榊原郁恵、早見優、松本伊代、石野真子の4名が、元アイドルグループ《ミューズ》のメンバーに扮する舞台、『ミュージカル「ヒロイン」~女たちよタフであれ~』の制作発表が10日、都内で行われた。会見には今回新たに参加する川﨑麻世とダレアレ悟も登壇した。『ミュージカル「ヒロイン」~女たちよタフであれ~』チケット情報この舞台は2011年2月に上演され、元アイドルたちの役を本物の元アイドルたちが演じることでも話題となった。今回は再演を望むファンの声に応え、新たなストーリーで上演される。会見ではフリフリの衣裳に身を包んだ榊原、早見、松本、石野が歌も披露。“大人可愛い”魅力を振りまき、それぞれ意気込みを語った。「おばさんトークが炸裂するとても楽しい現場です。本番中も、毎日生のオンステージを聞いているようで楽しかったです。初演の時は、また上演することになるなんて思ってもいませんでした。前回のストーリーの1年後のお話になりますが、舞台が成長していっているようで嬉しいです」(榊原)。「昨年の舞台では、最後に『ヒロイン』を歌ってフィナーレだったんです。最初の頃は照れくさかったけど、コンサート会場のように客席が盛り上がってくれたので、アイドルグループ《ミューズ》になりきっていつも楽しんでいました。70年代、80年代を生きてきた方たちには、絶対にエンジョイして頂ける作品だと思います」(早見)。「今回は新しいストーリーでセリフや歌も変わるので、またイチからのスタートになりますが、みんなにご迷惑をかけないよう頑張りたいと思います。本番では客席の方と楽しみたいですね!」(松本)。「昨年の稽古では差し入れにクッキーを焼いてきてくれる人もいたんですが、みんなで励ましあい、協力しあいながら頑張っていました。本番を観てくれた方からは、“とても楽しかったよ!”という感想をたくさん頂くことができたので、今年もみんなで楽しい舞台を作っていきたいと思います」(石野)。また、共演の川﨑は「みんなのことはデビュー当時から知っているので、この作品への出演の話を頂いた時は“やったー!”と懐かしい気持ちになりました」とコメントし、アイドル時代の思いが去来したようだ。公演は2月16日(木)から2月23日(木)まで東京・博品館劇場にて上演。その後、2月27日(月)熊本・崇城大学市民ホール(熊本市民会館)、3月8日(木)大阪・森ノ宮ピロティホール、3月15日(木)愛知・中日劇場にて公演が行われる。チケットは発売中。
2012年01月12日温泉に浸かって、より効果効能にあやかるためには、正しい入浴法を知っておくことが肝心だとか。そこで、元オリンピック・ショートトラックスピードスケートの選手で、現在は温泉ソムリエの資格などを持って「健康と美容」に関するキャスターを務める勅使川原郁恵(てしがわら・いくえ)さんに、効果的な温泉入浴法についてお尋ねしました。■旅館に置いてあるお菓子とお茶にも意味がある温泉の浸かり方について勅使川原さんは、次のように話します。――温泉は、周知のとおり体調不良を整える効果効能がありますが、ぼーっと入っていてもその効果は望めないことがあります。それに、ご経験がある方も多いと思いますが、一つ入り方を間違えると、余計に疲れたり、体調を悪化させることにもなりかねないのです。「温泉効果がよりアップする入浴法」について、10の方法をお伝えしますね。1.入浴前は適度にカロリー補給を空腹で入浴すると貧血を起こしやすくなるので、適度にカロリー補給をしてから入りましょう。よく旅館にお菓子とお茶が置いてあるのは、到着後の午後には、これらを口にして空腹を癒やしてから入浴を、という意味があります。2.温泉に入る前後に水分補給をする入浴の10分~20分前と、入浴後すぐ~10分後までに、コップ1~2杯の水を飲みましょう。血行と発汗を促します。特に入浴後は、発汗で血液の粘度が上がって血液がドロドロになるのを防ぎます。3.温泉に浸かる前に軽く体を洗う温泉成分をより吸収するために、体を洗ってから浸かりましょう。