近年、子どもを取り巻くお金の環境が大きく変わったことで、学校教育でも間もなく「お金の教育」がはじまります。日本はようやく国としてマネー教育に本腰を入れることになったのです。では、海外のマネー教育とはどんなものなのでしょうか。マネー教育の第一人者である横浜国立大学名誉教授の西村隆男先生にお話を聞きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)いまの日本にもマネー教育はあるが……間もなく実施される新学習指導要領による公教育には、いわゆるマネー教育が組み込まれることになりました。とはいえ、現在も学校においてマネー教育がまったくされていないわけではありません。ひとつは日本銀行が組織している金融広報中央委員会によるもの。金融広報中央委員会のかつての名称は貯蓄増強中央委員会。もともとは、戦後間もない頃に、国民に貯蓄を奨励し、お金を財政と企業融資に使って日本の産業拡大を図るための組織でした。「貯蓄は美徳だ」と国民を教育していたわけです。現在も傘下の組織が各都道府県にあります。主な活動は、小学校、中学校、高校向けのマネー教育の教材をつくること。それから、金融・金銭教育研究校を指定して、「かしこい消費者になり、かしこい買い物をする」という教育をおこなっています。子どもの頃に通っていた学校が、「子ども銀行」の活動をしていたという方もいるかもしれません。それも金融広報中央委員会によるマネー教育の一環です。もうひとつは最近のものです。2012年に消費者教育推進法という法律が制定されました。これは、自分のためだけではなく、「世のなかのためにもいい買い物をしよう」という教育をおこなうための法律です。「世のなかのためのいい買い物」とは、たとえば持続可能な社会をつくるために環境にいいものを買う、あるいは人権のことも考えてフェアトレード商品を買うといったものですね。この法律により、現行の学習指導要領でも家庭科や社会科の学習内容に「消費者教育」という名称でマネー教育が盛り込まれています。たとえば、小学3年生なら、社会科の勉強として商店街や小売店のお金の流れやそこで働く人の視点を学ぶ。これも広い意味ではマネー教育といえます。欧米の教育は「生き方教育」とはいえ、授業時間全体からすれば日本のマネー教育はごく限られたものです。では、海外のマネー教育はどうなのかというと、特に欧米では日本よりもはるかに進んでいるといっていいでしょう。そのちがいは、教育そのもののとらえ方によるところが大きいと感じています。日本の中央集権的な教育の目的は、健全な勤労者を育てて経済のパイを大きくしようとするもの。いわばエリート養成のための「知識注入型教育」が中心です。一方、もともと子どもに自立心や権利意識を持たせることを重視する欧米の教育は「生き方教育」といえます。そのため、特に北欧の教育では、手に職を持たせるという意味もあってか、「ものづくり」を重視する。それどころか、小学4年生になると自分で仕事をつくって生活していくための「起業家精神」を教える授業もあるほどです。そういう教育ですから、当然、マネー教育にも力を入れています。スウェーデンでは子どもたちに生活設計をさせる授業があります。収入がいくらで家賃がいくらで、毎月いくら貯金できるとか、利息が○%だから年末には預金がいくらになるというふうに生活設計をさせる。しかも、面白いことにこれが算数の授業なのです。フィンランドでは図工の時間に広告をつくるという授業を視察しました。図工の授業とはいえ、ただのアートでは終わりません。子どもたちは「これなら商品が売れるだろう」と考えた文言を広告に入れる。売り手がどのように買い手を誘導しようするのか、マーケティング戦略を学ぶわけです。さらに、今度は消費者サイドに立ってそういう戦略に乗せられないための方法を学んでいました。求められる「実生活に根ざした教育」アメリカのマネー教育もわたしのなかでは強く印象に残っています。わたしがアメリカでマネー教育の視察をしたのは1987年頃。少し古い話になりますが、逆にいえばアメリカでは少なくとも30年以上も前から積極的にマネー教育がおこなわれていたということになる。さて、肝心の授業内容です。当時のアメリカは小切手社会でした。すると、小学生が小切手を切る授業を受けていたのです。子どもが「$100」と小切手に書いたら、先生は「それじゃ、駄目だ」という。ただ「$100」と書いたのでは、線を書き足されて「$400」にされるかもしれないし、0をふたつ加えて「$10000」に書き換えられるかもしれませんよね。不正防止のために「$100と書いたら、その下に『one hundred dollars』と書きなさい」と指導するのです。完全に実用的な内容でした。また、高校生になると、中古車ディーラーで車を買うシミュレーションをおこなう授業もありました。走行距離や事故歴、燃費など、車を買うときになにをチェックするべきかを教える。それこそかしこい消費者になるための教育をしているわけです。これは「コンシューマーエコノミクス(消費者経済学)」という教科の授業でした。独立教科でマネー教育をするアメリカ、さまざまな教科で横断的にマネー教育をするヨーロッパというちがいはありますが、学校でリアル経済を教える点では共通しています。そうして、子どもを社会のなかで自立した人間に育てることこそが教育だという思考があるのでしょう。二次関数や因数分解、微分積分を学んで数学の面白さに目覚めた子どもが数学者やエンジニアを目指す――そんな教育もたしかに大事なものでしょう。でも、日本の教育にももっと実生活に直結する内容が必要とされているのかもしれません。『子どもにおこづかいをあげよう!』藍ひろ子 著・西村隆男 監修/主婦の友社(2014)■ 横浜国立大学名誉教授・西村隆男先生 インタビュー一覧第1回:「子どもにお金はまだ早い」ではなぜダメなのか。マネー教育不足はこんなにも危険だ第2回:遅れが著しい日本の「マネー教育」。日本の子どもは“社会のなかで自立”できるのか?第3回:「会議・交渉・契約書」で自己肯定感が育つ。子どもをぐんと伸ばす“おこづかい”のあげ方(※近日公開)【プロフィール】西村隆男(にしむら・たかお)1951年生まれ、東京都出身。横浜国立大学名誉教授。経済学博士。高校教諭を経て、横浜国立大学教育学部で25年教壇に立つ。研究テーマは金融教育、消費者教育、パーソナルファイナンス(家計財務管理)など。金融広報中央委員会委員、金融経済教育推進会議委員、前日本消費者教育学会会長。著書に『消費者教育学の地平』(慶應義塾大学出版会)、『社会人なら知っておきたい金融リテラシー』(祥伝社)、『子どもとマスターする46の金の知識』(合同出版)など。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年03月29日日本という国で育つ子どもたちが、学校教育を受けはじめるのは誰もが小学生になってから。でも、生きていくうえで欠かせない「お金の教育」に関しては、はじまる時期もその内容も各家庭の方針によってまちまちです。正解がないだけに、マネー教育に関して悩んでいるという親御さんも少なくないでしょう。アドバイスをしてくれたのは、マネー教育の第一人者である横浜国立大学名誉教授の西村隆男先生です。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)ようやく動きはじめた日本のマネー教育これまでの日本には「マネー教育」というものは存在しなかったというと、やや語弊があるかもしれませんが、あたらずといえども遠からずという状況でした。それは、日本人の国民性によるものでしょう。古くは日本ではお金は不浄のものと考えられ、家庭の話題に上げない、子どもは口を出すべきではないものとされてきました。お金に対してそういう感覚を持たされ育てられたのがいまの親世代です。ところが、ここ数十年でお金をめぐる状況は一変しました。最近ではキャッシュレス決済が急激に拡大しています。小学生でもスマホを手にしているいま、塾に行くにも「Suica」「ICOCA」などの電子マネーを使って電車に乗る。コンビニでちょっとしたお菓子や飲み物を買うにも電子マネーで支払う。子どもが使うお金を親がコントロールするためです。また、わたしのような60代くらいの世代だと、クレジットカードにはまだ若干の抵抗感があるもの。つい「借金」と考え、罪悪感があるわけです。でも、いまの親世代にとって、クレジットカードはひとつの決済ツールに過ぎません。借金だとは考えず、スーパーで500円の買い物をするにもクレジットカードを使います。こうして、子どもだけではなく、親世代にも現金が見えにくくなっているのです。もちろん、利便性という点ではほんの20年あまりの間に飛躍的に進化したと見ることができるでしょう。でも、まともにマネー教育を受けてこなかった世代が親になっているわけですから、その利便性の裏には子どもに対する大きな危険も潜んでいます。かつては「金融商品」なんて言葉は存在しませんでした。「株取引をしている」などというと、ギャンブル的な意味合いをもってさげすまれるような印象すら持たれたものです。ところが、ネット証券が広まって「金融商品」という言葉が一般的になり、最近では仮想通貨なんてものも出てきた。「マネーゲーム」という言葉も使われるほどです。それこそ、現金が見えにくくなっている時代に育った子どもがゲーム感覚でマネーゲームに走るようになったらどうするのか――。こうしてようやく日本でも、国策としてマネー教育を進めていこうとする動きが出てきたわけです。マネー教育開始は早ければ早いほどいいしかも、子どもたちがお金をめぐる問題に巻き込まれる危険性はこれからさらに拡大することも考えられます。その要因は成年年齢の引き下げです。明治時代から約120年にもわたって20歳だった成年年齢は、2022年4月から18歳に引き下げられます。18歳になれば高校生であっても自由に契約をすることができる、クレジットカードをつくることもできる時代になるのです。それを受けて、新しい学習指導要領は、高校卒業までに子どもたちに契約意識を持たせる内容になっています。ただ、新学習指導要領に基づく教育がはじまるのは小学校で2020年から。中学校では2021年、高校では2022年からです。高校を卒業してすぐに成人となる2019年度の高校1年生からは前倒しでその教育かおこなわれることになっていますが、それでもやはり遅すぎるように感じるのです。マネー教育をはじめるのは早ければ早いほうがいい――。それがわたしの考えです。それこそ、小学校でマネー教育がはじまる前から家庭ではじめておくべきでしょう。ものの価値もわからない、自分で買い物をした経験もないのに、小学校で売買契約の基礎を教えるといっても難しいというものです。しかも、幼い子どもにマネー教育をするにも現金を使うべきですね。実際に小銭を持って、10円玉10個が100円玉と交換できるものだということを感じたり、あるいは自分で買い物をして支払う金額を間違ったりする経験によって、お金がどういうものかを実感できるようになるからです。実体験としてお金を使ってみないとわからないこともあるはずです。学校でマネー教育をはじめるといっても、教室でシミュレーションするのではピンとこないこともあるでしょう。「魚が切り身のかたちで泳いでいると思っている子どもがいる」という笑い話がありますが、マネー教育も内容次第ではそれに近いことも起こり得るはずです。マネー教育不足が引き起こすさまざまな問題仮にマネー教育をまったく受けないまま大人になると、さまざまな問題に見舞われることが考えられます。何枚もクレジットカードをつくって多重債務を抱えて破産するというのもそのひとつかもしれません。また、現在、大きな問題として取り上げられるのが「奨学金破産」です。連帯保証人になっていた親が病気になるなどして、親が破産するというケースも見られます。まして少子高齢化がますます進むこれからは、老後の生活をイメージして個人でも年金をつくらないといけない時代になる。いま、大企業で必ず導入しているのが確定拠出年金です。個人型だろうと企業型だろうと、その企業に就職すれば必ず加入することになる。大学を卒業した途端に資産運用について選択を迫られることになるのです。どの投資信託にするのか、元本保証の預金にするのか、それとも別の選択肢にするのか……。それぞれがどういうものか理解できなければ、自分の将来を自分で決められないことになってしまいます。あるいは、振り込め詐欺の片棒を担ぐようなことにもなりかねません。「簡単に稼げる」といった犯罪の誘いに乗ってしまうのは、地道に稼いだお金を有効に使うとか、ある程度節約した生活をして計画的にお金をためるといった長期スパンでお金のことを考える姿勢が身についていないからです。公教育でマネー教育がはじまるのはこれから。その教育に臨む姿勢をつくってあげるのは家庭に他なりません。そのために大切だとわたしが考えているのが、「お手伝いの対価としておこづかいをあげる」ということ。責任を持って手伝いという自分の仕事(役割分担)をしてはじめてお金を得る。その経験を幼い頃からさせるのです。「まだ子どもだから」とお金に関する話を子どもに対してシャットアウトしてはいけません。むしろ、子どもだからこそ、きちんと導いてお金に触れさせてあげるべきです。そうでないとお金に対する正しい意識が育たず、将来、自立できない人間になってしまうことを親御さんには意識してほしいと思います。『子どもにおこづかいをあげよう!』藍ひろ子 著・西村隆男 監修/主婦の友社(2014)■ 横浜国立大学名誉教授・西村隆男先生 インタビュー一覧第1回:「子どもにお金はまだ早い」ではなぜダメなのか。マネー教育不足はこんなにも危険だ第2回:遅れが著しい日本の「マネー教育」。日本の子どもは“社会のなかで自立”できるのか?(※近日公開)第3回:「会議・交渉・契約書」で自己肯定感が育つ。子どもをぐんと伸ばす“おこづかい”のあげ方(※近日公開)【プロフィール】西村隆男(にしむら・たかお)1951年生まれ、東京都出身。横浜国立大学名誉教授。経済学博士。高校教諭を経て、横浜国立大学教育学部で25年教壇に立つ。研究テーマは金融教育、消費者教育、パーソナルファイナンス(家計財務管理)など。金融広報中央委員会委員、金融経済教育推進会議委員、前日本消費者教育学会会長。著書に『消費者教育学の地平』(慶應義塾大学出版会)、『社会人なら知っておきたい金融リテラシー』(祥伝社)、『子どもとマスターする46の金の知識』(合同出版)など。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年03月28日ベストセラー書籍 『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』 の著者、のじまなみさんにインタビュー。性教育アドバイザーでもあるのじまさんは「セックスを伝えることは最大の防犯になる」と断言しています。最大のタブーを親子間で共有することは、後々のコミュニケーションにも役立つはず。子育ては長期間に及ぶものなので、リスク管理は欠かせません。第二回目の記事では「具体的な性教育の仕方」をお伝えしましたが、なかなかハードルは高いけれど、それでもトライするメリットが多大にあるということはおわかりいただけたのではないでしょうか。そして今回は、「性教育によってもたらされるもの」についてです。のじまなみ さん性教育アドバイザー。「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会」理事長。防衛医科大学高等看護学校卒業後、看護師として泌尿器科に勤務。自身にも三人の娘がおり「子供達が危険な性の情報に簡単にアクセスできる世界にいる」ことに危機感を抱き、2016年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】アカデミー」を設立し、その後協会を立ち上げ、国内外のお母さんたちに性教育を伝えるべく、日々飛び回っている。 とにかく明るい性教育 パンツの教室協会 のじまなみ ブログ ■性教育は最大の防犯教育である「セックスは素晴らしいもの。でも不用意な妊娠を防ぐためには、避妊の方法も同時に伝えなければいけません」とのじまさん。男女関係なく、性被害は起こりますが、妊娠については、男の子側と女の子側と受けるダメージは違ってきます。前回の記事でもお伝えしましたが、なぜ不用意にセックスをしてはいけないのか、若いうちに妊娠するとどうなるのか、と言うことも含めて包み隠さず話すことが大切です。セックスに対して興味を持つのはごく当たり前のこと。「興味本位ではなくて、セックスの先に伝えたいことを考えるといいと思います。性教育は子どもの笑顔と未来を守るものであり、恥ずかしいことではない、とお母さんが自身に言い聞かせながら、やってみてください」のじまさんによると、性教育を受けている子はセックスの初体験の年齢が上がるというデータもあるそうです。聞けば聞くほどに重要性を持つ性教育ですが、ここで素朴な疑問をもう1つ、のじまさんにお聞きしました。―― これまではお母さんが行うことを基本としてお話が進んできましたが、では、お父さんは性教育にどのように関わってもらえばよいのでしょうか?「ここまでお話ししてきたことからもお分かりいただけるように、性教育は“待ったなし”です。私自身は父親に性教育を受けましたが、基本的にはお母さんが取り組んだほうが良いと思っています。なぜなら、それが一番の近道だからです。繰り返しますが、性教育は“待ったなし”です。いつ我が子が性トラブルに巻き込まれるか分からないのです。 これまで私は4,000人のお母さんに性教育の手ほどきをしてきましたが、親からきちんと性の話を受けたことがあるのはたった4人、つまり全体の0.1%です。お父さんはそれ以上に性教育を受けてきていません。今のお父さんたちは『いずれ知るだろう』というスタンスで、内心子どもを心配していても言えることがない。お母さん自身が、性教育のハードルを乗り越えることに加えて、お父さんの意識まで変えようとするのは、正直言ってなかなかしんどいです。つまり“時間がかかるの”です。まずはお母さんから性教育をはじめれば、自然と家庭内で性教育に対する前向きな意識が育っていくでしょう。もちろん、お父さんが積極的に性教育に関わるのに越したことはありません。でも、最初は“参加してくれたらラッキー”くらいに構えているとよいかもしれませんね」なるほどの意見! 過剰に期待せずに、でんと構えてもらい、夫婦として基本的な考えを合致しておけば、子どもも安心ですね。ちなみに、すでに独自で性教育している方で、今回お聞きしたお話のようにできていなかったと言う方もいらっしゃると思いますが「心配はありません」と、のじまさん。「マイナスの性教育をしてしまった場合は、2倍の性教育をして肯定してあげることです。何しろ自己肯定感を育てることが大切です」自己肯定感を育むということは、子育てにおいては肝となるべきこと。「性」だけを切り抜かず、子育て全体の中のひとつとして捉えて見てはどうでしょうか。■性トラブルは身近にゴロゴロ転がっている!性教育については、ちょっと怖い話も伺いました。「これまでは知らない人からの危険を回避する、というお話でしたが、実は知っている人からの性トラブルも多いという現実があります」。これはなかなかに怖い話。身近な人間からの性トラブルは、子ども自身、母親に話すことを躊躇してしまいそうですが、日頃からなんでも話せる関係性を作っておけば回避できそう。子どもにとって、味方なのだ、ということを常に伝えておくことで安心させるといいのかもしれません。また、ネットが発達した最近では、ライン婚やSNS婚なども増えてきているのだそう。人と人との可能性、出会いも広がりましたが、気軽に人間関係も繋がれるということは、リスクもその分強まったことにもなります。危険はあちこちに転がっているということ。決してそれは、他人事ではないのです。母親として未然にトラブルを防ぐこと。性教育は必須の教育なのだということがわかるでしょう。■アイデンティティーの強要社会性教育の話の延長で、のじまさんが現代の「子育て」の変化について実感していることも話してくれました。「ここまでは子どもへの話でしたが、デジタル時代になって生きづらくなったのは大人も同じ。SNSが広がったことで、得られる情報は増えたけれど、余計な情報も知ることになりました。そのことによって、人は無理やり『アイデンティティ』を持たないといけなくなった。それは子育て中のお母さんにとってマイナスになることもあります」支持されるのは、“素敵なお母さん”。おしゃれなファッションをして、スタイリッシュな家具に囲まれ、家事も上手で、教育にも熱心。比べてはいけない、と思いつつ自分と比べてしまうのが人間の心理というもの。このような必要性が問われる情報が、母親自身の自己肯定感をも奪ってしまう、とのじまさんは指摘しています。筆者も育児と仕事の両立で悩んで挫折した経験があるのですが、その頃はまだそんなにSNSを使ってない時代でした。あの時にSNSがあったらと思うと正直、ゾッとすることもあります。「気にしない」「私は私!」と強い自分を持つこと。そのままの自分を認めてあげること。子どもを大切にできるのは、自分を大切にすることができるお母さんなのではないでしょうか。そういう意味でも、性教育から「自己肯定感」を育むことは、お母さんにとっても得るものはとても大きい。■お母さん同士で共感する時代へ!性について、セックス、生理、命が生まれること。今回ののじまさんのお話は、どれをとっても心を掴まれる事柄ばかり。堂々と性教育していきたいものです。確かに、性教育をすぐにしようと思っても、いくつものハードルがあり、なかなか手がけられないというお母さんもいるかもしれません。日々、性教育の他にたくさんやらなければならないことがあり、なんでもお母さんへ負担がのしかかってしまっている現実はありますが、こういう時こそ、お母さん同士で繋がり、必要なことをシェアしてみてはどうでしょうか。タブーなことからは見て見ぬ振りをして、踏み込まなかった時代から、タブーを打ち破り、共感しあう時代へ。今こそ、お母さんの意識改革の時なのかもしれません。
2019年03月25日性教育アドバイザーで、 「お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!」 の著者であるのじまなみさんに、「性教育」についてお話を伺いながらご紹介する連載の2回目です。前回は日本の性教育の実態を伺い、なぜ性教育が必要なのか、その危険性について述べました。今回は、具体的な性教育の実践法についてご紹介したいと思います。のじまなみ さん性教育アドバイザー。「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会」理事長。防衛医科大学高等看護学校卒業後、看護師として泌尿器科に勤務。自身にも三人の娘がおり「子供達が危険な性の情報に簡単にアクセスできる世界にいる」ことに危機感を抱き、2016年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】アカデミー」を設立し、その後協会を立ち上げ、国内外のお母さんたちに性教育を伝えるべく、日々飛び回っている。 とにかく明るい性教育 パンツの教室協会 のじまなみ ブログ ■性教育は、子どもの「自己肯定感」を育むために必要まずは前回触れた、のじまさんによる性教育の3つのメリットについてお話ししていきましょう。1、自己肯定感が高まり、自分も人も愛せる人間になる2、性犯罪の被害者・加害者にならない3、低年齢の性体験・妊娠・中絶のリスクを回避できる1、自己肯定感が高まり、自分も人も愛せる人間になる1 についてですが、日本の子どもは、世界有数の先進国であるのにも関わらず、自己肯定感が低いと問題視されています。深刻なのは、10代の死因のトップが自殺であること。背景にあるのがこの自己肯定感の欠如だ、とのじまさんは指摘しています。「性教育を通じて、あなたは奇跡が重なって生まれてきたのだ、ということを伝えると、子どもは『愛情』を受けとり、エネルギーにしていくことができます。そして、子どもの自己肯定感を育むことで、親子間のコミュニケーションがスムーズになり、深い絆で結ばれるようになります」2、性犯罪の被害者・加害者にならない2 の性犯罪については、筆者が 「SEIJUKU」 (セイジュク)という性教育ワークショップを始めた理由とも重なっています。社会のトラブルの根幹にあるのは性問題。そのことから身を守るには、きちんと性について知ることが親子で必要だと考え、興味のある方同士でセッションを始めたのですが、この中でよく話題に上るのがいつ自分の子どもが加害者に、被害者になるかわからないという不安についてです。「まだまだ子どもだから」と思っているうちに、子どもはどんどん外からの情報を得て、親が感知できない知識を増やし、危険な領域に入っていきます。善悪を見極められるようになるまで、大人が正しい知識を持ってストップをかけなければいけません。「覚えておきたいのは、性犯罪の被害者は女の子だという思い込み。実は被害者の4割は男の子だという事実です。男の子を好む小児性愛者は一定数おり、とても陰湿です。性犯罪にあった子の精神ダメージは計り知れません。お母さんが積極的に防犯に関わり、女の子も男の子も性犯罪から、身を守る方法を教えてあげてください」3、低年齢の性体験・妊娠・中絶のリスクを回避できる3 の不用意な妊娠については、誰もが避けたい大きな関心事ではないでしょうか。ただ、ここで重要なのはセックスを語らずに性教育はできないということ、とのじまさん。「セックスについては常に説明できるように準備しておく必要があります。そして、今どうしてセックスをしてはいけないのか、デメリットとメリットをお母さんの口から伝えることが重要です。思春期のセックスへの興味本位による行為を防ぐためにも、きちんとした知識を、明確に伝えてください」■性教育は、何歳の時に、何から始めるか3大メリットについては子育てにおいてとても重要であることはご理解いただけたと思います。早速始めいところですが、気になるのが性教育をスタートする年齢です。のじまさん曰く性教育をスタートさせるのに適しているのは「3歳」だというから驚き。「私は、子どもたちが、まだうんこ、おっぱい、ちんちん、が大好きな年齢である3歳から10歳の下ネタ全盛期の時に行うべきだと考えています」性を本格的に意識しないうちに始めるというところがポイント。のじまさんによると、精神分析学の創始者として知られるフロイトが研究した発達段階から考えても3歳から10歳は性教育の適齢期に当てはまると言います。「フロイトの説では、母乳などから栄養を得ることが快感の『口唇期』をへて、幼児はトイレトレーニングがうまくいくようになる『肛門期』に移ります。そして、幼稚園から小学校入学前くらいになる『男根期』を迎え、男の子と女の子の体の違いに気づく。男の子が自分のおちんちんを触ったり、興味を示す頃ですね。この子どもが自分の体に興味を持った時にこそ、声をかけましょう」ここで、のじまさんにある疑問をぶつけてみました。―― 家族構成や、兄弟の有無、一番めか二番目か、そして気になる男の子と女の子では、性教育の仕方は変えたほうがいいのでしょうか?「男の子と、女の子でも基本的には同じことを話します。男の子の体と女の子の体の違いをお互いに知らないと、相手のこともいたわれませんし、自分の身も守れません」男女の違いで大きいのはちんちんとおっぱいなど、体のつくりが違うこと。そして、外せないのが生理のことでしょう。お母さんの中には、異性である男の子に生理の話をするのを躊躇してしまう、という方もいると思います。けれど、生理があって初めて子どもができるのです。そのことを知らずに、ナプキンを持っている女の子をからかうようになっては、お互いに傷ついてしまい、生理が『悪者』として捉えかねません」「よく性教育のデメリットを気にされるお母さんもいらっしゃいますが、性教育を知らない子ほど、外で大人をからかったり、他人との距離を測りかねて、土足で踏み込んだりします。パーソナルゾーンに入ってしまうのは知らないからです。女の子には毎月の生理を楽しみにさせられるのはお母さんの力です。男の子には、毎月生理が女の子にはあり、いたわるように教えてあげる。お互いのことをきちんと理解できれば、やさしい子どもたちに、そしてなんでも話せる親子関係を築くことができますよ」■性教育の伝え方にも順番がある!性教育は、男女の体の違いから、同じことを男の子にも女の子にも始める、ということはお分かりになったと思います。その後は、どんな順序で伝えていけばいいのか、のじまさんに伺ってみました。「まずは体の違いそして次に命の話、最後に防犯の話。この順序ですね。命の話というのは『赤ちゃんはどうやってできるか』というセックスの話です。最初はわからないことも多いと思いますが、話をしているうちに、ちゃんとそれぞれが繋がるようになり、自分で理解できるようになります」性教育を実践するには、まずはお母さんがペニスやセックス、膣といった言葉を恥ずかしがらずに言える必要があります。そのほかに、男の子のマスターベーションや精通についてもお母さん自身が理解していなければいけません。生理や精通を迎えるということは、体の成長の証でとても喜ばしいこと。とはいえ、あれこれ一気には伝えられませんから、焦らず少しずつ伝えていってみてください。「体の話の時に、ぜひ伝えていただきたいのが体にはプライベートな大切な場所・水着ゾーンがあるということです。人には見せても、触らせてもいけない大事な場所があるということを具体的に説明することで、身を守る基準を教えることができます。もし突然身の危険が迫っても、子ども自身がはっきりと『NO』と断ることができるように教育することが大切です。見知らぬ人だけでなく、友達同士でも水着ゾーンに対しては踏み込んではいけないということも教えてください」ちなみに私が娘二人に性教育を始めたのはお風呂の時間です。とっても大事なところである『おまた』を洗おうというデリケートゾーンコスメを使うところから始めました。私はついついお風呂にこだわって話していましたが、「お風呂でももちろんよいと思いますが、場所やシーンは特にこだわらず、日常的に話ができるようになると、性教育のハードルも下がると思いますよ」とのじまさん。ご飯を食べている時や、くつろいでいる時など、さりげない日常に挟み込むことができるようになれば、お母さんの方もよし、やるぞ! と構えなくて済むようになりそう。また、のじまさんは繰り返し伝えることが重要だと言います。「いろんなパターンで、やるなら徹底的に行うことです。1度で済む話ではないので、繰り返し行い、子どもの中で繋がるように話していくことが大事です」性教育をしていくイメージ、少しは浮かんだでしょうか。難しく考えることはなく、わかりやすく少しずつ、長い時間をかけて伝えるということだと思います。そして、この性教育というのは、現代社会を生きるお母さんにとっても実は大きな意味のあることなのです。このことについては、次の3回目で詳しく述べたいと思います。
