現在、地上波でも放送されている、映画『ノルウェイの森』と東京ガス、田崎真珠のコラボレーションで誕生した、映画本編の一場面を使用したCMがシネマカフェに到着した。1987年に刊行されて以来、単行本と文庫本を合わせた国内発行総累計部数は一千万部を突破し、村上春樹の代表作としても名高い小説「ノルウェイの森」が松山ケンイチ、菊地凛子らをキャストに迎え映画化。9月のヴェネチア国際映画祭での上映では、その独自の世界観と映像美が高い共感を呼ぶなど、日本のみならず世界中から注目を集めている本作がまもなく公開となる。高校時代の親友のキズキを突然の自殺で失ったワタナベ。新しい生活を求め向かった先、東京でキズキの恋人だった直子と、大学で出会った緑に出会う。全く異なる2人の女性の間で揺れ動くワタナベの姿を通じて、青春時代における喪失や葛藤、再生が描き出される。今回、到着したCMは全部で4種類。ワタナベと緑が向かい合ってご飯を食べるシーンや、ワタナベがタクシーの中で年上の女性・ハツミに語りかけるシーンなど、本編の映像を中心に構成されている。「ねえ、ワタナベくん。正直そんなに期待してなかったでしょ」、「わたし、料理上手そうに見えないしね」という緑のセリフの後に“驚かせたいと思ったら、もうそれは恋だ”という印象的なコピーが挿入されるなど、映画の世界観を大切にしつつも単なる予告編にとどまらず、高い質を誇るCMに仕上がっているワタナベと直子の登場する一編では、「わたしのこといつまでも覚えておいてほしいの」という直子のセリフと共に木に寄り添いながら抱き合う姿が。2人の顔が徐々に近づき…とCM映像に思わずドキドキさせられてしまう。公開を前に、映画の世界観を存分に味わわせてくれるこちらの映像をまずはチェック!『ノルウェイの森』は、2010年12月11日(土)より全国東宝系にて公開。※こちらのCM映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:水原希子インタビューモデルから『ノルウェイの森』大抜擢「もっと自分を愛したい」あなたが映画に期待するのは何?『ノルウェイの森』プレスシートを3名様にプレゼント妻夫木&松ケンの新旧“大河コンビ”共演『マイ・バック・ページ』ビジュアル解禁ブロガー、twitterユーザー限定『ノルウェイの森』特別試写会に40名様ご招待【シネマモード】唯一無二の村上ワールドを描く、『ノルウェイの森』
2010年12月09日自分自身も気づいていない才能が、とあるきっかけで開花することがある。数々のファッション誌などで活躍するモデルの水原希子にとっては、女優デビューを飾った『ノルウェイの森』が、新しい自分との出会い、新たな才能の気づきの瞬間となった。だが、もともと彼女のライフプランに“女優”という選択肢が存在していたわけではなく、彼女が載っている雑誌を偶然目にした映画会社の人間が所属事務所にオーディションを持ちかけ、監督のトラン・アン・ユンのもとに導いた。そして、その偶然の出会いは19歳の少女に女優という未開拓地を与えた──。「撮影中は毎日がむしゃらで、ものすごく辛かったけれど、今は楽しかったと言えますね」と、無邪気に語る水原希子、現在20歳。女優としての一歩を踏み出したばかりの彼女の“今”をインタビューした。「大変な世界に飛び込んじゃったなと…」映画の原作は日本の国内小説累計発行部数歴代1位の記録を更新し続けている村上春樹の「ノルウェイの森」(講談社刊)。あまりにも有名な原作の映画化は役者にとっても大きなプレッシャーだ。しかし、演技未経験の水原さんが最初に抱いたのは「映画に出る」という漠然とした感覚だけだった。「もちろん、プレッシャーはありました。松山ケンイチさんや菊地凛子さんといった役者の中に加わるわけですし、大変な世界に飛び込んじゃったなと(苦笑)。いざ現場に入ってみると、人の目の前で演技をすることが怖くて、苦しくて、毎日逃げ出したいって思っていました。でも、私を選んだのはトラン監督。だから監督にも(水原希子を選んだ)責任があるんだ!って、そう自分に言い聞かせたりもしました(笑)」。そんな不安でいっぱいの彼女の心の支えとなったのは、キャストやスタッフの温かな愛。「松山さんは、私が何回ミスをしても大きな心で見守ってくれるし、トラン監督は細かい指示を出すけれど、それもまた愛で…。キャストにもスタッフにも恵まれているからこそ、100%自分の力を出し切らなきゃって思ったんです」。期待に応えたいという真面目な姿勢、新しい分野へのチャレンジ精神、水原さんのそんな人間性をトラン監督は会った瞬間に見抜き、彼女を緑役にキャスティングしたのだろう。明るく行動的な緑のキャラクターは、どこか水原さんと重なる。「緑は、光・太陽・ひまわりみたいな女の子。けれど、深い傷も負っていて、孤独でもある。その孤独感をワタナベくん(松山さん)にみせていくんです。緑以外のキャストがみんなネガティブなので、彼らのネガティブさに引っぱられないようにという意識は常に持っていました。直子(菊地さん)のことを想像しろと言われても絶対にできないけれど、緑の性格は想像しやすかったんですよね。それは自分が緑のような性格だったからで──本当は悲しいのに悲しいとは言わずに明るく振る舞う、自分はそういう性格だったんだと完成した映画を観たときに気づいたんです。自分自身も知らなかった性格をトラン監督はよく見抜いたなって驚きました」。そして、緑を演じたことで「(心が)解放された」と微笑み、過去の自分について懐かしそうに語り出す。「これまでは、さっき言ったように、悲しいことを感じないようにしたり、自分が傷ついていることに気づかないふりをしていたりしていたんです。でも、いまは悲しいときには泣いていいし、自分の意見を言ってもいいんだ、そう思えるようになりました」。緑というキャラクターについて深く尋ねるほど「緑は大人で完璧!緑のかわいさを真似したい!」と水原さんの声は弾み、いかに緑を気に入っているのかが伝わってくる。また、緑を演じたことで恋愛観も変わったのだと、流れはガールズトークに。「以前は自分が相手のことを愛しているだけでいい、相手のことを想像できるだけで幸せだと思っていたけれど、やっぱり反応がほしくて。そのために必要なのは──たとえば、好きって言ってよとか、カワイイわがままが言えることなのかなって。緑を見習って実践しましたよ。効果ですか?ありました(笑)。恋人に対しても友達に対しても自分の気持ちを伝えることは大切なことなんですよね」。躊躇しがちな話もストレートに語る、きっとこんなふうに自分のことを話せるようになったのも、『ノルウェイの森』との出会いのおかげなのかもしれない。女優の仕事はモデル業に活かされている本作はヴェネチア国際映画祭で約6分間のスタンディング・オベーションを受け、もちろん新人女優・水原希子への関心も高まっている。これからの20代をどんなふうに活動していきたいのかも気になるところだ。「私はこの『ノルウェイの森』の現場しか知らないので、正直、女優という仕事がどういうものなのかまだ分からないんです。実はモデルをやっていることが今回、役者として足を引っぱってしまって──希子の歩き方は格好良すぎるってトラン監督に言われたりもしたけれど、女優の仕事はモデルの仕事にプラスに。トラン監督から教わった繊細な目の動き、息遣い、呼吸の仕方…1ミリ単位での顔の動かし方(表情の作り方)は、モデルの仕事にすごく活かされている。だから、モデルと女優、お互い高め合えたらいいなといまは思っています」と話す水原さんの表情は確かに豊かだ。さらに自分への愛も生まれたと嬉しそう。「昔は仕事が忙しいと家に帰ってそのまま眠ったりしていたけれど、いまは自分の身体をもっと愛してあげようと思うようになりました。この身体があるからモデルができるわけで、モデルをしていたからこの場にもいられる。この身体に感謝しなくちゃいけないなって。毎日お風呂に入って、ボディクリームを塗って、今日もお疲れ様でしたって自分を愛してあげる。その後はヨガをしたり映画を観たり…。もちろんそれをやることで睡眠時間は多少減ってしまうけれど、翌朝目覚めたときのモチベーションが全然違うんですよね。昔から映画を観るのは好きなんです。1日1本ペース。最近は途中で寝ちゃうことも多いけど(笑)。ホラー以外はどんなジャンルも観ます。でも、オファーがきたらもちろん引き受けますよ!」。引き受けるというその一言に、女優として歩んでいく水原希子の決意が垣間見えた。『ノルウェイの森』という翼を得て映画界に飛び立ったミューズが、今後どんな活躍をみせてくれるのか期待は膨らむばかりだ。(photo:Toru Hiraiwa/text:Rie Shintani)特集『ノルウェイの森』■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:あなたが映画に期待するのは何?『ノルウェイの森』プレスシートを3名様にプレゼント妻夫木&松ケンの新旧“大河コンビ”共演『マイ・バック・ページ』ビジュアル解禁ブロガー、twitterユーザー限定『ノルウェイの森』特別試写会に40名様ご招待【シネマモード】唯一無二の村上ワールドを描く、『ノルウェイの森』松山ケンイチ『ノルウェイの森』撮影中に「凛子さんを思わずハグしました」
2010年12月08日妻夫木聡と松山ケンイチの初共演映画『マイ・バック・ページ』の公開が来年5月28日(土)に決定し、ポスタービジュアルが解禁された。映画評論家としても名高い川本三郎が、「朝日ジャーナル」(朝日新聞社刊/1992年休刊)の記者時代の実体験を綴ったノンフィクション小説を映画化した本作。1960年代後半――若者を中心に社会を変革しようという“熱”が高まりを見せていた激動の時代に、立場の異なる2人の男が出会い、そこからある重大事件が引き起こされていくさまが描かれる。新聞社が発行する週刊誌に籍を置く記者の沢田を妻夫木さんが、そして沢田に接触する謎の活動家・梅山を松山さんが演じる。今回、到着したポスターでは、中心に「その時代、暴力で世界は変えられると信じていた」というコピーが。カメラと“戦斗(戦闘)宣言”、そしてヘルメットという2人のそれぞれの立場を感じさせるアイテムを隔てて、鋭い視線を別々の方向に向ける妻夫木さん、松山さんの表情が印象的な仕上がりとなっている。松山さんはまもなく公開の『ノルウェイの森』で、本作と同じ時代を生きる学生を演じているが、今回は理想を掲げ、武器をとり行動する活動家の役。ポスター、そして劇中写真でも『ノルウェイの森』のワタナベ役とは全く違った空気感を醸し出している。はからずも昨年(「天地人」)と再来年(「平清盛」)のNHK大河ドラマの主演の2人が共演することになった本作。ベトナム戦争や全共闘などで大きく揺れ動く60年代、70年代を2人はどのように歩み、何を追い求めるのか――?『マイ・バック・ページ』は2011年5月28日(土)より新宿ピカデリー、丸の内TOEIほか全国にて公開。■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョンマイ・バック・ページ 2011年5月28日より新宿ピカデリー、丸の内TOEIほか全国にて公開© 2011映画『マイ・バック・ページ』製作委員会■関連記事:ブロガー、twitterユーザー限定『ノルウェイの森』特別試写会に40名様ご招待【シネマモード】唯一無二の村上ワールドを描く、『ノルウェイの森』松山ケンイチ『ノルウェイの森』撮影中に「凛子さんを思わずハグしました」松山ケンイチ監督の美的演出に学ぶ「貴族っぽくやってくれ」『ノルウェイの森』音楽の「レディオヘッド」ジョニー、松山ケンイチを「完璧」と絶賛
