まずは母語を完璧に。自分の意見を話す訓練も大事ですね。グローバル化が進むなか、2020年度より、英語教育(外国語活動)の開始を小学校3、4年生に早め、5、6年生からは英語が正式な教科となることが決まりました。現在、文部科学省では指導計画を考案中です。僕自身、英語習得に苦労したので、英語教育のスタートが早くなるのは、とてもいいことではないかと思います。早期英語教育の話が出ると、「母語の教育をおろそかにしてはいけない」という反論がよく上ります。母語はとても重要です。必ずしも日本語でなくても構いませんが、複雑な気持ちを表現できる言語を何か一つ、徹底的にきちんと身につけるのは、生きていく上で必要なことです。言葉は人に気持ちを伝えるだけでなく、自分の思考を深める助けにもなるからなんですね。母語も新しく学ぶ言語も未熟な状態を「ダブルリミテッド」または「セミリンガル」といいます。それだと“アイデンティティ・クライシス”に陥りやすく、モヤッとした気持ちを伝えられないと不安が募り、暴力的になったり、引きこもりになることもあります。勘違いされやすいのは、その言語環境にいれば子供は勝手に言葉を話せるようになるだろう、ということ。しかし、思考を深めるくらいの言語を習得するには専門的な教育が必要です。日本語であれば、国語の授業や小論文ですね。これにより言葉の表裏を知り、表現が鍛えられます。ですから、早期英語教育を始めるにあたっては、母語教育が重要なんですね。ダブルリミテッドは避けなければいけません。海外で日本人が苦労するのは、言葉以前に、自分の意見を話すということではないでしょうか。英語力があっても、意見がなければコミュニケーションにはなりません。文科省では、討論や発表を通じ、自ら問題を見つけ解決できる学習を、英語だけでなく各教科で導入していこうと計画しています。日本人以外の非英語圏の人たちは、多少文法が間違っていたり、発音が訛っていても、たくましく自分の意見を英語で伝えようとします。日本人が英語が苦手な理由は、「間違ったら笑われる」という不要な羞恥心が邪魔をしているのかもしれませんね。堀 潤ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2018年3月28日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2018年03月25日子どもの学校選びで、様々な学校を調べているママも多いと思いますが、「教育モデル校」という言葉が出てくることはありませんか?そうした学校に通わせることで、先進教育に触れる機会を増やせるため人気は高いようですが、そもそもモデル校ってどうやって選ばれるの?教育ジャーナリストの中曽根陽子さんに聞きました。モデル校のテーマは多岐にわたるまず、モデル校はどれくらいあるのかを聞こうとしたところ、「ひと口にモデル校といっても、たくさんあるので数はわかりません。各教育委員会にお問い合わせください」と中曽根さん。「たくさんある」とは、どういうこと?「例えば、最近では、英語学習・プログラミング教育・道徳教育などテーマはたくさんあります」(中曽根さん、以下同)実際、「平成29年度東京都教育委員会研究指定校一覧」を見てみると、かなりの数が…。中曽根さんの言う通り、そのテーマは様々で、「安全教育推進校」「人権尊重教育推進校」「日本の伝統・文化の良さを発信する能力・態度の育成事業」など、学習以外のことでもモデル校が指定されているようです。モデル校を指定する目的・基準は?何を目的としてモデル校を指定するのか、というのも気になるところ。これに関して、中曽根さんは、「文科省がその時そのときに力をいれようとしているテーマを推進するために、モデル校を作り施策の実現をはかるため」と話します。先ほどの「平成29年度東京都教育委員会研究指定校一覧」にも記載されているので、一部紹介します。【日本の伝統・文化の良さを発信する能力・態度の育成事業】「2020東京オリンピック・パラリンピック教育における伝統・文化に関する取組について、地域の専門的な知識や技能を有する外部人材の活用を通して、児童・生徒の専門性を高めるとともに、外国人と積極的に関わり、意見交換する機会等を設定し、日本の良さを発信する能力や態度を育成する」【安全教育推進校】「学習指導要領及び都教育委員会教育目標等に基づき、学校において、幼児・児童・生徒に危険を予測し回避する能力と、他者や社会の安全に貢献できる資質や能力を育成するため、効果的な安全教育を実践的に研究し、その効果を普及することをねらいとして、安全教育推進校を指定する」このように、テーマごとによって、目的も異なるのです。また、もうひとつ気になるのは、誰がどうやってモデル校を決めるのか。中曽根さんいわく、「明確な基準が開示されているわけではありませんが、各学校、特に学校長が手をあげて、学校の実状や地域のバランスなどを鑑みて、教育委員会が決定することが多いと思います」とのこと。また、「場合によっては、教育委員会から学校側に打診されることもあると思います」とも。都道府県や市町村ごとに、モデル校一覧をまとめていることもあります。自分の子どもが通う学校は何かのモデル校になっているか、もしくは力を入れて学んでもらいたいことのモデル校はどこかなど、事前に確認してみてはいかがでしょうか?(文・明日陽樹/考務店)
2018年02月22日子どもへの英語教育に関心が高まるなか、学校以外にも「子どもの英語教育」に関心を寄せている親は少なくないだろう。そこで、実際に子に英語教育を始めている人は何歳ごろから、どんな学習を選択しているのか?ママテナの独自インターネット調査で「英語教育の実施状況や、2020年の英語教育義務化に関する本音」を探った(調査期間:2018年1月19日〜1月23日、有効回答数:172人)。●約8割の親は、学校以外での英語教育の必要性を実感まず子どもがいる親を対象に「英語教育についての現状」を質問したところ、次のような結果となった。1位現在子どもの英語教育を行っている……51.8%2位現在は行っていないが、将来的には英語教育を行いたい……27.4%3位子どもの英語を行う予定はない……20.7%「現在子どもの英語教育を行っている」親がかなり多く、さらに「現在は行っていないが、将来的には英語教育を行いたい」と考えている親も含めると、実に約8割は学校以外の英語教育が必要だと考えているようだ。英語教育を行っている人、行いたいと思っている人にその理由を尋ねると、一番多いのは「将来、英語が必要な時代になり、少しでも働くうえで選択肢が増えればと思って習いはじめました」(30代後半)「将来英語は話せて当たり前な世のなかになると思うので」(30代後半)など、国際化社会への対応を視野に入れた理由だった。一方で「小学校から英語が必修となるため、早くから英語に慣らせたかった」(30代前半)といった、2020年よりスタートする小学生の英語教育義務化を見据えた回答も目立った。小学校3年生より英語教育がスタートし、5、6年には教科として成績もつくようになるという。また意外に多かったのは「本人が興味を持ったから」(40代前半)など、子ども自身が英語教育に興味を持ったケース。すでに英会話スクールに通う友だちがいたり、英語のアニメに触れたりする機会があると、自ら英語に興味を持つことも多いようだ。●すでに始めている人の半数は、3歳以下からスタート!では、子どもに英語教育を行っている親は、どういった学習方法を選んでいるのか?同調査では「将来的には英語教育を行いたい」親も含め、その内容について調査。結果は次の通りだ。1位英会話スクール、英語教室などに通う……69.4%(将来的に行いたい66.7%)2位英語の教材やラジオなどで家庭学習させる……36.5%(将来的に行いたい37.8%)3位ネイティブスピーカーや英語が得意な人と関わりを持たせる14.1%(将来的に行いたい26.7%)4位外国で暮らす、留学……3.5%(将来的に行いたい13.3%)圧倒的に人気なのは「英会話スクール、英語教室に通う」。ほか英語の家庭学習も根強い人気だった。さらに子どもに英語教育を行っている親と、将来的には英語教育を行いたい親を対象に、英語教育を始めた(始めたい)年齢についても調査。その結果は後述の通りだが、こちらは始めた年齢と始めたい年齢で、大きく結果が異なっている。・英語教育を始めた年齢1位0歳から3歳……52.9%2位4歳から6歳……29.4%3位10歳以上……11.8%4位7歳から9歳……5.9%・英語教育を始めたい年齢1位10歳以上……31.1%2位4歳から6歳……24.4%2位7歳から9歳……24.4%4位0歳から3歳……8.8%すでに始めている人たちの半数以上は0歳から3歳からスタート。52.9%のうち、言葉がほぼ話せない0歳から1歳で始めている人も、21.2%いた。これから始めたい人たちで一番多いのは「10歳以上」。どうやら英語教育は赤ちゃんの頃から始めている層と、小学校高学年以上に始める層で大きく分かれているようだ。●小学校の英語教育義務化は賛成も、授業内容に不安さらに2020年から始まる小学校の英語義務教育化についての率直な感想を尋ねた。「良いことだと思う。教室に通わなくても学校の授業で同等の教育ができたらとてもありがたいことだと思う」(30代前半)といった期待を持つ意見もあるが、かなり目立ったのは「英語の早期教育はいいと思うが、学校、教師によってレベルや内容に偏りが起こりそうで心配」(30代前半)、「良いと思う、ただ今までのような文法重視の英語教育はやめて欲しい」(30代前半)といった、早期英語教育は必要としながらも、教育内容に不安を覚える意見だった。今回の調査結果で実感したのは、学校の英語教育に期待が持てない親がとにかく多いこと。だからこそ英会話スクールや家庭学習などの英語教育への関心も高く、高い実施率となっている。そんな親たちの期待や子どもたちの努力が果たして、将来的な英語力向上に実を結ぶのか?できれば親子の想いや努力が、報われる結果となってほしい。(取材・文:高山惠編集:ノオト)
2018年02月18日ウーマンエキサイトで人気連載中のちゅいママさんの記事 「『保育園落ちた』自分が終われば他人事? 待機児童・保活問題を終わりにするために」 で実施したアンケート。「待機児童・保活問題について、ご意見をお聞かせください」に、いま、まさに「保育園落ちた」の人たち、そしてすでに保活が終わった人など、幅広い層から多くの意見が集まりました。待機児童が叫ばれて久しいのに、一向に解決する兆しがみえてこないこの問題。どうしたらこの状況を改善できるのでしょうか? 現実にこの問題と向き合っているママ、そして保活が終わったママの生の声をご紹介します。■「保育園落ちた」この理不尽どうすればいいの?ネットでは今年も「保育園落ちた」の悲痛な声が集まっています。しかし待機児童問題というのは、ちゅいママも言うとおり、当事者にならないと「へぇ~~そんなに入れないのか~」と、対岸の火事になりがちです。まさに! 来年度の保育園、ダメでした。第3希望まで出したのに…。いまは職場の託児所に4歳1歳児を預けてます。結局、4歳児は来年度から幼稚園に通わせることに。仕事は多分、辞めることになると思います。どうすりゃいいんでしょうか? 本当に子育て世代のこと、考えてほしい。まさに私も待機児童問題に直面しております! こんな田舎でも待機児童問題があったなんて…!とショックを受けました。私の職業は育休、産休制度がないので妊娠したら一度辞めなくてはならず…。育休明け職場復帰の方が優先される市の仕組みに、正直、腹が立ちました。たしかにこれまで対岸の火事の心境で、保育園利用保留の通知が届いたいま、つらくて悲しくて仕方がありません。決まっている仕事に行けない理不尽な状況。キャンセル待ちのような状態で待つのは不安ですし、職場にも何らかの連絡をしたいのに宙ぶらりんで社会人としての責任が果たせないかもしれないこの状況に常に落ち着かない心境です。筆者も0歳から3歳まで認可保育園に落ち続け、家からかなり遠い認証保育園に通わせていた経験があります。見学で訪れた保育園に「いまから見学に来ても遅いよ。妊娠中にみんな申し込むわよ」と言われたショック。深刻な状況と聞きつつ、妊娠、出産とドタバタするなか、まだ産まれてもいないのに保育園を探すなんて、正直頭にありませんでした。「子どもが産まれたことで失職しても我慢するのが当然とされてきましたが、もっと怒ってもいいのかなと思います」という意見もありました。ママたちが声をあげだしたことによって、この問題が表面化し、国などでも重要課題として意識されてきたんだろうと思います。■保活でママが味わう世の中の矛盾ママたちは、保育園に子どもを預けると決めた瞬間から、「保活」が始まります。しかしここで味わうのは、世の中の仕組みの矛盾。「ニワトリが先か卵が先か」この命題を常に突きつけられます。出産してから仕事を探そうとしたとき、ハロワにはとりあえず保育園に入れてと言われ、区役所には仕事が決まってないとまず無理!(決まってても無理!)とあしらわれたのを覚えてます。結局預けられず2歳半になった息子を抱え現在も専業主婦。保活の苦労せずに働きたい…。保育園に落ちて仕事を辞めて、再就職するのが大変。仕事が大好きでキャリアを一生懸命築いた人でも保育園に落ちたら辞めるしかないんです。例えばサラリーマンの方々に「保育園落ちたから仕事辞めて」っ突然言ったらどう感じる? 「日本死ね」って言っちゃう気持ち少しはわかるんじゃないかな。時短で働けば保育園審査の順位は落とされ、兄弟が別々のところになることも多々ある。別々の保育園に仕事前に預ける大変さは実際にその状況になった親でしかわからない。そのことを自治体に訴えても「ルールですから」と言われる。なかには保活のことを「つわりでつらかろうが働き続けて、はじめて立てるスタートライン」として、意地でも産休まで会社を辞めずに乗り越えたという人もいます。でもなかには、妊娠高血圧症候群などでどうしても仕事が続けられなかった人も。そして一度職を手放してしまうと、今度は職にもありつけず、保育園に入れないというダブルの苦しみも生まれます。保活のために有利とされる出産月まであるというのは、異常な状態だと言えるのでは。こんな状態にも関わらず「わが都市は待機児童は0」と公言するところも。しかし実態は、車で片道1時間弱かかる保育園のみ。希望する保育園に入れるとはほど遠い状況だったという場合もあるようです。■国は本当に待機児童問題解決したいと思っていますか?「一億総活躍社会」の実現のなかには、あたり前ですがママだって入っています。女性が活躍できる社会、子どもが多く育つ国というのは、人口が減り続ける日本にとっては緊急課題のはず。でも「本気で対策する気があるんですか?」と問いたくなるのがいまの日本の社会です。あらたに政府が打ち出した「幼児教育無償化」。今回のアンケートで、このことに期待する意見は1つもありませんでした。その代わりに多くの人が求めたのが、「保育園全入」。仕事をしようと思っている人、仕事を開始する人など、「希望する人が、希望する保育園に全員入れる」ことを願っています。結局国の偉い人が現状を理解していないんだと思います。保育園無償化とか、まさにその証拠。むしろ「保育料上げてもいいから保育園作ってくれ!」と思うのが、保育園落ちて育休延長せざるおえなかったわが家の気持ちです。全国の待機児童をなくしてから無償化とかを進めるべきでは? と思います。保育園無償化は、「やむにやまれず…」ではない潜在需要を掘り起こすことになり良くないのではないかと思う。むしろ、「なるべく手元で育てたいわ」と思えるような子育て支援を充実させるべきでは(気軽に相談や親のリフレッシュができる支援センターなど)。そして、「子育てって楽しくて価値のある仕事! 家で見てるお母さんも十分総活躍の仲間に入ってるよ」という社会のリスペクトがもう少しあってもいいかな。また保育士の待遇改善を求める声も多くありました。実際に保育士をしていたという人からはこんな悲痛な声が聞こえてきました。元保育士でした。いずれまた保育士で復活したいかと問われると、保育現場は避けてほかの職に就きたいと思っています。現場では、子どもはかわいいし、楽しい仕事だと思います。が、年配の保育士からの頭が固い保育や、保護者からの容赦ない要望と保育から離れたクレーム、残業と家に持ち帰りの仕事の多さに、給料が本当に少ない。割りに合わなさすぎてまたやりたいな、とは思えないのです。保育士の待遇を改善しないことには、箱ばかり作っても大切な子どもの命を預かる保育士がいなければ立ち行かなくなります。このように待機児童問題というのは、あらゆる側面で考えていかなければいけない問題だと痛感します。だからこそ国として「子どもを育てること」「保育・教育」の根本を変えていかなければいけない問題なのではないでしょうか。■どうしたら後に続くママを助けられる?しかし待機児童は、本当に国だけの問題なのでしょうか。ちゅいママは、待機児童問題の1つの要因として、「『喉元過ぎれば他人事になってしまう』側面があるからなんじゃないか」と提言しています。「保育園に入れるまでにはあれだけ困っていたはずのに、入園できたら後に続く世代を助けてあげたいという気持ちが薄れてしまう」。このことに読者からも「当事者が年度で入れ替わり、継続して訴える方が少なかった待機児童問題の根幹」という意見をいただきました。「喉元すぎれば他人事」もたしかにあるし、経験のない人には「努力したらどこかには入れるんでしょ」程度の認識だなと感じます。育休を終えて復帰したのですが、社内でも「戻れたのは当然」と見られているように感じます。ちゅいママさんのご意見に大変反省いたしました。主人に転勤があるため、正社員で働きにくく、幼稚園からでいいかなと考えています。そのため保育園探しはしていません。正直他人事になっていました。選ばれる仕組みも知りません。「何ができるだろう?」他人事と思わず、すなおに大変さを聞き入れる耳を持ちたいと思いました。ただ他人事になってしまうのは、なにも「私は終わったからもう関係ないわ~」というお気楽な気持ちから出ているわけではないんですよね。だって保育園時代だけがママなわけではないのですから。書いてあるとおりだと思います。ただ、子育て世代はみんな自分の生活に手いっぱいなんだと思います。声あげたくても、行動したくても優先順位は日々の生活だと思います。声上げてくれてる人も切羽詰まっててそうぜざる得ないというか…ほんと子育て世代にはしんどい国だと思います。保育園が終われば待っている「小1の壁」「小3の壁」「中学受験」…。ママの戦いはなかなか終わりません。でも自分が保活で苦しんだ気持ちを、同じようにこれからのママにも味わわせてやりたい! なんて人は少ないでしょう。「待機児童問題を他人事にしない」これは経験したママだからこそ言える宣言ではないでしょうか。選挙に行く、会社の同僚ママが困っていたら話を聞いてあげる、パパともたまには待機児童について話題にとりあげてみる。こんなささいな意識だけでも、世の中もう少し良くなっていくように思えます。寄せられたご意見にもあった通り「他人事と思わず、大変さを聞き入れる耳」を持つこと、自分は当事者じゃなくても、大変な状況にある人たちに寄り添う気持ちを少しずつでもみんなが持てれば、現状が少しでも良くなるんではないかと信じています!待機児童・保活問題について、ご意見をお聞かせくださいアンケート回答数:202(アンケート集計期間:2018/2/1~2018/2/5)
