話題になっているのは知っていたけれど、時代物か…と、何となく手を伸ばすのに抵抗がありました。台本をいただいてみて、想像以上に面白かった。面白すぎました。僕の演じる酒巻靭負は、現代語に近い台詞回しなので、(ヒロインの)甲斐姫へ想いや、武将としてのプライドも、とてもストレートに伝わりやすいし、青臭い感じも含めて、可愛らしいキャラクターだと思います。こういうエンターテイメント性の高い作品に参加できることもすごく幸せに思います」と出演の喜びを語っている。さらに、本作の特徴と言えるのがW監督であるところ。『メゾン・ド・ヒミコ』、『ゼロの焦点』の犬童一心監督と『ローレライ』、『日本沈没』の樋口真嗣監督がタッグを組んで、壮大かつ緻密な戦国絵巻を描き切る!原作にある三成による大規模な“水攻め”はどのように描かれるのか?ヒロインの甲斐姫や三成ほか、魅力的なほかの登場人物たちを誰が演じるのか?などなど、いまだ明かされていない気になるポイントも…。構想7年を経てついに動き出した『のぼうの城』。撮影は今年8月よりスタート。2011年、全国にて公開。© オノ・ナツメ■関連作品:のぼうの城 2011年、全国にて公開
2010年06月23日映画『最後の忠臣蔵』の完成報告会見が6月17日(木)、東京・内幸町の帝国ホテルで行われ、主演の役所広司、共演の佐藤浩市が、開催中のFIFAワールドカップに参戦中の日本代表にエールを送った。本作は、赤穂浪士四十七士の討ち入りと切腹後、大石内蔵助の命により生き残った瀬尾孫左衛門(役所さん)、寺坂吉右衛門(佐藤さん)が葛藤を抱えながら使命を全うする年月を描く物語。大石の娘・可音(桜庭ななみ)を育てる使命を受けた孫左衛門の生きざまに、役所さんは「上司の娘を育てる使命をサムライとして全うしようとして、自分が育てた娘に女性を感じたかもしれない。男の強さと弱さを持っていたところが面白い」と感慨深げ。劇中、無二の親友となる4歳年上の役所さんへのライバル心を聞く質問に、佐藤さんは「4歳って結構デカいんですよ、僕からしたら役所さんは大先輩。これまで1シーン、2シーンご一緒させてもらったり、でしたが、今回ガッツリやらせていただけるのがとても嬉しくて楽しみに撮影に通っていました」と恐縮しきり。会場の笑いを誘った。一方、サムライ繋がりで、初戦を突破し19日(土)に第2戦のオランダ戦を迎えるサッカー日本代表の話題になると、役所さんは「(初戦は)もちろん見ました。次も期待しています。サムライジャパンに押されて『忠臣蔵』の記事が小さくなるんじゃないか不安もありますが。でもジャパン、ずっと応援していきます」と苦笑い交じり。佐藤さんは「僕は逆に、サムライジャパンのお陰で『忠臣蔵』の記事が大きくなるんじゃないかと期待しています。野球でもそうですが、こういうときにみんなが高揚して一体になる共有意識を持つっていいことだと思う。そういう意味でも次戦突破を期待しています」と先輩と上手く息を合わせて、エールを送った。本作は、ワーナー・ブラザース映画が製作委員会の幹事社として製作する作品の第1弾。製作総指揮を務める同社社長のウィリアム・アイアトン氏は「世界の映画祭への出品や海外の国への配給を考えている。いま、英語字幕版が完成したばかりの段階で、これから映画祭はまずヴェネチア、ローマにコンタクトをとります。ヴェネチアのコンペに持って行ければ」と明かした。ヴェネチアの審査委員長は今年、ジョン・ウー監督。男の美学を語る“巨匠”だけに、本作がコンペに選出されれば、快挙のひと波乱があるかも!?『最後の忠臣蔵』は12月18日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開(photo:O.NAOYA/text:Yoko Saito)■関連作品:最後の忠臣蔵 2010年12月18日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010「最後の忠臣蔵」製作委員会■関連記事:役所広司×佐藤浩市“討ち入り後”を描いた『最後の忠臣蔵』で世界へ!
2010年06月17日かわいくて、かわいくて仕方ないのに、どうにも付きまとう“ニセモノ”感とウサン臭さ…。麻生久美子は“それ”を「賞味期限が切れそうなギリギリ感のある女性」と表現する。映画『シーサイドモーテル』で彼女が演じたのは、三十路を目前にした場末のコールガール、キャンディ。「私も歳をとって(笑)、いまだからこそ演じられる役なのかな」とも。世の男性を(いや、おそらく女性も!)癒やし、和ませてやまない麻生さんが、ある意味、究極の癒やしを生業とする女を演じる姿は一見の価値アリ!映画公開を前に話を聞いた。今回演じたキャンディのような「変わった役は好き」と麻生さん。どこか俗というか、B級っぽさというか、麻生さん自身がそういう雰囲気を好んでいるような…見た目とのこの“ギャップ”こそ、彼女の魅力であることは間違いない。でもなぜだ!?「自分で映画とかを観る上でも、そういうのが好きなんですね、そこは本当に好みの問題で(笑)。でも、若い頃は清純な女の子の役が多かったんですが、そこから“外れた”役をいただくようになってからが楽しくて。すごくやりがいを感じてしまうんです」。ちなみに、彼女の言う「“外れた”役」のきっかけになった作品というのは、三木聡監督によるTVドラマ「時効警察」。「そう、あれがあったから、そういう役のオファーが来るようになったんです。でなければこなかったと思います。私、ずっと“幸薄い”系の役が多かったので。相当高い確率で死んでました(笑)。最近は死ななくなりましたね」。そんな形でここ数年、“変わった役”がすっかり板についてきた(?)麻生さんだが、今回演じたキャンディは登場シーンからかなり楽しませてくれる。「お店の方針」により、自己紹介に続いて、とってもかわいらしい(!)振り付けと共に「今宵、あなたとフォーリンラブ!」とキメるのだが、どんなポーズかは見てのお楽しみ!変わった役と同様にこの変わったポーズも大好き?「恥ずかしかったです…(恥)。