大河ドラマ『光る君へ』(毎週日曜後8:00NHK総合ほか)キャストの撮影現場からのコメントを届ける「君かたり」が、同局の公式サイト内で更新された。今回は、高階貴子を演じる板谷由夏の声を紹介する。――道隆の最期のシーン悲しかったですけど、でもめちゃくちゃ愛した人が私が詠んだラブレターのような歌を最後に詠んで死んていくって、なんてロマンチックなんだろうって思っていました。ロマンチックっていうか、すごくやっぱりお互い情熱的な恋愛をしていたんだなと思って、井浦新くんとも言っていたんだけど、死んでいくときに出会った頃の話を二人でしながら死んでいく夫婦っていよねって話していたの。それなんか、なかなかない気がするんですよね。出会った頃の話をするって。夫婦でもそんなふうに話せることもあまりないし、それを二人で確認しあって「会った頃はこうだったよね」って言いながら片方が死んでいくってすごいなと、その二人の絆がね。大石先生はすごい「二人は大恋愛」って思う気持ちをあそこに込めたんだろうなと思っていたんですけどね。だから悲しいけど、悲しいんだけど二人で共有する思い出を話し合えるっていう幸せ感もあったし、「さようなら」っていうよりも「私たち今まで幸せだったよね」って、二人で共有できる思い出がたくさんあるっていうほど幸せなことはないから、それはすごくほわんとしました。――道隆の変化について台本だと知っているんだけど、そういう嫌な面は私たちには見せていないんですよね、家族には。彼がそういう策略とかやっているのは見ていなくて…、でも知っていると思いますよ。板谷的には台本を読みながら「こんなに変化しているの?」って思いながら読んでいたんですけど、でも貴子も一緒に夫婦ともども、家族ともども一緒にあがりたいっていう野心というか、欲はあったはずだから「いけいけ~!」って感じだったんじゃないですかね。それを止めてなかった気がする、この時代の女性って位が高いほうがいいって思い込んでいるところがあるから「うちの旦那いけ~!」って感じだったんじゃないかな。
2024年04月28日大河ドラマ『光る君へ』(毎週日曜後8:00NHK総合ほか)キャストの撮影現場からのコメントを届ける「君かたり」が、同局の公式サイト内で更新された。今回は、藤原道隆を演じる井浦新の声を紹介する。――藤原道隆を演じきって撮影に入る前にイメージしていた道隆よりも大石さんがつくっていく道隆っていうのは、それ以上に豊かな人物像を描いていて、最初は文学や武道、芸事とかそっちの方の引き出しをどんどんどんどん使っていくような役になっていくかと思いきや、終わってみたら自分の中でイメージてきていなかった不器用さというか。政に関して得意じゃないっていうところをしっかりと描いてくださっている道隆の人間臭さだったり、文化芸術に造詣のある道隆意外の顔がしっかりと描けたっていう、実際はどうかということではなく『光る君へ』の世界の中での、藤原道隆という人物を豊かに描くことができたなとは思いました。――道隆の最期への思い『光る君へ』の世界の中で道隆を演じてきて感じていたのは一点ですね。やっぱり一族、家族への思いであり、呪縛であり、でもその家族というものを道隆を演じるうえでは常に大事にしていました。お酒に溺れても、権力に溺れたとしても道隆の根底にあるのはやっぱり家族であって、父上から学び教えられて、手本にしてきた父上のような政。道隆の中では教科書は父上なので、やっぱりそこも親子という関係からなっているので、父上から教えられたことは一族をいかに続けてくか、栄華を続けていくということが道隆にとっては一番大事なことなんですよね。だから自分が家族を持ったら、今度はそれを息子、今度はその孫へいかに渡していけるか。本当にそこだけを大事にしていた。だから本当に政は不得意な道隆ですけれども家族、一族というものが道隆のすべてだったんだろうな、というふうに感じます。