ただし温泉には、肌の角質や毛穴の汚れを取る効果があるので、体をタオルでごしごしと洗うと肌を傷めてしまいます。そこで、せっけんを手に取ってよく泡立てて、手で洗うことをおすすめします。かけ湯をして、一度5分ほど湯船に浸かってから洗い、また湯船に浸かると体が温まりやすいです。4.体を洗ったあとは温泉の湯でかけ湯をするかけ湯は、入浴中の脳卒中や心臓発作を防ぐ役割があります。心臓から遠い部位から首へ、つまり右足、左足から太もも、腰、おなか、胸、肩、首へと順に、5~10杯ほどかけましょう。5.湯口(ゆぐち)の反対側から入り、湯口(ゆぐち)側から出るお湯がわき出ている湯口(ゆぐち)付近は温度が高く、体に負担がかかります。ですので、温度が低く、お湯がまろやかな湯尻(湯口(ゆぐち)の反対側)からそっと足を入れて徐々に湯を体になじませていきます。湯から上がる時はその逆で、湯が新鮮な湯口(ゆぐち)付近から上がるとよいでしょう。6.入浴中は、しぼったタオルを頭にのせる暑いとき、のぼせた場合には冷たいタオルを、寒いとき、立ちくらみがする場合には熱いタオルを頭にのせるとよいでしょう。7.内風呂に入ってから露天風呂へ気温が低い屋外にいきなり裸の状態で出ると、血圧が急上昇する場合があります。まずは内風呂に入って体を一度温めてから、露天風呂に行くのがよいでしょう。露天風呂では、頭を冷やして下半身を温めることになり、血液循環が活発になります。体の芯から温めることができます。8.1回の入浴は5分程度に1回の入浴で長湯(ながゆ)をすると、体への負担が高まります。1回につき約5分間入浴し、3~5分ほどの休憩をしてから再度、入浴します。これを体調に合わせて、3回ほど繰り返します。時間を計ることが難しい場合は、額にじわっと汗をかいたときが上がりどきだと覚えておきましょう。休憩の続きに、体や髪を洗うと汚れが落ちやすくなります。9.あがり湯にシャワーはNG温泉入浴後は、約3時間ほど皮膚から温泉効果の浸透が持続します。上がるときに、体を洗ったりシャワーをかけたりすると温泉成分を洗い流してしまうことになります。温泉のかけ湯ならOK。10.入浴後は30分~1時間の休憩を汗やほてりが自然に引くまで、水や麦茶、熱で失われやすいビタミンCを含んだドリンク、スポーツ飲料などを飲みながら、ゆっくり過ごしましょう。この時間は大切です。この間に、温泉の成分がより体に浸透していきます。ビールなどアルコールは、のぼせた体に悪影響を与えることがあるので、このときはガマンします。1時間程度ゆっくりした後の、夕食時のお楽しみにとっておきましょう。最後に勅使川原さんは、こう付け加えます。「夜に温泉に浸かるときは、夕食後1時間ほどたってからにしましょう。食後すぐは胃腸など消化器官に血液が集中している、お酒を飲んだ場合はアルコールが残っていて、気分が悪くなることがあります」日々の適当なシャワーがクセになっている筆者は、温泉に出掛けても適当な浸かり方でせっかくの効果が半減だったことに気付きました。これからはこの10の術を実践し、もっと温泉浴を楽しむ決心をした次第です。監修:勅使川原郁恵氏。ショートトラック・スピードスケートの種目で‘98年長野五輪、2002年ソルトレークシティー五輪、さらに’06年トリノ五輪と、3度のオリンピック出場・入賞を果たす。引退後、朝日新聞のプリンセスウォーカー、(社)日本ウオーキング協会のウォーキング親善大使などを経て、多くの企業のウォーキング・アドバイザーを務めながら、メディアや講演など多方面で活躍中。温泉ソムリエ、野菜ソムリエなどの資格を有し、「年代を問わない美と健康」を提唱している。 著書の『ウォーキングでナチュラル美人ダイエット』(扶桑社 1365円)は、ウォーキングでけんこう骨や骨盤、精神面などへ働きかける方法とその効果をわかりやすく解説した好評の一冊。(藤井空/ユンブル)【関連リンク】【コラム】温泉で女性グループに遭遇……旅先で経験したハプニングとは?【コラム】世界一のベンチから吉幾三まで。全国おもしろ道の駅【コラム】1本2,000円の究極の万能たれのお味は?