でも、この『何か、恥ずかしくてやりづらい』って感じのままでいいかなと。キャンディも決してやりたくてやってるわけではないので。『頑張ってやってるぞ!』というのは私も同じ気持ちでした(笑)。でも、辛かったですよ…。最初はスタッフさんも面白がってくれて、わりとわいてくれたんですが、何度もやってると見飽きてくるじゃないですか?何か、もういいよ的な空気が流れて(笑)。もう、すごく辛かったです。何で私はこんなことやってるんだろう?って」。彼女がこのセリフを言う相手は生田斗真演じる主人公のエセ営業マン。ちなみに最初に生田さんがこのポーズを見たときのリアクションは?「最初は笑ってくれました。でも一度、生田さんが同じ振り付けをやってくれたんですよ。そしたらそっちの方が私がやるより数百倍かわいくてですね…。何か『もうやりたくないな』と(笑)」。その生田さんと共演してみての感想、生田さんの印象を尋ねると「好青年」という答えが返ってきた。「すごく真面目な方ですね。初めてお会いしたときは『人間失格』が終わったばかりだったんですが、すでにセリフは全部入ってらして。すごいな、と思ったし、こういう方とお芝居できるのは嬉しいなって。(しばらく思案しつつ…)何かねぇ、いいんですよ(笑)!みんなに愛されるキャラですね。他人との距離をすごく上手に作って、スッと入ってくるんです。それが失礼でもなれなれしくもなくて『あっ、この人いいな』と思わせて去っていくような。ズルいくらいの天性のものを持ってますね」。話が今後の目標におよぶと、心底困ったような表情を浮かべ「性格的に先のことを考えられないんですよ。いま、やるべきことをやってそれが積み重なったときに面白くなればいいな、と思ってるので目標はないんです」と語る麻生さん。だが、いま最も共演してみたい俳優は?という質問には「佐藤浩市さん!」と即答してくれた。また、今回の生田さんのように若い俳優陣との共演の機会も増えている。「なんかもう、どんどんどんどん…年齢が離れて(苦笑)、関係性としては結構、微妙になってきますよね、彼らと共演するには。でも、そういうお話が来ることを願ってます(笑)!」(photo:Yoshio Kumagai)■関連作品:シーサイドモーテル 2010年6月5日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2010「シーサイドモーテル」製作委員会
2010年06月03日女優の鈴木京香、水川あさみが3月17日(水)、東京・コンラッド東京で行われたWOWOWの最新連続ドラマとなるドラマW「パンドラII飢餓列島」の制作会見で、学者タイプの男性の印象を語り合った。食糧危機が訪れた現代の日本を舞台に、通常の4倍のスピードで成長する驚異の穀物・ゴッドコーンの開発に成功した農学者・鈴木護(佐藤浩市)が、その利権をめぐる企業や政府の争いに巻き込まれるヒューマンサスペンス。佐藤さんとW主演の鈴木さんはある事件の捜査で護と知り合うことになる警視庁捜査一課の女性刑事役、共演の水川さんは企業の秘書役。脚本を人気脚本家の井上由美子がオリジナルで書き下ろし、監督を河毛俊作が務める。佐藤さんは「脆弱なプライドに支えられているんだな、というところは似ているというか共感すべきかと思います。護は過去の体験から培ったものから生まれる正義感、理想を持って邁進してきた。周りに関係なく生きてこられたのはプライドがあったからこそなわけですが、企業や政府に揺さぶられると変わってしまう。その脆弱さは分かる気がしますね」と役柄にしみじみ共感。一方、佐藤さん演じる護のような、ひとつの物事に没頭するタイプの男性をどう思う?との質問に、鈴木さんは「私自身はこういう男の人、ステキと常々思っています。1つのことに集中して、周りが見えないのはよくないかもしれませんが、没頭の仕方、熱の入れ方が垣間見えるとステキだなって思います」とストライクゾーン(?)の様子。対照的に、水川さんは「護のような男性は手を差しのべたくなる。浩市さんが、子犬が雨に濡れて鳴いているような芝居をされているので、思わず守ってあげたくなりますが、それは浩市さんが演じているからそう思うのかな?と。何かに没頭するのもその人自身、エネルギーが要りますけど、いろんなことに分散してくれる人の方が…」とNGサイン。司会者からエネルギーを上手く分散する人の方がいい?と確認され「そうですね。上手に分けてくださる方が…」と即答し、佐藤さんをはじめ、共演の勝村政信、山本耕史、宅麻伸ら男性キャスト陣を苦笑させていた。「パンドラII飢餓列島」は4月18日(日)よりWOWOWにて放送開始。(photo/text:Yoko Saito)ドラマW「パンドラII 飢餓列島」4月18日(日)放送開始(全7話) 毎週日曜日22:00〜公式サイト:■関連作品:FLOWERS -フラワーズ- 2010年6月12日より全国東宝系にて公開
2010年03月17日「笑いは人生の活力源」とよく言われますが、それを得る手段はテレビのバラエティ番組だけに限らないですよね。時間をかけてじっくり笑いたいなら、おススメはやはり映画。星の数ほどコメディ映画が存在する中、20代男性の心を最も明るくしたのはどの作品なのか?この世代ならではのラインナップが出揃いました! >>女性編も見るQ:あなたが一番好きなコメディ映画を教えてください1位『踊る大捜査線 THE MOVIE』 25%2位『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』 19%3位『Mr.ビーン』シリーズ14%4位『ホーム・アローン』シリーズ 12%5位『少林サッカー』 11%■とにかく笑えるから好き!派・『Mr.ビーンシリーズ』:「言葉の壁を超えた万国共通の笑いがある」(27歳/精密機器/研究開発)・『THE 有頂天ホテル』:「巧みにストーリーが構築されており、絶妙な笑いが起こる」(31歳以上/建築/設計)・『ウォーターボーイズ』:「随所にちょっとした笑いが盛り込んであって飽きずに見ることが出来た」(23歳/自動車関連/営業)・『カンフーハッスル』:「真顔で繰り広げられるギャグが面白い」(24歳/不動産/エンジニア)・『ザ・マジックアワー』:「佐藤浩市がナイフを舐めるシーンに大笑い。