2024年04月28日不倫をした経験がある女性に話を聞くと、「不倫なんてしなければよかった」と語る人は珍しくありません。不倫によって多くのものを失った…というのはよく聞く話ですが、それだけでなく、一生消えない心の傷を負うこともあるようです。不倫経験のある女性に聞いたエピソードを紹介します。心の傷が一生癒えない「20代の時ずっと不倫していましたが、5年前に別れました。妻と離婚して私と一緒になる約束だったのに、結局妻が妊娠して、私はあっさり捨てられたんです。私はてっきり彼が結婚してくれるものと信じて待っていたし、『早く子どもが欲しいね』と話していたんです。それなのに妻との間に子どもを作るなんて…。完全に男性不信になってしまい、いまだに立ち直っていません。このまま一生誰のことも好きになれない気がしています」(あすか/35歳)既婚男性がよく言う「いつか妻と離婚する」という言葉を鵜呑みにしてはいけません。待ち続けた結果捨てられてしまい、貴重な時間を無駄にしてしまった…という女性が多いです。また不倫はドラマティックな分、別れた後の心の傷もそれなりのもの。不倫相手と別れて何年も経っているのに、心に負った傷がなかなか癒えないということがあるようです。不倫相手の子どもを出産「不倫相手との間に子どもができて出産し、今はシングルマザーです。子どもを産んだことは全く後悔していませんが、まさか子どもには『あなたのパパは不倫相手だったの』とは言えないので、この先も一生隠し続けないといけません。実は最近、ママ友の間で、私が昔不倫をしていた過去が噂になっているみたいで…。将来、子どもが周りから何か言われるようなことがあったらどうしよう…と不安です」(奈緒/36歳)不倫をしていた過去が一生つきまとい、苦しめられるケースもあります。子どもには何の罪もないので、絶対に子どもを傷つけることのないようにしてほしいですよね…。また不倫相手の子どもを妊娠した女性の中には、究極の選択を迫られ、子どもを諦めなくてはならなかった人もいます。そうなると一生消えない心の傷を負うこととなってしまいます。不倫相手の妻に恨まれて…「以前、既婚男性と付き合っていたことがあります。将来がないことはわかっていたので、私も本気というほどではありませんでした。ところが別れた後に、なぜか不倫が彼の奥さんにバレてしまったんです。インスタのアカウントも突き止められてしまい、その後、妻からストーカーレベルの大量のDMが毎日送られてきました。さらには、私の知人のアカウントにもDMして、私が不倫していたことをバラしていたみたいです。もう彼とはとっくに終わっているのに、あまりにも妻の執着心がすごいので、私もメンタルにダメージを受けてしまいました…」(瑠衣/32歳)不倫は、関係が終わってしまえばなかったことにできる…と思ったら大間違い。例え過去のことだとしても、妻からすると許し難いでしょう。不倫を知った妻が、不倫相手の女性に復讐しようとするケースも決して珍しくありません。このように、一度不倫をしてしまうと、別れた後も永遠に過去に苦しめられるケースが後を断ちません。時計の針を巻き戻すことは絶対にできないので、「不倫なんてしなければよかった」とどんなに悔やんでも、過去は変えられないのです。やはり安定した幸せを手に入れるためには、既婚者ではなく、普通の男性と恋愛をするべきです。©Marco/Adobe文・小泉幸
2024年04月27日大河ドラマ『光る君へ』(毎週日曜後8:00NHK総合ほか)キャストの撮影現場からのコメントを届ける「君かたり」が、同局の公式サイト内で更新された。今回は、藤原隆家を演じる竜星涼の声を紹介する。――藤原隆家を演じていろんな本とか史実ではなかなか荒くれ者だったりとか、平安の貴族の家柄の人間ですけれど、その系統にはなかなかいないような自分で何かを成し遂げていくっていう意外とこの僕ら兄弟とか家族の中では、ちょっと異端な感じなんじゃないかなという、そこがいいコントラストになって見せることができたらいいのかななんて思いながら、すごいでも僕は結構そういうさがな者は、嫌いじゃないといいますか好きなのでどちらかというと。とはいってもやはり貴族としての雅感はね、そういう教養だったりとかっていうのはやっぱり自然と受けてきていると思うので、そういう細かいところはやっぱり優雅に、だけれどそこをどの程度どこまで崩したり、偉い人がいる場所で帝がいる前でそんなことはしないよとか、ちょっとその崩した部分というのを限界ギリギリのラインまでで、みなさんと相談しながらやっているっていうのが今の楽しい部分かなと思っていますね。