2012年01月07日紫外線対策をバッチリしていても、夏に増えてしまったシミやそばかすをはじめとする肌のダメージは秋に増幅するといいます。肌の悩みといえば、女性だけでなく、吹き出物やサメ肌に悩む男性も多いのではないでしょうか。そこで、元オリンピック・ショートトラックスピードスケート選手で、ベジタブルビューティーセルフアドバイザーの資格を持つ勅使川原郁恵(てしがわら・いくえ)さんに、肌のトラブルに効く野菜・果物と、それらを使った簡単レシピを教えていただきました。■ビタミンCは美肌効果がたくさん「美肌効果に一番よいのはビタミンCです。紫外線を浴びると、メラニン色素が増えることで肌が黒くなりますが、ビタミンCはこのメラニン色素の沈着を防ぐ効果があります。さらにコラーゲンも生成するので、お肌をぷるぷるにするとイメージしてください」と勅使川原さん。「また、吹き出物などの肌トラブルは疲労や胃腸の調子とも密接にかかわってきます。ですから、疲労回復効果や整腸作用があり、血液をサラサラにする果物や野菜がおすすめです」(勅使川原さん)まず、肌トラブルの解消が期待できる果物や野菜をたずねると、「グレープフルーツは、肌にうるおいを与え、シミやそばかすに効くビタミンCが豊富です。トマトは、抗酸化作用が強いリコピンという栄養素を含むので、紫外線のダメージをケアするのにぴったりです。にんじんは、カロテン、ビタミンAを多く含み、肌にうるおいを与えます」(勅使川原さん)まるで、美溶液のような効能です。そして、「疲労回復に効く」と勅使川原さんがあげるのが、パイナップルとブロッコリー。「パイナップルは、ビタミンCとクエン酸が疲れを解消します。また、ブロッコリーもカロテンとビタミンCの抗酸化作用で疲労回復が期待できます」また、体の中の掃除をする野菜として、「アスパラガスは、カロテンやビタミンで腸内環境を改善するので、吹き出物の予防にもなります。玉ねぎは、抗血栓作用があり血液をサラサラにするので、私は毎日食べています」と勅使川原さん。■美肌や疲労回復に!おすすめレシピそこで、勅使川原さんが毎日の食卓に取り入れているおすすめレシピをうかがいました。・鶏のハーブグリルハリのある肌に欠かせないコラーゲンは、ビタミンCと一緒にとると吸収力がアップします。コラーゲンたっぷりの鶏もも肉に塩・コショウをふり、皮を下にしてオーブンの天板に並べます。タイムやローズマリーなどのお好みのハーブ、にんにく、玉ねぎのみじん切りとオリーブオイルを合わせた調味料を鶏肉の表面に塗り広げ、200℃のオーブンで20分焼きます。付け合わせに塩ゆでして油でいためたブロッコリーやプチトマト、レモンなどビタミンCが豊富な野菜を添えて完成です。・オニオンスープ血液サラサラ・保湿効果がある玉ねぎは、勅使川原さんが毎日欠かさずに食べる食材です。玉ねぎ1個を薄くスライスし、バターとサラダ油を入れた鍋で弱火でじっくりいためます。玉ねぎがトロトロのあめ色になったら、塩少々と鶏ガラスープを2カップ加えます。弱火で5分煮たら、塩・コショウで味をととのえ、パセリを散らします。いためた玉ねぎを、トマトソースを塗った食パンに乗せ、チーズをかけてトースターで焼き、ピザトーストにするのもおすすめだとか。・ピクルス旬の野菜を使ったマイ・ピクルスを冷蔵庫に常備しておくことがおすすめです。1週間ほどはおいしく食べられます。ワインビネガー、白ワイン1カップ、塩小さじ2、砂糖大さじ3、ローリエ2枚、赤唐辛子1本、にんにく1片を沸騰させて冷ましたら、さっとゆでたにんじん、大根、セロリなどをお好みの野菜を漬けるだけ。忙しい朝や小腹がすいたとき、仕事から帰ってきて夕飯を作るのが面倒! というときでも、冷蔵庫にピクルスがあれば手軽に野菜補給ができます。野菜や果物は医薬品のように速攻性はありませんが、体の中から肌トラブルを改善してくれそうです。毎日口にするものについて少しの知識を持ち、体調に合わせて食材を選ぶことは食生活を豊かにしてくれるに違いありません。監修:勅使川原郁恵氏。ショートトラック・スピードスケートの種目で‘98年長野五輪、2002年ソルトレークシティー五輪で入賞、さらに’06年トリノ五輪と、3度のオリンピック出場を果たす。