南果歩が主演する舞台『日々の暮し方』が、10月18日(木)より東京・池袋のあうるすぽっとで上演される。演出は、パフォーマンスシアター「水と油」で世界的に注目され、現在はカンパニーデラシネラを主宰する小野寺修二。パントマイムを表現の主軸とする小野寺が、別役実の同名エッセイを素材に、南を主演女優に迎え、何を企むのか。開幕を目前に控えた小野寺と南に話を訊いた。原作は「正しい退屈の仕方」「正しい風邪のひき方」等のテーマ45編からなるエッセイ。エッセイの舞台化というものも珍しいが、さらにその内容は、日本の不条理演劇の第一人者である別役実らしい不条理さとブラックユーモアに満ちたものとなっている。この作品をピックアップした理由を小野寺は「パントマイムではピースを繋げる作業をやっています。それがエッセイというものに上手く合うんじゃないかなと思ったし、もともと別役さんには尊敬も含め興味を持っていました」とまずは語る。確かに、日常的動作から非日常へ踏み越える感覚は、パントマイムという表現方法が得意とするところ。ただし「自分が今までやってきた不条理さと、別役さんが仰る不条理がどれくらい違うのかということに恐怖があった」という本音も。しかしあえて「そこに改めてチャレンジしたいと思いました。実際やってみるとやはり、苦戦しています。バラバラ感が出ないように、大きな流れの中にエッセイ要素を入れていこうという作戦でやっていますが、手ごたえは…どうでしょうか。歯ごたえはあるんですけどね(笑)」。控えめに語る小野寺に対し、しかし南は「かなり不思議な感覚の作品になっています。今までに経験したことのない稽古場でした」と充実の表情。「小野寺さんの演出は、キャストが思いついたことを素直に口に出せるし、ひらめいたことをどんどん形にできる。そしてそれを捨てる潔さもある。でもそれは捨ててしまっても、積み重ねた時間は確実にこちらの身体に染み付いているんです。捨てたものがあってこそ、新しいものが作られていく。その積み重ね方が面白い」。身体だけで構築する舞台を作ってきた小野寺が、セリフを使うのは今回が初。だが“身体”を武器にしてきた彼だからこそ、“言葉”の重みも感じているようだ。「マイムだと、自分はこうと決めてやっても受け取る側の自由で100種の見え方がしてもいい。でも言葉の場合はドンと置いてしまうとそれ以外のイメージが伝わらなくなる。そこをずらしたいですね。“笑いながら怒る”とか。ですから南さんにも今回は、普通なら“お芝居をしてください”ってところを、“そこは変に感情を入れずにフラットに”とか随分言いました。言葉って、もっと違う在り方があるだろうなというのを今、探しているところなのですが、今回は“不条理”なので、その実験としては説明しやすいです」と小野寺。私たちの生活に切り離せない言葉と身体を改めて感じる、少し奇妙な演劇が味わえそうだ。公演は10月28日(日)まで。出演はほかに中山祐一朗、山田悠介、川合ロン、藤田桃子、矢沢誠、吉村和顕。チケットは発売中。
2012年10月18日スズキは6日、都内で新型「ワゴンR」「ワゴンRスティングレー」のお披露目および新テレビCM発表会を開催した。新CMに出演する俳優の渡辺謙さんがゲストとして登壇した。6日発売の新型「ワゴンR」、19日発売の新型「ワゴンRスティングレー」の概要は本誌既報の通り。新型「ワゴンR」では、独自の減速エネルギー回生技術「エネチャージ」をはじめ、先進的な技術を搭載したことで、28.8km/リットルの低燃費を実現したという。渡辺さんが出演する新CMでは、減速の力を利用して発電する「エネチャージ」などのハイスペックなエコテクノロジーが搭載されたことを、インパクトをもって伝える内容に。渡辺さんの手から力強く電力が放たれるシーンも注目だ。新CMの感想を聞かれた渡辺さんは、開口一番、「ビリビリしてましたね~(笑)」とコメント。撮影現場に置かれた「ワゴンR」にも試乗したとのことで、「僕は(身長が)183cmくらいあるんですけど、運転席に座っても全然違和感がない。後部座席も楽に座れるだけのスペースがあって、『これはいいな!』と。早速購入しました」と明かした。渡辺さんはスズキの車がすっかり気に入った様子で、「僕みたいな大きい男が、こういう小さい車に乗ってもおしゃれかなと思って。これでちょっと現場にも入ってみます」と語った。旧タイプの「ワゴンR」も運転したという。「嫁さん(女優の南果歩さん)と2人でドライブして、『後ろも広いから乗ってみな』と言ったら、嫁さんが後ろであぐらをかいていました(笑)」と夫婦のエピソードも披露しつつ、「ドライブしながら音楽を聴いたり、いろいろ考えたりするのは自分にとっていい時間だと思う」との発言も。プライベートでドライブ中に聴く音楽について聞かれると、「最近オヤジになってきたのか、1970~1980年代の(吉田)拓郎さんの (井上)陽水さんを聴くこともありますね」と答えた。ちなみに、渡辺さんは役者として撮影に臨むにあたり、毎回テーマソングを決めているという。間もなく北海道ロケが始まる映画『許されざる者』(クリント・イーストウッド監督作品のリメイク。2013年秋公開予定)については、「ハードなアクション映画なので、U2とかエリック・クラプトンのような男っぽい曲になるかも」と話していた。渡辺謙さんが出演する新型「ワゴンR」新CMは7日18時よりオンエア。なお、新型「ワゴンRスティングレー」については、冨永愛さん、山田優さん、道端ジェシカさんがイメージキャラクターに選ばれている。ヘッドランプに装備されたLEDイルミネーションの”目力”と、トップモデルの”目力”を重ね合わせての起用だという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月07日住むならやっぱり南向き!と思う人は少なくないでしょう。南向きは「洗濯物がすぐ乾く」「布団が干せる」「ひなたぼっこができる」などのメリットがたくさんありますから。けれども、他の向きと比べて家賃が高い場合が多いうえ、南向きを重視すると駅からの距離が遠くなるなど、ほかのことを我慢しなければならないこともあります。実は、南向き以外も、こんなにメリットがあります。部屋の向きとその特徴をご紹介します。■「東向き」に向く人、「西向き」に向く人朝早くから部屋が明るくなる東向き。朝型の人、早寝早起きの生活をしている人に向いています。休みの日でも、「午前中に家事を全部済ませて午後には外出する」というライフスタイルの人に適するでしょう。午後から日が差さないのですが、夏に部屋に熱気がこもりにくいメリットがあります。一方で、冬になると午後から部屋が暖まりにくく、やや寒さを感じやすいでしょう。このため、冬場の暖房費がかかる可能性があります。夏に弱く、冬に強い人にはよいでしょう。西向きの部屋には、午後からポカポカと日が差してきます。夜更かし型の人に向くでしょう。昼ごろに起きても日を浴びられるので、掃除、洗濯をゆっくりこなせますし、午後からでも布団を干せるのもメリットです。ただし、夏の西日はかなりきつく、室内の気温上昇はハンパない状態です。反面、冬は夜になっても室内が暖かく、暖房費は他の向きと比べて少なくて済みます。ところで、地域によって日の出、日の入り時間が異なります。例えば、夏の札幌では、最も早ければ4時前に太陽が昇ります。が、同時期の東京の日の出は4時半ごろ、福岡では5時過ぎです。冬のもっとも遅い日の入り時間は、札幌で16時ごろ、東京では16時半ごろ、福岡では17時過ぎです。さらに、部屋の前に建物があれば、その高さや形状で日照時間が遮られるので、太陽光を気にしている人は、こういった点も考えて部屋選びをしたいものです。なお、あまりにも「朝、まぶしすぎてつらい」、あるいは「夏の西日にへきえきしてしまう」といった場合は、窓に遮光カーテンを用いる方法をオススメします。■北に窓がある日が差さない北向きは、賃料の安いのがメリット。向くタイプは、外出の多い人です。平日も休日も外でアクティブに過ごす人であれば、太陽を必要とする時間はないので、適しているでしょう。また、乾燥機を使った生活をしていれば、洗濯物を干す、ということも必要ありません。一方で、北向きは湿気がたまりやすいので、こまめに窓やドアを開けて風通しをよくするようにしたいものです。なお、北向きには、前の景色が綺麗に見える、という意外なメリットがあります。部屋の前に緑あふれる公園があれば、他の向き以上に太陽光を浴びた美しい景色を楽しむことができます。また、北側斜線制限という法が適用された住宅であれば、北側(部屋の前)に広いルーフバルコニーのあるタイプもあります。この場合、部屋に日は差しませんが、周辺に高層建築物がなければバルコニーに太陽が降り注ぐので、洗濯物や布団を干すことができます。■東西向き東と西の両方に窓がある、振り分けタイプの部屋があります。南向きのように一日中、日が差す部屋はありませんが、逆にいえば、どの部屋にも何時間かは必ず日が差します。向いているのは、一日中、室内にいることが多い人。専業主婦や家で仕事をしている人でしょう。太陽が東にあるときは、早朝にした洗濯を東向きのバルコニーで干す、昼ごろに洗った大型のシーツは、西向きのバルコニーで干す、という太陽を全面に取り入れた暮らしができます。いかがでしょうか。自分のライフスタイルを見つめると、必ずしも「南向き」にこだわる必要はないかもしれません。他の向きにも視野を広げて探してみると、意外に快適な住まいが見つかるかもしれませんよ。(不動産・住生活ライター 高田七穂)【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月01日住むならやっぱり南向き!と思う人は少なくないでしょう。南向きは「洗濯物がすぐ乾く」「布団が干せる」「ひなたぼっこができる」などのメリットがたくさんありますから。けれども、他の向きと比べて家賃が高い場合が多いうえ、南向きを重視すると駅からの距離が遠くなるなど、ほかのことを我慢しなければならないこともあります。実は、南向き以外も、こんなにメリットがあります。部屋の向きとその特徴をご紹介します。■「東向き」に向く人、「西向き」に向く人朝早くから部屋が明るくなる東向き。朝型の人、早寝早起きの生活をしている人に向いています。休みの日でも、「午前中に家事を全部済ませて午後には外出する」というライフスタイルの人に適するでしょう。午後から日が差さないのですが、夏に部屋に熱気がこもりにくいメリットがあります。一方で、冬になると午後から部屋が暖まりにくく、やや寒さを感じやすいでしょう。このため、冬場の暖房費がかかる可能性があります。西向きの部屋には、午後からポカポカと日が差してきます。夜更かし型の人に向くでしょう。昼ごろに起きても日を浴びられるので、掃除、洗濯をゆっくりこなせますし、午後からでも布団を干せるのもメリットです。ただし、夏の西日はかなりきつく、室内の気温上昇はハンパない状態です。反面、冬は夜になっても室内が暖かく、暖房費は他の向きと比べて少なくて済みます。ところで、地域によって日の出、日の入り時間が異なります。例えば、夏の札幌では、最も早ければ4時前に太陽が昇ります。が、同時期の東京の日の出は4時半ごろ、福岡では5時過ぎです。冬のもっとも遅い日の入り時間は、札幌で16時ごろ、東京では16時半ごろ、福岡では17時過ぎです。さらに、部屋の前に建物があれば、その高さや形状で日照時間が遮られるので、太陽光を気にしている人は、こういった点も考えて部屋選びをしたいものです。なお、あまりにも「朝、まぶしすぎてつらい」、あるいは「夏の西日にへきえきしてしまう」といった場合は、窓に遮光カーテンを用いる方法をオススメします。■北に窓がある日が差さない北向きは、賃料の安いのがメリット。向くタイプは、外出の多い人です。平日も休日も外でアクティブに過ごす人であれば、太陽を必要とする時間はないので、適しているでしょう。また、乾燥機を使った生活をしていれば、洗濯物を干す、ということも必要ありません。一方で、北向きは湿気がたまりやすいので、こまめに窓やドアを開けて風通しをよくするようにしたいものです。なお、北向きには、前の景色が綺麗に見える、という意外なメリットがあります。部屋の前に緑あふれる公園があれば、他の向き以上に太陽光を浴びた美しい景色を楽しむことができます。また、北側斜線制限という法が適用された住宅であれば、北側(部屋の前)に広いルーフバルコニーのあるタイプもあります。この場合、部屋に日は差しませんが、周辺に高層建築物がなければバルコニーに太陽が降り注ぐので、洗濯物や布団を干すことができます。■東西向き東と西の両方に窓がある、振り分けタイプの部屋があります。南向きのように一日中、日が差す部屋はありませんが、逆にいえば、どの部屋にも何時間かは必ず日が差します。向いているのは、一日中、室内にいることが多い人。専業主婦や家で仕事をしている人でしょう。太陽が東にあるときは、早朝にした洗濯を東向きのバルコニーで干す、昼ごろに洗った大型のシーツは、西向きのバルコニーで干す、という太陽を全面に取り入れた暮らしができます。いかがでしょうか。自分のライフスタイルを見つめると、必ずしも「南向き」にこだわる必要はないかもしれません。他の向きにも視野を広げて探してみると、意外に快適な住まいが見つかるかもしれませんよ。(不動産・住生活ライター 高田七穂)