2019年03月24日先日、実に興味深い本が発売されました。それは 「お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!」 というショッキングなタイトル。これは、父親から性教育を受け、パンツの教室協会理事として日々奔走していらっしゃるのじまなみさん著書による性教育の本です。これが今、売れに売れているのだそう。表立っては「悩んでいる」とは言えない。けれど、この本を手に取る人がたくさんいると言うことは、つまり、のじまさんが投げかけたこの言葉、この不安要素は、子育て中のママの核の部分に刺さった、ということではないでしょうか。のじまなみ さん性教育アドバイザー。「とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会」理事長。防衛医科大学高等看護学校卒業後、看護師として泌尿器科に勤務。自身にも三人の娘がおり「子供達が危険な性の情報に簡単にアクセスできる世界にいる」ことに危機感を抱き、2016年「とにかく明るい性教育【パンツの教室】アカデミー」を設立し、その後協会を立ち上げ、国内外のお母さんたちに性教育を伝えるべく、日々飛び回っている。 とにかく明るい性教育 パンツの教室協会 のじまなみ ブログ ■「性教育」は子どもたちを危険から守る手段情報氾濫時代。私たちは今、インターネットを通して、あらゆる情報に常に囲まれ、監視し、されながら日常を過ごしています。これはここ10年くらいのこと。スマホやパソコン、タブレット、ゲーム機などは、もはや現代人には欠かせない生活必需品です。でも、ここからどんどん「性」に対しての情報は発信されています。こんなに身近に「性」に対するモノやコトが手に入ってしまうのは、じつはとても怖いこと。特に、子育て中のママたちにとって、これは驚異以外の何者でもありません。一方で、私たちはその「リスク対策」をきちんと取れているでしょうか? そのために今、必要なのは、これまで“なあなあ” にされてきた「性教育」という教育です。これが、親自身にとっても子どもたちにとっても「危険から守る手段」になるのです。子育ての一般常識が30年前とは全く違うように、性教育もまた、新たなステージにきています。■「まだ早い」は「もう遅い」! 性教育は何歳から?筆者は、小さい頃から二人の娘に性教育をし始め、数年前から性教育ワークショップ「SEIJUKU」と言うグループを主宰しています。性教育に関心が高いママたち同士で、性教育についての情報をシェアする活動を行なっているのですが、そのセッションでも、それぞれのママが非常に不安を抱えていることが浮き彫りになっています。ママ自身が受けてきた性教育もバラバラ、性教育の指針がなく、どうやって伝えてよいのかわからない、迷っている人がとても多いという現状は、思ったよりも深刻なのでは? と感じています。ちなみに、のじまさんの話によると、ユネスコが2009年に発表した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」では「性教育の開始年齢」が設定されており、なんと5歳だといいます。そして、のじまさんが行なっているパンツの教室では、「3歳から10歳の間に行うべし!」と伝えています。この年齢を聞いて、みなさんはどう思いますか?そんな世界の指針を尻目に、日本の性教育の現状といえば、全く進んでいない、と言ってよいでしょう。1990年に入りHIV問題が起きた時に、慌てて性教育を推進する動きが始まりましたが、すぐにバッシングが起こって、それ以降は後退する一方。政府も統一した指針は示さず、学校によって応対もバラバラ。熱心に性教育しようとする先生がいれば、それが問題視されると言うネガティブな方向へ進んでしまう。人の前では性教育の話はしてはいけない、それは学校でも同じ。タブー視されているのが「性教育」なのです。「日本でまだまだの性教育事情。なのに、その一方で日本は『性産業先進国』と、なんとも恥ずかしい汚名をいただいています。世界のポルノの6割は日本で生産されており、コンビニでは子どもの目線の高さに堂々とHな本が置いてあります。活発になったインターネットは、子どもと誤った性の情報を簡単につなぎ、子どもが性の対象になった事件を伝えるニュースは、毎日のように聞こえてきます。ママたちも一度はヒヤッとした経験があるのではないでしょうか?」と、のじまさんは警鐘を鳴らします。■「うちの子に限って」が起こり得るスマホやタブレット、ゲームは子育て中のママにとってはありがたいツールです。働きながら子育てをして家事も担って、そして最近では受験する子も増えています。何もかもがママたちの肩にのしかかってきて負担が大きい今の社会で、『ちょっと子どもに動画を見てもらってひと休みする』ことをダメだとは言えないでしょう。しかし、ここに恐ろしいリスクが潜んでいると言うことも自覚しなければいけません。のじまさんによると、2歳でもYouTubeからアダルトサイトに飛んでHな動画を目にしてしまった、と相談してくるケースはたくさんあるといいます。わずか2歳。「まだまだ赤ちゃんだから」と、うかうかしてはいられません。「それだけではありません。自分の裸の動画を撮って相手に送る、と言ったトラブルも多数報告されています。もちろん、撮りたくなるような仕掛けをされているので、子どもにはなんの罪もありません。子どもは面白いからやってしまう。そこにどんな危険があるか知らないから、そうしてしまうだけ。気をつけることができるのは、身近なお母さんしかいないんです」これらはなぜ起こってしまうのか?「交通ルールと同じです。教わっていないから。誰かがストップをかけて、イエス、ノーの判断を教えなければならないのに、教えられる大人が少ないんです」学校で教えられる性教育は20年前から何も進んでいないと言われています。また、教える内容も学校によってバラバラだし、4年生の保健体育では時間数も少なく、肝心なことは教えてくれません。そう、そもそも“母親が性教育について何も知らない状況では、何も始まらない”ということなのです。「性教育にはメリットしかありません!」とのじまさんは力強く断言します。その3大メリットは以下の3つ。1、自己肯定感が高まり、自分も人も愛せる人間になる2、性犯罪の被害者・加害者にならない3、低年齢の性体験・妊娠・中絶のリスクを回避できる子育てに悩むすべての女性が、どきっとさせられる事ばかりです。この3つを読むだけでも、性教育の必要性を感じていただけたのではないでしょうか。詳しくは2回目の記事で「では、性教育を具体的にどう行なっていくべきか」を含め、詳しく触れます。
2019年03月24日どうもあかりです。いきなりですが、「無償の愛」の素敵なところって、軽いのに一番届くところだと思うんです。「見返りにこれがほしい」とか「これをきっかけに好きになってほしい」とかそういうやましさがないおかげで、ビシッと彼に届きます。逆に「重い」気持ちが届かないのは、「あなたを愛したぶん、私を愛して」的な狙いがバレバレだからですね。コレ、大事なこと言ったので、覚えておいてくださいね。ということで今日は、身近で手軽な方法で「無償の愛」を彼に伝えるコツをご紹介します。愛情を伝えて、なんならついでにメチャ愛されたい。そんなときに使ってみてください。■伝えるコツ1:相手を想っての行動を、あえて「言わない」もしも彼に何かをやってあげるときには、それをあえて「言わない」ようにするだけで、もう立派な「無償の愛」です。例えば彼がお泊りにやってきたとき。事前に「パジャマ買っておいたよ」と伝えておくのもそれはそれでいいけれど、彼が来て、お風呂に入っていつものテキトーなジャージを着ようかと思ったところで、バスタオルの横に置かれている「明らかに俺用の」新品パジャマに気が付く。その瞬間の感動ったらないと思います。またそれ以外にも、彼の脱いだコートをかけておいたり、脱いだ服を畳んでおいたり、彼が以前「これおいしい」「これ好き」と言っていたものをこっそり冷蔵庫に入れておいたり・・・な。「彼が喜びそうなことをしても、あえてそれを言わない」というのは、「気付かれなくてもまあそれはそれでいいや」という良い意味で肩の力が抜けている感じがします。「気づいてほしい!そして褒めてほしい!」とガツガツしてない「余裕」が見えるし、温かみも感じられる。今度彼に何かをやってあげたときには、それをあえて彼には言わない戦法を試してみてはどうでしょうか。■伝えるコツ2:LINEでは「返信不要です。」の言葉でキュンとさせるLINEについて「無償」を語るのなら、「返信不要です。」がほぼ唯一にして最強の答えです。彼の体調が悪そうなとき、黙って寝かせておいてあげるのが一番イイと知りつつも、でも何もせずに放っておくことはできなくて、「ちゃんとあたたかくして寝てね。あと水分も取って。返信不要です。」とだけ送る。デート直前に、「明日楽しみにしてます。〇時にハチ公前集合ね。返信不要です。」と送る。長電話をした後に「遅くまで付き合わせちゃってごめんね。すごく楽しかったです。おやすみ。返信不要です。」と送る。LINEに限ってだけれども、この言葉はどんなメッセージにもつけられるし、「返信待ってるからな感」がゼロになるところが本当にイイ。逆に、「返信が来なくても平気に感じられる」おかげで、こっちから言いたいことを素直に伝えやすくするためのフレーズとしても機能するのです。■伝えるコツ3:寝ているときこそ「無償」の愛情表現を彼氏のおやすみ中は、「無償」のボーナスチャンスです。ソファで寝てしまった彼に毛布をかけてあげたり、眼鏡を外してあげたり。遅起きな彼のために朝ごはんを作ってあげたり。再びLINEの話に戻りますが、おそらく彼が寝ているだろう時間を狙って、「寝てると思うけど」から始まる気持ち告白メッセージを送ってみるのもアリ。何をやっても、自動的に「無償の愛」になります。「寝てる」前提で何かをしてあげることは、当然、「彼にはそれをその場で気づいてもらえない」前提であるわけなので、すごく「無償の愛」な感じがします。特に「毛布をかけてあげる」などは、下手したら起きてからも気が付かない可能性だって十分にあるわけだから、実際に彼がウトウトしながらも意識があったり、起きてから「あれ、俺毛布かぶらないで寝たはずなのに?」と思ったりして気が付いたときの、「無償の愛」への感謝は凄まじいものがあります。■おわりに:好きな気持ちを、行動に移して♡「無償の愛」って聞こえはいいけれど、実物がよくわからない。それは自分も、彼も同じです。だからこういう身近なものからわかりやすく実践してみる。彼のためを考えて、愛情を行動に移してみてくださいね(遣水あかり/ライター)(ハウコレ編集部)
2019年03月16日特別支援教育のくふうを取り入れると、どんな子どもにもわかりやすくなる『発達障害に生まれて』(松永正訓著/中央公論新社)ノンフィクションのモデルとなった立石美津子です。「特別支援教育は、発達に課題や凸凹がある子だけが受ける特別な指導」であると、一般的には思われているかもしれません。でも、私はそうではないと考えています。私は30年間、幼児や小学生を指導する現場で仕事をしていました。そこでさまざまな子どもたちと接してきました。また、自閉症のある息子は小学校入学時から特別支援教育を受けてきました。そしてその中で、できることが増えていったことを実感しています。その経験から、どんな子どもにも有効なくふうが、特別支援教育の中にはあるのではないかと感じています。そこで、「子どもが大人の話に集中できる環境づくり」「子どもを飽きさせないための“演技力”」「子どもに指示を出す時のくふう」の3つの観点から、特別支援教育のさまざまな場面での有効性を具体的にご紹介します。子どもが大人の話に集中できる環境づくり例えば、狭い喫茶店にいる時、隣の席に座る見知らぬ人の会話が丸聞こえ…ということがあります。でも、目の前の友人と話を始めたとたん、隣の席での会話は不思議と気にならなくなりますよね。私たちには、自分に向けられている声の主の言葉を「選択的に拾おう」とする脳のシステムがあるようです。ところが、これが難しく、自分に関係のない音がドンドン入ってきてしまうという特性がある子どももいます。例えば、教室で窓際の席に座っていると、校庭で行われている体育の授業での号令が聞こえてきてしまい、気になって仕方がありません。でもこれは、気になる程度は違っても、障害がない子どもにだって同じことが言えるのではないでしょうか。私は保育園の中でひらがなを指導する仕事をしていました。授業中、隣のクラスから音楽や歌い声が聞こえてくると、字の練習をしながら歌を歌う子がちらほらいました。こんな時は指導者側が「隣のクラスが静かな学習をしている時は、歌ではなく絵画制作をする」などのくふうをする必要があると感じました。このことは、家庭生活にも応用することができます。例えば子どもに何かを伝えたい時、兄弟姉妹が遊んでいる声やテレビの音が耳に入ってくると、子どもは集中して話を聞くことができません。こういう時は、テレビを消して物音がしないところに行き、子どもが話だけに集中できる環境を用意するとよいでしょう。聴覚だけでなく、視覚にも同じことが言えます。視界に関係のない情報が入ってくると、子どもは「今はどれを見なくてはならないのか?」と迷ってしまいます。例えば、これは小学校1年生に算数を教える時に使ったホワイトボードの画像です。どちらが集中できますか?Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子後者ですよね。「ホワイトボードを見ましょう」と言われても、そこに関係ないたくさんの情報があると、子どもたちは意識して「今、見るべきもの」を探さなくてはなりません。ADHD(注意欠陥・多動性障害)の傾向がある子どもは、さまざまな刺激に影響されやすいという特性があります。関係ない情報がたくさんある中から、必要な情報を選び取ることが難しいので、「ここを見ましょう」と言われても、全く違う場所を見てしまうこともあります。でも、障害の有無に関わらず、子どもは低年齢であるほど、興味があること以外には集中が続かないものです。教室の壁面や黒板いっぱいに飾りつけをしている学校・幼稚園がありますが、その中で何かを指示しても、子どもは選択的に見るべきものを探せないかもしれないので、くふうが必要です。必要のないものはかくし、必要なものだけにして見せる。シンプルであることが大切です。この考え方も、家庭生活に応用することができます。机の上に物が散乱していたり、部屋に子どもの好きな玩具が散らかっていたりする中で、何かを伝えようとしても、子どもは話に集中することが難しいかもしれません。そういう時は、普段は使っていない(ものが少ない)部屋に連れて行くなどして、気が散らない環境をつくったうえで子どもに話をするほうが話に集中してもらえるでしょう。子どもを飽きさせないための“演技力”幼稚園・保育園時代は、保育者がピアノを弾いて歌を歌ってくれたり、手遊びをしてくれたりします。けれども、小学校ではそういう訳にはいきません。1クラス35名程度の大勢の子どもたちを集中させるには、内容そのものよりも、教師の声の出し方や身体の動き、小道具の使い方などがポイント。ここで「飽きさせないくふう」が必要になります。どんなに良い内容の授業をしていても、モゴモゴ話していたり、話し方にリズムテンポがなかったりすると、集中の続かない幼い子どもにはうまく伝わりません。それでも子どもたちは「授業中45分間はじっとしていなくてはならない」とがんばるのですが、だんだん集中が切れて、よそ見をしたりモゾモゾ動き出したりします。こういう時は、子どもたちに「真面目に授業を受けなさい」と言うよりも、まずは教師側に「退屈させないくふう」が必要だと思います。「発達障害がある子どもは扱いにくい」と言われることもありますが、私はむしろ「こういう子どもたちを集中させることができる教師は、指導力や技量もきっと高いのだろう」と感じます。これも、家庭で取り入れることが可能です。言葉の内容だけで言うことを聞かせようとするのではなく、声のトーン、スピード、テンポにも気を配る。服装も、エプロンを外したり、きちんとした格好をするなど、「いつもと違う」という雰囲気を出すと、子どもは「ああ、聞かねばならない」と察するのです。Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子子どもに指示を出す時のくふう「早くしなさい」「きちんとしなさい」日常生活の中でこうした言葉を発する場面は少なくありませんが、この曖昧な言い方も、もっとわかりやすく変えることができます。例えば大人だって、病院が混雑している時に「もう少しお待ちください」と言われても、10分なのか30分なのかもわからず、すごく待たされている気持ちになってしまいます。でも「診察まで待ち時間あと20分」と言われたら、見通しが立ってわかりやすいので、待つことができます。まだ人生経験が浅い子どもには、漠然とした言い方では伝わりません。「早くしなさい」と言うよりも、具体的にいつどんな行動をするのか写真で示すと伝わりやすくなります。自然と時計も読めるようになり、親に「早く、早く」と急かされなくても自主的に行動するようになるのです。Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子部屋が散らかる原因のひとつは、物の指定席が決まっていないことにあります。片づけをしていない子に「ちゃんと片づけなさい」と言うのではなく、入れてほしいおもちゃの指定席の写真を貼って「同じように入れてね」と伝える方が、どの子にとっても断然わかりやすいと思います。これは、ある保育園でされていた道具箱のくふう。中身が整理整頓された状態の写真を、箱の裏に貼ってあります。保育士がいちいち指示をしなくても、子どもたちが自分で写真を見て整理整頓できるようくふうされています。このように見える化すると、やるべきことがわかりやすくなり、子どもは自分で考えて行動することができるようになります。Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子どんな子どもにもわかりやすく、伝わりやすいくふうを「住みやすい社会を作るためには、社会的立場の弱い人に話をきくのが一番確実」だとよく言われますが、私も子どもや障害がある人が安心して暮らせる社会は、どんな人にとっても快適で、安心して暮らすことができると思います。特別支援教育の中で使われる方法には、さまざまなくふうが織り込まれています。それは、障害がある子どもだけでなく、どんな子どもにとってもわかりやすいものです。幼児教育に携わり、また障害がある子どもを育てる中で、その実感は確かなものになっていきました。ぜひどんな子どもに対しても、活用してみてください。
2019年03月02日【ニュース】2019年10月から、就学前の障害児の発達支援を無償化へ!出典 : 年10月から就学前の障害児の発達支援が無償化されます。就学前の障害児の発達支援を含む、幼児教育の無償化については、2017年から検討を進められてきました。2018年12月には関係閣僚会合で制度の具体化に向けて「幼児教育・高等教育無償化の制度の具体化に向けた方針」がまとめられました。対象は、満3歳になった後の最初の4月から小学校入学までの3年間。具体的には、・児童発達支援事業所・医療型児童発達支援事業所・居宅訪問型児童発達支援事業所・保育所等訪問支援事業所・福祉型障害児入所施設・医療型障害児入所施設の利用料が無償化されます。また、幼稚園や保育所、認定こども園をこれらの発達支援と一緒に利用する場合は、ともに無償化の対象となります。認可外保育施設等の場合は上限額があります。就学前の障害児の発達支援には、現行の障害児福祉サービスの制度と同じく、一般財源があてられます。自治体によっては、すでに独自の制度として一部で無償化しているところもありますが、全国的な動きとして、地域間の差がなくなっていくことで、どこで暮らしていても子育てしやすい環境が整えられていくといいですね。幼児教育・高等教育無償化の制度の具体化に向けた方針 | 文部科学省【ニュース】厚労省が「ゲーム依存」の実態調査を実施中!結果から予防や対策を検討出典 : 年1月17日から「ネット・ゲーム使用と生活習慣」についてのアンケートが実施されています!この調査は、2018年6月に世界保健機構(WHO)が、ゲームのやり過ぎで日常生活に支障をきたす依存症を「ゲーム症・障害」という疾患として認め、2019年5月の総会で正式承認する見通しとなったことを受けて計画されました。WHOは、■ゲームをする衝動を止められず、コントロールできない■ゲームを最優先する■日常生活に支障が出てもゲームを続けるといった症状が、12か月以上に渡って続くことを「ゲーム症・障害」という疾患とみなすとしています。2019年度にはネット使用、ネット依存、ゲーム依存等に関するさらに大規模な調査が行われる予定で、今回はその予備的調査の位置づけとされています。今回の実態調査は、厚生労働省依存症対策全国センター調査研究事業の一環で、久里浜医療センターが実施。無作為に選ばれた全国の6,000人が対象です。事前に依頼ハガキが送付され、調査員が直接訪問して行われます。対象となった人は、調査票に記入後、調査員に手渡すか、郵送、またはオンラインで回答することもできます。調査結果は、厚生労働省の政策企画・立案の基礎資料として活用され、予防や治療対策に役立てられます。【期間】2019年1月17日(木)〜2月中旬ごろ【対象】全国の10〜29歳の6,000人「ネット・ゲーム使用と生活習慣についてのアンケート調査」を実施いたします | 久里浜医療センター【ニュース】専門家に相談できる!オンラインの「育児発達相談窓口」を 経済産業省が福利厚生制度として導入Upload By 発達ナビニュース2019年1月から、株式会社WOODYが提供するオンライン育児サービス「育児発達相談窓口」を経済産業省が従業員向けの福利厚生制度として導入しました。「育児と仕事の両立の難しさ」を抱える従業員をサポートし、退職減に取り組むもので、WOODYでは、福利厚生制度として、年内に30社での導入を目指していくとしています。このサービスでは、従業員が周囲に相談しづらい育児の悩みをオンラインで気軽に相談できる機会を提供。臨床発達心理士、作業療法士、言語聴覚士、療育士、子ども向けワークショッププロデューサーといった専門家のカウンセリングを受けられます。WOODYは、発達障害のある子どもが興味を持っている分野の学生や専門家などをマッチングさせ、対面やオンラインでカウンセリングなどを行い、一人ひとりの可能性を伸ばすWEBサービス「Branch」を運営。これまでの経験をいかして、育児や子どもの発達に悩む従業員を対象に、この「育児発達相談窓口」を開設しました。株式会社WOODYの中里祐次代表取締役のコメント「育児に関してすべて相談できる場所というのは中々なく、一人で悩んでいる方が多いです。このサービスを始めたきっかけは、私個人宛に様々な方から育児や発達に関する相談をもらっていたからです。家庭の中の内容なため勤めている場所には相談しづらく、何も伝えないまま転職してしまったり辞めてしまったりということがこれまで多かったです。そういった一人ひとりの悩みをお聞きして、従業員の方を大切にしたい法人様の課題解決の一助となれば幸いです。」【お問い合わせ】Email: contact@thewoody.jp サービスサイト【イベント】自閉スペクトラム症の知覚をVRで体験できるワークショップが開催出典 : 年3月2日(土)と3月3日(日)に、自閉スペクトラム症(ASD)知覚体験ワークショップが開催されます。