2018年02月08日2017年の出生数は94万1千人( ※1 )で、2年連続の100万人割れとなりました。約40年前の第二次ベビーブームのころには年間200万人を超えていたのですが、今やその半分以下。少子化はとどまるところを知らず、どんどん進んでいます。■「幼児教育無償化」恩恵を受けるのは2013年4月生まれから内閣の調査( ※2 )によると、「20代や30代の若い世代が理想の子ども数を持たない理由は、『子育てや教育にお金がかかりすぎるから』が最大の理由であり、教育費への支援を求める声が多い。子育てと仕事の両立や、子育てや教育にかかる費用の負担が重いことが、子育て世代への大きな負担となり、わが国の少子化問題の一因ともなっている」ということがわかりました。そこで、安倍総理率いる自民党が昨年秋、衆議院議員選挙で選挙公約(マニフェスト)として掲げたのが「人づくり革命」。その中で「幼児教育無償化」、「待機児童解消」などの少子化対策のための公約が発表され、選挙後の12月8日、その公約がほぼそのまま「新しい経済政策パッケージ」( ※2 )という政策として閣議決定されました。「幼児教育無償化」の実施は2020年度から(一部は2019年度から)ということで比較的スピーディー。2020年4月の時点で、以下の年齢の子どもを持つ家庭が対象となるようです。・3歳から5歳までの幼稚園児を持つ家庭に公定価格(月額2万5,700円)を支給。・3歳から5歳までの認可保育園に通う子どもは保育料無償。・0歳から2歳までの認可保育園に通う住民税非課税の子どもは保育料無償。※5歳児のみ2019年4月より実施。認可外保育園については2018年夏までに検討。2020年度から(一部は2019年度から)実施されるので、2016年4月~2017年3月生まれの“2016年度組”が幼稚園の3年保育に入る時には無料ということになります。それ以降の生まれがこの制度をフル活用できる世代。ちなみに、2015年4月~2016年3月生まれは4~5歳時の2年間該当(支給)、2013年4月~2015年3月生まれは5歳時の1年間該当(支給)となります。残念ながら、2013年3月生まれ以前は、この政策の対象にはなりません。私立幼稚園の授業料の全国平均から算出された月額2万5,700円が支給されるので、単純計算で年額30万8,400円、3年間で92万5,200円が国から補助されます。これは、平均的な所得の家庭にとっては大きいですね。■保育園無料化の裏側で、経済格差がさらに広がる?保育園も同様に、3歳児クラスからは無料。しかし、保育園の場合は預ける側の事情が違います。会社勤めをしているお母さんが育休をフル活用したとしても、子どもを1~2歳児クラスまでに入園させる場合がほとんど。政策には「0歳から2歳児についても、所得の低い世帯に対して無償化」とありますが、おそらく会社員で住民税非課税というケースはありえないでしょう。つまり、2歳まではこれまでどおり保育料がかかってしまいます。さらに、現在のところ無償になるのは認可保育園だけなので、認可に入れず認証保育所などを利用する人は3歳以降も有償ということになりかねません。公務員や正社員の共働きで収入の安定した夫婦は、保育園入園の際もポイントが高いため、認可保育園に入りやすい現状があります。さらに、3歳以降は無償に。一方、自営業やパート、休職中、派遣などで収入が不安定な夫婦はポイントが低く、認可保育園に入りにくく、さらに無償にもならないという事態が起こりそう。これではむしろ、経済格差が広がるだけではないでしょうか? ■急ごしらえ・穴だらけの「少子化対策」この政策は、昨年の衆議院議員選挙で票を集めるための急ごしらえだという批判もあり、教育無償化よりも先に深刻な「保育園の待機児童問題」を解決すべきだという声もあります。そういった批判に対して、政府は「子育て安心プラン」として以下の政策も決定しています。・2020年度末までに保育の受け皿を32万人分整備する。・保育士の処遇改善として、2019年度から給料を1%値上げ(月額3000円相当)。政府の試算では「32万人分の保育園の枠」ができると、子育てをする女性の80%が就業できることになるそうです。今後は、これまでのように“保活”(保育園に入るための活動)に苦労することがなくなるはず。一見、幼稚園、保育園、待機児童と幼児教育全体をカバーしているように見える今回の閣議決定。しかし、すでに現時点でいくつかの疑問も浮かびます。・幼稚園の無償化について、月々の保育料は支給されても入園料(約10万円)はカバーされないのでは?・認可外保育園も無償化すると、政府の財源が足りなくなってしまうのでは?・保育園が無償になると現在よりさらに入園希望者が増えてしまい、結局、待機児童は減らないのでは?・保育士の給料は手取り10万円台という実情もあり、月額3000円だけのアップでは、離職が止められないのでは?「幼児教育の無償化」は、少子化対策が成功しているフランス、イギリスなどでは、すでに実施されている政策です。振り返ってみれば、2007年、第一次安倍内閣で内閣府特命担当大臣(少子化対策担当)が誕生してから、すでに10年が経過しているわけで、「今まで何をやっていたんだ」というツッコミもしたくなりますが、遅かりしといえども幼児教育無償化は必然の流れでしょう。この改革によって子育て家庭の経済的負担が減り、また、所得が低いために子どもを持ちたいのに持てない家庭が「幼稚園・保育園が無料になるなら、私たちも子どもを持てる」と希望を抱けるようになればいいのですが。 ※1 2017年12月22日発表、厚生労働省「人口動態統計の年間推計」 ※2 2017年12月8日発表、閣議決定「新しい経済政策パッケージ
2018年01月24日いよいよ我が家のおっとり長男も春から小学生です。同じく新1年生のお母さんたち、入学準備は着々と進んでいますか?我が家では年内に届いたランドセルに腕を通した長男の案外しっかりした背中に、ついこの間まであんなにぷくぷくで、ハイハイしていたあの子が…と早くも目頭が熱くなっちゃいました。小学校ではどんな生活が待っているのか、親子で期待に胸を膨らませつつ、でも最近ある情報を小耳に挟んでからちょっと不安なことがあります。それは、「2020年から、大規模の教育改革」があるということ。学校教育や大学入試も変わるとのことで、小学校でも英語が教科になるそうです。 英語の教育改革では、現在5・6年生で行われている「外国語活動」が3・4年生で実施され、5・6年生では、英語が教科となって成績がつくようになるとのこと。(一部の学校では、2018年度から先行実施される学校もあるそうです)英語が苦手すぎて、必修外国語に英語が無いという理由で進学先を日本史学科に選んだほどのコンプレックスがあるワタシ(恥)…。今でも外国の方を前にすると、急に寡黙な微笑みの精と化します。夫は反対に英語が得意な人ですが、本人いわく相当な努力の賜物だそうなので、小学校からの英語教育に子どもがちゃんとついていけるのか…今から心配になってしまいます。そんな中タイミングよく! ウーマンエキサイトさんからのお声がけで、教育のプロにお話を伺う機会をもらいました。英語教育について、気になっていたギモンをいろいろぶつけてみました!!小5から英語に「成績がつく」とは?tomekko:英語が教科になるってどういうことですか? これまでと何が違うのでしょうか。加藤さん:英語に慣れることから英語力の基礎を身につけることに目標がレベルアップし、身についたかどうかのテストがあるということです。実はすでに2011年度から、5・6年生に対しては「外国語活動」という教科ではないかたちで、週1回英語教育は行われています。教科書がなく、「英語に慣れ親しむ」という目的で、ゲーム・あいさつなどを行う簡単なもので、調査結果では、そのレベルに満足していない保護者も少なからずいらっしゃるようです。また、評価は評定(数値などの段階であらわされるもの)がつかない形で行われており、「積極的であったかどうか」などの意欲や態度を中心に記述される形で行われています。しかし2020年度からは、現在行われている「外国語活動」は3・4年生で実施となり、5・6年生は「教科」で週2程度行われ、「評定がつく」ようになります。どんな内容の授業を受けるの?tomekko:では5・6年生の授業はどのような内容になるのでしょうか?加藤さん:まずは「聞く・話す」が中心なことは変わりませんが「相手に通じるか」という点が重要となります。これまでは歌などでリピートするだけでよかった英語を、質問されたらその意味を理解して(聞く)、ちゃんとこたえることができる(話す)ようになるための授業です。しかし、突然できるようにはならないので、よく使いそうな状況と登場人物などを設定し、ロールプレイングする中で会話を聞いて真似をします。そして、日本語を学んだのと同じように、まずは耳から入ってきた言葉の意味を理解することからはじまります。例えば「ワッチュワネーム(what's your name)?」という音が、名前を聞いているということを理解して、自分でも使ってみます。そして、読んだり書いたりするときに初めて「ワッチュワネーム(what's your name)?」が3つの単語でできていて、単語の間にスペースを開けて書くことに気づく、という順番です。「読む・書く」のスキルについては、例文を声に出して読んだり、英語をみてそのまま書き写したりする程度。あくまでも読み書きは英語の文字に慣れ親しむことを大切にします。また、「聞く・話す」スキルは、ペーパーテストではわからないので面接形式や、外国人講師とのやりとりをみて、評定をつけるようになります。小学生では、「読む・書く」スキルよりも、まずは「聞く・話す」ことを重視して評価します。tomekko:文法は中学校で習うのでしょうか? 自分は文法が苦手で英語が嫌いになりかけたので…心配です。加藤さん:はい。文法理解などを始めるのは中学生からです。今までは中学生からいきなり「聞く・読む・話す・書く」の4技能をやっていますが、実はこれはかなり難しいことなんです。つまずく人が多いのは、これが原因です。たとえば、日本語を習得するときは、「聞く・話す」は6歳ぐらいまでゆっくりと身につけますよね。個人差はありますが、2歳までは特に「聞く」のみ。2歳ごろからやっとおしゃべりを始めて、「読む・書く」を習うのは小学1年生からですよね。英語は、中1から突然4技能をやり始めるからつまずく人が多かったんです。これは良くないと、現行の指導要領では、まずは小学生のうちに「聞く・話す」、次に「読む・書く」もはじめておく、など段階をつけることになりました。実は英語が母国語ではないアジアの国では、ほとんどの国が小3からやっていて、やはり、「聞く・話す」→「読む・書く」の段階的な英語学習を行っています。tomekko:え…そうなんですか! それなら小学校の早い段階で始めなくて良いのでしょうか?加藤さん:これは私の考えですが、まず、学校教育の最初の段階で日本語(母語)を学ぶ、思考能力などの基本的な部分をまず母語でしっかりさせることのほうが優先です。母語の基礎をしっかりすることが、他教科や外国語を学ぶ上でも必須だからです。ただし全く英語をやらない方がいいということではありませんよ! 年齢が若いというのは、言語学習が成功しやすいとも言われています。家庭で、親が子どもにできることって?tomekko:そうなんですね…! では具体的に、親が子どもにしてあげられることはありますか?加藤さん:一番大事なことは、英語を使いたい! というコミュニケーションへの意欲を高めることです。それは、義務感で「やりなさい」といっても全然ダメです。親も興味を持って、一緒に楽しむ気持ちでやりましょう。声がけも「ママも苦手だったからやらないと困るわよ」ではなく「お母さんも一緒にやってみようかな~♪」というのが大切です。乳児や幼児は、親が好きなものは興味を持つんです。例えば、外国の文化に興味を持って欲しければ、テレビで流れてきたニュースをママやパパが話題にすることなどは子どもにとてもいい影響です。と言っても難しいニュースについて話す必要はなく「○○で大きなサッカー大会があるよ。どこにあるのかな?」「日本語とは違う言葉を話しているね」などでもいいと思います。DVDなど、子どもが興味を持ったアニメなどを英語音声にしてみるのもいいですね。【1】日本語音声で見て【2】英語音声に変えて字幕で見る。意味がわかっていて英語が聞こえてくるから、学習効果も高くなります。tomekko:「聞く・読む・話す・書く」どれを先に取り組むのがいいんでしょうか?加藤さん:順番としては、まず聞く機会を増やすことです。わからなくても、なんとなく聞き続けるという能力は子どものほうが高いんです。その次に「話す」になるのですが、話す相手に興味を持って質問してみようという気持ちも必要になります。日本人に多いのは、質問されたら応えられるけれど質問ができない人です。これは、パーティで初対面の人とスモールトークが苦手な人が多いというのにもつながっていそうです。これからは、多様な人と関わっていく力、オープンな心も必須になってくると思います。また、小5・6以降になると「わからないことは恥ずかしい・失敗は嫌」という思いがどんどん高まっていきます。小さい頃から、間違えてもいいから英語を話すという体験をさせてあげるといいと思います。こういったことも、年齢が若い方が学習しやすいという理由です。tomekko:なるほど! やっぱり「聞く」「話す」が大事なんですね。英語の教材やスクールを選ぶときに大切なことはありますか?加藤さん:英語を使いたいという意欲を育てることを前提に、効果的な学習方法を選ぶというのが大切です。何が効果的なのかは、お子さまの性格にもよるのですが、タイミングと学習環境、そして先生(指導者)選びが大事です。例えば、シャイなお子さまは最初は子どもが大勢いる英語教室よりも安心できる家庭での学習教材がいいかもしれません。ただ、「シャイだから連れて行かない」など親が子どものポテンシャルを閉じる必要はありません。初めてでも意外とやれることもあるものです。特に幼児は体調や機嫌で変わってくることもありますので。長い目でみてあげましょうね。自宅で楽しく「使える英語」を学ぶには?おっとりした長男には、家庭学習が合ってるかもしれない…。自宅で学べて、しかも先生と話す機会もある教材なんてあるの…? と思ったら、それがかなうのがベネッセさんの「進研ゼミ 小学講座」とのこと。 気になったことを責任者の豊泉さんに聞いてみました!tomekko:どんなレッスン内容なのでしょうか?豊泉さん:「進研ゼミ 小学講座」は、小学生での学びでとても大切な「自分で考えられる力」を身につけられるよう、お子さまが夢中で考え抜く楽しさやわかるおもしろさを体験・実感できる家庭学習教材です。2018年度4月号からの英語学習は、英語4技能を身につけられる内容にパワーアップします!バランスよく4技能に取り組める毎月のレッスンに加え、4技能が本当に身についているか診断できるアセスメントが受けられるようになるんです。技能別の力を細かく診断し、個別アドバイスをお届けするので、お子さまの力にあわせて英語力をしっかり身につけていくことができます。もちろん、お子さまが楽しく学べる工夫をしており、ゲーム形式や物語形式でネイティブスピーカーの音声で短いフレーズに何度も触れられたり、外国人とやりとりをする擬似体験などもできるようになっています。もっと英語に触れたい、英語力を伸ばしたい方には、有料オプションの「Challenge English」もおすすめしています。パソコンやオリジナルタブレットで4技能を学ぶデジタルレッスンと、月1回外国人講師との「オンライン会話レッスン」もできる講座なんですよ。tomekko:小学生が学ぶことを重視した教材、というのがいいですね!豊泉さん:ゲーム感覚のロールプレイや、クイズ形式など、英語力を確認できる仕組みを取り入れ、お子さま自らがやりたくなるような仕掛けをたくさん作ってあります。そして、周りを気にせず、間違いを恐れず、どんどん英語を使ってもらうためには、リラックスできるご自宅で、毎日英語に楽しく触れられれることもポイントだと考えています。「英語が楽しくなった」「自信がついた」といううれしいお声をたくさんいただいています!tomekko:それは、良さそうです!! 自宅学習だと送り迎えもいらないし、何よりおっとり長男が無理なく続けられそうなのが魅力的です。今までと違い、英語力もより大事になってくる今の子どもたち。母もいろいろ情報を仕入れて、子どもにあった学習法を見つけてサポートしていきたいと思います! 自宅で外国人講師との会話レッスンを受けられる!「Challenge English」をWEBで体験してみよう 「進研ゼミ 小学講座」も追加料金なしで英語学習ができるように!>> PR:株式会社ベネッセコーポレーション
2018年01月18日「今年10月の衆議院議員選挙で、自民党は公約として『教育の無償化』を掲げました。政策集で、無償化の対象を3〜5歳の『すべての子供たち』と明記しています。選挙では自民党が圧勝。その後、公約実現に向けて議論が続いていましたが、結局、さまざまな条件が付いた『一部無償化』に落ち着くようです」 こう語るのは経済ジャーナリストの荻原博子さん。さまざまな条件が付いた、教育の「一部無償化」とはどんな制度なのか。荻原さんが解説してくれた。 「まず、公約の本命である3〜5歳は『全員無償化』ではなく、『原則無償化』という玉虫色の決着となりました。認可保育園は無償ですが、認可外保育園だと補助はあるものの自己負担が必要です。今のところ、認可外保育園に通っている家庭には、認可保育園の平均保育料(月3万5,000円)まで補助し、それを超える分を自己負担とする案が有力です」(荻原さん・以下同) しかし、認可外保育園にはベビーホテルなどさまざまな施設が含まれている。どの施設を補助対象とするかはまだ決まっていない。 「補助対象が増えれば、1件当たりの補助金が減り、自己負担が増えることも考えられます。結論は、来年夏まで先延ばしとなりました。注視しておきましょう。そもそもほとんどの親が、設備なども充実している認可保育園に入れたいと思っています。でも、認可保育園には空きがないため、仕方なく認可外保育園に通わせている。そういう方に、『認可外』を理由に自己負担を求めても納得できないと思います。また幼稚園も、公立なら全員無料ですが、私立幼稚園は公定価格(月2万5,700円)まで補助し、上回る分は自己負担となります。これらの施策が、『3〜5歳の原則無償化』と呼べるのでしょうか。詭弁と批判されても致し方ないと思います」 加えて、2歳以下と、大学など高等教育については、親の収入による線引きが。親の収入が低く住民税が非課税である家庭に限って、無償化が進められる。 「2歳以下の保育園は、住民税非課税世帯では無償化。ですが、ここでも認可か認可外かの違いがあり、認可外保育園に通わせている家庭には自己負担が必要です。大学の授業料は、住民税非課税世帯は免除し、生活費として返済不要の給付型奨学金を支給します。ただ中所得以上の大多数の家庭には、教育費が重くのしかかったまま、負担は減りません」 さらに、今、大学授業料の「出世払い方式」が検討されている。 「これは、学費を国が本人に貸し付け、本人が就職し、年収250万円など一定額を超える収入が稼げるようになったら返済させるというものです。無償化というスローガンだけ作って、内実は本人に返済させる方法を考えているのかと、憤りさえ覚えます。11月末になって、先の選挙公約は『全面無償化』ではなく、『真に必要な家庭の無償化』だったとの解釈も出てきました。これでは票集めのための“過大広告”ではないかと疑いたくなります」
2017年12月07日「中学、高校では性教育をほとんどやっていないのでは、と感じるほどです。正確な知識を教わらないまま、漠然とタブー視、または神聖化されている。『セックス』と聞くだけで顔を赤らめる学生もいるいっぽうで、AVや雑誌の過激なフィクションを教科書としてしまう学生もいる」 こう語るのは、キリスト教の牧師・平良愛香さん(49)。女性を思わせる優美な名前の持ち主である彼が、東京・立教大学で行っている「キリスト教学講義」の授業は、学生はおろか社会人も聴講しにくるほどの超人気だという。評判が評判を呼んで『あなたが気づかないだけで神様もゲイもいつもあなたのそばにいる』(学研プラス・11月23日発売)という本まで出版されることに。 平良さんは1968年、沖縄生まれ。両親ともクリスチャンで、父は牧師。自分が同性愛者だという自覚を持ちながらキリスト教的価値観の中で暮らすことは、彼にとってきわめてつらいものだった。キリスト教世界では「神はゲイを許していない」という価値観が一般的だ。平良さんは「同じような境遇に苦しむ人の力になりたい」と、日本ではキリスト教で初めての、カムアウトした男性同性愛者の牧師となった。 そんな“日本初のゲイの牧師”平良さんは、性教育の革命に挑んでいる。圧倒的に遅れている日本の性教育。この現状が多くの差別や性犯罪を生んでいるという。 「特に性暴力に関しては、人ごとだと思っている人が圧倒的に多い。被害者にも非があると考えている学生も多いんです」(平良さん・以下同) 女性の約15人に1人は異性から無理やりに性交された経験がある(平成27年・内閣府男女共同参画局「男女間における暴力に関する調査」)。受講者の中にも被害者はいた。 「性被害に遭った経験のある学生は、毎年一定の割合でいるのですが、自分を責め続け苦しんでいる人や『どうして逃げなかったんだ』と親に責められた経験をもつ学生もいる。彼女たちに『あなたはなにも悪くありません』とハッキリ言うと、『初めて言われた』『その言葉を聞きたかった』という反応が毎年必ずあって……。いったい、中学、高校では何を教えているんだ!と残念な気持ちになります」 先日、性暴力被害者の伊藤詩織さんが実名で手記を出したことで、「合意のうえ」ということについて、さまざまな意見が飛び交った。被害者を責める意見も少なくない。 「たとえ一度OKを示しても、途中でやっぱりイヤと言えるのが本当の合意。それを徹底して教えなければいけない。たとえば、デートで気持ちが盛り上がりホテルに行ったときに、途中で『やっぱり今日は無理』と思うことは、珍しくはないはずです。でも、そこでほとんどの人は『ホテルに来てしまったんだから』と自己責任と捉え、我慢して応じてしまう。でも、それはおかしいんです。たとえどのような段階であっても『やっぱりイヤ』と言っていい」 しかし、性被害者は恐怖などでイヤと言えないケースも多い。そして、「ノー」と言わなかったからといって合意があるというわけではない。その典型が子どもの被害者だ。 「加害者が子どもに『かわいいね。髪の毛、触ってもいい?』と聞く。そこで子どもが『いいよ』と答える。すると、次には、『洋服もかわいいね』などと言って、触れる位置を少しずつ下にズラしていく。子どもは、最初に『いいよ』と言ったのだからと考え、抵抗できなくなってしまう。そして親に被害を訴えると『あなたが悪い』とののしられることすらある」 こうした話を講義ですると、多くの学生が「考えたこともなかった」と衝撃を受けるという。 「あなたのまわりにも、必ず性被害者はいる。それを知ったときに、被害者を責めるのはもってのほかですが『あなたは何をされたの?』と聞くことも絶対にやめてください。『あなたは』と聞くと主語が被害者になるので、聞かれたほうは無意識に責められていると感じてしまうんです。これはセカンドレイプを防ぐために、絶対に必要な知識です」 性被害者を作らない社会――。「性」が人を不幸にしない社会を求め、平良さんは今日も教壇に立つ。