2012年09月01日NHKの連続テレビ小説「梅ちゃん先生」の撮影が8月24日(金)にクランクアップを迎え、主演の堀北真希と松坂桃李が最後の撮影に臨み、その後、報道陣の取材に応じた。終戦直後の東京・蒲田を舞台に、女医の梅子を中心とした下町の人々の人情あふれる人間模様を描いた本作。昨年6月に堀北さんの主演が発表され、11月に撮影が開始し、撮影は10か月におよんだ。ラストは庭で梅子と夫の信郎が梅の木を見つめるシーンが撮影され、無事撮影が終了した。堀北さんと松坂さんは衣裳のまま登場し、2人で用意されたくす玉を割りクランクアップをお祝い。既に前日までに撮影を終えていた片岡鶴太郎、高橋克実、南果歩、鶴見辰吾らも2人のために駆けつけ、花束を手渡した。撮影を終えたばかりで堀北さんは「本当に終わったのかな?という感じ」とまだ実感がわかない様子。「長かったような短かったような10か月でした。戦後の蒲田で梅子として生きることができて充実していました」と笑顔で語り「スタッフ、キャストのみなさんが支えてくださってこの日を迎えられました。ひとりの力ではここまで来られなかったです」と感謝の思いを口にした。松坂さんは「(登場当初の)ボロボロの汚い格好から始まって気づいたら社長になってました(笑)。信郎に体を貸してもう一つの人生を歩んだような気持ちです」と感慨深げに語った。改めてこの「梅ちゃん先生」が自分の中でどんな作品になったかを尋ねられると、堀北さんは「いままでにない緊張やプレッシャーを感じながら取り組んできました。期間も長く、どうなるか先が見えないまま目の前のことに必死に取り組む10か月で不安は常にありましたが、貴重な経験でした」と充実した表情。印象深い出来事として2人が揃って挙げたのは、2人の結婚とこれから梅子が迎える出産のシーン。「どちらも私自身、経験したことがないことなので演じてみて印象的でした」と堀北さんが言えば、松坂さんも「いままでやったことがない役で嬉しかったです。『俺の子だ!やったぞ』という気持ちでした(笑)」としみじみと喜びを語った。共に人見知りだという2人は共演シーンの増えた6月頃から積極的に言葉を交わすようになったそう。「最初は会話が続かなかったけど(笑)、いまは楽しい良い関係で、夫婦で撮影を乗り切れました」(堀北さん)、「最初はクールな感じがしたけど、すごくピュアなんです」(松坂さん)と仲睦まじい様子で微笑み合っていた。「梅ちゃん先生」は9月29日(土)まで放送。
2012年08月24日リゾート感あふれるお台場で南フランスのプロヴァンスを体感しよう。ホテル日航東京では、2012年7月20日(金)から7月22日(日)までの期間、南フランスのプロヴァンス体験ができるプランを開催。●3日間限定でレストラン・スパ・宿泊で満喫する南フランスのプロヴァンス体験夏のプロヴァンスを連想させるひまわりが施されたレインボータワービュールームに宿泊できるこのプラン。本場フランス・マルセイユより招いたリヨネル・レヴィシェフにより、ブイヤベースなどの本格地中海料理とプロヴァンスワインを愉しむディナーコースのほか、スパではラベンダーをベースにした贅沢なトリートメントで、まるで南フランスのプロヴァンス地方にいるかのようなひとときを過ごすことができる。あわせて、コンチネンタルレストラン「テラス オン・ザ・ベイ」と「SPA然 TOKYO」では8月31日(金)まで、それぞれプロヴァンスにちなんだプランを展開しているので、宿泊のタイミングを逃した人はこちらを体験してみては。お問い合わせ: ホテル日航東京公式サイト
2012年06月24日南青山で人気のロールケーキを全国にお届け!良質素材にこだわったスフレ生地のロールケーキ、ヨックモックの「 南青山ロール 」が、オンラインショップでの販売を開始した。新発売キャンペーンとして6/15のAM10:00注文分までクール便代無料という特典も。何十回も試作を繰り返して作り上げられたという、くるくると「の」の字に巻き上げられたスフレタイプの生地と、たっぷりの生クリームがとにかく美味。青山本店と東京駅一番街店での限定として人気を博したロールケーキの全国進出、ぜひ召し上がってみて。お問い合わせ: ヨックモックオンラインショップ
2012年05月31日映画『わが母の記』が4月28日(土)に公開を迎え、役所広司を始め樹木希林、宮崎あおい、南果歩、ミムラ、菊池亜希子、原田眞人監督が舞台挨拶に登壇。春の紫綬褒章の受章が発表された役所さんに女性キャストから花束が贈られた。井上靖の自伝的小説を映画化した本作。母に捨てられたという複雑な思いを抱える作家が認知症の母を呼び寄せて共に暮らし始めるが、家族をはじめとする周囲の支えの中で改めて母と向き合い、その思いを受け止めていく姿を描く。役所さんは「登場を待っている間に何を話そうかと考えていたんですが、“わが母”希林さんがずっと話してて考えられなかった」と苦笑い。原田監督とは監督と主演という関係で『KAMIKAZE TAXI』(’95)、『突入せよ! あさま山荘事件』(’02)といった作品を作ってきたが「若い頃に出会い、この監督とずっと一緒に仕事をしていきたいと思った。僕も監督も年を取って、また新しい映画ができたと思います」と感慨深げに語った。樹木さんは役所さんと親子を演じたことについて「私には息子がいないのでわかりませんが、もしこんな息子がいたらどんどん働かせようと思います」とユーモアたっぷりに語り、笑いを誘う。だが、そんな樹木さんから女優陣は多くのものを得たよう。宮崎さんは「どんどん体が小さくなっていく様子や、日によって大きさが変わったりするのを間近で見られて貴重な経験をさせていただきました。贅沢なお時間をいただき、緊張しましたが楽しかったです」と笑顔で撮影をふり返る。南さんも樹木さんの演技を傍で見て心酔したようで「一生ついていこうと思った」と語ったが、樹木さんは「私じゃなくて渡辺謙さんに一生ついていってください!」と切り返し、再び会場は笑いに包まれた。この日は一家の久々の再会となったが、“長女”ミムラさんは「久しぶりに会ってこの家族の一員になれて本当に良かったなと思います」としみじみ。菊池さんはこの日の上映にお母さんが来場しているそうで「母は少しだけ希林さんに似てるんです」とニッコリ。「私がこの仕事をやると言ったとき、頷いてはくれなかったんですが、この映画に出たことで理解してもらえたら、少しでも親孝行できたらと思います」と思いを明かした。役所さんには女優陣ひとりひとりから花束が手渡されたが「仕事をしてきたスタッフ、キャストのみなさん、そして『わが母の記』のみなさんのおかげ」と周囲への感謝の思いを口にした。『わが母の記』は全国にて公開中。■関連作品:わが母の記 2012年4月28日より全国にて公開© 2012「わが母の記」製作委員会■関連記事:『わが母の記』宮﨑あおい「家のいろいろな所から声が聞こえる感じがいい」シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第26回)あなたの“理想の母親”女優は誰?樹木希林、認知症の役は「やりたがる役者がいないので私に回ってくる(笑)」理想の“尽くす男”たちを発表!水嶋ヒロ、役所広司ら“侍”型の俳優たちが上位に役所広司、宮崎あおいからの「色気がある」という言葉に大テレ
2012年04月30日2008年、日韓合同公演『焼肉ドラゴン』の作・演出を手がけ、その年の名だたる演劇賞を総なめにした鄭義信。新国立劇場の財産演目として昨年も再演された『焼肉ドラゴン』に続き、鄭義信が再び演出も兼ね、同劇場に新作を書き下ろす。新作のタイトルは『パーマ屋スミレ』。3月5日(月)の初日に向けて奮闘する稽古場を、2月某日、訪ねた。作品は1965年、九州の炭鉱町で暮らす在日コリアンの炭鉱労働者とその家族の物語。ある日、炭鉱事故に巻き込まれ、訴訟を抱え必死に戦いながらも、石油へのエネルギー転換でやがて彼らが置き去りにされる日本の陰の歴史を描く。有明海を望む“アリラン峠”の集落のはずれにある「高山厚生理容所」には、元美容師の高山須美(南果歩)と再婚した張本成勲(松重豊)とその家族が住んでいる。貧しいながらも、須美は明るく騒がしく姉・初美(根岸季衣)や妹・春美(星野園美)らと力を合わせて暮らしていたが、炭鉱の爆発事故で成勲や春美の夫・大杉昌平(森下能幸)が一酸化炭素中毒患者になってしまう。彼女たちは生活を守るため、そして生き抜くために壮絶な戦いを始めて……。この日の稽古は第6場、物語がシリアスな方向に大きく展開する場面だ。餅をつき、須美と初美がリズミカルに丸めて振る舞うというシーンから始まり、本物のつきたての餅もスタッフから用意された。南と根岸が丁々発止のセリフのやりとりをしながらも、口の中にちぎった餅をポンポンと入れていく胸がすくような食べっぷりにそこかしこで笑いが起きる。台本自体が面白いため、演出をつけずに通しただけでも楽しく観られるのだが、ここからが“世界では2番目、アジアでは1番しつこい演出家”を自称する鄭義信の本領発揮。前述のシーンだけでも、餅をつく速度、炭鉱労働者・木下役の朴勝哲が餅をつく長さ、南が話す説明ゼリフの視線の置きどころや、根岸らしいアドリブのセリフの効果的な入れどころ、人の突き飛ばし方や突き飛ばす長さ、足の悪い成勲役の松重への歩き方指導と、細かい指摘は枚挙にいとまがない。自然な芝居の流れと間、そしてリアルな描写に徹底的にこだわり、俳優の無意識の動作をすべて生活に結びついた動作に変え、セリフと動作をしっかりと意味づける。そうした小さな指摘をひとつひとつ直すごとに、“アリラン峠”に暮らす人々の生活がビックリするほどの鮮やかさでより具体的に立ち上ってくるから不思議だ。大変なのはキャスト陣。つきたての餅という消えモノや多くの小道具を操るだけでもてんてこまいなのに、そこに鄭義信の微に入り細を穿つ演出が加わり、さらに芝居が変わる。第6場ほぼ出ずっぱりの南と根岸は、多くなるきっかけに少々頭を混乱させながらも必死に演出に食らいつく。そんな南にスタッフが、もう一度本物の餅を用意したほうがいいかと尋ねると「食べられるものは全部食べます!」とニッコリ。キャストのガッツと、スタッフ、鄭義信への全幅の信頼感がうかがえる瞬間だった。同作品は新国立劇場 小劇場にて、3月5日(月)から25日(日)まで上演。チケットは発売中。
2012年02月23日映画『ALWAYS 三丁目の夕日 ’64』が1月21日(土)に公開を迎え、吉岡秀隆、堤真一、薬師丸ひろ子、堀北真希、森山未來、三浦友和、須賀健太、山崎貴監督が舞台挨拶に登壇。また、1月5日に第一子となる男児を出産した小雪からは手紙が届けられた。西岸良平のロングセラーコミックを映画化したシリーズの第3弾。東京オリンピックの年を迎え活気づく日本、そして変わらぬ温かさを持ち続ける三丁目の人々の暮らしを描き出す。吉岡さんは本作への特別な思いを「客観視して、お客さんと一緒に観られる映画。『バカだな』と思いながら自分を見ることができるのは初めて」と語る。堤さんも本作を「自分にとってホームグラウンドのようなもの」と感慨深げに語る。2人は初めて完成した本作を観た日、山崎監督と3人で飲みに行ったそうだが、堤さんは「あまりに幸せすぎて飲み過ぎました」と告白。吉岡さんが「堤さんは13万円も使っちゃったんですよ!」と暴露すると、会場は驚きに包まれた。堤さんは「ボラれましたよね…幸せじゃねーじゃん!」と苦笑を浮かべていた。劇中で吉岡さんとの間に第一子を授かる小雪さんは、手紙の中で舞台挨拶を欠席することを詫びると共に「我が家にも新たな家族が加わり、忙しくも楽しい毎日を送っています」と報告。文面から伝わる幸せムードに登壇陣からも笑みがこぼれた。シリーズを通して出演している三浦さんは「僕は(映画で描かれる)昭和30年代を体験している人間」と胸を張るものの、ほかの出演者と比べて出演シーンが短いことが不満のようで「毎回、もうちょっと出たかったって思うんです」と2度にわたって語り、会場の笑いを誘っていた。須賀さんはシリーズを通じて「身長が40センチも伸びました」と報告。「『大きくなったんだな』と自分でも思います。僕は昭和を体験していないので、(本シリーズは)タイムマシンのようなもの」と思いを明かしてくれた。堀北さんも本シリーズと共に成長してきたことを感じているようで「(演じた)六ちゃんは青森から上京しますが、私も15歳で家を離れて仕事を始めたので重なる部分が多く、大切に演じました。今回ばかりはお嫁に行くということで経験したことのないことでしたが、みなさんと過ごした時間を大切に演じました」と“巣立ち”に込めた思いを語った。その堀北さんのお相手となる医師役で本作からシリーズに参加した森山さんは「パッと出てきてパッと六ちゃんと結婚するということで幸せです」とニンマリ。会場は笑いに包まれた。本作を撮影中には東日本大震災が発生。山崎監督は「『(撮影を)続けるべきなのか?』と悩みましたが、みなさんにこうして届けることができて感無量です」と語り、客席からは拍手がわき起こった。『ALWAYS三丁目の夕日‘64』は全国東宝系にて公開中。■関連作品:ALWAYS三丁目の夕日‘64 2012年1月21日より全国東宝系にて公開© 2012 「ALWAYS三丁目の夕日‘64」製作委員会■関連記事:吉岡秀隆「なでしこもいいけど、魔女も最高」本物の金メダルに大興奮!東京タワー上空に「333」東京五輪開幕式再現に吉岡秀隆、堀北真希ら感動!小出恵介「僕を恨まないで」“朝ドラ”ヒロイン堀北真希に平謝り妊娠9か月の小雪、深紅のドレスで登場!母になる実感「ひしひしと感じる」NHK来年の朝ドラの堀北真希の共演陣に南果歩、ミムラ、小出恵介、松坂桃李ら
