西川産業は10月20日~12月31日、「東京西川の羽毛ふとん『極めるキャンペーン』」を実施する。同キャンペーンは、フィギュアスケーターとしてあらゆる面で"極める"存在である羽生結弦選手と、妥協せずに品質を"極める"東京西川の羽毛ふとんを重ね合わせた企画。期間中、クローズド懸賞とオープン懸賞を実施する。クローズド懸賞では、東京西川の羽毛ふとんを購入して専用応募はがきを送ると、抽選で70人に「羽生結弦選手オリジナルひざ掛け」、10人に「ナノ・ユニバース×東京西川 コラボダウンジャケット」、15人に「パナソニック ナイトスチーマー ナノケア」、5人に「JTBプレミアム宿泊ギフト(ペアチケット)」、349人に「今治タオル『ムースパフ』ループタオル1枚」がもらえる。応募締め切りは、2016年1月5日まで(当日消印有効)。オープン懸賞は、キャンペーンWEBサイトにアクセスしてクイズに答えると、抽選で30人に「羽生結弦選手オリジナルフォトセット」をプレゼントするというもの。応募締め切りは、12月31日23時59分まで。
2015年10月20日俳優の本木雅弘が、2008年の『おくりびと』以来、7年ぶりに映画主演を務める。第153回直木賞候補作にノミネートされた書き下ろし小説『永い言い訳』を原作に、同作を執筆した西川美和監督自ら来年秋公開に向けて映画化する。本作の主人公は、長年連れ添った妻・夏子を突然のバス事故で失った、人気作家の津村啓こと衣笠幸夫。夏子との間にすでに愛情はなかったために悲しみを演じることしかできなかったが、ある日、同じ事故で亡くなった夏子の親友の遺族と出会う。人と人の"別れと出会い"を通して、「突如、家族を失った者たちはどのように人生を取り戻すのか」を投げかける。幸夫を演じる本木は、自ら企画し第81回アカデミー賞外国語映画賞を受賞するなど大ヒットを記録した『おくりびと』(2008年)以来、7年ぶりの映画主演。西川監督の小説と脚本、幸夫のキャラクターに「自分のようだ」とほれ込み、出演を快諾した。また、「女性監督にお世話になるのは初めてですが、すでに春編、夏編の撮影を終え、監督の的確な指示に答えるべく鞭打たれた興奮から抜けられず、少しの毒と、温かみのある西川演出にハマっています」と、監督との相性も抜群のようだ。幸夫同様に、事故で妻を亡くしたトラック運転手の陽一役は、元野狐禅で現在はソロアーティストや俳優としても活動している竹原ピストル。竹原は、「映画出演に、あくまで、挑んでいる身ですから、現時点でももちろん、諸々思うことはありつつも、無事に撮影を終え、無事に作品が完成するまで、何を述べる気にもなれません、申し訳ありません」としつつも、「本木雅弘さんのお気遣い、思い遣りに支えていただきつつ、少しでも西川監督のイメージに近い動きができるよう、全力で取り組んでいる」「及ばぬところは多々あると思っておりますが、西川監督への忠誠と、この作品への愛着だけは、誰に劣ることはなく、とは思っております」と真摯に語った。バス事故でなくなる幸夫の妻・夏子を演じるのは深津絵里。本木との共演は1995年のフジテレビ系ドラマ『最高の片想い WHITE LOVE STORY』以来、21年ぶりとなる。さらに、陽一の子ども・真平と灯役を、オーディションで選ばれた藤田健心と白鳥玉季がそれぞれ務め、妻のゆき役を堀内敬子が演じる。原案・脚本を一手に担った西川監督は「これまでオリジナルで映画を作るときは、いつもはじめに脚本というかたちで物語を組み立ててきましたが、(本作は)予算や時間の制約、という映画的な課題をいったん据え置いて、先に小説というかたちで自由に物語を作ってみることにしました。そうすることで『豊かな無駄』をゆっくりと熟成し、登場人物や物語を練り込む時間が取れたと思います」と回想。また、「小説は私の持ちうる言葉の限りで多くを語っていますが、こんどは言葉では語り得ないものをいかにスクリーンに映し出すかが第二の挑戦になりそうです」と意気込み、「小説とは展開も設定も違えた部分がいくつもあります。私が原作者なので、それはもうやりたい放題です(笑)」「長きにわたる撮影ですが、キャスト、スタッフとともにあたらしい映画を探し求めて行きたいと思います」とコメントを寄せた。(C)2016「永い言い訳」製作委員会
2015年08月19日『ゆれる』『ディア・ドクター』『夢売るふたり』の西川美和監督が、第153回直木三十五賞の候補作となった自身の書き下ろし原作を映画化する『永い言い訳』。このほど、本作の主演に、現在公開中の『日本のいちばん長い日』で昭和天皇を演じている本木雅弘が決定。ミュージシャンの竹原ピストルと深津絵里らと共演を果たし、2016年秋に公開されることが決まった。長年連れ添った妻・夏子(深津絵里)を突然のバス事故で失った、人気作家の津村啓こと衣笠幸夫(本木雅弘)。夏子との間にはもはや愛情と呼べるものはなく、悲しみを“演じる”ことしかできない幸夫は、ある日、同じ事故で亡くなった夏子の親友の遺族と出会う。妻の死に憔悴したトラック運転手の父親・大宮陽一(竹原ピストル)と、母を亡くした幼い兄妹。幸夫は自分でも理由がわからぬまま、大宮家へ通い、兄妹の面倒を見ることを申し出る…。家族を突然失った者たちは、どのように人生を取り戻すのか。人と人の“別れと出会い”を、「ゆれる」や『ディア・ドクター』のアナザー・ストーリー「きのうの神様」など、自身の映画作品から派生した小説で高い評価を得てきた西川監督らしい、鋭く、厳しくも優しい眼差しで描き出す本作。“津村啓”というペンネームでテレビのバラエティなどでも活躍する、主人公の人気小説家の衣笠幸夫を演じるのは、自らが企画し、第81回アカデミー賞「外国語映画賞」を受賞した『おくりびと』(’08)以来、実に7年ぶりの映画主演となる本木さん。『日本のいちばん長い日』での昭和天皇役が絶賛され、9月12日(土)公開の『天空の蜂』ではテロリストと戦う原発設計士を演じることでも話題となっている。まさに名実ともに日本の映画界を代表する俳優の本木さんが、西川監督の原作小説と脚本、そして主人公・幸夫のキャラクターに「自分のようだ」とほれ込んで、出演を快諾。「女性監督にお世話になるのは初めてですが、すでに春編、夏編の撮影を終え、監督の的確な指示に答えるべく鞭打たれた興奮から抜けられず、少しの毒と、温かみのある西川演出にハマっています」と、監督との相性のよさを実感している様子だ。また、本木さん演じる幸夫と同じように、事故で妻を亡くしたトラック運転手の陽一役には、ミュージシャンの竹原さん。俳優としても、熊切和嘉監督作『海炭市叙景』や松本人志監督作『さや侍』などで鮮烈な印象を残し、今回の大役を射止めた。突然のバス事故で亡くなる幸夫の妻・夏子役には、本木との共演は、「最高の片思い」(’95/CX)以来、実に21年ぶりとなる深津さん。さらに、陽一の子ども・真平と灯役に、オーディションで抜擢された藤田健心と白鳥玉季。陽一の妻・ゆき役に堀内敬子が決定している。<本木雅弘コメント全文>おそらく誰もが、小説「永い言い訳」を読むと、内視鏡で心の奥を覗かれたような恥ずかしさと共に、これは自分のことが書いてある! と、思うでしょう。そして、“愛するべき日々に愛することを怠ったことの代償は小さくない”…という言葉を噛みしめることになるのです。西川さんは、小説と映画は別物、切りはなして考えていると仰っていますが、自分は、この小説の味わいに翻弄され悦びを得たひとりとして、読者の期待も裏切らない作品に仕上げたいという思いで努力しています。女性監督にお世話になるのは初めてですが、すでに春編、夏編の撮影を終え、監督の的確な指示に答えるべく鞭打たれた興奮から抜けられず、少しの毒と、温かみのある西川演出にハマっています。妻役の深津絵里さんとは21年ぶりの共演になり、年を重ねても変わらぬ透明感に神秘を感じています。陽一役の竹原ピストルさんは、役以前に原石としての人間力が上等過ぎて嫉妬するばかりです。加えて、子役の2人の眩しい存在感にモ~タジタジです。いずれにしても、映画として何処に辿り着けるかは未知ですが、この物語は、僕が演じる幸夫だけのものではなく、いびつで、愛おしい、自分達に向けられた人間讃歌なのです。皆様、ぜひ期待して完成をお待ちください。<西川監督キャストへのコメント>本木雅弘さんは、映画を志したころから「いつかは」という思いを寄せていた人でしたが、会ってびっくり、恐ろしいほどこの物語の主人公に酷似しているのです。この人しかいない、と思いました。しかし本木さんがこの作品にかけてくれているまっすぐでひたむきな愛と真摯さは、日々私たちのこころを支えてくれています。深津絵里さんにお願いしたのは、姿を消しつつも、物語の中心に在り続けなければならない、難しい役です。物言わぬ遺影の中に、観る人が彼女について様々に想像し、そしていくら想像しても、手の届かない「x」が残り続ける。それを少ないシーンで体現できる俳優は、深津さん以外にないと思ったからです。撮影のたびに、大変な解釈力に絶句させられ、舌を巻いています。竹原ピストルさんはご本人の歌の強さそのものの、他に侵されることのない「たましい」のようなものをお持ちだと感じます。そして、本木さんとの並びのいびつさと言ったら!これは他のどんな俳優とも成立しない組み合わせだと思いました。絶対に交わるはずのなかったの人同士が交わってしまう話を、ゼロから作れる気がしたのです。『永い言い訳』は2016年秋、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年08月18日俳優・中村倫也主演、柳沢翔氏の初監督映画『星ガ丘ワンダーランド』(2016年公開)が、第39回モントリオール世界映画祭ファースト・フィルム・ワールド・コンペティション長編部門に招待されることが、このほど明らかになった。モントリオール世界映画祭は、毎年8月下旬から9月初頭にかけてカナダの同地で開催されている国際映画製作者連盟(FIAPF)公認、北米最大規模の国際映画祭。2008年に『おくりびと』が最優秀作品賞を受賞、2010年には『悪人』で深津絵里が最優秀女優賞、2014年には『ふしぎな岬の物語』が審査員特別賞グランプリとエキュメニカル審査委員賞の2冠を、『そこのみにて光輝く』が最優秀監督賞を獲得したことなどで知られる。ファースト・フィルム・ワールド・コンペティションは、初監督作品のみを選出。2009年には、西川美和監督、笑福亭鶴瓶主演『ディア・ドクター』が選ばれた。2015年は『星ガ丘ワンダーランド』のほか、菊地健雄監督『ディアーディアー』(10月24日公開)とクラウドファンディングで製作された壱岐紀仁監督『ねぼけ』も同部門で出品され、数十本のノミネート作品から金賞、銀賞、銅賞が選ばれる。このことを受け、中村、共演する佐々木希、柳沢監督がコメントを寄せた。中村は、「『日本映画を世界へ』が自分の目標であり、夢のひとつでした。とても嬉しく光栄に思っています」と率直に感動を述べ、「海外の方々がこの美しい作品をどう観るのか、どう受け取るのか。僕自身、一映画ファンとして、楽しみにしています」と期待に胸を膨らませる。佐々木も「本当にすてきな作品に巡り会え参加する事ができたことを心から嬉しく思います」と感慨深げで、「監督の演出、中村倫也さんのお芝居にたくさんの事を学びました」と続けた。そして、柳沢監督は「連絡を受けた時、スタッフ、キャストの皆さんの顔が浮かびました」と振り返り、「みんな、やったよ! 叫びたくなりました」と感激を隠せなかった様子。「彼らと一緒に作った作品が、沢山の方に観てもらえるチャンスを得た事が、本当に嬉しいです!」と、力強く語る。オリジナルストーリーで描かれる本作は、星ガ丘駅の落し物預り所で働く駅員・温人(中村倫也)が幼いころに自身を捨てた母の自殺を知り、ある事件の真相にたどりつく物語。佐々木、木村佳乃、杏、菅田将暉ら同事務所(トップコート)の人気俳優陣が脇を固め、切ないミステリーに彩りを加える。(C)2015『星ガ丘ワンダーランド』製作委員会