2017年11月25日「第11回 LITALICO 教育実践フォーラム 2017」開催!Upload By LITALICOニュース2017年11月18日(土)の13:30より、大阪・梅田の「AP 大阪梅田茶屋町」(D+E+F+Gルーム)にて、発達障害に対する学校教育での合理的配慮をテーマとしたイベント、「教育実践フォーラム」が開催されます。登壇者は、発達障害児への教育支援研究の第一人者である大阪医科大学LDセンター顧問 竹田契一先生、障害児のICT活用等の研究を進める関西学院大学教育学部教授 丹羽登先生、障害や不適応状態について「環境」と「個人」両方向からの心理的支援や教育を研究する鳥取大学大学院の井上雅彦教授ほか、小中学校・高校の教員、児童・生徒の保護者の方々。「障害のない社会をつくる」をビジョンに、児童発達支援事業や就労支援事業などを展開する株式会社LITALICOが主催し、教育を取り巻く課題と実践、未来の展望を考える「教育実践フォーラム」。2012年の初回企画から数えて、今回で11回目の開催となります。11回目のテーマは「合理的配慮」。どんな人々も個性を尊重され、過ごしやすい世の中になれば理想ですが、特定の個性や心身の症状を持っている人にとって生きづらい状況がまだまだ残っているのが現状です。たとえ障害のある方であっても、一人ひとりの困りごとや状況に応じた適切な配慮を受けることで、自分の力をより発揮しやすくなり、日常生活や社会生活を営むことが出来るようになる、という考えのもと進められているのが、「合理的配慮」です。今回は、専門家・現場の教員・保護者それぞれの立場から合理的配慮のあり方について考えていきます。第11回教育実践フォーラム専門家と保護者、それぞれの立場から語る教育現場の合理的配慮2016年4月に施行された「障害者差別解消法」(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)により、公立学校の教育現場でも合理的配慮が義務化されました。発達障害のある子どもにとって、学校生活における困りごととして、授業やテスト、成績評価、行事、さらには食事や排泄、友だちとの関わりなど、さまざまな場面が想定されます。フォーラムの基調講演では、発達障害に対する教育現場での合理的配慮に関して、発達障害児への教育支援研究の第一人者として長年ご活躍される竹田契一先生のお話を伺います。講師:大阪医科大学LDセンター 顧問 竹田契一先生Upload By LITALICOニュース竹田契一大阪医科大学LDセンター顧問、大阪教育大学名誉教授、一般財団法人特別支援教育士資格認定協会理事長。専門は発達障害児(LD・ADHD・高機能広汎性発達障害)への教育的支援など。主な著書は「高機能広汎性発達障害の教育的支援」(明治図書)他、多数。基調講演のあとは、障害児のICT活用について研究を重ねられている丹羽先生からお話を伺います。社会の情報化が急速に展開している中、授業の双方向性を高め、児童生徒の主体性・意欲・関心や知識・理解を高める効果があるとして、学校教育におけるICT活用が注目されています。指導内容や指導方法を変更・調整することが合理的配慮の1つとして求められていますが、お子さんによっては、タブレット端末等のICTの活用が効果的なことがあり、積極的な活用が望まれています。丹羽先生の講演では、教育現場での合理的配慮の手段としてのICT活用について考えていきます。講師:関西学院大学 教育学部 教授 丹羽登先生Upload By LITALICOニュース丹羽登特別支援学級や特別支援学校の教員として重度障害児教育に携わる傍ら障害児のICT活用等の研究活動を進める。文部科学省初等中等教育局特別支援教育課特別支援教育調査官を経て、関西学院大学教育学部教授。病弱教育や障害児のICT活用に関する著書・論文多数。最後に、専門家・保護者等それぞれの立場から教育現場の合理的配慮の実際と課題について語るパネルディスカッションです。コーディネーター: 鳥取大学大学院教授井上雅彦Upload By LITALICOニュース井上雅彦鳥取大学大学院 教授/LITALICO研究所所長(アドバイザー)応用行動分析学を理論的基盤として障害や不適応状態について「環境」と「個人」両方向からの心理的支援や教育を研究。ペアレントトレーニングシステムなどの支援プログラムの開発をはじめ、著書も多数。合理的配慮の導入を円滑にするためには、学校や本人・保護者が合理的配慮実現のための流れやしくみを共通理解し、コミュニケーションを密にすることが鍵となります。現場の教員の方々をパネリストに招き、保護者の方々にコメンテーターをしていただきながら、今現場で必要とされることについて考えていきたいと思います。第11回教育実践フォーラム詳細開催日時:11月18日(土) 13:30~18:45(受付開始 13:00)(教材等自由閲覧時間18:45~19:45)定員:240名参加費:無料(事前申込制)対象:小学校~高等学校、幼稚園、保育施設の職員、スクールカウンセラーなど子どもの教育や医療・福祉・行政機関など子どもの支援に関わられている方会場:AP 大阪梅田茶屋町 D+E+F+Gルーム(大阪府大阪市北区茶屋町1-27ABC-MART梅田ビル8F)アクセス:JR「大阪駅」御堂筋北口より徒歩約3分阪急電車「梅田駅」2F中央改札口より徒歩約1分地下鉄御堂筋線「梅田駅」北改札より徒歩約3分地下鉄谷町線「東梅田駅」北東改札・北西改札より徒歩約5分阪神電車「梅田駅」東改札口より徒歩約5分お申込み締切:2017年11月17日(金)13:00お問い合わせ:03-5704-7361(地域教育相談室 岡野)※お申込みは下部ボタンのお申込みフォームよりお願いいたします。主催:株式会社LITALICO(LITALICOジュニア)12:00~発達ナビ活用セミナー〈希望者のみ〉(50分)13:00~受付開始13:30~開会挨拶(30分)株式会社LITALICO執行役員 野口晃菜14:00~基調講演(60分)【講師】大阪医科大学LDセンター 顧問 竹田契一先生15:00~質疑応答&休憩(15分)15:15~講演(60分)【講師】関西学院大学 教育学部 教授 丹羽登先生16:15~質疑応答&休憩(10分)16:25~パネルディスカッション(120分)【コーディネーター】井上雅彦先生【パネリスト】小中学校・高校の教員など数名【コメンテーター】丹羽登先生、児童・生徒の保護者さま18:25~質疑応答、インフォメーション、閉会挨拶(20分)18:45~パネル展示・教材自由閲覧・発達ナビ活用セミナー〈希望者のみ〉(60分)19:45終了学校や幼稚園、保育園の先生やカウンセラーの方々、子どもの発達が気になる保護者様はじめ、学校教育における「合理的配慮」に関心のある方々はどなたでもご参加いただけます。たくさんの方のご来場をお待ちしております!
2017年10月06日最近話題となっている「やり抜く力」というワードをご存知ですか?「やり抜く力」は、近年教育現場から子育て世代の間でも関心が高まっている非認知能力のひとつです。非認知能力とは、やり抜く力をはじめ、社交性や自尊心、思いやりといった、よりよい社会生活をおくるうえで重要な要素になる力のことです。これらを伸ばしておけば、将来社会に出たときによりよい人間関係を築き、仕事で活躍するうえでの土台となると言われています。では、「やり抜く力」をはじめとする非認知能力を伸ばすには、親としての心がけや環境づくりはどうしたらいいのでしょうか。長年幼児教育に携わっている、日本女子体育大学准教授の桐川敦子先生にお聞きしました。■日本女子体育大学 スポーツ健康学科幼児発達学専攻 准教授 桐川敦子先生日本女子体育大学准教授。児童学修士。幼児発達学専攻講師。保育現場で25年経験を積んだのち、現在は、保育士、幼稚園教諭の養成、現職保育者の研修講師などを中心に活動している。研究テーマは、子どもの遊びと援助方法、保育者養成など。著書に『保育園・幼稚園のわくわく運動遊び』(監修)(成美堂出版)など。非認知能力は、「子どもが幸せに生きる」ための土台ここ数年で、非認知能力という言葉をよく見聞きするようになりました。2020年の大学入試改革でも重視されるとの話がありますが、いったい非認知能力とはどんなものなのでしょうか。「非認知能力とは、知能指数(IQ)や学力、偏差値などのように、数字であらわせるものではありません。社交性や思いやり、自尊心、意欲や好奇心、意志の強さ、ものごとをやり抜く力といったさまざまな力を非認知能力と呼びます。非認知能力は、学校の勉強のように座学で習得できるものではなく、親や周囲の大人、お友だちなどとのコミュニケーションや、実体験のなかではぐくまれるものです。非認知能力が高い人は、周囲から好かれやすく、そして仕事などでも成功しやすい傾向にあることは、なんとなくイメージしやすいのではないでしょうか。非認知能力をはぐくむことは、ひいては子ども自身が“幸せに生きる”ための土台となる力につながるのです」(桐川先生)。すぐに結果をとあせらないで!「やり抜く力」を高めるために、親ができることいわば「人間力」とも言い換えられそうな非認知能力。また、非認知能力の中でも、何度失敗してもめげずに粘り強く取り組む「やりぬく力」は、社会的な成功につながりやすいとして注目されています。それを伸ばしてあげるには、親はどんなことを心がければよいのでしょう。「これまでの学校教育では、偏差値や学歴など、数値化できるものが結果として評価されてきました。そして、ママ・パパも経験しているとおり、社会に出ても結果を求められるシーンは多いですよね。だから、子育てでも、つい結果や正解を求めてしまいやすいものです。けれど、子どもの「やりぬく力」をはぐくむためには、結果を急がないことがとても大切です。子ども自らが手足を動かして、失敗して、考えて、工夫して。親や周囲の大人はその過程をじっくり見守り、寄り添い、ときに一緒に考えたりすることが、子どもの「やりぬく力」を養ううえでとても大切なんです」(桐川先生)。なにかを「やり抜く」経験の積み重ねが、自信、自己肯定感につながる「子どもが最も伸びるのが、自分からすすんでなにかに取り組んでいるときです。小さいうちはちょっと遊んではまたすぐ次の遊びにうつるのは、よくあることなので心配いりません。夢中になれることを探している最中かもしれませんので、そんなお子さんは、ゆっくりあせらず見守ってあげましょう。もし、夢中になれることがみつかっても、なかなか上達しない、失敗を繰り返すなどの壁にあたり、子も親もやきもきしてしまうことだってあると思います。でも、そんなときこそ「やりぬく力」を育むチャンスととらえてみましょう。どうすれば 問題を解決できるのか、子どもに寄り添いながら一緒に考えて、子どものやる気を引き出すような言葉をかけたり、小さな目標をいくつか設定するのもいいでしょう。ひとつのことをやり抜いて、できなかったことができるようになった! そんな喜びの体験は、子どもにとって大きな自信、自己肯定感につながりますし、達成の喜びを知ることは、さらなる向上心の芽生えにも結びつきます。そして、ゆくゆくなんらかの壁が立ちはだかったときにも、それを乗り越える力になりますよ」(桐川先生)。これからさまざまな人との出会いやできごとが待っている子どもたちにとって、「やりぬく力」を伸ばしておくことはあらゆる意味で「幸せに生きる」ことにつながるはずです。たくさんの可能性を秘めている幼少期だからこそ、「やり抜く力」というワードを意識しながら、我が子と向き合ってみてはいかがでしょう。幼少期からはじめたい! 「やり抜く力」を伸ばせる習いごととは?「やり抜く力」を育てるには、親の姿勢が大事なのはもちろん、やりぬく環境、やりぬかざるを得ない環境を与えてあげることも重要です。幼少期の「習いごと」は、そういった視点から選ぶのもおすすめします。例えば初めての習い事として人気のスイミングスクールも、取り組み続けるための工夫があるか、目標を設定してクリアする練習を習慣化できるかなどに注目してみましょう。できたことを具体的にほめる指導で、「やり抜く力」を鍛えることができる「イトマン スイミングスクール」では、泳ぎの技術を身につけることはもちろん、「独立自尊の社会・世界に貢献する人財を育成する」を理念に掲げ、「心の教育」も重視した指導方針を取り入れています。その特長の一部をご紹介します。・スモールステップで「やり抜く力」が育つイトマンスイミングスクールでは、子どもひとりひとりのレベルに合わせた細かなクラス・階級を設定しています。2歳6カ月から始められる幼児クラスは水との親しみ具合に応じた4つのクラスを設定。4歳~中学生が対象のジュニアクラスでは初級~上級までの間を25級から1級にわけた3段階25進級制をとっています。たとえば初級では、水に慣れる、立ち飛び込みができる、浮き輪をつけて浮く…などの目標をクリアするごとに進級でき、16級のクロール・スイム(無呼吸)が達成できると中級に進めるといった、スモールステップのカリキュラムになっています。そのため、子どもでも目標がわかりやすく、またスモールステップの効果で達成感や向上心につながりやすい指導を行っています。・できるところからはじめるから「自主性」が育つ最初のうちは水が顔にかかるのがいやだったり、潜るのが怖かったりする子も少なくありません。そこで、まずは水と親しむ、水で楽しく遊ぶところからスタートします。無理強いはせず、プールに入るのが楽しくなる指導を丁寧に行うため、子どもの「やりたい!」「楽しい!」気持ちが育ち、自ら楽しんで取り組める自主性を身につけられます。・苦手をそのままにしない指導で「自信・向上心」が育つなかなか思うようにいかないときには、どうすれば上達できるのかを子どもと一緒に考えます。そして、繰り返し練習することで、苦手を克服し、できなかったことができるようになった成功体験を通して、子どもの自信、向上心につなげます。・ほめる指導で「自己肯定感」が育つちょっとした「できたこと」でも、具体的にほめる指導を実践しています。ほめることで子どもの自己肯定感をはぐくみ、それを重ねていくことでやり抜く力にもつなげます。・お友だち、コーチとの交流で「社交性」が育つ保育園や学校とは違うお友だちと関わり合うことで、社交性が身につきます。また、集団レッスンを通してルールやマナーも学べます。イトマンスイミングスクールでは、2歳6カ月~小学生(※)の子どもを対象に、2日間の無料体験教室を実施しています。受講者にはスイミングキャップとカードケースをプレゼント。また、入会すると入会金ゼロ円、水泳用品のプレゼントという受講特典も。からだはもちろん、こころの成長もはぐくむイトマンスイミングスクール。この夏は、無料体験教室に足を運んでみてはいかがでしょう。※一部校舎では4歳からの実施となります。◆詳細はこちら>> PR:イトマンスイミングスクール
2017年07月13日こんにちは、金融ライターの齋藤惠です。1歳の息子の母親でもあります。うちでは特別な幼児教育は行っていません。しかし、英語の早期教育や受験戦争がますます厳しくなることを考えると、全く何もしないというのも漠然と不安を感じてしまうのです。そこで私は家庭教育の質の向上を目指し、日常の延長でできる部分から子どもの能力を伸ばす試みを始めました。今回は、わが家が取りいれているMI理論のノウハウを具体的にご紹介したいと思います!●MI理論とは?MIとはMultiple Intelligences(多重知能)の略です。人間の能力の高さの基準はIQやEQでのみ計れるものではなく、より多面的な8つの能力がバランスよく備わっていることが大切である という考え方です。(1)言語的知能……話を組み立てて文章を作るなど、言葉を使って表現することが得意。(2)論理数学的知能……論理的な考え方ができ、数学や課題解決の能力が高い。(3)音楽的知能……音程に敏感で、リズム感がある。歌や楽器の演奏が得意。(4)身体運動的知能……手先や体全体で表現することが得意で身体能力が高い。(5)空間的知能……絵や図式、空間の認識能力に長けている。(6)対人的知能……社交的で人との会話が弾む。他人の意図を読み取ることを得意とする。(7)内省的知能……自分自身を正しく理解し、己を律したり高めたりできる。(8)博物的知能……自然に興味関心が深く、さまざまな現象の因果関係や違いを発見できる。このMI理論を意識して子どもを遊ばせているのといないのとでは、後の成長が大きく違ってくる 気がします。たとえば普段、家の中ばかりで過ごす子どもは内省的知能などはよく育つかもしれませんが、対人的知能などは十分に育たない可能性が考えられます。これでは自分のことはしっかり把握できても、他人のことが理解できないという大人になりかねません。●MI理論を家庭教育で活かすには?専門家によるプログラムもあるようですが、そこまで気合いを入れなくてもちょっとの気持ちがあれば子育てにMI理論を取り入れることはできます。以下は、わが家で行っていることです。・絵本の読み聞かせ(言語的知能)・おもちゃを数えたり、ご飯ができるまでの時間をカウントしたりして待たせる(論理数学的知能)・子供向け番組を親子で見ながら、一緒に歌ったり踊ったりする(音楽的知能)・公園などで思い切り走りまわる(身体運動的知能)・パズルやブロックで遊ぶ(空間的知能)・他の子どもたちと触れ合う(対人的知能)・できたことは大げさに褒め、良くないことをすればわかりやすく叱る(内省的知能)・道端の植物を観察させる(博物的知能)もちろん毎日全ての知能を刺激することは難しいのですが、子どもの機嫌と親の体力があれば積極的に行っています。どれも特別なことではなく、子育てをする上ではどの親も行っている普通のことばかり です。しかし忙しい日常が続くと、そんな気はなくてもつい“8つの知能のうち1つが極端に育っていなかった”ということが考えられます。常にMI理論が頭に入っていれば、「今日は体をいっぱい動かしたから、明日は読書やパズルで遊ばせよう」と子どもの知能発達にバランスの良い生活を送れるようになると思うのです。家庭教育でも十分に子どもの能力を伸ばしてあげられるはずだと私は信じています。皆さんもぜひ参考にしてみてくださいね!【参考リンク】・MI理論とは | プライムラボ()・多重知能理論とは?(PDF)()●ライター/齋藤惠(金融コンシェルジュ)●モデル/藤本順子(風悟くん)