ワークショップでは、自閉スペクトラム症(ASD)当事者の知覚を、VR装置を用いて疑似体験できます。また、ASD当事者における知覚過敏・鈍麻のメカニズムについての講義や当事者の体験等に関する映像紹介、座談会を通じて、当事者への理解を深めていくプログラムが組まれています。【日時】3月2日(土)13:00~17:30(12時40分受付開始)3月3日(日)12:00~16:30(11時40分受付開始)※いずれの日程も同一内容です。※いずれか1日のみご参加いただけます。※過去に同一内容のワークショップにご参加いただいた方は、お申込みいただけません。ご了承ください。【場所】大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)5F大会議室2京阪「天満橋」駅、Osaka Metro(旧大阪市営地下鉄)谷町線「天満橋」駅 ①番出入口から東へ約350mJR東西線「大阪城北詰」駅下車。②号出口より土佐堀通り沿いに西へ約550m大阪シティバス「京阪東口」からすぐ()【内容】1.講義「自閉スペクトラム症の視覚世界を体験~なぜ対人コミュニケーションが難しいのかを考える~」(情報通信研究機構長井志江 主任研究員)2.ASD視覚シミュレータの体験3.ASD当事者の体験および海外の支援設計事例についての映像紹介4.座談会:学びや気付きの共有、議論【対象】ASD当事者のご家族や支援者、障害者雇用を担当されている方など【参加費】無料【定員】両日ともに60名(抽選)【応募締切】2019年2月11日(月)※当選者の方にのみ、応募期間終了後1週間以内(2月18日(月)まで)にご連絡いたします。【主催】JST CREST「認知ミラーリング」情報通信研究機構脳情報通信融合研究センター東京大学先端科学技術研究センター当事者研究分野株式会社LITALICO【応募方法】下記のフォームよりお申し込みください。参考:CREST特設ページ【イベント】「世界ダウン症の日」「ダウン症啓発月間」直前!キックオフイベントへ参加しよう!(東京都)Upload By 発達ナビニュース3月21日は国連の定めた「世界ダウン症の日」、また3月は日本ダウン症協会(JDS)が定めた「ダウン症啓発月間」です!日本中でさまざまな啓発イベントが開かれるのに先立って、キックオフイベントが開かれます!ステージパフォーマンスやトークセッション、チャリティTシャツのお披露目ファッションショー、さらに関係団体による体験ブースなどなどさまざまなプログラムが予定されています。総合司会は、朝のテレビ番組でおなじみの笠井信輔アナウンサーと、ダウン症のイケメンタレントあべけん太さんが務めます。生き生きと活動するダウン症の人たちに触れながら3月の本番に向けて理解を広げるために、会場へ足を運んでみませんか?【日時】2019年2月11日(月)13:00〜16:00【場所】東京都新宿区立四谷区民ホール(東京都新宿区内藤町87)【対象】どなたでも参加可能【参加費】 1,500円 ※未就学児で大人の膝の上に乗せられるお子さんは無料【内容】・ステージ「TEAM RAMI DREAM TEAM( ゴールデンホークス)」によるチアダンスパフォーマンス玉井邦夫JDS代表理事がダウン症のある人とトークセッションパリコレモデル髙木真理子先生(スマイルウォーキング倶楽部代表)ディレクションのチャリティTシャツお披露目ファッションショー世界ダウン症の日、ダウン症啓発ポスター発表JDSからのアピール文採択・ブースNPO法人アクセプションズハンドスタンプアートプロジェクトによるハンドスタンプ体験東京都自閉症協会による自閉症啓発ブース新宿区手をつなぐ親の会知的障害疑似体験キャラバン「Winds」JDSによる書籍販売、子育て手帳「+Happyしあわせのたね」配布世界ダウン症の日 | 公益財団法人日本ダウン症協会【イベント】障害のある人たちが生み出す作品の"記録"と"伝えること"をゲストと語る座談会「かすかなしるしに耳をすます 」(東京都)Upload By 発達ナビニュースみずのき美術館(京都)、鞆の津ミュージアム(広島)、はじまりの美術館(福島)の合同プロジェクトによる障害のある人の創作物を記録し伝えることについて考える座談会です!各美術館は、障害者支援施設が運営母体となっています。このプロジェクトでは昨年度から、施設利用者の方をはじめ、各地域で生活されている障害のある方や人知れず表現活動を続ける方によって生み出された作品・創作物の調査を三館合同で行ってきました。そして作品をデジタル・アーカイブとして記録・保存・公開しています。これまで三者三様の「アーカイブ」を探りながら合同でプロジェクトを進めてきましたが、よりオープンな議論ができる場として、今回の座談会を開催。ゲストは医学書院で「ケアをひらく」シリーズを編集する白石正明さん。あらゆる領域で「ケア」に向き合ってきた人たちの技法や知を書籍として編み上げ注目されている編集者です。また、プロジェクト設計者である須之内元洋さんがモデレーターを務め、「生きること」の多様さや複雑さを記録し伝えていくための方法や可能性について語ります。【日時】2019年2月16日(土) 14:00〜16:30【場所】日本財団ビル8階(東京都港区赤坂1-2-2)【内容】ゲストスピーカー: 白石正明(医学書院『ケアをひらく』シリーズ 編集者)スピーカー: 奥山理子(みずのき美術館)、津口在五(鞆の津ミュージアム)、 大政愛(はじまりの美術館)モデレーター: 須之内元洋(プロジェクト設計者)【参加費】無料【定員】100 名※要申し込み。定員になり次第締め切り※文字支援のアクセシビリティサービスあり各美術館のアーカイブスは次の通りです。※みずのき美術館は美術館内で「みずのきアーカイブ」として公開福六アーカイブズ | 鞆の津ミュージアムはじまりアーカイブスunico file | はじまりの美術館*みずのき美術館のページに遷移します【ニュース】専門家の講演内容も見られる「サイエンスアゴラ2018公開シンポジウム」開催報告ページを開設!Upload By 発達ナビニュース2018年11月に東京都で開かれた、サイエンスアゴラ2018 公開シンポジウム「地域での発達障害支援を考えよう〜うちの子、少し違うかも...Final」。当日の様子を報告するウェブページが開設されました!当日、会場に行けなかった人も、いつでも専門家の講演やパネルディスカッションの内容を見ることができます!開催報告ページでは、発達障害支援について医療・療育・教育などの様々な視点で、研究者や現場支援者から、エビデンスに基づいた地域支援の実践例が紹介されました。当日の内容を見ながら、さまざまな分野の専門的支援と地域住民の生活支援が、『地域』の中で提供されるための方法について一緒に考えてみませんか。【内容】・講演資料(PDF及び動画)・パネルディスカッション映像及び主な議論・イラストを利用したまとめ(グラフィックレコーディング)・関連情報など*社会技術研究開発センターのページに遷移します【イベント】不登校ライブフェスが開催出典 : 年2月15日(金)、4月の新学期に向けて、「不登校」をキーワードにしたフェスが開催されます。新しい環境で新しい自分に出会うきっかけを、音楽を通して感じてほしいと企画されたイベント。「不登校だったことが、よかった」と思える居場所を見つけた、国立音楽院の生徒たちによる渾身のステージも。生きづらい系シンガーソングライター・風見 穏香さんや、子どものSOSシンガーソングライター・悠々ホルンさんのステージも予定されています。【日時】2019年2月15日(金)15:00開場、 15:30開始【会場】KMAパラダイスホール(〒154-0001東京都世田谷区池尻3-28-8 国立音楽院B1F)【参加費】500円【内容】15:00 開場15:30 弾き語りライブ生きづらい系シンガーソングライター・風見 穏香さん16:05 トーク + ライブ国立音楽院 中等部在校生の本人&お母様16:45 トーク + バンドライブ 不登校経験者としての悠々ホルンさん17:40 参加者全員にプレゼント抽選会 + テーマ曲を合唱【主催】国立音楽院
2019年02月01日藤井聡太七段(*)が幼いころ受けていたことで注目を集めている『モンテッソーリ教育』。その歴史は古く、とくに海外では優秀な人材を育てる教育法として確固たる地位を築いています。一方で、「興味はあるけど、近所にモンテッソーリ教育の幼稚園や保育施設がない……」と諦めている方もいるのではないでしょうか?たしかにモンテッソーリ教育は、専門の知識を身につけた教員のもと、専用の教具を使わなければ学ぶことが難しいと思われがちです。しかし、自宅でもその要素を取り入れて遊ぶことは可能なのです。今回は、モンテッソーリ教育を取り入れた遊びの紹介と、それによって子どものどんな能力が伸びるのか、詳しくご説明します。*…2019年1月現在自立心と自己肯定感が育まれる独自の教育メソッドまずは、モンテッソーリ教育について簡単におさらいしましょう。■モンテッソーリ教育とは?女性医師であり教育家でもあったマリア・モンテッソーリによって、20世紀初頭にイタリアで考案された、子どもの自発性を重視する教育法。「子どもには自分を育てる力(自己教育力)が備わっている」という考え方が根本にあり、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」ことがモンテッソーリ教育の目的。40年以上にわたりモンテッソーリ教育を実践している『愛珠幼稚園』の園長・天野珠子先生は、「子どもの自主性を尊重し、それを大人が気づき、手伝うことで子どもの自立につなげていくことを大切にしています」と話します。つまり、親がすべきことは、「手取り足取りフォローしてあげるのではなく、挑戦する心を育てて応援すること」なのです。天野先生は「一人でできることが増えるほど、子どもの自己肯定感は育ちます」と述べています。モンテッソーリ教育とは、子どもを自立へと導き、自分で考えて物事に対応できるようになる、いわば“生きる力”を育む教育法でもあるのです。■モンテッソーリ教育の特色子どもは、その時期の発達に沿って「一人でやりたいこと」が出てくる。それは、“ある時期”に“ある行為”のみに現れることがわかっており、その時期を『敏感期』と呼ぶ。敏感期には、その時期に合わせた専用の教具を使って遊ぶ。それらの教具を使ったあらゆる学習活動を『お仕事』と呼び、子ども自身が自由に選んで遊ぶことで発育と自立をうながす。天野先生によると、「敏感期に合わせて、夢中になることを満足するまでやらせてあげるという経験が子どもの成長には必要」とのこと。敏感期に適切な環境に出合うと、子どもは集中現象を起こします。そして、集中現象が次々に満たされていくと心が満足し、お腹が空いたのも忘れるほど夢中になるらしいのです。私たち大人は、子どもが夢中になって何かに取り組んでいる様子を見守りたい反面、時間の都合や周囲への遠慮などから「さ、もう充分遊んだでしょ?」と切り上げてしまうことがよくあります。しかし、子どもの“夢中”は、大きな成長につながる重要な鍵です。時間や状況が許す限り、満足するまでとことんやらせてあげましょう。続いて、『敏感期』と『お仕事』について詳しくご説明します。敏感期に寄り添う優れた教育プログラムまず、本格的な『敏感期』に入る前に幼稚園で最初に行うのは【日常生活の練習】です。これはモンテッソーリ教育の基礎にもなるので、しっかりと身につけなければなりません。その後、【感覚教育】【言語教育】【算数教育】【文化教育】と続きます。■日常生活の練習大人のまねをしたがる「模倣期」と、身体が発達する「運動の敏感期」を利用して、自分の体を意志通りにコントロールする能力を身につけることが目的です。・ボタンをかける・室内を掃く・洗濯をする・ものを磨く・縫うなど、日常生活で行うさまざまな動作を大人がお手本を見せながら練習します。「自分のことを自分でできるようになる」という自立心や独立心のベースを築くことができます。■感覚教育言語・算数・文化教育という知的教育分野の基礎となります。感覚器官を使ってさまざまなことを練習し、感覚を洗練させることで、外界からより繊細な情報を収集できるようになり、知性や情緒が発達します。・対にする・段階づける・仲間分けするという3つの操作法が組み込まれた教具を使うことで、「ものを観察する能力」と「ものを考える方法」が身につきます。■言語教育絵カードや文字カードを使い、ことばの発達段階に合わせてきめ細やかなステップを踏んで、語彙を豊富にしたり文法を覚えたりします。「日常生活の練習」や「感覚教育」と合わせて行うことで、自然と文字の読み書きができるようになります。■算数教育算数教具を手で扱いながら、数の概念の基礎、十進法から簡単な計算までを学びます。ビーズを使い、数の具大量や十進法で桁が上がることを体感したり、数種類の切手を交換して掛け算を覚えたりします。■文化教育「ことば」と「数」以外の幅広い分野を学びます。世界地図パズルや時計などの教具に触れながら、子どもの知りたいという要求に応えるのです。分野を統合した「総合学習」のようなものです。幼稚園や教育施設で使用される教具は360種類にものぼり、すべて体系的につながっています。赤、青、黄の三原色をベースにした色鮮やかなものが多く、優れた教育的効果を発揮するだけではなく、子どもが思わず触りたくなるような魅力あふれるものばかりです。モンテッソーリで学ぶ子どもの「お仕事」モンテッソーリは著書の中で、「大人の仕事が生産的労働であるならば、子どもの仕事は人間を形成すること」と述べています。「つまみたい」「並べたい」といった衝動も、子どもの内面からあふれる自立への強い欲求であると言えるでしょう。つまり、家庭の中での自立や人間形成につながる事柄はみんな、子どもが自分自身を創るための「お仕事」でもあるのです。「モンテッソーリのメソッドを家庭で取り入れるためには、何よりも大人の子どもに対する接し方を重視する必要があります」と語るのは、モンテッソーリ教育施設「吉祥寺こどもの家」園長の百枝義雄先生。まずは、子どもをよく「観察」することから始めましょう。親にとっては不可解に見える子どもの行動にも、子どもが大きく成長するヒントが隠されているのです。子どもの “こだわり” と “伸びる能力” の関係性は以下です。同じことを同じ順序で繰り返したい「順序へのこだわり」→段取り力へ発展同じことを同じようにしたい「習慣へのこだわり」→集中力を育てる同じ場所に同じ人がいないと気持ちがわるい「場所へのこだわり」→倫理観へ発展高いところに乗って歩きたい「運動へのこだわり」→バランス感覚をつける3本指を使いたい「指先運動へのこだわり」→器用な手先をつくる(引用元:東洋経済ONLINE|家でもできる「モンテッソーリ教育」のコツ)このように、「こだわりを満足させることで伸びる能力」について理解できていれば、家庭でもモンテッソーリのメソッドを取り入れやすくなるはずです。家庭で子どもの能力を引き出すポイント次に、モンテッソーリ教育を取り入れた簡単な遊びをご紹介します。おすすめは「親指・人差し指・中指」の三指を使うお仕事です。【あけ移し】トングなどを使って豆や石を一方の容器からもう一方の容器に移します。100円ショップでも手に入るシュガートングが、子どもの手にはちょうどいいですよ。慣れてきたらピンセットを使って、大きめのビーズのあけ移しにも挑戦してみましょう。仕切りのあるケースを使えば、色別に分けて入れることもできます。色を認識し、判断して選り分けるという工程が生まれるので、難易度もアップしますよ。【お料理のお仕事】玉ねぎの皮むきや茹でたじゃがいもの皮むき、またはゆで卵の殻をむく、など「むく」という作業は料理を始める最初のステップとして非常に有効です。指先を使うだけの作業なので危険度が低く、すぐに達成感が得られるのもいいですね。また、前出の百枝先生による『「自分でできる子」が育つ モンテッソーリの紙あそび』(PHP研究所)では、モンテッソーリ園と同じ「お仕事」を自宅で再現する方法が紹介されています。この本を参考に、ハサミやのり、とじ針と毛糸などの道具を用意すれば、付属の型紙を使って気軽に「お仕事」に挑戦できます。たとえば、型紙を写して線に沿って「切る」、線に沿って一定間隔で描かれた点を目印にして「穴をあける」または「縫う」など、モンテッソーリのメソッドに基づいた手法で遊ぶことができるのです。そして、あの藤井七段が子どものころ100個作ったことで話題になった「ハートバッグ」の型紙と編み方も載っています。最後に、子どもが興味を抱き「やってみたい!」となったとき、親は次の点に注意しましょう。・親のお手本を子どもが見ているときには話さない・説明するときは動きを止める・手出しや口出しはしない・子ども自身が試行錯誤するチャンスを奪わない・出来ばえを評価しない穴をあける道具(「かるこ」など)や、抜い差し用の針は、初めて使わせるとき「危なくないかな?」と心配になるかもしれません。使うときは危なくないように見守ったり、子どもの手でも扱いやすい小さめの道具を用意したりと、「どうしたら子どもがうまく使えるか」ということを考えて取り組ませるといいでしょう。『「自分でできる子」が育つ モンテッソーリの紙あそび』(PHP研究所)***モンテッソーリ教育を家庭でも取り入れるには、道具を揃えるより先に「親の心がけ」が必要です。子どもが夢中で取り組んでいる様子を黙って見守り続けるーー簡単なようで難しいですよね。しかし、子どもには大人が思っている以上の能力が備わっています。子どもの自己教育力を信じて、見守ってあげましょう。(参考)Study Hacker こどもまなび☆ラボ|藤井聡太六段、Amazon共同創立者ジェフ・ベゾスが幼児期に受けていた「モンテッソーリ教育」とは?日本モンテッソーリ教育綜合研究所|モンテッソーリ教育についてStudy Hacker こどもまなび☆ラボ|子どもの自主性を尊重し、集中力と柔軟な対応力を育む「モンテッソーリ教育」【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】Study Hacker こどもまなび☆ラボ|子どもたちが自ら育つ力を応援する「モンテッソーリ教育」のメソッド【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】産経WEST|天才・藤井四段も学んだ「モンテッソーリ教育」とはー集中力と自分らしさ、周囲に流されず「好きなことをとことん追求する子供」に『できる子になる!0歳からのお手伝い』クーヨンBOOKS12,2015年6月,クレヨンハウス.東洋経済ONLINE|家でもできる「モンテッソーリ教育」のコツ百枝義雄・百枝知亜紀 著(2018年),『「自分でできる子」が育つ モンテッソーリの紙あそび』,PHP研究所.
2019年01月29日教育資金は、人生三大資金の1つとされ、子育て世帯の方々からしますと、子供が誕生したことをきっかけに、貯金や資産運用などといった方法であらかじめ教育資金の準備をする方が多いと思います。しかしながら、いざ、教育資金が必要な時期になった際、準備していたお金よりも足りない場合も十分に考えられることから、時には教育ローンなどの借入に頼らざるを得ない場合もあることは確かです。そこで本記事では、教育ローンの借入を検討している方を対象に、教育ローンの総合案内記事として、教育ローンの基本的なポイントから、教育ローンの審査・金利・おすすめなど、多くの方が持っている疑問や教育ローンで押さえておきたいポイントまとめて紹介します。教育ローンとは教育ローンとは、おもに、子供の進学にかかる教育費用や授業料などの支出に充てることを目的としたローン(借金)で、大きく国の教育ローンと民間の教育ローンに分けられます。厳密に解説しますと、教育ローンは、子供の教育資金だけに借入が限られているわけではありませんが、通常、教育ローンは、子供のまとまった教育資金を準備するために活用されることが多くなっているのが現状です。また、基本的に教育ローンは、両親が教育ローンを申し込んだ金融機関からお金を借入することも多いため、教育ローンを申し込む時点において、借入する方が、定職に就いていることや個人信用情報に問題がないことなど、細かな事情も問われることになります。併せて、教育ローンは、完済までの返済期間が長くなってしまうことが一般的であるため、何も考えずに借入するのではなく、ライフプランを考えた借入のメリットとデメリットもあらかじめ知っておくことがとても大切です。以下、教育ローンの基本的な部分から教育ローンのメリットおよびデメリットも紹介した記事が同サイト内で公開されておりますので、そちらも合わせて読み進めてみることをおすすめします。教育ローンの返済計画を立てた借入をしっかりと行いましょう教育ローンは、通常、借入から完済までの返済期間が長くなってしまうことが多いため、あらかじめ、教育ローンの返済計画を立てた借入をしっかりと行う必要があります。特に、教育ローンの返済計画を立てる上で大切なポイントは、家計確認をすること、そして、教育ローンの返済シミュレーションを実行することの2つは絶対に欠かせないポイントと言えます。また、できる限り、教育ローンの繰上返済も考慮した返済計画を立てることができれば、将来のライフプランにゆとりが持てる結果につながるとも考えられます。教育ローンを借入する際は、限度額いっぱいで借入しないこと教育ローンは、いくらくらい借りるのが良いのか?といった疑問を抱えている方も多いと思いますが、こちらの考え方につきましては、住宅ローンの考え方と同じように、限度額いっぱいで借入することは厳禁です。この理由は、借入できるお金を借りたとしても、そのお金を借入から完済までの長い期間に渡って滞ることなく返済できなければ本末転倒だからです。では、どのような考え方で教育ローンを借入する必要があるのでしょうか。それは、ご自身の懐具合に合わせた返済可能額で借入する必要があります。返済可能額とは、その名前の通り、毎月余裕を持って返済していくことができる金額のことを指し、具体的に、毎月の手取収入から家計支出などを差し引いた後の実際に余るお金を考えなければなりません。なぜならば、新たに教育ローンの借入を行うということは、返済時期は別として、毎月の収入から家計支出などを差し引いた後の余るお金から新たに教育ローンの返済が支出されることになるためです。そのため、返済可能額を考えずに教育ローンの借入を行った場合、毎日の生活に支障が生じることが考えられ、多重債務の原因や最悪な場合は、自己破産といった結果を招いてしまう原因にもなり兼ねません。教育ローンと奨学金のどちらを使うのが良いのか?まとまった教育資金を準備するための方法には、教育ローンを借入するほかにも、奨学金を活用する方法もありますが、教育ローンと奨学金のどちらを使うのが良いのか?といった疑問を持たれている方も多いと思います。上記表を見ますと、教育ローンも奨学金も、いずれも教育資金を目的とした借入であることには変わりありませんが、借入する人や資金の受け取り方など、細かな点を比較して見ていきますと、大きく異なることが一目でわかります。ただし、いずれの借入をするにしても、特に、保護者の方には、教育ローンを借りる前に知っておいていただきたいお金の考え方があり、先に解説した返済計画を立てる場合やシミュレーションをする場合も「教育ローンと奨学金を借りる前に知っておきたい考え方とは?金利や損得以前に押さえるべきポイントを紹介」記事を通じて確認することができます。ご自身の将来のライフプランにも活かされる内容となっておりますので、併せて読み進めてみることをおすすめします。教育ローンや奨学金を活用して失敗しないために必要なこと教育ローンや奨学金は、お金を借入する人が異なるものの、いずれも長期の借金でありますから、計画的な準備と対策をしておかなければ、後々、生活が困窮する原因や最悪な場合、自己破産などに追い込まれる危険性があります。このような失敗をしてしまう一番の原因は、お金を借入する本人の考え方や事前行動の欠如にあると筆者は率直に感じておりますが、すでに紹介した返済計画や事前対策をあらかじめ行っておくことで、失敗することは簡単に避けられることは確かです。人の振り見て我が振り直せと言われることもありますが、どのような考え方が失敗することになるのか、以下、教育ローンや奨学金の質問から典型的に失敗する原因を個別に解説している記事がありますので、教育ローンや奨学金を活用する予定がある方は、以下の記事も読み進めておくことを強くおすすめします。教育ローンの審査に通過するためのポイント教育ローンを借入するためには、教育ローンを申し込んだ金融機関の審査に必ず通過しなければなりませんが、どの金融機関でも審査される一般的な審査項目は以下の通りです。個人信用情報に著しい問題がないか安定した収入があるのか教育ローンが、収入に対して多重債務にならないか上記の審査項目に対して、1つでも問題がある場合は、教育ローンを借入することは難しくなる可能性が高くなりますが、これら3つの具体的な解説につきましては、以下記事からそれぞれ個別に確認することができます。将来的に教育ローンの借入をする予定がありそうな方は、特に、読み進めていただきたい内容となっており、中には、教育ローンの借入が必要だからといって、短い期間で一時的に対策しようとしてもどうにもならないこともありますので、要チェックです。教育ローンの借入をするには、どこがいい?教育ローンの借入をするには、どこから借入すれば良いのか気になる方も多いと思いますが、この疑問を解決するためには、国の教育ローンと民間の教育ローンについて、それぞれ特徴を知ることが大切です。また、国の教育ローンや民間の教育ローンは、金利や融資限度額にもそれぞれ違いがあることから、特徴を知るだけではなく、それぞれを比較検討していくことも大切になります。なお、以下、同サイト内で公開している記事では、国の教育ローンと民間の教育ローンの違いについて比較しており、併せて、金利や特徴についても紹介しているため、教育ローンの借入をどこからしたら良いのか疑問を抱えている方にはおすすめです。教育ローンを比較検討するためのポイント教育ローンを比較検討する際のおもなポイントは、以下の通りです。金利は、どのような種類があるのか年利率は、どのくらいなのか保証料や保証人が必要なのか借入金額はどのくらいまで可能なのか返済期間はどのくらいまでなのか融資の対象となる条件はどうなのか上記の内容は、金融機関によってすべて異なるほか、いわゆるメガバンクと呼ばれる有名な銀行だからといってお得な融資条件であるとは限りませんので、やはり、複数の金融機関同士で比較検討することがとても大切です。教育ローンの金利を考える上でのポイント教育ローンや住宅ローンを借入する上で、金利を見て借入を検討することは当然のことである一方、目に見える金利(表面金利)だけで選ぶことは厳禁です。また、教育ローンには、おもに3つのリスクがあると考えられ、教育ローンを借入する前のリスク、教育ローンを借入している在学中のリスク、卒業した後における返済途中のリスクについて考えておくことも大切です。そのため、教育ローンの金利だけではなく、これら3つのリスクについて、どのようなリスクでどのような対策を考えておく必要があるのか、あらかじめ知っておくことをおすすめします。教育ローンを銀行から借入する場合の注意点教育ローンを銀行から借入するということは、民間の教育ローンを借入することを意味し、担保や保証料について、あらかじめ注意しておかなくてはなりません。これは、国の教育ローンに比べて民間の教育ローンは、種類が様々あることに加え、担保の有無によって金利や借入限度額が異なるほか、保証料があるといった特徴があるためであり、結果として、これらは将来返済していくことになるお金に直接の影響を与えるためです。ちなみに、国の教育ローンは、銀行に比べて金利が低く、保証料や担保も必要ないことから、優先して教育ローンの借入を検討されることをおすすめしたいのですが、借入できる金額が少ないことや同居している親族以外の保証人が必要などといった縛りもありますので、この辺の注意点も知った上で、どちらの教育ローンを活用するのが得策なのか検討する必要もあるでしょう。教育ローンについてのおすすめ記事を紹介教育ローンは、借入から完済までの返済期間が長いものであるからこそ、借入計画や返済計画を立てることは、とても大切になりますが、何よりも教育ローンを無事完済し終えた成功者の体験談を知ることは大切だと考えます。成功談、失敗談から学べることはたくさんあるわけでありますから、教育ローンを借入する前は、教育ローンの完済に成功した方の体験談を目通しすることで、これからの借入に活かすことをおすすめします。なお、教育ローンは、住宅ローンの借入と同じように、長い期間に渡って返済をしていかなければならないことが多いため、返済期間中に、借り換えを検討される方もおられると思います。こちらに関しましても、教育ローンの借り換え効果について考察したものを公開しておりますので、併せて読み進めておくことで、より、教育ローンを初めて借入する際の大切さがおわかりになると思います。教育ローンまとめ教育ローンの総合案内記事として、教育ローンの借入から完済までに必要なことを幅広く紹介させていただきましたが、本記事の内容を一通り目通しいただきまして、関連記事を読み進めていただくことで、無理のない教育ローンの借入ができるものと思います。教育資金は、人生三大資金の1つにあたり、多くのみなさまにとって極めて重要なお金にあたりますが、教育ローンを借入する場合は、計画的な借入と返済計画をあらかじめ立てておくことでうまくいくことは確かです。本記事が、これから教育ローンを借入するみなさまにとって有意義なものになっていただければ幸いです。