2010年11月26日昭和の炭坑町を舞台に、その時代を知らない若い層にも「懐かしさ」と「郷愁」を感じさせる物語を紡ぎ出す映画『信さん・炭坑町のセレナーデ』。今年の春、物語の舞台となった福岡での先行上映で大盛況を記録した本作がいよいよ全国公開を迎える。当然のことながら、多くのキャスト陣も昭和30年代の終わりから綴られるこの時代を肌で知っているわけではないのだが、“昭和の匂い”をしっかりと感じさせてくれる。タイトルロールの“信さん”を石田卓也が、そしてその信さんを兄のように慕う守を池松壮亮が演じている。映画の公開を前に、2人がこの作品にこめた思いを聞いてみた。昭和38年、炭鉱業を主産業とする福岡のある島。ここに東京から、小雪さん演じる美智代がひとり息子の守を連れて帰ってくるところから物語は始まる。撮影も現地で行われたが、福岡は池松さんにとって18年間暮らした故郷。池松さん曰く、守という少年は福岡の男そのものだという。池松:一筋縄じゃいかない役なんですが、でもあれは完全に福岡の男なんですよ。頑固で後先考えずに物を言うところとか。自分の出演シーンの前に(子役の)少年時代のパートがあり、そこから数年の空白の期間があるので、その間に完全に福岡に染まったことにして、典型的な“福岡人”をやってやろう、と。ちなみに池松さん自身も、そういう“福岡人”の部分を色濃く持っているのだろうか?池松:メチャクチャありますね!さっき言った頑固な部分とかそのまま当てはまると思いますし、この守という役にも反映されています。よその地方の人が見ても分からないような部分までね。ちなみに、石田さんにとっても福岡は、デビュー作のドラマ「青春の門 筑豊編」の舞台となった思い出の地である。石田:そうなんです。あのとき演じたのは今回、池松くんが演じた守くらいの年代ですね。懐かしさはありました。また、ここに来たんだ、と。ただ、今回方言はすごく心配でした。デビュー作のときから、もうかなり時間が経っているので。(方言を使うということは)やはり普段の役と全然違ってきます。発音やイントネーションが間違ってると、地元の人に「何だよこれ?」って思われてしまうのではないか。そういう怖さは自分の中に常にありました。だから演技の部分と同じくらい気を配りました。小さな町で周囲を気にすることなく我が道を往く美智代という女性も魅力的だが、彼女にほのかな想いを抱く信さんの不器用な生き方も共感を呼ぶ。石田:信さんは、自分で演じながら「かっこいい男だなぁ」と思ってました。辛い境遇の中でも、常に自分以外の人のことを大切に思って一生懸命頑張ってる。それでいて、そういう辛さを顔に出さない、という彼の気持ち、優しさと強さを大事に演じました。年の離れた美智代に対する信さんの恋心――これを池松さん、石田さんはどのように捉えているのだろう?池松:いや、これは男として結構分かりますよね?石田:うん、分かる。信さんにしてみたら、いままでずっとひとりだったけど、初めて心を許せる、という気持ちを抱いたんだと思う。とはいえ池松さん演じる守にとっては、兄と慕う信さんが自分の母親に恋心を抱いている、という状況。このときの守の心情を表現するのは簡単ではなかったのでは?池松:それが今回の一番大きなテーマでしたね。守は2人をどのような思いで見つめるのか?そればかりずっと考えていました。平山(秀幸)監督に、子役の(守を演じた)中村大地がどんな表情をしていたのかとか聞いてみたり。本当に、言葉では言い表せない思いだと思うんですよ、嫌とか悲しいとか嬉しいとかじゃなくて…。もし相手が信さんじゃなければ、守にとっては簡単に切り離すことができたんだろうな、と。石田さんと池松さんは『夜のピクニック』に続いての再共演。互いの印象を聞いてみた。石田:あのときは(池松さんは)中学生だったから、久々に一緒にやれることになって会ってみたら僕より大きくなってて驚きました(笑)。成長したな、と。『夜のピクニック』以来、ずっと仲の良い友達ですが、性格はシャイですよ。まぁ、僕もかなりシャイな方なんですけど…(苦笑)。池松:僕にとっては“信さん”そのもののような人ですよ。前回のときは、僕がみんなの中で一番年下だったんですが、なかなか自分から話しかけられずにいたところを、石田さんがすごく気遣って声をかけてくださったりして。僕、個人的にも兄がいないので、兄に対する憧れみたいなものがあったんですが、石田さんはそういう存在です。小雪さんも(『ラスト サムライ』で)ご一緒させていただいていたので、母親役が小雪さんで、その母に恋する役が石田さんと聞いて、正直、石田さんで良かった、と思えたんです。小さな島を舞台にした本作。島を出ていく者、逆にかつて島を後にしたが、戻ってくる者などが描かれるが、池松さん、石田さん共に10代で故郷を出て、仕事を始めた人間。いま、故郷というのはどのように映っているのだろうか?石田:最初は流れに任せて東京に出たって感じでした。中学卒業した頃ですね、まあ何とかなるだろう、と(笑)。だから、故郷(愛知県)を出るときに大きな覚悟とかそういうのはなかったんです。でもいまは、地元ってすごく大きな存在で、ちょっと落ち込んだときはもちろん、何でもないときでも少し地元の友達とか家族と話すだけで元気がもらえて。もう、東京出てきて8〜9年ですが、いまだに遊ぶとなったら地元の友達とだったりしますから。池松:僕は「簡単には戻ってこれないぞ」という思いはありましたね、福岡を出るとき。まだ2年くらいですが、やっぱり大きな存在です。だから今回、こんな素晴らしい物語を残すことができるってすごく嬉しいし、誇りに思います。向こうで撮影ができたのもすごく嬉しかったです。東京にいて、改めて故郷があるっていいなぁ、って思えるんです(笑)。■関連作品:信さん・炭坑町のセレナーデ 2010年11月27日より新宿ミラノ、銀座シネパトスほか全国にて公開© 「信さん・炭坑町のセレナーデ」製作委員会■関連記事:小雪子育ては九州で?松山ケンイチとの交際は「順調?はい」ゲスト来場!『信さん・炭坑町のセレナーデ』試写会に50組100名様ご招待ケイト・ブランシェットに小雪、カリーナ・ラウら「SK-II」30周年で美の競演!小雪、石田卓也と20歳差の恋愛に挑戦『信さん』福岡で快調撮影中!
2010年11月25日映画を観ていると、作品を観終わった後の気持ちを言葉に置き換えることが難しいと感じることがあります。『ノルウェイの森』もまさにそう。その圧倒的な世界観と、その中で提示される愛と生に、何があっても生きていく人間の姿に、ついぼんやりとしてしまいました。試写室を出ると、出口調査さながらに、宣伝担当者に呼び止められて「いかがでした?」と尋ねられることもあるのですが、今回、それがなかったことを本当によかったと思っています。「おもしろかった」、「楽しかった」、「凄いですね」などと、簡単な言葉で語り始めることができる作品なら問題ないのですが、『ノルウェイの森』を観た後の第一声は、なんと発したらいいのかいまも思い浮かびません。あえて選ぶなら主人公ワタナベの言葉を借りて「ちょっと事情が込み入っていて、うまく説明できないんだ」となるのかもしれません。私の込み入っている事情とは、“作品は素晴らしかったけれど、やはり小説とは別物として考えるべきなのだろうと自分を納得させていいのかどうか決めかねていた”というところでしょうか。そもそも、映画化の話を聞いたときには、すでに小説の世界で完璧な姿をしている「ノルウェイの森」であるだけに、そんなことをして何になるのだろうかとか、そんなことが可能なのかということを考えました。村上春樹作品を愛する者のひとりとして。ファンタジックな中にも、とことん現実的で哲学的なテーマが潜んでいる彼の作品。力強いのに繊細で、美しいのに悲しくて、刹那的なのに永遠で、激しいのに静謐で…という独特な空気感と深さゆえ、村上作品の映画化は不可能と言われ続けてきました。もちろんそれが意味するところは、物理的な不可能性ではなく、その世界観を映像として表出させることが極めて難しいということ。私は日頃から、できることと、やっていいことは違うと考えていますが、優れた小説を映像化することにも慎重であるべきだと思ってきました。ここ数十年、映像技術の発達により、かつて映像化は不可能だとされてきた作品が続々と映像化されてきましたが、その流れにもちょっと眉をひそめてきた私。しかも、今回は、唯一無二の世界観を持つ村上作品。つまり、映像化した途端に、それは全くの別物になるということは分かりきったことなのです。これは常に原作ものにつきまとう議論ではありますが、やはり村上春樹という特別な作家については、その議論がひときわ白熱しても不思議はないのでしょう。たしかに、映画は別物でした。でも、面白い発見となったのは、村上ワールドに寄り添うかのようにトラン・アン・ユン監督の世界が共存していたこと。「『ノルウェイの森』という作品は自分にとって特別な作品であり、映像化は無条件でOKというわけにはいかない。でも、トラン監督の作品は好きで、とにかく会ってみようと思った」というのが、村上氏本人の言葉。村上春樹ファンの全員が、その映画化作品に納得することなどありえないのでしょう。でも、村上氏が自ら“特別だ”と語る作品の映像化にOKを出した背景には、「トラン監督ならば」という信頼があったはず。その信頼のほどを、出来上がった映像から汲み取ることは難しいことではないし、それが転じて、「トラン監督しかいなかった」という気持ちにさせてくれることも事実なのです。学生運動が華やかなりし時代に多感な青春時代を送った若者たちの物語や複雑な事情や感情が絡み合った恋愛物語について描かれた小説や映画は多くありますが、それでも村上春樹の作品は別格。彼が生み出す独特の空気感は、やはりその言葉選びとリズムに由るところも大きいわけですが、その文学的な言語表現をどのように映像として表現するのかは、ひとつの見ものでもありました。最大の難所のひとつとして私が注目していたのは、主人公たちの発する言葉。彼の作品に登場する人々は、言葉をきちんと選びながら独特のリズムで話をします。それが何か重いものを背負ってきた登場人物たちのひとつの特徴でもあり、悲しみから生まれた優しさのようなものを漂わせてもいるのですが、主人公たちは、言葉を省略することなく、語尾を曖昧にすることもなく、しっかりと気持ちを伝えようとするのです。それがなぜ難所なのかといえば、それこそが最大の村上作品の特徴のひとつでもありながら、音にしてしまうと違和感を覚える種類のものであるのも事実だったから。やはり懸念していた通り、俳優たちが繰り出す言葉が、“いかにもセリフ”に聞こえてしまう瞬間が何度かあって、それについては残念だなと思ったものです。やはり村上作品は、文字の世界でこそ完璧でいられるのだと確信した瞬間でもありました。ただ、そこまで考えさせてくれるものこそ、村上ワールドならではなのかもしれません。矛盾しているかもしれませんが、そんなことに気づかせてくれたこともあり、トラン監督が“映画化するなら日本人のキャストで”とこだわってくれたことのありがたさ、そしてその理解の深さには感謝するばかりです。「原作がある映画化をする際には、映画はその原作に似ていなくてはならない。それは肖像がと同じようなことで、本人に似ていなくては意味がない」。これがトラン監督の言葉。確かに映画『ノルウェイの森』は、小説「ノルウェイの森」本人ではないけれど、似ています。監督の言葉を借りるなら、映画『ノルウェイの森』は、トラン・アン・ユンという画家が描いた、小説「ノルウェイの森」の肖像画と言えるのかもしれません。(text:June Makiguchi)■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:松山ケンイチ『ノルウェイの森』撮影中に「凛子さんを思わずハグしました」松山ケンイチ監督の美的演出に学ぶ「貴族っぽくやってくれ」『ノルウェイの森』音楽の「レディオヘッド」ジョニー、松山ケンイチを「完璧」と絶賛『ノルウェイの森』ポスターに松山ケンイチのラブシーン!愛と涙の公募コピーも発表高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化
2010年11月24日映画『ノルウェイの森』の一般向け初披露となる完成披露試写会が11月23日(火・祝)、東京・新宿区の早稲田大学大隈講堂で行われ、主演の松山ケンイチ、ヒロインの菊地凛子、共演の高良健吾らキャスト陣7人とトラン・アン・ユン監督が上映前にレッドカーペットを歩き、舞台挨拶に立った。村上春樹が1987年に発表し、現在までに単行本・文庫本合わせて累計売上が1,000万部以上というロングベストセラー小説の映画化。大学生のワタナベ(松山さん)が自殺した親友の彼女だった直子(菊地さん)、大学で知り合った緑(水原希子)らタイプの違う女性たちの間で揺れるさまを描く物語。村上さんの母校で本作のロケにも使われたことから、同所が初披露の場に選ばれた。舞台挨拶で、本作に関わり一番テンションが上がった瞬間を司会者から尋ねられ、松山さんは「撮影に入って中盤に直子との本当に重要なシーンがあり、1テイク、2テイクやって、翌日3テイク目でOKが出たとき、テンションが上がり、思わず凛子さんをハグしました」と会心の瞬間をふり返った。同じ質問に菊地さんは「最初、直子役のオーディションを受けたいと申し出たら監督は乗り気じゃなかったので、ビデオを送ったら『会いたい』と言ってきてくれた。でもホテルで会ったら『原作はいつ頃読んだの?』とか質問ばかり。私はそのために来たんじゃない!と思い、『役をくれるの?くれないの?』って聞いたら『あげるよ』って…無理やり言わせた形で」と苦笑い。「あきらめないことと、本人に聞くのが一番だなと思った」と役を掴むまでの経緯をテンション高めに説明。会場の笑いを誘った。聞き入っていた監督は「直子を演じてくれたビデオを見て、儚さ、脆さを素晴らしく表現していたので、直子は菊地さんだと会う前に決めていたんです」と笑顔で“弁明”した。一方、ワタナベの自殺した親友・キズキ役の高良さんも「別の映画で死ぬシーンを撮ってクランクアップした翌日からノルウェイの撮影でしたが、その日の朝5時ごろ、電話がかかってきて『死ぬシーンを今日撮る』と言われ、テンション上がりましたね。違う現場で2日連続で死ぬって、そうないな、と」と妙な偶然を明かし、観客を笑わせた。締めくくりでマイクを握った松山さんは「撮影に入る前、監督から『きみは大恋愛をすることになるだろう』と言われ、ワタナベを追体験し、出来上がった作品を観て、その意味が分かった。みなさんも大恋愛をしてください」とメッセージを送っていた。先に行われたレッドカーペット・イベントには、ファン1,000人が集結。「ケンちゃーん、早くから来て待っていたのよー!」、「こっち来てー」などと、松山さんに握手とサインを求める女性ファンの熱狂的な声援が飛び交った。『ノルウェイの森』は12月11日(土)より全国東宝系にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:松山ケンイチ監督の美的演出に学ぶ「貴族っぽくやってくれ」『ノルウェイの森』音楽の「レディオヘッド」ジョニー、松山ケンイチを「完璧」と絶賛『ノルウェイの森』ポスターに松山ケンイチのラブシーン!愛と涙の公募コピーも発表高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化森三中・黒沢と“夫婦”役の松山ケンイチ小雪との結婚の質問には…