2017年07月03日「シュタイナー教育」をご存知ですか?お子さんに少しでもいい環境を与えたいと願い、さまざまな教育論を調べたことがあるママなら、一度はその名を目にしたことがあるかもしれませんね。シュタイナー教育とは、オーストリアの思想家ルドルフ・シュタイナーが20世紀始めに提唱した教育方法です。7歳までの子どもたちは夢の中にいるようなものだとして、音楽や絵画など感性に訴えるアプローチで接することを掲げています。音楽のリズムに合わせて動く「オイリュトミー」というダンス、「にじみ絵」と呼ばれる独特の水彩画法が特徴です。今回は、都内のシュタイナー系幼稚園で働くG先生(50代女性/幼稚園教諭)から、自宅でできる「ゆるシュタイナー教育法」を聞いてきました。●(1)刺激は「子どもが欲してから与える」シュタイナー教育と聞いて最初に思い浮かぶのが「テレビを見せない」ということ。音や光の出るオモチャ、テレビゲームなんてもってのほか。遊ぶ道具は、石、木、布、羊毛といった自然素材だけなんですよね。でも、子育てママならそのハードルの高さはわかるはず。どうしたらいいのでしょうか?『子どもが求めてくる前に、親が先回りして強い刺激を与えてしまうことを避けてみてください 。テレビは、子どもが積極的に見たがっていないなら、あえて見せる必要はありません。プラスチック製のおもちゃも同じ。最初に与える遊び道具は、自然素材のもので十分です。でも、よそで見かけたり、他の子が持っていたりして、お子さん自身が興味を持ったなら、少しずつ与えてもいいと思いますよ』そうはいっても、家事をやっているあいだに子どもがテレビを見ていると助かるんですよね。夕方の幼児番組、「ほら!もうすぐ○○が始まるよ!ママ忙しいから、観てて〜!」なんて率先して付けちゃってましたが……それすらNGなんでしょうか?『そのあたりは、ママの裁量でいいと思いますよ。無理をしてまでノーテレビ育児にこだわり続けることはありません。ただ、7歳までは体のリズムを作る時期です。生活リズムをテレビに支配されないようにするのが大切ですね。大人がテレビなしの生活をしてみせるのも、時には必要です』なるほど。ということは、大人が観たい番組があるときは、録画をして子どもが寝たあとに楽しむのがよさそうですね。●(2)生活リズムづくりは「ゆるやかに」がコツシュタイナーの教えでは、毎日の生活リズムを作ることも重要視されています。決まった生活リズムを繰り返していくことが、子どもたちの心の調和と安定につながると考えられているからです。『家庭でも、ぜひ規則正しい生活を送っていきたいですね。まずは一日のスケジュールを組んであげましょう。ある程度大きなお子さんなら、親子で相談しながらスケジュール決めをするといいでしょう』でも先生、子どもってこっちの希望通りに動いてくれませんよね。うちの子はいつもノロノロしていて、スケジュールなんか決めても絶対守れません。守れないことでカリカリしてしまう自分も目に見えてますが、どうしたらいいですか?『細かく時間を定めてしまうと後がつらいので、最初は起きる時刻・寝る時刻・食事の時間帯をゆるく決めるくらいでOKです。「○時」ときっかり決めるより、30分程度の幅がある「時間帯」でスケジューリングしていく のがおすすめですよ。また、スケジュールを守れなかったときにお互いを罰しないことも重要です。お子さんの様子や発達段階を見極めながら、無理のないスケジューリングに組み直していきましょうね』●(3)子どもに「遊びを教えない」勇気を!シュタイナー教育で忘れてはいけないのが、オイリュトミーやにじみ絵などの独特な遊び方。これらは子どもたちの感性を伸ばすためのアプローチ法ですが、家庭で取り入れるにはどうしたらいいでしょうか。『子どもの遊び方に自由を与えてあげましょう 。最近のママたちを見ていると、やり方が決まっているオモチャを与え、子どもが考える間もなく「ほら、これはこうやって遊ぶのよ」と教えてしまっている方が多いんですよね。中には「その遊び方は間違ってる」とお子さんを叱っている姿も。これでは、子どもたちの感性は育ちようがありません。何に興味を持ち、それをどうするかはお子さんに全て任せてあげましょう。口出ししないことは、ママたちにはちょっと勇気がいるかもしれません。でも、グッとこらえて見守っていると、子どもの思わぬ発想にこちらが驚かされることもよくありますよ』つまり、オイリュトミーなど有名な方法論を知って、その形だけをなぞっても意味がないということですね。そういった各方法論の裏側にある理念をよく理解し、無理のない形で実践していくことこそが重要なのでしょう。----------いかがでしたか?今回G先生に伺った「ゆるシュタイナー教育法」は、特別で特殊な子育て方法ではありませんでした。むしろ、わが国の昔ながらの子育てに通じるところが多くあったように感じます。生活に無理のない範囲で取り入れていくと、子どもたちの豊かな成長と自立を促すことができるのではないでしょうか。●文/パピマミ編集部●モデル/貴子(優くん、綾ちゃん)
2017年06月30日こんにちは、金融ライターの齋藤惠です。1歳の息子の母親でもあります。少子化が進んでいると言われる日本では、一方で子ども一人当たりにかかる教育費用が増加傾向にあります。私も息子に幼少のうちから習い事をさせたいと思っていますし、 学校選びも学費を考慮することなく本人の希望する進路へ進ませてあげたいという気持ちが強いです。しかし現実的な面を考えると、「今からどれほど貯めれば間に合うんだろう……」と不安になることも。もし同じ悩みを持っているパパママがいるのなら、わが家も実践しているジュニアNISA はいかがでしょうか?教育費用を準備する方法はたくさんありますが、ひとつの手として考えてみてください。●ひたすら貯蓄! だけでは不十分かも……!?先にも述べた通り、日本では教育費用が年々高くなっている のが現状です。今後もますます少子化が進み教育産業が縮小化すれば、子ども一人にかかるお金が割高になっていくことが予想されます。さらに今やマイナス金利時代……。銀行にお金を預けてもほとんど利息がつかない状態でひたすら貯金をするのみの教育費対策では、10年後20年後に物価や学費が高騰したとき不十分 かもしれません。ジュニアNISAは立派な投資ですのでリスクもありますが、これからはリスク管理をしながら教育費用を準備するという新しい考え方が必要なのではないでしょうか?●ジュニアNISAを有効活用するコツわが家でも子どもが生まれた翌々月からジュニアNISAを始めました。主な理由は3つあります。(1)貯蓄だけでは教育費用は貯まらないと思った。(2)原則18歳までは引き出せないので、強制的にお金が貯まる。(3)NISA(非課税制度)によってより多くのお金を教育費に充てられる。さらに、私たちはジュニアNISAが投資商品であることを考え、長期的な視野で運用を行うべきだと思い、定額の積立式 を採用することにしました。具体的には毎月1,000円を指定日に引き落として、投資信託銘柄を購入しています。今は仕事や家事に手いっぱいになりがちな時期でもありますので、どうしても毎日相場のチェックをしていられません。定額の積立式なら相場に一喜一憂することなく、一定の金額でそのとき買える分のみの投資にとどめることができる ので、リスク対策にもなりますから、「投資には興味があるけれど、運用と管理を続ける自信がない」という人におすすめです。●ジュニアNISAで気を付けることは?ジュニアNISAで気を付けるべきことは大きく2つあります。(1)投資商品であることを忘れないこと。(2)18歳まで払戻しができないことを考えて購入すること。ジュニアNISAで購入できるのは全てがリスク性の投資商品 です。まずはその点を常に頭に入れておかなければいけません。市場や銘柄の状況によっては元本割れの可能性もありますから、ジュニアNISAに充てる資金は教育費用の一部にとどめるようにするのが賢明でしょう。また、18歳までお金が手元に戻らないことも十分理解しておきましょう。厳密には払い戻しもできるのですが、その場合には過去の利益が課税対象になってしまうので、せっかくNISAを利用した意味がなくなってしまいます。----------以上、注意すべき点もありますが、より手堅く教育資金を増やす手段としてジュニアNISAという選択肢も有効だと思います。ぜひ検討してみてくださいね!【参考リンク】・2016年からはじまるジュニアNISAとは | SBI証券()・ジュニアNISAとは | SMBC日興証券()●ライター/齋藤惠(金融コンシェルジュ)●モデル/貴子(優くん、綾ちゃん)
2017年06月26日小学校教育に新たな波がおとずれます。2020年より英語学習を前倒しする「早期化」と、5年生からの英語教育が成績のつく科目としての「教科化」がスタートすることになりました。英語が必要な時代が来ているとはいえ、この2点について親たちはどう考えているのでしょうか?Q.小学校の英語教育「早期化」「教科化」、どう思う?1.賛成 72.6%2.反対 7.2%3.わからない・どちらともいえない 20.2%小学校の英語教育「早期化」「教科化」に賛成という声が72.6%と大多数という結果になりました。グローバル社会で活躍する人材を育成するためには英語は必須と考える親が多くいるようです。■日常会話くらいは英語で話せる人に日本にもどんどん外国人が来るようになりますし、これから大人になるまでに海外に行くこともあると思います。そんなときにも日常会話くらいは英語で話せるようになってほしいというのが親の希望。そのための教育なのであれば賛成という声が多数です。「世界的に必要なこと。他国は母国語と英語、両方教えるのが普通」(東京都 40代女性)「日本語的英語ではなく、英会話力を伸ばしてほしいと思っています。聞き取った英語を素直に口に出せるようになったら最高だと思います」(佐賀県 40代女性)「英語に早くから親しむという点ではいいと思います。ネイティブの先生と英会話を経験する授業なら、導入としてはいいかもしれませんね」(千葉県 50代女性)■日本人なのだから英語よりもまずは国語反対派の多数の意見は、英語教育の前に日本語教育を学ぶべきというもの。美しい日本語や漢字などをしっかり学んでから英語を学んでも遅くはないという声や、学校の教員の英語レベルが気になるという声もありました。「単純に教科が増えるとすれば、他の教科がおろそかになる。PCやタブレットを使うために漢字の読み書きができない子が増えている。英語に力を入れるまえにもっとやらなければいけない課題がある」(静岡県 40代男性)「それ以前に日本人として正しい日本語を身につけさせることの方が重要なのではないかと思うのは私だけでしょうか?」(神奈川県 50代女性)■英語の早期教育のメリットとは音や発音は小さいうちにやったほうが効率的であることはすでにわかっています。苦手意識を持つまえに、自然と英語に触れて、話すことで英語力がついていくのが理想的。それが果たして小学校教育でできるのかが問題のようです。「英語教育は早ければ早いほど、国語と同じように自然に覚えられる利点があります。しかし、小学校教員の英語力には課題があるのが現状。映像やタブレット端末などを使用して、小学生のうちに日常会話には困らないようになってほしいです」(神奈川県 40代女性)Q.小学校の英語教育「早期化」「教科化」、どう思う?アンケート回答数:6408件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2017年06月06日ママと子どもが日々、お世話になっている「おかあさんといっしょ」(NHK Eテレ)。今回は、長年番組制作に携わってきたNHKエデュケーショナル こども幼児部 統括部長・古屋光昭さんと、シニアプロデューサー・平岡ジュンコさん、NHK制作局青少年・教育番組部 チーフプロデューサー・山田淳さんのインタビューを前後編に分けてお届けします。前編では、毎日観ていても気付かない、子どもを惹き付けるためのワザとヒミツに迫ります! つい毎日見てしまう、その理由には仕掛けがあったんです。それだけでなく、番組の歴史から、一般の子どもが参加する収録の様子まで、たっぷりとお話を聞きました。■あくまで主体は母親だった! 「おかあさんといっしょ」誕生のヒミツ 古屋「『おかあさんといっしょ』の放送開始は1959年10月。よく日本初の幼児番組かと聞かれますが、そうではありません。初めは週に1回の放送で、情操や情緒を意識した“幼児のためのミュージカル・バラエティ”ではありましたが、『きょうの料理』などと同じく母親向けの実用番組という位置づけでした。その後、週に5日の帯番組になり、ラジオ『うたのおばさん』のテレビ版として放送されていた『うたのえほん』と1966年に統合されたことで、歌・体操・人形劇という形になりました。ちなみに『うたのおばさん』の流れもあり、初めはうたのおねえさんしかいなくて、うたのおにいさんは1971年に初めて登場したんですよ」『おかあさんといっしょ』や『にほんごであそぼ』などは在宅向け、『ノージーのひらめき工房』『ピタゴラスイッチ』などは幼稚園保育所向けと分かれており、実は幼稚園保育所向けの番組のほうが1956年から放送が始まっており、歴史は古いのだとか。■58年も番組が続いた理由は、止めなかったから!?古屋「70年代になると民放でも幼児番組がものすごく増えましたが、80年代で軒並み姿を消していきました。でも、NHKは止めなかった。90年に幼児番組を“幼児ゾーン”としてまとめて放送することにしたのがよかったのだと思います。そして、うたのおにいさん、おねえさんの速水けんたろう&茂森あゆみコンビがとても人気だったこと、さらに99年の『だんご3兄弟』のヒットもあり、そのあたりから、視聴者の感覚もだいぶ変わってきましたね。それまではテレビ番組に限らず、子どものもの=子どもだまし=粗悪品みたいに言われることもありましたが、80年代以降で大人文化と子ども文化の境目が薄れ始め、大人も子どものものを抵抗なく受け入れるようになります。逆に大人のものよりクオリティが高かったり、丁寧に作られていたりする。子どもの方が余分な情報や付加価値なしに見るので、子どもをよい意味で“だます”方が難しいんです」■2歳児を徹底研究&セグメント形式を採用 迷いの70年代からの脱却!古屋「話は戻りますが、70年代は迷いの10年だったようです。幼稚園に行く子が増えたことで、家には小さな子どもしかいなくなり、4歳~6歳がターゲットだった『おかあさんといっしょ』と社会状況がズレてきてしまったんですよね。そんな中、1979年に『2歳児テレビ番組研究会(2歳研)』が発足しました。実はこれ、アメリカの幼児番組『セサミストリート』の影響を大きく受けているんです。日本では英語番組という認識が強いけれど、もともとは子ども番組として専門家が対象年齢や子どもの能力を研究して作り込んでいるんです。2歳研では、『セサミ』と同じように発達心理学・教育心理学・教育工学などの専門家たちを含めて、2歳児を徹底的に研究したそうです」――具体的には番組にどのように生かされたのですか?古屋「まず、ひとつの番組が複数のコーナーに分かれている「セグメント形式」を取り入れました。2歳研によって幼児が集中して見ていられる時間は2~3分だとわかったので、それをひとつのコーナーの目処にすることにしたんです。また、幼児は数ヶ月の差で発達段階が全然違うのですが、対象年齢が異なるコーナーを作れば、どこかのコーナーが楽しめます。セグメントのメリットは、ダメだったらそのコーナーをリニューアルすればいいっていう取捨選択ができることにもあります。素材の反復再利用もできますしね」――たしかに再利用はありますね! 映像のサイドにラインが入っている(アナログ画面サイズ)っていう…。平岡「名作アニメや良い作り手が手がけた素晴らしい作品など、これは作り直せないなっていうのがあるんです。だから“両側がありませんけど、すみません!”って(笑)」古屋「ADさんが “この曲、小さい頃に観ていました!”とか言ってます。20年使ってるものもありますからね。でも、子どもにとってはそんな曲も初めて聞く”新曲“ですから」――親の立場からすると、懐かしい曲が流れると嬉しくなります。山田「そうですよね! あとは、激しいコーナーの後には静かなコーナー、実写の後にはアニメを放送するなど、内容の強弱にも気をつけています。せっかくのセグメントなのに、同じような内容が続いては意味がないですからね」■一分アニメの背景は白!情報量を最小限にする工夫古屋「歌の後は人形劇…というように、コーナーは月曜日~金曜日で基本的に同じ順にしています。そのほうが子どもたちも安心できるし、毎日の視聴習慣ということで変えないようにしているんです。番組を通して言えるのは、色や音などで情報量をものすごく整理しているということ。どうすれば画面に目が行くかとか、物語に集中できるかとか、子どもの情報処理能力を考えて作っています。たとえば『ともだち8にん』(一分アニメ)は、バックが白。普通のアニメは背景にもたくさん絵が描き込んであるけど、それでは情報量が多すぎる。キャラクターを見てほしいので、あえてお話で扱うものだけを描くようにしています。一分アニメは『こんなこいるかな』(86年)と同様に、幼児の実生活での事例をたくさん拾って、そのネタをもとにストーリーを組み立てていったんです。3歳は世界の真ん中に自分がいて、人の立場で考えるってことはできない時期。一緒にいても、ひとり遊びを個々にしていることが多く、協力することが難しいのです。そんな子どもたちを観て、発想して、題材にしています」■歯磨きは上手にできなくていい! 決してお手本ではない生活習慣ロケ古屋「『はみがきじょうずかな』や『パジャマでおじゃま』などの生活習慣ロケも、2歳研の頃に始まりました。あのコーナーは、会話もなく、ただ歯を磨くだけという映像を、音楽(スキャット)に乗せることでテレビのコーナーに仕立てたことがすごいと思います」山田「歯磨きの様子をただ撮影しただけでは退屈なコーナーになってしまう。音楽の尺に合わせてテンポよく見せる演出が、一見何気なく見えますが発明ですね」古屋「コーナーの目的は、自分と同じような子どもがやっているのを見てモチベーションを上げてもらうこと。うまく出来た姿を見せるのではなくて、がんばっているところを見せているんです。だから、テレビでお手本を紹介するコーナーではないんです。」――“みんながやってるから、僕もやる!”という感覚は、幼稚園や保育園での友達関係と一緒ですね。古屋「そうですね。一度はコーナーをやめたんですが、 “子どもが歯を磨かなくなったので、またやってください”という声があって復活しました」■親のほうが必死!? 子どもたちの収録の様子とは?古屋「『おかあさんといっしょ』は、一般のお子さんが出ているということが一番の特色かもしれません。子どもが番組に出ているのは、テレビを観ている子どもに親近感をもってもらうためなんです。自分と同じくらいの年代の子どもがやっていることに興味を示す年齢なので、“おもしろそう”とか“やってみたいな”という感情を持ってもらうことを目的にしています」――体操に参加せず、端のほうに立っているだけの子もいますよね。親としては“いろいろな子がいてもいいんだ”と安心します。古屋「参加する子どもは、ありのままの姿でいればいいと思っています。親御さんはせっかくテレビに映るのにって思うけど、怒るのは逆効果なんです。」山田「『おかあさんといっしょ』に限らず、収録中にある子どもがずっと無表情のことは良くあります。でも終わった後に“どうだった?”って聞くと、みんな“楽しかった”って答えるんです」古屋「子どもはどこにいても、本当は楽しんでるんだと思うんですよね。収録に来たけれどもお母さんから離れられずにヒザの上で観ているのも楽しいし、体操を後ろのほうで観ている子はそれが心地よかったりする。それはそれでいいじゃないかって思うのですが、親御さんにとってはなかなか難しいですよね。どうすれば収録に参加した子どもの集中力が途切れないか、どうやって一連の収録を楽しませるか、スムーズに事を運ぶかっていうのは、いろんな工夫やノウハウを組み合わせてやっています。それはうたのおにいさん・おねえさんの中にも引き継がれているし、“子ども係”という子どものお世話をする人たちや、われわれ制作の中にも代々受け継がれてきているんです。集合場所から移動して、収録が終わってまた同じところに戻ってくるまでに約1時間。それを1日3回やることもあって、本当に驚異的だと言われます。幼稚園単位ではなく、初めて会った知らないもの同士ですからね。以前イタリアの制作会社の人たちが来た時に、「こんなに聞き分けが良くて、この子たちは子役じゃないの!?イタリアじゃありえない!!」って、すごく驚いていましたよ」後編では3月末をもって卒業しただいすけおにいさんのお話も登場…!