2015年08月16日『蛇イチゴ』『ゆれる』『ディア・ドクター』『夢売るふたり』に続く、西川美和長編監督5作目は自身の小説「永い言い訳」の映画化であることが明らかになった。映画界での活躍以外に小説・エッセイの執筆も手掛ける西川監督は、「ゆれる」のノベライズで第20回三島由紀夫賞候補、『ディア・ドクター』のアナザー・ストーリーである「きのうの神様」で第141回直木賞候補になるなど、自身の映画作品から派生した小説を書きおろし、高い評価を得てきた。今回映画化が決定した、第153回直木賞候補作「永い言い訳」は、初めて映画に先行して小説が出版された作品。もちろん映画化される本作も、これまで同様、自ら原案・脚本を手掛けた完全オリジナル作品である。長年連れ添った妻・夏子を突然のバス事故で失った、人気作家の津村啓こと衣笠幸夫。夏子との間に既に愛情と呼べるものはなく、悲しみを演じることしかできない幸夫は、ある日、同じ事故で亡くなった夏子の親友の遺族と出会う。妻の死に憔悴したトラック運転手の父親と、母を亡くした幼い兄妹。幸夫は自分でも理由が分からぬまま、大宮家へ通い兄妹の面倒を見ることを申し出るのだが…。西川監督は「失うということがもたらす『はじまりの物語』を描きたいと思いました。これまで私は、安定していたはずの関係性が壊れてゆく物語を描いて来たように思いますが、崩壊のその後、ふたたび作り上げて行くということについてきちんと描いたことがなかったからです。『はじまりの物語』を綴ることは、人生を漕ぎ進むことの難しさに似ていますが、同時にあかるさや、楽しさにも満ちています」「これまでオリジナルで映画を作るときは、いつもはじめに脚本というかたちで物語を組み立ててきましたが、予算や時間の制約、という映画的な課題をいったん据え置いて、先に小説というかたちで自由に物語を作ってみることにしました。そうすることで『豊かな無駄』をゆっくりと熟成し、登場人物や物語を練り込む時間が取れたと思っています。小説は私の持ちうる言葉の限りで多くを語っていますが、こんどは言葉では語り得ないものをいかにスクリーンに映し出すかが第二の挑戦となりそうです。小説とは展開も設定も違えた部分が幾つもあります。私が原作者なので、それはもうやりたい放題です(笑)。長期にわたる撮影ですが、キャスト、スタッフとともにあたらしい映画を探し求めて行きたいと思います」と、映画化にあたってコメントを寄せた。『永い言い訳』は2016年、全国にて公開予定。(text:cinemacafe.net)
2015年07月30日「ドラマの影響で、セクシー俳優っていう説明書きが加わったことは自分でも認識しています。僕としては、世間のイメージを楽しんでいる。風が吹いているといっても、芸人さんの一発ギャグと似た感覚かなと思っています。そろそろ賞味期限が近づいているな、て」昨年、不倫を描いたドラマ「昼顔」で日本中の女性をとりこにした俳優・斎藤工は、いまの自分が置かれている状況を謙遜でも自嘲でもなく、あくまでフラットな視点で見つめている。そんな斎藤さんが「自分の名刺代わりになる作品。イメージとは反した“本質”を捉えてもらった気がする」と胸を張るのが、最新主演作『虎影』。遊び心満載のアクション作品で“忍者”を演じたと聞けば、混乱する女性ファンも少なからずいるかもしれない。斎藤さんが演じる主人公・虎影は、かつて「忍びの世界で最強」と名を馳せた伝説的な忍者。6年前に抜け忍となり、愛する家族とともに平穏な暮らしを送っていたが、宝のありかを示す巻物をめぐる陰謀に巻き込まれ、再び刀を抜くことに…。国内外でコアな支持を集め、実写版『進撃の巨人』で特殊造型プロデューサーも務める西村喜廣監督のメガホン作。長年の親交があり、斎藤さんが「オファーを断る理由がない」と全幅の信頼を寄せる存在だ。原作ものが幅を利かせる現在の映画界にあって、完全オリジナルで勝負した本作は「もちろん、バジェット(製作費)も限られていた」(斎藤さん)。それでも「西村監督が、持ち前の好奇心とクリエイティビティを駆使して、しかも忍者というフィルターで世界に勝負をかけるんですから、いち映画ファンとしてもワクワクしますよ」と声を弾ませる。ピュアな瞳の輝きは、紛れもない映画少年!「虎影は西村さん自身の姿だなって思います。監督も父親であり、子どもを育てながら、作品をつくり続けている。例えば、ピンチに立たされた虎影が、『どうしよう~』と絶叫しながら野原を全力疾走する。お客さんにはコミカルに見えるシーンですけど、父親としてはとても実直な行為なんです。何より虎影が放つ“土っぽさ”を、斎藤工という俳優からしっかり見出してくれる。だからこそ西村監督は、常に信頼できる存在です」(斎藤さん)。派手なプロモーションが仕掛けられない代わりに、「もう、主演兼宣伝担当と思ってもらって構いません!」と宣伝にも意欲的に取り組んでいる斎藤さん。「最近ファンになった方に、劇場に足を運んでもらって、西村さんの才能をひとりでも多くの人とシェアしたいんです。『虎影』は公開が終わっても、付き合い続けたい作品。だからこそ、俳優として、宣伝も含めた映画の新しいあり方を模索していきます」と強い覚悟を示す。ともすれば、『虎影』のような強烈な個性を放つオリジナル作品を、単なる「ジャンルムービー」と扱いがちな現在の日本映画。俳優界きってのシネフィルでもある斎藤さんには、どう見えているのだろうか?「決して不遇の時代とは思っていません。西村さんをはじめ、塚本晋也監督、是枝裕和監督、西川美和監督、河瀬直美監督、園子温監督といったエネルギッシュな監督が世界で勝負し、若いクリエーターの指針になっていますから」(斎藤さん)。数本のショートフィルムを手がけ、制作業にも意欲を見せる斎藤さん。「意識しているのは『何をテーマに、誰に届けるか』ということ。いま、海外のとあるニュースをもとに、遺品からその持ち主の人生を描くというプロットを温めています」と次回作の構想を明かしてくれた。常に映画に新たな可能性を見出そうとする姿勢こそが、斎藤さんの“本質”であり、その結晶が『虎影』だ。俳優・斎藤工を深く理解する上で、非常に重要な作品なのだ。(photo / text:Ryo Uchida)■関連作品:虎影 2015年6月20日より全国にて公開(C) 2014「虎影」製作委員会
2015年06月17日京都西川は、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)の石黒浩フェローらが開発したクッション型コミュニケーションメディア「ハグビー」の販売を2015年9月初旬より開始すると発表した。ハグビーは、頭部のホルダーにスマートフォンなどを収納し、抱きしめながら通話をすることで、通話相手の存在を従来以上に身近に感じることを可能とする存在感伝達メディア。これまでの研究から、ハグビーを抱きながら通話するとストレスを軽減する効果があることなどが発表されている。今回、京都西川が発売するハグビーは、同社と東洋紡STCが共同開発した温かくとろけるような触り心地が特長の生地「ウォームフィール 20」を採用することで、従来品に比べ抱き心地の良さを向上させたとのことで、具体的には東洋紡のマイクロアクリル繊維とソフトで適度な吸湿性を持つレーヨン繊維、さらには中綿にムレを予防し湿度コントロールする吸湿発熱機能わたを使用することで、とろけるような触り心地を実現したとする。なお、京都西川が販売する"ぎゅっとコミュニケーション「ハグビー」"は、約50cm×35cmの子供サイズと80cm×55cmのレギュラーサイズの2つのサイズ、ならびにイエロー、ピング、グレーの3色が用意されており、希望小売価格は子供サイズで8000円(税別)、レギュラーサイズで1万円(同)となっている。販売場所としては、京都西川商品の取扱店ならびに百貨店、寝具専門店などが予定されているという。
2015年06月04日東京西川は6月初旬、スリーピング・コンディショニング・ギア[エアー]シリーズから、サッカー日本代表チームオフィシャルライセンス商品の[エアー]サッカー日本代表モデルを発売する。[エアー]はスポーツ選手をはじめ、スポーツに親しむ多くの人から高い評価を得ているスリーピング・コンディショニング・ギア。マットレスは、柔らかすぎても硬すぎても体へのストレスになるが、同シリーズは点で支えるウレタン凹凸構造に工夫を加えているため、寝返りしやすく、体もしっかり支えることができるという。今回新発売する[エアー]サッカー日本代表モデルは2アイテム。「[エアーポータブル]モバイルマット」は、スポーツ選手たちが遠征先で活用している持ち運びタイプで、外泊時のホテルのベッドに1枚プラスするだけで[エアー]の機能を加えることができる。専用ケース付きで価格は3万8,000円(税別)。「[エアーポータブル] クッション/スクエア」は、体圧を分散させる独自の立体構造で、快適な座り心地が持続するクッションタイプ。価格は7,000円(税別)。いずれのアイテムも、サッカー日本代表のユニフォームカラーをイメージし、ブルーをベースに赤をポイントに効かせたデザインとした。
2015年05月29日生きていれば挫折を味わうことも、失恋することも、傷つくことも避けられない。そんなとき、リスタートへ向かわせてくれる本を、テレビで活躍中の大久保佳代子さんと、芥川賞作家の柴崎友香さんが、紹介してくれました。 【タレント・大久保佳代子さん推薦】 ■『永い言い訳』西川美和 人気作家の幸夫は、冷え切っていた関係の妻をバス事故で突然喪ってしまう。同じ事故で母親を喪った家族と交流を深めるうち、彼は改めて亡き妻へ思いをはせる。文藝春秋1600円 「愛するべき日々に愛することを怠った一人の男が再生する姿を描いている。主人公は人として酷い。でも私にも少なからずこの酷い部分は、ある。今、読めてよかった。生きている今、自分のために、周りの人たちをちゃんと愛そうと思った」(大久保さん) 【作家・柴崎友香さん推薦】 ■『ならずものがやってくる』ジェニファー・イーガン谷崎由依 訳 元パンクロッカーの音楽プロデューサー、ベニーと、その助手で有能なのに盗癖のあるサーシャ。2人とその周辺の人々の人生模様を描き出す。文庫版もあり。早川書房2300円 「あるバンドをめぐって、どうしようもない人、愛を求める人たちの過去と未来が交錯。全然テイストの違う短編(パワーポイントで作られたものも!)を読むうちに、挫折も悲しみも抱えながら生きていく力を感じます」(柴崎さん) ◇おおくぼ・かよこお笑いコンビ「オアシズ」メンバー。TBS『白熱ライブ ビビット』月曜レギュラー。多忙な中でも読書は欠かさない。研ぎ澄まされた推薦文は必読。 ◇しばさき・ともか作家。『その街の今は』で’07年織田作之助賞ほか受賞、’10年『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞、’14年『春の庭』で芥川賞受賞。最新作は『パノララ』。 写真・多田 寛 ※『anan』2015年5月13日号より