2010年11月23日村上春樹のベストセラーを映画化した『ノルウェイの森』の完成披露会見が11月23日(火・祝)、東京・新宿区の早稲田大学大隈講堂で行われ、主演の松山ケンイチ、ヒロインの菊地凛子、共演の水原希子、トラン・アン・ユン監督らが出席した。親友を自殺で失った悲しみを抱えた大学生のワタナベ(松山さん)が、親友の恋人だった直子(菊地さん)に惹かれて深い関係になる一方、大学で知り合った緑(水原さん)にも心揺れる姿を描く物語。松山さんは「言葉で言い尽くせないすごい作品ができました。お芝居も、自分たちで言うのもなんですが完璧です」と仕上がりに自信。一方でベトナム出身、フランス育ちで国際的評価の高いトラン・アン・ユン監督との初手合わせをふり返り「草原で直子と寝転ぶシーンで転がってみたら、『いや違うんだ、そういう自然さは必要ない。貴族っぽくやってくれ』と言われ、貴族か…と。その後、かろうじてOKをもらいました」と苦笑いしつつも「そういう美が溢れています」と監督のスタイリッシュなセンスに感銘を受けた様子。「自然にやるだけではだめ。例えば吐くシーンで、監督は『普通に吐くな。吐くならきれいに吐けよ』と。そういうことはいままで全く考えずに演技してきたので、教えられました」と収穫を口にした。一方、オーディションでワタナベの先輩・永沢役を得た玉山鉄二は「オーディションではいつも妻夫木聡、玉木宏に負けてきて、8年ぶりくらいのオーディションで受かり、こんな大きな作品に出られた。ハンカチ王子じゃないけど、俺、何か持っているな、と思いました」と喜色満面。直子役を監督に自らのビデオを送るなどし熱望して得た菊地さんは「私はどちらかと言えば、何か持っているというより、自分から掴みにいく、持ちに行くタイプ。監督が『イメージが違う』と言っても、いや、そんなことないって言うしつこさがあり、『役をくれるんですか?くれないんですか?』って聞いたりしましたし」。共演陣と会場の笑いを誘っていた。『ノルウェイの森』は12月11日(土)より全国東宝系にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:松山ケンイチ『ノルウェイの森』撮影中に「凛子さんを思わずハグしました」『ノルウェイの森』音楽の「レディオヘッド」ジョニー、松山ケンイチを「完璧」と絶賛『ノルウェイの森』ポスターに松山ケンイチのラブシーン!愛と涙の公募コピーも発表高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化森三中・黒沢と“夫婦”役の松山ケンイチ小雪との結婚の質問には…
2010年11月23日「第五回シネマプロットコンペティション2010」(主催:ユナイテッド・シネマ)のグランプリ作品発表イベントが11月18日(木)、ユナイテッド・シネマ豊洲で行われ、審査委員長を務めた森田芳光監督らが出席した。「これを映画にしたいしたら面白い」という思い、ひらめきのアイディアを一般募集し、優秀作品を選出、映画化する企画で、応募総数1,554作品から、主婦のクレーマーのある出来事を綴った、三村さゆりさんのプロット『クレーマー』がグランプリに選ばれた。山口県在住で、この日のために上京した三村さんは、森田監督から「発想は自身の経験から?」と聞かれ、「いえ、クレーマーらしき人を見かけて題材になると思って、1時間くらいで書きました」とサラリ。森田監督は「怖いですね」と強心臓ぶりに舌を巻き「彼女が自分でシナリオを書いて、監督もやったらいいですよ。性格もこう見えて図太そうです」と“寸評”。会場の笑いを誘った。三村さんには賞金30万円が贈られた。準グランプリ(賞金:10万円)には、死に場所をハンティングする若者と老人の交流を綴った、井上洋美さんの「死にハン。」。井上さんは「今日はちょっと調子に乗って帰って、明日から謙虚な自分に戻ります」と喜んだ。ほかに、ユナイテッド・シネマ賞(副賞:ユナイテッド・シネマ年間パスポート)に、「見守っちゃる。」を選出。今回の映像化作品は、テーマ部門でテーマ部門賞に輝いた馬場大介さんの「バルーンリレー」に決定した。その他の受賞作品の映像化は未定。一方、森田監督は自身のデビュー時をふり返り「こういう機会が30年前にあったら絶対応募したのに…原稿用紙200枚くらい書いて受かると思って投函していた人間ですから」とボヤキ節も。「誰も撮らせてくれないから、家を担保に借金して映画を作りました」と武勇伝を披露。受賞者らを激励(?)した。「シネマプロットコンペティション2010」公式サイト■関連作品:僕達急行 A列車で行こう 2011年秋、全国にて公開予定© 2011『僕達急行』製作委員会武士の家計簿 2010年12月4日より全国にて公開© 2010「武士の家計簿」製作委員会■関連記事:堺雅人仲間由紀恵の加賀友禅振袖姿にウットリ堺雅人主演!『武士の家計簿』劇場鑑賞券を5組10名様プレゼント堺雅人と仲間由紀恵が夫婦で節約に奮闘!『武士の家計簿』試写会に35組70名様ご招待森三中・黒沢と“夫婦”役の松山ケンイチ小雪との結婚の質問には…松山ケンイチ&瑛太が初共演コメディで“鉄ちゃん”コンビ結成!「運命的な感じ」
2010年11月18日映画『ノルウェイの森』でサウンドトラックを担当しているイギリスの人気バンド「レディオヘッド」のジョニー・グリーンウッドが、今回のサウンドトラックに込めた思いを明かすと共に、主演の松山ケンイチの演技に対して称賛の言葉を送っている。ジョニーといえば、いま世界で最も強い影響力を持つバンドのひとつ、レディオヘッドでトム・ヨークと共に作曲を手がけ、その中核を担うマルチプレイヤー。2007年には映画『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』のサウンドを担当し、英国アカデミー賞やグラミー賞の候補に名を連ねた。そのジョニーが今回、村上春樹の大ベストセラーを映画化した『ノルウェイの森』のサントラを担当。ちなみにトム・ヨークが村上春樹の大ファンであることは広くファンの知るところだが、ジョニーも今回のオファーが届く以前から「ノルウェイの森」は読んでいたという。原作について、そしてこの物語に“音”をつけるという作業について、ジョニーは独特の表現でこう感想を語る。「僕としてはこの物語の音として、すごく宙ぶらりんになった状況をいろいろ音にしようとしたけどね。何て言うのかな…登場人物が大人になれずにいる状況っていうのかな。思春期と大人との狭間にいて、どこか不完全な状態のままでいるっていう印象が強いから。だから、音もやっぱりそういうところを形にしたかったんだよね。ためらいとか、不確実な気分を表しつつも、決して惨めだったり、悲しいものではないんだ。むしろ明るさがあるし、すごくロマンティックなもので、たくさんロマンスもあるっていう…。ただ、なにひとつとして決して解決されることはないし、終わりもしなければ、確定もしないという。だから、今回の音を書いている間は、基本的にいま話したような単語がウヨウヨと頭の周りに浮いていたんだよ」。また、クリエイティビティが刺激されたシーンについてジョニーは、「たとえば、緑とワタナベがカフェテリアの外で雪の中、語り合うところとか。このシーンのロマンティックな佇まいはすごくインスピレーションを与えてくれたな。それと、この作品が持つ独特なユーモアにもすごく助けられたかな。というのは、この映画を暗い作品として捉えるのはすごく簡単なことなんだけど、でもそれと同時に描かれている微笑ましいこととか無垢さとかが、僕はすごく好きなんだよ」と明かしてくれた。さらに、完成した映画を観ての感想を尋ねると「映画としても美しいし、物語も美しいし、だから、ほとんど完璧だね。個人的に本当に驚いたのは、この本が大好きな人はきっと映画も大好きになるだろうなっていうこと。それはすごく稀なことだからね。だから、本当に良かったと思うよ」と絶賛。特に中心人物であるワタナベ(松山ケンイチ)、直子(菊地凛子)、緑(水原希子)の3人について「演技はものすごい迫力があると同時に繊細さも兼ね揃えていて、実に素晴らしかった。特にワタナベ役は演じるのが難しかったはず。映画で思慮深い役柄を見ていると、つまらなくなりがちだけど、彼(松山さん)はあの難しい役を見事に演じていて、あの演技力にはとにかく感心したよ!とにかく完璧だった」と手放しで称賛している。レディオヘッドとして、2007年の「In Rainbows」以来となるニューアルバムの完成が待たれるが、今回のサントラ制作はジョニーにどのような影響を与えたのだろうか?美しくも哀しく響きわたるサウンドにも注目!こちらのオリジナルサウンドトラックは全国のショップにて発売中(税込:2,800円)。映画『ノルウェイの森』は12月11日(土)より全国東宝系にて公開。※オリジナルサウンドトラックには主題歌「ノルウェーの森」(ザ・ビートルズ)は収録されません。■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:『ノルウェイの森』ポスターに松山ケンイチのラブシーン!愛と涙の公募コピーも発表高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化森三中・黒沢と“夫婦”役の松山ケンイチ小雪との結婚の質問には…松山ケンイチ&瑛太が初共演コメディで“鉄ちゃん”コンビ結成!「運命的な感じ」『ノルウェイの森』に糸井重里、YMO細野晴臣&高橋幸宏が出演坂本龍一は凛子絶賛
2010年11月16日松嶋菜々子と韓国俳優ソン・スンホンがW主演する映画『ゴースト もういちどだきしめたい』がアジア計5か国で公開されることが11月13日(土)、東京・有楽町の丸の内ピカデリー1で行われた初日舞台挨拶で発表された。パトリック・スウェイジとデミ・ムーア出演で世界的ヒットを飛ばしたラブ・ファンタジー『ゴースト/ニューヨークの幻』の舞台を日本に置き換えたアジア版。韓国では今月25日から公開されるが、新たに台湾、タイ、シンガポール、香港での公開が決定した(時期は未定)。韓国では大手配給が会社CJエンタテインメントの配給で、邦画としては最大規模の約100スクリーンで公開され、初日はスンホンが舞台挨拶に立ち、松嶋さんは訪韓しない予定。これまで100スクリーン規模で公開された邦画は『デス・ノート』、『日本沈没』などがある。初監督を務めた大谷太郎監督は「松嶋さん、ソンさん2人のラブストーリーがアジアに広がることになり、すごく嬉しい、ありがとうございます」と素直に喜び、「あと運天さん(※劇中で樹木希林さんが演じる霊媒師)が広がるのも嬉しい」とキャスト陣と会場の笑いを誘った。挨拶では、松嶋さんが「(劇中で)ムーミンの絵を描いたら、いろんな人に『菜々ちゃんヘタ?』と言われるんですけど、あれは設定なので」と苦笑いで弁解。共演の鈴木砂羽は「松嶋さんのムーミンは結構うまいです」とかばっていた。一方、スンホンは、日本映画初出演の経緯を改めてふり返り「最初は言葉の壁がかなり心配でしたが、人が人と出会い、愛の体験を交わすのは言葉ではないと思いました。とてもいい経験ができていま、とても幸せ」とはにかんだ。満場の女性ファンの大声援に終始、笑顔で応え、退場時には突然、熱狂的な女性ファンから舞台上にプレゼントがポーンと投げ込まれて足元に落ちたが動じることなく拾い上げ、朗らかな笑みを浮かべていた。ほかに樹木希林、子役の芦田愛菜が出席した。映画『ゴーストもういちど抱きしめたい』は全国にて公開中。シネマカフェSweet「『ゴースト もういちど抱きしめたい』特集 時を超えて愛されるストーリー」■関連作品:ゴースト もういちど抱きしめたい 2010年11月13日より全国にて公開© 2010「ゴ−スト」製作委員会■関連記事:アジア版『ゴースト』に7割以上の観客「泣けた」アジア版ならではの場面がツボ?松嶋菜々子、ミッドタウンのクリスマスイルミネーションに「ストーリー性あって素敵」日本でリメイクしてほしい作品を投票!『ゴースト』パンフレット&雪肌精を2名様にプレゼント松嶋菜々子インタビュー「しばらくラブストーリーをやっていなかったので…」森三中・黒沢と“夫婦”役の松山ケンイチ小雪との結婚の質問には…