――兄・伊周についてやっぱり兄貴は兄貴で自信満々で、どちらかというと独り善がりですごく前に前にいきますけれど、でもそんな兄を見ているからこそ、力が抜けるなっていうのはすごく思ったんですよね。「兄貴がこうやっている」。それを後ろから見て、どちらかというと兄貴がいるところではちょっと一歩引いて見ている、俯瞰している「すごく頭がいいな隆家」って思ってしまうんですよね。でもそこでもやっぱり母親は長男の兄貴に対してすごく親身になり、そこは同じ兄弟でも兄貴贔屓じゃないけれど、愛みたいなのがちょっと強いのかなって、そんなつもりは母親はなくてもそういうふうに見える。「隆家はあっけらかんとしているし大丈夫だろう」って思うからなのかもしれないですけど、「どうせ俺のところにはそんなこないだろ」っていう「でも兄貴より俺のほうが一枚も二枚もうわてなんだけどな」っていう、その野心みたいなものはきっとあるんだろうなと。そこはすごく面白かったですね。
2024年04月21日大河ドラマ『光る君へ』(毎週日曜後8:00NHK総合ほか)キャストの撮影現場からのコメントを届ける「君かたり」が、同局の公式サイト内で更新された。今回は、一条天皇を演じる塩野瑛久の声を紹介する。――一条天皇について幼いころから天皇に即位して、自分の中でも自覚は芽生えつつもまだ若いというところで、至らないところだったりもあると自覚はしているものの民に寄り添い、本当にこの国をよくしようと一生懸命、動こうとしているっていう描写はいくつかあってですね。関白の言いなりになるのではなく、自分の頭で考え自分で行動し、よき政を行っていこうという意志はすごく感じ取れるので、すごく聡明な愛情深い天皇なんじゃないかなと思っております。――藤原道隆について自分とは少し異なる考え方だなという風に思っているんじゃないかなと感じていますね。道隆なりの気持ちもわかると一条天皇は思ってはいるんじゃないかなと思いまして。というのもやはり一条天皇は、政としてきっちり自分が意志を持っていろんなことを決めていかなければならない中でも情にも厚いというか、すごくそばにいる人を信頼したいって思うような人だと思うので、道隆もその中の一人ではあると思うので無下にはできないなと思いながらも、ちょっと乱暴だなと思ったりする一面もあるんじゃないかなと思っています。――定子についてとてもとてもいとおしくて、なくてはならない存在。心安らげる居場所みたいなふうに思っているんじゃないかなと思ってはいるんですけれども、一条天皇も自分で政治を動かしていかなければならないという使命があって、やはりその情というものが邪魔してしまうことも時にはあるんじゃないのかなと思っていて、その中のやはり一番大きい核というものが定子の存在なんじゃないかなと思っておりますね。それがいい方向に働くときもあれば、自分の中でちょっと突っかかってしまうことに働いてしまうこともあるんじゃないかなと感じています。
2024年04月21日「価値観の不一致」夫婦が破局する多くの理由「私の母の話ですが、父に妊娠報告をした際に第一声が『後継を産んでくれてありがとう』だったそうで…母はショックを受けたんだろうな…と娘ながらに感じてしまいました」(20歳女性)価値観の相違が原因で夫婦が別れるケースは少なくありません。ここでは、結婚生活が上手く行くために避けるべき価値観の差異に焦点を当て、その背後にある理由を紹介します。経済観念と生活の仕方一緒に生活を送るうえで、金銭の使い方はしばしば摩擦を生む原因となります。恋人としての将来を考えた時、安全や安心感が得られないと、その関係の意味を見直す必要があるかもしれません。時間管理への姿勢時間を重視する人にとって、待たされることは大きなストレスになりがちです。残念ながら、このような感覚は相手にはなかなか共感されにくいものです。時間管理に対してもっと心を配り、努力していたら、関係は継続していた可能性も考えられます。子どもに関する価値観子どもが苦手な人との関係は、将来子どもが欲しいと願うときに大きな不安を引き起こすことがあります。理解と努力は重要ですが、将来にわたる不安を感じさせるような点については、話し合うべき適切なタイミングがあるかもしれません。価値観を尊重するにも限界がある価値観の差を乗り越えるには、お互いの理解と努力が欠かせません。価値観が合致する恋人を見つけることも重要かもしれません。(Grapps編集部)