2015年05月08日寝具メーカー・東京西川では2015年3月、パーソナル・フィッティングをベースにした快眠寝具トータルブランド「&Free(アンドフリー)」を発表。「美容のためにぐっすり眠りたい」「よい睡眠をとり、いつまでも健康で家族と過ごしたい」など、家族それぞれのニーズを満たす快適な眠りを提供することで、家族同士のつながりを深めたいという願いが込められています。このブランドのスタートにあたり、実際に「&Free」の製品を体験し、自分に合った寝具を見つけられる期間限定の「パーソナル・フィッティング ラボ」を開催しています。専門的な測定が受けられる貴重な機会「パーソナル・フィッティング ラボ」では、今まで同社がトップアスリートなどにしか行っていなかった「体圧分布測定プログラム」を一般向けに初めて提供し、マットレスと枕のフィッティングを行います。体圧分布を測定し、寝具を比較検討まずは、数種類のマットレスでそれぞれ仰向き寝と横向き寝の時に身体にかかる圧力を体圧分布測定器で測定します。枕は2層構造で、14箇所で高さ調整が可能なオーダーメイド。立った状態で後頭部から首・肩口までのカーブを計測してから、自分に合ったマットレスに寝て、仰向き寝と横向き寝の高さ調整を行います。枕の中身はそば殻やミニパイプ、粒わたなど6種類から好みの硬さ、感触のものを選べます。「質の高い眠りを得るための最も基本となる条件は、「正しい寝姿勢の保持」と「体圧分散」です。体圧が分散出来ていないとうっ血する原因になり、しびれを引き起こす原因にもなります。また、人によっては腰が浮いてブリッジ状になることもあります。大切なのは、自分の体重や体型に合った枕と敷き寝具をきちんとチェックしながら、組み合わせて選ぶことです。」スリープマスターの須藤さんスペシャリストによる診断が心強い診断時間は約20分。枕とマットレスそれぞれのスペシャリストが立ち合い、最適な寝具を選定してくれます。スリープマスターと体験者が測定結果を一緒に画面で確認できるため、疑問点を確認したり、アドバイスを受けることも可能です。このプログラムを体験した来店者の一人は、「マットレスと枕によって体圧分散に大きな差が出ることに驚いた。睡眠の質が左右されると思うので、体に合った寝具を使うようにしたい」とコメント。「パーソナル・フィッティング・ラボ」は関東を中心に6月中旬まで展開しています。表参道Rスタジオ■「パーソナル・フィッティング・ラボ」開催日程3月20日(金)~31日(火)/表参道Rスタジオ※寝具の販売は行っていません4月3日(金)~19日(日)/日本橋西川4月21日(火)~28日(火)/東急百貨店 たまプラーザ店4月29日(水)~5月6日(水)/髙島屋 玉川店5月7日(木)~11日(月)/西武百貨店 池袋店5月16日(土)~24日(日)/東急百貨店 渋谷・本店6月1日(月)~8日(月)/そごう 横浜店6月9日(火)~16日(火)/東急ハンズ 新宿店「&Free」の詳細はこちら「パーソナル・フィッティング・ラボ」の詳細はこちらお問い合わせ:Tel: 03-3664-3964
2015年03月30日寝具メーカーの東京西川は3月12日、フィギュアスケート・羽生結弦選手とのサポート契約を締結したことを明らかにした。同社は今後、眠りのスペシャリスト「スリープマスター」によるアドバイスなどを通じて、同選手のコンディショニングを睡眠の面からサポートしていくという。同社は、羽生選手が以前から同社の寝具を活用していたという縁もあって、今回のサポート契約へとつながったことを説明。パーソナル・フィッティングによる身体に適した敷き寝具や、オーダーメード枕の提供、スリープマスターからのアドバイスなどを通じて、羽生選手をサポートしていくことを目指す。今回の契約に付随して、3月19日にスタートする交通広告とインターネット広告、さらに4月5日より放映予定の同社の新ブランド「&Free(アンドフリー)」のCMに羽生選手が出演する。「僕は眠りを大切にしています」という羽生選手は、「睡眠は、食べることと同じように生きるために大切なことなので、子供の頃からとても興味がありました。人間にとって睡眠は、運動して疲れた身体やいろいろなことを考えて疲れた脳を癒やすメンテナンス時間ですから」とコメント。さらに「睡眠に関してさまざまなアドバイスをもらえるスリープマスターは、とても頼もしい存在です。また、パーソナル・フィッティングしてもらって、自分に合う枕やマットレスができるのはうれしいです。今後スリープマスターのアドバイスを受けたいと思います」と続け、感謝の意を示した。なお、今後も羽生選手はさまざまな同社の広告に出演する予定とのこと。
2015年03月12日BSスカパー!では、DREAMS COME TRUEのヴォーカル・吉田美和の50歳の誕生日となる5月6日に開催されるプレミアムライブ「スカパー!Super LiveDREAMS COME TRUE Special Live in Hawaiiよしだみちゃん、生まれて飛び出てジャジャジャジャ~ン♪え、50?!(仮)」を今夏に独占放送する。2015年は、ドリカムにとって4年に1度のグレイテストヒッツライブ「史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND」を行うだけでなく、吉田美和が50歳という節目の年を迎えるアニバーサリーイヤー。スカパー!では吉田の誕生日である5月6日(※現地時間)に、ハワイ・オアフ島にあるアウラニ・ディズニー・リゾート&スパ コオリナ・ハワイ ビーチエリアで一夜限りのプレミアムライブを開催。まさに夢のような一夜を実現する。現在、スカパー!では加入者の中から3組6名のLIVEレポーターを募集中。当選者には現地からライブの臨場感そのままに、ファン代表として生の声をレポートしてもらう企画となっている。ほかにも加入者50組100名にライブのチケットおよび渡航、宿泊費がセットとなったJTBツアー「スカパー!Super LiveDREAMS COME TRUE Special Live in Hawaiiオフィシャルツアー」への申込権をプレゼント企画も実施している。詳しくはスカパー!特設サイトへ。
2015年02月13日CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店では1月25日まで、企画展「西川治が世界で集めた食器バザール」を開催している。○西川治氏が収集した、古今東西の食器が集合同展は、写真家、文筆家、画家、そして料理人として、テレビ・雑誌などで活躍する西川治氏が、これまで50年に渡り世界各地で集めてきた食器を一大放出する、期間限定の大食器バザール。会場には、古伊万里の大皿から現代作家もの、アジア、ヨーロッパの食器まで、白磁あり、色絵あり、塗りモノありと古今東西の食器が集合。器好きならずとも楽しめること間違いなしの企画展となっているという。開催日時は、1月21日~25日 11時~19時。会場は、CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店(東京都目黒区中央町1-3-18)。また、1月24日 15時~16時には、トークイベント・西川治×日野明子「世界で集めた大皿と料理」を開催。参加無料で、定員は30名となる。
2015年01月23日●「1つをがむしゃらに追いかける」という理想像1月24日に公開をスタートする映画『さよなら歌舞伎町』でヒロインを演じた前田敦子。同作は新宿・歌舞伎町のラブホテルを舞台に、迷える大人たちの人間模様が交錯する物語で、一流ホテルマンと周囲に偽るラブホテルの店長・徹を染谷将太が、その徹と同棲中の交際相手でミュージシャンを目指す沙耶を前田が演じる。2012年8月にAKB48を卒業した前田。その後は女優業に専念し、これまで『クロユリ団地』『もらとりあむタマ子』『Seventh Code』『エイトレンジャー2』などの映画に出演するなど、着実にキャリアを積み重ねている。今回のインタビューでは、『さよなら歌舞伎町』の裏話にはじまり、恋愛観、思い出の地、卒業後の変化などの話題を通して、女優・前田敦子の進化の過程を追った。――最初に作品を観た感想は?もともと、海外作品のラブコメを観ていて群像劇には興味がありました。4日間ぐらいしか撮影に参加できなかったので、どんな出来上がりになるのか想像しながらの現場だったのですが、脚本の中のキャラクターを皆さん個性的に演じていらっしゃったので、自分が出演してこんな客観的に楽しむことができた映画は初めてだったと思います。――同作は歌舞伎町のラブホテルを舞台に、さまざまなカップルが登場します。前田さんが演じた役以外で、気になったカップルは?私は、南果歩さんです(※松重豊と時効寸前の逃亡生活を続ける女性)。あのかわいさ(笑)。実際にお会いしても、すごくかわいらしい方なんですけど、暗いものを抱えての前向きなあの役柄は、果歩さんからにじみ出ているものがあるんじゃないかと感じました。――犯罪者なんですけど、応援したくなっちゃいますよね。そうそう(笑)。がんばれー!って思いますよね。いちばん、救われる2人なんじゃないかなと。この映画の魅力だと思うんですけど、終盤では登場人物たちの気持ちがスッキリしていって、メルヘンチックな雰囲気になります。ああいう終わり方はいいですよね。――染谷さん演じる徹は、一流ホテルと偽ってラブホテルで働いていたり、沙耶の浮気現場に踏み込めなかったり、ちょっと頼りない一面がある男性です。徹のような男性をどう思いますか?うーん…何でも尽くしていくのが当たり前になっちゃうのはとても悲しいなって思うので、なんでもしゃべってほしいですね。そんなに見栄を張って嘘をついてほしくない(笑)。仕事がないわけではないじゃないですか。一流ホテルで働くという大きな夢があるんですけど、職に就かなくてフラフラしているよりかは…。まだ、若いんだからいいじゃんって思います(笑)。――一方の沙耶は、ミュージシャンを夢見る女の子。レコード会社の社員から枕営業を求められて葛藤する姿は印象的でした。等身大の女の子だと思います。夢とか追いかけているものが何もないというよりかはいいことだと思いますし、1つをがむしゃらに追いかける…そうありたいなというのも私にはあるので。やっていることが正しいのかは分からないですけど。――ギターの弾き語りシーンはずいぶん苦労されたと聞きました。ラストカットは5~6時間ほどかかったそうですね。本番になってみると「弾く」「歌う」「泣く」を同時に演じるのはすごく難易度が高くて。歌えなくなったり、弾けなくなったり…大変でした(笑)。でも、監督が「粘ろう」と言ってくださって。スタッフさんたちは夜中から翌日の夕方ぐらいまでの現場だったと思うんですけど、撮り終えるのを一緒に待ってくださっていたので、本当にうれしかったですね。