2010年11月13日村上春樹の同名人気小説を映画化した『ノルウェイの森』の、ラブシーンを取り入れた新たなポスタービジュアルと「涙は涸れても、愛は枯れない」という一般公募によるコピーが発表された。自殺した高校時代の親友の恋人だった直子と、大学で出会った緑という2人の全く異なる女性の間で揺れ動くワタナベの姿を通じて、青春時代における葛藤や喪失、愛すること、生きることの意義を静かに描き出した本作。『青いパパイヤの香り』、『シクロ』など、その色彩、映像の美しさで日本にもファンの多いトラン・アン・ユン監督がメガホンを握るだけに、どのような映像世界が展開されるのかと期待が高まるが、ポスタービジュアルからもその世界観の一端が明らかに!今回新たに公開されたポスターは2種類。原作小説の装丁と同じ印象的な赤と緑のものと、もう一つは森を背景に、松山ケンイチ演じるワタナベのラブシーンをイメージさせるデザインのもので、後者は書店で使用される予定となっている。赤と緑のポスターに刻まれているコピーは、一般からの応募から選ばれた言葉。3,000を超える応募の中から大賞に選ばれたのは、大阪在住の名引佑季さんが投稿した「涙は涸れても、愛は枯れない」というコピー。ちなみにこちらのキャンペーンでは、反響の大きさから急遽、電通のCMプランナーでソフトバンクモバイルの「ホワイト家族24 予想外な家族」などのCMを手掛けた澤本嘉光氏も審査員として参加することになり、白熱した審査の結果、今回の大賞が決定した。東宝宣伝部の菊地裕介氏は「“涙”という文字が感動を、“枯れる”という文が森を連想させて、なおかつ映画の持つ深さもうまく表現している」と称賛のコメント。なお、このコピーに加え、ポスターの背景には、宣伝部に届いたほかのコピーがうっすらとプリントされている。また、今回寄せられたコピーに優秀なものが多いことから、急遽、予定外の特別賞、審査員特別賞が追加され、東京都在住の日野原良行さんが投稿した「愛は、どんな森よりも深い」が特別賞を受賞。こちらは、先述の松山さんの写った書店用ポスターに起用されている。また、澤本氏が絶賛したという「どうにもならない。」を投稿した高知県在住の小原麻衣さんが審査員特別賞に選ばれた。澤本氏は審査を終えて「個人的には上手なコピーよりは、映画的ではなくても強いコピーが好きなので審査員特別賞を作っていただきましたが、大賞も、特別賞も、映画の内容をうまく想像させるとても良いものだと思っています」との論評を寄せている。なお、11月23日(火・祝)には映画の舞台となった早稲田大学で、ジャパン・プレミアが開催されることが決定しており、この場で一般の観客向けに初めて本作が披露されることになる。『ノルウェイの森』は12月11日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:高良健吾、今度は鈴木杏とW主演!中上健次の最後の長編『軽蔑』が映画化森三中・黒沢と“夫婦”役の松山ケンイチ小雪との結婚の質問には…松山ケンイチ&瑛太が初共演コメディで“鉄ちゃん”コンビ結成!「運命的な感じ」『ノルウェイの森』に糸井重里、YMO細野晴臣&高橋幸宏が出演坂本龍一は凛子絶賛『ノルウェイの森』の撮影が行われたレストランで“赤”と“緑”の特別メニュー誕生
2010年11月12日1990年に日本でも公開された『ゴースト/ニューヨークの幻』を、松嶋菜々子、ソン・スンホンを主演に迎え、アジア版として生まれ変わらせた『ゴーストもういちど抱きしめたい』。オリジナル版公開当時、事故で命を失った主人公がゴーストとなって恋人を守ろうとする純愛ストーリーに多くの観客が涙し、一躍“泣ける”映画の定番に。今回のアジア版の物語の大筋はオリジナルと変わりないが、“ゴースト”になるのが男性ではなく、ヒロインの方という大胆な設定変更もなされている。シネマカフェでは先日、女性限定で独占試写会を開催し、上映後にアンケートを実施。そこには予想外の(?)評価、感想が…。来場した観客の中で、すでにオリジナル版を観たことがある人は全体のおよそ8割。さすが全世界でヒットしただけのことはあるが、そうなると当然のことながらストーリー展開はすでに承知ということになる。その上で、「今回の『ゴーストもういちど抱きしめたい』を観て泣けましたか?」と尋ねると実に75%以上の人が「泣けた」と回答。あらかじめ物語の内容を知っており、それが世界的な名作となるとリメイク版を観て涙するところまではいかないのでは?…と思いきや驚きの調査結果が!「誰かを愛することの大切さを感じました。大切な人ともう一度観たい」(30代・女性)、「純愛 切ない 良かった」(20代・女性)と純愛に対して感動の声が多数寄せられた。何としてでも想いを伝えようとする七海(松嶋さん)と、彼女を失った後も変わらず愛し続けるジュノ(スンホン)――相手を想い合う2人の一途な姿に共感したという人が多かったよう。「ストーリーをすでに知っているから泣けない」のではなく、よく知っている“鉄板”のラブストーリーだからこそ泣ける、と女性から強く支持されたと言えるのかも。先述の男女逆転の設定を含め、オリジナル版、アジア版の間で異なる部分もあるが、「ハリウッド版とは違う部分も違和感なく良かった」(女性・30代)、「オリジナルのままのリメイクではなく、ストーリーのアレンジがあって“リメイク作品”というよりも“新作”として楽しめた」(20代・女性)など、違いを肯定的に捉える声も多く寄せられた。オリジナル版の屈指の名シーンとして、ろくろのシーンを思い浮かべる人も少なくはないはず。アジア版にもこのシーンが描かれていることは、先日開催された完成披露試写会の場で明らかになっているが、どのようにアレンジされているのかなど、オリジナルと比較しつつも堪能できるのもリメイク作の醍醐味であると言える。ちなみに「泣けた」と回答した人に、特にどのシーンで泣けたかを聞いたところ、およそ6割の人が同一の“あるシーン”を挙げていた。そのシーンは実は、今回のアジア版のみで描かれているシーン。数々の“泣きポイント”がある中で、最も強く観る者の心を打ったシーンが今回の新作ならではの場面というのは興味深いところであり、本作の完成度の高さを示す一つの証と言えるかも。どのシーンかは劇場でチェック!映画『ゴーストもういちど抱きしめたい』は11月13日(土)より全国にて公開。シネマカフェSweet「『ゴースト もういちど抱きしめたい』特集 時を超えて愛されるストーリー」■関連作品:ゴースト もういちど抱きしめたい 2010年11月13日より全国にて公開© 2010「ゴ−スト」製作委員会■関連記事:松嶋菜々子、ミッドタウンのクリスマスイルミネーションに「ストーリー性あって素敵」日本でリメイクしてほしい作品を投票!『ゴースト』パンフレット&雪肌精を2名様にプレゼント松嶋菜々子インタビュー「しばらくラブストーリーをやっていなかったので…」森三中・黒沢と“夫婦”役の松山ケンイチ小雪との結婚の質問には…平井堅が死んじゃう?新曲「アイシテル」映像は涙必至特注サイズの棺桶から熱唱
2010年11月12日誰もが知る、ハリウッドの名作ラブストーリー『ゴーストニューヨークの幻』。その公開から20年の歳月を経て、本作『ゴースト もういちど抱きしめたい』はそのアジア版として製作された。“ゴースト”になるのは男性ではなく、ヒロインの方という大胆な設定変更はもちろん、物語を引っ張るふたり――松嶋菜々子、ソン・スンホン――というアジア版ならではの、ワールドワイドなカップリングも話題のひとつとなっている。「最初にお話をいただいたときは、あの『ゴースト』をやるの!?ってやっぱり驚きました。けれど、いまこのタイミングでこの作品のオファーが私のところに来たのは、何かの縁かなって。だから、たとえ自分が“無理!”だと感じても、できないではなく、考え方を変えれば、何かまた新しい表現ができるんじゃないかと思えたんです」。穏やかでふんわりした語り口。相変わらずスレンダーなスタイルと、美しい肌は、とても37歳とは思えない瑞々しさだが「しばらくラブストーリーをやっていなかったので…。すぐにイメージが湧かなかった」と意外な告白も。「30代半ばを過ぎた女性が新しく恋をして、どこまで自分をさらけだせるのか。そのサジ加減が難しかったですね。若い頃のように探り合うわけでもなく、逆にストレートな表現がしたいと思って演じていました。主人公の七海は大企業の社長なんですが、守るものがたくさんあるし、仕事があるのだから、男性に左右されてはいけない…そう思っているうちに、いつの間にか恋に臆病になっているような女性。七海じゃなくても、もし、ジュノのような、愛情表現がストレートな男性…しかも自分の知らない世界の魅力を教えてくれるような人に出会ったら、多分ほとんどの女性がクラッときちゃうと思いますよ(笑)。なので、そこは七海の気分になって、浸って観てもらいたいです」。撮影現場でも監督(大谷太郎)を交えた3人で、時に冗談を飛ばすスンホンさんと、にこやかに談笑していた松嶋さん。そこには美男美女なふたりだから…というだけではない、言葉の壁をも超えた温かな空気が流れていた。※松嶋菜々子ロングインタビューをシネマカフェにて掲載中シネマカフェSweet「『ゴースト もういちど抱きしめたい』特集 時を超えて愛されるストーリー」(photo:Toru Hiraiwa/text:Kaoru Endo)■関連作品:ゴースト もういちど抱きしめたい 2010年11月13日より全国にて公開© 2010「ゴ−スト」製作委員会■関連記事:森三中・黒沢と“夫婦”役の松山ケンイチ小雪との結婚の質問には…平井堅が死んじゃう?新曲「アイシテル」映像は涙必至特注サイズの棺桶から熱唱松嶋菜々子アジア版『ゴースト』にろくろシーン「あります」シネマカフェ創刊13周年記念!『ゴースト もういちど抱きしめたい』独占試写会に35組70名様ご招待ソン・スンホン来日ファンミーティングに1万人熱狂!松嶋菜々子からメッセージも
2010年11月08日映画『信さん・炭坑町のセレナーデ』の完成披露試写会が10月28日(木)、東京・港区のスペースFS汐留で行われ、主演の小雪、共演の大竹しのぶ、石田卓也、池松壮亮、平山秀幸監督らが出席した。昭和30年代の福岡の炭坑町を舞台に、小学生の息子・守(池松さん)を持つ母親・美智代(小雪さん)と、美智代に恋心を抱く札付きの少年・信さん(石田さん)をはじめ、もがきながらも懸命に生きる人々の姿を描く物語。2008年9月にオール九州ロケが敢行された。小雪さんは、20歳年下の信さんと“恋仲”となる役どころで、20歳差の恋愛について「いまの年代はいろいろあるんじゃないですか?あると思います」と言いながらも「愛情って経験した思い出の年数で決まるんじゃないかと。愛の形はいろいろで、ひとつの解釈はできないと思う」と大人の女性らしい考え。以前、映画『ラスト サムライ』で母親役をこなしているものの現代劇では初めてで「九州は自然が豊か。子供を育てるとか、幼少期を過ごすには素晴らしい場所だと思いました。好きになりました」と報告しつつ、母性をうかがわせた。大竹さんは20歳差の恋愛に「全然OK、いくつまでも大丈夫です」と即答。石田さんは「クランクインの日に風邪を引いていたら、小雪さんが風邪薬をくれた。もう美智代さんでした。幸せでした」と小雪さんに惚れ惚れだった。一方、小雪さんは、プライベートで俳優・松山ケンイチとの交際が報じられているだけに、結婚について報道陣から突っ込まれ「したくなった?」、「予定は?」との質問には「分からない」、「考えていない」。だが「交際は順調?」との問いに「はい、ありがとうございます」と満面の笑み。「年内にいいお話は?」と再び聞かれると「どうだろう?」と、はぐらかせていた。映画『信さん・炭坑町のセレナーデ』は11月27日(土)より新宿ミラノ、銀座シネパトスほか全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:信さん・炭坑町のセレナーデ 2010年11月27日より新宿ミラノ、銀座シネパトスほか全国にて公開© 「信さん・炭坑町のセレナーデ」製作委員会■関連記事:ゲスト来場!『信さん・炭坑町のセレナーデ』試写会に50組100名様ご招待ケイト・ブランシェットに小雪、カリーナ・ラウら「SK-II」30周年で美の競演!小雪、石田卓也と20歳差の恋愛に挑戦『信さん』福岡で快調撮影中!