2024年04月20日人から「ありがとう」と感謝されたらうれしくなりますよね。しかし、ふとした瞬間に言われて、照れてしまったり、慌てて何も言えなかったりした経験がある人も多いのではないでしょうか。ここで上手な返事ができれば、相手にさらに好印象を与えることができるかもしれません。今回は、人から「ありがとう」と言われた時のモテる返し方を紹介します。また、ついやってしいがちなNG例も解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。■「ありがとう」と言われた時の返事のポイントまずは、「ありがとう」と言われた時の返事のポイントを紹介していきます。◇(1)感謝の気持ちを示す「ありがとう」と言われたら、こちらも感謝の気持ちを示しましょう。例えば、「こちらこそありがとう」「お手伝いできて良かったです」「喜んでもらってうれしいです」など、具体的に気持ちを述べることで、相手からさらに好感を持ってもらえるでしょう。◇(2)相手を褒める「ありがとう」と言われた時は、相手を褒めるのも効果的です。「〇〇さんのおかげでうまくいきました」など、あくまでも相手の助けがあったからといった言葉を添えるだけで、印象はガラリと変わるでしょう。Check!:褒め言葉の「さしすせそ」とNG言葉の「たちつてと」って何?◇(3)対面の場合は相手の目を見て笑顔で対面で「ありがとう」と言われることもあるはず。その時にうまく言葉が思いつかないからといって、暗い表情で「どういたしまして」と返せば、相手は「何か嫌なことしたかな?」と少し気にしてしまうかもしれません。そのため、直接「ありがとう」と言われた時は、相手の目を見て笑顔で返事をするようにしましょう。■ありがとうと言われた時のモテる返し方ここからは、「ありがとう」と言われた時のモテる返し方を具体的に解説します。◇(1)「こちらこそありがとう」相手から「ありがとう」と言われたら、シンプルに「こちらこそありがとう」と感謝の言葉を返すのがおすすめです。気の利いた返事がとっさに思いつかなかった場合でも、この一言が言えれば印象が悪くなることはないでしょう。対面の場合は、きちんと相手の目を見ることも忘れないでくださいね。Check!:感謝の言葉をありがとう以外で言うには?7つの言い換え表現を紹介◇(2)「自分1人の力ではありません」感謝に対する謙虚なセリフは、相手に好印象を与えてくれます。「自分1人の力ではありません」「周囲の協力のおかげです」など、周りの人のことも立てながら全て自分の成果にしないところがモテるポイントにつながるでしょう。◇(3)「〇〇さんもすごいですよ」「〇〇さんもすごいですよ」など、相手の名前を言いながら褒めてあげるのも好感度抜群の返し方です。ただ「すごい」と言うだけではなく、具体的なエピソードも加えられると◎もし感謝されたことに対して一緒に頑張っていたのなら、相手のこともぜひ褒めてあげてくださいね。Check!:褒め上手になるための5つのコツ◇(4)「また何かあれば気軽に言ってくださいね」感謝の言葉を掛けてくれた相手に対して、「また気軽に言ってくださいね」と返すのもおすすめです。この一言により「また頼っていいんだな」という安心感を与えることができます。相手との関係性をさらに深めたい時に使いたいフレーズです。◇(5)「照れるけどうれしいよ」親しい関係であれば、「照れるけどうれしい」といったユーモアを交えるのもおすすめです。これにより少し砕けた印象になり、笑いが生まれるでしょう。また、照れていることを素直に伝えれば親しみも感じてくれるかもしれません。正直な気持ちをしっかりと言葉で返せる人は、相手からの印象も良くなるはずですよ。Check!:女子が言われて嬉しい言葉一覧■「ありがとう」と言われた時のNGな返し方ここからは、「ありがとう」と言われた時のNGな返し方を紹介します。◇(1)「いえいえ、そんなことはありません」謙虚さは大切ですが、「いえいえ、そんなことはありません」といった相手を否定するような謙遜しすぎた返し方は、相手に距離感を与えてしまいかねません。