何度観ても笑ってしまう」(23歳/自動車関連/システム)・『ズーランダー』:「観ている人すら馬鹿にするほどのおバカの連続で、終始大笑いした。最高のおバカ映画」(24歳/情報/SE)・『少林サッカー』:「選手が空を走ったり、蹴ったボールで人を吹き飛ばしたりと、現実離れしたサッカーの試合が衝撃的で大笑いした」(28歳/IT/SE)・『トリック -劇場版-』シリーズ:「ところどころに小ボケが入っているため、見ていて笑いが絶えることがない」(24歳/医薬品/研究開発)・『裸の銃(ガン)を持つ男』シリーズ:「とにかく笑うところが多すぎて困る。小ネタがたくさんあって細かなところでも笑ってしまう」(23歳/教育関連/総務)■コメディ以外の部分も好き!派・『Mr.ビーン』シリーズ:「日本にはないブラックさがある」(25歳/自動車関連/研究開発)・『THE 有頂天ホテル』:「普段は堅い役柄しか演じない俳優が、笑いを取るような演技をしていた。そのギャップで」(26歳/印刷/財務)・『少林サッカー』:「B級映画のテイストを上手に活かしている秀逸な作品。特に試合のシーンは、何度観ても元気が出る」(29歳/広告/クリエイティブ)・『ホーム・アローン』シリーズ:「凝った仕掛けで泥棒を撃退するのが秀逸。それも致死的なものではなく、笑って済ませられるダメージに抑えているので安全に鑑賞できる」(29歳/団体/企画開発)・『ホーム・アローン』シリーズ:「数々の仕掛けには毎度心が躍った」(22歳/アパレル/販売)・『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』:「くだらないことに命をかける10代の頃を思い出して良かった」(23歳/機械/財務)・『マスク』:「『トムとジェリー』のようなアニメを実写で見ているようで面白い。ジム・キャリーのオンとオフの演技もすばらしい」(22歳/ソフトウェア/プログラマー)・『天使にラブ・ソングを』シリーズ:「コメディながら温かいものを感じました。音楽も印象的」(25歳/食品/研究開発)・『木更津キャッツアイ』シリーズ:「アホやっていた高校時代を思い出す」(25歳/団体/金融系専門職)・『踊る大捜査線 THE MOVIE』、『踊る大捜査線 THE MOVIE 2』:「カッコいいし、感動シーンもあるしで文句なし」(29歳/通信/その他[管理部])・『踊る大捜査線 THE MOVIE』、『踊る大捜査線 THE MOVIE 2』:「警察が一般企業と変わらない性質を持っているという描写に共感できた」(24歳/情報/SE)完全版(画像などあり)を見る
2009年11月30日年の瀬も迫り、いよいよ、本年度の日本映画界の賞レースがスタート!先陣を切って第34回報知映画賞の全9部門が発表され、山崎豊子の長編小説を映画化した『沈まぬ太陽』が作品賞を受賞し、本作の主演を務めた渡辺謙が主演男優賞に輝いた。渡辺さんの受賞は2006年の『明日の記憶』以来3年ぶり2度目。また、主演女優賞には『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』、『K-20 怪人二十面相・伝』の松たか子。松さんは1997年に『東京日和』で新人賞、2004年『隠し剣 鬼の爪』で主演女優賞を受賞したのに続いての栄誉となった。このほかの部門で目を引くのが、海外の映画祭でも大きな話題を呼んだ『ディア・ドクター』。西川美和監督が女性としては初の監督賞に輝いたのを始め、瑛太が助演男優賞(※本作以外に『余命1ヶ月の花嫁』、『ガマの油』、『なくもんか』)、八千草薫が助演女優賞(※本作以外に『ガマの油』、『引き出しの中のラブレター』)と最多の3部門での受賞を果たした。新人賞には、『ハルフウェイ』、『ホノカアボーイ』、『重力ピエロ』、『僕の初恋をキミに捧ぐ』と立て続けに出演作が公開され、めざましい活躍を見せる岡田将生。また、『プライド』、『愛のむきだし』、『クヒオ大佐』で印象的な役柄を演じた満島ひかりにも同じく新人賞が贈られた。新人賞に2人の俳優が選ばれるのは10年ぶりのこと。海外部門で作品賞に輝いたのはクリント・イーストウッド監督・主演の『グラン・トリノ』。そして6月に急逝した“キング・オブ・ポップ”マイケル・ジャクソンが予定していたロンドン公演のリハーサルの様子を綴り、短い期間での公開ながら爆発的なヒットを遂げた『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』に特別賞が贈られた。昨年は『おくりびと』の独走状態だった日本国内の賞レース。だが、今年に関してはかなりの混戦が予想される。もちろん今回受賞した『沈まぬ太陽』、『ディア・ドクター』などが今後の賞レースを引っ張っていくことになるだろうが、選から漏れたノミネート作品を見ても『風が強く吹いている』、『空気人形』、『サマーウォーズ』、『誰も守ってくれない』など公開時から評価が高く、受賞作と遜色のない質の高い作品が並ぶ。主演男優賞でも浅野忠信(『劔岳 点の記』、『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』)、大森南朋『ハゲタカ』、『笑う警官』)、佐藤浩市(『誰も守ってくれない』)、堺雅人(『南極料理人』、『クヒオ大佐』)など実力派俳優がズラリ。この混戦の賞レースを制するのはどの作品か?今後の展開が楽しみだ。