2017年04月25日安倍政権になって、最初に始めた議論は、大学入試改革、道徳や英語の教科化、そして幼児教育の無償化でした。幼児教育の無償化は、幼児期の義務教育化が期待されていましたが、現在は財源の関係で、年収要件を付けた経済的支援という形になっています。教育というよりは子育て支援の一つと考えた方が正しいでしょう。最近になって、「教育の無償化」として、高校や大学まで、希望する人すべてが進学できるように、義務教育の後も無償化すべきという意見も聞かれるようになりました。ただ、幼児教育を無償化する財源の8000億円ですらなかったのですから、全ての教育を無償化するために必要な5兆円を国が配分するとは思えず、これはあまり期待しない方がよいと思います。そして、子どもに習わせたいお稽古ごとの上位に入る「英語」。これは、3年後に5、6年生で教科化されることになりました。教科になるというのは、成績もつくということです。そなると、「中学受験でも英語が必要?」と不安になりますよね。これは基本的に受け入れる側の中学の判断になりますから、これからは中学受験のための英語を勉強しなくてはならないこともあるかもしれません。ただ、大学受験のための英語がそうであるように、「受験のための英語」を学ぶことは、将来、実践としてはほとんど役に立ちませんから、本当に必要なことなのかどうか、学校側も、また親もしっかりと判断することが必要です。また、今5、6年生が「外国語活動」として行っているものを、3,4年生に前倒しします。つまり早期に始めることで、より「使える英語」にするということを目指しています。道徳の教科化については、いじめ問題への対応として始まったものでした。これも英語と同じタイミングで教科になり、やはり成績もつくようになります。とはいえ、なかなか数値での評価は難しいので、記述式での評価になる予定。今、道徳の授業といえば、年間35時間は教えることになっているものの、運動会などの練習に振り替えられたり、お話を読んで考えるという授業方法から、国語との違いがわからないなど、真剣に取り扱われていない実態があります。教科にすることによって、物事の善悪を考えたり、思いやりの心を育てたりなどいう本来の道徳の教育がきちんと行われるようになることが、期待されています。大学入試は、4年後に大学生になる今の中学2年生が受験をするときから、新しい制度になる予定です。数年間の試行期間を経て、本格的に変わるのは、そのあとになるので、今の段階では、まだまだどうなるのか不透明。でも方向性としては、1回きりの試験から、通年で機会がある、マークシートだけでなく記述問題も出るなど、少しずつ固まりつつあります。講義式の一方通行の授業から、自分たちで課題を見つけ考える「アクティブラーニング」、コンピューターに早くから慣れ親しむためのICT教育など、小学校では3年後、中学校では4年後の本格実施に向け、今、様々な準備が進められています。ちょうど、子供がこの時期に差し掛かるという世代が多いみなさんにとっては、不安もことさら大きいことでしょう。今の教育も、ましてや自分たちが受けてきた教育は、全く参考にならないのではとも思ってしまいますね。親として、こんなにたくさんある変化を、どう受け止めればよいのか。私は、まず親が、自分の子どもが生きていく将来の社会の姿を、一生懸命想像し、考えることだと思っています。科学の進歩は目覚ましく、今、小学生の子どもたちが将来就く仕事の6割は、今ない職業だとも言われています。今の小学生が社会人になるのは、あと10年ちょっとのことです。進歩や変化は早いので、なかなか想像するもの難しいと思いますが、とにかく頑張って、一生懸命考えるのです。そしてその将来の社会で、どんな能力が必要になるのか、それをさかのぼって考えていくことで、今、子供に必要な教育も見えてくるはずです。また一方で、社会がどう変わろうとも、「人」として必要なことは、どの時代も大きく変わるものではありません。例えば、人の気持ちを考えることができる、約束を守るなど人間としての基本は普遍的なものです。親としての責任は、子どもの将来に責任を持つことができるかということに尽きると私は思っています。今、親である自分自身が持っている最大の力を尽くして、一生懸命考え、想像し、責任を持って子供たちを、将来へ導いていきましょう。春は別れと出会いの季節。進級や進学を控える子どもにとっては、一年間の締めくくりです。それを見守る親としても、なかなか感慨深い日々が続きます。新しい環境のスタートである4月の新学期よりも、親にとっては、「3学期の終わり」にこそ、子どもの成長を実感するように思うのです。そして私自身も、今年、小学校を卒業する子どもに、成長への感慨深さと共に、何だか整理できない寂しさも感じています。ランドセル姿を見るのもあと10日。そんな進学や進級を控えた「別れと出会いの季節」に、これからの子どもたちの教育や、生きていく社会はどのようになるのかを、改めて考えてみるのもいい機会です。
2017年03月10日いま、教育現場が大きく変わろうとしています。2020年を目標に、小学校でプログラミングの授業を必修化させようという動きがあるのです。IT関連ビジネスが拡大していくなか、WebエンジニアなどのIT人材の不足が問題になっています。その対策として先日、文部科学省が打ち出した方針です。日本の義務教育にとって大きなターニングポイントになりそうなこの改革。実は、子育て世代のママ・パパたちの耳にはあまり届いていないようです。情報セキュリティメーカーのデジタルアーツ株式会社は、0歳から6歳までの子どもの保護者672名を対象にアンケートをとりました。それによると、この方針について「知らない」と回答した保護者が54.5%にものぼることが明らかになりました。未就学児童の保護者の半数以上が知らない改革が、小学校で行われようとしているのです。●これまでの経緯この方針は、もちろん急に決定したことではありません。まずは、これまでの経緯を簡単におさらいしておきましょう。2012年、中学校の技術家庭科で『プログラムによる計測・制御』が必修になりました。アルゴリズムやフローチャートの書き方を学び、実際にプログラムを組んでロボットを操作するなどの授業が各校で行われています。続く2013年6月には、政府の成長戦略の中に“義務教育段階からのプログラミング教育等のIT教育を推進する ”という内容が盛り込まれました。それを受けた文部科学省が有識者を集めて会議などを行い、2016年4月、小学校でのプログラミング教育必修化を検討する旨が発表されたのです。●賛成or反対? 保護者たちの声子育て中のママ・パパたちはこの改革についてどのように感じているのでしょうか。ここからは賛否の声を紹介していきましょう。●賛成派の声『子育てが一段落ついて、さて改めてオフィスワークを探そうと思っても、パソコンスキルを求められて挫折……そんなことばかりでした。時代によって、仕事に必要なスキルというのは変わってくるはず。将来食いっぱぐれないためにも、先を見越した教育は必要 です』(50代女性/飲食店パート/大学生、高校生のママ)『海外に比べて日本は、IT教育がとても遅れていると感じます。うかうかしていると海外からの移民に、日本人の仕事が奪われてしまうのでは。そうならないためにも、幼いうちから学ばせていくべきでしょう』(30代男性/会社員/中学生のパパ)『反対してる人は“食わず嫌い”なのでは?わが家ではいち早くデジタル教育を取り入れました。プログラミング教室に通わせていますが、とても楽しそうに学んでいますよ。家の端末で復習している姿を見ると、教室で習ってきたことだけでなく、自分なりの手を加えて違うものを作っています。それをオンラインでお友だちと見せあい、評価しあってより面白い作品にしようとしている。とても創造的な学問 なんですよ』(30代女性/自営業/小学生、幼稚園児のママ)●反対派の声『上の子が、中学でプログラミングの授業を受けていますが……先生に知識がなさすぎて、全く意味をなしてません。教育者の質が保証されていない中で必修化するのには反対 ですね』(40代女性/主婦/中学生、小学生のママ)『小学生でしょ。冷淡な機械を前にするよりも、自然に触れてほしいです。論理的思考をつけるばかりが教育じゃないですよね。子どものうちはもっと、空や風、雲、土、草木に対する素朴な興味と畏怖の念を大切にしてほしい』(30代女性/幼稚園児、1歳児のママ)『小学校での教育時間には上限が定められています。つまり、プログラミング学習を導入する分だけ、ほかの学習の時間が削られるということ。これは問題ですよ。僕は特に国語学習が削られるのが不安です。長文を読み書きする力や語彙力などの低下は、ここ数年激しいです。国語はすべての学問の基礎でもあります。プログラミング学習は必修ではなく、課外や部活など教科とは別の形で行うべきでしょう』(50代男性/教員/高校生、中学生、小学生のパパ)----------賛成派、反対派の声を紹介してきました。さて、あなたはどのように考えますか?プログラミングに触れたことがないなら、まず一度お子さんと一緒に経験してみてはいかがでしょう。文部科学省からは子供向けのプログラム作成サイト『プログラミン』がリリースされています。かわいい絵柄で操作もカンタン。文字が拾い読みできる年長児くらいでも、ゲーム感覚でプログラミングを学ぶことができます。もしかしたら、大人顔負けに端末を操作するお子さんの姿を目の当たりにして、これまでと違った感想を持つかもしれませんよ。【参考リンク】・教育の情報化の推進 | 文部科学省()・21世紀型教育に関する0歳から6歳のお子さまを持つ保護者を対象とした認識調査 | デジタルアーツ()・プログラミン | 文部科学省()●文/パピマミ編集部●モデル/前田彩(桃花ちゃん)
2017年01月30日小池百合子都知事が“教育機会の平等化”を目的として都内の私立高校生の授業料を無償化する計画を発表して話題となっていますね。世帯年収が760万円未満の生徒で、東京都内に在住の私立高校生が対象となります(都内に住んでいれば東京以外の私立高校に通っていてもOK)。お金がなくて私立を諦めかけていた家庭にはかなりの朗報ですが、一方では「そもそもお金がないなら私立へ行くな」「もっと他のことにお金を使え」という批判も多く上がっています。たしかに、この無償化を実施するには75億円の予算を上乗せする必要があると言われており、税金を払っている立場からすればいろいろ意見したいことがあるのは事実でしょう。そこで今回は、パピマミ読者の皆さんに「都内の私立高校生に対する授業料の無償化制度」についてどう思うかアンケートを取ってみました!●都の私立高校生に対する授業料の無償化制度をどう思いますか?・1位:東京都だけでなく全国で実施してほしい……34%(60人)・2位:お金がないなら公立に行けばいい……14%(25人)・3位:公立の生徒に不公平感がある……12%(22人)・同率4位:他に税金を使うべきところがある……9%(17人)・同率4位:高校生ではなく大学生の支援を優先させるべき……9%(17人)・6位:金銭的な負担が減るので賛成……6%(11人)・7位:優秀な生徒向けの奨学金を拡充するべき……6%(10人)・8位:年収の基準をもっと低くするべき……4%(8人)・9位:年収の基準をもっと高くするべき……3%(6人)・10位:年収以外の事情も加味してほしい……2%(3人)※有効回答者数:179人/集計期間:2017年1月19日〜2017年1月20日(パピマミ調べ)●「全国で実施してほしい」という意見が最多『はじめこのニュースを聞いたとき、「これで子どもを私立に行かせられる」と喜んだけど、よく見たら“都内在住の私立高校生”限定だった。どうせなら全国一律でやってほしいです』(38歳女性/中学2年生のママ/福岡県)『偏見かもしれないけど、地方のほうがお金ない人多いんだから、東京だけじゃなくて全国でやるべき』(44歳女性/高校1年生のママ/愛知県)最も多かったのは、「東京都だけでなく全国で実施してほしい」というものでした。この制度を聞いて東京に住んでいる人を羨ましく思った地方在住の人は少なくないでしょう。世帯収入760万円の制限があるとはいえ、都内の私立高校生約17万人のうちの約3割にあたる5万1,000人が対象 になるため、基準は決して厳しくありません。とくに地方在住であれば世帯収入が760万円を下回る家庭が多いでしょうから、「うちでもやって!」と思うのは当然と言えます。いずれは公立高校のように全国的に無償化されるかもしれませんが、今のところはまだ分かりません。小池都知事だけでなく、国全体が「教育機会の平等化」を謳う日が来ればいいのですが……。●「お金がないなら公立へ行け」という厳しい声も『そもそもお金がないなら授業料が無償化されてる公立行けばいいじゃん。身の丈に合わない進学をしてるのが悪いのに、それの尻拭いに税金が使われるのは反対だな』(41歳男性/高校1年生のパパ/東京都)『教育機会の平等化とか行ってるけど、別に公立なら無償で授業受けられるじゃん。そもそも私立の学費払えないなら行かなきゃいいのに』(42歳女性/高校1年生のママ/東京都)「お金がないなら公立へ行くべきだ」という意見も少なからず見受けられました。これはかなり厳しい意見のように感じますが、世帯収入が760万円を超えていて普通に学費を払わなければならない層からしてみれば、「そんな制度を導入する前に、身の丈に合った進学をしろ」という気持ちになってしまうのは理解できなくもありません。また、3位には「公立の生徒に不公平感がある」という意見がランクインしており、お金がないという理由で私立進学を断念した人たちには不公平だという意見も多くありました。自腹で授業料を払わなければならない人、お金が原因で私立進学を諦めた人にとっては歓迎できない制度 のようです。●「大学生を支援すべき」「優秀な人向けの奨学金を拡充すべき」という声も『私立高校に通う人はもとからある程度お金を持っている人だから、お金がもっとかかる大学生を支援すべきだと思う』(31歳女性/小学1年生のママ/千葉県)『お金が払えない人を救うことは大切だけど、基準が年収だけなのはダメだと思う。優秀な人向けに特化させて返済不要の奨学金を給付するとかの方がマシかと』(37歳男性/中学2年生のパパ/東京都)私立高校生ではなく、大学生を支援するべきだという意見や、“優秀でお金のない人”に限定して支援すべきだという意見もありました。予算に上乗せされる75億円を、本当に私立高校生を支援することに使うべきなのかという議論は尽きることはなさそうです。----------いかがでしたか?都内在住の家庭にとってはうれしい制度ではありますが、立場や環境によっては不合理で不的確な制度に映ってしまうこともあるようです。実際にこの制度が実施されるかどうかはまだ決まっていません。今後の動向に注目しておきたいですね。【参考リンク】・【アンケート結果(1位〜10位)】都の私立高校生に対する授業料の無償化制度をどう思いますか?()●文/パピマミ編集部●モデル/前田彩(桃花ちゃん)
2017年01月23日「子育てに取り入れるといいらしい」と耳にすることもあるモンテッソーリ教育が気になっているという方も多いのではないでしょうか。モンテッソーリとは、教具を使った「お仕事」(遊びの時間)や個別活動による自主性を重んじた教育活動が特徴の教育法のことです。保育所や幼稚園で取り入れられることもある“モンテッソーリ”がどんな教育方法なのか、家庭でも実践できるのか、など詳しくご紹介します。モンテッソーリとは? そもそもモンテッソーリとは、マリア・モンテッソーリ(1870〜1952年)というイタリア人女性医師が開発した教育方法のことです。「モンテッソーリメソッド」「モンテッソーリ教育」などさまざまな呼ばれ方をしますが、どれもマリア・モンテッソーリが提唱した教育方法のことを指しています。マリア・モンテッソーリは、女性医師として子どもと触れ合うなかで、ある物事に関して吸収力が大きくなる期間があることに気が付き、それを“敏感期”と呼んで注目し始めました。1907年にイタリアに「子どもの家」という保育施設を作り、子どもが本来もっている能力を適切な援助で引き出していくモンテッソーリ教育法を生み出しました。この教育法は、「子どもの発見」と呼ばれ、現在でもその考えを継承した教育を行う幼稚園や保育施設、学校は世界中に存在し高い評価を得ています。モンテッソーリ教育の目的 モンテッソーリ教育の主な目的は、子どもの自立にあります。モンテッソーリの教育法によって引き出していく自発的に行動できる力や考え学び続ける力などは自立によってかなえられるとされているためです。「子どもは自分で成長し発達する力をもって生まれてくる」ことがモンテッソーリの教育法の基本でもあります。そのため大人は“子どものサポート役として“援助”するだけで、子どもの自発的活動を妨げてはいけない”存在だとされています。これをマリア・モンテッソーリは「生命の援助」と呼び、いまでも大切な理念として根付いているのです。どんな方法で行うの? “ひとりでできるようになる”ために、環境を整えることと少しの援助を行うことが大人である親や先生には求められており、“子どもを見守る”ことが重要だとされているのがモンテッソーリの教育法です。自発的に活動できるよう、自由にやりたいことができるよう準備をすることが、“環境を整えること”です。その準備は、ただ教具と呼ばれるおもちゃなどを用意しておくだけでなく、成長過程に合わせた物を置くことや「やってみたいな」と思わせる物でなければなりません。大人は、あくまでその成長を援助する“人的環境要因”ではありますが、適切なサポートを行えるよう常に意識して子どもを見守っている必要があります。つまり、自由になんでも好きなようにさせるのではなく、そのとき個々人に必要だと思われる物を適切な時期に“自分で”選び取れるよう援助するのがモンテッソーリの教育方法なのです。モンテッソーリの特徴 モンテッソーリの教育法には、大きく分けて3つの特徴があります。モンテッソーリの特徴1.個別活動モンテッソーリといえば“個別活動”が大きな特徴です。集団で行動するためには、”だれか”に合わせて動かなければなりませんが、一人ひとり興味やそのとき必要としていることは異なります。そのためモンテッソーリの教育法では、個別活動を基本としています。個別活動が基本ではありますが、子ども同士が一緒に遊ぶことを禁じてはいるわけではありません。子どもたちが一緒に遊びたいという気持ちをもっていれば、それがその子どもたちの活動になります。大切なのは、“子どもが自主的に活動しているか”にあるため、「個別活動ばかりで友だちと遊ばせてもらえないのでは」という心配はいらないでしょう。モンテッソーリの特徴2.自発性を重んじる個別活動の前提でもありますが、モンテッソーリの教育法は“子どもの自発性を重んじる”ものです。自発的に「これがしたい」と考え行動できるようになることもモンテッソーリの目的のひとつであるため、大人(先生)は自発性を妨げないよう、環境を整えています。また、遊びのことを“お仕事”と呼んでいることも大きな特徴として覚えておきましょう。