2012年01月23日俳優の吉岡秀隆が1月17日(火)、都内で開催された『ALWAYS三丁目の夕日‘64』のプレミア試写会に、共演する薬師丸ひろ子、三浦友和、須賀健太、山崎貴監督とともに出席した。東京オリンピックが開催された1964年(昭和39年)を舞台にした、待望のシリーズ最新作。この日は同大会の女子バレーボールで優勝し“東洋の魔女”の異名をとった磯部サダさん(現姓・丸山)、篠崎洋子さん(現姓・田村)、佐々木節子さん、藤本佑子さん(現姓・内田)が登場し、吉岡さんらに本物の金メダルをお披露目。「なでしこ(ジャパン)もいいけど、魔女も最高ですね」(吉岡さん)と大興奮だった。映画の中には三丁目の面々がテレビを囲んで、魔女たちの熱戦を応援するシーンも。64年当時、中学1年生だったという三浦さんは「去年のなでしこもすごかったが、あのときの感動は10倍、いや20倍はあったんじゃないでしょうか。まさに“国をあげての応援”という言葉がぴったりだった」としみじみ。穏やかな表情を浮かべる魔女たちに「最強チームで怖いというイメージもあったが、こうしてお会いするとみなさん、優しいお母さん方ですね」としみじみ語っていた。また、薬師丸さんと山崎監督は奇しくも同じ64年生まれで「みなさんいい笑顔で、素敵な方々ですね。それにみなさんの身長で世界と戦ったのは、本当に誇るべきこと」(薬師丸さん)、「当時、僕はまだ“バブ~”って感じでしたが、大きくなってから、両親に何度もみなさんの話を聞かされたもの。今日はこうしてお会いできたので、早速自慢したい」(山崎監督)とこちらも感激を隠せない様子。須賀さんは中学時代にバレーボール部員だったそうで、栄光の名選手たちと対面し、少し緊張していた。日本中が東京オリンピックに沸き立つ中、変わらぬ暮らしを続ける夕日三丁目の人々の悲喜こもごもを軸に、三丁目で成長した六子(堀北真希)や淳之介(須賀さん)の巣立ちがシリーズ初となる3Dで描かれる。会場には、60歳以上のシニア層が約250人招待され「日本が一番元気だった64年を描いたこの映画が、復興元年の2012年に公開されるのは運命だと思う。僕らは“親孝行映画”と呼んでいるので、今日はみなさんに観ていただけて本当に嬉しい」(吉岡さん)、「私の父は宮城県石巻市の出身。昨年の震災はニュースの出来事ではなく、まさに家族に起こったことでした。この作品を通して、誰かの役に立つことが日々の喜びだとつくづく思います」(薬師丸さん)と思いを込めてアピールしていた。『ALWAYS三丁目の夕日‘64』は1月21日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ALWAYS三丁目の夕日‘64 2012年1月21日より全国東宝系にて公開© 2012 「ALWAYS三丁目の夕日‘64」製作委員会■関連記事:東京タワー上空に「333」東京五輪開幕式再現に吉岡秀隆、堀北真希ら感動!小出恵介「僕を恨まないで」“朝ドラ”ヒロイン堀北真希に平謝り妊娠9か月の小雪、深紅のドレスで登場!母になる実感「ひしひしと感じる」NHK来年の朝ドラの堀北真希の共演陣に南果歩、ミムラ、小出恵介、松坂桃李ら
2012年01月17日映画『ALWAYS三丁目の夕日‘64』の劇中にも登場する、1964年の東京オリンピックの開会式で行われた飛行機雲で模様を描く“スカイ・ライティング”を再現したイベントが1月12日(木)に開催され、主演の吉岡秀隆を始め、堀北真希、薬師丸ひろ子、須賀健太、山崎貴監督が出席。3機のプロペラ機が東京タワーの後ろに広がる青空に「333」の文字を描いた。人気シリーズの第3弾で、東京オリンピックに沸きつつも、変わらぬ暮らしを続ける夕日三丁目の人々の悲喜こもごも、三丁目で成長した六子(堀北さん)や淳之介(須賀さん)の巣立ちが描かれる。’64年の東京五輪の開会式では、航空自衛隊のチーム「ブルーインパルス」が華麗なアクロバティック飛行を披露し、飛行機雲で空に五輪のマークを鮮やかに描き出したが、劇中ではCGでこの様子を再現している。今回、公開を前にスカイ・スポーツ活動を行なっている「チームディープブルース」の3人のパイロットが参加し、「三丁目」、「シリーズ3作目」、「3D」にちなんで東京タワーを背景に「333」の文字を描くことにチャレンジした。この日は午前中から空は厚い雲に覆われていたが、イベントが始まる頃には青空に。これには山崎監督らも「さすが“持っている”作品です」と笑顔を見せた。茨城県の基地から飛び立った3機の飛行機はまず、東京タワー上空でデモンストレーションとして上空に飛行機雲で花を咲かせる“空中開花”を披露。続いて上空2,000メートルの高さに大きな「333」の文字を浮かび上がらせた。寒空の下でのイベントということで、震えながら「早く来てほしい」と語っていた登壇陣も見事に描き出された「333」の文字に大興奮!吉岡さんは「僕らのためにやってくれているというのが本当に嬉しい。胸がいっぱいになりました」と感動しきり。堀北さんは「(飛行機が)近づいてくる感じがワクワクしますね」と満面の笑みを浮かべた。東京五輪の年に生まれ、競技場の近くに家があったという薬師丸さんは「両親はTVに釘づけで空を見るのを忘れていたそうです。こういう形で見られて嬉しい」とニッコリ。須賀さんは「オリンピックのときもこういう感覚だったのかな」としみじみと喜びを語った。劇中でブルーインパルスを再現した山崎監督も「本物はすごい!CGで作ったけど、これは勝てないなぁ」と感動をあらわにしていた。さらにイベントの最後には三丁目の“夕日”を再現すべく、オレンジ色の風船約2,000個が空へ。吉岡さんは間もなく公開となる本作を「この3作目を作るために1作目と続編があったと思えるくらいです」と自信をうかがわせる。堀北さんは「1作目のとき、私は16歳で私もちょっとずつ大人になりながら六ちゃんを演じてきました」と寂しさものぞかせた。『ALWAYS三丁目の夕日‘64』は1月21日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ALWAYS三丁目の夕日‘64 2012年1月21日より全国東宝系にて公開© 2012 「ALWAYS三丁目の夕日‘64」製作委員会■関連記事:小出恵介「僕を恨まないで」“朝ドラ”ヒロイン堀北真希に平謝り妊娠9か月の小雪、深紅のドレスで登場!母になる実感「ひしひしと感じる」NHK来年の朝ドラの堀北真希の共演陣に南果歩、ミムラ、小出恵介、松坂桃李ら
2012年01月12日2012年前期の連続テレビ小説「梅ちゃん先生」のスタジオ取材会が12月20日(火)、東京・渋谷のNHK放送センターで行われ、“朝ドラ”ヒロイン・梅子を演じる女優の堀北真希を始め、共演する高橋克実、南果歩、ミムラ、小出恵介、鶴見辰吾、倍賞美津子が出席した。連続テレビ小説の第86作目にあたる「梅ちゃん先生」。戦後復興期の東京・蒲田で、命と向き合う女性医師“梅ちゃん先生”の奮闘を描くオリジナル作品だ。優秀な姉・松子(ミムラさん)と兄・竹夫(小出さん)の下で「しょせん私は松竹梅の“梅”よ」とコンプレックスを抱える梅子が、やがて自信に目覚め、地域医療に生きようと決意する“前向きさ”が物語のテーマになっている。「梅ちゃんはみなさんが思っている以上にドジなので、激動の時代の中でちょっと取り残されちゃうんです。そんな梅ちゃんがどういう風に人生を歩むのか、ぜひ見てほしいですね」と堀北さん。一方、ミムラさんは「おっちょこちょいで失敗することもあるから、私たちもつい『もう、梅ちゃんたら』って。それでも自分を見放さず淡々と前を歩き続ける。その健気さに胸キュンしちゃう」と優しい眼差し。小出さんは「僕ら姉兄は、梅ちゃんのことをまるで相手にしないときもあって、まあひどい仕打ちなんですよ(笑)。それなのに、よく素直に育ったなって思います。心を込めてやっている(演じている)ことなので、僕のこと恨まないで」と梅ちゃん=堀北さんに平謝りだ。そんな3兄弟を育てるのが、高橋さん演じる梅子の父・建造と、南さん演じる梅子の母・芳子。「見どころは梅ちゃんの頑張り。そして堀北さんの頑張りですね。本当に粘り強い」(高橋さん)、「家族の中では忘れられがちな位置にいますが、芯の強さをメキメキ発揮する。ちょうど梅の木が育っていくようで、みなさんにも梅の花が咲くところを見てほしい」(南さん)と役柄そのままに、目を細めていた。鶴見さんは建造の弟で梅子の叔父にあたる立花陽造、倍賞さんは梅子の祖母・正枝を演じている。「梅ちゃんには真実を見抜く力がある」(鶴見さん)、「15分という放送時間の中で、少しずつ成長していく。素敵じゃないですか」(倍賞さん)とこちらも梅ちゃんにゾッコンの様子だ。そんな温かな家族に囲まれ、堀北さんも「ベタベタしているわけではなく、でもしっかり心の拠りどころになっている。家族がかけがえのない存在だと改めて感じていただければ」とアピールしていた。NHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」は2012年4月2日(月)より全156回(予定)にて放送される。■関連作品:ALWAYS三丁目の夕日‘64 2012年1月21日より全国東宝系にて公開© 2012 「ALWAYS三丁目の夕日‘64」製作委員会■関連記事:妊娠9か月の小雪、深紅のドレスで登場!母になる実感「ひしひしと感じる」NHK来年の朝ドラの堀北真希の共演陣に南果歩、ミムラ、小出恵介、松坂桃李ら
2011年12月20日人気シリーズの5年ぶりの新作にして完結編となる『ALWAYS三丁目の夕日‘64』の完成披露試写会が12月8日(木)、都内で開催され吉岡秀隆、堤真一、小雪、堀北真希、もたいまさこ、薬師丸ひろ子、須賀健太、小清水一揮、山崎貴監督が舞台挨拶に登壇。現在妊娠9か月で来月出産予定の小雪さんにとっては、これが出産前に公の場に登場する最後の機会となったが、元気な様子を見せた。西岸良平の人気漫画を原作に、2005年に公開されてロングランヒットを記録した『ALWAYS三丁目の夕日』、その2年後に公開され前作を上回るヒットとなった『ALWAYS続・三丁目の夕日』に続く第3弾。東京オリンピック開催の昭和39年を舞台に、高度成長の真っ只中でも以前と変わらず人情味あふれる夕日三丁目の人々の喜怒哀楽を情感たっぷりに描き出す。小雪さんは夫役の吉岡さんに手を引かれて深紅のドレスで登場。腰痛のせいか壁に手をつきながらゆっくりと歩く姿が見られたが、客席の歓声に笑顔で応えるなど元気な様子を見せた。劇中では出産を体験しており「疑似体験でいい経験をさせてもらいました」とニッコリ。「自分以外のものを守ろうとする気持ちが自然に芽生えてきました。神様が決めた10か月という月日は、母になるための準備の時間なんだな思います。(撮影中に)想像でしかなかったのが、いまはリアルにひしひしと感じています」と改めて母親になる心境を明かした。予定日は映画の公開初日から2日しか離れていないこともあり、監督が「1月21日(土)に産んでほしい」と語ると「(客席の)拍手の音に反応しています」とお腹に手をやり微笑んだ。一方、「鈴木オート」ではついに今回、堀北さん演じる六子がお嫁に行くことに…。堤さんは「(第1作の)8年前から見てるわけで、その中での思いがあって…脚本読んだ時点でダメでした(苦笑)。現場では僕だけでなく、スタッフのおじさんたちも同じ気持ちだったと思う。(結婚シーンで六子の)隣にいる男を見るだけでフツフツと怒りがわいてきて、演技している気がしなかった」と“父”の思いを吐露した。堤さんの妻を演じた薬師丸さんも、娘同然の六子の結婚に「『えー?もういっちゃうの?』という感じで喜ぶというよりも悲しみをこらえて送り出す感じでした」と寂しそうに明かした。堀北さんは「次のステップに進むときに希望を持って行かなくちゃいけないけど、いままでの場所に置いていかなくちゃいけないものがたくさんありました。みなさんの目が『いっちゃうの?』という感じで(笑)、たくさんのお父さんたちに『いままでありがとうございました」と言う気持ちでした」とふり返った。本作ではビッグイベントとして東京オリンピックが描かれるが、もたいさんは「出演者の中で実体験で経験したのはおそらく私と三浦(友和)さんだけ。私は代々木でブルーインパルス(※五輪でアクロバティック飛行を披露した航空チーム)を見まして、本当に見事で感動しました。映画でもう一度みなさんに見てもらえるのは嬉しい」としみじみと語った。また、この日は前作に続き主題歌「グッドラック」を担当した「BUMP OF CHICKEN」の姿も見られた。『ALWAYS三丁目の夕日‘64』は2012年1月21日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ALWAYS三丁目の夕日‘64 2012年1月21日より全国東宝系にて公開© 2012 「ALWAYS三丁目の夕日‘64」製作委員会■関連記事:NHK来年の朝ドラの堀北真希の共演陣に南果歩、ミムラ、小出恵介、松坂桃李ら