現役を引退後、朝日新聞ウォーキンググランプリのプリンセスウォーカー、(社)日本ウオーキング協会のウォーキング親善大使などを経て、多くの企業のウォーキング・アドバイザーを務めながら、メディアや講演など多方面で活躍中。トップアスリートとしての実績、トレーニングのノウハウを生かし、「年代を問わない美と健康」を提唱する。著書の『ウォーキングでナチュラル美人ダイエット』(扶桑社 1365円)は、ウォーキングでけんこう骨や骨盤、精神面などへ働きかける方法とその効果をわかりやすく解説した好評の一冊。(下関崇子/ユンブル)【関連リンク】【コラム】男性ビジネスマン179人に聞く、お肌のケア方法とは?【コラム】女性が男性の年齢を判断するポイント。1位は××【コラム】最近は女性以上に繊細?男性がひそかにしているボディ&フェイスケア
2011年08月23日猛暑のピークが過ぎても、なんとなく寝苦しい毎日。なかなか眠れなかったり、夜中に起きてしまったり……。ぐっすり眠って、翌朝は爽快(そうかい)に目覚めたい!そこで、元オリンピック・ショートトラックスピードスケートの選手で、現在は「健康と美容」についてのキャスターを務め、睡眠改善インストラクターの資格を持つ勅使川原郁恵(てしがわら・いくえ)さんに、快適に眠るための工夫をうかがいました。■ハーブティーとストレッチで疲れをとる現役時代は試合の遠征で日本各地や世界中を飛び回っていた勅使川原さん。現在も出張でホテル暮らしが多い毎日だとか。そこで、枕がかわってもぐっすり眠るコツを聞いてみました。「環境が変わると精神が不安定になって眠れないときもあるので、遠征先にはお気に入りのハーブティーを持参しました。私がよく飲んでいたのは、ストレスを緩和する効果のあるオレンジブロッサムティー、不眠症に効果のあるカモミールティー、不安や疲れを解消するローズティーです。これらは眠りに良い作用があると認められていますので、睡眠改善インストラクターとしてもおすすめします」(勅使川原さん)また、試合前夜の緊張時などは、腹式呼吸が効果的だったそう。そこで、具体的な方法をうかがうと、「あおむけに寝て、足を肩幅に開き、手のひらを下にしてリラックスした状態で行います。息を鼻から吸っておなかにたっぷり空気を入れ、口から細長く吐きながら、おなかをへこませるようにして、息を出し切ります。疲れを全部呼吸で吐き出すイメージです。眠れない、寝つきが悪いときは、深呼吸を繰り返してください。良い眠りにつくには自律神経の一つである副交感神経を働かせるとよいのですが、深呼吸を繰り返すことは、気持ちを落ち着かせて副交感神経に働きかけることになります」(勅使川原さん)また、「深呼吸後に、ストレッチをプラスして疲れをとるのもおすすめです」と、勅使川原さんが実践していたストレッチを教えていただきました。(1)背中周りのストレッチベッドや布団の上で体操座りをします。つま先をしっかり手でつかみ、ゴロ~ンと後ろに倒れて背中を床につけ、またゴロ~ンと起き上がります。背骨全体をローリングするつもりで。3回を1セットとして、2セットぐらいが目安です。(2)骨盤周りのストレッチベッドの上であおむけに寝ます。ひざを曲げて足で山を作ります。両足をぴったりくっつけ、もも、ひざ、ふくろはぎが離れないようにして右に倒し、ウエストをねじるようにします。顔は天井を向いたままで、肩が床から離れないように注意しましょう。左も同様に行い、左右3回ずつを1セットにして、2~3セットが目安です。(3)足首のストレッチあおむけで寝ます。足首を前後、左右に傾けて伸ばし、また、右回り、左回りにぐるりと回します。合計3回を1セットとして、2~3セットが目安です。「回数はあくまで目安です。これは眠りのためのストレッチなので、回数やセット数は自分がしたいだけ行ってください。途中でウトウトとすればそのまま眠ってください」と勅使川原さん。どれも簡単にできるので、今晩から試せそうです。■寝室の空気を入れ替え、湿度にも注意してまた、現役引退後に睡眠改善インストラクターの資格を取得したという勅使川原さんに、暑くて寝苦しい夜の暑さ対策を聞いてみました。「人間は、体の中心部の体温が下がらないと寝付けません。温かいお風呂に入って体の芯まで温まってしまうと、かえって寝付けなくなってしまうのです。