――廣木隆一監督からは、演技に関してあまり具体的な指示はなかったそうですが、ギターのラストカットでも同じでしたか。そうですね。途中で止まってしまうこともたくさんありました。2カット撮って、1カット目はすぐにOKだったんですけど、2カット目がすごく時間がかかってしまいました。――OKの瞬間は? もう覚えてないくらいですか(笑)。とってもハードな日だったので(笑)。夕方終わりだったのに、「さぁ、帰って寝よう!」みたいな状態でした。撮影がはじまる1カ月半ぐらい前から、先生のところに行ってずっと練習していました。――そこまで苦労したら、ギターにハマってしまいそうですが。うーん…私はすごく頭が固いので。あとは神経質なので、ラフに弾いて歌うというのができなくて。ちゃんとやらないと、やるのが恥ずかしくなってくるというか。だから、全然弾けないです。でも、あんなに一曲丸々を使っていただけるとは思ってなかったので、とってもうれしかったです。●経験を重ねて「すごく現場に居やすくなった」――ちなみに、夢や目標は公言するタイプですか? 徹と沙耶はその点で真逆でした。私はやりたいことは何でも声に出して言うタイプなので、何でも言います(笑)。恥ずかしがらないで、口に出して言った方が叶うと思っています。プライベート的なことでいえば、もっと1人の時間を作りたいです。去年は人といることが楽しい一年でした。結局は自分一人でいる時間がなかったなぁと思います。友達もすごく増えた一年でしたし、お仕事関係の方々ともプライベートでご飯に行ったり。それがすごく楽しかったので、今年は真逆な一年にしたいです。もう少し大人になりたい(笑)。――1人で何を?日常的なことから、1人で過ごす時間を増やしていきたいです。1人で静かに過ごすことが意外とできないタイプ。誰かとしゃべっていたいとか、誰かとご飯に行きたいとか、誰かと何かをしたいと思う寂しがり屋(笑)。少しずつ少しずつ、大人になっていきたいですね。――その1人の時間は仕事と向き合うため? それとも、仕事とは分けたプライベートな時間?うーん…どっちも(笑)。あまり、区別はつけないタイプなんです。お仕事しているからあんまりこうだというのはないですね。その時、その瞬間瞬間。この業界に入ってからずっとそんな感じなので…いま振り返るとすごく自由すぎた時もあったんじゃないかなと思います。――それでも昨年は女優として地固めになるような1年でしたね。役者という仕事に関してちょっと堅く考えていたものが、やわらかくなったのかなというのはあります。すごく現場に居やすくなりました。今まで自分の中で考えすぎてしまって。どういうふうにいたらいいのかとか。どうしてもグループ時代の自分は、「そこから来ている自分」という先入観がありました。その場にどう居ていいのか分からない。去年はその感じから抜け出すことができたんじゃないかなと思います。――昨年は蜷川幸雄さん演出の舞台『太陽2068』に挑戦。初めての舞台で勇気のいる決断だったと想像します。かなり迷わせていただきました。舞台はまだ通らない道かなと思っていたので、まさか呼んでいただけるとは思っていませんでした。でも、何でも見て確かめたいタイプで(笑)。挑戦してよかったと思います。舞台に出演した俳優さんたちは軸がしっかりしていらっしゃる方たちばかりなので、教えてもらったことがたくさんありました。先輩方から「せっかく舞台に足を踏み入れたんだったら、1年に1本や2本は絶対にやるべき」に言ってもらえたので、そういう機会があれば、ぜひまた挑戦したいと思います。――本作は歌舞伎町を舞台に描かれた物語ですが、前田さんにとっての思い出の場所は?卒業してすぐに一人でニューヨークに行ったのは、私にとって大きな出来事でした。いつでも、一人で行きたい場所です。結局行ったり来たりで、丸々1カ月行けたわけではなかったんですけど、人生で初の一人旅。一人で飛行機に乗ったのもたぶん初めてだったと思います。――完全に一人? マネージャーは?完全に一人です。自分でアパートを借りて、学校に通って生活しました。友だちがいないので、学校の先生のおじいちゃんとずっとしゃべっていました(笑)。留学とまでは言えない期間でしたが、今でも一人で行きたい場所です。――ニューヨークの魅力は?とにかく大きな場所で、いろいろな人が集まっている街。そういう意味では怖い部分もありますけど、一人でいれば孤独を感じることもできます。――やっぱり気づかれないものですか。もちろん。でも、日本にいてもあまり気づかれないので(笑)。――えっ!? 変装しないんですか。しません。しない方が気づかれないんです。してる方が目立ちませんか? マスクとかサングラスって誰だろうって見ちゃいますよね(笑)。現地ではミュージカルを観に行ったりとか。一人でそういうことを淡々とできる場所なので、すごく好きですね。――最後に、女優としてこれから実現したいことを教えてください。やってみたいのは、もう1回ぐらい学生の役をやりたいですね。ちょっと制服を着たい(笑)。27歳ぐらいまでは皆さんやってらっしゃるので、まだ大丈夫かなと。それから、以前CMを西川美和監督に撮っていただいて。作品がすごく好きなので、いつかまたご一緒したいなと思っています。■プロフィール前田敦子1991年7月10日生まれ。千葉県出身。2005年、AKB48結成時からメンバーとして活動し、2012年8月に卒業。2007年の映画『あしたの私の作り方』で銀幕デビューを果たし、初めて映画主演を務めた『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(11年)で、第35回日本アカデミー賞話題賞(俳優部門)、『苦役列車』(12年)で第4回TAMA映画賞最優秀新進女優賞を受賞した。今年は5月23日公開の堤幸彦監督作『イニシエーション・ラブ』を控えている。(C)2014『さよなら歌舞伎町』製作委員会
2015年01月23日リチャード・リンクレイター監督が主要キャストを12年間に渡って撮り続けて完成させた映画『6才のボクが、大人になるまで。』が間もなく公開になる。本作は観客だけでなく、作品の“作り手”たちも魅了しており、日本でも映画監督の是枝裕和ら多くの著名人が本作を賞賛している。その他の写真映画は、母と一緒にヒューストンからテキサスへと移り住んできた6才の少年メイソンを主人公に、彼と家族、そして周囲の人々の物語を壮大なスケールで描いた作品。リンクレイター監督はキャストを12年間に渡って撮り続け、彼らのリアルな成長や加齢をフィルムに記録。ベルリン映画祭で銀熊賞(監督賞)を、シアトル映画祭で作品賞と監督賞を受賞するなど、賞賛を集めている。『奇跡』『そして父になる』など数々の傑作を手がけてきた是枝裕和監督は「ずっと映画が終わらないで欲しい。出来るなら10年後の彼らとまた出会いたい。心底そう思える、稀有な作品でした」とコメント。東京大学大学院教授のロバート・キャンベルは「僕らが瞬間をつかむのではなくうまく瞬間につかまれるかどうかで幸せが決まる。そういうことを痛いほど伝える美しい映画だ」と言い、映画監督の西川美和は「人生は映画ほど劇的ではなく、そして映画よりも困難だ。この映画には、しっかりと人生が記録されていると思う」と感想を述べている。また、モデルで俳優の栗原類は「子供を持っている方々は多分、昔のホーム・ムービーを見ているようなノスタルジックな感情を抱くかもしれませんし、子供を持っていない人はおそらく、小さい頃から知っている姪っ子、甥っ子が“立派になったなー”と時には本当に自分の子供と思い込んでしまう強烈な催眠術にかかるような作品です」と紹介しており、本作が幅広い年齢層の人々を魅了する作品であることがうかがえる。『6才のボクが、大人になるまで。』11月14日(金) TOHOシネマズ シャンテほかにて公開
2014年11月05日10月3日、ミュージカル『ヴェローナの二紳士』の製作発表が都内で行なわれ、上演台本・演出を務める宮本亜門と、主演の西川貴教、歌手の堂珍嘉邦らが出席した。同作は、今年生誕450周年を迎えたシェイクスピア初期の喜劇を、『HAIR』などで知られるガルト・マグダーモットの音楽でミュージカル化したもの。1972年のトニー賞で作品賞と脚本賞の2冠に輝いている。物語は、ヴェローナからミラノへやってきた西川貴教演じるプロテュース、堂珍嘉邦演じるヴァレンタインの紳士ふたりと、島袋寛子演じるジュリア、霧矢大夢演じるシルヴィア、ふたりの女性をめぐる恋物語。今回が宮本亜門演出作初出演である西川は、作品の印象について「シェイクスピアの作品の中でも異色なこの作品の、その中でも性格、思考ともに破綻した役をやらせていただけて本当に光栄だと思っています(笑)。シェイクスピアというだけで堅苦しく感じる方もいると思いますが、そういうイメージを払拭できるような、僕なりのプロテュースを演じられれば」とコメント。主演を務めることについては「先に台本を読ませていただいたのですが、男性とキスをする場面が多くて、どうしたもんかな、と戸惑っています(笑)。でもこうなったらキャスト全員とキスするぐらいのテンションで(笑)、僕以外のキャストが「ここまではっちゃけて良いんだ」と思えるように、主演の僕が引っ張って行きたい」と意気込んだ。こちらも宮本亜門演出作初出演である堂珍は「亜門さんから、シェイクスピアの初期作品を新しいアプローチでやりたいとオファーをいただいて、その考えに共感して出演を決めました」と出演に至る経緯を話した。また、今作は「ラテン音楽」の要素を強め、カーニバルのような明るさが溢れる作品に仕上げている。そのことについて堂珍は「ラテンと僕の雰囲気は対極にあるんじゃないかと思っているのですが、亜門さんの演出によって、自分の中にあるものが膨らんでいけば良いなと思っています」と語った。同作の演出を熱望していたという宮本は「こんなに面白くて良いのかというぐらい変わったシェイクスピア作品です。キャストは個性的で楽しい方が揃っているので、稽古場は動物園みたいになるかも(笑)。年末ですので、この作品で幸せと喜びが溢れるような時間を演出したいと思っています。今憂鬱になっている方、本当の愛を感じたい方、自分を発散したい方、ぜひ足を運んでください」と自信をのぞかせた。ミュージカル『ヴェローナの二紳士』東京公演は12月7日(日)から28日(日)まで、東京・日生劇場にて行なわれ、その後、福岡、愛知、大阪を周る。なお、東京・福岡・愛知公演の一般発売は10月4日(土)午前10時より。