2010年10月28日俳優、松山ケンイチとお笑いトリオ・森三中の黒沢かずこが「スカパー!」CMキャラクターに抜擢され、新婚夫婦役で初共演することになり10月28日(木)、東京・THE GRAND HALL品川で行われた発表会見に出席した。2人が結婚を機にスカパー!ユーザーとなる新婚夫婦を演じるシリーズCMで、上映された第1弾「宣言・披露宴」篇は披露宴で泣きじゃくる新婦(黒沢さん)を新郎(松山さん)が笑顔で見守る内容。披露宴風のセットにスーツ姿で登場した松山さんは「夫婦役はやったことがなかったけど、黒沢さんの天真爛漫なキャラを見ているだけで幸せになれたので、苦労したことはない」と楽しんだ様子。すかさず黒沢さんが「普段、11歳だと思って生活しているので」と言葉をはさむと、松山さんは「11歳らしさは感じましたが、受け止めず流しているところもあり、そこに信頼し合っている様子が出ていて、いいCMになっています」と上手くPRした。黒沢さんは冒頭から「妻の黒沢です。ヤバイ、最初にこのお話を聞いて、ヤバイ、松ケン見れんの?いままで結婚しなくて良かったと思いました」とハシャぎ気味。「TVや映画で見てクールなんじゃないかと思っていたら、超、超親しみやすかったです。(お笑いコンビの)カラテカの入江さんくらい緊張しなかった」と嬉しそうに語った。初共演してみての互いの感想を、松山さんは「声がかわいらしく特徴がある」、黒沢さんは「友人の椿鬼奴が、藤井隆と顔立ちが似ていると言っていたんですけど、そんなことねえよ!と思った」と会場の笑いを誘った。“結婚”を描いたCMだけに、松山さんは退場時、以前より報じられている女優の小雪との熱愛について「新婦姿は近く見られそう?」、「交際は順調?」などと取材陣から声掛けされていたが、無言で照れたようにお辞儀をし、足早に立ち去った。こちらのCMは10月30日(土)から全国でオンエア。(photo/text:Yoko Saito)「スカパ−!」公式サイト:■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョンGANTZ 2011年1月29日より全国東宝系にて公開© 2011「GANTZ」FILM PARTNERSマイ・バック・ページ 2011年、全国にて公開僕達急行 A列車で行こう 2011年秋、全国にて公開予定© 2011『僕達急行』製作委員会クロサワ映画 2010年8月1日よりヨシモト∞ホール、神保町花月、ヨシモト∞ホールOSAKAにて、10月9日より新宿バルト9、横浜ブルク13、梅田ブルク7、T・ジョイ京都ほかにて順次公開© 吉本興行/フジテレビジョンゴースト もういちど抱きしめたい 2010年11月13日より全国にて公開© 2010「ゴ−スト」製作委員会■関連記事:平井堅が死んじゃう?新曲「アイシテル」映像は涙必至特注サイズの棺桶から熱唱松山ケンイチ&瑛太が初共演コメディで“鉄ちゃん”コンビ結成!「運命的な感じ」『ノルウェイの森』に糸井重里、YMO細野晴臣&高橋幸宏が出演坂本龍一は凛子絶賛『ノルウェイの森』の撮影が行われたレストランで“赤”と“緑”の特別メニュー誕生松嶋菜々子アジア版『ゴースト』にろくろシーン「あります」
2010年10月28日松山ケンイチと瑛太という絶大な人気を誇る若手実力派の2人が、森田芳光監督作『僕達急行 A列車で行こう』で共演し、“鉄ちゃん(※鉄道ファン)”を演じることが明らかになった。本作は森田監督のオリジナル脚本によるコメディ。仕事も性格も違うが“鉄道好き”という共通の趣味を持つ小町(松山さん)と小玉(瑛太さん)が、ひょんなことから九州を鉄道で巡る旅をすることになる。2人がユル〜い旅を通じて友情を深め合う姿や、その深い“鉄道愛”が思わぬ騒動を巻き起こし、なぜか思いがけず幸せまでも呼び込んでいく様子が描き出される。松山さん、瑛太さん、森田監督。互いに一緒に仕事をすることを熱望していた3人の奇跡のトライアングルが実現!すでに9月6日から23日までで九州での撮影が行われ、鉄道社内での撮影は九州パートだけで12時間におよんだという。さらにその後、9月26日から先日10月19日まで東京での撮影が行われていた。今回の発表に際し、3人のコメントが到着。大手企業に勤めるマイペース男子の小町を演じる松山さんは「森田監督は演出がすごくユニークで、実際に(監督が)演技して見せていただけるんですが、そのお芝居が誰よりも面白いんです。今回、ガッツリ瑛太さんと共演ということで、お会いしてみると、ただ笑ってるだけなのに、その佇まいには不思議とおかしさというか、変わった魅力がありました。映画の役柄(小町と小玉)と同じで、瑛太さんとの間には感覚的に引き合うような、運命的な感じがありましたね」とコメント。一方の瑛太さんが演じる小玉は、実家の鉄工所で働いているが、銀行から融資を断られて経営危機の状態。おまけに見合い相手からがお断りの連絡が入り、傷心を抱えて小町のいる九州へとローカル線で向かう。瑛太さんは「今回、森田監督で松山さんが共演というお話をいただいて、『絶対やりたい』と思いました。現場に行くというよりも、松山さんに会いに行くという感じで楽しんでます。会っていろいろ話してみても、お互い同じ趣味があるというわけではないのですが、2人で黙って座っているだけの待ち時間でも、何だか心地良い雰囲気になるんです」とこちらも相性の良さを明かしてくれた。森田監督はこの2人をキャスティングした理由を「2人とも非常に真面目で、そんな2人が共通の深い趣味を持って知り合えばとんでもない行動をするのではないかと感じました。恋とか仕事に対しては少し不器用でも、趣味が同じ同士だとすぐ打ち解けられますし、趣味に向かうということはピュアで純粋なこと。その『何かに対して純粋に向かう』ということで生まれるおかしみや親しみを描くにはこの2人だ、と思いました」と説明。さらに「一番の売りはコメディ」と語っており「主役の2人に代表されるような、若い人で旅好き、そして恋愛好きでも良いですし、なんかこう、まずは笑う映画っていうことでみんなで笑いたいと。そこで、なんか旅してる気分になるねってことです」と笑いの部分をアピールし、「また、これをシリーズとして作れたらいいなと思ってます。色々な場所にも行ってみたいし、主役の2人にもまた違う恋人が出来たらおもしろいと思います」とも!“恋人”という気になるフレーズも出てきたが、松山さんと瑛太さん以外に、小町の恋人のOL・あずさ役に貫地谷しほり。小町が勤める“のぞみ地所”の社長・北斗に松坂慶子、小玉の父親・哲夫を笹野高史、そして小町と小玉が旅の途中で出会う、ソニックフーズの社長の筑後をピエール瀧が演じる。と、ここまでで、鋭い人なら登場人物の名前など、固有名詞に鉄道にまつわる名前が使われていることに気づいたのでは?森田監督曰く「これほどたくさんの電車が登場するのは間違いなく“日本映画史上初”でしょ」。そして、松山さんと瑛太さんは劇中、どんな“鉄道談義”に花を咲かせるのか――?来春には九州新幹線が全線開通し“アジアの玄関口”として熱い期待と注目を集める九州を舞台に展開する、鉄道ファンならずとも楽しみな『僕達急行 A列車で行こう』。完成は2011年2月上旬を予定。その後、2011年秋、全国にて公開。■関連作品:GANTZ 2011年1月29日より全国東宝系にて公開© 2011「GANTZ」FILM PARTNERSノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン僕達急行 A列車で行こう 2011年秋、全国にて公開予定© 2011『僕達急行』製作委員会■関連記事:『ノルウェイの森』に糸井重里、YMO細野晴臣&高橋幸宏が出演坂本龍一は凛子絶賛『ノルウェイの森』の撮影が行われたレストランで“赤”と“緑”の特別メニュー誕生村上春樹ベストセラー小説『ノルウェイの森』劇場鑑賞券を5組10名様プレゼント『ノルウェイの森』キャッチコピーを公募!前売特典は原作の世界観を再現した…今年は村上春樹イヤー?「パン屋再襲撃」がキルステン・ダンスト出演で映画化!
2010年10月21日村上春樹のベストセラーを映画化した『ノルウェイの森』に、コピーライター、エッセイストなど多方面で活躍する糸井重里、日本のテクノ音楽の草分け的存在である「YMO」のメンバー、細野晴臣と高橋幸宏が出演していることが明らかになった。糸井さんが主催するウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」上のニュースで明らかにされたもので、糸井さんは早稲田大学の教授の役を演じており、実際の撮影も早稲田大学で行われたとのこと。糸井さんは1948年生まれで細野さんが1947年、そして高橋さんは1952年生まれということで、1960年代後半から70年代にかけて10代後半から20代の青春時代を過ごしており、映画の主人公・ワタナベ(松山ケンイチ)、そして原作者の村上さん(1949年生まれ)と同世代。糸井さんは今回の出演について「ある時代を知っていて、ある時代に移行していった人、つまり、細野さんや幸宏さんやぼくがアイコンとして映画に登場するのは、おもしろかったですね。学生時代に自分が触れてきたような“あのときの教授”を将来演じるなんてことは当時は思いもよりませんでした。学生の側にいたはずの、“恋愛をしていたか、デモをしていたか”という人間を、ギリシャ悲劇を語る人にさせる。ちょっとした入れ子構造になっています」と語っている。細野さんはレコード店の店長、高橋さんは菊地凛子が演じる直子が療養のために暮らしている「阿美寮」の門番を演じているという。劇中の時代に登場人物たちと同様に青春を過ごし、原作が発表された80年代から第一線で活躍してきた著名人が本作に参加しているというのは興味深いところ。つい先ごろより放送されているポッキーのCMにYMOの3人が揃って出演して話題を呼んでいるが、YMOのもうひとりのメンバーである坂本龍一は残念ながら映画には出演していない模様…。だが、完成した映画はすでに鑑賞しているようで、自身のTwitterで「菊地凛子の直子はすごいです!」と興奮気味にツイートしている。坂本さんももちろん、糸井さん、高橋さんらと同世代。余談だが、原作が刊行された1987年は坂本さんが出演し、かつ音楽を担当してアカデミー賞作曲賞を受賞した映画『ラストエンペラー』が製作、公開された年(※日本では翌年公開)でもあり、ここにも興味深い一致が…。主演の松山ケンイチをはじめとする若き才能と時代を築いた熟年のカリスマたちがスクリーンの中でどのようなやり取りを見せるのかも楽しみだ。『ノルウェイの森』は12月11日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:『ノルウェイの森』の撮影が行われたレストランで“赤”と“緑”の特別メニュー誕生村上春樹ベストセラー小説『ノルウェイの森』劇場鑑賞券を5組10名様プレゼント『ノルウェイの森』キャッチコピーを公募!前売特典は原作の世界観を再現した…今年は村上春樹イヤー?「パン屋再襲撃」がキルステン・ダンスト出演で映画化!金獅子賞はソフィア・コッポラ作品!“元カレ”タランティーノ感激?日本勢は無冠
2010年10月19日村上春樹の大ベストセラーを実写化した『ノルウェイの森』の公開を記念し、映画の撮影で実際に使用された高級フランス料理店で、映画と原作小説をイメージした“赤”と“緑”のスペシャルコースメニューが提供されることになった。本作は1987年に刊行された村上さんの代表作の映画化したもので、松山ケンイチ、菊地凛子らが出演。自殺してしまった親友の恋人だった直子と同じ大学に通う天真爛漫な女の子・緑の2人の間で揺れる主人公の青春、喪失と再生が瑞々しく描き出される。原作ファンにとってもおなじみのワンシーンで、主人公のワタナベ(松山さん)が、寮の先輩で親しくしている永沢(玉山鉄二)とその恋人と共に、高級フランス料理店で食事をするという場面がある。映画でこのシーンの撮影が行われたのが、東京・西麻布にあるフレンチレストラン「オーベルジュ・ド・リル トーキョー」。これをきっかけに同店と名古屋にある「オーベルジュ・ド・リル ナゴヤ」にて、映画の公開と同日の12月11日(土)よりスペシャルメニューが展開されることに。原作小説の装丁が赤と緑で刊行当時、その画期的なデザインが大きな話題を呼んだが、これに合わせて“赤”のコース(10,000円)と“緑”のコース(18,000円)の2種類が用意されることになった。映画の余韻に浸り、登場人物になったつもりで料理を楽しんでみるのもいいかも。スペシャルコースはクリスマスの特別期間を除いて、12月11日(土)から1月末日まで提供される。つい先日発表されたノーベル文学賞では、村上さんは有力候補として名が挙がっていながらも、残念ながら受賞はならなかったが、そもそも受賞を逃したことがこれだけ大きく報じられること、毎年のように候補として名が挙がることが、その偉大さを物語っているというもの。そんな村上さんの代表作の映画化作品とあって、今後、12月の公開まで、まだまだ盛り上がりを見せそうだ。『ノルウェイの森』は12月11日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:村上春樹ベストセラー小説『ノルウェイの森』劇場鑑賞券を5組10名様プレゼント『ノルウェイの森』キャッチコピーを公募!前売特典は原作の世界観を再現した…今年は村上春樹イヤー?「パン屋再襲撃」がキルステン・ダンスト出演で映画化!金獅子賞はソフィア・コッポラ作品!“元カレ”タランティーノ感激?日本勢は無冠村上春樹原作『神の子どもたちはみな踊る』ポスタービジュアル解禁!