この場合は、「そんなことはありません」と言った後に「ありがとうございます」を付け加えるなど、謙虚な気持ちと感謝を一緒に伝えることが大切です。◇(2)「あ、うん」相手から「ありがとう」と言われた際、「あ、うん」など適当に返事をするのはNG。照れ隠しで気の利いた返しが思い浮かばないこともありますが、せっかくお礼の言葉を伝えてくれているのでしっかりとリアクションをするようにしましょう。◇(3)「ありがとう。そういえば、最近どう?」相手が「ありがとう」と言ってくれたのに「ありがとう。そういえば、最近どう?」など、話題をすぐに変えるのもNGです。相手からすると、感謝の言葉を軽く見られている印象になります。お礼を言われたら話題を変えずに、まずはしっかり受け止め、リアクションをすることが大切です。■「ありがとう」の返し方で印象が決まる相手から「ありがとう」と言われるととてもうれしいですよね。短い会話の中でもどれだけ好印象を与えられるかが、お互いの関係性をよりよくするための重要なポイントです。初めは気の利いた返し方ができなくても、まずは感謝の言葉を素直に受け入れて、リアクションをしてみましょう。それだけで相手からの印象はグッと良くなるはずですよ。(#Lily_magazin)関連記事はこちら▼「どういたしまして」は目上の人にも使える?使い方や例文・言い換え表現を解説「どういたしまして」の意味と正しい使い方を確認してみましょう。※画像はイメージです
2024年04月19日自分の夫が不倫している、そして不倫相手の誕生日を祝おうとしていると知ったら、腹が立ちますよね……。ということで今回は、不倫女の誕生日に復讐した話を紹介します。夫と不倫相手が泊まるホテルを予約し、両親を連れて行った「夫が不倫していると知りショックでした。しかも夫は不倫相手の女の誕生日を祝おうと、なんと私たち夫婦が記念日によく利用する高級ホテルに泊まるようで、怒りで爆発!そこで私は、夫と不倫相手の女が高級ホテルに泊まる同じ日に、ウチの両親とそのホテルに泊まることにしました。夫がどの部屋に泊まるか、どのレストランを予約しているかまで知っていたので、夫たちの部屋の隣を予約し、レストランも夫たちと同じ時間を予約しました。で、不倫相手の女の誕生日当日、夫と不倫相手とホテルで偶然を装い遭遇し、当然ですが2人とも気まずそうな顔をしていましたね(笑)。私たちが隣の部屋にいることを知った夫は泊まるのをあきらめたみたいです。そりゃそうですよね」(30代女性)▽ 奥さんの両親が、いったいどんな気持ちで義理の息子の不倫現場を見ていたのか……気になりますね。
2024年04月17日お笑い芸人・あばれる君の初エッセイ『自分は、家族なしでは生きていけません。』が5月22日、ポプラ社より発売される。「人間的な思いやりを教えてくれたのは、妻と息子たちでした」と、家族への思いをつづった。無人島でサバイバル技術を披露したり、YouTubeでポケモン対戦配信をしたりと、テレビやネットなど幅広く活躍しているあばれる君も、家に帰れば2人の息子の父親。最近では妻のゆかさんとテレビ番組やCMで共演することも増えている。初エッセイは、そんなあばれる君の、家族への感謝と愛情が詰まった内容。ゆかさんとの悲喜こもごものエピソードや、2人の息子との心あたたまるやりとりから、あばれる君の誠実で純粋な人柄がじんわりと伝わる。芸人としての苦悩や手ごたえをつづったエッセイも満載。駆け出しの若手芸人時代の厳しい修行や、体を張った危険なロケの裏側、芸人として活躍する充実感など、普段は見られないあばれる君の胸の内も垣間見える内容となっている。また、中学社会科と高校世界史の教員免許や、世界遺産検定1級を所持する一面も。現在は合格率5%の難関、気象予報士試験にも挑戦するなど、過酷な試験に立ち向かう姿も必読。なお、あばれる君が家族と過ごす日常の風景を日記風にまとめた「あばれる家の日常」は、漫画家・和田ラヂヲ氏が手掛けた。10点が収録されている。(以下、『自分は、家族なしでは生きていけません。』より抜粋)■「自分は、やさしいゆかちゃんの気持ちをないがしろにしていました。」(P14)より僕は人生を切り拓き助けてもらう最強のパートナーを、17歳にしてもう手に入れてしまったのです。