そこで、体温を下げるには、手や足の先などから熱を放出させるのが手っ取り早いので、タオルケットを体全体にかけるのではなく、手と足の先をタオルケットから外に出すようにしてみてください」(勅使川原さん)また、勅使川原さんが言うには、寝付くためには「湿度も重要」だそうで、「寝室の湿度は50~55%にすると快適に眠ることができます。暑い時期は、敷布団と背中が接する部分の相対湿度が90%を上回ってしまうことがあります。通気性のよいパジャマを着る、シーツやタオルケットも汗を吸う素材のものにする、部屋の空気の入れ替えをよくする、布団であれば敷布団の下にすのこを敷くなど、湿気対策を行うとよいでしょう」とのことです。これらを試しても眠れないときは、勅使川原さんは次のようにアドバイスをします。「無理に眠ろうとするのではなく、焦らずに、布団に横になって目をつむって体が疲れない姿勢で、ゆっくりと時間を過ごすとよいでしょう。熟睡できずに脳が起きている感じがしても、体だけは休めるように心がけてください」これからは、眠れないからと言って、テレビをつけたり、インターネットをしたり、コンビニにおやつを買いに行ってしまわないよう、心にとめておきたいと思います。監修:勅使川原郁恵氏。ショートトラック・スピードスケートの種目で‘98年長野五輪、2002年ソルトレークシティー五輪で入賞、さらに’06年トリノ五輪と、3度のオリンピック出場を果たす。現役を引退後、朝日新聞ウォーキンググランプリのプリンセスウォーカー、(社)日本ウオーキング協会のウォーキング親善大使などを経て、多くの企業のウォーキング・アドバイザーを務めながら、メディアや講演など多方面で活躍中。トップアスリートとしての実績、トレーニングのノウハウを生かし、「年代を問わない美と健康」を提唱する。著書の『ウォーキングでナチュラル美人ダイエット』(扶桑社 1365円)は、ウォーキングでけんこう骨や骨盤、精神面などへ働きかける方法とその効果をわかりやすく解説した好評の一冊。(下関崇子/ユンブル)【関連リンク】【コラム】睡眠直前の熱風呂はNG。内科医が教える生体リズムとは?【コラム】眠るときのクセは?無防備な睡眠時の実態【コラム】内科医に聞く。精神的ストレスや体の不調を感じたらどうすればいい?
2011年08月22日頭痛、動悸(どうき)、胸が苦しい、めまい、立ちくらみ、のぼせ、冷え、胃もたれ、便秘、不眠……。これらの言うに言えないつらい症状は、自律神経のバランスが崩れることによって起こると言われています。そこで、「プチうつ改善や自律神経に働きかけるエクササイズ」を追求する元オリンピック・ショートトラックスピードスケートの選手の勅使川原郁恵さんにお話をうかがいます。■心の安定は体の安定から。運動で心を鍛える勅使川原さんは、こう説明します。「心が不安定なときは体も不安定になっています。猫背になり、そのうえ左右のどちらかに体が傾いています。当然、けんこう骨も骨盤もずれていて、肩こりや腰痛が起こるのは無理もありません。鏡の前で自然に立って自分の姿を眺めてください。顔の左右のバランスは整っていますか?唇の両端、両方の目じりの高さ、肩の高さは同じですか?少しでもずれていたら、骨盤のゆがみが原因で体全体がゆがんでいることが考えられます。精神的・肉体的に負担がかかるような刺激や状況、つまりストレスに出会うと、自律神経が調整機能を失って体が不調を訴えるようになります。このとき、必ずと言っていいほど、骨盤のゆがみが密接に関係しています。われわれアスリートは、試合などの極度の緊張感を緩和するために、軽く運動して汗をかくようにしています。運動をすると自律神経の一つである交感神経が活発になり、運動後はもう一つの自律神経の副交感神経が働くようになります。すると眠くなって、体の修復、回復を促すわけですね。つまり、適切な運動は交感神経と副交感神経の切り替えを促して自律神経を訓練することになるわけです。自律神経が安定すると、心のケアにつながります」■簡単にできる基本の呼吸法と5つのエクササイズではこれから、「オフィスでも外出先でもできる呼吸法プラスエクササイズ」を紹介します。勅使川原さんが現役の選手時代から今まで、「自律神経に働きかけて心を安定させるために、常に行っている」というトレーニングの一つでもあります。1丹田(たんでん)呼吸「呼吸は、吸うときには交感神経が働き、吐くときは副交感神経が働きます。