2019年01月18日「子どもには英語を話せるようになって欲しい…。英語教室に通わせた方がよいのかしら…」これからの英語教育に不安をもつママは多いと思います。2020年度からセンター試験に代わる「大学入学共通テスト」が導入され、英語の試験では「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能が問われます。それにともない、小学校では高学年から英語が教科として正式にスタート、中学校では英語の授業を英語のみで行い、高校では生徒自身が英語で発表・討論・交渉などの活動を行う予定です。幼児期からの英語教育が当たり前になりつつある社会ですが、何から手をつけるべきか悩みますよね。そんなお悩みママに手軽にできる自宅での英語遊びを紹介します。英語遊びは何歳から?自宅での英語遊びには年齢制限がありません。0歳からでも、幼稚園に入ってからでも大丈夫。思い立ったが吉日で、親子で楽しむことが何よりも大切です。なぜなら、将来的な目標は「バイリンガルな子どもを育てる」なんて大それたものではなく、「英語を嫌いにならない子どもを育てる」ですから。ゆったり構えましょう。具体的に何をするの?幼児期はこれから問われる英語の4技能のうちの「聞く」と「話す」がとても得意な時期です。まずはわが子が好きな絵本を用意しましょう。日本語、英語、どちらでも構いませんが、ひらがなが読めると日本語の絵本だと読み始めてしまうので、英語の絵本がおすすめ。「私には英語での読み聞かせはムリ!」というママ、ご安心ください。読み聞かせではなく、絵本を使って質問遊びをしましょう。"What’s this?"から始めよう!"What’s this?"(これなーんだ?)"It’s an elephant!"(ぞうさん!)絵本に出てくる動物やモノを指さして、お子さんに問いかけてみてください。最初は「ママ、何言ってるの?」と思っているお子さんも回を重ねるうちに「エレファント!」と元気よく答えてくれると思います。ここでママがやらなくてはいけないことは、"What’s this?"の正確な発音を覚えること、そして、絵本に載っているモノをすべて英語で覚えること。子どもは数回聞けば、あっという間に覚えてしまいます。お子さんに負けないように頑張りましょう!慣れてきたらほかの質問もしてみよう!"What color is this?" (この色は何色?)"It’s red!"(赤!)お子さんが好きなモノを英語で言えるようになったら、色も一緒に覚えてもらいましょう。これは絵本がなくてもできるので、おやつの時間、お風呂の時間などを利用して遊ぶこともできます。色を覚えたら、次は形(shape)という感じで、日本語と同じように英語でもどんどん質問遊びをしましょう。子どもは大好きなママと英語でコミュニケーションをとることで、「英語って楽しい」と思ってくれます。英語遊びのポイントは「続けること」!子どもが大好きな遊びを英語でやる、ただそれだけです。でも、ここで重要なポイントは「続けること」。幼児期は覚えるのも早いですが、忘れるのも早い時期。自宅で英語遊びを続けることで、「英語=遊び=楽しいもの」と脳に記憶され、小学校からの英語教育にも抵抗なく取り組めると思います。そして、「英語を嫌いにならない」子どもは将来的に英語力を身につけることができます。これは私の実体験からの感想ですが、長くなるのでまた今度。お手軽な英語遊び、ぜひ一度親子で楽しんでみてくださいね。<文・写真:フリーランス記者稲井華子>
2019年01月10日小学校から英語が義務教育化されたんですよ。娘は来年小学3年生なんですよ。何もやってない…! やってないよ!と思っていたところ…まずは英語に対して興味を持つこと、嫌いにならないことが大事らしく子どもの好きなアニメを2カ国語放送で見るのも良いとのこと。それなら、やっぱりディズニーでしょ! と思って調べたところスカパー!ならディズニーのアニメを2カ国語放送で見れるとのことで…圧倒的なチャンネル数「11ジャンル50ch見放題」 3台まで追加料金なし スカパー!基本プランとは? 基本プランだと50ch見放題!なので…結局、日本語のアニメも楽しんでます。 (ディズニーの2カ国語放送も見てるよ!(笑))レコーダーが大活躍です。そして何より…ここからは私の推し番組をご紹介!いろんな番組があるので、寒い寒い外に出たくない季節も楽しみに…!家を楽しくするのは、テレビだ スカパー!基本プランで見られる番組はこちら こちらの記事アンケートにご協力ください PR:スカパーJSAT株式会社
2018年12月27日2020年に日本の教育が大きく変わると言われています。学習指導要領の改訂と大学入試改革が行われます。変わるとは知っていても具体的にどんな風に変わるのか、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。「うちの子はまだ小さいから早いな」と思う方もいるかもしれませんが、小学校の勉強がどう変わるのかを知って、早くから対策をすることは決して無駄にはなりません。まずは改革の概要をしっかり理解しましょう。1. 学習指導要領の大幅な改定学習指導要領とは、日本教育の大まかな指導目標です。都度見直されていますが、2020年には小・中・高校で全面的に見直されます。教科・科目面では、小学校3・4年生で「外国語活動」、5・6年生で「英語」教科化、高校では「公共」「歴史総合」「地理総合」「理数探求」などが新設されます。さらに学びの特徴として以下のようなものが導入されます。(1) アクティブラーニングの導入アクティブラーニングとは「主体的・対話的で深い学び」を示し、教科ではなく授業方法です。正解を先生が教える一方的な授業ではなく、解き方を班ごとに話し合ったり個々に意見を出し合ったり、という双方向、対話的な学びのスタイルを取ります。(2) プログラミング教育の実施小学校でプログラミングが必修化されます。プログラミング言語や技術を学ぶというよりは「プログラミング的思考」を学びます。プログラミング的思考とは、何か問題があるとき解決するための最適な方法を考え、予測し、それをトライ&エラーで解決することです。今までの、知識を詰め込みいかに覚えるかという教育から、覚えたことをどう使っていくかに重点が置かれていきます。解決力や、持っている知識をどう使うかが問われるようになります。2. 英語改革年々進むグローバル化に向けて、英語教育についても改革が行われます。使える英語力を目指し、学習開始年齢の前倒し・4技能(聞く、話す、読む、書く)の取得を求めての改革となります。・小学校3・4年生週1コマ程度の「外国語活動」年間35コマの授業聞く・話すことの言語活動・小学校5・6年生週2コマ程度の「英語」年間70コマの授業成績(数値による評定)がつく活字体の読み書き語順への気付き・中学生・高校生英語の授業は英語で行うことを基本とする高校では「論理・表現」の科目新設(スピーチ、プレゼンテーション、ディベート、ディスカッションなど)覚える単語数も、現状は中学で扱う英単語が1200程度ですが、小学校の間に600~700語学びます。現状の中学生レベルの半分以上を、小学校卒業までに学ぶということですね。そして英語についても、覚える授業から、コミュニケーションを重視とした内容に変わっていきます。より実践的な話す力が求められることになります。但し2020年に向けて既に任意で英語を取り入れる小学校も増えています。私の息子が通う小学校では、外国人講師を招いた外国語活動を隔週1回程度行っているようです。3. 大学入試も大きく変わる2020年の改革では、大学受験も大きく変わります。まだ幼稚園や小学校低学年だとピンとこないかもしれませんが、成長と共に関係してくる部分ですので今の内から理解しておきましょう。大きく変わるのはマークシート方式の「センター試験」が廃止となり、「大学入学共通テスト」に移行します。数学・国語で80~120字の記述があるなど、思考力・判断力・表現力も評価されます。英語についても、今までの「読む・書く」から「読む・書く・聞く・話す」を評価され、民間資格や検定試験も評価されます。活用できる資格・検定試験は「ケンブリッジ英語検定」「TOEFL」「TOEIC」「IELTS」「TEAP」「英検」「GTEC」で、高校3年生の4~12月に受検した2回までの結果が採用されます。今までの知識を詰め込む教育からどのように変わるのかお分かりいただけたでしょうか。ただ、思考・判断するためには当然知識が必要となります。知識があるのはあくまでスタートラインということになり、そこから考える・自分の意見を言う力が必要になってきます。それを試験やテストで発揮するためには、日頃からの勉強方法を少しずつ変えていく必要があるでしょう。大学受験を考えていない場合でも、こういった能力は将来社会で必ず必要となってきます。頭の柔らかい小学生の内から意識することで、無理なく少しずつ力がつくはずです。学校や塾の勉強も大切ですが、一番良いのは家庭でコミュニケーションを取っていくことです。是非会話の時間を多く持ち、子どもにたくさん質問を投げかけることを意識してみて下さい。教育改革に負けない地頭を作っていきましょう。
2018年12月21日ICTとは、Information and Communication Technology(情報通信技術)のこと。広く知られているIT(Information Technology)に代わって使われつつある言葉です。「ICT教育」や「教育のICT化」といった表現を耳にしたことはありませんか?高度に発達したテクノロジーを利用し、より効果的に教育を行おうとすることは一般的になっています。そこで今回は、教育現場でどのようにICTが使われているのか、保護者の皆さんにご紹介しますね。教育におけるICTとは小学校学習指導要領が改正され、2020年度から施行されるのはご存知のとおり。「小学校でプログラミング教育が行われる」として、大きな話題になっていますね。新たな学習指導要領には、以下のような記述があります。第3学年におけるローマ字の指導に当たっては、(中略)コンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な操作を習得し、児童が情報や情報手段を主体的に選択し活用できるよう配慮することとの関連が図られるようにすること。(国語)児童がコンピュータや情報通信ネットワークを積極的に活用する機会を設けるなどして、指導の効果を高めるよう工夫すること。(国語)コンピュータや情報通信ネットワークなどを適切かつ効果的に活用して、情報を収集・整理・発信するなどの学習活動が行われるよう工夫すること。その際、コンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な操作を習得し、情報や情報手段を主体的に選択し活用できるよう配慮すること。(総合的な学習の時間)(太字による強調は編集部で施した)(引用元:文部科学省|小学校学習指導要領)このように、コンピュータを積極的に用いた学習が公立小学校でも行われるようになるのです。文部科学省の資料「幼稚園教育要領、小・中学校学習指導要領等の改訂のポイント」では、「コンピュータ等を活用した学習活動の充実」「コンピュータでの文字入力等の習得」「プログラミング的思考の育成」が重要事項として挙げられています。文部科学省は教育におけるICTの活用を推進しています。2016年に策定された「教育の情報化加速化プラン」では、ICT教育の必要性が以下のように述べられました。現代社会において、身の回りのものにICTが活用されていたり、日々の情報収集やコミュニケーション、生活上の必要な手続きなど、日常生活における営みを、ICTを通じて行ったりすることが当たり前となっている中では、子供たちには、ICTを受け身で捉えるのではなく、手段として積極的に活用していくことが求められている。(太字による強調は編集部で施した)(引用元:文部科学省|教育の情報化加速化プラン~ICTを活用した「次世代の学校・地域」の創生~)現代はスマートフォンを持つのが当たり前の世界。スマートフォンは多くの便利な機能や楽しい娯楽の詰まった利器ですが、SNSを媒介とした犯罪、ソーシャルゲーム依存など、スマートフォンによって起こる問題は皆さん知っての通り。ICTとのつき合い方は、ぜひ学校で教えてほしいですよね。2016年度~2020年度を対象とした「教育の情報化加速化プラン」においては、具体的に以下をはじめとした施策が取り組まれるそう。-教員自身が自在にICTを活用して授業を設計できるようにする。-児童生徒に一人一台ずつ教育用コンピュータが行き渡るようにする。-デジタル教材等の開発を官民連携で進める。-情報モラル教育に関する教材や研修を充実させる。-文書の電子化など、ICTを利用した校務効率化を促進させる。このように、「教育でICTを活用する」とは、ただ授業でタブレットを使う・プログラミングを学ぶといったことではないのです。子どもはICTそのものを学び、またICTを利用して従来の教科を効果的に学習します。一方、先生はICTの導入によって学習効果のより高い授業を行え、事務仕事の負担を軽減することもできるのです。幼児教育におけるICT内閣府が2017年、0~9歳の子どもの保護者を対象に実施した調査によると、1歳でタブレットを使う子は2.5%でしたが、2歳になると13.5%に急上昇。その後も年齢が上がるにつれ増加傾向にあり、9歳では28.6%にもなりました。タブレットやスマートフォンなどの機器でインターネットを使う目的として最も多いのは「動画視聴」(85.4%)。平均利用時間は60.9分で、2歳の子ですら65.1分だったそう。また、24.2%の保護者が「注意しても子どもがインターネットをやめない」という経験を持っていたとのこと。読者の皆さんにも、就学前の子どもがインターネットを使うことに抵抗を覚える人が多いのではないでしょうか。しかし、ICTが幼児教育の分野でうまく活用されている事例があります。有名なのが、鹿児島県の「つるみね保育園」。「9割のアナログ保育と1割のデジタル保育」をモットーに、豊かで広大な自然のなか子どもを育てる「アナログ保育」と、タブレットとプロジェクターを使う「デジタル保育」を組み合わせ、個性的な保育が行われています。つるみね保育園の「デジタル保育」では、園児がタブレットとプロジェクターを使って写真を大きく投影し、プレゼンテーションを行うそう。県外や海外の人たちとリアルタイムでおしゃべりしたり、Google EarthやYouTubeを利用して楽しく学んだりしているそうです。園長の杉本正和氏によると、「デジタル保育」は週に1回・15分でも充分な効果が上がっているそう。また、発表会の背景として使う大きな絵を、従来は職員が描いていたところ、プロジェクターで写真を壁に映すようになったとのこと。これによって、職員の負担が大幅に減ったそうです。杉本氏は、タブレットとプロジェクターを用いた保育の魅力を以下のように述べています。プロジェクターを使ってお遊戯で使うコンテンツを大きく映すと、子どもたちからは大きな歓声が上がります。これまでは、A3サイズの紙でコンテンツを表現して見せていましたが、なかなか大きな反応は得られませんでした。やはり、子どもたちにとってプロジェクターから映る大画面のコンテンツは、与える印象が違うのです。(太字による強調は編集部で施した)(引用元:リコー|お客様事例(社会福祉法人上名福祉会 つるみね保育園 様))「大きい」ということは子どもにとって、大人が思う以上に魅力的なのですね。直感的に操作できるタブレットを用い、大画面で画像や動画を共有する。シンプルですが、これもICT。このような使い方であれば、従来のアナログな教育とも組み合わせやすいですね。佐賀県の「高岸幼稚園」も、教育にICTを取り入れています。「創造力・表現力を育む」こと、「グループ活動の中で協力と貢献を意識付け、お互いを認めあう関係を築く」ことを目標とし、「ICTタイム」を実践しているそう。活動内容としては、パズル、プレゼンテーション、別の園とのリアルタイム通信など。「絵本創り」の活動の際は、グループで1台のタブレットを用い、絵本を制作したそう。完成したものは印刷・製本し、ほかのグループと交換して読み合ったそうです。このような活動の結果、子どもたちの集中力が高まり、協調的な活動ができるようになったのだとか。タブレットは直感的に使えるため、子どもの創作活動を後押ししてくれるツールといえるでしょう。アナログの画材ではできない表現を楽しみ、お友だちとコミュニケーションすることは、「カラフルな絵を描きたい」「みんなで楽しみたい」という子どもらしい欲求に合致しているといえます。英語教育におけるICT2020年度から施行される新学習指導要領によって、小学校での英語学習も大きく変わることは、「あなたのお子さんの年は移行期?全面実施期?3分でわかる『小学校英語教育』」でもお伝えしたとおり。新たな学習指導要領には、「外国語科」の目標が以下のように書かれています。外国語の音声や文字、語彙、表現、文構造、言語の働きなどについて、日本語と外国語との違いに気付き、これらの知識を理解するとともに、読むこと、書くことに慣れ親しみ、聞くこと、読むこと、話すこと、書くことによる実際のコミュニケーションにおいて活用できる基礎的な技能を身に付けるようにする。(太字による強調は編集部で施した)(引用元:文部科学省|小学校学習指導要領)つまり、いわゆる「英語4技能」の基礎を小学生のうちから身につけることが目指されているのです。文部科学省による2019年度概算要求において、「英語4技能育成のためのICT活用普及推進事業」として新たに2億5,000万円が計上されました。「新学習指導要領の全面実施に向けて、自治体が民間機関と連携し、各地域の実態に応じた効果的なICTの活用法について事例を創出し、全国各地に普及する」とのことです。では実際、小学校での英語教育においてICTはどのように活用されているのでしょう?英語教育で有名なのが、京都府の立命館小学校。朝の15分間を「モジュールタイム」とし、その一部を英語の発声練習(音声ドリル)にあてています。PowerPointで作成した、英単語の書かれた140~230枚程度のスライドを電子黒板に次々と写しつつ、児童に発声させるのだそうです。同校の英語科アドヴァイザー・田縁眞弓氏によると、ICTをうまく使ったこの活動は「児童の集中を切らすことなく、緊張感を与えながらスピーディに多量のインプットが与えられる」のだとか。たくさんの資料をテンポよく次々と見せるのは、アナログ環境ではできないことですね。また、立命館小学校の英語の授業では、英語の絵本をスキャナーでデータ化し、電子黒板に大きく映しながら読み聞かせているそう。物語の魅力だけでなく、「紙媒体の絵本と比べてデジタルでみる絵本の大きさやカラフルさ、その迫力」が児童を引きつけ、やがて児童全員が絵本のテキストを自然と目で追うようになったそうです。英語の音とスペルが一致して頭に入ってきそうですね。つるみね保育園の例でもそうでしたが、プロジェクターや電子黒板を使って教材を大きく映すということは、想像以上に子どもを集中させやすいようです。また、小学校英語教育などを研究する高橋美由紀教授(愛知教育大学)らは某小学校の6年生を対象に、Skypeを使った英語活動を実践しました。1グループ3~4人で1つのタブレットを使い、「Can you ~?」など特定のフレーズを使ってSkype越しにネイティブ講師とやりとりをしたのです。この活動には以下をはじめとする効果があったそう。①子ども達一人一人の発話機会が多くなったこと、②ネイティブ講師達は目の前の子ども達に合わせて彼らの理解できる表現を使用して授業を行えたこと、③子ども達の英会話を行うことへのモチベーションが高まったこと(太字による強調は編集部で施した)(引用元:愛知教育大学学術情報リポジトリ|ICTを活用した小学校英語教育 ― スカイプを使用した事例研究を基に ―)ICTを利用することにより、少人数で効果的な会話練習ができた、というわけですね。児童の数に応じたネイティブ講師をそのつど学校に呼ぶ、というのは費用などの面から現実的ではありませんが、Skypeならば可能になるというわけです。特別支援教育におけるICTICTの利用は、障害を抱える子どもの教育において非常に有用だと考えられています。目が見えなかったり、耳が聞こえなかったりといった不便さを、デバイスやソフトが補ってくれるからです。独立行政法人・国立特別支援教育総合研究所が、障害のある児童生徒の教育におけるICT活用事例を収集したところ、弱視(視力が正常に発達せず、眼鏡をかけてもよく見えない状態)の小学生がタブレットと漢字練習用アプリケーションを用いて書き取り練習を行う例があったそう。同研究所の共同研究によると、弱視の子はそうでない子に比べ、漢字を正確に書くのが困難なのだとか。文字を間違って覚えていたり、「点画が外れている、二重書きの線がある、不要な突出部分ができてしまうといった傾向」があったりするそうです。そこで、学習アプリケーション「常用漢字筆順辞典」で学ばせたところ、画面を拡大することで、線と線がつながっているか・離れているかなど、漢字の細部を確認しながら漢字を書く練習ができたそう。直感的な操作で画面を拡大でき、画面に直接書いて勉強できることは、タブレット学習の大きな利点ですね。発達障害がある子の学習支援にも、ICTの導入は効果的です。文部科学省の調査によると、アスペルガー症候群・学習障害(LD)・注意欠陥多動性障害(ADHD)などを含む発達障害を抱え、通常学級において教育支援を必要としている子は各学級に少なくとも2~3人いると推定されるそう。ICTを利用すれば、彼らの困難さを取り除きやすくなるのです。たとえば、授業中に集中しづらい子がいる場合、大型ディスプレイを用いるとよいそう。子どもたちの視線が自然と前のほうに向かうほか、それぞれの表情が教員からよく見えるようになるので、集中していない子どもに教員が気づきやすくなるそうです。また、集中が困難だったり聴覚過敏だったりして、教員の指示を聞きもらしがちな子もいます。そのような場合には、タブレットやICレコーダーで教員の話を録音することにより、重要な連絡事項をあとから確認できます。また、ノイズキャンセリングヘッドフォンを装着すれば、人間の声以外の雑音を軽減することが可能なので、空調設備や自動車の音などに煩わされにくくなるのです。さらに、病気や障害などの理由により学校に通えない子が、ICTを利用して自宅や病院から遠隔授業を受けることもできます。公益財団法人・日本財団で行われている「難病の子どもと家族を支えるプログラム」は、2017年から鳥取県で遠隔教育事業を行っています。カメラ・マイク・スピーカーを搭載した、高さ21.5cmのロボット「OriHime」を利用することで、実際に教室にいるように授業を受けられるのだそう。タブレットなどに専用アプリケーションをインストールすると、カメラを通して現場の風景を見たり、「OriHime」を自分の分身のように動かしたりすることができます。2018年4月時点で、鳥取県の養護学校および院内学級で3台の「OriHime」が稼働しているそう。重度の心臓病を持つ小学生のAさんは、感染予防や体調を考慮して先生が自宅に訪問して授業をする訪問学習を受けています。(中略)OriHimeが来たことで、これまで先生のお話でしか聞けなかった学校行事や大人数での授業など、OriHimeのおかげで、「見る」「参加する」「経験する」ことができるようになりました。(中略)また、治療により入院前と違う自分の姿を見られることに抵抗を持つ子どもも多い中、OriHimeが分身になってくれるおかげで、自分の姿を相手に見られることなく友だちと勉強ができることは、子どもにとって大きな安心につながるという効果もあることがわかりました。(太字による強調は編集部で施した)(引用元:日本財団|分身ロボットで、学校へ通えない子ども達に学習の機会を!鳥取県での実践)このような遠隔授業が一般的になれば、事情により学校に通えない子どもたちの大きな助けになりますね。文部科学省は2018年11月、今後の政策の柱のひとつとして「遠隔教育の推進による先進的な教育の実現」を掲げました。病気療養しているなど「特別な配慮」を必要としている子どもや、人口の特に少ない地域に住む子どもたちにも質の高い教育を届けるためです。教育分野において本格的にICTが活用されれば、都会の子も地方の子も、高度な学習をしたい子も学習の苦手を補いたい子も、それぞれが恩恵を受けられそうです。教育のICT化を支援する企業これまで述べたような「教育のICT化」は、先生の個人的な努力や政府の意向だけで成し遂げられるものではありません。教育の現場で使えるデバイスやソフトウェアを開発したり、システムを提供したりする民間企業あってのもの。