2011年12月08日7年の旅を経て2010年に奇跡の帰還を果たした小惑星探査機「はやぶさ」に携わった人々のドラマを描いた映画『はやぶさ遥かなる帰還』が来年2月に公開となる。これに先駆けて11月22日(火)、「はやぶさ」プロジェクトに携わった“チームはやぶさ”の関係者が再集結。映画に主演し“映画プロジェクトマネージャー”を務める渡辺謙も駆けつけ、集まったおよそ200名の関係者の功績を称えると共に感謝の思いを伝えた。およそ60億キロの旅路を経て2010年6月に帰還した「はやぶさ」。映画はJAXAのプロジェクトマネージャーとしてチームを引っ張った川口淳一郎氏をモデルにした主人公で、渡辺さん演じる山口を中心にメンバーたちの奮闘が描かれるが、実際に100を超える企業や研究機関がプロジェクトに携わってきた。渡辺さんは、この日のために1,200万円を投じて用意された等身大の「はやぶさ」をバックに、集まった200人近くの関係者の方をふり返り「日本が迷走を続ける中で、こんなに素晴らしい人々が日本を支え、推進してくださっているんだということを伝えたい」と力説。映画ではなく実際のプロジェクトに携わった面々が“再集結”するという今回のイベントについては「(映画製作)当初のリサーチをしていた段階から考えていました。“はやぶさ”そのものももちろんすごいですが、それを支えた研究者、技術者の力がなければ(プロジェクトの成功は)あり得なかった」と改めてその偉業を称えた。渡辺さんの横に並んだ川口教授は「(メンバーと)再会できて嬉しいです。(映画が)本当にできるとは思ってませんでした。閉塞感に包まれている日本に自信と希望を与えられれば」と映画に期待を寄せる。この日、完成前の映像を鑑賞し「ショックだったことがあって、15分ほどの間に2回も(渡辺さんが)かりんとうを食べていました。確かに私はかりんとうが大好きなんですが(笑)」と語り、笑いを誘った。奇しくもこの日、宇宙飛行士の古川聡さんが日本人最長となる167日間もの国際宇宙ステーション滞在を終えて、無事に地球に帰還を果たした。当初は11月中旬の帰還予定がずれてこの日となったこともあって、渡辺さんは「運命的なものを感じます。無事ご帰還されて良かったです」とニッコリ。「この映画を通して新しい航海を始めるような気持ちです」と今後に向けた意気込みを明かした。映画は編集作業が終わり、これからCGの製作や音入れなどの作業に入る。「はやぶさは、7年間の航海の中で様々な困難に遭遇しましたが、手が届かない状態で苦労の末に帰還しました。いま、様々な困難を前に足がすくんでしまうという方も多いでしょうが、あきらめずに前に進めば必ず何かが待っていると思う」と映画が伝えるメッセージを訴えた。完成から公開までの間に各地で試写会も開かれるが「大船渡などの被災地の方々にまず観てもらいたい」と被災地での上映を約束した。ちなみに本日は“いい夫婦の日”。妻で女優の南果歩からは本作に関して「『また楽しそうなことやってるね』と言われました」と渡辺さん。「2人とも仕事を持っているので、お互いが、互いらしく輝けるようにサポートできれば」と照れくさそうに夫婦のあり方を語った。『はやぶさ遥かなる帰還』は2012年2月11日(土・祝)より全国にて公開。■関連作品:はやぶさ遥かなる帰還 2012年2月11日より全国にて公開© 2012「はやぶさ」製作委員会■関連記事:渡辺謙主演『はやぶさ遥かなる帰還』の最新TVスポット映像が到着!女性の圧倒的支持を集め“ぶちょお”藤木直人が「理想の上司No.1」に君臨!渡辺謙が主催の『はやぶさ』打ち上げパーティで江口洋介ら豪華共演陣が明らかに!竹内結子×堤幸彦監督のタッグで「はやぶさ」映画化!今年は、はやぶさ作品目白押し?
2011年11月22日第35回モントリオール世界映画祭で審査員特別グランプリを受賞した『わが母の記』。役所広司、樹木希林、宮崎あおい共演で話題を呼んでいる本作の未発表キャスト陣が発表され、三國連太郎、南果歩、ミムラ、三浦貴大らが出演していることが明らかになった。さらに、宮崎さんにミムラさん、菊池亜希子を加えた3姉妹のビジュアルもこのほど解禁された。「天平の甍(てんぴょうのいらか)」、「敦煌(とんこう)」など映像化もされた数々の歴史大作で知られる作家・井上靖が45年前に発表した「わが母の記〜花の下・月の光・雪の面〜」(講談社文藝文庫所蔵)を原作とする本作。井上さんの実体験を基に、少しずつ記憶を失っていく母と長男であるものの彼女に育てられなかったために距離を取って暮らしていた息子の小説家。2人が家族の“愛”を確かめようとする10年におよぶ物語が綴られる。役所さんが主人公で作家の伊上洪作、その母・八重を樹木さん、宮崎さんは洪作の三女を演じることが発表されていたが、このたび彼らの脇を固める俳優陣が明らかに。洪作の父、つまり八重の夫である隼人を三國さんが、洪作の妹で次女の桑子を南さんが、同じく洪作の妹で長女の志賀子をキムラ緑子が演じる。また、ミムラさんは洪作の長女の郁子を、次女の紀子を昨年、『森崎書店の日々』で映画初主演を果たした菊池亜希子が演じており、宮崎さんと共に伊上家の3姉妹を演じる。伊上家以外の人間では三浦貴大が編集者で、のちに洪作の運転手兼秘書になる瀬川を、「ハロー!プロジェクト」の一員である20歳の真野恵里菜が八重の面倒を見る女中の貞世を演じる。物語は東京オリンピック開催年の昭和39年から始まるが、今回、公開された伊上家の3姉妹も当然ながら昭和の装い。彼女たちももちろん、平成生まれの真野さんのメイドならぬ昭和の女中姿も気になるところだ。『クライマーズ・ハイ』の原田眞人監督が紡ぎ出す、忘れてしまったとしても消えることのない愛の物語。今年2月から東日本大震災直前の3月10日まで撮影された本作がいま一度、日本の家族の姿を問いかける。『わが母の記』は2012年GW、全国にて公開。■関連作品:わが母の記 2012年、全国にて公開© 2012「わが母」製作委員会■関連記事:中越典子、役所広司との“年の差”ロマンスはあり?「そりゃ思いますよ」役所広司&原田監督がモントリオール映画祭受賞の喜び語る復興へ家族の絆を強調ヴェネチア、モントリオールにトロント…世界の映画祭での邦画の奮闘に期待!
2011年11月15日映画『天国からのエール』が10月1日(土)に公開を迎え、主演の阿部寛を始めミムラ、桜庭ななみ、矢野聖人、森崎ウィン、野村周平と熊澤誓人監督が舞台挨拶に登壇した。主人公のモデルとなった故・仲宗根陽さんの妻・美幸さんもゲストとして登場しキャストやスタッフへの感謝の思いを綴った手紙を朗読。劇場は深い感動に包まれた。沖縄で弁当屋を営みながら地元の高校生のために無料の音楽スタジオを設立し、一昨年、がんで他界した仲宗根さんの実話を基に、彼と彼のもとで成長を遂げていく若者たちの姿を描いた本作。阿部さんは映画を観終えたばかりの観客に「本当に、本当にありがとうございます」と感謝の思いを伝えた。「東京から来たいち俳優が、(亡くなって)1年も経たないうちに仲宗根さんを演じるということにプレッシャーもありましたが、みなさんに支えられてやらせていただきました」と晴れ晴れとした表情で語った。阿部さん演じる陽の妻を演じたミムラさん。いまも仲宗根さんの遺志を継いで音楽スタジオを続けている妻の美幸さんとは、役作りのために撮影中はあえてあまり深く接することをしなかったと言うが、「日常会話やたわいもない話の中からも奥さんと陽さんの距離感が見えてきました。現場にも来ていただき“現場のお母さん”という感じで同じ女性としても憧れるところがありました」とふり返った。桜庭さんも初日を迎えて万感の思い。「もしも仲宗根さんのような人が近くにいたら、私たちも仲宗根さんを信じられるし、仲宗根さんも私たちを信じてくれて、夢を追いかける自信になると思う」と仲宗根さんへの思いを語った。矢野さん、森崎さん、野村さんはホテルの部屋も一緒で常に一緒に過ごしていたという。劇中、桜庭さんと4人でバンドを組むが、全員、ほとんど楽器は初めて。森崎さんが「みんな、成長がすごく早かった。ヤバいと思って家で練習した」と言えば、ほかのメンバーからは「実は森崎くんが一番成長が早かった」という声が上がるなど互いに切磋琢磨したよう。野村さんは「休みの日に男3人で美ら海水族館に行って参りました」と明かすなど、仲の良さをうかがわせた。映画初出演となる矢野さんが阿部さんとの共演について「夢のような時間でした。右も左も分からない中で、阿部さんやミムラさん、スタッフのみなさんに支えていただいた」と語ると、阿部さんは「大人になったな」と嬉しそうに目を細めた。沖縄からこの日のために上京した仲宗根さんの妻・美幸さんはキャスト陣、スタッフへの思いをしたためた手紙を涙ながらに朗読。特に、劇中の手作り結婚式で阿部さんが台本にない「いままでありがとう」というセリフを加えたことに「不器用だった主人の思いを代弁しているようで涙があふれました。阿部さんは人の痛みの分かる方。主人も喜んでいると思います。この映画は宝物になりました」と語ると、会場は温かい拍手に包まれた。阿部さんは「最初は夢物語のように感じ、本当にこんな人がいたのかな?という思いでしたが、沖縄で奥さんが出迎えに来てくださったとき、後ろに仲宗根さんが立っているように感じました。奥さんを通じて仲宗根さんの存在を感じて、それまでの思いが消えた」と語った。監督も「ストーリーだけ聞くとファンタジーのように聞こえますが、みなさんの近くに本当にいるんじゃないかと思ってもらえるようにとリアリティを大切にした」と“実話”の重みを強調した。『天国からのエール』は全国にて公開中。■関連作品:天国からのエール 2011年10月1日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2011『天国からのエール』製作委員会■関連記事:阿部寛×ミムラインタビュー目指したのは「対等にケンカできる」夫婦女性の圧倒的支持を集め“ぶちょお”藤木直人が「理想の上司No.1」に君臨!阿部寛、具志堅用高の生「ちょっちゅね」に大喜びNHK来年の朝ドラの堀北真希の共演陣に南果歩、ミムラ、小出恵介、松坂桃李ら『天国からのエール』監督が語る「夫婦ならではの気遣い、苦難を乗り越える瞬間」
2011年10月03日20日に開幕した第33回PFFぴあフィルムフェスティバルが30日に最終日を迎え、東京の国立近代美術館フィルムセンターにてコンペティション部門の表彰式が行なわれ、最終審査員として、阿部秀司、塚本晋也、南果歩、瀬々敬久、瑛太が登壇した。その他の写真グランプリを獲得したのは、幼少期に大切な人を失ってしまった主人公が暴走していく、虐げられた弱者の思わぬ反逆と狂気を描いた北川仁監督(29歳)の『ダムライフ』。塚本は「グランプリと言えど僅差でした。が、他の作品と全く違うオリジナリティーと独特の映画の文体と話法があり、現代に生きる我々が抱えている心の闇を客観的に映画的なデザインで描いたところがよかった」と受賞理由を説明。北川監督は「今日、死んじゃうんじゃないかな。『才能がない、やめちまえ、チビ』などの誹謗中傷を受け苦しんだこともあり、『ざまぁ見ろ!』と言ってやろうと思ったのですが、いざこの場に立つと、支えてくれた人たちへの感謝の気持ちがにじみ上がってきます。僅差ということで調子に乗らずに作り続けたい」と喜びをかみしめた。なお本作は、第16回釜山国際映画祭New Currents Award招待作品にも選出されており、国内では、第24回東京国際映画祭の“日本映画・ある視点”部門にて招待上映される。瑛太は「世の中は大変な時期ではありますが、今回の監督の平均年齢が僕に近い26歳ということで、僕ら若い世代もアイデアを出して、前向きに映画を作っていき、世の中の人にパワーを与えていきたいと強く感じた。機会があれば俳優として一緒に仕事をしたい」と語った。なお“ぴあフィルムフェスティバル”は今後、京都、福岡、名古屋などに会場を移して開催される。第33回PFFアワード2011/受賞結果■グランプリ『ダムライフ』北川仁監督■準グランプリ『春夏秋冬くるぐる』日原進太郎監督■審査員特別賞『(TAITO)』緑朗監督『パッション』南部充俊監督『僕らの未来』飯塚花笑監督■エンタテインメント賞(ホリプロ賞)『ニュータウンの青春』森岡龍監督■映画ファン賞(ぴあ映画生活賞)『チルドレン』武田真悟監督
2011年10月03日映画監督の登竜門として数多くの才能を輩出してきた「PFFぴあフィルムフェスティバル」の各賞を発表する「PFFアワード2011」表彰式が9月30日(金)、東京・京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターで行われた。33回目を迎える今回は602本の応募作品から、17本の入選作品を選出。その中から北川仁監督の『ダムライフ』が栄えあるグランプリを受賞した。虐げられたイエスマンの主人公が感情の“ダム”を決壊させ、暴走する姿をひりひりと描き出した同作。審査員を務めた塚本晋也監督は「他の作品とはまったく違うオリジナリティがあった。映画に対する自分なりの文体、話法を持っているし、主人公の心の闇をあえて客観的に描くことで、より浮き彫りにしている」と評した。今回、審査員を務めたのは塚本監督をはじめ、瀬々敬久監督、女優の南果歩、俳優の瑛太、映画プロデューサーの阿部秀司の5名。審査は例年以上に白熱したといい「各賞とも僅差だった」(塚本監督)。南さんは「審査はとにかく緊張しましたが、こうやって映画監督が生まれてくるんだという瞬間を目撃することができた」と満足そう。瑛太さんは「審査員をやるからには、思ったことや感じたことをハッキリ言おうと思った。大切にしたのは直感。『こういうのが見たかった』という新しいアイディアがある作品を選んだ。いつか映画作りを一緒にできたらいいなと思います」と若き才能にエールを送った。一方で、「どんな作品と出会えるのか楽しみにしていたが、正直みんな似通った雰囲気で『あれ?』と思った部分も。いろんな制約があると思うが、どれも身近な世界を描いたものばかりだった気がする」(塚本監督)、「もっと自由にいろんなジャンルに挑戦してほしい」(阿部プロデューサー)と苦言が飛び出す場面も。現在の日本映画界を取り巻く厳しい状況を踏まえつつ、今後を支える受賞者たちを鼓舞した。受賞結果は以下の通り。『川の底からこんにちは』、『あぜ道のダンディ』などに出演する俳優・森岡龍がメガホンをとった『ニュータウンの青春』が優れたエンターテイメント性に対して贈られるエンターテイメント賞を受賞した。グランプリを受賞した『ダムライフ』は10月22日(土)から開幕する第24回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門に招待上映される。■「PFFアワード2011」受賞結果グランプリ『ダムライフ』(北川仁監督/29歳/東京都出身)準グランプリ『春夏秋冬くるぐる』(日原進太郎監督/31歳/大阪府出身)審査員特別賞『TAITO』(緑朗監督/27歳/愛知県出身)審査員特別賞『パッション』(南部充俊監督/34歳/神奈川県出身)審査員特別賞『僕らの未来』(飯塚花笑監督/20歳/群馬県出身)エンターテイメント賞『ニュータウンの青春』(森岡龍監督/23歳/東京都出身)映画ファン賞『チルドレン』(武田真悟監督/24歳/愛知県出身)■関連作品:川の底からこんにちは 2010年5月1日よりユーロスペースほか全国にて順次公開あぜ道のダンディ 2011年6月18日よりテアトル新宿ほか全国にて公開© 2011「あぜ道のダンディ」製作委員会■関連記事:光石研が32年ぶりの主役に!『あぜ道のダンディ』試写会に20組40名様ご招待木村佳乃、涙のブルーリボン生田斗真は「ほかの人がやらないことやりたい」と決意満島ひかり「モテキ」発売イベントで弟・真之介をちゃっかりPR満島ひかりインタビュー「“生っぽい”モノを目指したい」満島ひかりが白ずくめ防菌服で“中の下の人生”を歌い上げる特別映像が到着