2014年10月03日日本初上陸となる「ザ・コーポレートゲームズ 東京 2014」のリレーマラソンが9月27日に開催され、元プロビーチバレー選手の浅尾美和さん、元プロ野球選手で野球解説者の田口壮さんらがスタートアトラクションに参加。ランナーらに声援を送った。○日本で初めて開催されるザ・コーポレートゲームズ9月25日から4日間にわたって東京湾岸エリアで開催された「ザ・コーポレートゲームズ 東京 2014」は、13競技からなる市民参加型のマルチスポーツフェスティバルだ。もともとは1980年代にイギリスで設立され、これまで30カ国60都市で開催されてきた。トップアスリートが頂点を目指す国際スポーツ大会とは異なり、あらゆる団体が自由に参加できる市民参加型のイベントとなっている。企業や団体でチームを組むことによりコミュニケーションを促進させ、多くの人々が参加することで地域の活性を図っている。今回が日本では初めてのイベント実施となり、235の企業や団体、約6000人が参加。27日にはリレー形式でフルマラソンを走るリレーマラソンが行われ、夢の島陸上競技場でスタートアトラクションが開催された。○浅尾さんが笑顔で選手たちを応援妊娠7カ月になるという浅尾美和さんは、ドット柄のゆったりしたスポーツウェアで登場。リレーマラソンのスターターの役目に「緊張しています。(スターターピストルを)早めに鳴らしてしまったり、不発になったりしないようにしなきゃ」と少々プレッシャーを感じている様子だったが、「今日はいい天気でスポーツ日和。無理せず、楽しく笑顔で走っているみなさんを見たいなと思います」と、にこやかに選手らに声をかけた。一般チームのランナーとして参加する田口壮さんが「チームがガチで走るなら、僕もガチで走ります! 」と宣言すると、浅尾さんも「ガチで行きましょう! 」と応じ、参加者を盛り上げる一幕もあった。パラリンピック日本代表の石井康二選手も「パラリンピックアスリートを支援してくださる方々に参加のお誘いをいただき、いろいろな方にパラリンピックのことも知っていただければと思い参加しました」と、ランナーの1人として参加した。ランナーらは、浅尾さんのピストルの合図とともに一斉にスタート。トラックの横では、中央区立佃中学校太鼓部による和太鼓演奏や、中央区立日本橋中学校吹奏楽部によるブラスバンドにチアリーディング、さらにローカルアイドル「豊洲アイドル☆学園」によるパフォーマンスなど、ランナーを応援する催しも行われた。○今回のイベントを起点として、アジアまで広がりをザ・コーポレートゲームズ 東京 2014 実行委員会の実行委員で、三井不動産レジデンシャルの市場開発部・池内順平さんは、「スポーツを通じて、多くの方々に集まっていただく場を提供することで、交流が生まれて地域が活性化していくことを目的に実施しています」と、今大会の目的を話す。スポーツ好きでもともとはサッカーを続けていた池内さんだが、3年前に骨折をして以来、スポーツから離れてしまったという。「それでも(ザ・コーポレートゲームズは)13競技もあるので、これならできるかな、と思うきっかけになりました。今回のイベントには9歳から74歳の方まで、あらゆる世代の方に参加していただいています。参加している人を応援したり手伝ったりと、たくさんの人がいろいろな形でフェスティバルに関わることができるのが、ザ・コーポレートゲームズの良い部分だと思っています」。東京でのイベントをモデルケースに、日本各地での開催の動きもあるという。「来年3月には沖縄で開催することが決定していますし、今回のイベントに興味を持たれた自治体の方が何人か視察にも来られています。この東京を起点として、日本各地へ、そしてアジアの各都市へ広がっていくといいですね。実は2018年にザ・コーポレートゲームズの大きな大会があり、そのフェスティバルの約40%の参加者が開催国以外の方なんですね。できれば、それを日本で開催したいと考えています」。10月27日には、今回のイベントの表彰式典となる「クロージングアワードレセプション」が開催される。人生を豊かにするライフワークとしての生涯スポーツ。そのスポーツを通じて、地域を盛り上げていくザ・コーポレートゲームズの今後に、要注目だ。
2014年09月29日スパイク・ジョーンズ監督4年ぶりの長編最新作『her/世界でひとつの彼女』(6月28日公開)に、多くの著名人がコメントを寄せていることが22日、明らかになり、スタジオ・ジブリの鈴木敏夫プロデューサーの直筆メッセージも公開された。『her/世界でひとつの彼女』は人口知能型AIとの恋を描いた作品。第86回アカデミー賞で脚本賞を受賞し、作品賞を含む5部門にノミネートされたほか、ナショナル・ボード・オブ・レビュー最優秀作品賞・監督賞を受賞するなど、数々の映画賞を受賞している。主人公セオドアをホアキン・フェニックスが演じ、主人公を魅了し翻弄する人工知能型OSシステム"サマンサ"の声をスカーレット・ヨハンソンが演じる。一足早く本作を鑑賞した鈴木プロデューサーは「人間だって愛を知った日がある。AI(人工知能)だって愛を知る日がある。」と直筆のメッセージを寄せ、『ゆれる』の西川美和監督は「ほんとうに新しく、ほんとうに今を生きる私たちの虚空と共に在ろうとする、素晴らしい映画だ」と絶賛。女優の鈴木杏は「光、風、温度のすべてを無意識に人は声に込めているいきものなのかもしれないと、サマンサが教えてくれました」と作品に込められた思いを受け取ったようだ。また、実業家の堀江貴文も「VR技術が発達すると本当に人工知能と愛し合える時代が来るのかもしれない。しかしその後の展開はさらにそれを上回るくらいのインパクト。なるほどなあ。。。と唸らされる」と共鳴。お笑いコンビ・ダイノジの大谷ノブ彦は「見えないギターが見えるっていうように、恋も本当は実体のない何かを求め続けることなのかもしれない。沢山嬉しかったし、沢山傷ついた。心底思う。恋をしてきたよかった、と」と、相方・大地洋輔のエアギターと恋を重ねながら、恋の素晴らしさを感じたとコメントを寄せた。
2014年05月23日撮影でのハロウィンスタイルを公開ファッション誌「Popteen」やブログ&リアル雑誌「Nicky」で活躍する人気モデル“みずきてぃ”こと西川瑞希。「Popteen」では注目モデルとしてヘアメイク企画やファッションページに登場、「Nicky」ではメインモデルとして活躍しており、特集企画も組まれるなど、読者からの熱い支持を得ている。とくに美容情報に長けたブロガーとしても知られ、彼女の発信をこまめにチェックする女性ファンも多い。テレビやラジオへの出演、コスメアイテムのプロデュースなどにも活躍の場を広げている。そんな彼女が26日夜、オフィシャルブログで、ひと足早いハロウィンのメイク&コスプレ姿を披露。そのスタイルが話題を集めている。小悪魔セクシーでキュートなハロウィンスタイルこのメイクとコスプレは撮影で行ったものだそうで、公開された画像は、そのオフショットのようだ。西川はラメのきいた紫のコウモリをイメージしたヘアアクセサリーと、同じく紫を基調にしたサテン調のドレスワンピースで、蜘蛛の巣をデザインした手袋などを身につけている。胸元にはボディメイクでキュートなゴーストをオン。そしてほほにジャックオーランタンとコウモリのペインティングメイクを施して、ハロウィンの雰囲気を高めるパーティー仕様のスタイルをみせている。その仕上がりは小悪魔セクシーでとってもキュート。ハロウィンには思わず真似して出かけたくなる可愛らしさで、お手本になりそうな印象だ。ブログ読者らからも「かわいすぎる」「すごく似合ってて楽しそう」「ハロウィンメイク可愛い」と絶賛のコメントが多数寄せられている。【参考リンク】▼Mizukitty(西川瑞希オフィシャルブログ)元の記事を読む
2013年08月28日松屋銀座の催事に来場昨年12月、現役の引退を発表し、今季で選手生活にピリオドを打った元女子ビーチバレー選手の浅尾美和が8日、東京・松屋銀座で開催されている「風姿花伝観世宗家展」(開催中~2013年1月21日まで)に来場し、美しい振袖姿を披露した。鮮やかなグリーンを基調とし、大輪の花々がデザインされた艶やかな振袖に白の帯、可憐な多数の小花のヘアアクセサリーを付けたスタイルで、とても綺麗に着こなしており、報道陣からも称賛の声が上がったそうだ。現役時代より白くなったから似合う?!美女アスリートとして知られた彼女だけに、その美しさも納得といったところだが、振袖姿を絶賛する声には、現役時代より肌が白くなったので、こういう衣装も似合うかなと、はにかんでみせたという。一般男性との交際をオープンにしている彼女だが、結婚についての質問は笑顔でかわし、言明を避けている。引退して初めてのこの正月は、現役時代にはそうした余裕もなかなかなかったため、家族とゆっくり過ごしたそうだ。今後はビーチバレーの楽しさを子どもたちに伝えていくなどしたいと考えているという。選手時代とはまた違った輝きと美しさをみせた彼女。新たな歩みをしっかりとスタートさせているようだ。元の記事を読む
2013年01月09日ブログ上で語られるキーワードを参考に、映画の“いま”を分析する「ブログ話題度ランキング」。今週はジャンルは違えど主人公たちのコンビ愛が魅力の映画が、トップ10以内になんと3つもランクイン!3位にランクインしたのはデンゼル・ワシントンの悪役で注目を集めている『デンジャラス・ラン』。36か国で指名手配を受けてきた極悪犯罪者にして元CIAの最強エージェント、トビン・フロストと共に、正体不明の敵から逃げることとなってしまった新米CIAエージェントのマットの危険すぎる逃亡劇が描かれる。先日、「ゴシップガール」のブレイク・ライブリーとの結婚を発表したライアン・レイノルズの出演作としても注目されている様子。本国ではすでに続編の製作が決定しており、第2作目でもライアンの続投を予定しているが、デンゼル扮する“最悪の相棒”トビンとの凸凹コンビに期待する人が多数?5位には『ゆれる』、『ディア・ドクター』の西川美和監督がメガホンを握り、阿部サダヲ&松たかこを主演に迎えた『夢売るふたり』。火事でなくなってしまった自分たちの小料理屋を再び始めるために、妻(松さん)が結婚詐欺を計画、夫(阿部さん)がそれを実行していくのだが、見どころは絶対的な“相棒”であるはずの夫婦という関係が徐々に変わっていく2人の姿。同じ目的を持って始めたはずの計画なのに、次第に生まれるその微妙な“歪み”は男と女の違いゆえなのか…?「夫婦で結婚詐欺」という強烈なキャッチコピーがまた、注目の的となっているよう。そして8位には2001年公開の『アメリ』を抜いて、フランス語映画としては歴代1位の観客動員数(全世界で2,320万人)を記録した『最強のふたり』。本作で描かれるのは、ある事故をきっかけに首から下が全て麻痺状態となり車椅子生活を送る大富豪・フィリップと、ひょんなことから彼の世話係をすることになったスラム街出身の黒人青年・ドリスの友情の物語。口コミでその感動はどんどん広がり、平日も満員御礼の盛況ぶりを見せている本作だが、この感動的な物語が実話だということも注目を集める理由の一つのよう。身分や人種の違いという垣根を飛び越えた2人の友情が生み出したこの感動作は、早くもハリウッドでのリメイクが決定。さらにアメリカのオバマ大統領が興味を示しているといううわさもあり、世界を巻き込んでの驚異的な波及力を見せている。凶悪犯と新米CIAエージェント、夫婦、大富豪とスラム街育ちの青年。単純にバディ・ムービーではない、彼らが見せてくれるそれぞれの関係性はとても興味深い。“相棒”って?“信頼”って?この3本がそんなことを改めて考えさせてくれるきっかけとなるかもしれない。ブログ話題度ランキング■ブログ話題度とは?ブログで話題の情報を提供する「kizasi.jp」独自のブログ解析エンジンにより、シネマカフェに掲載されている映画作品名がブログ上に掲載されている“話題度”をポイント化。いまブログ上で最も話題の映画作品のランキングを掲載しています。また、映画作品に関連する言葉も抽出して掲載。その作品がブログで、どのような言葉で語られているかを知ることができます。興行成績やDVD売上だけでは知ることの出来ない、映画ファンが“いま”話題にしている映画はどの作品か?ヒットの“kizasi”が見えてくるオリジナルランキングです。■関連作品:デンジャラス・ラン 2012年9月7日よりTOHOシネマズ 有楽座ほか全国にて公開© 2012 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.夢売るふたり 2012年9月8日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012「夢売るふたり」製作委員会最強のふたり 2012年9月1日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© 2011 SPLENDIDO/GAUMONT/TF1 FILMS PRODUCTION/TEN FILMS/CHAOCORP