企業が教育現場向けに打ち出しているICT関連の製品やサービスは「文教ソリューション」と総称されています。たとえば富士通株式会社は、児童生徒向けのタブレットを開発しています。そのひとつ「ARROWS Tab Q506/ME」には、以下をはじめとした特徴があります。-机から落ちにくい設計。-落としても衝撃が伝わりにくい。-家庭科室や屋外でも使いやすい防水・防塵。-鉛筆のように書けるペン入力。-薄暗い体育館でも撮影時にブレにくいカメラ。教育のICT化に意欲的な岐阜県岐阜市では2016年度、このタブレットが全ての市立小中学校に配備されました。児童生徒3.4人に1台の割合だそうです。タブレットを授業で使いはじめたところ、以下のような効果があったのだとか。-言葉での説明では難しいことを、デジタル資料で視覚的に示せる。-大量のプリントをコピーするなど教員側の負担が減った。富士通は文教ソリューションとして、子どもの個別学習をサポートする「手書き電子ドリル」も提供。国語・算数・英語など各教科の問題をタブレットに書き込んで解答すると、自動で採点されます。漢字のテストでは書き順をチェックしたり、計算問題ではかかった時間を計測して前回と比較したりできるのが、紙のドリルにはない大きな特徴。前回間違えた問題のみを表示したり、全問正解すると「合格」マークが表示されたりなどの要素は、子どもの積極的な反復学習につながります。また、教員はテンプレートに沿って自分で問題を作ることが可能。教員の手間を大幅に削減しつつ、子どもが楽しく効果的な学習を行える電子ドリルのメリットは大きいといえます。教育ITソリューションEXPOとは上記のような文教ソリューションを提供する企業が一堂に会する「教育ITソリューションEXPO」という展示会があります。東京・大阪で毎年開催されており、2018年5月に東京ビッグサイト(江東区)で開催された第9回には、ベネッセや東芝など450社以上が出展し、学校関係者など約3万2,000人が来場しました。市場調査を手がける株式会社富士キメラ総研が、教育機関向けICT関連の国内市場規模を2017年に発表したところによると、2021年度は1,920億円の見込みで、2015年度と比べて41.8%増えるそう。市場は大きく「ハードウェア」「教材/コンテンツ」「校内設備/インフラ」「業務支援システム」の4つに分かれ、特に無線LANシステム(2015年度比4.1倍)とタブレット端末(同3.4倍)の市場の伸びが著しいようです。2018年6月に閣議決定された「第3期教育振興基本計画」は、2018年度~2022年度を対象としており、教育政策の目標のひとつとして、「ICT利活用のための基盤の整備」が挙げられています。測定指標として示されているのは「学習者用コンピューターを3クラスに1クラス分程度整備」「普通教室における無線LANの100%整備」など。このように、政府によって教育のICT化が促進されるのであれば、関連市場はますます拡大していくでしょう。「教育ITソリューションEXPO」もさらに活気を呈しそうです。2019年度の開催は、東京で6月19日~21日、大阪で9月25日~27日。あくまで商談の場なので、子どもと見学に行く、というわけにはいかないのですが、教育をもっと進化させてくれる最新ICTが一堂に会しているかと思うと、わくわくしますね。教育におけるICTの課題教育にICTを導入することは、子どもにとっても教員にとっても大きなメリットがあり、政府も推進していることがわかりましたね。とはいえ、教育のICT化のために解決するべき課題は山積しています。上で紹介した事例のように教育現場でICTを活用するには、教室で無線LANが使えることと、できるだけ多くの子どもにコンピュータが行き渡っていることが必要です。文部科学省の「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」によると、2017年度における「教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数」は5.6人(前年度5.9人)、「普通教室の無線LAN整備率」は34.5%(前年度29.6%)でした。これを見ると、ICT利用環境は順調に整備されつつあるように思えますが、実は大きな地域差があるのです。「教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数」が最も少ないのは、佐賀県の1.8人。一方、最も多いのは埼玉県の7.9人でした。東京都は平均に近い5.4%です。1台当たりの児童生徒数が多いと、ひとりひとりが充分にコンピュータを利用することができず、狙い通りの教育効果を上げられないかもしれません。また、「普通教室の無線LAN整備率」が最も高かったのは静岡県の68.6%。最低は福岡県の9.4%でした。ちなみに、東京都は47.3%です。普通教室で無線LANが利用できないと、コンピュータは従来どおり、コンピュータ室のデスクトップPCを使うことになるでしょう。そうなると、いつもの教室にタブレットを持ち込んでインターネットに接続することができず、遠隔授業も実現できません。教育のICT化を促進するために、やるべき施策は多くありますが、「教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数」および「普通教室の無線LAN整備率」の地域間格差を是正することが目下の課題だといえるでしょう。***あまり知られていない、教育現場におけるICT事情についてお伝えしました。「タブレット教育」「プログラミング教育」ばかりが注目されがちな昨今ですが、最新テクノロジーを教育に導入することには、もっと多様なメリットがあるのです。お子さんの通う幼稚園や学校ではどうなのか、調べてみてはいかがでしょうか?(参考)コトバンク|ICT文部科学省|小学校学習指導要領文部科学省|幼稚園教育要領、小・中学校学習指導要領等の改訂のポイント文部科学省|教育の情報化加速化プラン~ICTを活用した「次世代の学校・地域」の創生~文部科学省|2019年度概算要求のポイント文部科学省|発達障害のある子供たちのためのICT活用ハンドブック文部科学省|発達障害とは文部科学省|遠隔教育の推進に向けた施策方針文部科学省|「新時代の学びを支える先端技術のフル活用に向けて ~柴山・学びの革新プラン~」について文部科学省|教育振興基本計画文部科学省|学校のICT環境整備について文部科学省|平成29年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)内閣府|低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査リコー|お客様事例(社会福祉法人上名福祉会 つるみね保育園 様)つるみね保育園学校法人高岸幼稚園|園紹介ムービーJ-STAGE|幼稚園におけるICT を活用した保育の検討-高岸幼稚園の事例より-J-STAGE|小学校英語と ICT ―私立小学校での実践から愛知教育大学学術情報リポジトリ|ICTを活用した小学校英語教育 ― スカイプを使用した事例研究を基に ―独立行政法人国立特別支援教育総合研究所|ICTを活用しよう独立行政法人国立特別支援教育総合研究所|弱視児童生徒の特性を踏まえた 書字評価システムの開発的研究日本弱視斜視学会|弱視日本財団|分身ロボットで、学校へ通えない子ども達に学習の機会を!鳥取県での実践分身ロボット「OriHime」富士通|ARROWS Tab Q506/ME 製品詳細富士通|岐阜県岐阜市教育委員会様/岐阜市立岩野田北小学校様富士通|手書き電子ドリル教育ITソリューションEXPO富士キメラ総研|『エデュケーションマーケット 2017』まとまる(2017/5/16発表 第17041号)
2018年12月19日「子どもの発達に合わせて、そのときにもっともふさわしい教育をする」ことが特徴の「シュタイナー教育」(インタビュー第1回参照)。実際の教育現場ではどのような授業がおこなわれているのでしょうか。東京賢治シュタイナー学校で1年生のクラス担任を務める鴻巣理香先生は、その特徴を「世界とのつながりをとおして学ぶこと」だと語ります。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/石塚雅人(インタビュー・校内撮影のみ)記事冒頭画像:東京賢治シュタイナー学校 校内子どもには遊びでも明確な教育の意図がある――シュタイナー教育では1年生を「ならし期間」としているそうですが、一般の学校とどうちがうのでしょうか。鴻巣先生:当校には幼児部もありますが、学校にはいろいろな幼稚園、保育所から子どもたちが入学してきます。ですので、子どもたちの緊張がほどけて「仲間」になるまでには時間が必要です。そのため、最初に取り組むのは、「共同の生活の場」をつくること。一般の学校ではいきなり授業がはじまりますよね。でも、その前の段階が十分にできていないと、まだ幼児の延長上にある1年生は落ち着いて学べません。学びの特徴として、当校の1年生の席は円形になっていることが挙げられます。――それにはなにか大きな意味があるのでしょうか。鴻巣先生:これは「みんなが出会える場所」だということを意識したものです。入学当初の子どもたちが持っているのは「わたしと先生」という感覚。「わたしがみんなの一部」という感覚がまだないのです。だから、みんなが一斉に先生と話そうとする。そこで、「ひとりずつね」「誰かが話しているときは一緒に聞いてね」と話し、聴くことを練習していくなかで、子どもたちは「みんな」になっていくわけです。――いわゆる授業の内容はどんなものですか?鴻巣先生:いまお話した、円形に座ってお話をすることが1日のはじまり。そして、詩を唱えたり、歌を歌ったりします。これがもう授業なんです。椅子をしまって「ライゲン」(ストーリーを語りながら動物などを演じる教師を子どもが真似るリズム遊びのようなもの。※詳しくはインタビュー第2回参照)をすることもあります。お話をしながらいっぱい動くのですが、子どもたちにとっては遊びみたいなものでしょう。でも、教師としては、日本語のリズムで詩を一緒に唱えて覚えさせる、体の大きな動きやこまかい動きを練習させるといった、明確な意図があるものです。そして、これらの活動のなかには「共同でやること」、そして「自分自身が取り組み練習すること」が必ず含まれます。それが1年生にとっての学びなのです。「土台」ができあがれば学習速度が一気に上がる――一般的な授業とは大きく異なるようです。鴻巣先生:もちろん、国語や算数など、一般的な教科に該当する授業もあります。ただ、シュタイナー教育では、最初に学ぶための「土台」をつくることを重視します。先ほどお話したように、これらは子どもにとっては遊びみたいなものですから、親御さんに「今日は学校でなにしたの?」と聞かれると、子どもは「先生と遊んできた」と答える。ですから、親御さん、特にお父さんのなかには心配してしまう方もいますね。「この学校、大丈夫かな」って(笑)。ただ、わたしたちは、子どもがどんな時期なのかということに重きを置いて、人間の成長に合わせた無理のない学びにしているだけのことです。まわりから見ると、3年生まではすごくゆっくり学んでいるように見えるでしょう。ですが、きちんと土台ができあがると、4年生以降ではかなり早く学びが進むのです。――「エポック授業」というものが大きな特徴だと伺いました。鴻巣先生:これは、すべての学年の1時間目におこなわれる110分の授業です。110分というと長く感じると思いますが、1年生だったら最初の45分から1時間くらいは、先ほどお話したライゲンなどをして子どもたちは動いています。そして、30分くらい集中して勉強をする。そして最後の15分は教師の話を聴きます。勉強の内容は、一般の学校の国語、算数、理科、社会にあたる教科です。しかも、2週間から4週間ほどのスパンで、毎日、同じ教科の同じ内容を集中的に学びます。そして、その教科が終わったら、次の教科に集中する。前の教科で学んだことは、1回寝かせます。たとえるなら味噌のようなもので、寝かせて発酵させるわけです。――寝かせることにはどういう意味があるのでしょうか。鴻巣先生:寝かせているのですから、他の教科に取り組んでいるときには、学んだことが頭のなかに出てくることはありません。でも、しばらくたってふたを開けたときには熟成されている。しっかり潜在意識に刻まれ、強化された記憶のなかから「こうだった!」と取り出すことができるわけです。子どもの成長段階をしっかりと見つめる――貴校の授業で特に強く意識していることがあれば教えてください。鴻巣先生:一般の学校で学ぶ内容も、より生活に根差したものとしてとらえるということです。3年生の算数ではものの単位を習います。ただ、それを「紙の上」で終わらせることはありません。1kmを学ぶためには、1mのロープを10本つなげて10mのロープにして、それをみんなで持って実際に測ります。なぜなら、わたしたちのまわりには「世界と切り離されたもの」はなにひとつないからです。世界とのつながりをとおして学ぶことは、実際にそこにあるものの見方――「観点」を学ぶということ。だからこそ、授業でならったもの以外のものを見ても、学んだことをきちんと活かせるようになる。応用が効くと言ってもいいかもしれません。これは「紙の上」だけでの学びでは得られないものです。――一般の学校に通う子どもを持つ親御さんでも生かせる貴校の教育の考え方はありますか?鴻巣先生:まずは、いまお子さんがどういう時期にあるのか、しっかり見てあげてほしいですね。1年生は幼稚園児と比べると大きくなったように見えますが、さまざまな場面でまだ親の支えが必要な段階です。いまの子どもたちには、「できないことはいけないこと」という感覚があるように思いますが、できなくても平気なんですよ。失敗してもまたやってみたらいい。ただ、親が一緒にやってあげる必要があります。そして、もう支えがいらないのか、助けてほしいけど言えないだけなのか、そういうことをきちんと見抜いてあげてほしいと思います。■ 東京賢治シュタイナー学校■ 東京賢治シュタイナー学校幼児部たんぽぽこどもの園■ 東京賢治シュタイナー学校 インタビュー一覧第1回:「点数」で子どもを評価しない――力強い意志を育む「シュタイナー教育」の本質第2回:「模倣となりきり」で想像力が伸びる――感覚がフル稼働する「シュタイナー教育の1日」第3回:お片づけに“小人さん”が登場!?――「豊かなイメージ」が日々の子育てにも生きる第4回:1年生が「円形の席」で学ぶこと――シュタイナー教育が重視する「学びのベース」【プロフィール】東京賢治シュタイナー学校1994年、30年以上にわたり公教育に携わった鳥山敏子氏が公立学校を退職し、天地人のつながりのなかに生きようとした宮沢賢治の生き方を理想として長野・美麻に若者のための学びの場「賢治の学校」を立ち上げる。その後、ドイツのシュタイナー学校の見学をとおして「子どものための学校」こそ必要だとし、1997年に東京・立川に拠点を移して前身である「東京賢治の学校」を創設。1999年に幼児部、2005年には高等部を開設。2013年より現校名となる。鴻巣理香(こうのす・りか)東京賢治シュタイナー学校教師(1年生クラス担任)。「正直であるというところから人間は真の強さを生み出す」を信念とする。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年12月14日「シュタイナー教育」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ドイツで誕生した教育思想ですが、おそらく多くの人にとって耳慣れないものでしょう。日本でシュタイナー教育をおこなう東京賢治シュタイナー学校の取材をとおして見えてきたのは、一般常識や他人の意見でぶれることのない、力強い「意志」を育てる教育でした。同校幼児部教師・池田真紀先生(写真右)と、学校教師・鴻巣理香先生(写真左)にお話を聞きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/石塚雅人(インタビュー撮影のみ)ドイツで生まれ日本の風土に合わせて発展――そもそも、「シュタイナー教育」とはどんなふうにはじまったものでしょうか。池田先生:もともとはオーストリアの哲学者であるルドルフ・シュタイナー氏がはじめた教育です。当時は第一次大戦のさなか。「健全な人間が育たないと健全な社会には変えられない」という、社会運動の一端としてはじめられたそうです。鴻巣先生:当時のドイツの普通教育は、いまの小学4年生くらいまで。その後は、上の学校に進むのか、あるいは社会に出て徒弟制度のなかで働くのか、その時点で決めないといけませんでした。その頃、シュタイナーの講演を聴いた大きなタバコ会社の社長が、彼に「学校をつくってほしい」と依頼しました。従業員のほとんどはごく短い期間の普通教育を受けただけだったということもあり、従業員たちが「子どもたちには彼らに合う場でしっかり学ばせてあげたい」と社長に要望したのだそうです。そうして、はじめてのシュタイナー学校が誕生しました。池田先生:その後、日本に伝わった当時は、ドイツでの手法をそのまま踏襲していたようです。でも、日本のなかでそれぞれの学校や幼稚園が試行錯誤しながら、その地域に合ったシュタイナー教育をおこなうようになっています。ただ、根本となる「人間」とはなにか、というとらえ方は、どこのシュタイナー教育も同じものです。子どもたちの年齢と成長に合った教育――その根本である、シュタイナー教育の特徴というとどんなものになるのでしょうか。池田先生:「子どもの年齢や発達にふさわしい教育を与える必要がある」という発想ですね。まだ合わないものを早くさせたり、逆に必要なことをさせなかったりということではなく、そのときそのとき、成長を続ける子どもに合ったカリキュラムを組んでいます。鴻巣先生:シュタイナー教育は1919年にはじまり、2019年に100周年を迎えます。でも、100年たったからといって、子どもが育っていくために必要なものは変わりません。子どもの年齢、成長に合ったものを手渡していくということが、シュタイナー教育のいちばんの特徴だと思います。当校の教師は、一般の公立校や私立校で教師をしていた者がほとんどですから、一般の学校とのちがいをよくわかっています。そのちがいとは、人間のとらえ方、発達に関する観点ですね。幼児期に体ができてはじめて勉強ができる――シュタイナー教育では、0〜7歳、7〜14歳、14〜21歳という7年単位で人間の成長をわけて考えているとのこと。実際に、7年が区切りになっていると感じますか?鴻巣先生:本来、人間の成長はひとつながりのものです。でも、学校制度のなかでここからは上の学年だというふうにわけざるを得ません。そういうなかで子どもたちをどう発展させるかというところは、学校であり教師が工夫するしかない。わたしたちの教育は、幼児だからここまで、1年生だからこれをやる、2年生だからこれをやると押し付けるものではありません。もちろん、各学年で取り組むべきカリキュラムはあります。それは、それぞれの「時期に合っている」もので、「彼らの成長を助ける」ものだということです。池田先生:7歳を例にすると、「歯が抜ける」ことが大きなサインとなります。乳歯が抜けるのはだいたい1年生の前後です。それが、シュタイナー教育では、「きちんと体ができた」「勉強ができるようになった」というサイン。0歳から7歳までのあいだは、勉強させるのではなく、きちんと体をつくってあげることが大きなテーマなのです。鴻巣先生:乳歯が抜けると、すでにその下には永久歯が準備されていますよね。ということは、体のなかでもっとも硬いものをつくっていた大きな力が余っているということ。その力を使って「覚える」ということが可能になる、とシュタイナー教育では考えているのです。一般の学校だと、1年生になるといきなり勉強に入ります。でも、まだ体ができあがっていない幼児の名残がある状態では、「覚える」ことがすごく難しいのだと私たちは見ています。シュタイナー教育が育む自分を信じる力――シュタイナー教育を受けた子ども、そうでない子どもで、その後にどんなちがいが出るものでしょうか。鴻巣先生:卒業生がよく口にするのは、「根拠のない自信がついた」ということ(笑)。それは、小さい時期を競争しないで育っているからだと思います。もちろん、高等部など上の学年に進めば切磋琢磨することも必要ですが、基本的には「この子は100点、この子は50点」というふうに点数で子どもを評価しません。そうすると、「これは自分がしっかりできる」「この子はこういうことが上手だから教えてもらおう」という考えが身について、なにかが「できないから責められる」という経験がないのです。それが「根拠のない自信」につながっているのではないでしょうか。――とはいえ、大学進学などを考えれば、競争も必要になってきます。鴻巣先生:当校の卒業生たちは、「点数」で進路を選びません。偏差値がいくつだからこの大学に行くというようなことはしないのです。「○○先生がいるから」「学びたいことを学べるから」と明確な志望理由を持っていますし、進学しない子にもきちんと理由がある。そして、「ちがう」と思ったら、また戻って自分がやるべきこと、やりたいことを探している。その「へこたれない力」は、本当にすごいと思いますね。もちろん、卒業後に夢を持ちながらもまだ中途半端な状態にある子もいます。若者ですから、そういう時期があって当然でしょう。ただ、そんな子も、「いまの仕事が一生の仕事ではないけど、学ぶところがあるからいまはこれをやる」というふうに、自分が立っている位置をきちんと理解しています。池田先生:当校の教師が、いろいろな生き方を認めていることも大きいかもしれません。普通だと、高校卒業の時点で進学先や就職先など送り出す先が決まっていないと、教師も心配しますよね。でも、当校の教師はいろいろな可能性を認めて待ってあげている。それで、「先生たちは自分をちゃんと受け止めてくれている」「ひとりじゃないんだ」「やっていける」と感じているのではないでしょうか。■ 東京賢治シュタイナー学校■ 東京賢治シュタイナー学校幼児部たんぽぽこどもの園■ 東京賢治シュタイナー学校 インタビュー一覧第1回:「点数」で子どもを評価しない――力強い意志を育む「シュタイナー教育」の本質第2回:「模倣となりきり」で想像力が伸びる――感覚がフル稼働する「シュタイナー教育の1日」(※近日公開)第3回:お片づけに“小人さん”が登場!?――「豊かなイメージ」が日々の子育てにも生きる(※近日公開)第4回:1年生が「円形の席」で学ぶこと――シュタイナー教育が重視する「学びのベース」(※近日公開)【プロフィール】東京賢治シュタイナー学校1994年、30年以上にわたり公教育に携わった鳥山敏子氏が公立学校を退職し、天地人のつながりのなかに生きようとした宮沢賢治の生き方を理想として長野・美麻に若者のための学びの場「賢治の学校」を立ち上げる。その後、ドイツのシュタイナー学校の見学をとおして「子どものための学校」こそ必要だとし、1997年に東京・立川に拠点を移して前身である「東京賢治の学校」を創設。1999年に幼児部、2005年には高等部を開設。2013年より現校名となる。池田真紀(いけだ・まき)(写真右)東京賢治シュタイナー学校幼児部教師(クラス担任)。「古くならないいまの時代に合ったシュタイナー教育」を目指す。鴻巣理香(こうのす・りか)(写真左)東京賢治シュタイナー学校教師(1年生クラス担任)。「正直であるというところから人間は真の強さを生み出す」を信念とする。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年12月08日日本が誇る世界的大企業・ソニー。その巨大企業は、じつは科学教育発展のための助成財団を運営しています。その助成財団「ソニー教育財団」は1959年から大本となる活動を開始し、現在ではその活動の幅を大きく広げています。公立校の教員が抱える問題の解決のため、また、2020年から小学校ではじまるプログラミング教育必修化のサポートのため、ソニー教育財団がおこなっている活動について、理事長・高野瀬一晃さんにお話を聞きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)大小さまざまな規模の研修で教員のネットワークづくりを支援わたしが理事長を務めるソニー教育財団が小中学校の先生の助成をはじめたのは、1959年から。理科の先生から理科教育論文を募り、優秀な論文を執筆した先生に助成金やソニー製品を贈呈するという「ソニー小学校理科教育振興資金」です(インタビュー第1回参照)。すると、その活動が新たな展開を生みました。1963年、優秀な論文を執筆して受賞した先生が所属する学校が「ソニー理科教育振興資金受賞校連盟」というものを組織し、先生同士でネットワークをつくって互いに切磋琢磨していこうという動きが起きたのです。そこで、その先生たちの研修などに必要な費用をソニーが提供することにしました。「ソニー理科教育振興資金受賞校連盟」は、「ソニー科学教育研究会」(SSTA)と名称を変え、理科教育に関心のある先生ならだれでも参加できる会として、現在も活動を続けています。会員の先生の数は、いまでは約2000人。みなさん、理科教育に本当に熱心な先生たちです。SSTAの会員の多くは公立校の先生。じつは、公立校の先生たちはひとつの問題を抱えています。異動があっても市町村内の別の学校に行くだけということがほとんど。市町村外に異動することがあっても、都道府県内の異動にとどまります。すると、先生たちは他の都道府県の先生とのネットワークをほとんど持つことができないのです。しかも、教員独特のメンタリティーなのか、なにか授業で問題が起きたとしても、同じ市町村内の先生にはアドバイスを求めにくいらしい。おそらくは、互いにコンペティターだと認識しているのでしょう。その問題を解決するため、わたしたちはSSTA会員の先生を対象とした3泊4日の全国特別研修会というものを開催しています。集まるのは全部で約100人の先生たち。そこで、たとえば北海道、青森、広島、福岡の先生がグループとなって授業の単元(学習活動の題材)開発をおこなってもらう。こうして、先生たちは「同じ釜の飯を食った」仲になる。全国に先生同士のネットワークができ、先生たちは互いにアドバイスを求めたり、アドバイスをしたりできるようになるわけです。また、全国特別研修会の他にも、全国を4つのブロックにわけておこなう「ブロック特別研修会」や都道府県単位の支部ごとの研修会も実施しています。これらにより、草の根運動ではないですが、学校現場の授業の質を上げることに貢献できていると自負しております。プログラミング教育のキモはプログラミング言語習得ではないこういった先生たちの研修のサポートの他に、ソニー教育財団では新たな試みをはじめています。わたしはもともとソニー株式会社では資材調達に携わってきました。ビジネスの現場に長く身を置いてきた立場からも、今後のソニー教育財団がどういうミッション、ビジョンを共有し、どこに向かって活動すべきかを考えています。ソニー創業者の井深大の考えも高く掲げながらも、未来志向が必要だと思うのです。その未来志向のなかではじめたのが、プログラミング教育のサポート。いま、日本のビジネスの現場にはソフトウェアエンジニアが圧倒的に不足しています。