第34回報知映画賞 受賞一覧作品賞 邦画部門:『沈まぬ太陽』監督賞:西川美和主演男優賞:渡辺謙主演女優賞:松たか子助演男優賞:瑛太助演女優賞:八千草薫新人賞:岡田将生/満島ひかり作品賞 海外部門:『グラン・トリノ』特別賞:『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』■関連作品:沈まぬ太陽 2009年10月24日より全国東宝系にて公開© 2009 「沈まぬ太陽」製作委員会ディア・ドクター 2009年6月27日よりシネカノン有楽町1丁目ほか全国にて公開© 2009『Dear Doctor』製作委員会ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜 2009年10月10日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョンパパドゥ新潮社日本衛星放送K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝 2008年12月20日より全国東宝系にて公開© 2008「K-20」製作委員会余命1ヶ月の花嫁 2009年5月9日より全国東宝系にて公開©“April Bride”Projectなくもんか 2009年11月14日より全国東宝系にて公開© 2009 「なくもんか」製作委員会ガマの油 2009年6月6日より全国にて公開© 2008「ガマの油」製作委員会引き出しの中のラブレター 2009年10月10日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開©2009『引き出しの中のラブレター』製作委員ホノカアボーイ 2009年3月14日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョン/電通/ROBOTハルフウェイ 2009年2月21日よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネカノン有楽町2丁目ほか全国にて公開© 2009「ハルフウェイ」製作委員会重力ピエロ 2009年4月25日より宮城にて先行公開、5月23日よりシネカノン有楽町1丁目、新宿バルト9ほか全国にて公開© 2009『重力ピエロ』製作委員会僕の初恋をキミに捧ぐ 2009年10月24日より全国東宝系にて公開© 2009「僕の初恋をキミに捧ぐ」製作委員会プライド 2009年1月17日より丸の内TOEI2ほか全国にて公開© 2008プライド製作委員会愛のむきだし 2009年1月31日より渋谷ユーロスペースほかにて公開© 愛のむきだしフィルムパートナーズクヒオ大佐 2009年10月10日より渋谷シネクイント、新宿バルト9ほか全国にて公開© 2009『クヒオ大佐』製作委員会グラン・トリノ 2009年4月25日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2009 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.マイケル・ジャクソン THIS IS IT 2009年10月28日より丸の内ピカデリーほか全国にて2週間限定公開■関連記事:阿部サダヲ、テンション“アゲアゲ”でグッズ販売員に「24時間テレビみたい」明日開幕東京フィルメックス「ツイてる」西川美和監督トークイベント満員“地球滅亡”予告、やっぱり気になる?『2012』北米初登場1位!【ハリウッドより愛をこめて】ジャクソン家には映画収益入らず?その真相は…クリント・イーストウッド、フランスの勲章を2度目の受勲
2009年11月27日池宮彰一郎の小説「最後の忠臣蔵」が、役所広司と佐藤浩市を主演に迎え映画化されることが発表された。池宮作品ではすでに「四十七人の刺客」が1994年に高倉健、中井貴一、宮沢りえらを配して映画化されているが、本作は「四十七人の刺客」の後に出版された「四十七人目の浪士」(※のちに「最後の忠臣蔵」に改題)が原作。大石内蔵助を始めとする浪士たちが吉良邸に討ち入り主君に殉じて切腹したのち、密かに生き残った2人の男たちの姿を描いた物語となっている。役所さんが演じるのは、赤穂浪士・瀬尾左孫衛門(せのお・まござえもん)。討ち入りの直前に仲間たちの元から逃亡、討ち入り後に志士たちが英雄視される中で、“裏切り者”“臆病者”という罵り、蔑みを浴びながら生きる。一方の佐藤さんの演じる寺坂吉右衛門(てらさかきちえもん)は、討ち入りを果たした四十七士の一人であり、「忠臣蔵」ファンの間でも名の知られた人気の志士。討ち入りには参加したもののその直後、討ち入りの事実を後世に伝えることを目的に、大石内蔵助の命で隊から離脱した浪士であり、2人が吉良邸討ち入り後の時代を生きる姿、そして瀬尾の逃亡の真の理由が描かれる。これまで幾度となく時代劇で名演を見せてきた役所さんと佐藤さん。近年では、三谷幸喜監督作『THE 有頂天ホテル』に共に出演しているものの、本格的な共演は今回が初めて。果たしてどのような絡みを見せてくれるのか?メガホンを握るのは、長年にわたりTVドラマ「北の国から」シリーズの演出を担当してきた杉田成道。これまでに舞台で手塚治虫原作の「陽だまりの樹」やつかこうへい作の「幕末純情伝」といった時代劇の演出を手掛けている。共演者には安田成美、笈田ヨシ、山本耕史、伊武雅刀ら演技派の俳優陣が名を連ねる。『ラスト サムライ』、『硫黄島からの手紙』といったヒット作を世に送り出してきたワーナー・ブラザースが日本発の大作として日本人の心に深く刻まれた「忠臣蔵」で世界に勝負を賭ける!『最後の忠臣蔵』は2011年正月第二弾として全国公開予定。■関連作品:最後の忠臣蔵 2011年正月第2弾として全国公開