2012年09月14日『蛇イチゴ』、『ゆれる』、『ディア・ドクター』で国内外の映画賞を総なめにした西川美和監督最新作となる『夢売るふたり』のワールドプレミアが、現在開催中の第37回トロント国際映画祭にて9月10日(現地時間)に行われ、西川監督が舞台挨拶に登壇。熱狂の中迎えられ、ファンからのQ&Aにも応じた。2人で営んでいた小料理屋を火事で失った夫婦が、店の再建のために心に隙間を抱えた女性をターゲットに結婚詐欺を実行。愛とは何か?夫婦とは何か?を刺激とユーモアたっぷりに描き出す。上映前の舞台挨拶で、満席となった客席に迎えられた西川監督は「(トロント映画祭の常連である師匠の)是枝裕和監督から、トロントはとてもいい映画祭だといつも聞いていたので、ここに来ることができて本当に嬉しいです」と興奮気味に語り、喜びを噛み締める。上映後に行われた客席のQ&Aでは、海外ならではの質問も飛んだ。女性客からは、結婚詐欺に騙される女性へ対する警告の意図があったか?と問われた西川監督は、「警告ということは考えていませんでしたが、いまの日本では女性の生き方が非常に多様化していて、生き方に色々な選択肢があるだけに、その分悩みが多く生きづらい世の中になっていると感じるんです。そんな女性たちの悩みを描きたいという思いはありました」と明かし、女性監督ならではの視点から生まれた物語であることを伺わせた。上映中は終始笑いが起き、エンドロール時には会場から大きな拍手が沸き起こるなど大好評のうちに終了したワールドプレミア上映会。終了後も、熱狂的な“西川ファン”に取り囲まれ、長時間質問攻めにされながら、サインや写真撮影に応じる西川監督はなんとも楽しそうだった。過去には『スラムドッグ$ミリオネア』、『プレシャス』、『英国王のスピーチ』など、その後にアカデミー賞で受賞する作品が数多く選ばれ、高い評価を受けているトロント映画祭での好調のスタート。第31回バンクーバー国際映画祭(9月27日~10月21日開催)、第56回ロンドン映画祭(10月10日~21日開催)、第48回シカゴ国際映画祭(10月11日~25日開催)、第16回オーストラリア日本映画祭(11月16日~19日開催)への出品も決定している本作。今後の評価にさらなる期待が高まる。『夢売るふたり』は全国にて公開中。■関連作品:第37回トロント国際映画祭 [映画祭] 2012年9月6日から2012年9月16日までカナダ・トロントにて開催夢売るふたり 2012年9月8日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012「夢売るふたり」製作委員会
2012年09月12日西川美和監督の最新作『夢売るふたり』が8日に全国で封切られ、東京・新宿ピカデリーで西川監督をはじめ、主演の松たか子、阿部サダヲ、田中麗奈、鈴木砂羽、江原由夏、木村多江、笑福亭鶴瓶が初日舞台あいさつを行った。その他の写真火災ですべてを失った夫婦(松、阿部)が、再起をかけて“結婚詐欺”に手を染めていくという男女の愛憎を描いたヒューマンドラマ。すでに第37回トロント国際映画祭(6日開幕)のスペシャル・プレゼンテーション部門への出品が決定しており、壇上にて第31回バンクーバー国際映画祭、第56回ロンドン映画祭、シカゴ国際映画祭、オーストラリア日本映画祭に出品されることも発表された。舞台あいさつの翌日に、トロント入りするため日本を発つ予定の西川監督は「国境を超えていける映画という文化は、やはりいいものだと感じています。日本の恋愛事情や結婚観、女の生き方を海外の人々にも観てもらえれば。これを機会にもっと遠い国の皆さんにも観てほしい」と意気込みを語った。ちなみに、海外上映の際の英語タイトルは『Dreams for Sale』になるとのこと。夫に結婚詐欺をけしかける妻を演じた松は、役作りのためにフォークリフトの運転免許を取得し、「たまには勉強もいいもんですね。それに免許がなくてもいい西川監督が一緒に受験してくれました。ありがとうございます」と感謝しきり。学科教習の際、居眠りしてしまう瞬間もあったといい、「居眠りする松たか子を初めて見ました」と西川監督。一方、次々と女性を手玉に取る夫を演じた阿部は「いろいろな表情を引き出してくれた。自分でも『あんな顔するんだ、おれ』と思ったほど」と西川演出に舌を巻いた。そんな阿部に対し、西川監督は「いやあ、阿部さんのこと、私も好きになりそうでした。現場の女性スタッフもみんなそう言ってましたよ」とにやけ顔。すかさず、西川監督の前作『ディア・ドクター』に主演した鶴瓶が「僕のときは、どうだったの?」とツッコミを入れ、会場を笑いに包んでいた。『夢売るふたり』公開中
2012年09月10日映画『夢売るふたり』が9月8日(土)に公開を迎え、都内劇場で初回上映前に行われた舞台挨拶に主演の松たか子に阿部サダヲ、田中麗奈、鈴木砂羽、木村多江、江原由夏、笑福亭鶴瓶、西川美和監督が登壇。また本作が、すでに発表された第37回トロント国際映画祭に続き、第31回バンクーバー国際映画祭、第56回ロンドン映画祭、第48回シカゴ国際映画祭など各国の映画祭に出品されることが明らかになった。『ゆれる』、『ディア・ドクター』の西川監督の最新作で松さんと阿部さんは夫婦役で初共演。火事で全てを失った2人が再起のために結婚詐欺で女性たちから金を巻き上げていく姿を描く。この日は「いまだから言いたいこと」をテーマに、登壇陣がフリップに書いた答えを一斉に発表。ほんの数秒のあるシーンのために松さんはとある特殊技能の免許を取らなくてはならなかったが、監督やスタッフも松さんに付き合って一緒に講習、試験を受けたそう。松さんのフリップには「一緒に受験してくれてありがとう」と感謝の言葉が綴られた。監督が講習をふり返り「授業中に居眠りする松たか子を初めて見ました(笑)」と明かすと、松さんは「私も人間なので…」と苦笑いを浮かべていた。阿部さんも監督に向けて「いろんな表情を引き出してくれてありがとう」と感謝の言葉。「火をつけられたり、何かをかけられたり、ひっぱたかれたり、セックスしたり…。『あんな顔するんだ?おれ』と思いました」と嬉しそうに語る。監督のフリップの下の方には小さく「アベさん本当はスキでした」との告白が。監督は「カメラの横で見ていて本当に阿部さんを好きになりそうになりました。女性スタッフに話したらみんなそう言ってました」と阿部さんの名演に、監督・スタッフまでもが劇中の女たちさながらに心奪われたよう。それを聞いた前作『ディア・ドクター』で主演を務めた鶴瓶さんが「『ディア・ドクター』のときは主演俳優を好きになることはなかったんですか?」と心外そうに突っ込むと、監督は「それは…」と口ごもり客席は笑いに包まれた。ウェイトリフティングに全てを懸ける女性を演じた江原さんは、4か月にわたってトレーニングを積んで撮影に臨んだ。実際に関東大会に出場し2位に輝くなど関係者から本物の選手としてやっていけるというお墨付きをもらったというが、そんな江原さんはフリップに「もうムリ…」とトレーニング中に感じたという本音を綴った。「本当に苦しくて1日に総量で6~7トンを上げて体はボロボロでした」とふり返る。そんな江原さんの答えを予測したかのように監督のフリップの中央には「江原さん、がんばってくれてどうもありがとう」という感謝の言葉が綴られていた。田中さんと鈴木さんはそれぞれ阿部さんとのシーンでの“やり過ぎ”を謝罪。特に田中さんは阿部さんをボコボコに殴るが、鶴瓶さんは「あれはひどかったで…。『私こんなのできるかしら?』って言ってたのに、次の瞬間にやってましたから(笑)」と田中さんのバイオレンスな一面(?)を暴露。阿部さんも「男性も含めて一生のうちであんなにやられたことはないです」と語り、監督も「カットが掛かった瞬間に鶴瓶師匠が『やめたれ!』って言ってましたからね」とうなづく。田中さんは「顔が赤くなって紫になって…顔ってこんな風に腫れるんだ?って思いました(苦笑)」と申し訳なさそうに阿部さんに頭を下げていた。西川監督は明日9日(日)にトロントに向けて旅立つが「日本の結婚観などが外国でどう見られるか楽しみです」(西川監督)、「海外の方がどこに共感し、どこに違和感を持つのか?楽しみです」(松さん)と海外映画ファンの反応への期待に胸を膨らませていた。また舞台挨拶の冒頭に松さんは、先日の舞台出演中に転落して現在治療中の実兄・市川染五郎の事故に触れ、心配をかけたことを詫びると共に「順調に回復しています」と報告。「彼に少し時間をやってください」と語った。『夢売るふたり』は新宿ピカデリーほか全国にて公開中。■関連作品:夢売るふたり 2012年9月8日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012「夢売るふたり」製作委員会
2012年09月08日『ゆれる』『ディア・ドクター』と観る者の心を静かに揺さぶる物語を世におくり出してきた西川美和監督の最新作『夢売るふたり』。火事で全てを失った夫婦(松たか子&阿部サダヲ)が結婚詐欺を繰り返すという、どこかファンタジーのようにも思える奇妙な設定の下、“愛とは何か? 結婚とは何か?”を生々しく問いかける。その他の写真初めて“女を描く”というテーマに臨んだ西川監督。「ダメな男のどうしようもない、でも魅力的なところを描いた映画はたくさんあるけれど、女のキャラクターというのは常にそれの引き立て役であり続けた気がするんですよね。だから私の知るかぎりの女の“ダメ”を描きたかった。結末が見えないまま発車して、いろんな角度から女を描き、日々実験を繰り返した感じです。阿部さんと松さんを見ながら『こういうふたりだったのか』と分かる部分がたくさんありました」と振り返る。金もなければイケメンでもない(失礼!)貫也に女たちは驚くほど簡単に騙されていく。阿部は彼女たちの気持ちについて「分からないですねぇ(笑)」と言いつつ、「理解できないからこそ演じるのが難しいし、面白かった」とも。「田中麗奈さんの涙を指で拭うシーンがあるけれど、現場の誰も、そんなことやったこともやられたこともないんですから(笑)」と照れくさそうに語る。本作は、女たちのセリフのひとつひとつが底知れぬ“深み”を帯びている。例えば愛人として生きてきた玲子(鈴木砂羽)が漏らす「すごいですね、奥さんて」というひと言。何気ない口調で放たれた言葉がなぜか脳裏にこびりつく。西川監督は「30年以上女として生きてるので、いろんな人の言葉が私の中に残ってます。妻子ある男の人を好きになった女性が発する『奥さん』という言葉に普通とは違う響きがあったりね」と静かに笑みを浮かべる。騙される女たち以上に女という生き物の生々しさをさらけ出すのが、夫の結婚詐欺を斡旋する妻・里子。唯一無二の存在感でもって演じた松たか子について「現場で見たときは怖さを感じなかった」という西川監督だが、「積み重ねてきたカットを編集で繋いだときに怖いと思いました。松さんが映ってるカットには『もう1秒だけ』とのばしたくなる吸引力があるんです」と明かす。夫として彼女と共に歩き、対峙した阿部は言う。「松さんは普段があまりに穏やかなので、スイッチが入ったときの怖さが倍増するんです。お風呂で浮気を問い詰められるシーンは、にらまれた瞬間に心から『申し訳ない』って思いましたね。電車でのシーンでも台本のト書きに『目が三角になる』とあったけど、本当になってましたから(笑)」。『夢売るふたり』9月8日(土)より新宿ピカデリーほかにて全国ロードショー取材・文・写真:黒豆直樹阿部サダヲ:ヘアメイク・荒川英亮スタイリング・チヨ(コラソン)