2011年09月30日阿部寛とミムラ、2人の年齢差は19。だがスクリーンの中で2人は、全く年齢による遠慮や気兼ねを感じさせない太陽のように明るく、やさしく、そしてエネルギーにあふれた夫婦の姿を見事に演じている。沖縄で若者たちのために、私財を投じて無料の音楽スタジオを設立し、2009年にがんで亡くなった仲宗根陽さん。子供たちに正面から向き合い、全力でぶつかっていった彼の姿を描いた本作で、2人はどのような思いで夫婦を演じたのか?役柄に込めた思いを語ってもらった。熱演ではなく、憑依?「台本のセリフを超えたい」(阿部さん)実在の人物を演じるにあたって阿部さん、ミムラさんを驚かせ、そして悩ませたのが陽さんという人物のスケールの大きさ。「事実は小説より奇なり」とい言葉を体現したような彼の生き方を阿部さんは「2時間で収まるサイズじゃない」と評し、ミムラさんも「普通の人が5年に1回あるかないかっていうエピソードを週に1回体験してる」と頷く。阿部さんは陽さんの魅力として彼が持つ“眼差し”を挙げてこう語る。「生前の陽さんのインタビューと、若者たちのライヴを見守っている姿を映した映像が残ってるんですが、そのときの様子がいまも目に焼きついて離れない。仁王のようにも菩薩のようにも見える、何とも言えない人間を超越したような目をしてるんです。この目が人を惹きつけるんだな、僕にはこの目はできないと感服しました。演じる上ではとにかくぶれずにやりきろうという気持ちでした。自分がこの人とこの人の家族を守らなければとも思いましたし、この人が伝えたかったことは何なのか?考えに考え抜いてやらなければという意地もありました」。当初は台本に描かれた陽さんをシンプルに力強く演じようと考えていたという阿部さん。彼の家族や周囲の人々への取材を通じて感じた思いは「見えない部分で出していければ」と考えていたそうだが、撮影が進む中である思いが阿部さんの心に染みこんでいく――。「後半に差し掛かって『もっと、もっと』と思う中で『台本のセリフを超えたい』と考えるようになりましたね。それにはもう“乗っける”しかないのかな、と。“何か”が乗っかって入って来てくれないかなという思いで、陽さんのお墓参りに行ったりもしました。特に最後、陽さんが亡くなるシーンは誠心誠意やりたいという一心でした」。この陽さんを支える妻とはどんな女性なのか?ミムラさんはまず「対等にケンカができる関係」を念頭に置いて妻の美智子をイメージしていったという。「これだけのエネルギーとエピソードを持っている人の奥さんということで、同じだけのエネルギーがなければきっと横にはいられなかっただろうと。だから彼を止めるシーンではしっかりと止められなくてはいけないと思ったんです」。あえて陽さんの奥さんに話を聞くのではなく、阿部さんが演じる陽の姿から美智子というキャラクター、そして夫婦の関係性を作り上げていった。「絶対にただ優しいだけの人ではないとは分かるんですが、なかなか想像がつかなくて…。『無理だ』と行き詰まったときに、阿部さんに頼ろうって思ったんです(笑)。私は陽さんについて、エネルギーだけでなく『おれは動かんぞ』という確固たる信念が風貌からも感じられる人をイメージしてたんです。だから阿部さんが陽役って聞いて、ピッタリだと思いました。それで、阿部さんに肩を借りる形で2人の関係性を築いていきました。陽さんのやろうとしていることも、問題も全部分かってて『あなた、これどうすんの!?』ってハードルを出せればと。実際に奥さんに聞いたら、おふたりはよくケンカをされてたそうで、周りも『あの夫婦のケンカはすごいよ』っておっしゃってたそうなんです(笑)」。若き日をふり返れば「かっこつけても無駄なんだって思えた」(ミムラさん)映画の中で2人は若者たちを導く立場にあるわけだが、もちろんかつては、劇中の若者たちの側の立場で青春を過ごし、進むべき道を模索していたのだ。映画を観ると、陽さんのような人がそばにいてくれたらと思わずにいられないが、2人にも若い頃、周囲の大人が自分に向き合い、掛けてくれた言葉に人生を大きな影響を受けたという経験があるという。阿部さんは俳優としての自らを確立する過程でのある忘れられない経験を明かしてくれた。「僕は『メンズノンノ』という雑誌が世の注目を集めたことで、苦労せずにこの世界に入ったんです。しばらくして自分には俳優として何の実力もないってことに気づいたんですが、どういう手段を取ったらいいかさえも分からずにいました。そんなとき、あるカメラマンさんから『自分の身は自分で守らなくちゃダメだよ』と言われたんです。その意味は何だろう?って考えたとき、他人がどうこう言っても、役を演じる上で自分の感性でその役を守らなければ他に守ってくれる人はいないんだっていう考えに至った。そこから役作りをすることが徐々にではありますが楽しくなっていきました。それから、つか(こうへい)先生に声を掛けてもらったときも、半ば強制的にオーディションに参加させられたんですが、自分の中には『飛び込みたい』という意識も『行きたくない』って気持ちもあったんです。そうしたら、つか先生が僕の芝居にならない芝居を見て『おぉ、いいな』と褒めてくれた。たとえ嘘でもその瞬間にモヤモヤしたものが消えていきました。信じてくれる大人がいるということは、すごく大きなことだなと、それによって越えられるハードルはいくつもある。今回の陽さんと重なる部分がありました」。ミムラさんも「私も自らこの世界に入ったわけではなくて」と苦笑を浮かべつつ若かりし頃に思いをはせる。「あるCMが決まって、『勉強して来い!』って送り込まれたんですが、いま考えてもあのときの自分は、中途半端で自分本位でダメダメで、迷惑のかけ倒しでした(苦笑)。自分でも『向いてない』って思いながらやってたんですが、打ち上げの席である技術スタッフの方が『おれたちは現場の人間だから、(キャストが)悩んだり、一生懸命やったりというのを全て見てるよ』と言ってくださったんです。そのとき、私は『怖い』って思っちゃったんです。私の失態や見栄を張ってるのとか全部見抜かれてるんだって。優しい言葉で力みを取ってくれたんですが、私には逆に聞こえていた時期があって(笑)、でもこの人たちの前でかっこつけても無駄なんだって思えた。いま思うと両方の意味で取っていて良かった、余計に心に響いたな、と思います。事細かに説明された言葉じゃなくて、実感のこもったひと言を、時間が経って実感できることがあるんです」。本作だけでなく、『奇跡』、『僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia.』など、阿部さんは若者たちを導こうとする役柄を演じることが多くなっているようにも思えるが…。阿部さんなりに若い世代に何かを伝えたいという思いがあるのでは?「若い俳優は周りに多いですが、とはいえ彼らは同じ職場でプロとして同じ舞台に立ってる。困ったことがあれば支えようとは思ってます。たまに一緒に食事に行ったら、昔、自分が経験したことをお節介で話しますがそれを受信するかどうかは彼ら次第。もうすでにプロですから、僕としては彼らの邪魔をしないように、より光り輝かせてやりたいとは思ってます」。2人の若者たちへの本物の思いをスクリーンを通じて感じてほしい。(photo/text:Naoki Kurozu)■関連作品:天国からのエール 2011年10月1日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2011『天国からのエール』製作委員会■関連記事:女性の圧倒的支持を集め“ぶちょお”藤木直人が「理想の上司No.1」に君臨!阿部寛、具志堅用高の生「ちょっちゅね」に大喜びNHK来年の朝ドラの堀北真希の共演陣に南果歩、ミムラ、小出恵介、松坂桃李ら『天国からのエール』監督が語る「夫婦ならではの気遣い、苦難を乗り越える瞬間」夫婦の絆を確かめる『天国からのエール』夫婦限定試写会に25組50名様ご招待
2011年09月27日少しずつ秋の気配が深まってきましたが、この9月、10月から異動や転職で新天地での仕事を始めるという人も多いのでは?子供の頃、新学期や転校先での新しいクラスにドキドキさせられたものだが、大人になってもそれは同じ。部署の雰囲気は?と緊張してしまうもの。特にサラリーマンにとって重要なのは上司!上司のタイプによって新天地で仕事のやり方が180度変わってしまうなんてことも…。そこでランキング企画「シネマカフェゴコロランキング5」では、男優、女優を対象に“理想の上司”をテーマにランキングを実施。その結果を大発表!女性からの圧倒的な支持を集め、栄えある理想の上司No.1に輝いたのは藤木直人。2シーズンにわたって放送された、綾瀬はるか主演の人気ドラマ「ホタルノヒカリ」(日本テレビ)の“ぶちょお”をイメージして理想の上司と考えた人がかなりの割合でいるよう。「あんな上司が会社にいたら、毎日出勤が楽しいと思います。まさに理想的です」(20代・男性)、「大人で誠実なのに、キュートな部分も持ち合わせています。実際、高野ぶちょおが上司なら、無我夢中で仕事します(笑)」(40代・女性)など温かく、そして時に厳しく部下に接する藤木“ぶちょお”を推す声が多く寄せられた。ちなみに「ホタルノヒカリ」だけでなく榮倉奈々主演の「泣かないと決めた日」(フジテレビ)で藤木さんが演じた、一見クールで厳しいが実は思いやりにあふれた統括マネージャーの姿を理想とする人も。どちらにも共通しているのは厳しさと優しさをきちんと使い分け、部下思いである点。世の管理職のみなさま、ドラマをぜひ参考に!続いて2位にランクインしたのは堤真一。映画が今年完結した『SP』はもちろん、働く男を演じることが多い堤さんだが、その背中に憧れる部下が多数!「スラリとした立ち姿や厳しい表情に似合う低い声などいわゆるデキる上司の要素を持ってますが、そんな“見た目”だけじゃなく、大人の男性として背負うべき何かをしっかり表現できる説得力ある演技力も理想的上司だなぁと思います」(50代・男性)など男性からの支持が高かったのが特徴と言える。キリリと引き締まった表情で働く姿を見ると「この人の下で仕事がしたい!」と思うのも納得。3位には唯一の女性。ドラマ「BOSS」や「離婚弁護士」(ともにフジテレビ)で働くカッコいい女性像を見事にを体現した天海祐希が入った。「後輩のことをよく見てくれそうだし、厳しい中にも愛をもって接してくれそうだから」(30代・女性)、「あれだけ分かりやすく仕事の指示ができて、注意してほめて、切り替えができる上司だと仕事のやりがいが持てそう。尊敬できる上司の理想です」(50代・男性)との声が。続く4位には「よく話を聞いて的確に判断してくれそう」(40代・男性)、「頼りになりそう」(30代・女性)と多くの支持を集めた渡辺謙。『沈まぬ太陽』を始め、正義感と信念を持って仕事をする姿が多くの人の心に強い印象を残しており、働く男の理想と言えそう。来年公開される小惑星探査機「はやぶさ」の奇跡の帰還を描いた『はやぶさ遥かなる帰還』では、責任者であるプロジェクト・マネージャー役を演じており、読者から寄せられたイメージ通りの姿を見せてくれそう。そして5位にはまもなく『天国からのエール』が公開となる阿部寛がランクイン。こちらの作品では若者たちを導く、父親のような存在を演じているが、その姿勢や言動は普通の会社で部下たちを相手にしても同じように通じるものばかり。以前、大河ドラマ「天地人」で上杉謙信を演じたときの姿が理想の上司像として強く印象に残っているという人も多いようで男女の隔たりなく高い支持を集めた。さてあなたは誰の背中に付いていく?そして実際に上司の立場にあるあなたは誰をモデルにして頼られる上司を目指す――?あなたの理想の上司は?1位:藤木直人2位:堤真一3位:天海祐希4位:渡辺謙5位:阿部寛次回の「シネマカフェゴコロランキング5」のテーマは「駆け引きが上手そうな俳優」。こちらも是非、応募ください。「シネマカフェゴコロランキング5」■関連作品:はやぶさ遥かなる帰還 2012年2月11日より全国にて公開© 2012「はやぶさ」製作委員会天国からのエール 2011年10月1日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2011『天国からのエール』製作委員会シャンハイ 2011年8月20日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2009 TWC Asian Film Fund, LLC. All rights reserved.薔薇とサムライ 2011年6月25日より新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国にて公開© 2011, VILLAGE INC.SP 革命篇 2011年3月12日より全国東宝系にて公開© 2011「SP」プロジェクトチーム ホタルノヒカリ 2012年、全国にて公開予定© 映画「ホタルノヒカリ」製作委員会■関連記事:阿部寛、具志堅用高の生「ちょっちゅね」に大喜びNHK来年の朝ドラの堀北真希の共演陣に南果歩、ミムラ、小出恵介、松坂桃李ら『天国からのエール』監督が語る「夫婦ならではの気遣い、苦難を乗り越える瞬間」『SP』出演陣再集結!松尾諭が岡田准一のクランクアップでの大号泣の思い出明かす渡辺謙が主催の『はやぶさ』打ち上げパーティで江口洋介ら豪華共演陣が明らかに!