なぜ僕と付き合ってくれたのかをゆかちゃんに聞くと決まって、「お笑い芸人になるって言ってたからだよ」と言います。ゆかちゃんは長女で昔ながらの農家出身。厳しく育てられたらしく、高校の文系か理系かへの進路選択の際も、つぶしが効くはずだと理系に進むようにとお父さんに決められたようです。そして、お母さんの職業を追うように看護師の学校に通うことが決定事項となっていました。おそらくですが、ゆかちゃんはしっかりと決められたルートを歩むのが少し嫌だったのです。そこにお笑い芸人という夢を持つ僕が現れて、もしかしたら第二の夢を僕に託したのかもしれません。かといって僕の家が厳しくなかったわけではありません。当時の両親は僕のお笑い芸人になるという言葉を真に受けてなかったし、オーソドックスな世間体を核としたとしたゆるがない価値観の中で育てられました。そんな完璧主義の家庭環境の反動からか、とにかく僕はゆかちゃんに夢を語りました。ゆかちゃんは僕のほぼ妄想である夢のまた夢の話を、うんうんと自分のことのように喜んで聴いてくれるのでした。■「お笑い修行の一年」(P42)よりお客さんがはけてから深夜お笑いの特訓が始まります。中でも忘れられない特訓が「顔面洗濯バサミ」です。ヒモがついた洗濯バサミを顔にいくつもつけます。ヒモが引っ張られて洗濯バサミが顔からとれたときに、おもしろいリアクションをするというものです。深夜から明け方にかけて何度も繰り返し、リアクションの練習をします。ソレを団長が見てあれこれ言うのです。最悪です。Uさんは、副団長的な立ち位置で団長から厳しくお笑いを教えられていました。その「顔面洗濯バサミ」も何度もさせられていました。今思えば信じられない集団ですが、当時、生まれたてのアヒルがはじめて見たものを親だと思うように、僕はまっすぐなんの疑いもなく、その洗濯バサミを何度も顔につけてはヒモを引っ張り外すことを繰り返したのです。みんな顔がかさぶただらけでした。Uさんの顔色が、毎日少し赤黒がかっていたのはこのせいだとそのとき気づきました。「これは、何回も練習するものですか?」と聞くとUさんは、「ああ。疑問は持つなよ?」と言いました。へんな奴らに会えてゾクゾクしました。■「『芸人』になった日」より(P46)そのとき耳に入ったのが、今の事務所が主催している大学生のためのお笑い大会でした。出場するほとんどの大学生芸人は大学のお笑いサークルに所属していました。ハナコの岡部など、数々のコント芸人を輩出した早稲田大学のお笑いサークルや、法政大学のお笑いサークルなどがひしめき合う中、野良でお笑いをやっているのは僕ぐらいでした。僕のネタは、先生のモノマネとあるある。会場ではなかなかのウケ。厳しい場所でのお笑い修行はなんだかんだ無駄ではなかったのです。存分に力を発揮できました。結果的には、審査員特別賞。審査員だったブーマーさんに「君は僕と同じ匂いがする」とコメントしていただきました。はじめてプロと呼べる芸人さんに褒めてもらい、忘れられない1日になりました。養成所には特待生という形で入ることができ、劇団から僕は飛び立ちました。その日の帰り道、ライブを観にきていたゆかちゃんは満足げでした。その顔を見て僕も満足でした。
2024年04月15日大河ドラマ「光る君へ」より、ファーストサマーウイカ、財前直見、益岡徹の君かたりが公式サイトにて公開された。吉高由里子が紫式部を演じる本作。今回公開された映像では、ききょう(清少納言)役のファーストサマーウイカさんは、藤原定子(高畑充希)について、「『推し』の感覚にすごく近いんじゃないかな。娘でもなく、恋人でもなく、けど命を懸けてお守りしたいとか、最大の雇い主ではあるけれども」とし、“清少納言”という名について「すべてを背負った名前で宮中に入るっていうのがぐっとくるというか。『あなたの今までの人生を背負って学んだものとかをすべて持ってきて、宮中で私の力になってね』って言われたような気がして」と女房になるシーンをふり返っている。財前さんが演じているのは、兼家(段田安則)の妾である藤原寧子。和歌に長け、兼家との日々を「蜻蛉日記」として残した彼女。この「蜻蛉日記」は、まひろ(紫式部)も幼いころから読み込んでおり、そのことを知り、「まひろが歌を詠んでいく人になるきっかけみたいなことになるので、すごく重要な役割をいただいたなと思っていて」「先輩なんだけど、ちょっとお母さんの面影を見るみたいなシーンなのかな」とコメント。