2009年11月04日俳優の松山ケンイチが19日、東京・丸の内ピカデリー1で主演映画『カムイ外伝』の初日舞台挨拶を行い、「僕にとって重要な、必要な作品になりました」と充実の笑顔を見せた。本作を通じて知り合ったヒロイン役の小雪との熱愛が今年4月から報じられ、それに関して直接的なコメントはしていないものの、「重要な作品になった」とこれまでの本作のイベントで繰り返し言い、この日も「僕にとって重要な、必要な作品になりました」と意味深に言葉に力を込めた。さらに司会者から原作者の漫画家、白土三平氏が「生身のカムイを見たよう」と松山さんを評したコメントが紹介されると、「一番のほめ言葉です。僕がケガをして撮影を半年間中断させてしまったので、この日を迎えられて本当に嬉しい」と照れくさそうな笑顔を浮かべ、公私の(?)充実ぶりをうかがわせた。松山さんとの間に、共演の伊藤英明を挟んで立つ形となった小雪さんは、初のアクション挑戦をふり返り「右も左もわからず、ただただスタッフのみなさんのお力を借りてやらせていただいた。年を重ねてできないことにチャレンジして、克服するのは感慨深いものがあります。いい経験になりました」と満足げ。だが、司会者から今後もアクションに挑む?と聞かれると「楽しかったけど、考えながらやらせていただきます」と苦笑いだった。2人とは対照的に、伊藤さんは「僕はぶっちゃけ大変じゃなかった。松山くんは心身ともに大変そうでしたが僕は大変そうな顔をしていました。沖縄のおいしい料理とお酒を毎晩いただいて、撮影は充実していました」と飄々とした調子。壮絶なアクションシーンについての質問にも「沖縄の砂浜で撮ったんですが、いや暑かった。でも撮り終えないと崔さん(洋一監督)に殺されると思い、恐怖と闘いながらやりました」と冗談交じりに崔監督の鬼采配ぶりを吐露。それを裏付けるように、崔監督と初タッグとなった佐藤浩市も、「現場で監督の怒鳴り声が聞こえない日はないという、うわさにたがわない温厚で柔和な方でした」とユーモアたっぷりに“証言”。小林薫も「撮影で使った魚は本物で、スズキを200匹鹿児島から空輸したんですが、そのスズキさんに怒鳴っていました。『演技しろ!さっきはできていたじゃないか!』って。初めて見ましたね」と悪ノリ。崔監督は「言ってません」と釈明しながら、前日にカナダ・トロント映画祭から帰国したばかりとあって、本作が特別上映された様子を「カムイの術のところで場内が割れた。笑いとどよめきで。カナダ人はどういう人たちなんだろうと思った」と観客の反応の良さを面白おかしく報告。松山さんと2度目の共演となった大後寿々花は「今回の松山さんの顔つきが前と全然違いました」と現場の緊張感を伝えていた。松山さんと崔監督はこの日から23日まで全国27か所、31回の舞台あいさつ行脚をスタートさせた。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:カムイ外伝 2009年9月19日より丸の内ピカデリー2ほか全国にて公開© 2009「カムイ外伝」製作委員会■関連記事:松ケン&小雪、熱愛コメントはなくも類似メッセージを呼びかけ【どちらを観る?】愛か自由か?松ケン『カムイ外伝』VS小栗旬『TAJOMARU』松山ケンイチ『カムイ外伝』インタビュー 孤高のヒーロー誕生の陰にあった挫折、恐怖ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!松山ケンイチ、忍術で壁渡りも何のその?崔洋一「カムイは彼しかいない!」
2009年09月19日あなたの周りの男性上司はステキな人ですか?それともその反対?どちらにせよ、仕事をする上で関わらないわけには行かないその存在。20代のビジネスウーマンにとって理想の男性上司とは、タレントでいうと誰に当てはまるのでしょうか。カッコいいだけでもNG、面白いだけでもNG……。そんな厳しい条件とクリアして、支持を集めた人とは……?Q、上司になって欲しいタレントは誰ですか?1位所ジョージ10.2%2位島田紳助4.6%3位佐藤浩一4.5%4位江口洋介3.7%5位阿部寛3.2%5位福山雅治3.2%■所ジョージこそ理想の上司!その理由は……・「のらりくらりとしているが的確な仕事をしそうなところ。上司として尊敬できそう」(26歳/不動産/秘書・アシスタント)・「常に遊び心をもっているところ。緊張しっぱなしでは良いアイディアは浮かばない!」(23歳/自動車関連/秘書・アシスタント)・「斬新なアイデアでどんどん新規開拓して、みんなをひっぱってってくれそう」(24歳/ソフトウェア/SE)・「失敗しても次に繋がるような怒り方をしてくれそうなところ」(22歳/IT/SE)■島田紳助こそ理想の上司!その理由は……・「口は悪いが、頭の回転が早く、毒を吐いても嫌みではない。また、実際は人望に厚いと思う」(27歳/医療/サービス)・「プランに計画性があり、時代の流れを敏感にキャッチしている」(27歳/官公庁/研究開発)・「人の扱いが上手いから、部下の能力を十二分に引き出しそう」(25歳/食品/バイヤー)■佐藤浩市こそ理想の上司!その理由は……・「とても頼りになりそう。面白い一面もあるし、黙っていても実力があるのが分かる」(25歳/医療/専門職)・「トヨタのCMで上司役として出演しているし、あまりフランクな上司ではないかもしれないけどすごく頼りになりそう」(25歳/自動車関連/秘書・アシスタント)■江口洋介こそ理想の上司!その理由は……・「ドラマでリーダーシップをとって活躍していたのを見て、魅力的に思ったから」(25歳/運輸/総務)・「自分に厳しく、周りの人にはとても優しく接してくれるような気がするから」(26歳/不動産/営業)■阿部寛こそ理想の上司!その理由は……・「あの声で褒められたい」(23歳/生保/営業)・「普段は無口でも、何かあったときにかばってくれそうだから」(23歳/金融/営業)■福山雅治こそ理想の上司!その理由は……・「すべてをパーフェクトにこなすところ」(24歳/精密機器/営業)・「ドラマ『ガリレオ』で演じていたようなクールさが、上司には必要」(25歳/教育関連/企画開発)■その他、こんな上司も理想的!・タモリ「物知りで、何かにつまずいても、いいアドバイスをくれそう」(26歳/商社/総務)・堤真一「しっかり考えてアドバイスや仕事の指示を出しそう。そしてかっこいい」(23歳/金融/営業)・竹野内豊「カッコよくて仕事もできる上司で、憧れの的になりそう」(25歳/小売/販売)・唐沢寿明「しっかりしているのに、たまにおもしろいことを言って、その場の緊張感を和ませてくれそうだから」(22歳/商社/販売)・舘ひろし「若い子の文化に触れようとするとき、恥じらう感じが面白い」(23歳/精密機器/総務)完全版(画像などあり)を見る