2011年09月26日映画『僕たちは世界を変えることができない。』が9月23日(金・祝)、公開を迎え、都内劇場で行われた舞台挨拶に向井理、松坂桃李、柄本佑、窪田正孝が登壇した。満員の観客のスタンディングオベーションとこの日は欠席した深作健太監督からのメッセージに向井さんは感激し、言葉をつまらせる一幕も。「グッときちゃいました」と思いを明かした。実話に基づき、偶然目にしたパンフレットがきっかけでカンボジアに学校を建てるための活動を開始した学生たちの奮闘、青春を瑞々しく描き出した本作。エンドロールが終わると、劇場は拍手で包まれ、観客は総立ちに。そこに向井さんら4人が登場すると割れんばかりの大歓声がわき起こった。めったに見られない映画館でのスタンディングオベーションに向井さんも驚いた様子。「想像していませんでした。多くの人の心に届いてほしいという思いでしたので嬉しいです」と笑顔を見せた。松坂さんもこの光景に「鳥肌が立った」と語り、「この映画に出られて本当に良かったと心から思います」とホッとした表情を見せた。深作監督は新作の撮影でマレーシアにいるため、舞台挨拶は欠席したが、代わりに事前に録音された生声のメッセージが流された。キャスト一人一人に対しての思いが込められたメッセージに会場は深い感動に包まれた。特に「いままでに見たことのない熱さとリーダーとしての責任感を見せてくれた」と讃えられた向井さんは、マイクを手に絶句。「僕たちは前に立たせてもらう仕事をしてますが、カメラの後ろにはもっと多くのスタッフがいる」と言葉をつまらせながら仲間たちへの感謝を口にした。松坂さんも「監督に『おつかれさまでした』と言ってもらえて、この作品が僕にとって代表作なんだという思いがわいてきた。またみなさんと一緒に仕事ができるように頑張りたいと思います」と思いを語った。柄本さんも「深作監督の作品が好きだったので声を掛けていただいたとき、すぐに『やりたい』と言った」と明かし、改めて監督への感謝の思いを語った。窪田さんも「監督の声を聞いて、向こう(カンボジア)で辛かったことや4人でワイワイやったこと、歌ったことなどが鮮明に甦ってきました。“運命”という言葉で片付けてはいけないけど、縁のようなものを感じます」と語った。向井さんは「俳優部部長」(深作監督)として「よくやってこれたな、と思います。みんな真面目で、誰にも負けないくらい(作品に)向き合ってきた」とここにはいないキャストも含め、改めて苦楽を共にした仲間たちをねぎらった。『僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia.』は全国にて公開中。『僕たちは世界を変えることができない。』3連続インタビュー■関連作品:僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia. 2011年9月23日より全国にて公開© 2011「僕たち」フィルムパートナーズ■関連記事:向井理インタビュー引き算の演技で魅せた“ヒーローじゃない主人公”向井理、思わず本音が!?「パルテノン神殿は汚いところだった」松坂桃李インタビュー照れ屋な22歳が見つけた“熱いもの”向井理、流暢な英語でスピーチ!海外オファーは「なきにしもあらず」?NHK来年の朝ドラの堀北真希の共演陣に南果歩、ミムラ、小出恵介、松坂桃李ら
2011年09月24日笑顔は人を幸せにする──向井理が初主演を果たした映画『僕たちは世界を変えることができない。』には、そんな人の心を豊かにする笑顔が詰まっている。原作は現役医師である葉田甲太氏が大学生だった2005年に、カンボジアに小学校を建てるための募金プロジェクトを立ち上げ、実際に小学校を建てるまでの体験記を綴った「僕たちは世界を変えることができない。But, we wanna build a school in Cambodia.」。向井理は甲太(コータ)という役柄を通じて何を感じたのか?「命を削って作った作品」だと1つひとつ言葉を選びながらカンボジアロケを懐かしむ表情はただただ優しく、何かを伝えたいという直向きな情熱に満ちていた。台本も原作も読まずにカンボジアへ。その理由は…向井さんがカンボジアを訪れるのは2度目となる。1度目はデビュー間もない頃、テレビ番組「世界ウルルン滞在記」の畑作りを手伝うための旅だった。そして今回は、主人公コータを演じるためにカンボジアへ。「ドキュメンタリータッチで撮りたい」という深作健太監督の意向に応えるべく、向井さんは、コータとして彼の素を見せることを意識したという。演技し過ぎない演技、足し算ではなく引き算の演技、それは決して簡単なものではなかったはず。「簡単ではないですよね。普通のことをしながら(何かを)伝えるということは確かに難しくて…。コータはヒーローのようなキャラクターではないので、力技での芝居はしたくなかったんです。その方が簡単ではあるんですけど、そうしたくない作品でした。また、カンボジアでの撮影は敢えて台本を読まないようにしたんです。原作を読んで感情が固定しないようにと思って、原作も読まずにいました。というのは、シェムリアップ州立病院のエイズ病棟、ツールスレン博物館、キリング・フィールド…今日はどこに行って撮影するのかということは分かっているけれど、そこで何があるのかは撮ってみないと分からないんです。(原作者が実際にお世話になった)観光ガイドのブティさんがどんな説明をしてくれるのかは、その場じゃないと分からない。だから事前に知識は必要ないなと。初めて目にするから湧き出てくる感情もある、その時のリアクションを大切にしたいと思ったんですよね。ちゃんと感情が自由に動くように、変に身構えないように、セリフをセリフっぽく言わないということを心がけていました」。そんな真摯な役の取り組み方で、向井さんはコータの感情を生々しく演じきった。これは向井理本人のリアクションなんじゃないか?と勘違いさせるほどのリアルさがあるが、そこにたどり着くためには、きっと陰ながらの努力があったはず。けれど、その努力も葛藤も苦しさも役者として当たり前のことだと捉えている、それが向井理がデビュー当初から貫いている姿勢。実に真面目でプロフェッショナルだ。カンボジアのロケでは、長回しでスタートからカットまで4時間! という撮影もあり、撮影時間はトータルで200時間にも及んだという。つねにカメラを向けられるなか、向井さんを含め、学生サークル“そらまめプロジェクト”の主要メンバーを演じる、松坂桃李、柄本佑、窪田正孝の4人それぞれが自分たちの演じるキャラクターを通して感じたカンボジアとは一体どんなものだったのだろうか。4人をガイドするブティさんの話から、カンボジアを知ることができたと語る。「ブティさんの話を聞いていると、その情景が浮かんでくるんです。聞いているだけでつらいのに、ガイドという仕事とはいえ、自分のつらい経験を話してくれたのは嬉しかったですね。幼少の頃、ポル・ポト政権時代に政府の弾圧で父親を殺されたこと、自分は学校にいけなかったけれど、自分の2人の子供には学校に行ってほしくてガイドとして頑張っていることを、サラッと言えるのが凄い。それが僕の感じたカンボジアという国、人に対する印象ですね。強い国だなと。人として、カンボジアに行くことができて、本当に良かった」。観客もまた、コータたちを通じて切なさや悲しさを味わい、強く生きるカンボジアの人々の姿から何かを感じ取ることだろう。子供たちの笑顔が活力へ変わる幸せとは何か?自分はいま幸せなのか?と深く考えさせられるきっかけとなるのが、カンボジアの子どもたちの笑顔だ。「あの笑顔はすごい力ですよね。あの笑顔がこの作品の大切な要素だった」と顔をほころばせ、映画の核心に迫っていく。「カンボジア特有ですよね。日本人はカンボジアに対して、地雷、ポル・ポト政権、アンコールワット…勝手な偏見を持っていて、発展途上の国として見ている。僕もそうなんですけどね。そういう中にあの笑顔がある、だから笑顔が凄いと思うのかもしれない。彼らは日常的にあの土地で暮らしていて、朝が来て夜が来て、それが普通なのに。でも、そうではない人たちは、自分と照らし合わせて考えると(自分が)情けなくなって、あの笑顔に癒されるだけでなく、何か突き刺さるんですよね。コータたちは紆余曲折あって小学校を建てますけど、建てただけではダメだとも思っている。それでも、子供たちのあの笑顔があることで着地できたのかなと。撮影中、小学校1〜2年の子供たちと一緒に遊んでもらったんです。楽しいと笑ってくれる、遊んでいると笑ってくれる。役柄としてだけれど、この子供たちのために学校を建てるんだ! と思うと、すごく力になった。この子たちのために頑張れると思いました」。映画のラスト、小学校開校式のコータのスピーチのセリフには台本にはない言葉が添えられ、感動的なワンシーンとなった。「誰かのために何かをする喜びというのは、きっと自分のために何かをする喜びよりも強い」というのは劇中のコータのセリフ。誰かのために一生懸命になる素晴らしさを再確認させてくれる言葉のひとつだが、コータを演じながら向井さん自身もそんな熱い感情を抱いたのだろうか。最後にもう一度、向井理の心の中をのぞいてみたく、問いかけてみた。「正直、自分が出ている映画でそういうことを感じるのって難しいんですよね。客観的に見れないというか。撮影後、完成した映画を観ても、200時間の9割を知っているので、ああいうシーンがあったなとか、あのシーンカットされたなとか、自分の芝居にダメ出ししたりしてしまう(笑)。でも、映画の撮影ではあるけれど、自分たちで体験したこと、感じたこと、心に刺さったことが、もしかしたら映画を観ている人以上にあるのかもしれない。それをどれだけ純粋に届けられるのかが、今回の撮影のテーマだったと思うんです。たくさんのメッセージを詰め込んだつもりです。観て下さった方それぞれに感じるものがあったら嬉しいですね」。僕たちは世界を変えることができない──かもしれないが、コータとして向井さんが笑顔になれたように、笑顔が人を幸せにすると気づけること、それはきっと世界を変える小さな一歩、そう信じたい。(photo:Toru Hiraiwa/text:Rie Shintani)『僕たちは世界を変えることができない。』3連続インタビュー 松坂桃李インタビュー:: 原作者・葉田甲太×峯田和伸インタビューcoming soon!■関連作品:僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia. 2011年9月23日より全国にて公開© 2011「僕たち」フィルムパートナーズ■関連記事:向井理、思わず本音が!?「パルテノン神殿は汚いところだった」松坂桃李インタビュー照れ屋な22歳が見つけた“熱いもの”向井理、流暢な英語でスピーチ!海外オファーは「なきにしもあらず」?NHK来年の朝ドラの堀北真希の共演陣に南果歩、ミムラ、小出恵介、松坂桃李ら向井理、“母校”明治大学で『僕せか』PR…なぜかTBS安住アナが乱入
2011年09月21日まもなく公開となる『天国からのエール』試写会が9月20日(火)に都内で行われ、阿部寛とミムラ、桜庭ななみが舞台挨拶を行った。ゲストとして映画の舞台となった沖縄出身でボクシングの元世界チャンピオンである具志堅用高も出席し、沖縄の思い出話に花を咲かせた。沖縄で弁当屋を営むかたわら、学生のために無料の音楽スタジオを設立し、一昨年にがんで亡くなった男性の実話を描き出す。阿部さんは、沖縄でのロケを通じてモデルとなった仲宗根陽さんになりきっていったことを告白。「(沖縄で)発見したことがたくさんありました。スタジオは高校から10メートルくらいのところにあって、スタジオの生徒たちや陸上部や野球部の部員たちの姿が見えるんです。仲宗根さんがそれを見て、若者を応援したいという気持ちになったのがよく分かりました。現場で仲宗根さんの新しい面を知り、自分の中の仲宗根さんを撮影を通じて成長させていきました」とふり返った。阿部さん演じる陽の妻を演じたミムラさんも「発見したことや改めて考えさせられたことが多い映画でした」と述懐。「(仲宗根さんの)奥様が現場を温かく見守ってくださり、そのまなざしを通じて仲宗根さんがどういう人だったか知ることができました」と語る。具志堅さんは「最後は泣きました。生徒への指導も素晴らしいし、沖縄の子の性格をよくつかんでいる」と映画を絶賛。特にミムラさんについて「沖縄のお母さんの雰囲気が出てましたよ。頑張り屋で強いんです」と手放しでほめたたえた。桜庭さんはそんな具志堅さんを「ニイニイ(=陽)に似てる」とニッコリ。ミムラも「眼差しの優しさが似てる」と語り、阿部さんも「沖縄の人が持っている独特の目の真っ直ぐさ、佇まいが(陽さんと)重なります」とうなづいた。これに具志堅さんは「ニイニイはカッコいいよぉー」と照れくさそうに笑みを浮かべていた。この日は映画にちなんで沖縄のお弁当が用意され、阿部さんと具志堅さんはエプロンをつけて再登場。具志堅さんは弁当に舌鼓を打ち、得意の「ちょっちゅね」を連発し、登壇陣や観客を喜ばせた。『天国からのエール』は10月1日(土)より全国にて公開。■関連作品:天国からのエール 2011年10月1日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2011『天国からのエール』製作委員会■関連記事:NHK来年の朝ドラの堀北真希の共演陣に南果歩、ミムラ、小出恵介、松坂桃李ら『天国からのエール』監督が語る「夫婦ならではの気遣い、苦難を乗り越える瞬間」夫婦の絆を確かめる『天国からのエール』夫婦限定試写会に25組50名様ご招待阿部寛、実在の人物を演じたプレッシャーと感謝の思いを声を詰まらせながら吐露阿部寛、髪型&衣裳も“本物”を徹底『天国からのエール』ポスター完成