モンテッソーリの特徴3.集団生活をするときには縦割りが基本幼稚園や保育所、学校でモンテッソーリの教育法を取り入れるときには、“縦割り”でクラス編成を行います。これは、社会性や協調性を身につけるために、大体3歳程度の年齢幅でクラスをまとめているのも特徴のひとつです。幼稚園では3・4・5歳児が混ぜられた異年齢クラスになり、保育所では0・1・2歳児と3〜5歳児の2段階でクラス編成されるケースが多く見られます。モンテッソーリの教育法5分野って? モンテッソーリの教育法は、5つの分野にわけられています。それぞれに適した教具があり、発達に沿った教具のレベルも分けられていますが、“大人が考えたカリキュラムの順番通りに進めていく”のではなく個々人に合わせて活動していきます。モンテッソーリの教育法1.運動運動=身体を動かす体育、ではなく、日常生活を営むうえで必要な動きを身につける分野が運動です。“思った通りに身体を動かして、自分のことは自分でできるようになる”ことを目的としています。大人の真似をしたがる主に2〜3歳頃を運動の敏感期と呼び、自立心や独立心といった基本となる心を養う時期として、適切な環境や援助を行っていきます。モンテッソーリの教育法2.感覚モンテッソーリの教育法では、2〜4歳頃を“感覚の敏感期”と呼び、他者との比較から自我の芽生えを援助する時期と考えています。生活のなかで自然と“持ち物の比較”などから自分と他者との違いを感じ始めたら、比較をテーマとした感覚教具を用意し、“同じ・違う”といった仲間分けなどを理解できるように援助していきます。モンテッソーリの教育法3.言語子どもが言語を習得するときには、“物には名前がある”ことを認識し、“性質を表す言葉”があることに気づき、“物をつなげて考えられる”ようになるという段階を踏むというのがモンテッソーリ教育法の考え方です。言語習得の流れの援助を行うために、適切な時期に絵や文字のカード(教具)を使って、話す・読む・書く力を身に着けていくのが言語分野です。モンテッソーリの教育法4.算数量=具体的な物、を理解することから始まり、徐々に“抽象的・論理的”な物の考え方ができるように導いていくのが算数分野で、そのための教具は細かな段階に分けられています。あくまで難しい計算ができるようになるのは結果であり、まずは考え方を身につけていくことを、モンテッソーリの教育法では大切にしています。モンテッソーリの教育法5.文化他の4分野の集大成ともいえるのが“文化”です。基礎的な力が身についたところで、歴史・地理・音楽などから、“文化を学び吸収する力”をつけていく分野となっています。モンテッソーリの“教具”モンテッソーリの教育法では、“教具”と呼ばれる道具が使われています。モンテッソーリ教育のおもちゃと言われることもありますが、正式には教具です。時期や子どもの成長に合わせて選んだものを“環境”のひとつとして置き、子ども自身が自主的に手に取るようにしなければなりません。本来“教具”は、おもちゃでも教育のためのアイテムでもないという扱いなのですが、感覚的には、おもちゃと教育グッズの中間に位置しているような存在と考えていてもいいでしょう。大切なのは、その“教具”を使うことを目的とするのではなく、“子どもが自発的に教具を使って遊び(=お仕事をする)、成長や発達のサポートになっている”ことにあります。その点をしっかりと押さえたうえで、教具を取り入れるようにしましょう。モンテッソーリ教育には資格が必要? モンテッソーリの教育法を行うための資格やモンテッソーリ教育が受けられる場所をご紹介します。モンテッソーリ教育の資格厳密には、モンテッソーリ教育を行うために必要な資格はありません。民間資格がいくつかあり、就職時に“○○資格の取得”が求められる可能性はありますが、保育士や幼稚園・小学校の教諭免許とは異なり、“絶対になくてはいけない”というものではないのです。ただし、モンテッソーリの教育法は、通常の“保育・教育”の勉強だけではなく専門的に学んだほうがよい部分もあるため、モンテッソーリ教育を行うプロになりたいと思ったときには、民間資格を取得するのがおすすめです。民間資格が受けられる機関日本で初めてモンテッソーリ教育の教師養成校を設立した公益財団法人才能開発教育研究財団/日本モンテッソーリ教育綜合研究所の「モンテッソーリ教育教師養成通信教育講座卒業資格」 モンテッソーリ教育 教師養成通信教育講座 | 公益財団法人 日本モンテッソーリ教育綜合研究所 国際モンテッソーリ協会公認の一般社団法人モンテッソーリ教育研究会で認定される「ディプロマ資格」 モンテッソーリ教育研究会 モンテッソーリ教育を受けられる場所日本では、モンテッソーリの教育法を取り入れている保育所・幼稚園・学校に通うことで、モンテッソーリ教育を受けることができます。保育所や幼稚園は、各地域にモンテッソーリ教育を取り入れているところがあり、近隣で探すと見つかることが多いですが、小学校になると数が少なくなるため、小学校でもモンテッソーリの教育法を受けさせたいと考えている方は、事前にしっかり調べておくことをおすすめします。小学生になると、アフタースクールや習い事として、モンテッソーリに触れるパターンもあるので、学校が見つからないときにはそちらも検討してみましょう。家庭でモンテッソーリ教育を行うコツ家庭でもモンテッソーリ教育を行うことはできます。その際は、“手を出しすぎない”ことを意識するのがコツです。モンテッソーリのもっとも大きな特徴が“自発性・自立”です。ついつい家庭だと、見守りきれずに手や口を出したくなってしまいますが、大人は援助をするのみ、“見守る”ことを常に意識して過ごすようにしましょう。また、モンテッソーリの教具は“おもちゃ”として販売されています。一度にすべてをそろえるのは大変なので、気になったものだけを取り入れてみるのもおすすめです。特に感覚教具や算数の教具は、モンテッソーリならではな特徴を感じられるものも多いため、最初の一歩として購入する物にピッタリです。「買ったのだからやって!」ではなく、家のなかに置いておき子どもが自然と手に取れるようにして、モンテッソーリの教育法の基本を押さえたうえで取り入れるようにしましょう。<参考> モンテッソーリ教育研究会 公益財団法人 才能開発教育研究財団 日本モンテッソーリ教育綜合研究所 モンテッソーリ学芸大学子どもの家オフィシャルサイト Mirai Kindergarten モンテッソーリ教育
2017年01月12日こんにちは。子育て研究所代表の佐藤理香です。教育業界では、これまでの教科的な教育を超えて、プログラミング教育や表現力を高める教育など、数々の新しい取り組みが始められています。最近では、幼児段階での取り組みも多くみられるようになりました。今回は“感性教育”についてお伝えしたいと思います。●感性教育とは?“感性教育”とは、明確な定義はありませんが、子どもの感性を育む教育のことです。“感性を育てる”とは、ものの感じ方を育てる ことです。感性そのものに正解や間違いはありません。『Nikon』が行った「こどもの感性教育に関する調査」では、興味深いことがわかりました。約9割以上のママが「感性教育は重要である」と考えている一方で、7割以上が「感性がどのように伸びるかを知らない」と回答しているのです。これは、感性が可視化できないために、教育方法が難しく、成長実感を得にくい ことと関連しています。特に、幼児は言語の力(話し言葉、書き言葉)がまだ乏しく、感じたことを絵や創作物で表現できるほど巧緻性(器用さ)が発達していません。そのため、子どもが瞬発的に感じたこと、直感で感じたことを表現するのが難しいのです。教育の分野では、感性の重要性が指摘されるものの、伸ばし方は課題のひとつになっています。●感性の伸ばし方子どもの感性を伸ばすためにおススメの方法を3つご紹介します。●(1)五感で季節を感じる五感とは、視覚、触覚、味覚、聴覚、嗅覚です。これは経験したことに起因するため、一気に育てようと思ってもなかなか難しい感覚です。日々の生活の中でも、ちょっとしたことで感性は育ちます。四季折々に、自宅の周囲でも景色が変わります。「夏に緑だった葉っぱが今は黄色だね。この後、どんな色になるかな?」「あんなに暑かったのに、今は寒くてほっぺが赤くなるね」など、親が感じたことを子どもに声掛けしてみましょう。子どもも素直にいろいろと感じてくれますよ。●(2)生き物や植物を育てる生死を教えることは難しく、子ども自身が参加してみて初めて気づくことも多いです。おススメなのが、生き物や植物を育てること。マンションなどの住宅事情もありますので、必ずしも大きな生き物でなくてもいいのです。例えば公園で見つけたダンゴ虫を飼ってみる、ヒヤシンスを育ててみるなど、ちょっとした工夫で子どもの感性を伸ばすことができます。筆者の例として、金魚すくいでとった金魚を飼っていました。子どもは図鑑で調べ、一生懸命に世話をしていましたが、ほどなく死んでしまいました。もちろん大泣きで、お別れの言葉まで述べて、お墓を作り埋めました。悲しい現実ではありますが、命と対峙する というかけがえのない経験と感性を育めたと思います。●(3)一緒に食事を作る子どもが2歳くらいになると、ちぎる、割く、こねるなどの作業ができるようになります。徐々に包丁などの道具も使えるようになるので、親子で一緒に食事を作るのも効果的です。食材の色や形、切り口、感触に味、調理したときに変わっていく形や色。味の変化はまるで実験だと思います。合わせて、食材の生産などにも触れれば、子どもは一段上のものの感じ方を身につけると思います。----------幼児の感性を可視化するのは難しいとお伝えしました。最後に、筆者がやっている方法のひとつをご紹介します。筆者は子どもにお古のカメラを持たせて、好きなように撮影させています。子ども自身が撮影を通して、発見や感動を写真として記録できます。カメラを近づけたり離したりと好きなように操って、あちこち動き回り、新たな発見を促すこともできます。カメラは、子どもが五感で感じた好奇心や感動の瞬間を表出させる一つの手だて として有効です。親としても、子どもが感じている視点を写真として確認でき、アドバイスをしたり、認めたりして感性の成長に繋がります。何よりも、このようなコミュニケーションが、子どもの社会性を育み、感性の成長を後押しするのかもしれませんね。【参考リンク】・ニコンイメージングジャパン、「こどもの教育に関する意識調査」を発表 こどもの育て方について「感性」を重視する母親は73.5% | 株式会社ニコンイメージングジャパン()●ライター/佐藤理香(株)●モデル/藤本順子(風悟くん)、ココア
2016年11月24日2020年より小学生のプログラミング教育必修化が決定しました。2014年にイギリスが5歳からの必修化を決めて以降、この流れは全世界的に起こっていることなのですが、実際のパパとママには疑問に思うところも。今回はパパからの意見も多数集まりました。Q.小学校でのプログラミング教育必修化、どう思う?1.とても良いと思う 21.9%2.良いと思う 34.7%3.あまり良いと思わない 21.4%4.良いと思わない 7.3%5.わからない・どちらとも言えない 14.8%良いと思う派が56.6%、良いと思わない派が28.7%とやや良いと思う派が優勢の結果に。一方で、小学生から本当にやるべきことはもっとあるのではないかという強い反対意見もありました。■プログラミングよりも小学生に教えるべきことがある反対派の人からは、いくらこれからIT社会が進むからといって、小学生にプログラミングが本当に必要なのか?もっと教えるべきことがあるのではないかという意見がありました。「プログラミングよりむしろPC関連の情報機器との上手な付き合い方や、インターネットの危険性や倫理観を教えることが先なのでは。技術だけでは豊かな生活には役立たないと思う」(佐賀県 30代女性)「以前にもあったオンライン学習や英語、そして今回のプログラミングといい政府はどんな人間を育てたいのか。もっとその歳に必要なものは山ほどあると思う」(静岡県 40代男性)「今後、コンピューターが必要なのはわかります。ですがそのプログラミングを必修化にするのはいかがでしょうか?その年齢にあった教育が必要だと思います。人間性、自然界との共存、礼儀などなど挙げたらきりがありません」(東京都 40代男性) ■プログラミングを教えらえる教員はいるのか?現在の小学生教員の中にプログラミングを教えられる人がいるのだろうかという疑問の声もありました。もちろん必修化になると、教員も追加で研修などを受けることになり負担も増えることが目に見えています。「大学で履修したプログラミングでさえ、就職してからすぐ時代遅れになっています。基本的な概念を教えるにしても、教えられる教員がどれだけいるのかなとも」(千葉県 40代女性)「ある程度は必要なのかなとは思うけど、内容によりますよね。ちょっとかじる程度なら時間の無駄だし、だいたい先生方では対応できないと思う」(東京都 40代女性)「そもそも誰が指導するのか。プログラミングに長けた教師を育成していくつもりなのだろうが、そのために研修が増えれば、教師の負担がさらに増えていくだろう、これ以上教員の仕事を増やすべきではない」(広島県 30代男性)■プログラミングを学ぶことでつく力とはイギリスでは5歳からの必修化が決まり、アメリカ、フィンランドでもプログラミングの初等教育必修化の動きがあります。プログラミングを学ぶことで相乗効果で身につく力もあるようです。「仕事でも長年ITに携わる仕事をしてきましたので、その立場・経験からの意見ですが、プログラミングを小学生のうちから学ぶことの意味は、少なからずあると思います。プログラミングを学ぶということは、ロジカルシンキングを学ぶということにつながります。他にも、数学的センスや効率化、発想力、応用力などがあります。それはきっと他の教科の勉強にも役立つのではないかと思います」(宮崎県 40代男性)Q.小学校でのプログラミング教育必修化、どう思う?アンケート回答数:9505件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2016年11月09日グローバル化が進む昨今、教育にも「国際化」をのぞむ家庭が増えています。語学はもちろん、相手を尊重し、柔軟な考え方ができるコミュニケーション能力の高い子に育てたい。そんな風に考えるママを中心に注目されているのが3歳から19歳までの生徒を対象にした「国際バカロレア」という教育プログラムです。文部科学省も「国際バカロレア」の普及・拡大を推進しています。2018年までに、国内における国際バカロレア認定校を200校までに増加させる取りくみが進められているのだとか。国際バカロレアって、一体どんな教育なのでしょうか?■「国際バカロレア」が提唱する人物像国際バカロレア(IB : International Baccalaureate)は、本部をジュネーブに置く、国際バカロレア機構が提供する教育プログラムです。国際バカロレア教育のいちばんの目的は「多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探求心、知識、思いやりに富んだ若者を育成する」こと。そして、人が持つ違いを「違い」として理解し、自分と異なる考えの人々にも、それぞれの正しさがあり得ると認めることのできる人を育成することだそうです。具体的には、「IBの学習者像」として、以下の10の人物像が挙げられています。・探求する人・知識のある人・考える人・コミュニケーションができる人・信念をもつ人・心を開く人・思いやりのある人・挑戦する人・バランスのとれた人・振り返りができる人出典:文部科学省/国際バカロレアについて また、年齢に応じたプログラムが組まれています。・プライマリー・イヤーズ・プログラム(PYP)3歳~12歳を対象。初等教育。・ミドル・イヤーズ・プログラム(MYP)11歳~16歳を対象。中等教育。・ディプロマ・プログラム(DP)16歳~19歳を対象。大学入試を目的としたもの。・キャリア関連プログラム(CP)16歳~19歳を対象。専門学校への進学や就職を目的としたもの。IB認定校で「ディプロマ・プログラム」を取得すると、世界の大学の受験資格を得られるというメリットもあるのだそうです。日本でも、IBの成績を入試に取り入れる大学が増えているのだとか。■自主的な学習を最重要視する「国際バカロレア」ディプロマ・プログラムには、「コア」といわれる「課題論文(EE)」、「知の理論(TOK)」「創造性・活動・奉仕(CAS)」の3つの必修要件があり、普通の科目と並行して履修します。TOKは批判的思考などを養うための授業のため、毎回ディスカッションが行われるそうです。先生が一方的に知識をたたきこむのではなく、自分たちで考え、取りくみ、自主的に行動することを重要視しているのです。また、それぞれのカリキュラムは、地域のニーズや文化的状況にも合わせて編成するようになっているようです。認定校の初等部のカリキュラムを見てみると、国語、算数、理科、社会…と、一般の小学校とほぼ同じ教科が並んでいます。しかし、授業は外国人教員と日本人教員がどちらもいる状況で行われ、すべての教科において英語習得の機会となるため、初等部6年間のあいだに英語で自分の考えをディベートできるようになります。インターネットの普及やその技術向上により、海外留学する人は年々減っているそうです。その一方で、世界がぐっと近くなり、国際的な視野が求められているのはいうまでもない事実。国際バカロレア認定校は、玉川学園、東京学芸大学付属国際中等教育学校、東京都立国際高等など、全国に39校あります(2016年11月現在)。正直、入学金や授業料が高額の学校もあります。しかし、留学と比べれば…ですし、安全な日本で国際的な教育が受けられることを考えると、検討してみる価値はありそうです。(参考)・ 文部科学省/国際バカロレアについて