2010年10月16日日本国内の小説累計発行部数歴代1位(1,031万部/2010年9月時点)を誇る、村上春樹による大ベストセラーを映画化した『ノルウェイの森』で、ポスター用のキャッチコピーを公募するという新たな試みが始まり話題を呼んでいる。“コトバの森キャンペーン”と名づけられたこの企画。先述の通り、本作の次期ポスターに使用されるキャッチコピーを広く一般から応募するというもので、配給を手がける東宝・宣伝部は「今のポスターには『深く愛すること。強く生きること。』というキャッチコピーが入っています。これは『ノルウェイの森』で描かれている、大切な誰かを愛していくことの深さと、そしてその愛した誰かと生きていくことの強さを、ワタナベ(松山ケンイチ)の人生のモットーのようにシンプルにコトバにしてみたものです。『ノルウェイの森』には色々な捉え方があることと思います。読む人によって感想が違えば、同じ人でも読む年齢によって印象が異なったりと、その世界はまさに森のような広がりを持っています。愛と性、生と死、男と女、強さと優しさ、刹那と永遠など様々な要素が茂っている『ノルウェイの森』。是非あなたならではのキャッチコピーをつけて楽しんで下さい。そして、あなたの付けたコトバの入ったポスターで映画館や書店を彩って下さい」とその趣旨について説明し、応募を呼びかけている。見事、キャッチコピーが採用された新ポスターは完成次第、全国の映画館や書店にて掲出され、このキャッチコピーを考案した方(1名)にはタイトルに因んでノルウェーまでのペア往復航空券が贈られる。また、応募者の中から抽選で25組50名が、11月下旬に開催予定の本作のプレミア試写会に招待されるとのこと。締め切りは11月1日(月)。青春の中をもがくワタナベの喪失と再生。静かな、透き通った美しさを放つ直子。ワタナベの大学の同窓生であり、直子とは対照的な激情を秘めた緑。原作、そして劇中の写真や予告編から、あなたならこの物語をどのような視点で見つめ、どのようなコトバを紡ぐ――?また、今週末10月9日(土)より本作の前売鑑賞券(1,300円)が発売されることも決定。注目の前売特典は、原作の世界観を再現したフォトカード(4枚)入りのCDジャケット!CDジャケットは白盤と緑盤の2種類から選択することができる。なお、このフォトカードは劇中の写真と、原作の中の一節や映画の台詞で構成されている。こちらは先着1万人限定となるので要注意。『ノルウェイの森』は12月11日(土)より全国東宝系にて公開。ノルウェイの森 コトバの森キャンペーン■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:今年は村上春樹イヤー?「パン屋再襲撃」がキルステン・ダンスト出演で映画化!金獅子賞はソフィア・コッポラ作品!“元カレ”タランティーノ感激?日本勢は無冠村上春樹原作『神の子どもたちはみな踊る』ポスタービジュアル解禁!菊地凛子インタビュー天衣無縫の旅人――「やっぱり直感なんですよね」『ノルウェイの森』にスタンディング・オベーション松山ケンイチ「確信」得た!
2010年10月05日村上春樹の短編小説「パン屋再襲撃」がキルステン・ダンストをキャストに迎えてショートムービーとして映画化され、10月末に開催されるショートフィルムの特別上映会「フォーカス・オン・アジア」にて上映されることが決まった。今回の催しは、日本発のアジア最大級の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア」と東京国際映画祭の連動企画として東京都写真美術館にて開催されるもの。その中でこの『パン屋再襲撃』がワールド・プレミア上映される。原作は、村上春樹による短編小説で、1986年に刊行された短編小説集の表題作にもなっている。“再襲撃”とあるように、元々、「パン」というタイトルで短編小説集「夢で会いましょう」(冬樹社刊)に収録(※後に文庫化の際に「パン屋襲撃」に改題)された作品の続編にあたり、深夜に耐えがたい空腹に襲われた夫婦が主人公。夫の“僕”はかつてパン屋を襲撃し、失敗した経験があり、妻はその“呪い”を解くべくいま一度、パン屋を襲うべきだと主張し夜更けに2人はタイトルそのままにパン屋再襲撃を目論む。この、少しシュールな展開の短編小説をガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナの出演作『ルドandクルシ』でメガホンを取り、『天国の口、終りの楽園。』の脚本を手がけたメキシコ人監督カルロス・キュアロンが映画化!『スパイダーマン』シリーズ、『マリー・アントワネット』のキルステン・ダンストと『ハート・ロッカー』のブライアン・ジェラティが出演しており、そのビジュアルも到着した。このたび、キュアロン監督の来日も決定!10月31日(日)には、キュアロン監督と本作のプロデューサーを務めたルーカス・アコスキン氏を講師に迎えてショートフィルム制作とメキシコ映画についてのワークショップも開催されることが決定した。今年は村上さんの小説の映画化作品が目白押し!村上さんの代表作である大ベストセラー長編小説を映画化した『ノルウェイの森』に加え、阪神淡路大震災をモチーフに発表された短編小説を、舞台をL.A.に移して海外スタッフ、キャストで映画化した『神の子どもたちはみな踊る』も公開されるなど、映画界に“村上春樹イヤー”到来?ショートフィルムという枠組みで、ちょっとシュールな村上ワールドがどのように映像化されているのか楽しみなところだ。「フォーカス・オン・アジア」は10月28日(木)から31日(日)まで東京都写真美術館にて開催。■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン神の子どもたちはみな踊る 2010年10月30日よりシネマート六本木ほか全国にて順次公開© 2008 Kimmel Distribution, LLC.■関連記事:金獅子賞はソフィア・コッポラ作品!“元カレ”タランティーノ感激?日本勢は無冠村上春樹原作『神の子どもたちはみな踊る』ポスタービジュアル解禁!菊地凛子インタビュー天衣無縫の旅人――「やっぱり直感なんですよね」『ノルウェイの森』にスタンディング・オベーション松山ケンイチ「確信」得た!『ノルウェイの森』に質問続出! 凛子、松山ケンイチと「楽屋にこもって話し合った」
2010年09月29日先日、公開が発表されると共に出演者のソニア・キンスキーの劇中でのヌード挑戦が報じられ、衝撃をもって受け止められた『神の子どもたちはみな踊る』。そのポスタービジュアルが解禁となった。1995年の阪神淡路大震災をモチーフに、自身、兵庫県で育った作家の村上春樹がしたためた連作短編集の表題作を映画化した本作。舞台をアメリカ・ロサンゼルスに移して、“神の子”として育てられた若者が、ある日、目の前に現れた実の父親と思しき男を追いかけ、思いもよらぬ体験をするという物語が展開する。今回、解禁となったポスターには「世界は、変わる。ほんの一瞬で。」とのキャッチコピーが。原作小説と映画の物語が同じなのか異なるのかは不明だが、原作では父親と思しき男を追って、主人公は夜の野球のグラウンドへとたどり着く。このポスターのビジュアルでは、まさに照明に照らされたグラウンドが写っており、その端には座り込んで、頭を垂れる青年の姿が見える。果たして彼の胸中をよぎる思いは――?開催中のヴェネチア国際映画祭では、本作と同じく村上さんの小説を映画化した『ノルウェイの森』が上映され大きな話題を呼んだが、「ノルウェイの森」が80年代の村上さんの著作を代表する長編小説とすれば、「神の子どもたちはみな踊る」は90年代の最後に発表され(※単行本の刊行は2000年)、この時期の村上さんの短編作品の中で最も反響を呼んだ作品のひとつ。舞台を移し、設定を変えてどのような映画に仕上がっているのか?『神の子どもたちはみな踊る』は10月30日(土)よりシネマート六本木ほか全国にて順次公開。■関連作品:神の子どもたちはみな踊る 2010年10月30日よりシネマート六本木ほか全国にて順次公開© 2008 Kimmel Distribution, LLC.ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:菊地凛子インタビュー天衣無縫の旅人――「やっぱり直感なんですよね」『ノルウェイの森』にスタンディング・オベーション松山ケンイチ「確信」得た!『ノルウェイの森』に質問続出! 凛子、松山ケンイチと「楽屋にこもって話し合った」村上春樹原作の“逆輸入”短編映画でナスターシャ・キンスキーの娘がヌード披露ヴェネチア出品決定で松山ケンイチ、役所広司らの喜びのコメント到着!