2011年09月20日10月から放送されるBSプレミアム「世界遺産 時を刻む」の番組ナビゲーターに、俳優の向井理が起用されることになり9月16日(金)、NHK放送センターで会見を行った。現在、900以上ある世界遺産を「塔」「お祭り」「木々」「庭園」といったテーマで切り取り、紹介する番組で、向井さんも「既存の番組とは違った、新しいアプローチで世界遺産に迫っている」と早速アピール。幼稚園の頃ギリシャ旅行をし、世界遺産であるパルテノン神殿を見学。「まだ子供でしたが、ずいぶん汚いところだなって思いました(笑)。本当にあちこちボロボロで…。長い歴史がある証拠だと思うんですけど」と笑いを交え、思い出話を披露した。毎回、世界遺産はもちろんのこと、そのルーツや歴史的背景、世界遺産と共に暮らす人々の息づかいを伝える同番組。「地元の人との触れ合いも紹介されるので、温かく土臭い番組の雰囲気をナビゲーターとして伝えていければ」と気合十分の向井さん。すでに番組スタッフとも「作り手としていいチームワークができている」そうで、自身の海外ロケ参加にも意欲満々。ちなみに向井さんが、いまもっとも行ってみたいのはスペインだといい「サッカーや料理が大好きなので、ぜひ一度は」と瞳を輝かせた。会見にはNHKエンタープライズの須磨章プロデューサー(世界遺産プロジェクト事務局長)も出席し、「好奇心旺盛で、歴史や建物に興味がある向井さんに番組のナビゲーターをお願いした」と起用理由を明かした。第1回は塔をテーマに、スペイン最西端に2,000年間そびえる灯台「ヘラクレスの塔」にスポットを当て、いまも古代ローマ建築の面影を残す内壁のヒミツや、長年塔を管理する灯台守のペドロさんの日常も紹介する。NHK BSプレミアム「世界遺産 時を刻む」は10月7日(金)から毎週金曜、21:00から放送(全15回)。■関連作品:僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia. 2011年9月23日より全国にて公開© 2011「僕たち」フィルムパートナーズ■関連記事:松坂桃李インタビュー照れ屋な22歳が見つけた“熱いもの”向井理、流暢な英語でスピーチ!海外オファーは「なきにしもあらず」?NHK来年の朝ドラの堀北真希の共演陣に南果歩、ミムラ、小出恵介、松坂桃李ら向井理、“母校”明治大学で『僕せか』PR…なぜかTBS安住アナが乱入向井理主演『僕たちは世界を変えることができない。』試写会に100組200名様をご招待
2011年09月16日スクリーンの中での役柄のイメージとは裏腹にこの男、かなりシャイらしい。「どちらかというと内向的。決して人を引っ張るタイプではないですね」とちょっぴり申し訳なさそうに笑うのは松坂桃李。来春にかけての半年足らずの間に、声優としての出演も含め4本の映画が公開を控える。まもなく公開となる『僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia.』では、カンボジアに学校を建てるべく奮闘する学生ボランティアのリーダーのひとりを演じている。カンボジアでのロケも行われた本作を通じて松坂さんは何を感じたのか――?できない自分を受け入れる――「その繰り返しでここまで来た」現在も都内で医師として働く男性の医学生時代の実話を映画化した本作。松坂さんは、向井理演じる主人公・甲太に誘われ、ボランティアに参加する青年・本田を演じている。いかにもイマドキの大学生といった容貌でクラブでも気軽に女の子に話しかける彼は一見、チャラチャラしたタイプ。だがその内には、本当に熱くなれるものを探したいという情熱が秘められていた。「大学生の役ということで、自分が大学に通っていた頃を思い返して、自分の周りにもこういうヤツがいたな、と思い出しながら役を作っていきましたね。僕自身、大学の頃は熱くなれるものがなくて、この映画のように何か情熱をかけるものがあったら、と後悔するような思いもあるんです。本田はああ見えて実はすごく真面目な男。行動力もあるし、人の心の垣根を軽く超えていける。リーダーシップもあって、僕とは正反対のタイプです。演じる上で苦労したというより『いいな、こういうヤツ』という羨ましく思うような気持ちでした」。とここで冒頭のやり取りへ。ついつい役柄から、松坂さんに明るくみんなを引っ張るリーダー像を想像してしまうところだが…。なんせシンケンジャーのレッドまで演じていたのだから。「いや、それは本当にたまたま役柄がそうだっただけで(笑)。負けず嫌いな性格ですが、人を引っ張っていくタイプではないですね。人との関係を作っていくのもちょっとずつ時間をかけて。本田みたいに軽々とは飛び越えられない。今回の映画の登場人物で言うなら甲太かな。誰かに引っ張ってもらいたい……ってそう言うのもどうなんだって感じですが(笑)」。本田と甲太を中心に学校建設のための資金集めに奔走するが、やがて少しずつ歯車が噛み合わなくなり、活動は空中分解寸前に陥る。そんなとき、甲太が本田に言う「自分を受け入れる」というセリフは印象的だ。松坂さんも「僕自身、その繰り返しでここまで来た」とうなづく。「成功してきたのも自分だし、失敗したのも自分。いまの段階の自分というのを認めて、受け入れなければ上に上がることはできないんですよね。それは俳優という仕事をする中で分かってきましたね。いまの自分にはこれしかできない。それを一度受け入れて、じゃあどうしたらいいのかと考えることが大切なんだな、と」。「何色にでも染まれるように真っ白でいたい」向井さんや柄本佑、窪田正孝らと共に訪れたカンボジアでの撮影について「向井さんは本当に兄貴みたいな人で、みんなで飯食いに行ったり、酒飲んだり、ワイワイと楽しかった」とふり返る。一方でカンボジアの歴史や現状に触れ、劇中の甲太たちと同様に考えさせられる部分も。「そこは本田や甲太たちと同じで衝撃を受けました。現実を目の当たりにして、TVや教科書で知るよりも強い衝撃を…。自分で行って、知って、それだけでもこの映画に参加して良かったと思えたし、行動すること、知ることの大切さを改めて感じました」。「いまは、この仕事が僕にとって本田の言う“熱いもの”になった」と松坂さん。この1年ほどで次々と話題の作品に出演するが、自身の変化を尋ねると「興味のアンテナは増えましたね。成長は…自分の目からは何とも…」と笑うが、目指す俳優像を尋ねるとこんな答えが。「真っ白でいたいです、何色にでも染まるように。自分の色を持つことも大事ですが、作品ごとに自分を変えていくことも必要だと思う。それで自分の表現が変わっていったら面白いな、と思います。やったことのない役全てやりたいです」。素顔は照れ屋な22歳。スクリーンでは今後も意外な顔を見せてほしい。(photo/text:Naoki Kurozu)stylist:鈴木のり子(090-3965-2228)衣装協力:ato AOYAMA (03-5474-1748)『僕たちは世界を変えることができない。』3連続インタビュー 向井理インタビューcoming soon!:: 原作者・葉田甲太×峯田和伸インタビューcoming soon!■関連作品:僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia. 2011年9月23日より全国にて公開© 2011「僕たち」フィルムパートナーズ■関連記事:向井理、思わず本音が!?「パルテノン神殿は汚いところだった」向井理、流暢な英語でスピーチ!海外オファーは「なきにしもあらず」?NHK来年の朝ドラの堀北真希の共演陣に南果歩、ミムラ、小出恵介、松坂桃李ら向井理、“母校”明治大学で『僕せか』PR…なぜかTBS安住アナが乱入向井理主演『僕たちは世界を変えることができない。』試写会に100組200名様をご招待
2011年09月16日向井理の主演映画『僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia.』の試写会が9月13日(火)、東京・有楽町の日本外国特派員協会にて行われ、上映後の質疑応答に向井さんが登壇。英語を交えながら外国人記者からの質問に答えた。150万円を集めてカンボジアに小学校を建設した医学生の実話を映画化した本作。TV番組での経験をきっかけにカンボジアを「第二の故郷」と公言する向井さんの初主演映画であり、実際にカンボジアでの撮影も行われた。「俳優業を始めてまだわずか5年です」と驚きをもって紹介された向井さん。詰めかけた外国人記者に向けて「Do you think about this film?(映画はいかがでしたか?)」と問いかけると、会場からは温かい拍手が沸き起こった。さらに向井さんは流暢な英語で「この映画は実話を基にした物語で、いかにしてカンボジアに学校を作るかということを描いてますが、大きなメッセージとして努力、思いやりといったことを掲げています」と語りかけた。この作品を通じての“変化”を尋ねられると「ボランティアに対する見方が変わりました。自己満足でいいものなんだと分かりました。子供たちの笑顔に象徴されるように、自分が何かすることで、物質的なものではなく笑顔という精神的なものを得ている。お互いのやり取り、キャッチボールの中にあるもので、『やらせていただいている』と感じました」と語った。近藤プロデューサーは、向井さんのキャスティングに関して「ベストではなくオンリー」と語るが、向井さんは「僕が選んだのではなく、映画に選んでいただいているという気持ち」と説明。流暢な英語を操る向井さんに対し、記者からは海外作品のオファーが来たら?という質問も出たが「もしもオファーがあっても、時間の余裕がないとやれないと思っています。(オファーは)なきにしもあらずですが…やるにしてももっと英語をできるようにならないと。ただ、世界に目を向けるのは大事だと思っています。タイミングが合えば」と慎重ながらも意欲を示した。さらに、カンボジアを訪れて何を感じたかを尋ねられると、実際に訪れた、ポル・ポト政権時代の虐殺の跡地であるキリング・フィールド、収容所博物館となっているツールスレン博物館、そしてエイズ病棟の存在とそこで撮影されたシーンに触れ「台本のあのシーンには全くセリフがなく、ガイドさんに自分が聞きたいことを聞いて、テストもなく、すぐ本番で撮影しました。この映画に自分の素は出ていないですが、あのシーンだけは甲太というキャラクターを通して素を見せています。ショックなどという一言では言い表せない。人が実際に生きて、ここで殺されたという事実があって。ツールスレンで、ひとりでしゃがんで空を見上げるシーンがありましたが、実際に三十数年前に同じことをし、同じ光景を見ていたんだなと思い、人間の恐ろしさや、もしかしたら自分が殺す側になっていたかもしれないという危うさなどを感じました」と真摯に自らの思いを伝えた。最後の挨拶では、ワイヤレスマイクが使えずに、やむなく机の上に置かれた巨大なマイクを手で抱えてしゃべるというハプニングもあったが、「こういうマイクで話すこともまずないと思います。初めてのことは好きなので、こういうマイクにもどんどん挑戦していきたい(笑)」とユーモアたっぷりに語り、会場を笑いに包み、外国人記者たちのハートをガッチリとつかんだ様子。そして、新作の撮影でマレーシアにいるために欠席となった深作健太監督の「日本人の撮った映画ですが、カンボジアを通じて日本を映したい」というメッセージを紹介し映画をアピール。再び会場は大きな拍手に包まれた。『僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia.』は9月23日(金・祝)より全国にて公開。■関連作品:僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia. 2011年9月23日より全国にて公開© 2011「僕たち」フィルムパートナーズ■関連記事:NHK来年の朝ドラの堀北真希の共演陣に南果歩、ミムラ、小出恵介、松坂桃李ら向井理、“母校”明治大学で『僕せか』PR…なぜかTBS安住アナが乱入向井理主演『僕たちは世界を変えることができない。』試写会に100組200名様をご招待向井理、芦田愛菜、武井咲、中山優馬が「ほんとにあった怖い話」でホラー初挑戦!癒し系?頼れる系?親友にしたい俳優ランキング三浦春馬と天海祐希が1位に!