そのため、2020年から小学校でプログラミング教育が必修化されるのですが、問題はそれを教える先生たちにそのスキルや指導経験がないということ。そういう先生たちを、なんとかサポートしなければなりません。たまたまではあるのですが、ソニーでは異なるグループ会社がそれぞれにプログラミング教材を開発しました。ひとつは「MESH(メッシュ)」というもの。これは、人感センサーや光センサーなど、さまざまなセンサーやスイッチ機能を持ったブロック形状の電子タグとアプリを組み合わせ、プログラミングすることでいろいろなアイデアをかたちにできるというものです。画像提供:ソニー教育財団もうひとつは、「KOOV®(クーブ)」。こちらは、子どもたちの大好きなカラフルなブロックと電子パーツで動物やロボットなどのかたちをつくり、そこにアプリからプログラムを転送することで、自分でつくった作品を動かすことができるというものです。(本記事冒頭画像もKOOV)画像提供:ソニー教育財団わたしたちは、これらをSSTAの先生たちに無償で貸し出し、プログラミング教育に役立ててもらっています。その授業はたとえばこんな内容です。教室にゴミが散らかっているという問題があるとしましょう。そこで、MESHをつかってみんながちゃんとゴミ箱にゴミを捨てるようにするための方法を子どもたちに考えてもらう。たとえば、ゴミ箱を開けると、ゴミ箱のなかの光センサーが反応して、あらかじめ録音していた「きちんとゴミを捨ててくれてありがとう」という音声が流れるようにするとか。MESHもKOOV®も直感的に使えるビジュアルプログラミングを採用しているので、プログラミングの専門的な知識がなくても問題ありません。重要なのは、「○○すれば△△が起きる」といった、プログラミングの基本的な考え方を身につけることです。プログラミング教育というとコンピューター言語を覚えるといったイメージをするかもしれませんが、その根本となる考え方、「論理的思考」を身につけることが、重要なプログラミング教育だと思うのです。■ ソニー教育財団理事長・高野瀬一晃さん インタビュー一覧第1回:ソニーが“子ども投資”を59年間も続ける深い理由第2回:世界のソニーが手がける「プログラミング教育サポート」第3回:卒業生400人、みんな理系じゃないから面白い。ソニーの凄すぎる自然教室の全貌(※近日公開)第4回:日本人教員がビックリするのも納得。豪州が取り組むSTEAM(スチーム)教育の凄さ(※近日公開)【プロフィール】高野瀬一晃(たかのせ・かずあき)1954年1月18日生まれ、東京都出身。早稲田大学教育学部卒業。1990年、ソニー株式会社入社。資材調達のエキスパートとして1993年からドイツ、ハンガリー、フランス、スウェーデンなどヨーロッパ各国に赴任。2005年に本社へ復帰し、DI事業本部、テレビ事業本部の資材部門部門長、調達本部本部長、調達担当役員(SVP)などを歴任し、2015年に定年退職。その後、公益財団法人ソニー教育財団理事長を務める。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年11月20日「レッジョ・エミリア教育」を知っていますか?優れた幼児教育として、世界中の保護者から注目を浴びています。その発祥となったイタリアの都市レッジョ・エミリアは1991年、米国の週刊誌『ニューズウィーク』により、幼児教育における国際的なロールモデルとして挙げられました。米Googleの社員が利用できる預かり保育にも、レッジョ・エミリア教育が取り入れられているそう。いったい、一般的な幼児教育と比べてどのような特徴があるのでしょうか?今回は、小さな子どもに関わる者ならぜひ知っておきたいレッジョ・エミリア教育について、簡単にご紹介します。レッジョ・エミリア教育の発祥レッジョ・エミリア教育の始まりは、第二次世界大戦の終戦直後でした。北イタリアの都市レッジョ・エミリアの近くにあるヴィッラ・チェッラ村の人々は、戦争で破壊された建物からレンガや石を集めたり、ドイツ軍が残した戦車を売り資金を集めたりして、学校を建てはじめたそう。地元の教員だったローリス・マラグッツィ(1920~1994)はそれを見て感動し、ローマで教育心理学を学びはじめます。1950年に学位を取得するとレッジョ・エミリアに戻り、学校の運営を手伝ったり新たな幼児教育施設を建てたりしたそうです。マラグッツィは市当局と協働し、1963年に公立としては初めての幼児教育施設をオープンさせました。その後も公立の施設は増え、レッジョ・エミリアの保育施設は18に、幼児教育施設は51にまでなったそう。これらの施設で行われている教育が、レッジョ・エミリア教育と総称されているのです。レッジョ・エミリア教育の理念レッジョ・エミリア教育における指導者的存在となったマラグッツィは自身の教育理論を本として残しておらず、レッジョ・エミリア教育に体系的なメソッドはありません。しかし、マラグッツィによる詩「100の言葉」は、レッジョ・エミリア教育の理念を象徴するものとして知られています。以下はその一部です。子どもは100の言葉を持っている(そしてもっともっと何百も)けれど99は奪われている学校と文化が頭と体を切り離す彼らは子どもにこう言うのだ手を使わずに考えなさい頭を使わずやりなさいよく聴きなさいしゃべってはいけません楽しまずに理解しなさい(引用元:St Joseph’s School|The Hundred Languages of Children)この詩のなかでは、従来の幼児教育が冷たいものとして非難されています。そして、その反対がレッジョ・エミリア教育だといえるでしょう。「100の言葉」は子どもが持つ無限の可能性の象徴です。そして、人にはそれぞれ異なる価値観や個性があることを意味しています。2010年代の「多様性社会」を先取りしたものといえるかもしれません。レッジョ・エミリア教育の実践では実際に、レッジョ・エミリア教育では何が行われているのでしょう?以下ではレッジョ・エミリア教育の特徴を紹介します。1.プロジェクトレッジョ・エミリア教育の大きな特徴は、「プロジェクト」と呼ばれる活動です。これは、長ければ1年にも及ぶ長期間、一つのテーマを掘り下げるというもの。テーマは子ども同士の話し合いによって決定され、工作や調べ活動が行われます。子どもたちが議論しやすいよう、プロジェクトは4~5人の小グループで行われることが多いそう。また、グループには保育士だけでなく、保護者や地域住民といった大人も加わって、話し合いや見守りをします。このプロジェクト活動において子どもが学べることは多くあります。幼児教育を専門とする冨貴田智子・准教授(愛知江南短期大学)が、幼稚園で1カ月に渡るプロジェクト活動を行ったところ、以下のように子どもたちの「自律性」および「協同性」の成長が見られたそうです。自律性:-子どもたちだけで設計図について話し合っていた。-自由遊びの時間にも自主的にプロジェクト活動を進めていた。協同性:-自分の意見を強く主張しつつも、他者の話に耳を傾けて考えを変えた。-他者を批判したら逆に批判されたことにより、新たな気づきを得た。2.ドキュメンテーション「ドキュメンテーション」も、レッジョ・エミリア教育を語るには欠かせないものです。子どもたちが活動する様子は、文字や写真・動画によって記録されます。そしてパネルとしてまとめられ、誰もが見られる場所に展示されます。子どもがそれを見て、自分たちの活動を振り返ることにより、次に活かすのが目的です。もちろん、保育士にとっても指導の参考資料となり、保護者や地域住民といった来園者に活動を紹介する有効な手段ともなります。幼児教育学を専門とする伊東久実教授(身延山大学)は2011年、レッジョ・エミリア教育を実践する米国の保育施設を視察したところ、ドキュメンテーションは以下のように作成されていたそうです。-造形美術の専門教師(アトリエリスタ)と保育士による、2~3人のグループが担当。-子どもが活動している様子を多数の写真に収め、録音する。-子どもが興味を示したことに関して、1枚もしくは数枚の写真をピックアップする。-活動の過程や子どもの考えが分かるような言葉を添える。-教室や廊下に掲示する。具体的に、ドキュメンテーションには以下のようなことが書かれていたそうです。子どもたちの行動や発言が細かく記録されているので、その場にいなかった人でも様子をありありと思い浮かべることができますね。エレーナは来てすぐにライトテープルの脇にいるフェリックスのもとに直行した。四角や三角などの異なる形を見ながら、エレーナは「丸のかたちはないの?」と尋ねてきた。しかし、丸の形がないと知ると、彼女は自分で丸を作り始めたのだ。彼女が三角形をつなぎ合わせれば円を作れる、という直感を持っていたことに私は驚いた。エレーナ:私は丸を作ったよ。今度は丸を分解していくの。フェリックス:僕は四角を集めてる。これってマグネットなんだ。マグネットがいっぱい!エレーナは、円を作るために組み合わせた三角形をひとつひとつ指さしながら言った。エレーナ:青、だいだい、緑、だいだい、だいだい、緑。フェリックス:これとこれは同じ色だ。(だいだい色の三角形を2つ指し示しながら)(後略)(太字による強調は編集部で施した)(引用元:身延山大学 リポジトリ|レッジョ・アプローチによるドキュメンテーションの実例検討 (長澤市郎先生退職記念号))伊東教授によると、この施設におけるドキュメンテーションは、以下の3つの観点に基づいて行われていたそう。1.子どもの思考を視覚化できるよう、効果的にレイアウトする。2.結果報告ではなく、子どもたちの探究活動の経過の記録である。3.子どもを「多大な可能性を持つ存在」としてとらえ、尊敬する。日本でも、子どもたちが工作や遠足をしている写真を掲示している保育園・幼稚園はありますが、あくまで「活動の簡単な紹介」にとどまっているのではないでしょうか。ドキュメンテーションのように、文字による詳しい説明はほぼ見られませんよね。子どもたちを尊敬し、彼らが何を行って何を考えているのかを客観的に分かりやすく表現するドキュメンテーションは、レッジョ・エミリア教育を体現しているものといえるでしょう。3.教育環境レッジョ・エミリア教育を取り入れている施設には、「アトリエリスタ」という美術専門の教師がいます。一つの園につき1人が配置され、プロジェクト活動やドキュメンテーションの作成に関わります。「ペダゴジスタ」という教育学専門家の存在も、レッジョ・エミリア教育における特徴のひとつです。ペダゴジスタは複数の施設を担当しており、週に1回程度訪問する日には、保育者とアトリエリスタとで徹底的に話し合うそう。教育に関してアドバイスをするほか、運営にも関わるそうです。レッジョ・エミリア教育においては、施設のデザインも重要です。レッジョ・エミリア教育の施設には、「ピアッツァ(広場)」と呼ばれる空間があります。イタリアの都市は広場を中心として展広がっており、そこは噴水や市場があって人々が集まるスペースとなっているのですが、レッジョ・エミリアの施設でも同様。たとえばレッジョ・エミリア市のある乳幼児センターでは、ピアッツァは建物の奥にあり、年齢の異なる子どもたちの教室に囲まれています。着替え遊びができるコーナーや「劇場」のコーナーがあるそうです。また、市内の別の施設のピアッツァは、やはり教室に取り囲まれています。着替え遊びのコーナーのほか、合わせ鏡で作られた空間に入って遊ぶ「万華鏡」という遊具もあります。さらに、レッジョ・エミリア教育を取り入れた保育園を日本で経営する、ナチュラルスマイルジャパン株式会社代表取締役の松本理寿輝氏によると、レッジョ・エミリア市の保育園では、閉園時間になると街の人々がワインやチーズを持った人々がピアッツァに集まって会話を楽しむそう。子どもも自然と加わるとのことです。街と保育施設が分断されず、住民と子どもが場所を共有しているのは理想的ですね。レッジョ・エミリアの保育施設にとっては、「アトリエ」も重要です。ここには芸術活動に必要な用具・材料が置かれ、ドキュメンテーションや子どもの作品が飾ってあります。「まるで実験室のよう」と表現する人も。保育施設全体で使われる大きなアトリエのほか、各教室に備わっている「ミニアトリエ」もあります。アトリエには、小石や葉っぱなどの自然物が丁寧に保管されており、子どもの興味・関心を刺激します。日本にレッジョ・エミリア教育の施設はある?さて、ここまで読んでみたら、レッジョ・エミリア教育を取り入れた施設に子どもを通わせてみたくなったかもしれませんね。日本には、レッジョ・エミリアの保育園や幼稚園はあるのでしょうか?実は、レッジョ・エミリア教育の考えを取り入れている施設は都内では珍しくありません。アトリエリスタやペダゴジスタといったプロフェッショナルの確保、ピアッツァの設計など、日本にそのまま輸入するには難しい点もありますが、レッジョ・エミリア教育の基本的な理念を実践している施設をご紹介しましょう。-代沢インターナショナルスクール(世田谷区、渋谷区)「レッジョ・エミリア・アプローチ」を全面に打ち出し、一人一人の個性を尊重することを重視しています。プロジェクト活動はもちろん、ドキュメンテーションも実施。写真・子どもの発言・先生のコメントから成る「ジャーナル」を作成し、保護者が子どもの学習活動を把握できるようにしているそう。また、スクールのコミュニティ形成のため、イベントや課外活動には保護者の積極的な参加を求めています。-まちの保育園(練馬区、港区、武蔵野市)・まちのこども園(渋谷区)上述したナチュラルスマイルジャパン株式会社の運営する、レッジョ・エミリア教育の考えを重視した施設です。アトリエの設置や、外部の人も見られるようなドキュメンテーションの掲示など、レッジョ・エミリア教育の方法論を積極的に実践しています。それだけではなく、施設を開放して保護者や地域住民向けのイベントを開いたり、カフェを併設したりなど、施設と地域コミュニティを一体化させようという姿勢は、まさにレッジョ・エミリア教育の思想を体現したものといえるでしょう。レッジョ・エミリア教育を家庭で取り入れるにはレッジョ・エミリア教育に興味があっても、近くに施設がなかったり、費用がネックになったりする場合もありますよね。そんなときには、レッジョ・エミリア教育のエッセンスを家庭生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?たとえば、プロジェクト活動。休日の過ごし方を、子どもと話し合って決めてみてはどうでしょう。展覧会やワークショップなどの情報が載った冊子やWebサイトを子どもに見せ、どれに参加したいか自分で考えさせるのです。なぜそれを選んだのか、どんな点に興味を持ったのかを説明してもらうのもよいですね。また、以前に出かけた場所の感想を聞いてみて、気に入ったようであれば同じような場所に行ってみると、子どもの興味・関心がさらに広がりそうです。ドキュメンテーションの作成にもチャレンジしてみてはどうでしょうか。ノートやスクラップブックに、子どもが活動しているときの写真を貼り、子どもが発した言葉をそのまま記録すればOK。このとき注意したいのが、ドキュメンテーションは「思い出のアルバム」とは異なるということ。カメラ目線でポーズを取った「記念写真」ではなく、子どもが作品の制作や読書に熱中しているときの写真を選びましょう。ドキュメンテーションはあくまで「探究活動の経過の記録」です。子ども本人や親が見返して「気づき」が得られるよう、客観的に編集することを意識してみましょう。そして家族がいつでも手に取れるよう、リビングなど共有スペースに置いてくださいね。レッジョ・エミリア教育を知る本「レッジョ・エミリア教育をもっと知りたい!」という方には、本を一冊読んでみることをおすすめします。まずは、『驚くべき学びの世界~レッジョ・エミリアの幼児教育~』(ACCESS、2011年)。レッジョ・エミリア市の協力により2011年にワタリウム美術館(渋谷区)で開催された、「驚くべき学びの世界展」の内容がたっぷり詰まっています。レッジョ・エミリア教育のなかで子どもたちの作り上げたアートの美しい写真をふんだんに収録。読者の感性に直接訴えかけてくるような紙面を見ると、それだけでも子どもに対する考え方が変わりそうです。ほかに日本語で読めるものとしては、イタリア語・イタリア文化を教えるダンテ・アリギエーリ協会を創設したアレッサンドラ・ミラーニ氏による『レッジョ・アプローチ 世界で最も注目される幼児教育』(文藝春秋、2017年)があります。日本のプレスクールにおいてどのようにレッジョ・エミリア教育を実践したか、という経験に基づいて書かれたので、日本人の親にとっても共感しやすいのではないでしょうか。電子書籍版もあるので、気になったらワンクリックですぐに読むことができます。***プロジェクト活動やドキュメンテーションからうかがえるように、レッジョ・エミリア教育では子どもを一人の人間として尊重し、自主性を重んじているのですね。「幼児教育にはこんなアプローチもあるんだ」と、新たな視点を与えてくれます。就学前のお子さんをお持ちなら、近くにレッジョ・エミリア教育の施設があるか、調べてみてはいかがでしょうか。(参考)StudyHacker|レッジョ教育Newsweek|The Best Schools In The WorldHowStuffWorks|Google Benefits and Day CareThe Atlantic|Reggio Emilia: From Postwar Italy to NYC’s Toniest PreschoolsReggio Children|Loris MalaguzziReggio Children|Reggio Emilia – City of a Hundred Languages和光大学|レッジョ・エミリア・アプローチとの対話St Joseph’s School|The Hundred Languages of ChildrenJWCPE Repository|レッジョ・エミリアの幼児教育と保育環境愛知江南短期大学|プロジェクト活動を通した子どもの自律性・協同性が育つ過程の検討StudyHackerこどもまなび☆ラボ|イタリアの革新的なアート教育「100人には100通りの考え方がある」個性を大切にするレッジョ・エミリア・アプローチ身延山大学 リポジトリ|レッジョ・アプローチによるドキュメンテーションの実例検討 (長澤市郎先生退職記念号)政策シンクタンクPHP総研|子どもたちがまち中の人と出会える環境を代沢インターナショナルスクールまちの保育園ワタリウム美術館|驚くべき学びの世界展
2018年11月18日ウーマンエキサイトで連載中のちゅいママさんの記事 「日本の義務教育で本当に教えて欲しいことは? 夫婦で話し合ってみた」 で、日本の義務教育に関するアンケートを実施。「義務教育で今後重視してほしいと思うこと」「今の義務教育で見直した方がいい(減らしてもいい)と思うこと」について、さまざまな意見が集まりました。■“お金”にまつわる社会の仕組みを教えて!2020年度から小学校でのプログラミング教育、英語の必修化が始まります。パパやママは、子どもたちが自分たちの小学校のときとは違う教育を受けることに不安や期待を抱いているのではないでしょうか。ちゅいママさんとご主人も、これを機に「義務教育」について話し合ったそうです。おふたりがまず「義務教育で今後重視してほしいと思うこと」は、ずばり “お金” のこと。お金は貯金するだけでなく、「増やす」「活用する」方法もあるんだということを教えてほしいということで、それに共感するコメントや、税金や年金といった“お金”にまつわる社会の仕組みについて「教えてほしい」という意見が多数集まりました。社会の仕組みについて、しっかり学習すべきと思います。給料をもらうと、いくら、どこに、なぜ納税するのか。働き方、正社員と派遣社員、自営業の仕組み。年金や保険制度の意義、どんな場合にどのような社会保障があるのか教えてほしい。お金、税金、社会保険などなどの社会の基本的な仕組みを知らない人が多すぎる。確定申告(自分の税金の計算)くらい自分でできるようになるべき。FPの勉強内容を授業でやってほしい。政治についても、若い意見がより反映されやすいように選挙に行く姿勢を養ってほしい。性についても、生理が始まる頃から教えるのではなく、保育園、幼稚園から男女の違いを教えるべき。知ることが自分の身を守る事になると思うから。■多様性を認めないと、世界から遅れていくちゅいママさんご夫婦からは、「自分の意見を自分で考えて述べる」教育をしてほしいという意見も。これにも賛同の声が挙がり、 “ディスカッション” や “ディベート” を積極的に取り入れてほしいとのコメントが寄せられました。●ディスカッションと、働くことディスカッションは、自分の意見を持つこと、発信することの大切さ、さらには協調性や気配り、視野を広くもつ重要性を学べると思う。応用編でディベートも取り入れるとおもしろい。働き方について。まずは働くことの意味、働き方の選択肢、マイナーな職業についてなど小学生から取り入れてほしいです。マイナーでも生活を支えているお仕事も早くから知ってほしい。●性教育日本では、恥ずかしい事として隠してしまう傾向がある。でも、小さなときから性に関してオープンにして、きちんと知り理解する機会があれば、性の問題や不妊治療、望まない妊娠・中絶などで苦しむ人たちが今より少なくなるのでは? と思う。●人権・権利の大切さもっとかみ砕いて分かりやすく教えて欲しいです。いじめも、性犯罪も、暴力も、差別も、すべて相手の人権・権利を軽視・無視した結果起こるものだと思うので。相手を尊重することの大切さを具体的に伝えて欲しいです。●多様性を認める「みんなと同じが良い」という風潮、日本にはありますよね。多様性を認めないところに日本という国が他の国に遅れをとり、伸びていかない理由があると思います。その子らしさを認め、それを伸ばすような教育を。そして平均的に良いよりも、何か得意なこと、好きなことを見つけ伸ばすような教育が良いと思います。●インターネットリテラシー(インターネットを正しく使うための知識、能力のこと)子どもたちは生まれたときから当たり前のようにある世界。親が思ってるより子どもたちはネットの世界を自分たちでも使いこなすけど、それに伴うリスクなどは無知な子どもが多いと思います。だから学校でインターネットを使ったたくさんのメリットやそれにまつわる良くないことも教育していってほしいと思います。●交渉能力アクティブラーニング、生徒が能動的に学べるような授業を行うこと。●環境問題使い捨てが主流になりつつあるけど、その先を見据えて使い捨てているのか。もっと積極的に環境問題を取り上げて欲しい。そして、教育するべき問題だと思う。未来を生きるのは自分たちだから。親は未来の環境はどうにもしてあげられない。■「英語」「プログラミング」「道徳」は必要ない?一方、「今の義務教育で見直した方がいい(減らしてもいい)と思うこと」についてはどんな意見が集まったのでしょうか。「見直してほしい教科」としては、2020年に新たに導入されることになる「英語」「プログラミング」、そして本年度から新たに教科化となった「道徳」に関しての意見が集まりました。●道徳の授業・違う意見を考える人をあぶりだして、弾くことにしかならないと思う・自分の意見を出したら先生からおかしいと言われ認められなかった。道徳の授業は、大人の考えの押し付けだと思う。・核心を教えない、上っ面だけの道徳の時間。学校の先生ではなく、ちゃんと心のスペシャリストを呼んで教えさせてほしい。●英語・数年先には機械が簡単に翻訳して話してくれる。それより自国の文化や習慣、言葉遣いは必須であり、自国を紹介できないのに多国語を喋れるだけになっても意味はない。・漢字学習ですら覚えるの大変なのに、なぜ英語までさせるかわかりません。・ムダな日本語英語習わせなくてもいいと思う。そんなのでは身につかない。いまの時代、言葉が通じなくても機械が何とでもしてくれる。他にすべき事を伸ばすべき。・英語のゲームや歌などはお遊び過ぎてまったくもって時間のムダ。●プログラミング・プログラミングは、教育する側の体制が整っていないなら、時期尚早かと。そもそも学校の先生、プログラミングの授業できるんですか?・子どもが大人になったら全然違う言語や仕組みになっていそうなので、役に立たないのでは?・義務教育でしなくてよくないですか。選択肢を与えて各々やりたい子に興味ある分野を深く学ばせたらいい。・いま習っても、習わなくてもパソコンはいつかは使えるようになる。パソコンなどのハード面に投資するのももったいない。その費用と時間を貧困対策や教育格差解消に使って欲しい。●計算・解き方がわかれば電卓つかっていいと思う。筆算ができるようになるメリットって?・計算するだけの宿題は不要英語教育を必要ないと考える人の根底にあるのは、「正しい日本語を使えるようにすることの方が大切では?」という意見が多くあるように思えます。またAI化が今後ますます進むことを考えたときに、コンピューターが得意とする分野(計算、翻訳を含む英語)に力を入れたり、暗記させるよりは、自分の考えを言えるための力やその土台となる国語力を育む教育をしてほしいとするコメントを多くみかけました。意見がかなりわかれたのが、歴史。「必要ない」とする人、「日本の黒歴史も教えるべき」とする人、「世界の国からみた日本の歴史を教えてほしい」など、意見がかなりわかれました。■個性をつぶす日本の教育方針を見直してほしい学校の教科だけではなく、勉強や学校の在り方から日本的教育方法など、大きな視点での意見も集まりました。みんな同じ、みんな一緒を重視する教育をやめるべき。海外の飛び級制度のような、個人の能力に合わせて教育を受けれるようにしてほしい。多様性の受け入れにもつながる。個性が認められる社会を作るきっかけにもなり、いじめも減る。「先生に注意されるから」、「みんなそうだから」、「集団生活を学ぶ場だから」、「何でかわからないけど決まりだから」と、いまだに個性をつぶす教育が横行している点は、早急に見直した方が良い。通知表も、他人の評価ばかり気にする子になってしまうから自己評価表にするべき。学力テストでの学力の差別化、子どもの能力の数字化はやめてほしい。授業のほとんどがただのテスト勉強に。過去問題をただ単にたくさんやった子が点数取れるテストなど意味がない。宿題は、時間がない先生が採点に忙しいだけ。宿題よりもっと家族や友人や地域で育む時間など大切なことがある。失敗してもいいって教えて欲しい。子ども自身の人生や自分自身の歩み方についての勉強や学びが、本当に少ないなと思います。教科書どおりに学ぶのではなく、子ども自身が興味があることを伸ばしつつ、それに基づく勉強もしっかりすればいいのかなもしれないなと思いました。好きなことや、やりたいことを摘み取ってしまったら悲しいし、何より時間がもったいないなと思います。それなら、もっと遊ぼうよ!と思ってしまいますね(笑)小学校でも留年させてほしい。教育を受ける権利。理解してから進級してください。分数を理解してない大人、人生損してるよ!学校は、足並みを揃えすぎ。はみ出た子どもを気にしすぎ。学校側から管理しやすいというのはわかるけど、人は人、自分は自分です。ほかに、校則や服装、生活指導といったルールの見直しを訴える声や、「1クラスの生徒数を少人数にして手厚い対応ができるようにしてほしい」といった意見も出ました。日本の平等教育とは、「同じ内容を一斉に教える」という一斉教育が主流で、そこには「理解している」は含まれていないこともあります。しかし海外などで考える「平等」とは、「ここまでは理解させて上の学年に行く」というもの。日本ではほとんどない留年も、海外ではあるとされています。「本当の教育とはなにか?」親自身も今後ますます考えていかなければいけない時代なのかもしれませんね。■パパママが望む“義務教育”のあり方とはアンケート結果を見てみると、パパやママによって義務教育に“重視してほしい”点、そして“減らしてもいいと思う”点はさまざまでした。かつて自分が学校で学んだことがどれだけ“今”に役立っているか。逆にどんなことを学校で学びたかったか。そんな経験を踏まえてパパやママが望むのは、教科というよりも、生きる力…、“将来子どもが生き抜くための力”を養ってほしいと思っているように感じました。必修科目が増え、今後どうなるかわからない点もありますが、学校、先生、地域、そして家庭でうまく連携を取りながら、子どもたちの豊かな成長を促していければいいですね。Q.「義務教育で今後重視してほしいと思うこと」についてのご意見をお書きください。回答数:184Q.「今の義務教育で見直した方がいい(減らしてもいい)と思うこと」についてご意見があればお書きください。回答数:159アンケート集計期間:2018/9/21~9/25ちゅいママさん記事で使用したデータ: 「こんな教育をしてほしい! 親が望む義務教育でやってほしいこと【パパママの本音調査】 Vol.298」