2016年11月04日私たちが常識と思っていることでも国や文化が変わると、その「当たり前」が一変することがあります。教育もそのひとつ。日本では子どもを叱るときに「言い訳しない」と怒ることが多いですよね。しかし、フランスでは「理由を述べる」ことを大切にします。フランスを訪れた日本人は、これを「言い訳」と感じ違和感を覚えます。でもそこには国による教育方法の違いがあったのです。■暗記の日本 VS 論述のフランス学力の基準として、日本の学校では「いかにたくさん覚えられるか」が大切にされがち。いっぽう、フランスでは「いかに自分の意見を伝えられるか」が重要です(もちろん自分の意見を筋道たてて伝えるためには、一定以上の知識を覚えることも必要)。フランスの中等教育修了を証明する国家試験「バカロレア」の哲学の試験を例にみてみましょう。2016年フランスではこんな問題が出題されました。・「より少なく働くことは、より良く生きることか?」(理系学生対象)・「私たちはいつも自分が望むことを知っているのか?」経済・社会学系学生対象)・「私たちの道徳信条は経験にもとづいているのか?」(人文学系学生対象)これを数時間かけて論述するのです。日本では「自分で考えて行動できない人」がしばしば問題視されますが、そんなことフランスではどこ吹く風。他人の考えがどうであれ、「自分の意見を述べる」ことで自分の主張(正当性)を展開しようと考えます。この点では、ブレがありません。■「私のせいじゃない!」は実は万能な言葉だった!?フランスのこの特徴を端的に表す場面に遭遇したときのことです。空港の出国管理ゲートに長蛇の列ができているのに、窓口はひとつ。だれかが査証に詰まると列が動かなくなり、フライトの時間がすぐそこに迫った人々はイライラした状態に…。がまんできなくなった女性が、順番を抜かして窓口に走ったことで、うしろの人は皆ブーイング。列の整理担当の係員が制止しますが、その女性は「(もし乗り遅れたら)あなたは私の飛行機代を払ってくれるの!?」と、自分の理論をまくしたて始めました。女性のあまりの剣幕にその場は一瞬静かに。いっぽうで客の視線は、横入りを許してしまった列の整理係員にも向けられます。その係員がまず発した言葉が「私のせいじゃありません」。こうした行為に対する評価はいろいろあると思いますが、フランス人の多くは、はじめに非難されそうな自分の立場への理由づけを考えることから始めます。正直、日本人の私にとってはこの状況は素直に受け入れにくいものがあります。でも文化とは、見方によってプラスにも、マイナスにも働くもの。異なる環境で育てば、相容れないことも多く出てくることでしょう。でもその多様性をさまざまな角度から捉えることにこそ異文化の面白さがあるのかもしれませんね。
2016年10月12日毎日一緒に美味しく食べたい!親子で楽しむ幼児食離乳食レシピコラムも完了期を終え、次は幼児食!1さじのお粥から始まり、赤ちゃんはたった1年ほどでほとんど大人と同じものを食べられるようになります。離乳食から幼児食へすすめていく時期は、個人差がありますが1才6ヶ月頃。卒乳をして母乳やミルクで栄養を補うことがなくなるので、成長に必要な栄養バランスのとれたメニューを!と頭を悩ませるママも多いのでは?しかも、この頃は遊び食べや食べムラがピークに達していく時期なので食事の悩みが尽きない…という話をよく聞きます。我が家も頑張って作ったごはんを断固拒否!されたり、遊び食べで食卓がめちゃくちゃになったり(汗)。そんな中、息子が「おいしー!」と喜んで食べてくれたときは踊りだしたいくらい嬉しいものです。食材選びや調味料の使い方は息子に合わせつつ、幼児食にしてからは基本大人と同じメニューの我が家の食事。日々の献立の中から息子に好評だったメニューや食事作りのコツなどをご紹介していきたいと思います。1品で栄養満点オムライスのレシピアイデア♪大人もこどもも大好きなオムライス!黄色い玉子で包むだけで何故にこんなにテンションが上がっちゃうんでしょ笑。息子もオムライスが大好き♪具やソースのひと工夫で、いろんなアレンジができて栄養満点な1品に!スプーンで食べる練習にもGOODですね◎■ 定番!トマトソースオムライス〈基本のトマトソース〉トマト缶 1缶水トマト缶の半量玉ねぎ1/2玉にんにく小さめ1片きび砂糖小さじ1塩小さじ1/4程バルサミコ酢小さじ1(味にコクがでます。省いてもOK)オリーブオイル大さじ1《作り方》① フライパンにオリーブオイルとみじん切りにしたにんにくを入れてから火をつけて弱火でじっくり香りを出す② みじん切りや薄切りお好みの方法で切った玉ねぎを加えて弱火〜中火で焦がさないようにじっくり炒める③ 玉ねぎが透明になったらトマト缶と水、バルサミコ酢を加えて一度煮立たせ、火を弱めてとろみが出るまで15分ほど煮込む※ トマトは煮込むことで甘みが増し旨みが引き出されます。少しお水を加えてから時間をかけてじっくり煮込むといつもとひと味違うトマトソースになりますよ!時間が許すなら15分といわずに更にコトコトと煮込んでください♪④ きび砂糖・塩を加えて更に3分くらい煮込む。きのこ類、セロリ、パプリカ、ほうれん草など、冷蔵庫で余っている野菜を入れたり、ツナやベーコンを加えるとご馳走ソースになりますね!写真のソースはツナとアスパラ入り。中身のご飯は、かぶの葉と冷凍コーンをバター醤油で炒めたものです。玉子には1個につき牛乳(または豆乳)を大さじ1程度加えると、玉子のノビが良くなり滑らかで包みやすくなると思います。半熟で仕上げたいところですが幼児にはまだ早い…薄めに全体に火が通るように弱火で焼きます。このオムライス1品で5種類の野菜が食べられます◎ご飯がチキンライスじゃなくてもご馳走ソースで大満足な一品に!■ 和風きのこあんかけオムライス〈きのこあんかけソース〉舞茸・えのき・しめじなど、きのこ類1株分生姜小さじ1/2(すりおろしたもの)出汁300cc程酒小さじ1みりん小さじ1薄口醤油小さじ1/2〜小1片栗粉大さじ1(同量の水で溶いておく)《作り方》① 出汁に生姜・酒・みりん・薄口醤油を入れて煮立たせ、食べやすい大きさに切ったきのこ類を加えて柔らかくなるまで煮る※ ここでほんの少しお酢を加えると味がまとまって美味しくなります。お酢の量は小さじ1/5程度。ごく少量です!② 一旦火を止めて、水溶き片栗粉を加えて混ぜる③ 再び火にかけてとろみが出るまで加熱※写真のあんかけソースは塩茹でブロッコリーを加えています。中身のご飯は、納豆・玉ねぎ・シラスの炒めご飯。味付けは少量のお醤油のみ。あんかけは喉ごしがよいので、食べ進みが良いですね。他にも、余ったひじき煮とご飯を合わせてひじきオムライスや、残ったカレーとご飯をドライカレー風に炒めてカレーオムライスなどなど…残りものアレンジもいろいろできてママ助かる&こども喜ぶオムライス、、、やっぱり大好きです!!時間がないときはコレ!超簡単パスタ!!お仕事をされているママはもちろん、おうちでお子さんと一緒に過ごしているママも外遊びにお出掛けに…時間に追われる忙しい毎日ですよね。でも、お腹を空かせたこども達に待ったはナシです笑。「お腹へった〜!」の声にすぐにこたえられる簡単パスタレシピ♪■ シラスと大葉の冷製パスタ(材料ママと2人分)パスタ 150g程度(1.4mm以下の細いタイプが冷製向き&茹で時間が短くオススメ)シラス大さじ2程度大葉2〜3枚粉末だし我が家は茅乃舎減塩だし使用で小さじ2かぼす・すだち・レモン等の柑橘絞り汁大さじ1薄口醤油小さじ1《作り方》① たっぷりのお湯を沸騰させ塩(分量外)を加えてパスタを茹でる② 大葉以外の材料とパスタの茹で汁100ccほどを合わせて混ぜておく③ パスタが茹で上がったら冷水でしめて水気をきり、②と絡める④ 千切りにした大葉をトッピングして出来上がり!調理時間約10分のスピードメニュー!■ 和風バター醤油パスタ(材料ママと2人分)パスタ150g程度玉ねぎ1/2個しめじ1/2株ツナ1/2缶かつお節1袋にんにく小さめ1片バター10g醤油小さじ1《作り方》① パスタを茹でているお鍋に薄切りにした玉ねぎ・ほぐしたしめじを入れて一緒に茹でる② フライパンにバターとみじん切りにしたにんにくを入れ弱火で香りをだすように炒めておく③ パスタの茹で汁を100ccほど取っておき、茹で上がったパスタと玉ねぎ・しめじをザルにあげ②に投入④ ツナ、かつお節、取っておいた茹で汁、醤油を加えてザッと炒めて出来上がり!⑤ 大葉・青のり・海苔などをトッピングして風味アップ◎調理時間約15分!!こどもはみんな麺類大好き!我が家では時間に追われるお昼ごはんに、パスタがよく登場します。以前は半分に折って茹でていたパスタですが、2才になった今はそのままの長さをズルズルと器用に食べています。大人の真似をして、フォークで一生懸命クルクルしている姿は何とも愛らしい!毎日のごはん時間は五感を刺激する成長の場◎息子は今2才2ヶ月。食事中のお喋りでは、今日の献立や使っている食材の名前、どんな味付けをしているか…などを一通り話します。息子はまだ理解できていないだろうけど「うんうん、ふーん」と聞いていて、美味しい・好き・嫌いに加えて、自分なりに甘い・辛い・酸っぱい・にがいを一生懸命伝えてくれます。絵本でみたもの・スーパーで目にするもの・おもちゃの野菜や魚などと、自分が実際に食べているものとが繋がって「あ!」と発見する様子が見て取れる。ごはんの時間は五感を刺激する大切な時間なんだなぁと、月齢を重ねていくごとにひしひしと感じます。遊び食べや食べムラでキーッとなることもあるし、ダメなことはダメ!ときちんとした躾も大事。だけど、「美味しいね〜!」と笑いあって楽しく美味しく食べることが一番大切なことだと、息子とのごはん時間を通して教えてもらっている毎日です。
2016年10月04日マイクロソフト社のOS、Windows10の無償アップグレードが、2016年7月29日に終了します。『資料JP』がインターネットを通じて行ったアンケート調査によると、Windowsユーザーのうち、2016年6月末時点でWindows10へのアップグレードを終えていたのは42.4%。Windows10がどんなものかわからないためにアップグレードを躊躇している人が29%もいました。また、絶対にアップグレードはしないと考えている方も36%いることがわかっています。Windows10にアップグレード、すべきなのでしょうか?それとも、しないほうがいいのでしょうか?専門家2人に意見を聞いてみました。■アップグレードで起動時間が28%短縮する!まず、マイクロソフト社によれば、世界中ですでに2.7億台以上のデバイスでWindows10が使われているそうです。Windows7やWindows8.1などにくらべると、セキュリティが強化されているとされています。また、Windows7搭載 PC を Windows10にアップグレードした場合、平均で 28% 起動時間が速くなり、ファイルの圧縮や解凍もそれぞれ30%ほど高速化されるなど、PCのパフォーマンスが大きく改善される、とのこと。■強引なアップグレード誘導に3割以上が不信感これだけのメリットがあるWindows10に無償でアップグレードしてくれるのに、「絶対にアップグレードしない」と考える人が3割以上もいるのは、マイクロソフトがこの春から行っていた強引な無償アップグレード誘導にも理由がありそうです。ITに詳しいプレゼンテーション講師の櫻井俊輔さんは、以下のように分析しています。「対象となる人のPCに、強制的にWindows10をインストールしてしまうことをはじめとした無料アップグレード騒動には、システムのつくり手にありがちな心理がよく出ていると感じていました。システムづくりに直接関わっている人たちからすれば、『こんな便利な、素晴らしいシステムができたのだから、みんな喜ぶはず』『しかも、無料で提供するのだから、ユーザーは諸手を上げて喜ぶはず』という心理状態だったのではないでしょうか。受け取り手の心理とは開きがありますよね。このコミュニケーションのズレは、企業内のシステム導入でもよく見受けられます。せっかくいいものをつくっても、ユーザーの使用状況や気持ちを無視したら、マイナスイメージになってしまうということの好例となったのではないでしょうか」(櫻井さん)もともとアップグレードの意思があった人はいいのですが、そうでない場合が強制的にインストールされることに不快感を訴えるのは、当然のことかもしれません。■ITの専門家はアップグレードすることを推奨しかし、無料アップグレードの期間はあとわずか。強引なやり方に不快感を抱いたとしても、タダならば、この際アップグレードしておくべきなのでしょうか?これについて、企業SNSの運用に詳しいITジャーナリストの鶴田輝さんはこう話します。「あくまで個人の判断を優先してほしいのですが、無償期間のうちにとりあえずWindows10に一度アップデートしておくのもひとつの手ですね。アップグレードしても、また元のOSに戻すことだってできますから。トラブルがなければ2時間くらいでアップデートは完了します。念のためにリカバリー用のバックアップイメージをつくっておくといいでしょう」(鶴田さん)確かにバックアップがあれば何とかなりますよね。一度、アップグレードしてみてもいいかもしれません。*ちなみに、WindowsのOSにはそれぞれサポート期間が定められています。Windows7は2020年1月まで、Windows8.1は2023年1月までです。アプリや周辺機器との互換性がどうしても心配な人は、無償だからといってもいますぐ無理にアップグレードする必要はないでしょう。ただし、マイクロソフトは、無償期間終了後は有償でのアップグレードになり、無償対応は行わないとしています。Windows 10にはパッケージ版とダウンロード版がありますが、価格は共通で、税込みの定価はWindows 10 Homeが1万9,008円、Windows 10 Proは2万7,864円。7月29日を過ぎてしまうと、これだけのコストがかかります。アップグレードするかしないか、じっくり考える期間はあとわずかです。(文/宮本ゆみ子) 【取材協力】※櫻井俊輔・・・システムエンジニア時代にITの専門家がお客様に理解できない言葉や表現でコミュニケーションすることで大きな失敗につながっている場面に遭遇し、伝わる情報発信の大切さを実感。専門学校教員を経てプレゼンテーション指導の専門家として独立。大手企業やセミナー会社に招かれ、6500時間以上の講義・セミナーを行う人気講師。著書に『「理系脳」のための「文系」を怒らせない技術』(秀和システム)がある。※鶴田輝・・・企業SNSの運用に詳しいITジャーナリスト。製薬会社勤務を経て、公益団体などのインターネットによる発信を手掛けるWeb制作会社取締役を経て独立。現在は数々のSNS運用コンサルティングを行っている。 【参考】※プレゼンテーションの達人―櫻井俊輔オフィシャルサイト※Windows10に関するアンケート-資料JP※Windows10アップグレードガイド-Microsoft
2016年07月27日●連載の目次は こちら から●「小学校受験って、どうなの?」特集も今回は最終回。早期英才教育は有効なの? という素朴な疑問を、幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんにぶつけてみた。■早期英才教育は有効なのか?「お友だちが文字を書けるようになった」「英語教室に通い始めた」そんな話を聞くと、「うちも何かしなきゃ!」と気持ちは急く。育脳やバイリンガル、早期英才教育といった言葉にも、無関心ではいられない。そこで、「早期英才教育は有効なの?」という素朴な疑問を、浅木さんにぶつけてみた。「私の回答としましては、『子どもへの接し方が好ましいものであれば有効。好ましくなければ、やらないほうが良い』ということです。お子さまが嫌々やるのであれば、早期教育は百害あって一利なしだと考えています」難関私立中学受験指導をしていた(1本目にリンク貼る)という経歴から、小学校受験が苦い経験となり、学業でつまづいてしまった生徒を数多く見てきたからこその思いなのだろう。■焦らないほうが、良い結果が出ている今回の取材を通じて、浅木さんがとても強調していたことは、「どうか、お母さま方、焦らないで欲しい」ということ。この記事を書いている私は息子の中学受験を体験したことがあるが、受験準備中は、「志望校に合格しないと、この子は(私は)、その先、どうなってしまうのだろう?」という気持ちになりがち。それが「合格しなければ!」となり、準備が思うように進まないと、「何かしなければ!」という、やみくもな焦燥感に繋がり、子どもをせっついてしまう。「すんなり合格を手にするお子さまなど、1人もいません。志望校に合格した先輩を見て、『志望校に合格して、うらやましい』と思われるかもしれませんが、そんな方でも必ず、苦しい時期を過ごされています。『焦らないで欲しい』と申し上げても、焦ってしまうお気持ちは、現場にいればよくわかります。けれども、私の経験から鑑みても、焦らないほうが、良い結果が出ていることが多いのです」(浅井さん)小学校受験は、対策期間は平均して1年~2年。親や指導者に怒られないために努力することで、何とか志望校には合格をする。けれども、そういった子どもたちのその後の学校生活は、苦しいものになりがちだそう。 ■大切なのは心の安定と自己肯定感「すべての学年のお子さまを見てきて、真に思うことは、大切なのは心の安定と自己肯定感です」(浅木さん)親の焦燥感から、嫌がっているにも関わらずに無理に課題をこなすことを強いられ、、何とか合格を手にしても、子どもの心には大きな傷が残る。不合格だったらなおさらだ。それが、子どもが自己肯定感を持てない原因になってしまうこともよくあることだという。思春期に入っても自己肯定感が不足し、心が安定していない子どもは、成績が上がるまでに本当に時間がかかる。また学年が上がるほど、親も焦りを感じてしまい、子どもの心が満たされ自主的に努力するようになるまで待つことができないし、親子関係の立て直しも難しくなる。「そうならないために、幼少期に健全な親子関係を育んで欲しい、そのためにお子さまに接するお母さまのサポートにも力をいれております」(浅木さん)■子どもの人生を長い目で考えてみて欲しい「つい子どもを叱り過ぎてしまうママに伝えたいこと」(リンク貼る)でも記事にしたが、現代は子育ての負荷がママに集中してしまい、追いつめられた気分になりやすい。だからこそ、私たちは「そういう時代に子育てをしている」ということを、きちんと意識する必要がある。小学校受験をするとなると、ママ、あるいはパパたちは、「私が頑張らなければ!」とより一層、自分を追い込んでしまうこともあるだろう。私自身、「中学受験ママ」をやっているが、悲しいかな、すぐにテンパってしまう。最近、そんなときは浅木さんが取材で話してくれたことを思い出すようにしている。「小学校受験で花開く子もいれば、中学校受験や高校受験で花開く子もいます。子どものモチベーションを含めた適切なサポートができるよう、どうか子どもの人生を長い目で考えてみてあげてください。そして、焦ってしまうということは、それだけ真剣にお子様のことを考えていること。立派に母親業をこなしている自分をまずは認めてあげてください」受験は、親子にとってひとつの試練。でも、それを乗り越えた先には大輪の花が咲くと信じて、ゆったりと構えていられる親でありたいものだ。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月27日投資教育先進国といわれるアメリカでは、子どものころからお金について学ぶ機会が多いのをご存じでしょうか。 幼稚園から高校までの義務教育でお金にまつわることを学習するのはあたりまえ。お金にシビアなアメリカならではの、子どものマネー教育について紹介します。■ローン大国アメリカアメリカ人はお金にシビアだといわれます。それはクレジットカード、ローン大国であることが影響しています。健康保険や医療費もほかの国と比べてかなり高額。個人がしっかりファイナンシャルプランを身につけていないと簡単に破産してしまう社会です。厳しい社会のなかで財産を得て資本主義社会のなかで勝ち残っていくために、投資に関する知識を深める人も多いのです。そんななか、幼稚園から子どもの年齢に応じてお金に関する教育が行われています。親からお金を増やすための株式投資などの知識を得るケースもめずらしくありません。■日本でマネー教育をしない理由一方、日本では、子どもがお金の話をするのはあまりよくないという風潮があります。株式投資はリスクのあることだと敬遠する人も多く、なかなか学ぶ機会がないのが現状です。考えられる理由としては、貯金文化が定着していることがあげられます。堅実にコツコツためる、まじめな日本人の気質ともいえるでしょう。■おこづかい制のメリットみなさんは子どもにお金を管理させていますか? 将来の金銭感覚を養っておくためにも、早めにお金に関する知識を身につけることが大事です。さまざまな考え方があるものの、たとえば、定期的におこづかいをあげることで、子どもは自分のお金を管理し、計画的に使うことを学べます。おこづかい制にするか悩んでいる方は検討してみてください。また、お手伝いの報酬としてお金をあげるのも方法のひとつです。自分の労働によってお金を得ることができ、何もしなければお金を得られないという仕組みを学べます。お金を計画的に使う感覚は、将来役に立ちます。子どもが大きくなったら、家庭の予算立てに参加させてみるといいかもしれません。