2012年09月07日『夢売るふたり』は、とにかく考えたくなる映画だ。火事ですべてを失った小料理屋の夫婦が、もう一度自分たちの店を持ちたいと願い、その夢の実現のために結婚詐欺に手を染める。板前の貫也は妻の里子が目をつけた標的――東京の片隅で孤独を抱えた女性たち――の懐に入り込み、金を引き出して行く。『ゆれる』、『ディア・ドクター』の西川美和監督が今回もオリジナル脚本を手がけ、松たか子と阿部サダヲを初共演に迎えた本作は、夢とお金と愛に翻弄される人々の姿を通して、男について、女について、自分自身についても考えたくなる作品だ。「夢を諦めるところも含めて、好きなんです」(西川監督)結婚願望の強いOLにスポーツ選手、風俗嬢、シングルマザー、と様々な女性が登場する。彼女たちの王子さまが貫也なわけだが、演じる阿部さん自身は同性として、「貫也はダメな男だなぁ…って思いました」と言う。「途中で自分の夢を諦めちゃってるんです。それで他人の夢、例えばウエイトリフティング選手のひとみちゃんの夢に乗っかっちゃって。それはだめでしょう、男として。そういうところは、自分とはちょっと違うなと思ったんですよね」。夢を諦めるのは、やはり駄目なことかと尋ねると「諦めなきゃいけないこともあるんでしょうけど。僕もプロ野球の選手になりたかった夢を諦めて、いま俳優やってるんですけどね(笑)」と答える。「ただ僕は、向いていないと気づいて、プロの選手にはなれないなと思ってやめたので。貫也はなんとなくやめてるから。そこはちょっとな、と思う」。西川監督は「だめなところなのかな…」と考え込みながら、「自分が男だったら、厳しく見ちゃうかもしれませんね。でも、なんとなく、しょうがないのかなとも思っちゃうな」。貫也という男は面白い。店が焼失し、失意のどん底にいた彼は、成り行きで一夜を共にした店の常連客に里子がいかに立派な妻か、熱心に語る。そして、大金をもらって喜び勇んで帰っていく。無邪気というか、天真爛漫というか。「走っちゃってるんだもんな…」と阿部さんは笑いながら呟く。「脚本にはなかったんですけど、監督が『松さんを抱きしめて、歌ってくれ』と言ったんですよ。オペラっぽくやってくれって。どんな男だ!?と思いました(笑)」。西川監督はにっこり笑って「そうお願いしました。見て下さいね。オペラ声で歌ってくださってますから」と答える。そのオペラの直後、物語は一気に加速する。滑稽さをまといながら、人の心の奥底まで深く深く分け入って、そこに隠されているものを白日のもとに曝してしまう。それが西川作品の特色だ。何気ない風で、人が一番触られたくない部分を鋭く突く。貫也のみならず、ラーメン屋店主や風俗嬢のDV夫、探偵など、登場する男たちも、騙す里子も騙される女たちも、誰もが少しずるいし、ばかでもある。「でも、ばかだけど、そこがいい。だから、夢を諦めるところも含めて、好きなんです。私は貫也っていうキャラクターが好きなんで、ついつい脚本を書いてても、貫也の話ばっかり膨らんでいくんですよね。だから、里子が物語の軸なんだって、振り戻すのにすごく苦労するぐらい。貫也は結婚詐欺をするのに外を歩くので、面白いんですよね」。貫也は女性から見た、理想の男性像?外に出て、いろいろな女性と対面しながら、貫也は変化していく。もう一度夫婦で店を始めたいという夢がブレない里子とは差が出てくる。「結構別人みたいになりますよね。監督からも別人でいいって言われました(笑)」(阿部さん)。西川監督は「貫也のいいところは、生き生きしてるんですよ、いつも」と言う。「もう、目の前にしたものが好きになり、それに心底没頭する」。確かに、どの女性といるときも貫也は楽しそうだ。家で夫を待つ里子が内に暗いものを抱えているのは明白だが、貫也にはどす黒いところはない。それとも見せていないだけ?「僕は、ない気がしますけどね。初めて会った子供とチャンバラやるっていう男は、どす黒くないでしょう」と阿部さん。西川監督は「ある意味、貫也は理想ですから、女の人から見た」と言う。「本当は男の人だっていろいろあると思いますけど、その暗い面、見たくない面は押さえて、だめだけど、人間の明るい面を寄せ集めた、かわいいキャラクターに書いたつもりです」。阿部さんは西川監督の男性の描き方について「面白がってるんだろうなって思いますね」と言う。「面白い男が多いなと思って。いろいろタイプが違う人がいっぱい出てきますけど、見方によっては笑えるっていうか、男の滑稽さが出てる。女性にしかできないような描き方だと思います。男が描くと、多分、貫也はもうちょっとかっこつけちゃったりするのかもしれない。もしくは、笑いに逃がしたりとか。西川さんの脚本はそれがないんです」。話を聞いていて頭に浮かんだのは、物語後半、すれ違い始めた夫婦が口論するシーンだ。里子に言われるまま動いてきた貫也が、彼女をやり込める。相手に逃げ場を与えない追いつめ方は、女性的にも思える。「そうですね、ああいう言い合いのシーンって、やっぱりね、男の人は描かなそうですよね」と阿部さん。「なるほどね。でも、私の周りの男の人は結構口が立つんだけどな」と言いながら、西川監督は阿部さんに「どうするんだろう、男の人。黙っちゃう?」と質問。阿部さんは「黙っちゃう。『逃げてくでしょう? 出かけちゃうでしょう?待ちなさいよ』って言われちゃう」と返答。監督は「煮物を容器に詰めて出ちゃう」と劇中の1シーンを引き合いに出して笑う。「自分じゃ知らない表情が映し出されていた」(阿部さん)阿部さんは「完成した映画には自分自身じゃ知らない表情が映し出されていました」と言う。「うれしいですよ。引き出してくれた監督に感謝しなきゃいけないですね」。自分でも未知の領域に連れていってくれる。俳優はそんな期待をもって監督との仕事に臨むのかもしれない。だが、監督本人は「いやいや、全然。そういうことのできるタイプの演出家じゃないです」と謙遜する。「松さんと阿部さんは、現場での有りさまが、私から見れば、すごく近い。2人とも歩調がちょっと似てるんです。だから、とてもバランスのいい現場でした」。みっちり話し合いを重ねて撮るようなこともない。「あんまり喋らないですよね(笑)。ちょっと解釈がずれてると思えば、言わせてもらうけど、ほとんどもうできてるんですよ。だから、目線の位置を決めるとか、その程度です」。「リハーサルをやってみて、あ、こいつ分かってないなって思うと来てくれるんです」と言う阿部さんの言葉に困ったような笑顔になる西川監督。「でも、阿部さんも松さんも、私の想定とは違う芝居のときが、いいことが多いんです。まあ、ほとんどずれないんですけど、基本は。でも、あ、元々の狙いよりも2人の出してきてくれたもののほうがいいって思うことがあった。だから、何にも言わないことが多かったですね」。「何も監督が言わないと、『もう諦められたのかな』って松さんと話してました」(阿部さん)「(笑)そんなことない。逆にこっちはなんにも言うことがなくて、申し訳ない、不甲斐ないって思うことが多かったですね。『まあ、この程度だな、この演出家も』って思われてるんだろうなって」(西川監督)お互いにそんなことを思いながらの撮影現場。互いへの愛情と尊敬、畏れと自意識の闘い合いは、『夢売るふたり』の世界観と重なるように思えて、何かストンと腹に落ちた。(text:Yuki Tominaga)Hairmake:Eisuke Arakawa/Stylist:Chiyo■関連作品:夢売るふたり 2012年9月8日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012「夢売るふたり」製作委員会
2012年09月05日人を騙す生き物と言えば、昔からキツネとタヌキが有名ですが、彼らよりもよほど始末に負えない動物がいます。それはもちろん、人間。残酷なほど狡猾に、人の心を弄ぶ…。その極悪非道ぶりといったら、昔ばなしに登場するキツネやタヌキの比ではありません。手を変え品を変え、お年寄りを騙す振り込め詐欺、訪問販売詐欺なんて、ニュースでやり口を知るたびに、胸がムカムカ。人は、ここまで下品になれるものかと驚きすら生まれます。人間の想像力は素晴らしいものなのに、こんな風に悪用するなんて…と。ただ、映画や小説などで意外な結末に驚愕させられる、そんな“騙し”は「ああ、やられた!」と爽快感すら覚えます。想像力を駆使し、人を騙す――。テクニックは同じでも、人の心を傷つける詐欺とは大違いです。意外な結末へと導かれていく『夢売るふたり』も、一種の楽しい詐欺に会うようなものかもしれません。というか、主人公たちは夫婦で詐欺師。映画を観れば、実際に詐欺に出会っちゃうわけですが。それにしても、詐欺の話なのに、“夢を売る”とはけしからんと思う方もいるかもしれませんが、映画を観るとなぜか納得できるはず。あらすじはこんな感じです。東京の片隅で、小さいながらも評判の日本料理店を営んでいる、貫也と里子。やっとの思いで開いた小料理屋でしたが、ある日、火事ですべてを失ってしまいます。落胆した夫を気丈に支える妻でしたが、完全にふてくされてしまった夫が妻に要らぬ言いがかりばかりつけるので2人の仲はぎくしゃく。そんな折、貫也はかつて店の常連だった女性に偶然再会し、彼女が不倫の末に失恋をしたことを知ります。そして、傷心の彼女を慰めるうちに一晩を共に過ごすことになり、なぜか彼女が得た手切れ金をそっくりそのままもらうことに。翌日、大金を持ち帰った夫から事情を聞き出し、怒りを覚える妻でしたが、そのとき、彼女にはあるアイディアがひらめくのです。それは、再び店を持ちたいという夫婦の夢を再び叶えるために、夫婦で結婚詐欺を働くこと。そして、里子が都会に暮らす寂しい女性を見つけては、貫也が懐に入り込み、お金を巧みに巻き上げるという段取りで、着々と資金を集めていくのです。ところが、嘘の繰り返しは、思わぬ事態を生み出して…。夫婦で詐欺なんて、とんでもない悪者たちのようにも聞こえますが、彼らはある時期までは正直に生きていた普通の人々。とある不幸をきっかけに、それまで眠っていた潜在的な悪意が心の中心を占めてしまうのです。