2018年10月18日早めの幼児教育を!街に出かければ、幼児教育を専門にしている塾があるほどです。でも塾に行かせるほどでもないし、私たちは何をしたらいいのやら…と悩みますよね。誰かに相談するにも、ママ友もいないし、思い悩んでしまいがち。今回は、そんな0歳児から出来る教育方法をパピマミ編集部が紹介していきます。絵本の読み聞かせは0歳からの赤ちゃん教育絵本の読み聞かせって教育なの? と思われるかもしれません。しかし0歳の赤ちゃんでも、きちんとした教育のひとつになります。というのも、読み聞かせにはさまざまな効果があります。まず赤ちゃんにとってママの声や温もりを感じる精神的な発達を促します 。赤ちゃんにとってママの声は安心しますから、たくさん読んであげてください。絵本を持っていなくても、保健所の乳児健診のときに絵本を貰ったり、図書館でお子さんの月齢にあった絵本をレンタルできます。月数の浅い赤ちゃんは、内容を理解しづらいかもしれません。しかし、読み聞かせてあげることが何より大事なのです。子育て支援センターは大事な教育の場子育て支援センターは、赤ちゃんと何をしたらいいか分からないママたちの学校 でもあります。施設によって保健師さんや看護師さん、栄養士さんに相談できます。もちろん、ママの学びの場だけでなく、赤ちゃんの発達に繋がることがあります。他の赤ちゃんに触れると、観察力や感情の発達にも繋がります 。月数の早い赤ちゃんの行動を真似してみたり、たくさんの人たちに囲まれてみたり。我が子の成長を一緒に楽しみましょう。支援センターにあるおもちゃは、消毒されていたり安全な物ばかりなので子供たちもたくさんの物に触れられます。開催されているイベントの多くは、ママだけじゃなくパパも参加できるので近くの施設をチェックしてみてください。0歳の赤ちゃんだから出来るリトミックの教育法「リトミック教室」を知っていますか?リトミックとは、スイスで生まれた音楽の教育法 です。音楽に合わせて手遊びをしたり踊ったり、音を鳴らしてみたりと、家ではやりづらいことを行います。もちろん、お友達を作って一緒に楽しめますし、パパも参加できます。楽しみながら音楽に集中すれば、豊かな表現力が養われます。踊りにもメリットがあり、基礎体力やリズム感を身につけられます。また自分とは違う他人の表現力を感じられると、他人を受け入れる精神も身につき、友達も作りやすくなります。リトミック教室に通うと、大人になるにつれて必要な精神力と体力を養える のです。教室によって雰囲気ややり方も違うので、まずは近くの色々な教室を覗いてみましょう!0歳の赤ちゃんは家の中での生活が教育の場になっている赤ちゃんは、家の中の生活でも成長に繋がる経験 をたくさんしています。まだ新生児の赤ちゃんは、目が見えなくてもママやパパの声、ママのおっぱいの味、洋服の肌触りや沐浴の水の触り心地を理解しています。そのうち目がはっきり見えてくるようになると、いつも置いてある家具やおもちゃに興味を持ったり、思考力や感情にも変化 をもたらします。離乳食が始まると食べ物の存在や味覚を認識し、もっと赤ちゃんの世界が広がっていきます。ハイハイを始めて色んな場所に狙いを定めて移動することや狙ったものを手で掴むこともまた成長の過程では必要なこと。優しい目で見守るだけで、赤ちゃんは勝手に成長 していきます。まとめ赤ちゃんの教育は他にもたくさんあります。0歳から海外生活をすれば2カ国語を難なく話せます。0歳から出来ることは無限にあり、子どもの可能性が大きく広がります。0歳からの教育を重視するママもどんどん増えてきて、今では0歳から当たり前のように習い事をしています。ぜひ、考えてみてください。●文/パピマミ編集部
2018年10月16日いま、教育資金は「情報戦」です。たとえば、教育関係の公的な助成・補助金は、申請するからこそ、もらえるお金。申請しなければ、もらえません。また、いまや大学は、返さなくていい給付型の奨学金をこぞって増やしている時代です。これらを「知っている」のと「知らない」のでは、大違い! 充実してきた教育支援制度の情報を、教育資金に詳しいファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんにピックアップしてもらいました。【「教育費どうしようかな?」と思ったら】 第1話 “情報格差”で、子どもの進路に影響が出る!? 第2話 普通の進路でも、老後破産する!? その落とし穴とは 第3話 児童手当が大学資金に! “いつの間にか貯まる”教育資金ワザ ■低所得のひとり親家庭に給付するお金児童扶養手当死別や離婚などで母親または父親、父母がいない場合は祖父母などひとり親家庭で18歳未満の子どもを養育している人が、低所得の場合にもらうことのできる手当です。受け取れる額は、「養育している子どもの人数」と「親の収入(所得)」によって違い、とても複雑なので、詳細はお住まいの市区町村窓口に問い合わせをすることが大切です。申請をした後、1~3ヶ月程度の認定審査があり、認定日の月の翌月分から支給が開始されます。■幼稚園の月謝、入園費の補助私立幼稚園就園奨励費補助金私立幼稚園に通う場合は、ぜひ「私立幼稚園就園奨励費補助金」の活用を!国が自治体に依頼している補助金制度で、満3歳児から5歳児(年長)までの月謝と入園費を対象に受けることができます。きょうだいの人数、年齢、親の収入(住民税の額)、そして住んでいる自治体などで補助金の額は異なります。なお、千葉県野田市のように公立幼稚園に通う世帯にも助成しているところもあります。一方で市区町村によっては制度がない場合や国の基準よりも厳しく設定しているところなど助成額も異なるため、まずは自治体に問い合わせをしましょう。■高校の授業料の無償化高等学校等就学支援金(国の制度)家庭の所得に応じて、高等学校の授業料が支給されるシステムです。現金で直接、生徒や保護者が受け取れるというものではなく、学校設置者(学校法人など)が生徒本人に代わって受け取り、授業料と相殺されます。申請書類は、入学時は4月に、継続して支給を受ける届け出手続き関係は6月~7月頃に高校から配布されます。ただし、モデル世帯(給与所得のみの夫婦・16歳以上の高校生一人・中学生一人の4人世帯の例)で言えば、年収約910万円以上になると就学支援金は受けられません。■返さなくていい奨学金!?今回の取材で、筆者が一番驚いたのは、「返さなくていい奨学金」が増えていること。そのなかでも、最近の一大トレンドとなっているのは、「予約型」の奨学金です。これはおもに地方からの受験生が対象で、受験前に申し込み、合格したら支給をされる奨学金のことです。申し込みは、前年度の秋のことが多く、それゆえ「予約型」。つまり、現役生の場合は、この情報を「知っていて」、高校3年生のときに応募しておかなければなりません。現在、多くの大学は、予約型の奨学金を設けています。●早稲田大学「めざせ! 都の西北奨学金(予約型)」半期(春学期)の授業料が免除。●慶應義塾大学「学問のすゝめ奨学金(予約型)」地方の新入生500人に年額60万円~90万円を卒業まで支給します。国立大学でも、たくさんの奨学金給付があります。たとえば、一橋大学の「一橋大学学業優秀学生奨学金制度」では、前年度にとくに優秀な成績を収めた学部生12名以上に月8万円(年96万円)を毎月送金します。支給は1年間限定ですが、親の年収制限を設けるなど家計の経済状況は加味されません。奨学金といえども、返済義務があるものは、大学を卒業した途端、数百万円もの借金を背負うもの。返さなくていい奨学金を上手に活用することで、親の家計への負担を減らし、子どもの進学に役立てることができます。そんな時代がやってきたのは、喜ばしいこと。みなさんに制度を知ってもらい、活用して欲しいです。いかがでしたか? いつの時代も、「わが子にできるだけのことをしてあげたい」というのは、当然の親心。けれども、先行き不透明ないま、教育資金作りに不安を感じる人も多いことでしょう。この連載が、教育資金の「情報格差」を解消し、前向きな教育資金作りの第1歩を踏み出すキッカケになるとうれしいです。■今回のお話を伺った竹下さくらさんのご著書 『「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本』 竹下さくら著/日本経済新聞出版社 ¥1,500(税別)竹下さくらさんファイナンシャル・プランナー(CFP)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。慶応義塾大学商学部にて保険学を専攻。卒業後、損害保険会社・生命保険会社の本店業務部門等を経て、1998年よりFPとして独立、現在に至る。主に個人向けのコンサルティングに従事し、講師・執筆活動なども行っている。
2018年09月29日前回、ごく普通の家庭が「知らぬ間に陥りがちな2つの落とし穴」についてファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんに教えていただきました。【「教育費どうしようかな?」と思ったら】 第1話 “情報格差”で、子どもの進路に影響が出る!? 第2話 普通の進路でも、老後破産する!? その落とし穴とは 第3話 児童手当が大学資金に! “いつの間にか貯まる”教育資金ワザ 第4話 「もらえる」教育費がトレンド! 充実の教育支援制度を活用するには -->落とし穴に落ちないためには、教育資金は、あらかじめ資金計画を立て、長い時間をかけてコツコツと計画的に準備する必要があります。今回は、具体的な教育資金づくりについてお話しを伺います。■児童手当が大学資金となる「教育資金づくりで大切なことは、子供が小さいころからコツコツと積み立てることです」(竹下さん)。そのための軍資金として心強いのが「児童手当」です。児童手当から受け取れる額は、次の表のとおりで、0歳から15歳までの総額は、198万円(※)にもなります。まさに、「ちりも積もれば山となる」ですね!大学進学に合わせて備えておきたい額は、国公立・自宅通いケースの学費総額をもとに200~300万円が一つの目安と言われていますが、児童手当を積み立てるだけで、この最低ラインは賄える計算となります。※児童手当の0~15歳までの総額198万円=15,000円×12ヶ月×3年+1万円×12ヶ月×12年:第1子、第2子の場合の例。一人あたり。▼児童手当の対象年齢と支給額■児童手当は、さかのぼってはもらえない!児童手当で覚えておいて欲しい注意点は、「申請が遅くなった際、その分をさかのぼってはもらえない」ということです。子どもが生まれた場合は、出生届が受理されて初めて、児童手当の申請を市区町村の役所が受理する流れになっています。ですから妊娠中に必要な書類などを役所の窓口やホームページなどで確認し、出産後は速やかに申請することが大切です。出産直後のママが動くことが厳しい場合も多いので、申請手続きの流れをパパと一緒に、シミュレーションしておくと良いですね。 ■「学資保険」はなぜおすすめなのか教育資金づくりの「はじめの一歩」は、児童手当を軍資金に、家計とは切り分けて積立てを始めることです。その手段として、おすすめしたいのが「学資保険(子ども保険)」です。「マイナス金利の影響もあり、最近お得度が下がり気味ではありますが、根強い人気が続いています。理由はおもに3つあります」(竹下さん)。▼学資保険の魅力3つ魅力その1確実に教育資金を準備できる安心感がある学資保険は、親の死亡時には以後の保険料支払いが免除になった上で満期金がうけとれる“保険ならでは”のしくみがあるプランが人気です魅力その2税制優遇がある満期などで受け取るお金は一時所得扱いになるので、増えて得した額が50万円を超えなければ実質的に非課税です。預貯金で積立した場合、得した額の約20%は税金として源泉徴収されます魅力その3子供のお金として色づけができる家計が苦しくなったり、住宅ローン返済が滞りそうになった時でも、学資保険は「取り崩しにくい心理が働く」と言われています出典: 「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本 より一部抜粋筆者としては、学資保険は保険商品ならではの「強制力」が大きな魅力だと感じています。有無を言わさず(←ここ、とても大事です)、自動的に指定口座から保険料が振り替えられているので、最初から「そのお金が無いこと」で生活する習慣がつきます。ですから、「いつの間にか貯まっている感」があるのです。■学資保険を選びときにチェックすることどの学資保険を選ぶか? というときに最初にチェックしたいのは、「返礼率」です。返礼率とは、支払った保険料に対して、受け取れる保険金の割合を示す率。たとえば、返礼率105%だったら、保険料を100万円支払えば、合計で105万円受け取れるということになります。ちなみに、これだけおすすめしておきながら、筆者の学資保険デビューは、長男を出産した1年後(汗)。初めての出産後、慣れない育児で手一杯になってしまい、教育費のことまで頭が回りませんでした。いまは、妊娠中から入ることができる学資保険も増えているので、プレママ時代に、学資保険のリサーチ&契約しておくのもアリだと思います。学資保険の注意点としては、途中で解約すると、ほぼ間違いなく損をする点。その時点の解約返戻金(解約することで戻ってくるお金)は、それまで支払った保険料より少なくなるのが通常です。確実に満期まで続けられるよう家計に無理のない保険料での利用が無難です。■「低解約返戻金型終身保険」vs「学資保険」最近は、保険ショップで「学資保保険に入りたいのですけれど」と相談すると、低解約返戻金型終身保険をすすめられることが多くなっています。低解約返戻金型終身保険とは、一生涯を保障する生命保険である「終身保険」の一種です。この終身保険を、適当な時期に解約して、解約返戻金を教育資金にあてるという使い方をします。この保険について、メリットとデメリットを整理しておきましょう。▼「低解約返戻金型終身保険」のメリット①教育資金として現金化できるタイミングを選べる「学資保険」が満期日(18歳の誕生日など)まで現金化できないのに対して、この保険であれば、保険料払込期間を経過していれば、いつ解約しても、ほぼ損をしません。たとえば、AO入試や推薦入試で合格すると、高校3年生の秋には入学金を支払う必要があり、お金の工面に困ることも考えられます。②親にもしものことがあった場合の死亡保障が大きい「親の死亡保障確保の点から言えば、同じ保険料の学資保険に入るよりも、死亡保障額が大きいので、費用対効果が高いです」(竹下さん)▼「低解約返戻金型終身保険」のデメリット保険料払込期間中に解約するとペナルティが大きい保険料払込期間とは、保険契約者が保険料を支払う義務がある期間で、保険契約を結ぶ時の条件として定められています。最初に取り決めをするので、あとから保険を見直すとペナルティが大きく、少ししか解約返戻金を受け取ることができません。「低解約返戻金型終身保険の利用は、家計に無理のない保険料水準が大前提で、しくみをしっかり理解できる保険中級者なら、視野にいれて検討するのも一策です」(竹下さん)■今回のお話を伺った竹下さくらさんのご著書 『「教育費をどうしようかな」と思ったときにまず読む本』 竹下さくら著/日本経済新聞出版社 ¥1,500(税別)竹下さくらさんファイナンシャル・プランナー(CFP)。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。慶応義塾大学商学部にて保険学を専攻。卒業後、損害保険会社・生命保険会社の本店業務部門等を経て、1998年よりFPとして独立、現在に至る。主に個人向けのコンサルティングに従事し、講師・執筆活動なども行っている。
2018年09月28日先日、専門家の方に 「幼児期からの英語学習」について詳しくお話を聞いた ので、英語熱が高まってきました…!自宅で通信教材をはじめるか、教室に通おうか悩んだのですが、我が家は自宅で子どもと一緒に楽しめる教材がいいなと思いました。なかでも、ベネッセの「Worldwide Kids(ワールドワイドキッズ)」は、世界の一流とコラボした玩具や、子どもが自然に言葉を覚えていくプロセスなど発達心理学的アプローチも取り入れたカリキュラムで構成されているとのことで、興味津々!というわけで、今回はウーマンエキサイトさんのご協力のもと、教材を自宅でお試しさせていただけることに。約2週間自宅で試してみた感想をご紹介したいと思います!ベネッセの「Worldwide Kids(ワールドワイドキッズ)」は、0歳から学べるオールイングリッシュの教材で、発達別に7つのステージにわかれているそう。今回は、英語を初めて学ぶということで、最初のステージ1を体験してみました!■ベネッセの「Worldwide Kids(ワールドワイドキッズ)」到着! イチコの様子は…さて、教材が到着! イチコの反応はというと…パペットや木製の果物玩具、絵本など、イチコは目を輝かせていました。「遊びたい遊びたい〜!」とかなり積極的で、届いた中身のチェックが済むと即絵本を読まされました。私の感想としては、玩具がしっかりしていることに驚きました。届く前は、教材(記述式ワークなど)がメインで、あくまで玩具はサブとして教材に興味を持つきっかけ…というイメージだったのですが、玩具が教材そのものであることにびっくりしました。そして正直「オールイングリッシュの教材についていけるかしら…」とはじめは緊張もしました。■遊べる教材にドハマり! イチコが気に入った教材BEST3ベネッセの「Worldwide Kids(ワールドワイドキッズ)」を実際につかってみると、最初の不安をよそにわが子は大盛り上がり! イチコがドハマりした教材BEST3をご紹介します!・1位 Emotional Toys(パペットと果物玩具)パペットを使ってやり取りすることで、親子で抵抗感なく英語を使った対話ができます(Basic DVDsで遊び方を紹介してくれます)。私もDVDに出てきた英語でイチコに話しかけてみることに。「ワッチュアネーム?」と聞くと、「アイムイチコ!」と答えてくれました!普通にぬいぐるみとして楽しく遊んでいることも多かったです。きょうだいで果物を食べさせまくっていました。・2位 Basic DVDs英語の歌やダンスなどの真似したくなる映像を中心に、英語力をステップアップしていけるDVDです。歌のシーンやキャラクターが出てくるシーンがお気に入りのようで、意味はあまりわかっていないとは思いますが、英語の世界を楽しみながら喜んで観ています。ちなみにキャラクターがしゃべるのはすべて英語なので、はじめは親しみを感じられるか心配でしたが、子どもにとっては一般的な他のキャラクターと同じ扱いの様子。英語だけしか喋らないからといって、苦手ということはなさそうです。かわいいキャラクターが好きなのでハマっていました!・3位 Practical Toys(タッチパネル式の玩具)幼児期の会話に必要な単語を音声で確認できる玩具です。ゲームの楽しさから、繰り返し使うことで、単語が定着していくそう。イチコは果物や動物が出てくるカードがお気に入りで、そればかりやっています。繰り返すうちに聞き取れるようになった単語("rabbit"や"alligator"など)もありました!BEST3以外にも、DVDsにでてくる歌やダンスを集めた音楽CD「Music Library」や、いろいろな国の絵本を親子で楽しめる「Picture Books」、単語を覚えながらアルファベットの形を覚えられる「Alphabet Poster」など、さまざまな教材が盛りだくさん! これなら飽きずに英語を楽しめそうです。■その結果…イチコに変化が!約2週間使ってみると、「えいごはわからない!」と言っていたのが、「しってるで!」に変わりました。デタラメなことも多いですが、不安や未知のものではなくなったようです。玩具で自主的に遊ぼうとするので、英語に対する意識も、身近でポジティブなものになりそうで嬉しいです。そのうちごっこ遊びで英語を喋ってくれないかなぁ…。■英語が苦手な私でしたが…ちなみに、英語が大の苦手な私でしたが…一緒に楽しめました! 聞き取りやすい英語だったからかな?あとは子どもと同じく、教材というより玩具として楽しく遊びました。(笑) タッチパネルみたいな玩具はイチコより私がハマりました! どさくさにまぎれて自分も英語教育…。DVDで流れる歌もビートルズなど知ってるものばかりで、映像もキレイで私自身が引き込まれました。DVDの英語圏の子の生活を紹介するシーンが私は特に好きです!■保護者視点で気に入ったところとにかく、玩具がしっかりしていること。1歳児が乱暴に扱っても壊れず、ずっと使えそうです。DVDの中でも、DVDの内容と玩具の連動という意味でも、繰り返し単語やフレーズが出てくるので、自然と遊びながら復習できることもいいなと思いました。■まとめ「英語学習」というと身構えちゃうけど、ベネッセの「Worldwide Kids(ワールドワイドキッズ)」は一緒に遊ぶだけで楽しく英語に触れられます! 親も一緒に楽しめるのがポイントだと思います。DVDで同じ単語ややりとりが繰り返し反復できるように作られているのに、飽きない仕掛けになっているのがすごいなぁと思いました。0歳と1歳以上、それぞれに向けた 無料お試し教材 も用意されていて、DVDや英語の読み聞かせなどが体験できるので、まずは触れてみるのもいいかもしれません。また、 500円での教材レンタル ではパペット2体と木製果物玩具・絵本なども体験できるので、個人的にはこちらのほうが、教材の雰囲気も、我が子や親に合うかどうかもわかってオススメです。その他にもベネッセには、しまじろうと学べる通信教材「 こどもちゃれんじEnglish 」や、全国に約1,700拠点ある英会話教室「 BE studio(ビースタジオ) 」など、特長の異なる教材・教室があります。きっとお子さんに合った英語学習法が見つかるはず!「Worldwide Kids(ワールドワイドキッズ)」は、玩具とDVDが連動していて、まさに遊びながら学べる良い教材だと思います! みなさんもぜひ試してみては? 「Worldwide Kids(ワールドワイドキッズ)」無料お試しはこちら! 500円でパペットもレンタル! 充実の2週間有料お試しはこちら>> PR:株式会社ベネッセコーポレーション