2010年09月10日「次々と話題作に出演」という言い方はもちろん間違いではない…が、より正確に言うならば彼女が出ている作品とその役柄が、そして何より“菊地凛子”という存在が話題を呼ぶのである。11日(土)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開となる『ナイト・トーキョー・デイ』では、バルセロナ出身で日本でも高い人気を誇る女性監督イザベル・コイシェとタッグを組み、築地の魚河岸で働きつつ、殺し屋としての裏の顔を持つ女・リュウを演じている。世界的な監督が東京を舞台に紡ぎ出した本作で、菊地さんは何を考え、どのような刺激を受けたのか――?実業界のある大物の娘の自殺。父親はその悲劇の責任を彼女のスペイン人の夫に求め、リュウに彼の暗殺を依頼する。だが、こともあろうにリュウは自らのターゲットと知りつつも、そのスペイン人・ダビと恋に落ちてしまう――。“異邦人”コイシェ監督の目を通して、普段、我々が見慣れているはずの“トーキョー”はエキゾチックに、メランコニックに彩られ、全く違う表情を見せる。「イザベルならではの危険で美しい作品に仕上がったな、と思います。すごく野生的で繊細で、官能的で――。彼女は自分でカメラを覗き、演出もするという特殊な監督なんですが、そもそも脚本も、ト書きの説明に至るまで、すごく“詩的”でしたね。だからすごく美しいんですけど、決して説明的ではなくて、意味に関してはお客さんに投げちゃってる。東京の描写にしても、そこにあるのがリアリティである必要はなくて…。例えば、地下鉄の中を足の生えた木が歩くシーンであれ、女体盛りのシーンであれ、ラブホテルの描写にしろ、『実際の日本では…』とか『どうしてこうなるのか?』と言う人はいると思いますが、彼女の視線を通して描くからこそ成立するのが映画であり、そもそも映画自体が虚構みたいなもの。そのミステリアスな部分が面白いんだと思う」。では菊地さんの視線を通して“トーキョー”という街はどう映るのか?「私にとっては慣れ親しみ過ぎてて、すでに“自分の体の中に流れている”ような感覚だから、よく分からないというのが正直なところです。でも、今回の映画を観て感じたのは東京という街の“音”ですね。『MAP OF THE SOUNDS OF TOKYO』というのがこの映画の原題だけど、首都高、商店街、渋谷の交差点とものすごい音にあふれた街なんだっていうことは改めて意識させられましたね」。「リスキーなチャレンジ」であり、「どこかでやらなくてはいけないと思っていた」と彼女が語るのが英語での演技。その難しさをこうふり返る。「どんなに感情を作ってもセリフに感情が伴わなければ台なしになる可能性もある。だから、感情や感受性だけで挑むのではなく、テクニックの部分も強く意識しましたね。イザベルには、英語で話すときに声が高くなりがちで、そこで弱さやかわいらしさが見える、と指摘されました。でもそれは今回の作品には要らないから、もっとローボイスで話してほしい、と。でも低い声だと発音しにくい単語もあって、そこばかり意識すると逆にセリフに感情が乗らなかったり…。それぞれの発音や流れに関してしっかりと定着させた上で、(感情を)開放すべきところは開く、というやり方で。これまで、少し英語を話す作品はありましたが、どこかでしっかりとやらないとまた避けてしまい、新しいことが入ってこなくなると思って臨みました」。最初に作品について彼女が言った「野生的」、「繊細」そして「官能的」という言葉はそのまま彼女が演じたリュウそのものである。どのようにキャラクターをつかんだのか?という質問に対し、コイシェ監督の現場でのスタイルを挙げてこう説明する。「彼女の現場はリハーサルは多くて3回。だから徐々に(気持ちを)作るという工程は取れないんですよ。だから、最初から持っていかなくちゃいけないんだけど、そうすると逆にストップが効かなくなることもあって、集中して入り過ぎて涙が止まらなくなってイザベルやスタッフに『凛子、これ映画だから』って言われてハッとなったり。変に酔っちゃうんですけど、それが彼女のテクニックなんじゃないかと思います。映像に関しては詩的なものを撮ろうとする人なのに、俳優に対してはすごく動物的なアプローチをさせる。ある意味、すごくバランス感覚を持った監督ですし、そういうやり方をする人はいままで会ったことがなかったです」。“動物的”という部分は、「菊地凛子」という女優へのアプローチとして最適の方法と言えるのでは?「そうかもしれない(笑)。多分、最初は直感で(役に)入っていくんですね。今回、暗殺者を演じるに当たって、自分ならどういう状況に至れば人を殺すか?とか考えたり、心理についての本を読んだりもしました。こういう取材で言葉で説明し、伝えることに手馴れてきたな、とも思いますが(笑)、でもやっぱり直感なんですよね。これ、説明するのは本当に難しいんですけど(苦笑)」。今回のコイシェ監督にアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(『バベル』)、トラン・アン・ユン(『ノルウェイの森』)など、世界的な監督と組んで、他の者には真似できないキャラクターを作り上げてきた菊地さん。彼女自身は「“海外の監督”とか“邦画”といった分け方は好きじゃない」と前置きした上で、今後についてはこんな言葉を。「どんな監督ともやってみたいですね。大事なのは監督が役者を信用して、挑戦させてくれること。メキシコ人にスペイン人、アメリカ人、フランス人とこれまで一緒にやってきて、いろんな国の文化を知れたというのもすごく面白かった。決して日本映画を無視しているわけではないので、お話があればやらせていただきたいですし、インド人とかイタリア人とかとも一緒に映画作ってみたいですね」。天衣無縫――。東京で、地球の裏側で、彼女が誰と一緒に何を作ろうがもはや驚くまい。確かなことは彼女が常に挑戦し続けるということである。■関連作品:ナイト・トーキョー・デイ 2010年9月11日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 2009 MEDIAPRODUCCION, S.L. / VERSATIL CINEMA, S.L.ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:村上春樹原作『神の子どもたちはみな踊る』ポスタービジュアル解禁!『ノルウェイの森』にスタンディング・オベーション松山ケンイチ「確信」得た!『ノルウェイの森』に質問続出! 凛子、松山ケンイチと「楽屋にこもって話し合った」村上春樹原作の“逆輸入”短編映画でナスターシャ・キンスキーの娘がヌード披露今度の菊地凛子は殺し屋!『ナイト・トーキョー・デイ』試写会に5組10名様ご招待
2010年09月10日ヴェネチア国際映画祭9日目となる9月9日午後(現地時間)、金獅子賞を争うコンペティション部門に三池崇史監督の『十三人の刺客』がついに登場。公式上映に先立ち、記者会見が行われ、三池監督、役所広司、山田孝之、プロデューサーのジェレミー・トーマスが出席し、各国の記者から盛んに質問が飛んだ。日本の芸能界に詳しい台湾の記者からは、「優しいイメージのあるSMAPの稲垣吾郎さんに、悪役を演じさせたのはなぜですか?」という質問が。三池監督はまず欧米の記者たちに対し「殿を演じた稲垣吾郎さんは、日本ではアイドルなんです。日本ではアイドルは悪い役は普通やらないものなので、(台湾の記者は)まさかと思ったのでしょう」と説明。続けて「稲垣さんは10年以上もNo.1として君臨しているSMAPの中で、特殊な存在なんです。トップでもないし、けれど重要な位置を占めている。とても屈折した魅力の持ち主なので、この役にぴったりだった。映画では彼の存在感そのものが、活かされていると思います」と語った。また、刺客たちを率いる侍を演じた役所さんは、イタリアの記者から役作りについて聞かれ、「(自分をのぞく)12人が命を預けられるリーダーになることが、今回のテーマでした」と語った。会見前に行われたプレス試写も大好評で、受賞に期待がかかる。ある中国の記者は「最高にクール!傑作だと思う」と興奮気味に語った。クエンティン・タランティーノ、ギジェルモ・アリアガら審査員団が、果たして同じ反応を示すか?11日夜(現地時間)の結果発表が楽しみだ。(photo/text:Ayako Ishizu)■関連作品:十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会第67回ヴェネチア国際映画祭 [映画祭]■関連記事:劇中では赤ジャージのカトリーヌ・ドヌーヴ、華麗なドレスでヴェネチア降臨清水崇が満島ひかり×香川照之×大森南朋で3Dホラー再挑戦!ヴェネチアで一部を上映『ノルウェイの森』に強敵出現ソフィア・コッポラ新作に喝采!現地紙は最高点『ノルウェイの森』にスタンディング・オベーション松山ケンイチ「確信」得た!『ノルウェイの森』に質問続出! 凛子、松山ケンイチと「楽屋にこもって話し合った」
2010年09月10日開催中の第67回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品されている、カトリーヌ・ドヌーヴ主演の『しあわせの雨傘』の記者会見および公式上映が、9月5日(現地時間)夜、開催された。2002年のベルリン国際映画祭で、8人の女優たちに銀熊賞が贈られるという前代未聞の快挙を成し遂げた『8人の女たち』以来となる、フランソワ・オゾン監督とドヌーヴのタッグによる本作。ドヌーヴは、夫が心臓発作で倒れたことで、雨傘工場を切り盛りせねばならなくなったブルジョワ階級の人妻を演じており、朝のジョギングが日課ということで、劇中、赤いジャージ姿も披露している。オゾン監督は「この作品で描いているテーマは『ひとりの主婦が色々と問題を乗り越えて、自分の居場所を見つける』という、とても普遍的で現代に通じるもの。全体的にはコメディ・トーンで描いたが、リアリティもとても重要だと感じていたので、ドヌーヴが演じるキャラクターが観客にとって共感できるものになるように彼女と話し合ったよ。結果、メロドラマ的要素と笑いの要素とが上手く融合した作品に仕上がっていると思う」と自信をのぞかせる。つい先日、“飾りモノ”を意味する『POTICHE(ポティッシュ)』という原題から、『しあわせの雨傘』という邦題が決定したばかりだが、オゾン監督はこの邦題についても「(ドヌーヴが出演した名作)『シェルブールの雨傘』にかけて、『しあわせの雨傘』と決めたそうだけど、これを私はとても気に入っている。とてもポエティックで美しいタイトルだと思う」と機嫌よく答えた。ドヌーヴは「若いときに何をしたいか分からなかったり、自分が思っているのと違った形で人から受け取られたりもしたけど、これまで自分が“POTICHE=飾りモノ”という存在だったことはないと思う。でも、いまだに男女平等かと聞かれると、そうじゃない部分が多いから、女性の地位向上のために協力していきたいと思う。私は自分のことをコメディ女優だとは思っていないけど、コミカルな役を演じるのは大好き!気持ちがいいわ。劇中で歌うのも、演技とはまた違った面白さがあって楽しい。この作品で劇中で歌うのが最後の機会にならないことを願うわ(笑)」と笑顔で語った。先述のように劇中では微妙な赤ジャージ姿のドヌーヴだが、この日の会見では別人のような真っ白なワンピース、さらにレッドカーペットではゴージャスなドレープの黒いドレスをまとい、大女優の貫禄を見せつけた。『シェルブールの雨傘』を彷彿とさせる色とりどりの傘、そして涙あり笑いありの人生賛歌に観客の反応は上々のよう。日本から出品されている『ノルウェイの森』、『十三人の刺客』にとっては、現地で高評価の『SOMEWHWRE』(原題)に続き、また強力なライバルが増えたと言えそう。『しあわせの雨傘』は日本では正月第2弾でTOHOシネマズ シャンテ、新宿ピカデリーほか全国にて順次公開。■関連作品:しあわせの雨傘 2011年正月第2弾TOHOシネマズ シャンテ、新宿ピカデリーほか全国順次公開© Mandarin Cinema 2010第67回ヴェネチア国際映画祭 [映画祭]■関連記事:清水崇が満島ひかり×香川照之×大森南朋で3Dホラー再挑戦!ヴェネチアで一部を上映『ノルウェイの森』に強敵出現ソフィア・コッポラ新作に喝采!現地紙は最高点『ノルウェイの森』にスタンディング・オベーション松山ケンイチ「確信」得た!『ノルウェイの森』に質問続出! 凛子、松山ケンイチと「楽屋にこもって話し合った」ヴェネチア国際映画祭開幕!ナタリー・ポートマン、過激なシーンも「覚悟してたわ」
2010年09月06日清水崇監督が、満島ひかり、香川照之、大森南朋らを起用して最新作となる3D作品『ラビット・ホラー3D』を製作!その一部映像が開催中の第67回ヴェネチア国際映画祭にて上映されることが明らかになった。“3D元年”と言われる2009年、アジア圏初の長編デジタル3D作品となる『戦慄迷宮3DTHE SHOCK LABYRINTH』を世に送り出した清水監督。その功績もあって現在開催中のヴェネチア国際映画祭の「3D映画部門」の審査委員長を務めることが先日発表されたが、このタイミングで3Dによる最新作のニュースが飛びこんできた。主演を務めるのは昨年、各映画賞における新人女優賞を総なめにし、今年に入っても次々と話題作への出演が続く満島ひかりと、言わずと知れた日本映画界を代表する演技派・香川照之。さらに、大森南朋、緒川たまきらが癖のある役どころで登場するという。気になるストーリーだが、物語自体が“3D”をモチーフにしている。流行りの3D映画を鑑賞しているとなぜか突然スクリーンからウサギのぬいぐるみが飛び出してくる。それを受け取ってしまったことから始まる“恐怖”が描かれる。本作では、つい先日パナソニックが出荷を開始したばかりの一体型二眼式3Dカメラレコーダー「AG-3DA1」を使用。そして、作品の映像美を担うカメラマンとして、『恋する惑星』など一連のウォン・カーウァイ作品や『レディ・イン・ザ・ウォーター』に参加し、世界的な名声を集めるクリストファー・ドイルが参加している。本作の撮影は9月8日(水)まで続けられ、その後、清水監督はヴェネチアへと出発。映画祭の「3D映画部門」のセレモニーの場で、本作のフッテージ上映が行われる。なお、このイベントには映画祭の審査委員長を務めるクエンティン・タランティーノ監督も出席するとのこと。清水監督の『呪怨』のファンを公言するタランティーノはどのような感想を漏らすのか――?旬の俳優陣と最高の機材、一流のカメラマンを得て、ジャパニーズ・ホラーの旗手がどのような恐怖を3Dで描き出すのか?注目が集まる。『ラビット・ホラー3D』は2011年公開予定。■関連作品:戦慄迷宮3DTHE SHOCK LABYRINTH 2009年10月17日新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国にて公開© ショック・ラビリンス・フィルム・コミッティ2009第67回ヴェネチア国際映画祭 [映画祭]■関連記事:『ノルウェイの森』に強敵出現ソフィア・コッポラ新作に喝采!現地紙は最高点『ノルウェイの森』にスタンディング・オベーション松山ケンイチ「確信」得た!『ノルウェイの森』に質問続出! 凛子、松山ケンイチと「楽屋にこもって話し合った」ヴェネチア国際映画祭開幕!ナタリー・ポートマン、過激なシーンも「覚悟してたわ」ヴェネチア国際映画祭、「ヴェネチア3Dアワード」審査委員長に清水崇が就任