ただ、物語が上手く流れているせいか、元々極悪人ではないせいか、見ていても、2人にひどい嫌悪感は覚えません。むしろ滑稽で面白く感じるのです。人を騙すと言う卑劣な行為の中にも、詐欺師たちの人間臭さが見事に描写されているのもその原因。阿部サダヲ演じる夫は、騙す相手にもどこか愛情のようなものを寄せてしまうほどに優しい人情派。一方、たちが悪いのは松たか子演じる妻の方です。相手選びなどを率先して行うほど自分主導で詐欺をしているにもかかわらず、夫が女に優しくしているのを、冷ややかな目で見ています。夫がターゲットに優しくするのは当然ですが、その優しさには詐欺を成功させようという計算高さからくるもの以外に、彼自身の人間性から来る優しさが大いに混ざっていることを、妻は敏感に感じ取っているのです。そこで、夫が騙す女たちを、とことん意地悪な目線で見つめ続ける妻。やがて夫も、健気で明るいばかりだと思っていた妻の邪気に気づき始めるのです。夫婦は、詐欺をすることでしか見えてこなかった相手の一面、互いに知らなかった自分たちの本質にまで気づいていきます。詐欺はとことん計画的だったはずなのに、計算しきれなかったのは、自分たちの心の動きや心情の変化。それに戸惑い、それを受け入れられなくなっていく2人。本作は、「騙す」ということが、騙される側だけでなく、いかに騙す側にもリスキーであることかを、見事な語り口で描いていくのです。他人を思い通りに動かせたとしても、自分の心が思い通りに動かせない。人間はますます不思議な生き物です。ここまで描ききれるところが、西川美和監督の凄いところ。さらには、女が持つ意地悪な視点を包み隠さず描けるところもさすがです。個人的には、これが最高レベルでできるのは映画監督ならフランソワ・オゾン、作家なら桐野夏生くらいだと思っていたのですが、この方もなかなか。あの上品な松たか子から、何とも意地悪な女性の性を引き出すあたりにも、恐れを知らぬ作家性が見えてきます。そしてもちろん、それに応えた松たか子の女優魂もあっぱれ。実は、裸になったり、派手な濡れ場を演じたりするよりも、よほどこういう演技の方が、女優にとって勇気がいるのではないかと同性ながらに思うのですが、いかがでしょう。とんでもないどんでん返しが待っているわけではありません。でも、心は翻弄され続け、物語に引き込まれ続ける『夢売るふたり』。そこが劇場であることを忘れ、嘘の世界に浸ることのできる137分です。騙されたと思って、ぜひ。(text:June Makiguchi)■関連作品:夢売るふたり 2012年9月8日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012「夢売るふたり」製作委員会
2012年09月05日森田芳光監督の遺作となった映画『僕達急行 A列車で行こう』のブルーレイとDVDの発売を記念して、森田監督作品をオールナイトで上映する“森田芳光 オールナイトで行こう!”が7日(金)に新宿バルト9で開催されるにあたり、森田監督作の『黒い家』で助監督を務めた西川美和監督のコメントが届いた。その他の写真『ゆれる』『ディア・ドクター』でメガホンを執り、最新作『夢売るふたり』の公開が8日(土)に控えている西川監督は、撮影現場での森田監督について「次から次へと湧き出てくる(森田監督の)突拍子もないアイデアに、現場はいつも理解が追いつかず、謎めいた空気に包まれていました。でも、森田監督はそんな空気に流されず、『何で出来ないんだよ!』と、子どもが駄々をこねるごとく、猪突猛進で、無我夢中なんです」と明かすも、「プロデューサーの三沢さんも当時助監督だった杉山さんも、森田組の人たちは、全員がじいややばあやのように骨身を削って監督のために働いてましたね。アイデアが思い通りに行ったときの森田監督は、これ以上ないほど興奮されていて、その喜びようを見ていると、誰もがたまらないと思うんです。だからみんな、中毒になるんです。これぐらい強烈に愛される人こそが、映画監督たるのだろうな、とそのとき強く私は思いました」と振り返る。また、今回のオールナイトで上映される『の・ようなもの』『ときめきに死す』を「心臓を貫かれるような思い出の作品」と話す西川監督は、「常に新しいことを試みたい、と切望されていた(森田)監督の情熱が、どの作品にもあふれています。遺作となった『僕達急行』に流れているおぼつかなさや温かい童心は、デビュー作の『の・ようなもの』にとてもよく似ている。これで終止符を打つつもりだったのかなあ。いや、そんなことはないはずでしょう。監督に、もう一度戻ってきてもらいたいです」とコメントを寄せている。オールナイト当日は、『の・ようなもの』で主演を務め、森田監督映画の“常連”としても知られる伊藤克信をはじめ、プロデューサーの三沢和子氏、編集の川島章正氏、助監督の杉山泰一氏によるトークショーが予定されているほか、入場者特典として『僕達急行』のプレスシート(非売品)がプレゼントされるという。『僕達急行 A列車で行こう』Blu-ray&DVD発売記念 森田芳光 オールナイトで行こう!上映作品:『僕達急行A列車で行こう』『の・ようなもの』『ときめきに死す』日時:9月7日(金) 22時40分開場/23時開映/翌5時45分終了予定会場:新宿バルト9料金:3000円(前売りは9/6まで)※当日券あり※上映前にトークショーあり
2012年09月04日映画『夢売るふたり』のカップルを招待しての試写会が8月27日(月)に都内で開催され、午前中に行なわれたヒット祈願イベントに引き続き、西川美和監督に松たか子、阿部サダヲ、さらに笑福亭鶴瓶が登壇。事前に観客から寄せられた男女の謎にまつわる質問に答えた。『ゆれる』、『ディア・ドクター』に続く新作で西川監督が描くのは夫婦による結婚詐欺。火事で全てを失った夫婦が次々と女性を騙して金を巻き上げるも、やがて彼らの間には溝が…。生々しい男女の姿を通じて愛や結婚について問いかける。客席は様々な年齢層のカップル、夫婦で埋め尽くされたが、映画のあまりの生々しさに鶴瓶さんは「うちも夫婦で観て、エライことになりました。カップルで観るのは避けた方が…」と心配そう。「観た後に監督がうちの嫁はんに質問してまして、オレは答えを聞きたなかったけど『女ってあんなもんよ』とか聞こえてきた」と苦笑していたが、西川監督は「いい夫婦がこの映画をどう観るのか?実験台になってもらいました」とイタズラっぽい笑顔を浮かべていた。本作を撮るにあたって西川監督は、鶴瓶さんの知人だという結婚詐欺の被害者に話を聞いたそう。鶴瓶さんによると、その結婚詐欺師は「この前、捕まった」とのことだが、西川監督は「被害者の感情は複雑で、単に『許せない』じゃ済まされないものがあった。周りから見たらバカだなと思うかもしれないけど、話を聞いたら『これはお金出すな』と思うような話も多く、それは(劇中の)騙される女性に投影したつもり」と明かす。その上で、夫に結婚詐欺を実行させる妻・里子を演じた松さんを絶賛。「内面を言葉に出さずに腹に抱えて孤軍奮闘する姿をどう描くかが勝負でしたが、松さんの芝居を見ていたら『この人についていけばいい』と思えた」と最大限の賛辞を送る。一方、松さんは阿部さんとの初共演に触れ「素敵な俳優さんでいつかご一緒したいと思ってましたが、夫婦役で出会うとは…。掴みどころがないようで、でもとてもシンプルな方のようにも思えて、一緒に仕事をしていて楽しかったです」と笑顔でふり返った。観客から寄せられた相談に答えるコーナーでは、「7年付き合っている彼が結婚に乗り気ではなく、実家への挨拶にも行ってくれない」という悩みに、鶴瓶さんが「行ったれや!」とガツンと一撃。「結婚はいいですよ」と言いつつ「でも男は文句言うときは隠して言うように!絶対にケンカしたらアカン!」と熱弁をふるっていた。また21歳の学生の「どうやって好きな女性にアプローチしたらよいか?」という相談には、「絶対大丈夫。誘えば来ますよ」とかなり楽観的なアドバイス。さらに「ずっと自分で温めてきた一発ギャグとかしてみたら?」という無責任な後押しで会場の笑いを誘ったが、松さんは「相手が引くかもしれないってくらいのことを全部試して、それでも大丈夫そうな人と付き合うといいんじゃないでしょうか?」と現実的な助言を送っていた。最後にこれから映画を観る観客に向け、松さんは「どの部分がみなさんの心に響くのか私たちも分かりません。この2人が幸せなのかどうか?最後まで見守ってください」と挨拶。阿部さんも「2人で観られて、その後にいっぱい話し合ってもらえたら」と呼びかけた。『夢売るふたり』は9月8日(土)より公開。■関連作品:夢売るふたり 2012年9月8日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012「夢売るふたり」製作委員会
2012年08月28日『ゆれる』、『ディア・ドクター』の西川美和監督の最新作『夢売るふたり』のヒット祈願イベントが神田明神(東京・神田)で行われ、西川監督を始め、劇中で夫婦を演じた松たか子&阿部サダヲに田中麗奈、鈴木砂羽、木村多江らが出席した。夫婦による結婚詐欺を描いた本作。妻が計画し夫が実行に移して女性から金を巻き上げていく姿を通じて愛や結婚、女性の本性を描き出していく。この日、キャスト陣は西川監督が事前に伝えたという劇中でのイメージカラーにちなんだ浴衣姿で登場。ただひとり男性の阿部さんは「みなさん、美しいのでじっくり見たい。神聖な場所でいやらしいことを考えてしまいました」と満面の笑み。「土日は休むとして、月曜日は…って感じで、(日替わりで)愛人を連れて歩いたらカッコいいですね」とよからぬ妄想まで口にしていた。これまでの人生における良縁を尋ねられると松さん、阿部さん、そして昨秋、結婚したばかりの鈴木さんは夫および妻との縁を挙げた。田中さんは「私も『夫』と言ってみたい」とうらやましそうに語りつつ、本作で共演している笑福亭鶴瓶について「短い期間で共演したり、近所で会ってお茶させていただいたりと縁がある気がしています」と微笑んだ。木村さんは、西川監督が助監督だった十数年前からの付き合いだそうで「監督はまだ大学生で『お互い頑張っていきましょう』って話してました。こうしてまたご一緒できて、良い縁を感じています」と運命を明かす。西川監督も「まだカチンコを叩いていた時期ですね。ギュウギュウのロケバスで隣に座って一緒に話してました」と懐かしそうに語った。松さんは改めて“夫”阿部さんの魅力を尋ねられると、「得意なところで売ってないところが『やるなぁ』って思います」と語る。これに阿部さんは「この着物、買い取りになるんじゃないかってくらい汗かいてます」と本気で照れていた。またこれまでの人生でつかれた最大の嘘は?という問いに女性陣はしばし思案。松さんは「思い当たらないんですが、気づいてないのかも。夫には嘘はつかれたことはないと思います」と苦笑交じりに語っていた。『夢売るふたり』は9月8日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:夢売るふたり 2012年9月8日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012「夢売るふたり」製作委員会
2012年08月27日