2009年09月16日若きビジネスマンの社会生活に大きな影響を与える、上司という存在。「いつかは超えたい目標」であったり、「仕事で成長してきた上での恩人」であったり、「絶対にああはなりたくない反面教師」であったり……。そのあり方は様々かもしれませんが、もしも上司を選べるならどんな人がいいですか?20代ビジネスマンから人気を集めた、個性豊かなナイスミドルの面々とは……。Q、上司になって欲しい俳優は誰ですか?1位所ジョージ12%2位北野武6%3位渡哲也5%4位島田紳助4%4位佐藤浩市4%■所ジョージこそ理想の上司!その理由は……・「どんな仕事でも面白くしてくれそう」(26歳/IT/SE)・「メリハリが利いていそうで、楽しく仕事ができそうだから」(23歳/商社/システム)・「博識で、仕事以外の分野でもいろいろ話ができそうなところ」(23歳/電気/財務)・「大きく構えて、仕事場の空気を働きやすいようにしてくれそうなイメージ」(28歳/IT/経営・コンサルタント)■北野武こそ理想の上司!その理由は……・「普段はふざけているが、いざというときはしっかりしそうだから」(27歳/精密機器/研究開発)・「面白いけど頭もきれるところ」(28歳/IT/SE)・「発想力のすごいところ」(23歳/精密機器/設計)■渡哲也こそ理想の上司!その理由は……・「厳しいところは厳しく指導してくれそうなので」(26歳/通信/企画開発)・「誰にでも平等に接してくれそう。考え方に一本筋が通ってそう」(27歳/精密機器/営業)■島田紳助こそ理想の上司!その理由は……・「知識、行動力、面倒見のよさ」(22歳/ソフトウェア/SE)・「能力を引き出す力がある」(25歳/建築/建築)■佐藤浩市こそ理想の上司!その理由は……・「仕事に対する熱意が感じられるから」(27歳/化学/研究開発)・「トヨタ『マークX』のCMのイメージ」(24歳/自動車関連/設計)■その他、こんな上司も理想的!・明石家さんま「いろいろと冗談を言いつつ、士気を盛り上げてくれそう」(28歳/精密機器/財務)・タモリ「いろいろな人生観を教えてもらえそう」(24歳/IT/経営・コンサルタント)・江口洋介「冷静沈着で、後輩に対しても厳しさと優しさがありそう」(26歳/商社/営業)・阿部寛「硬派かつ、コミカルな面もある」(27歳/T/営業)・織田裕二「熱い感じがいい」(24歳/小売/販売)・星野仙一「監督として非常にリーダーシップを発揮しておられ、あの人の下で仕事をしてみたいと感じたから」(25歳/繊維/研究開発)・福山雅治「万能なところ」(22歳/機械/設計)完全版(画像などあり)を見る
2009年09月16日誰かに守られ、誰かを守っていくこと――。大ヒット刑事ドラマ「踊る大捜査線」の生みの親、君塚良一が、“容疑者家族の保護”をテーマに、現代社会に一石を投じた社会派エンターテイメント『誰も守ってくれない』。昨年のモントリオール世界映画祭で最優秀脚本賞を獲得するなど、国内外で大きな反響を呼んだ。本作で、ある日突然“容疑者の妹”として社会の渦に巻き込まれるヒロイン・沙織を演じたのが、弱冠16歳にして大人顔負けの表現者として、名実共に若手女優のトップをひた走る志田未来。DVDの発売を前に話を聞いた。現場で感じたままを表現することへの戸惑い「最初はやっぱり、いままでと違うことに戸惑いはありました」。そう語るのも無理はない。本作では、リアルな人間ドラマを追究すべく、リハーサルからカメラを回しっぱなしという“セミドキュメンタリー撮影”という手法がとられた。「最初に君塚さんにお会いしたときに、『役作りをしないで、現場に来たときに感じたことをそのまま表現してくれればいいから』と言ってくださったので、役作りはしなかったです。現場でも『好きに動いていいよ』って言われました。でも、正直どう動いていいのか分からなかったですね。何回も本番を撮るんですが、『もう1回』と言われてもどこがダメだったかとか、気になってちょっと落ち着かなかったりもしました。特にここが大変ということはなかったですけど、慣れるまで大変でした」。兄の犯した殺人事件により社会から追われる状況に陥る中学生の沙織。そんな彼女の目に宿るのは、大人に対する並々ならぬ不信感だ。彼女の保護にあたる刑事・勝浦(佐藤浩市)に対しても同様。壁に阻まれた2人の関係が変化していくさまこそが、本作の見どころとなる。「(撮影現場で)浩市さんは敢えて、私に話しかけなかったと後で聞きました。いま思うと、全然話してなかったですね。一人でいることが多かったので、正直ちょっと寂しかったです(笑)。でも監督からも、撮影の本番で、台詞を間違えても突然変な動きをしても浩市さんがフォローしてくれるからと言われていたので、安心してお芝居はできました」。「家族が大好きなところは似ている」という等身大の中学生を演じた志田さんだが、本作も「やっぱり同世代の方に一番、家族と一緒に観てもらいたい」と話す。「沙織みたいな普通に過ごしていた女の子が、突然いろんな人から中傷されたり、映像を流されたりというのはやっぱり怖いし、ひどいなと思いました。そういうインターネットの怖さも含めて、『守る』ということを考えさせてくれる映画なので、そこを観てもらいたいです」。志田さんが言うように、本作の重要なテーマとして横たわるのが、利便性の裏返しにあるネット社会の恐怖だ。そのシンボルとして、印象的なのが、劇中で沙織が片時も離さず握りしめている、携帯電話。沙織と同世代の志田さんも「電話はよくします。今回もメールで『すごく目が綺麗だった』と言ってくれた友達がいて、すごくうれしかったです。(携帯は)無くなったら困ります(笑)」と語る。16歳を迎えていま、挑戦してみたいもの本作を撮影したのは中学2年のとき、今年高校にあがったばかりの志田さん。劇中よりも一回り大人びた様子で語る彼女だが、プライベートについて尋ねると、ふとした瞬間にあどけない笑顔がこぼれる。