2010年09月05日9月3日(現地時間)夜、ヴェネチア映画祭のコンペティション部門で、ソフィア・コッポラの新作『SOMEWHERE』(原題)が上映され、大きな喝采を浴びた。『SOMEWHERE』(原題)は、ソフィアの『マリー・アントワネット』以来4年ぶりとなる最新作で、高級ホテルで虚無的な生活をする人気スター、ジョニー・マルコが主人公。別れて暮らす11歳の娘・クレオの訪問で、ジョニーの心が少しずつ変化するさまを、ドライなユーモアを交えて描き出していく。『パブリック・エネミーズ』のスティーヴン・ドーフが、自分の居場所の定まらないセレブを好演し、娘クレオをダコタ・ファニングの妹エル・ファニングが演じる。舞台となるのはハリウッドの伝説的なホテル「シャトーマーモント」。マリリン・モンローからリンジー・ローハンまでセレブのお気に入りとして知られている。『ロスト・イン・トランスレーション』に続いてホテルを舞台にしたことについて、ソフィアは記者会見で「私も子供の頃、父(フランシス・F・コッポラ)の撮影のためしょっちゅうホテル暮らしをしていたから、その頃の経験が生きているわ。クレオがホテルの部屋で料理をするのは、彼女が本物の家を求めていることの象徴ね」と語った。セレブの、そして現代人の孤独を風刺的に描いた本作は、現地新聞の星取表では最高評価を獲得。自分の居るべき場所(somewhere)を見つけられずにいる男を好演したスティーヴン・ドーフの演技賞にも期待がかかる。今回の審査委員長である、ソフィアの元恋人クエンティン・タランティーノが、どのような評価を下すが注目だ。(photo/text:Ayako Ishizu)■関連作品:SOMEWHERE (原題) 2011年4月2日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2010 - Somewhere LLC 第67回ヴェネチア国際映画祭 [映画祭]■関連記事:『ノルウェイの森』にスタンディング・オベーション松山ケンイチ「確信」得た!『ノルウェイの森』に質問続出! 凛子、松山ケンイチと「楽屋にこもって話し合った」ヴェネチア国際映画祭開幕!ナタリー・ポートマン、過激なシーンも「覚悟してたわ」ヴェネチア国際映画祭、「ヴェネチア3Dアワード」審査委員長に清水崇が就任ナタリー・ポートマンがダークサイドに?主演作がヴェネチアでオープニング上映決定
2010年09月04日開催中の第67回ヴェネチア国際映画祭で9月2日(現地時間)夜、コンペティション部門に出品されている『ノルウェイの森』の公式上映が行われた。主演の松山ケンイチに菊地凛子、水原希子、そしてトラン・アン・ユン監督らは、大勢のファンと報道陣が見守る中、レッドカーペットを通り、公式上映が行われるサラ・グランデに入場。イタリアでも広く読まれている村上春樹のベストセラーの映画化とあって、夜の9時半過ぎという時間にもかかわらず、1,016席の会場はほぼ満席。松山さんらは早速、観客のスタンディング・オベーションで迎えられた。上映中、原作でも印象深いワタナベ(松山さん)と緑(水原さん)のやりとりにクスクス笑いが起こることも。そして、エンドロールでビートルズの「ノルウェーの森」が流れると、観客は立ち上がって称賛の拍手。エンディングの途中から場内は明るくなり、そのまま数分にわたって拍手が鳴り響いた。松山さんは「終わってお客さんに拍手していただけて、大成功と感じました。すごく嬉しいし、これから海外でも配給されることを思うと、たくさんの方に観ていただけるだろうなと確信できました。最高の一日となりました。(お客さんの反応は)全然予想とは違いましたね。ヨーロッパの人たちと一緒に観るのは初めてだったので、すごくいい経験をさせてもらいました」と充実した表情で語った。菊地さんも「これまでも映画祭に来る機会は多かったのですが、日本の製作する日本の映画で来たいという願いがあったので、今回、村上春樹さんの原作を、トラン・アン・ユンとキャストのみなさんと作ることができ、このような反応が自分の元に届いてきたのはとても嬉しかったです。これからどうやって広がっていくのかすごく楽しみです」と現地の観客の反応を喜んだ。水原さんは「私は映画に観入ってしまい、自分のシーンでも泣いてしまいそうになり(笑)、正直、映画が終わってみなさんが拍手してくれてホッとしたというか、言葉が何も出てこないというか、感動してボーッとしてしまいました。すごく幸せでした」と感動を素直に口にし、喜びの表情。現地の反応はというと「映像がすごくきれいでよかった。話は重かったが、脚本が気に入った」(20代・女性)、「日本の男女の関係は分からないところもあるが、非常に入り込めた」(30代・女性)、「シニカルなラブストーリーで楽しかった。映像美も含めて入り込めた」(30代・男性)とおおむね高い評価で、特に映像表現に関して称賛の声が多く寄せられているという。映画祭はまだ始まったばかりだが、コンペティションの行方も気になるところ。トラン監督にとっては『シクロ』以来となる2度目の金獅子賞受賞なるか?そして松山さん、菊地さん、水原さんらキャスト陣への評価は?『ノルウェイの森』、日本での公開は12月11日(土)より全国東宝系にて。■関連作品:第67回ヴェネチア国際映画祭 [映画祭]ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン■関連記事:『ノルウェイの森』に質問続出! 凛子、松山ケンイチと「楽屋にこもって話し合った」ヴェネチア国際映画祭開幕!ナタリー・ポートマン、過激なシーンも「覚悟してたわ」村上春樹原作の“逆輸入”短編映画でナスターシャ・キンスキーの娘がヌード披露ヴェネチア国際映画祭、「ヴェネチア3Dアワード」審査委員長に清水崇が就任ナタリー・ポートマンがダークサイドに?主演作がヴェネチアでオープニング上映決定
2010年09月03日9月2日(現地時間)昼、第67回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション出品作『ノルウェイの森』の公式記者会見が行われ、松山ケンイチ、菊地凛子、水原季子、監督のトラン・アン・ユンらが出席した。世界中で読まれている村上春樹のベストセラー小説の映画化であり、各国の記者たちから熱心な質問が矢継ぎ早に飛んだ。原作ではリアルに書かれていたワタナベ(松山さん)と、直子(菊地さん)の性描写が、詩的な表現になっているのはどうしてか?という質問に対して監督は「具体的に描くよりも、キャラクターの表情に焦点を当てたかった。特に最初にワタナベと直子が関係を持つシーンは大切なので」と説明。 また、香港の演技派トニー・レオンが20年後のワタナベを演じるといううわさがあったことに関しては、「トニー・レオンの起用を考えていたのは事実。だが、村上さんから許可を得られなかった」と認めた。香港の記者から、セックスシーンの心の準備をどうしたか?と聞かれた松山さんは「監督からは表情を中心に撮ると事前に説明されていたわけではなかったので、原作通りなら過激だろうと覚悟をしていました。けれど、時間をかけて作り上げることが出来た」と答えた。また菊地さんは「松山さんは、役に対して真摯に向き合う方。(セックスシーンについては)楽屋に2人でこもって、いろいろ話し合いました。気持ちだけではなく、どう見えるべきか、といったテクニカルな話もしました」と語った。プレス試写の反応は、賛否両論。アジア系記者からは好意的意見が聞けたが、ヨーロッパの記者からは厳しい声も。あるイタリアの女性記者は「映像は美しいけれど、セックスについて言葉で語りすぎている」と語っていた。さて、夜の公式上映での反応はいかに?(photo/text:Ayako Ishizu)■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン第67回ヴェネチア国際映画祭 [映画祭]■関連記事:『ノルウェイの森』にスタンディング・オベーション松山ケンイチ「確信」得た!ヴェネチア国際映画祭開幕!ナタリー・ポートマン、過激なシーンも「覚悟してたわ」村上春樹原作の“逆輸入”短編映画でナスターシャ・キンスキーの娘がヌード披露ヴェネチア国際映画祭、「ヴェネチア3Dアワード」審査委員長に清水崇が就任ナタリー・ポートマンがダークサイドに?主演作がヴェネチアでオープニング上映決定
2010年09月03日映画『GANTZ』の製作報告会見が8月5日(木)、帝国ホテルで行われ、W主演の嵐・二宮和也、松山ケンイチ、ヒロインの吉高由里子らが出席した。週刊ヤングジャンプ(集英社刊)で連載中の奥浩哉氏による人気同名漫画を、総製作費40億円を投入し、2部作で映画化したもので、死んだはずの人々が謎の黒い球体・GANTZに召喚され、ねぎ星人やオニ星人などの異形の“化け物”との戦いを強いられる姿を描くSFアクション。監督は『修羅雪姫』などで知られる佐藤信介。昨年11月から約6か月間、撮影された。二宮さんと松山さんは初共演。主人公の玄野計(くろの けい)を演じる二宮さんは「加藤(玄野の幼なじみで親友)に松山さんを考えていると佐藤さん(貴博プロデューサー)から聞いて、『松山さんだったらやらせていただきます』と答えました」。松山さんも「そんなお言葉をいただけてとても嬉しいです、ありがとうございます。玄野を二宮さんがやられると聞いて、二宮さんしかいないと思いました」とお互い好印象だったことを告白。撮影中のエピソードについて聞く質問に、二宮さんは「撮影2日目に誰もがビックリする遅刻をしてしまった。前の日に朝方4時くらいまで撮影して、また9時くらいに戻ってきて、と言われ…起きたらスタジオにいなければいけない時間で。大急ぎで現場に行って会ったまっちゃん(=松山さん)に謝ったら『先に言ってくれれば同じ時間に入ったのに』と言ってくれた」と明かし、「でも後から聞いたらまっちゃんも遅刻だったんだよね?」と“暴露”。松山さんは「時間通りに現場に入ったぞ、と思っていましたが、どうもメイクさんとか周りの人から冷たい視線を感じたので、その日の最後に『遅刻していないですよね?』と(周囲の人に)聞いたら、『遅刻だよ!』と言われて…二宮さんに謝りました」と頭を掻いていた。一方、吉高さんは、劇中で化け物と戦う役どころの二宮さんらが着用する黒のスタイリッシュなGANTZスーツについて「かっこいい!」とウットリ。二宮さんから「撮影の待ち時間に、スーツを着ない人が着て遊んでいた。吉高さんとか」と暴露されて「何で言うの?」と口を尖らせて抗議。着てみた感想を取材陣から聞かれると「見ているときはセクシーだなと思ったんですけど、自分が着たら、エロい!と思って恥ずかしくて、ただちに脱ぎました、大至急」と照れていた。『GANTZ』は、2011年1月と春に前後編2部作で全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:GANTZ 2011年冬、全国東宝系にて公開
2010年08月05日9月1日(水)よりイタリア・ヴェネチアで開催される第67回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門への出品が決まった『ノルウェイの森』、『十三人の刺客』の監督およびキャストの喜びのコメントが到着した。『十三人の刺客』は、暴政の限りを尽くす将軍の弟を討つべく送り込まれた13人の男たちが文字通り、命を懸けて戦う姿を描いた本格時代劇。数々のヒット作を世に送り出し、海外でも高い評価を受ける三池崇史監督がメガホンを握り、役所広司をはじめ、山田孝之、伊勢谷友介、松方弘樹、松本幸四郎に稲垣吾郎など錚々たるメンバーがキャストに名を連ねる。三池監督は「やったね。ヴェニスをサムライの血で染めてあげましょう」と短い言葉に喜びと決意を込める。監督と共に現地入りする予定の主演の役所さんは「(出品の知らせを聞いたときは)『やったー!』と。ヴェネチアのお客さんに日本の時代劇を楽しんでもらうことが一番ですね。映画の初号上映後のスタッフ・キャストの異常な盛り上がりが、ヴェネチアの映画祭会場でも見られるのではないかと期待しています。日本映画のお家芸である時代劇が海外で評価されるのは本当に嬉しいことです」と喜びを語る『ノルウェイの森』は、いわずと知れた日本を代表する作家・村上春樹の大ベストセラーの映画化作品で、すでに『シクロ』でヴェネチアの最高賞である金獅子賞を受賞しているトラン・アン・ユンが監督を務めるとあって、公開前から世界的な注目を集めている。映画祭には、監督に加え主演の松山ケンイチに菊地凛子、水原希子らがヴェネチア入りする予定だという。トラン・アン・ユン監督は「私が是枝裕和監督とお会いしたのはヴェネチア映画祭のときでした。後に、ロッテルダムで再会し、そこで橋口亮輔監督と知り合うことになりました。そのとき、3人で語り明かしたことが、いまでも素晴らしい思い出です。私たちは2人の“村上氏”(※村上春樹と村上龍)について語り合い、私は『ノルウェイの森』、2人は『69 sixty nine』と『限りなく透明に近いブルー』の話をしました。まさか、数年後に日本映画を出品するためにヴェネチアの地に戻り、その作品が『ノルウェイの森』になろうとは思ってもみませんでした!」と感慨深げ。松山さんは「光栄なことです。一足早く海外の方に観てもらうのですが、どんな反応を示すのか興味津々です。きっと素晴らしい経験になると思います」と期待に胸を膨らます。すでに発表されているように、今年の審査員長を務めるのは、日本映画、そして三池作品のファンとして知られるクエンティン・タランティーノ。三池監督作品にはイタリアでも多くのファンが存在し、また、小説の「ノルウェイの森」は同国でも出版されて、こちらも高い評価を得ているとあって、おそらく現地での期待も高く、金獅子賞受賞の可能性は十分にあると言える。世界最古の歴史を誇る国際映画祭で、この2作がどのように受け止められるのか?ヴェネチア国際映画祭は9月1日(水)より11日(土)までの日程で開催。『十三人の刺客』は9月25日(土)より、『ノルウェイの森』は12月11日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会■関連記事:ヴェネチア国際映画祭ラインナップ発表。『ノルウェイの森』など日本映画3本が登場異例!『ノルウェイの森』主題歌にザ・ビートルズ原盤の「ノルウェーの森」が決定高良健吾初のフォトブックが発売撮影現場&箱根プライベート旅行の様子も!あのシーンも原作の種田そのまま!『ソラニン』高良健吾の落書き顔公開2010年、最も活躍すると思う俳優は?1位は不動のジョニー・デップ!
2010年07月30日