2018年09月07日2020年度から、小学5〜6年生の英語必修化が決まっています。必修化されることで成績がつくというのが大きな変化です。このように、年々変わる義務教育の内容について、パパママ世代に調査をしてみました。Q.もっと義務教育で重視してほしいことは?1.日本の伝統や文化、歴史に関する教育 19.9%2.国際コミュニケーション能力の向上 30.9%3.リーダーシップ教育 7.3% 4.IT化に対応するための能力や技能 13.0%5.金融、お金に関する教育 13.2%6.その他 15.8%意見が分かれましたが、国際コミュニケーション能力の向上がやや高い結果となりました。次に多いのは、日本の伝統や文化、歴史に関する教育。意外にもリーダーシップ教育が最下位になりました。それ以外にもパパママ世代がしてほしいと思っている教育について聞いてみましょう。■人として知っておいてほしい命の大切さ選択項目以外に多く上がったのは「命」に関する教育。いじめや自殺、震災などさまざまなことが起こっている今の日本で、親が子どもに知ってほしいこととして意見が多くあがりました。「もっと道徳的なこと、いじめや命の大切さをもっと教えてほしいです。もちろん、学校だけでなく家庭でもしないといけない課題ですが。自殺をする年齢が低くなっていて切ないです」(神奈川県 30代女性)「勉強も大事かもしれませんが、いじめ問題で悩んで自殺をする子どものニュースを聞くと心が痛いです。私はどうしても勉強よりもいじめをなくす社会であってほしいです」(大阪府 40代女性)「命の大切さ! 最近、いろんな事件や震災が起きているので」(神奈川県 40代女性)「命に関すること。生まれる、産む、育てる、老いる、死ぬを話すことが少ないように思います。素直に耳に入るうちに、教育したほうがいいと思います」(神奈川県 40代女性)「生命を大切にする、他人を思いやる、善悪の判断など人間の基礎となる忘れてはならない道徳」(神奈川県 50代女性)「道徳。授業を受けている時は意味のある教科と思いもしなかったけど、やっぱり大事だと今は思う」(三重県 50代女性)■親が望む義務教育でやってほしいこと他にもこんな教育をしてほしいという意見をまとめました。性教育やコミュニケーション能力といった以前からもあるもののブラッシュアップを望む声から、詐欺犯罪やマイノリティの人を受け入れる教育という新しいものまで色々ありました。「自然観察の時間。ピクニックのように教室を飛び出して、電車に乗ったり、博物館に行ったり。社会とつながりながら、切符を買うとか席を譲ろうとか、人と接しながら学ぶっていう時間もあったらいいな」(佐賀県 40代女性)「詐欺の実態や被害の予防について。様々な商法の詐欺、ネット詐欺、電子マネー詐欺など、方法も常に手を変えて進化しつつあります。時代にあった最新の情報を教え、未然に防ぐ力をつけさせなければなりません。加担する側にもならないように抑止効果を期待します」(東京都 40代女性)「性教育。望まない妊娠や性感染症など低年齢化しているのも事実です。時代にあった内容での教育を工夫して伝えていかなければなりません。子どもたちの明るい未来のために」(東京都 40代女性)「コミュニケーション能力の向上。人の目を見て話したり、言いたいことをちゃんと言える力を見つけてほしい。でも、どうやってと聞かれたら、方法がわからないのが正直なところ…」(神奈川県 40代女性)「外国籍の人、性的マイノリティの人、発達障害の人、信仰や生活習慣の違う人などいろんな個性や特性を持った人がいるので、もっと多様性を受け入れるような教育をしてほしい」(静岡県 50代女性)■家庭でできる教育も大切義務教育に上がる前に、家庭でのしつけやマナーといった教育を見直すべきという意見もありました。子どもの手本になれるように、親としての行いも改めるべきという人もいました。「義務教育よりも家庭でのしつけの見直しのほうが先かな。給食の時間も、口の中に食べ物を入れながら大きな声でおしゃべりや、箸をきちんと使えない子も」(北海道 40代女性)「まず、親が子どもの手本にならなくてはダメだ」(愛知県 40代女性)「基礎学力の徹底と社会性の育成。新しい時代に対応するにもまずは基礎力。そのためには年齢に達するまでの家庭の教育が不可欠」(神奈川県 50代女性)Q.もっと義務教育で重視してほしいことは?アンケート回答数:4660件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2018年09月03日世界一の長寿社会である日本。政府はそんな人生100年時代に向けて、子育て支援、幼児教育・高等教育の無償化や、教育の整備、そして高齢者雇用の促進などの構想を掲げています。ところで100歳まで生きることについて、みなさんはどのように捉えているのでしょうか?今回は“長生きすること”(人生100年時代)についてのお話です。■ 若い世代ほど“長生き”にポジティブ?あなたは、老後の生活が楽しみですか?アクサ生命保険株式会社が20代〜60代の男女1,000人を対象に実施した、「人生100年時代に関する意識調査」によると、老後の生活を「楽観的に見ている」が38.9%。「悲観的に見ている」が61.1%。半数以上が老後の生活について何かしら不安を抱いているという実態が明らかになりました。elise / PIXTA(ピクスタ)しかし、年代別でみると他世代はすべて30%台にとどまっているのに対し、「20代」においては老後の生活を楽観的にみている割合が47%。老後を想像しにくい年代なのか、それとも目まぐるしい時代の変化の中で育った世代だからでしょうか?若い世代ほど時代に適応していく姿勢が垣間見える結果となりました。■ 長生き=リスク!?「100歳まで生きたい」人は少数派若い世代ほど老後の生活をポジティブに捉える傾向があることが分かった今回の調査。では、”長生きしたい”と考えている人はどれくらいいるのでしょうか?「あなたは100歳まで生きたいと思いますか?」78.8%が「100歳まで生きたいと思わない」と答えています(「あまりそう思わない」41.9%、「まったくそう思わない」36.9%の合計)。100歳まで生きたいと答えた人は、21.2%と少数派。hhasuda / PIXTA(ピクスタ)「できれば長生きしたいけれど、100歳までは生きていたいと思わない」と筆者もそう思います。長生きすればするほどお金もかかる、医療費も増える、車が運転できなくなり生活が不便になるかも……。不安を挙げだしたらきりがありません。実際に、調査対象の男女の約80%が、長生き=リスクであると答えており、以下が長生きの3大リスクとして挙げられています。身体能力の低下収入の減少(賃金不安)年金制度先の調査で老後の生活をポジティブに捉えていた若い世代も、長生きすることに対し漠然とした不安を抱いていることがこの調査で見て取れます。■ 老後をポジティブに捉えるカギは「備え」にあり老後の不安やリスクを軽くするためには、当たり前ですが「老後に備えること」が必要です。多くの人が「資産(お金)の備え」を思い浮かべると思いますが、病気にならない身体づくり、食生活の改善、あるいは将来孤独にならないためにも近隣住民といい関係を築いていくことも備えの一つかもしれません。プラナ / PIXTA(ピクスタ)このように老後の不安が漠然としている分、備えることも漠然としています。しかし、この「老後の備え」。備えることで、「生きていく意欲」が増えるという面白い結果が出ています。何と自身の老後を「備えられている」と答えた人のうち、実に42.7%が「100歳まで生きたい」と回答。一方で、「備えられていない」と回答した人のうち83.1%が「100歳まで生きたいとは思わない」と回答しているんです。ミック / PIXTA(ピクスタ)そもそもは老後の不安を軽減するためであろう老後の「備え」が、”100歳まで生きたい”という意欲に発展するとは大変興味深い結果であると思いませんか?定年になってから、100歳までは約30~40年……。老後のための「備え」があれば生きる意欲は2.5倍になります。そして「老後の備え」は人それぞれです。今、できる「備え」から始めてみられてはいかがでしょうか?【参考】※【人生100年時代に関する意識調査】「100歳まで生きたい」意欲:「備えている人」は2.5倍※人生100年時代構想-首相官邸
2018年08月27日私(現在30代)の世代では、英語は中学生から勉強するものでした…。でも今の子どもは違うんです! 2020年度から始まる次期学習指導要領で、英語の授業は小学3年生からスタートするし(参考: 小学校の英語教育が変わる! 教育のプロに聞いた「ママが準備すべきこと」by tomekko )、何なら年中さんの娘イチコの友達もすでに数人習ってる!小学校で初めて英語に出合うよりは、頭の柔らか~い幼児期から英語学習を始めた方がいいのでしょうか…。でも英語の早期教育についてはさまざまな意見も聞くし…。ど、どうしたらええねーん!そんな中タイミングよくウーマンエキサイトさんからのお声がけで、教育のプロにお話を伺う機会をいただきました。これ幸いと「幼児英語学習」についていろいろ聞いちゃいましたよ~!■英語学習は何歳からやるべき?モチコ:早い人は0歳から始めていると聞きます! やはり早くから始めた方がいいのでしょうか?加藤さん:早ければいいということではありません。幼児期は、英語に慣れ親しんで「英語が好き」という気持ちをはぐくむ時期なので、その子に合った学び方や教材を見つけることが大切です。また、幼児期は日本語でもそうですが、意味があいまいでもそれを聞き続けることができます。その力は本格的に英語を学習する時に役立ちます。モチコ:幼児期ならではのメリットもあるんですね!加藤さん:はい。日本語の発達と同じように、英語も【聞く→話す→読む→書く】の順で習得していくので、まずは英語を聞くことから始めたほうがよいでしょう。しかし聞くといっても英語のCDなどをただ流しているだけでは意味がありません。子どもは自分の好きなものや大事にしているものとの関わりを通して学んでいくため、一番近くにいて自分を愛して守ってくれる大好きな母親・父親などと一緒に英語に触れることが大切です。また、身の回りのもの、たべもの、おもちゃ、動物など自分が興味を持ったところから覚えていくので、絵本などを活用するのもいいですね!■親が英語が苦手な場合は?モチコ:私自身、英語は苦手でした…。聞き取れないし発音も下手だし…。子どもに日本人的な発音で絵本を読んであげたり、歌ったりしても大丈夫なのでしょうか?加藤さん:親が無理していることは、すごく子どもにも伝わります。お母さんが苦手なら無理に英語で歌ったりする必要はありませんよ。親が出来ることは「教えること」ではなく「環境を用意すること」。もし英語が苦手でしたら、いい教材、いい指導者を選ぶことが大事です。英語の音声付の絵本で、お母さんは一緒に絵をさしてあげるだけでもOKです。そのときにお母さんも一緒に楽しんでくださいね。子どもって面白いもので、教材のネイティブライクないい発音をちゃんと真似してくれるんですよ! モチコ:英語らしい自然な発音を聞かせるのが大事なんですね!加藤さん:赤ちゃんは生まれたときにはすべての言語が聞ける耳を持っていると言われていますが、発達するにつれて自分に必要な言語の音以外は聞き分けられなくなっていきます。そういう意味では、赤ちゃんのうちに英語の発音に触れさせるのはいいと思います。■1日のうちにどれくらいやればよい?モチコ:英語は聞けば聞くほど耳が慣れて力がつくイメージなのですが、1日どれくらい英語に触れればいいのでしょうか?加藤さん:バイリンガル教育ではなく、「母語が日本語の中で、英語を始める」という前提の場合、日本語より英語と触れ合う時間が多くなってはいけません。日本語の語りかけや、やりとりの時間がしっかりある前提で、1日20~30分程度がよいでしょう。一番いいのは、1日の中で「この時間は英語を楽しむ」という習慣を作ることです。また、ひざに乗せたりアイコンタクトをしたり、愛情を感じるコミュニケーションの中で五感に刺激を与えるのも重要です。 モチコ:イチコが英語を楽しく集中して取り組めるか心配です…。加藤さん:集中力が切れたからといって、アウトプット(話す・書く)を無理強いしてしまうと、英語が嫌いになってしまいます。インプット(聞く・読む)に関しても、「英語を聞くぞ」と意気込むより、その子の「興味があるもの」からはじめるとよいでしょう。アニメやスポーツを英語音声にして見てみるなど…今は英語に触れられるチャンスはたくさんあります。たくさんの英語の中で少しでも聞き取れる単語があれば、「すごい!」と褒めてあげましょう! モチコ:イチコはアニメや塗り絵が好きなので、そこから入っていくのもいいかもしれませんね!加藤さん:英単語が書いてある海外の塗り絵などもぜひ活用してみてください。 モチコ:幼児英語学習に興味がわいてきましたー!加藤さんの研究所もあるベネッセは、幼児英語学習で有名ですよね。自宅で学べる教材も種類があるし、教室もあるんですね! どれを選べばいいのでしょう…。ベネッセのそれぞれのご担当の方、教えてくださーい!■世界の一流とコラボした自宅学習教材「Worldwide Kids(ワールドワイドキッズ)」日本人が幼児期に英語に「浸る(イマージョン)」効果を徹底研究し、さらに世界水準のクリエーションと融合させることで、「わが子にいちばん与えたい英語の環境」の実現を目指して作られたベネッセ史上最高の英語教材です! 世界中で愛される玩具メーカー「ネフ社」や「ジーナ社」など世界の一流とコラボした玩具や、感性を育てるすばらしい絵本作品をお届けします。教科としての英語学習ではなく、子どもが自然に、かつ前向きに言葉を覚えていくプロセスなど、発達心理学的アプローチも取り入れたカリキュラムで構成され、ふれられる語彙数は約6,000語でインプット量が非常に豊富。(※中学3年間で学ぶ語彙は約1,200語)単なる「先取り」ではなく、最新の研究「ECF理論」に基づく、幼児期に体験すべき英語習得プログラムです。英語に不安がある保護者のかたでもお子さまの英語力をさらに高めるようなサポートが充実しています。体験者のママからは「実際に絵本や玩具を手に取って、本当によくできているのがわかりました」「1歳代で『r』と『l』の音を自然に区別して発音できるようになったことに感動しました」「動物の名前をすべて英語で覚えていて、発音もネイティブのようでした」という声もいただいています。 「Worldwide Kids(ワールドワイドキッズ)」をもっと知りたい方はこちら ■しまじろうと学べる自宅学習教材「こどもちゃれんじEnglish」子どもに大人気のしまじろうといっしょに学びます。年齢や興味に合わせた年齢別カリキュラム(1歳から)で、5年間で約2,000語の語彙にふれられます。2か月に1回のお届けなので無理なく続けやすく、こどもちゃれんじと一緒の受講なら、1号あたり2,880円~(通常価格は3,571円~)とお手ごろ価格なのもメリットです。体験者のママからは「大好きなしまじろうの教材なので、遊びながら楽しく英語を学べます」「遊んでいるうちに、英語らしい発音が身についています」「海外旅行でも英語であいさつできました」などの声をいただいています。 「こどもちゃれんじEnglish」をもっと知りたい方はこちら ■全国約1,700拠点の英会話教室「BE studio(ビースタジオ)」お子さまの個性や保護者のかたの生活スタイルなどに合わせて選べる、2つのプログラムと教室タイプを用意。プログラムは、主に日本人講師による「スタンダードプログラム」と、外国人講師による「インターナショナルプログラム」、教室タイプは、先生がご自宅や近くの外部会場で開校されているアットホームな「ホーム校」と、ショッピングモールなどにある利便性重視の「プラザ校」、提携先が運営する「提携校」があります。お子さま一人ひとりの性格、好き・嫌いを受け止め、 英語でのコミュニケーションで「伝わる、理解できる」喜びを感じる機会を提供し、 お子様が自ら 「もっとこうなりたい」という目標を育てます。乳児向けコースでは、レッスン後に、ご自宅での教材の使い方や英語遊びのヒントなどについて、おうちのかた向けに講師がフォローする「ケアリングタイム」も充実しています。 「BE studio」をもっと知りたい方はこちら 今回、幼児英語教育についていろいろと知ることができました。子どもも親(私)も一緒に楽しく取り組めることが大事なのですね!ということで、このたび私が1番興味を持った 「Worldwide Kids(ワールドワイドキッズ)」 をお試しさせていただくことに。全部英語で、イチコも私も好きな絵本があることが決め手になりました。おもちゃは二太郎も好きそうやし!楽しみ~!PR:株式会社ベネッセコーポレーション
2018年08月21日2019年10月から、幼稚園、保育園、認定こども園などの無償化が開始されることになりました。子育て世帯には非常に気になる幼児教育・保育の無償化ですが、今回は、幼稚園ではどのような補助が受けられるのかをみていきたいと思います。無償化上限額は月2万5700円今回の無償化政策では、公立幼稚園、私立幼稚園ともに、月2万5700円までが無料になります。世帯所得にも上限はありません。ただし、入園金や制服などの購入費、給食費、施設維持費などは無償化の対象外となります。また、0~2歳児に関しては、住民税非課税世帯(年収約250万円未満)に限ってのみ無償化の対象となる予定です。預かり保育が無償なのは「保育の必要性の認定事由に該当する子ども」のみ幼稚園における無償化政策の中で、家庭によっては対象外となるのが、預かり保育の無償化です。預かり保育は、「保育の必要性の認定事由に該当する子ども」に限ってのみ、幼稚園保育料の無償化上限額を含めて、月3万7000円までが無償となります。その他の家庭は、今まで通りの金額を支払って、預かり保育を利用することになります。では、「保育の必要性の認定事由に該当する」のは、どのような家庭なのでしょうか。「保育の必要性の認定事由に該当する」家庭とは?まず対象となるのは、共働き家庭、シングルで働いている家庭です。フルタイムに限らず、パートタイム、夜間など基本的にすべての就労形態が可とされています。ただし、一時預かりで対応可能な短時間勤務の場合は除外されます。就労の他に、「保育の必要性の認定事由に該当」するのは以下の場合になります。・妊娠、出産・保護者の疾病、障害・同居又は長期入院等している親族の介護・看護・兄弟姉妹の小児慢性疾患に伴う看護など、同居又は長期入院・入所している親族の常時の介護、看護・災害復旧・求職活動 (起業準備を含む)・就学 (職業訓練校等における職業訓練を含む)・虐待やDVのおそれがあること・育児休業取得時に、既に保育を利用している子どもがいて継続利用が必要であること・その他、上記に類する状態として市町村が認める場合預かり保育も、1年を通して考えると大きな金額になります。自分の家庭が「保育の必要性の認定事由に該当」するか心配な場合は、自治体に確認することをお勧めします。たくさんの未就学児が対象となる今回の幼児教育・保育の無償化。子育て世帯にとって、有益な政策となることを期待したいですね。PHOTO/Fotolia
2018年08月14日いまや幼児英語教育は当たり前ともいえる時代です。とはいえ、日本語もままならない幼児に英語を学ばせても、身につかないのでは?と疑問に思うママも多いのではないでしょうか。そこで今回は、中野区にある幼児英語教室「GLOBAL FIELD」のHead teacher・金子沙穂さんに、幼児期に英語を学ぶメリットや学び始めるタイミング、親がするべきサポートなどを聞いてきました。0~3歳の“耳の黄金期”は英語のシャワーを浴びせることが大切自身も5~9歳まで海外で暮らし、幼少期は英語環境の中で育ったという金子さん。やはり、英語を自分のものにするためには、少しでも早い時期から英語に触れさせた方がよいのでしょうか。「幼少期に英語を学ぶメリットは、聞き取りと発音の能力が圧倒的に身につくことです。5歳くらいまでに日本語と英語などの2言語を学んでおくと、3つ目4つ目の言語も習得しやすいといわれています。中でも0~3歳の時期は、声や音の情報を大量に吸収して成長する“耳の黄金期”なので、この時期に、どれだけ多くの音を聞くかによって、耳の能力に大きな差が出てくるように思います。というのも、英語は国によってアクセントやイントネーションが異なるんですよね。先日3歳の生徒が、普段聞かないアクセントの英語なのに、ゲスト講師の英語を聞き取る姿を見て本当にびっくりしました。その子は2歳から教室に通っていますが、聞き取り能力は確実に身についているなと思いました」小さい頃から英語教室に通わせているものの“本当に身についてるのかわからない”と、不安に思うママが多いように思うのですが、きちんと身についているんですね。「はい、身についています。幼児期は日本語もままならないので、英語と日本語をリンクするのに時間がかかります。英語を聞いてインプットはできてもアウトプットするには時間がかかるので、本当に身についてるの?と不安に思うのでしょうね」英語教室に通うほかに、英語を身につけさせるために親ができるサポートはありますか?「幼児期はとにかく英語のシャワーを耳に浴びせることが大切です。自宅で映画版のディズニーアニメを見せたり、ビートルズなどの洋楽を流すのがおすすめです。意味がわからなくてもどんどん耳に入っていきます。『アナと雪の女王』や『塔の上のラプンツェル』が大好きな3歳の女の子がいるのですが、自宅で英語版のDVDをよく見ているそうなんです。英語の意味がわからなくても絵を見て習得できるせいか、日常生活の中でアニメのセリフを真似して使ったりしていて。だから単語だけでなく文章で話すこともできるし、講師たちが話している英会話もほとんど理解できるんです。教室だけでなく、自宅でも英語を聞かせてあげる時間を作るといいと思います」英語を確実に身につけるポイントは、7歳までに2000時間以上英語に触れさせること英語教室を辞めたとたん、覚えたことを忘れてしまう…なんてことにならないためには、どのように学習したらよいのでしょうか。「これまでの教室運営の経験上、個人差はありますが、7歳までに2000~2500時間以上英語に触れさせることで、英語の基礎が定着すると考えています。この2000時間をいかに早く達成できるかがポイントです。それによって、その後の英語の定着率が変わっていきます。4歳から英語を習い始め、現在も教室に通っている5年生の生徒は、英検準2級を取得してリスニングは満点を取りました。この生徒はもう2000時間達成しているので、教室を辞めても英語を忘れることはないと思います。定着さえすれば、少し英語に触れていくことを意識するだけで、大人になっても日常会話に困ることはないと思います」英語講師の金子沙穂さん教室では、講師も生徒も日本語禁止で過ごしているようですが、それは少しでも長く英語に触れさせるためでもあるんですね。「はい。大切なのことは、英語に触れる時間を少しでも多くすることと、長く続けることです。私自身も幼少期の海外生活が楽しかったということもあり、帰国後も国際課のある高校に通ったり、短期留学に行くなどして英語に触れ続けていました。留学や海外旅行でもいいし、道を歩いている外国人に積極的に声をかけることでもいいので、英語に触れ続けながらもアウトプットするチャンスを作ること。そうすることで、より英語が身についていくと思います」<取材協力>GLOBAL FIELD講師金子沙穂GLOBAL FIELD <文・写真:フリーランス記者岩本亜実>
2018年06月23日保育園や幼稚園の送り迎えなどで活躍する、幼児用座席付きの自転車。ベビーカーと比べ移動速度も早く、長距離移動でもママの負担が少ないというメリットはあるのですが、この時期はまだ乗り慣れていないママによる事故も多いようです。消費者庁からも注意喚起が出ているので、事故が起きやすいポイントや注意すべき点をまとめます。どんなときに事故が起きている?外出する機会が多く、保護者が幼稚園や保育所などへの送り迎えで自転車を使い始める4~7月は、幼児用座席付き自転車の事故が増えるそうです。東京消防庁の発表によると、平成23~28年に都内で起きた自転車の事故により救急搬送された人は2607人。そのなかで幼児用座席付きが1349人とほぼ半数だったそうです。なかでも入院するほどのけがだった子どもは157人と、決して少ない数字ではありません。また、走行中だけでなく、停車中の事故が多いのも幼児用座席付き自転車の特徴で、特に1歳から2歳の幼児のけがは停車中の方が多い結果になっています。子どもや荷物をのせたり降ろしたりしている間に、自転車が倒れてしまってけがをするケースが多いようです。保護者が注意すべきポイントこのような事故を防ぐためには、まず幼児座席に子どもを乗せる場合には、必ずヘルメットをかぶらせてから乗車させ、乗った後はすぐにシートベルトを装着することが重要です。また、自転車が転倒すると、子どもはほぼ間違いなくけがをすることを意識し、交通ルールを守り、バランスを崩さないように慎重に走行するようにしましょう。停車中も転倒するおそれがあるので、子どもを乗せたまま自転車を離れたり目を離したりしないようにしてください。また、転倒防止のためには、前後に2人を乗せる場合は、後から乗せるようにし、降ろすときは前から降ろすことを守るのも重要です。さらに、自転車本体の故障などによる事故もあるため、自転車の整備点検を常に行い、自転車を購入する際には、自転車業界で定めた安全基準に合格した自転車に貼付されるBAAマークがついているかどうかをチェックするとより安心です。最近多く見かけるようになった電動アシスト自転車は、発進時に特に強くアシストがかかるため、急発進になってしまい転倒や衝突する事故が起きることもあります。発進時にはペダルを強く踏み込みすぎないように気をつけ、アシストがどれくらいかかるか覚えるまでは、安全なところで練習するのがオススメです。幼児用座席付き自転車は、とっさの場合に子どもがひとりで降りることはできません。そのため保護者は安全運転と、絶対に自転車を転倒させない心がけが必要です。我が子にけがをさせないためにも、交通ルールを守り、停車時も転倒することがないよう意識して、安全に使い続けていきたいですね。(文・姉崎マリオ)
2018年05月29日最近ではほとんどの学校で実施している性教育ですが、親子間での教育はまだまだされていない家庭も。今の親世代が子どものときには、家庭内でなんとなくタブーとされていた性教育。今、親となって子どもにどう伝えたらいいのか悩む人もいるようです。Q.子どもの性教育、いつから始めますか?1.未就学児 4.1%2.小学校低学年 6.7%3.小学校高学年 43.2%4.中学生 23.6%5.高校生 4.1%6.その他 7.2%7.家庭ではしない 11.2%小学校高学年が43.2%ともっとも多い意見となりました。女の子は初潮のタイミングがきっかけになることが多いようです。一方、家庭ではしないという人も11.2%いるという結果になりました。■聞かれたら親としてはっきり伝えたい子どもに聞かれたら包み隠さず話すべきと考える人が多いようです。学校での性教育がきっかけで、家で聞かれることもあるようですが、恥ずかしいことと思わずに誠実に答えていきたいと考えているようです。「現在小1ですが、先日学校で性教育の授業がありました。男女の体の違いなどの話で、まだ性教育と言えるほどではないかもしれませんが、子どもに質問されたら話せる範囲で答えていくつもりです」(北海道 30代女性)「聞かれたらその都度、当たり前に話しています。母が産婦人科に務めていたので、私も小さなころから隠すことなく伝えてもらいました。男の子は女の子を大切にするため、女の子は自分の身を守るために教えています。家庭で教えなければ、学校では足りませんし、誤った知識が先に入ると困るのはかわいそう。親の責任だと思っています」(東京都 40代女性)「我が家では『結婚しなくても赤ちゃんは生まれる?』などの子どもからの質問には、隠さず本当のことを教えています。普段から性に対して恥ずかしいことではないと思われていれば、親にも相談してくれてます」(愛媛県 30代女性)「体の変化がある時期には、はっきり伝えなければいけないと思う。親のつとめとして。聞かれたらそのままのことは、今も伝えるようにしています。自然なことであって、いけないことではないけど、自分の体は自分で守れるようにしてあげたいです」(北海道 30代女性)■自分が性教育を受けていないだけに悩む現在のパパママ世代は学校ではもちろんですが、家で親とそういった話をしたことがある人は少数派。だからこそ、自分の子どもにはどう伝えたらいいか悩んでいる人もいました。「どこまで教えるべきなのか悩みます。私の世代の性教育は避妊、避妊、避妊と、とにかく避妊についてが多かったですが、不妊についてはなにも教わっていません。不妊が増えているこの時代、妊娠適齢期と不妊についても学ぶべきだと思います」(東京都 20代女性)「私自身、6年生のときに結婚しただけでは子どもができないと初めて知り、両親がそういう行為をしたという事実があまりにもショックで大泣きした記憶があります。子どもにはどう教えるか悩むところです」(茨城県 40代女性)「家庭で教わった覚えがないので、どうしたら良いのかわかりません」(新潟県 30代女性)「小4、小3、0歳のママです。正直、性教育はいつから始めたらいいのか悩んでいます。3人目を妊娠してから、長男に『どうやったら赤ちゃんができるの?』と聞かれて、なんて答えていいか迷いながら、神様が運んでくれると言いました」(奈良県 30代女性)「どのタイミングで、どう話してよいかわかりません」(神奈川県 40代女性)■小さなときから年齢に応じた伝え方が大切 性教育はいつから始めるというよりも、年齢やその子の成長に合わせて説明していくというのが理想的なのかもしれません。性教育というと抵抗があるかもしれませんが、命の話としてしっかりと伝えられるといいですね。「『おなかの中に赤ちゃんのベッドがあるんだよ』と月経のことを教えたのは、息子が4歳くらいのときでした。一緒にお風呂で出血を見るわけですから、堂々と教えたかった。そのころ、『赤ちゃんはどこから生まれてくるの?』という質問にもちゃんと答えました。『すごいことなんだよ、こんな狭いところから生まれてくる赤ちゃんは命がけなんだよ、あなたは本当に頑張って生まれてきてくれた宝物だよ』って。男女間の性についてもいずれ愛を持って話したいと思います」(鳥取県 40代女性)Q.子どもの性教育、いつから始めますか?アンケート回答数:4498件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2018年04月13日