「高校に入って、電車通学も初めてだし、中学の頃の友達もいないので、(生活が)ガラッと変わりました。部活はヒップホップ同好会に入りました。仲の良い友達と集まって好きにやってる感じなんですけど。(プライベートでは)買い物に行ったりカラオケに行ったりして遊んでます。この前は『余命1ヶ月の花嫁』を友達と一緒に観に行きました。瑛太さんが演じていた太郎さんがすごく優しくて、ああいう男性がいいなと思いました(照)」。本作を通して、「お芝居の面でも成長したというか、新しい引き出しが増えた」。そうふり返る志田さん。本作に続き、10月からは不朽の名作のドラマ化「小公女セイラ」のヒロインという大役が控えている。最後に今後の目標について聞いた。「自分の個性を出してやっていけたらいいなと思っているので、こういう人になりたいという目標は特にないんです。(やってみたい役は)ギャルとか、すごくひねくれた役をやってみたいですね。やっぱり、いままでやったことのない役をやってみたいですし、いろんなことに挑戦してみたいです」。曇りのないたくましさをたたえる、まっすぐな瞳。その中に見据える未来を、これからも楽しみに待ちたい。『誰も守ってくれないプレミアム・エディション<初回限定生産>』価格:5,985円(税込)『誰も守ってくれないスタンダード・エディション』価格:3,990円(税込)発売元:フジテレビジョン/販売元:ポニーキャニオン発売日:9月2日(水)※同日レンタル開始© 2009 フジテレビジョン/日本映画衛星放送/東宝■関連作品:誰も守ってくれない 2009年1月24日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョン 日本映画衛星放送 東宝■関連記事:佐藤浩市「松田龍平って面白い!」&木村佳乃からは“癒やし系”扱いも当人は困惑顔蔵之介だけは撮り直し免除?本物の演技に迫った『誰も守ってくれない』佐藤浩市主演『誰も守ってくれない』モントリオール映画祭にて数多くの絶賛の声
2009年09月01日数々のヒット映画を手がけてきたフジテレビが、開局50周年記念プロジェクトとして贈るサスペンス超大作『アマルフィ 女神の報酬』。日本映画では初となる全編イタリアロケを敢行したことで注目を集める本作が7月18日(土)に遂に公開初日を迎えた。初回上映後の舞台挨拶には、西谷弘監督と主演の織田裕二、天海祐希、戸田恵梨香、佐藤浩市、佐野史郎、大塚寧々、伊藤淳史ら豪華出演陣が総集結し、大盛況のスタートを切った。先日のローマ上映から凱旋を果たし、織田さんはホッとした表情で「映画『アマルフィ』はいかがでしたか?また観たいですか?」と呼びかけると、会場からは大歓声と拍手が沸いた。代表作『踊る大捜査線』シリーズの熱血漢・“青”島役から一転、今回演じたクールな外交官・“黒”田について「最初は監督にとにかくダメ出しをされてくじけそうになりましたが、やっていくうちに黒田の謎めいた魅力に惹かれていって、いまはすぐにでもまたやりたいです」と愛着を語る織田さん。司会から続編の可能性を聞かれると「やりたいのですが、この映画がヒットすれば…」とまんざらでない様子。そして観客に向けて「別の登場人物の気持ちになりきってみると、違った感動があると思うので、この3連休にもう一度観にきてください」と作品をアピールした。一方、「パート2が出来ても多分、出れない…」とネタバレぎりぎりの挨拶で笑いを誘ったのは佐藤さん。海岸にそびえるアマルフィでは、クルーザーで移動する住民の暮らしに感動したらしく、「『道路からなんか行かないよ、我々は』みたいな。これがアマルフィかと」と語り、終始会場を沸かせた。また、キャスト陣の口からは、ここぞとばかりに西谷監督による過酷な撮影に対する苦情(?)が続出。織田さんと共にスペイン広場の階段を駆け上るシーンを20回もやり直したという天海さんは、「私があまり疲れてない顔をしていたので、何度も走らせて下さったんですよね?あれでも疲れてたんですけど…」とポツリ、宝塚経験から「(階段を)下りるのは得意なんですけどね!」と主張し、沸かせた。戸田さんもイタリア語の台詞には苦戦したそうで、「現場で台詞が倍以上になっていたのですが、全部カットされてました(笑)。DVDのメイキング映像(に入ることを)を強く希望します」とアピール。さらに織田さんから「リアルに疲れた顔になった」と明かされると、さすがに妥協知らずの西谷監督も「あんまり言われると、仕事が無くなっちゃうから止めてください」と参った表情で懇願した。これとは対照的に、イタリアロケで“旅行気分”を満喫した様子を見せたのは、黒田を囲む日本大使館組。年末年始を現地で過ごした大塚さんは「ヨーロッパでのカウントダウンは初めてでしたが、みんなと一緒に屋上で花火を満喫して、いい年明けでした」とふり返った。佐野さんも「オフの日は列車に乗って田舎に行って趣味の写真を撮ったりしてました。すみません」とと申し訳なさそうに笑顔でコメント。織田さんの大ファンだという伊藤さんは、「この映画に出ることが決まったときからすごく嬉しくて緊張してました。イタリアで初めてお会いしたときは、イタリアの空気の中にいる織田さんに感激して、それだけで幸せでした」と伝えると、織田さんは照れくさそうに軽くおじぎをした。最後に、一同はグラスワインを持ち、織田さんのイタリア語による「サルーテ(Salute)!」という合図で、乾杯が交わされ、興奮冷めやらぬままイベントは幕を閉じた。『アマルフィ 女神の報酬』は全国東宝系にて公開中。■関連作品:アマルフィ 女神の報酬 2009年7月18日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョン■関連記事:無謀な世界遺産ロケで勝負!ハリウッドに待ったかける『アマルフィ 女神の報酬』織田裕二、スペイン広場で車にひかれた?佐藤浩市は作品の重大な秘密を暴露!“青”から“黒”の織田裕ニへフジが総力上げる『アマルフィ』、シリーズ化なるか?