2011年09月13日来年のNHKの連続テレビ小説「梅ちゃん先生」で主演の堀北真希の家族や周囲の人々を演じる共演陣8人が発表!父親を高橋克実、母親を南果歩、姉をミムラ、兄を小出恵介が演じるほか、幼なじみとして若手人気俳優の松坂桃李が出演することも明らかに。9月13日(火)、NHK放送センターで堀北さんらが会見を行った。86作目となる「梅ちゃん先生」の舞台は終戦直後の東京・蒲田。大学病院に勤める父を持ち、優秀な姉と兄の下でコンプレックスを持って育ってきた梅子(堀北さん)が、町医者となって地域の人々に向き合い、成長していく姿を描く。一家の父・建造役の高橋さんは「昭和20年あたりから物語が始まるということで、当時のいまとは違う親子の関係が出せれば」と語る。これまで演じたことのない厳格な父親ということで「プロデューサーからは『笑いは一切なく、ハードルが高い』と言われました。『もしハードル越えられなかったら?』と聞いたら『入院してもらうかも』って(笑)。堀北さんの足を引っ張らないように頑張ります!」と戦々恐々。おおらかな母親・芳子を演じる南さんは東日本大震災発生後、たびたび現地入りしたそうで「みなさんと話すと『ドラマが見たい』とよく言われた。だからいま一番出たいドラマが朝ドラだった」と明かした。ミムラさんは「現実では末っ子なので長女がうまくできるか不安ですが、家族のみなさんに支えていただいて頑張りたい。今日、真希ちゃんに初めて会って『かわいい!守ってあげたい』とお姉ちゃんエンジンがかかりました」と気合十分。小出さんは逆に男兄弟の中で育ち、姉や妹に憧れていたそう。初共演の堀北さんを「凛としてて姿勢も良い」と絶賛。「僕は『自分探しの旅に出る』ということになっているそうで、2週目でいきなり家を飛び出るといううわさもあるんですが、(堀北さんと)関わりたい、家族ドラマに出たいです」と少しでも長い共演を願っていた。梅子の祖母・正枝役には倍賞美津子。「家族、お隣さんと会えて嬉しいです。最年長だと思いますので体力つけておかなきゃと思っています」と語った。また、建造の弟で、梅子に影響を与えるおじの立花陽造を鶴見辰吾が演じる。堀北さんとはドラマ「アタシんちの男子」(フジテレビ)に続いての共演で、前回はギャンブル狂の父親役を演じたが、本作では「闇市で一発当てようとするお調子者」(鶴見さん)ということで「今度もダメなおじさんですが何とかサポートしたい」と語っていた。下村家の隣で町工場を経営する安岡家の家長・幸吉を演じるのは片岡鶴太郎。息子の信郎は梅子の幼なじみということで、2人が結婚する可能性も?片岡さんは堀北さんを「ザ・朝ドラ。朝ドラのために生まれてきた」とクランクイン前にもかかわらず絶賛。「息子をよろしくお願いします。ぜひ、親戚になりたい」とノリノリだった。朝ドラ初出演の松坂さんはそんな“父”を尻目に「当時の人たちの力強さを演じられたら」と真摯に語り、同い年の堀北さんについては「同い年とは思えないくらい落ち着いてる。足を引っ張らないようにしたい」と緊張気味に語っていた。「梅ちゃん先生」は11月クランクイン予定。放送は2012年4月2日(月)よりNHKにて放送開始。■関連作品:僕たちは世界を変えることができない。 But, we wanna build a school in Cambodia. 2011年9月23日より全国にて公開© 2011「僕たち」フィルムパートナーズスイッチを押すとき 2011年9月17日より新宿武蔵野館ほか全国順次公開© 2011山田悠介/「スイッチを押すとき」製作委員会家族X 2011年9月、ユーロスペースほか全国順次公開© PFFパートナーズ天国からのエール 2011年10月1日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2011『天国からのエール』製作委員会ALWAYS三丁目の夕日‘64 2012年、全国東宝系にて公開© 2012 「ALWAYS三丁目の夕日‘64」製作委員会■関連記事:向井理、流暢な英語でスピーチ!海外オファーは「なきにしもあらず」?向井理、“母校”明治大学で『僕せか』PR…なぜかTBS安住アナが乱入『天国からのエール』監督が語る「夫婦ならではの気遣い、苦難を乗り越える瞬間」向井理主演『僕たちは世界を変えることができない。』試写会に100組200名様をご招待向井理、芦田愛菜、武井咲、中山優馬が「ほんとにあった怖い話」でホラー初挑戦!
2011年09月13日映画『阪急電車 片道15分の奇跡』が先日の関西先行公開に続き全国公開。都内劇場で行われた舞台挨拶に中谷美紀、戸田恵梨香、宮本信子、南果歩、谷村美月、有村架純、芦田愛菜という総勢7名の女優陣が揃って出席した。有川浩の人気小説を原作に、宝塚から西宮北口間を走る阪急今津線に乗り合わせた、様々な事情を抱えた人々の人間模様を温かく描く。最初にマイクを握った中谷さんは「素晴らしい共演者、温かい演出をなさる監督に恵まれ、関西のみなさんの協力を得て完成しました」と挨拶すると、様々な思いが脳裏をめぐったのか、しばらくの沈黙。そして、声を詰まらせながら「いま、日本中が震災の動乱で疲弊しています。温かい思いを届けられたらと思います。失敗しても傷ついても立ち上がれる――自分の人生を肯定したくなる作品に仕上がっています」と強い思いを語り、会場は温かい拍手に包まれた。関西を舞台にした本作だが、戸田さん、谷村さん、有村さんに愛菜ちゃんらをはじめ、関西に住んでいたことのあるキャストが数多く参加している。戸田さんが「全国に阪急電車を知っていただくよいきっかけになる、この映画に携わることができて光栄です」と語れば、谷村さんも高校時代に通学のために阪急電車を使っていたことを告白し思い入れを明かす。有村さんも「昔から使っていてたくさんの思い出があります。関西にお立ち寄りの際はぜひ一度乗って、気分を味わっていただけたら!」と映画と一緒に電車もアピールしてくれた。映画の内容、そして新たな季節にちなんで、この春から始めたいことは?という問いに南さんは、最近、編み物にいそしんでいることを明かし「すでにマフラーを7本くらい編んで、家族にも『もういらない』と言われてますが、編み続けます!」と宣言。宮本さんは、お子さんから誕生日プレゼントで自転車を贈られたそうだが「(自転車に乗るのが)何十年ぶりで降り方が分からなくてショックでした」と苦笑交じりに告白。「降り方から、何とかこなそうと思います」と決意を語った。監督に抱っこされて満面の笑みで登場した愛菜ちゃんは、この春から新一年生。この春の目標は「目覚まし時計でひとりで起きられるようになりたい」とのこと。さらに学校は楽しい?という質問に「楽しいです。好きな科目は国語と図工」と愛くるしい笑顔で答えてくれた。最後は、阪急電車に勤める現役の車掌さんの音頭で会場と一緒に「出発進行!」。女優陣一同、敬礼の姿勢で映画の“出発”を祝った。『阪急電車 片道15分の奇跡』は全国東宝系にて公開中。■関連作品:阪急電車片道15分の奇跡 2011年4月29日より全国東宝系にて公開© 2011「阪急電車」製作委員会■関連記事:宝塚の聖地に、中谷美紀、宮本信子、南果歩、谷村美月が華麗なドレス姿で降臨!【沖縄国際映画祭】中谷美紀、涙をこらえ沖縄から被災地へエール!木村祐一監督、次回作の主役はスリムクラブ!?「M-1取るまでの軌跡を描きたい」『阪急電車』で天才子役・芦田愛菜が宮本信子の孫に!阪急沿線で撮影スタート丸刈りで登場の加瀬亮戸田恵梨香の暴走に「ハメられています」
2011年04月30日映画『阪急電車片道15分の奇跡』の完成披露会見&舞台挨拶が、兵庫県の宝塚大劇場「兵庫県・キャパ2500」にて開催され、中谷美紀、宮本信子、南果歩、谷村美月という豪華女優陣が出席した。「図書館戦争」シリーズ(アスキー・メディアワークス刊)やドラマ化もされた「フリーター、家を買う。」(幻冬舎刊)などで知られる有川浩の人気小説「阪急電車」(幻冬舎刊)を映画化した本作。えんじ色の車体とレトロな内装で知られ、大阪・神戸・京都を繋ぐ阪急電車の中でも、特に阪急今津線とその沿線の街を舞台にした心温まる群像劇が展開する。タカラジェンヌ、そして宝塚歌劇のファンにとって“聖地”宝塚大劇場は、阪急電車沿線のシンボルともいえる存在で、史上初めて、この宝塚大劇場を会場にして映画の会見と舞台挨拶が執り行われた。舞台挨拶では、現役の駅長(西宮北口駅統括駅長・山田憲太郎氏)による呼び込みで、キャスト陣は特製の“阪急電車”に乗って登場!会場は拍手と歓声に包まれた。中谷さんは「ご存知のとおり、いま、日本では苦しい思いをしていらっしゃる方がたくさんおりますが、おそらく本日来ていただいた方の中にも、15年前に同じ痛みを味わった方がたくさんいらっしゃると思います。阪急電鉄も震災の際に、大変な被害を受けたと聞いております。地元のみなさまのご協力を得て、また、阪急電鉄のみなさまの努力により復興がかなったとお話をうかがいました。この作品は、阪急電車を舞台にした、人と人とのふれあいと優しさをみなさまにお伝えできる映画だと思っています。いま、この時期だからこそ、本当に喜んでいただける作品ではないかと思っております」と思いを語った。宮本さんは「4年ぶりの映画でした。この大劇場で完成披露させていただいて、この阪急電車の素晴らしい電車の前で記念すべきものだと思っています。撮影の折には、たくさんのエキストラに応募していただいて、本当にお世話になりましたし、関西の総力を挙げて作った映画だと思っております」と感謝を口にし、さらに「日本の底力、東北の底力を結集して、長い道のりがかかると思いますが、1日も早くぜひ立ち直っていければと祈っております。この阪急電車から、西の方から東北に向かってエールを送りたいものです」と力強く語った。南さんも、15年前の阪神・淡路大震災に触れ「15年前のときは、宝塚大劇場も被害にあって、公演ができなくなりましたが、こうして新しい劇場になり、たくさんの方々で席を埋め尽くされ、また街が賑わい、お店が賑わい、また人が集まる場所となりました。この15年前の姿、そしていまの姿、それはきっと東北の目標となる姿であり、いい先輩だと思います」とコメント。客席に「神戸のように、元気になれるで」と書かれた垂れ幕を見つけ「ありがとう。そう思います。この関西の元気を少しでも、北上させるように、私も努めてまいりたいと思います」と誓った。「震災のことは自分の言葉でどう言えばいいか、さっきまですごく悩んでいました」と切り出した谷村さん。「ただ、自分にできることは、小さいことかもしれませんが、節電だったり、いまできるお芝居…少しでも心に残る作品に出て、いまやるべきことをきちんとしようかと思います。この映画が上映している間は、少しでもハッピーになれるように楽しんでいただければと思います」と会場に駆け付けた人々に語りかけた。『阪急電車片道15分の奇跡』は、4月23日(土)より関西先行公開、4月29日(金・祝)より全国にて公開。■関連作品:阪急電車片道15分の奇跡 2011年4月29日より全国東宝系にて公開© 2011「阪急電車」製作委員会■関連記事:【沖縄国際映画祭】中谷美紀、涙をこらえ沖縄から被災地へエール!木村祐一監督、次回作の主役はスリムクラブ!?「M-1取るまでの軌跡を描きたい」『阪急電車』で天才子役・芦田愛菜が宮本信子の孫に!阪急沿線で撮影スタート丸刈りで登場の加瀬亮戸田恵梨香の暴走に「ハメられています」
2011年03月31日