ですから、意識的に呼吸を行うことで自律神経のバランスを整えることができるのです」と勅使川原さん。まず、呼吸法の基本、「丹田呼吸」を行います。これは、体の重心を表す一点=丹田という場所を意識して行う腹式呼吸です。丹田は、おへその下7cmぐらいのところから、さらに体の内部に7cmほど向かった地点です。足を肩幅に開いて立ち、両手の指先を丹田に重ねるように置いて、その位置を意識します。次に、10秒~20秒ほどかけて息を口から細く長く吐き、吐ききったら鼻から息を吸いながらおなかをふくらませましょう。これを5回行います。丹田呼吸は、デスクワーク中も行うことができます。イスに浅く腰をかけ、両足を床にしっかりつけます。丹田に手を置いて意識し、背筋を伸ばして腹式呼吸をゆったりと繰り返しましょう。2 壁立ちエクササイズ壁や柱に、後頭部、背中、お尻、ふくらはぎ、かかとがぴったりとつくように立ちます。肩の力を抜いて両手を壁と腰の間に入れます。丹田を意識し、腹筋に力を入れて口から息を細く長く吐きながら、それに合わせて手を押しつぶすように背中を壁に押しつけて行きましょう。その姿勢で5秒~10秒キープ。骨盤を立てることを意識して、3回×3セット~5セット。腹筋の力を鍛える運動でもありますが、立って行うことで、骨盤のバランスを調整しています。3 けんこう骨ほぐし「緊張していると、けんこう骨の動きが鈍くなっています。肩こり、頭痛のもとですね。けんこう骨は常に動かすことを意識してください。そのことで、背中の中枢(ちゅうすう)神経を刺激し、自律神経に働きかけます」と勅使川原さん。鼻から息を吸いながら、両手を上にまっすぐに伸ばします。手のひらは前に、二の腕が耳のそばに来るように。次に、口から息を細く長く吐きながら、両ひじを胸の高さまで下ろします。猫背を矯正し、さらに骨盤調整への準備運動として大事な動きになります。胸を広げて、左右のけんこう骨をぐっと引き寄せましょう。腕を上下に動かすことを1セットとして5セット~10セット。4 骨盤回し両足を肩幅に開き、背筋を伸ばして立ちます。丹田に軽く力を入れます。胸を張って腰に両手をあて、体の軸を中心にして、ゆっくりと腰を回します。時計周り、反時計回りに各30回ずつ×3セット~5セット。テレビを見ながら行ってもいいですね。5 太もも伸ばしイスに浅く腰かけます。丹田を意識し、まずはまっすぐに座ります。次に、右足首を右手で持って、お尻に近づけます。このとき、呼吸を止めずに背中を伸ばしながら太ももが伸びていることを感じましょう。この状態を10秒~20秒キープ。左足も同様に行い、左右で3回ずつ。6 足首回しイスに浅く腰をかけたまま、足首をそらしてから、時計回り、反時計回りに5回ずつ回します。足首を柔軟に保つことは骨盤矯正に対する重要なアプローチです。また、足首のねんざなどの予防にもなります。いつでもどこでも、意識して行ってください。丹田に意識を置き、ゆっくりと呼吸をするだけで体が温まってきました。血流を促すことに即効性があるのですね。全6つのエクササイズで背中がしゃきっと伸びたように感じるのは、「骨盤がまっすぐに立ったからですよ」と勅使川原さん。心と体の健康キープにおススメしたい運動です。ぜひ、実践してください。監修:勅使川原郁恵氏。ショートトラック・スピードスケートの種目で‘98年長野五輪、2002年ソルトレークシティー五輪で入賞、さらに’06年トリノ五輪と、3度のオリンピック出場を果たす。現役を引退後、朝日新聞ウォーキンググランプリのプリンセスウォーカー、(社)日本ウオーキング協会のウォーキング親善大使などを経て、多くの企業のウォーキング・アドバイザーを務めながら、メディアや講演など多方面で活躍中。トップアスリートとしての実績、トレーニングのノウハウを生かし、「年代を問わない美と健康」を提唱する。著書の『ウォーキングでナチュラル美人ダイエット』(扶桑社 1365円)は、ウォーキングでけんこう骨や骨盤、精神面などへ働きかける方法とその効果をわかりやすく解説した好評の一冊。(品川緑/ユンブル)【関連リンク】【コラム】オフィスでもできるピラティスで緊張を解く方法【コラム】骨盤を正しい位置に戻すためには【コラム】気になるお腹周りの脂肪を落とす方法
2011年04月22日