2016年07月16日子どもを授かると、親としていちばん最初に考えるのが「教育費の準備」ですよね。できる範囲で希望の教育を受けさせてあげたい。親ならば誰もが思います。そこで最初に検討されるのは「学資保険」ではないでしょうか?学資保険は、いろいろある生命保険のなかでは、比較的好印象な保険ではないかと思います。しかし、この学資保険、本当に教育費の準備になるのでしょうか?なぜ日本人が学資保険に対して好印象なのかといえば、学資保険が積立代わりだと思っているからでしょう。■学資保険でいくら戻ってくるのか計算すべしその昔、郵便局で学資保険に入ると、満期の時に倍ぐらいになって戻ってきた時代がありました。インフレ率等を考えてきても相当な戻り率です(そのぶん住宅ローン金利も高かったので、差し引きしてどれくらい恩恵を受けている人がいるかは微妙ですが)。そのイメージがついてはなれないのか、「学資保険は得だ」と思ってしまうようです。しかし実は、ご相談に見える方の実の70%以上は、得にならない学資保険に入っているといったら、みなさん驚かれるのではないでしょうか。もしすでに学資保険に加入しているのであれば、一度計算してみてください。「いくら払って」「いくらの満期で戻ってくるのか」を。210万円払って、200万円の満期なんてケースは結構あります。なかには、払った以上に戻ってこないことをわかった上で加入している人もいるかもしれません。そんな人は決まって、「保険がついているから仕方がない」なんていい方をします。たしかに、学資保険・こども保険という名称の保険のなかに、育英年金などの保険機能がついているものもあります。学資保険払込中に契約者(ほとんどのケースで父親)が死亡した場合に遺族に教育費の援助ということで育英年金が支払われるという内容です。内容の話を聞くと、とってもいいような気がします。しかし、よーく考えてください。なぜなら、教育費等必要な保障額は、ご主人の生命保険できっちり計算してリスクヘッジさせてあるはずです。■200万円もらえる学資保険じゃないとダメつまり、わざわざ学資保険でプラスしてその部分にお金を払う必要はないはずなのです。その他に、子どもの医療保険がついていることを理由にあげられる方が多いのですが、それもいかがなものでしょうか?乳幼児医療制度が整っている今、ある一定の年齢まで、医療費は無料です。自治体によって違いますが、長いところですと中学校卒業するまで、医療費無料なんていう自治体もあるほどです。そのなかで、どれだけの保険料をそこに払うのが適当なのか、考える必要がありそうです。学資保険は、純粋の貯蓄であるべきではないかと思います。180万円ぐらいの払い込みで200万円の満期がもらえる。最低でもこれくらいでないと、月々積立預金をしたほうがマシなことになってしまうのではないでしょうか?現段階で、払ったより戻ってくる金額が少ない学資保険に入っている方は、がっかりしてしまったかもしれません。でも、あきらめずに、計算することをお勧めします。現在加入中の学資保険を解約すると、いくら損をするのか。そのことについて計算するのです。ほとんどのケースで保険の途中解約は損が出ます。しかし、いまやめた損のほうが、満期まで払い続けたときの損にくらべて少ない場合は、思い切って解約をすることをお勧めします。その上で、貯蓄性の高い学資保険に入りなおして損が少しでも埋まるのであれば、入りなおしを検討してみてもいいのかもしれません。(文/ファイナンシャルプランナー・岡崎充輝)
2016年07月05日小中学校での教育内容が、いわゆる“ゆとり教育”として行われたのが2002〜2010年度。この教育を受けた世代を広く“ゆとり世代”と呼びますが、いろいろな面で批判の対象とされることが多いのはみなさんもご存知の通りです。学力だけにとどまらず、「ゆとりだから……」という言葉で人間性まで否定されかねないこの問題。今回はパピマミ読者の皆さんに「ゆとり教育で問題だったと思うこと」 についてアンケートを実施しましたので、その結果を発表したいと思います。同時に行った『ゆとり教育で評価できたところは?』というアンケートでは、「デメリットしかなかった」という回答が半数近くを占めたようですが、いったい何が問題と感じられているのでしょうか。●ゆとり教育で問題だったと思うことは?・1位:学力の低下……23%(23人)・2位:競争意識の低下……19%(19人)・3位:コミュニケーション能力の低下……16%(16人)・4位:とくに問題はなかったと思う……13%(13人)・5位:自主性の低下……11%(11人)・同率6位:精神年齢の低下……10%(10人)・同率6位:協調性の低下……10%(10人)※有効回答者数:102人/集計期間:2016年6月20日〜2016年6月21日(パピマミ調べ)●「学力の低下」がトップという結果に『ゆとり教育中に行われた学習調査では、日本の順位が下がってましたよね。勉強なんてやったぶんだけ伸びるんだから、学習時間が減ればそういう結果になるのは当然のことでしょう』(40代パパ)『思考力を鍛えるための学習を増やすといっても、それらしい成果があったとは思えませんね。大学受験なんかも結局は暗記勝負じゃないですか。遠回りしただけのように思えます』(30代ママ)最も問題だったと感じられているのは、やはり学習面。OECDが行っている生徒の学習到達度調査では、ゆとり教育中の日本の点数低下が顕著となり、教育の見直しに着手するきっかけともなりました。知識を暗記する詰め込み型の教育から脱却するためのゆとり教育で、“総合的な学習”などの思考力を付けるための教育が推進されたものの、目に見える結果が出たとは言いづらい でしょう。脱ゆとり教育を果たした現在の教科書は、当時より4割ほど分厚くなっていると言われています。●次いで「競争意識の低下」がランクイン『運動会の徒競走で、手をつないでゴールすることがあるなんて本当なんですかね?いくらみんな平等にって言ったって、さすがにそれはやりすぎだと思いますよ』(40代パパ)『何でもかんでも優劣をつければいいってもんじゃないけど、競い合うことを良しとしない環境では、育たなくなるものもあるのかもしれませんね』(20代ママ)実際にゆとり教育を受けた20代の人たちからも、競争意識の低下を招いたことに対する批判が聞かれました。人と競い合うからこそ生まれる、「悔しい!」や「勝ちたい!」という強い気持ちは、ゆとり教育の中では育ちにくいと言えるかもしれません。さらに、競争意識がないことから「覇気がない」と思われる ことも多いようですが、決して不真面目というわけではなく、自分のやるべきことを黙々とこなすことができる特徴を持ちます。●コミュニケーション能力にまで影響『話題が合わないっていうだけじゃなく、人と交流することを避けているような印象があります。四六時中スマホを見て、人と会話する楽しさを知らないんじゃないかと思いますね』(40代ママ)『ゆとりってのは、勉強だけじゃなくて会話もできなくなっちゃったのかね。毎年新入社員が入ってくるけど、声は小さいし何言ってるのかわからない。会社の飲み会を断るやつなんて見たのは、最近になってからだよ』(50代パパ)新入社員と上司が噛み合わない“ゆとりエピソード”を聞くことは、珍しいものではなくなりました。プロセスを重視する教育を受けてきたことから、頑張ったことよりも結果が求められる仕事の場 では認められづらいこともあるようです。この他、怒られ慣れていなかったり、積極性に乏しかったりすることで、対人関係が苦手だと感じさせてしまうこともあります。仕事よりもプライベートを優先させ、会社の人間とは距離を保とう とするのもゆとり世代の特徴と言えます。----------いかがでしたか?実際に、ゆとり世代と言われる人たちの上の世代からすると、信じられないような価値観を持った若者に遭遇することもあるかもしれません。しかし、それは柔軟な思考によって生まれた新たな考え方というだけで、批判されることなのかは疑問でもあります。お互いの違いを認め合い、それぞれの良さを高め合っていくような関係を築くことが最適と言えるのではないでしょうか。【参考リンク】・【アンケート結果(1位〜6位)】ゆとり教育で問題だったと思うことは?()●文/パピマミ編集部
2016年06月26日【ママからのご相談】こんにちは!うちの娘はまだ1歳半なのですが、住んでいるところが比較的高級住宅地なので、近所のお子さんの大半が幼児教室に通っています(ちなみにうちはお金持ちではないです……)。ある熱心なママさんに「1歳半から始めるなんて、遅い方だから」と言われてしまい、ちょっとモヤモヤしています。主人は幼児教室に通うことには賛成なのですが、周りのママさんたちがエリート意識が高すぎるというか、私がついていけない気もしていて、踏み出せないでいます。とりあえず、重い足を引きずって体験教室にいってみようと思うのですが、ちょっと背中を押していただけませんか(笑)?●A. そもそも本当に必要? “早期教育”の是非を考えてみましょう。こんにちは!ライターの月極姫です。確かに、0~3歳は脳神経回路が目覚ましい発達を遂げる黄金期 。この時期に適切な刺激を受けることによって、子どもの知性や五感が豊かな発達を遂げるという理論はよく知られています。しかし、「1歳半から始めるなんて、遅い方だから」。これがご相談者様へのイヤミだとしたら、残念ながらそのママさんは、純粋にお子さんのために幼児教室に通わせているわけではなさそうですね。「子どものため」と言いつつ、いつの間にか自身の見栄やプライド、競争心を満たすことが目的になってしまっている。教育熱心な親御さんが、ハマりやすい落とし穴といえるでしょう。とはいえ、筆者は早期教育肯定派です。『就学前教育の有無が教育的、経済的な差を生み出す』これは、ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・J・ヘックマンの言葉です。ヘックマンは40年以上に渡る追跡調査で、幼児期の適切な教育が個人の能力や経済力に大きな影響を及ぼす という調査結果を導き出しました。一方で、・偏った早期教育が子どもの人格を破壊する・早期教育が過ぎると、親の顔色をうかがう自発性の低い子に育つ・幼児期に脳に単調な刺激を与えすぎると、その後の学習能力に悪影響を及ぼすなど、ネガティブな情報も少なくありません。まず、“早期教育に力を入れなければ、絶対に高い能力や人格が身につかない”ということはありません。たくさんの偉人が輩出されてきた過去の時代に、イマドキの幼児教室のような存在はありませんでした。ただ、優秀な方や偉人が育つ背景にはそれなりの家庭教育、学習環境があります。しかし、私たち皆が、優秀な人たちが育った家庭教育を再現できるか?といったら無理がありますよね。脳科学や早期教育に詳しくない、ごく一般的な親子に広く門戸を開いているのが幼児教室です。だからこそ、子どもだけでなく、親御さんも一緒に学ぶスタイルの教室が多いのです。通うも通わないも親御さんの力量や価値観次第。それで他者批判をするのは間違っています 。極端な意見は軽く聞き流し、まずご自分の目で見て確かめることです。通う、通わないは人それぞれ、決めるのはお子さんとあなたです。体験レッスンでは、お子さんがリラックスしていきいきと学んでいるか、楽しそうにしているか、という点が大切ですが、たとえ楽しそうであっても「ただ物珍しいだけではないか?」「仲の良いお友達と一緒だから楽しめているだけではないのか?」といったシビアな見方もアリです。決して安くないお月謝を払って通わせるわけですから、親の目線でも慎重にジャッジを下しましょう 。さて、それでは各早期教育の特徴と、ユーザーのポジティブな声、ネガティブな声の両方を見てみましょう。全国どこででも受講しやすい大手の教室・講座にしぼってご紹介します。●長い歴史と信頼の実績。子どもの発達に合わせて学ぶ“老舗”タイプ●ベビーくもん公文と言えば「毎日大量のプリントをやるのでは?」と思う方も多いかもしれませんが、それは小学生以降の学習スタイルです。0歳から学べるベビーくもんは、かわいらしい絵本と知育玩具、CDやDVDなどで月齢に合わせた取り組みを行います。また、単なる通信教育ではなく、月に一度の“通室”で、母子ともに刺激を受けられるのが特徴です。【ユーザーの声】『月に一度のスクーリングというのが、0歳児にはちょうどいい 。早期教育を頑張り過ぎるのも嫌なので、ウチにはこれが合っています』(30代2児ママ)『教材が可もなく不可もなく、特徴がとくにないように感じた。お値段が安いので、もう少し続けてみようとは思っています』(40代1児ママ)●めばえ教室1979年創業の老舗です。『知能教育コース』『英会話コース』『グリムコース(国語力を高めるコース)』があり、1歳から母子で受講できて、2歳ごろから段階的にママと離れてレッスンを受けます。詰め込み型の教育ではなく、好奇心を刺激し自ら考える力を育てるプログラムが特徴。一見遊びを通した楽しい取り組みですが、知能判断テストの結果をグラフ化するなど、成果が客観的に見える工夫もうれしい ところです。【ユーザーの声】『上の子が甘えん坊で困ったことがあったので、下の子は早めに母子分離させようと通わせていました。2歳でも、意外とレッスンをきちんと受けられる姿に驚いた記憶があります。集中力がついたのは、めばえのおかげかも』(30代2児ママ)『英語の方に通わせていて、5歳のころには親もびっくりするような発音になりガッツポーズでした。でも、そのあと他の習い事を始めるとあの発音も忘れてしまったみたい(笑)。やっぱり、続けなきゃダメなんですよね』(30代3児ママ)●あの天才子役も出身者! 従来の教室と一線を画す“全脳教育”タイプ●七田式右脳教育子役でスケート選手の本田望結さんが通っていたということで、最近さらに知名度を増しましたね。3歳までの時期に右脳を開発することによって、ひらめきや直感力、イメージ力、絶対音感なども身に着けるというものです。従来の、理論的思考に偏った“左脳教育”とは一線を画するもので、いわゆる天才肌の人材を育成しようという性質が強い教育法 です。0歳からの幼児教室に加え、七田式の講習をクリアしたネイティブ講師による英語教室、家庭で行える通信教育も行っています。大量の絵カードや、ドーマン式のドッツカード(丸いシールを大量に貼り付けた数のカード)を、素早くめくって見せるフラッシュカードも特徴的です。【ユーザーの声】『3人とも0歳から七田の幼児教室に通い、年少からは七田の幼稚舎に。今長男が中2ですが、受験についてもあまり心配はなく、音楽、スポーツにも意欲的なのは右脳開発の賜物だと思っています』(50代3児ママ)『教室に通ってみたけど、お金持ちのママさんの自慢大会みたいな雰囲気が嫌で辞めました。私が気乗りしなかったせいで、子どもの反応もイマイチだったのかもしれないけど(笑)』(40代2児ママ)●子ども心をガッチリつかむ! 楽しく学べる“人気キャラ”タイプ●ベネッセ・こどもチャレンジ通信教育の他に英語教室やサイエンス教室、作文教室なども展開しており、年齢と発達段階に合わせた豊富な教材、挨拶や礼儀作法、コミュニケーションスキルなど社会性の発達にも力を入れた取り組み内容 が特徴的です。就学後は教科書に即した内容のワークが増えていきますが、未就学児のワークはカラフルで楽しく、学習能力の基礎となる知育遊びをメインとしつつ、鉛筆の持ち方や書き方なども学べるようになっています。【ユーザーの声】『しまじろうがかわいくてテレビ番組まであるので、子どもが引き込まれるように取り組んでくれて親はラクでした。付録のDVDは繰り返し見るほど好きでした』(40代2児ママ)『教材が多すぎて使いこなせず、親が相手をするものも結構多くて大変。入学前にやめました』(30代1児ママ)●ドラキッズ何といってもドラえもんが子ども心を引き付けて離さず、体験教室などでも「子どもの食いつきが違う」 と評判の教室です。総合教育コースは満1歳から入会でき、小学校準備コースまで年齢によって分かれています。絵本や知育玩具にはもちろんイメージキャラクターのドラえもんがついています。最初はごっこ遊びやゲーム的な取り組みを親子で楽しむところから始め、無理なく知能を高めていくプログラムになっています。【ユーザーの声】『いろいろな習い事をさせてきたけど、一番楽しそうに通っていたのが入学前までのドラキッズ。ドラえもんおそるべしです』(30代1児ママ)『最初の食いつきがすごかったけど、うちの子の場合は意外とすぐ飽きちゃったかな。女の子はませてるので、ずっとドラえもんが楽しいとも限らない。年中で辞めて他社の地味な通信教育に切り替えたけど、その方が合っている様子』(40代2児ママ)●ネット上の情報には裏がある!? 鵜呑みにせず体験教室へGO!幼児教室を選ぶ際に、もう1つ注意しなければならないことがあります。それは、ネットの幼児教室ランキングなどをやたらと信用し過ぎない ことです。“通室者数”や“年商”といった客観的なデータによるランキングを掲載しているサイトは良心的ですが、一部のアフィリエイトサイトの中には、主観的でアバウトなランキングを掲載しているものもあります。また、良心的なサイトで人気ランキング上位だからといって、お子さんの個性に合っているか否かはまた別問題なのです。ネットの情報にも、お友達からの情報にも、振り回されないことが肝心です。日ごろから、また体験教室の場などでも、まずはわが子の様子をよく見ること。そして教室の方針やメソッドについての疑問は遠慮なく解消し、納得の上で通室することをお勧めします。また蛇足ではありますが、幼児教室への通室が軌道に乗っても、お家でのんびりしたり、お友達と自由に遊ぶ時間は必ず確保してあげてください。いつの時代も、自由に使える空白の時間 があってこそ、子どもの内面世界は豊かなものになっていくと思います。【参考文献】・『幼児教育の経済学』ジェームズ・J・ヘックマン(著)/古草秀子(訳)●ライター/月極姫(フリーライター)
2016年06月16日