2009年07月20日全編イタリアロケ──文字にしてしまうとなんだか容易いことのようにも受け取れるが、世界的観光名所が集約したローマと街全体が世界遺産のアマルフィを舞台にしている日本映画というのは、やはりどう考えても普通じゃない。そんな無謀とも言えるロケを敢行して出来上がったのが『アマルフィ 女神の報酬』だ。主人公は外交官・黒田康作。演じるのは、これまで数々のヒーロー像を演じてきた織田裕二。『躍る大捜査線』シリーズの青島刑事とは一味違う、大人の色気を放つ外交官役に挑み、新しい一面を披露している。また、脇を固めるキャストも豪華。旅行先のローマで娘を誘拐されてしまう母親役に天海祐希、彼女を支える商社マン役に佐藤浩市、そして黒田が赴任する日本大使館で働く外交官役は戸田恵梨香、佐野史郎、伊藤淳史という顔ぶれ。黒田の友人・フリーライターの佐伯役で福山雅治も登場する。主役を張れるキャストたちがこれだけ揃っているというのも見どころだが、驚くべきは世界の歌姫サラ・ブライトマンが本人役でキャスティングされていることだろう。クライマックスに用意されたコンサート・シーンは圧巻だ。ただ、美しい名所、豪華キャストという超大作の要素がどれだけ詰まっていても、ストーリーが面白くなくては映画ファンの心をつかむことはできない。だが、悔しいことにこの『アマルフィ 女神の報酬』の原作は「ホワイトアウト」で知られる真保裕一が、この企画のために書き下ろしたサスペンス。面白くないわけがないのだ。洋画慣れしている人でも満足のいく日本映画と言っても決して大袈裟ではない本作は、期待を裏切らない久々の超大作と言えるのではないだろうか。(text:Rie Shintani)■関連作品:アマルフィ 女神の報酬 2009年7月18日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョン■関連記事:織田裕二、スペイン広場で車にひかれた?佐藤浩市は作品の重大な秘密を暴露!“青”から“黒”の織田裕ニへフジが総力上げる『アマルフィ』、シリーズ化なるか?
2009年07月17日ローマのコロッセオやスペイン広場、ナポリのカゼルタ宮殿に、アマルフィ海岸など世界遺産を含む数々のイタリアの名所でのロケを敢行し、完成前から大きな話題を呼んでいた『アマルフィ 女神の報酬』。本作の完成披露試写会が6月24日(水)に開催され、主演の織田裕二を始め、天海祐希、戸田恵梨香、佐藤浩市、伊藤淳史、佐野史郎に監督の西谷弘が上映前の舞台挨拶に登壇した。織田さん、天海さん、戸田さんの3人は、大阪での舞台挨拶の後に新幹線で帰京し、この完成披露に駆けつけるという強行日程だったが、笑顔で観客の歓声に応えた。主人公の外交官・黒田を演じた織田さんは「奇跡がいっぱい詰まった映画です」と胸を張った。撮影中のエピソードを尋ねると「台本にはそんなこと書いてなかったのに、監督に急に『ちょっと車にひかれてくれ』と言われまして…。スタントが入るのかと思ったら、衣裳を渡されて『ああ、俺がやるのか』と(苦笑)。まさかスペイン広場で車にひかれることになるとは思わなかったです」と明かしてくれた。商社マンの藤井を演じた佐藤さんは、プロデューサーから口止めされていたにもかかわらず、この作品の重大な秘密を暴露。「この映画、全編イタリアロケを謳ってますが、実は1カットだけ日本で撮影されています。あるシーンのフィルムが使えなくなって、帰国後にセットを組んで撮り直しました」とのこと。さてさて、いったいどのシーンなのか…。大使館の研修生・安達役の戸田さんは、完成した作品を観ての感想を聞かれ「撮影中は正直、いっぱいいっぱいだったので、やっと落ち着いて映画を観て『こういう作品だったんだ!』といち観客として興奮しました」と笑顔で語った。一方、伊藤さんは外交官の谷本に扮したが「僕の方は、イタリアで3日休んで1日働いて、4日休んで2日働き、2日休んで帰国、という感じでした…。もちろん1日ごとの撮影に集中しましたが、申し訳ないような気持ちです」と苦笑を浮かべた。愛する娘を誘拐されてしまう紗江子役の天海さんは、試写で作品を鑑賞した際に大泣きしたことを織田さんに暴露されたが、改めて感想を尋ねると「スクリーンの中にいる自分に嫉妬してしまうくらい、素敵な男性に囲まれてました(笑)。ストーリーをもう知っているのに、いろんな人の思いが胸に迫ってきて、あるシーンを境に堰を切ったように涙があふれてきました」と語った。佐野さんが演じたのは黒田の存在を疎ましく思う、在イタリア大使館参事官・西野。「僕の演じた役が、どのように見えるのか?映画を観た方々に話を聞きたいです。現場でも織田くんと、謎解きのようにどういう人物なのかって話してました」とふり返った。西谷監督は「3か月間ずっとイタリアで撮影に臨みました。だからこそ、にじみ出ているものがあると思います」と作品への強い思いを語った。『アマルフィ 女神の報酬』は7月18日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:アマルフィ 女神の報酬 2009年7月18日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョン■関連記事:“青”から“黒”の織田裕ニへフジが総力上げる『アマルフィ』、シリーズ化なるか?
2009年06月25日