倫子(黒木華)の父・源雅信役の益岡さんは、雅信の最期について「婿殿(道長)に対して皮肉なことを言うんですけれども、あれも本当はそうしたかったけど、その出発点は娘かわいさの発想」「家族を大事に思った人間なんだなっていうのをすごく感じました」と語っている。第15回あらすじ道隆(井浦新)は、強引に定子(高畑充希)を中宮にし、詮子(吉田羊)を内裏の外へと追いやった。2年後、一条天皇(塩野瑛久)は麗しく成長。道隆の独裁には拍車がかかっていた。伊周(三浦翔平)らに身内びいきの人事を行い、定子のために公費を投じ始める。道長(柄本佑)は兄のやり方に納得がいかない。一方のまひろ(吉高由里子)は、さわ(野村麻純)と近江の石山寺へと出かける。そこで思いもよらない人物との出会いが…。大河ドラマ「光る君へ」は毎週日曜日20時~NHK総合(再放送 翌週土曜13時5分)、毎週日曜日18時~BS・BSP4K、毎週日曜日12時15分~BSP4Kにて放送中。(シネマカフェ編集部)
2024年04月14日親の反対を押し切って駆け落ち婚をした30代の千春さん(仮名)。自分が働きに行っている間に、夜勤の夫が自宅に不倫相手を連れ込んでいることが発覚したといいます。さらに夫は、昼間にパートに出掛けている千春さんのせいにして、自分の不倫を開き直る始末。その結果、夫婦関係は急速に冷え切ったそう…。メンタル心理カウンセラーの並木まきが、夫に不倫をされた30代妻の壮絶な体験をご紹介します。「サレ妻」仲間を見つけて、証拠集めをスタート「ネットで見つけたサレ妻のコミュニティに入った私は、自分と同じような境遇にいる妻が多いことに驚きました。コミュニティにいる人たちはみんな、夫の不倫について証拠を集めようとしていました。証拠が揃ったところで慰謝料を請求して、離婚をすると決めている人ばかり。私もみんなの真似をして、とりあえずは夫の不倫の証拠を集め、ある程度揃ったところで夫に話を切り出すことに決めました」不倫を開き直っている夫はスマホからLINEの履歴を消すこともなく、数々の証拠は千春さんが拍子抜けするほどあっさりと集まったそうです。「私は集まった証拠を突きつけて、夫に離婚をするか不倫をやめるか、どちらかにしてほしいと迫りました。夫は“離婚はしない。でも離婚して困るのは君だろう?”と言って、私を小馬鹿にしている雰囲気でしたね。駆け落ち婚で私が親に縁を切られているのを知っているので、離婚をしても私には戻る場所がないことを見越しているようでした。その場では夫は“不倫をやめるよ”と言っていましたが、それからしばらくしても不倫は続いているように見えました」離婚はせずに、夫へ慰謝料の支払いを請求せっかく集めた証拠も、離婚をするわけではない千春さんにとっては、どう活用していいのかわからないものになっていました。そんなとき、サレ妻コミュニティのひとりが「離婚はしないけれど、夫から慰謝料はもらうつもり」と言い出しました。千春さんも「その手があったか!」とひらめいたそうです。「サレ妻さんが“弁護士に依頼して、夫と交渉してくれている”と言っていたので、私も弁護士を頼り、夫に慰謝料を請求することにしました。弁護士の費用が高いのが気がかりでしたが、少ないながらもほんの少しなら貯金があったので、そこから支払えることがわかり、すぐに行動に移しました。夫はまさか私の代理人弁護士が連絡をしてくるとは思ってもいなかったようで、弁護士が入ってからは話がスムーズに進みましたね。離婚はしないけれど慰謝料を支払うと合意をし、不倫相手ともきっちり別れてもらいました。慰謝料は分割での支払いに合意をしたので、今も夫から私への慰謝料の支払いは続いています。今のところ不倫をする様子もないし、慰謝料を払うという形で不倫問題にもひとつのケリがついたので、ここから夫婦再構築をしようと頑張っているところです」当初は不倫相手にも慰謝料を請求する予定だった千春さんは、費用の関係で夫への請求だけにしたとのこと。それでも、弁護士が介入したことにより夫はすっかりおとなしくなり、今では千春さんを小馬鹿にするような態度もしなくなったそうです。泣き寝入りをせず、勇気を出して行動に移すことによって、夫への制裁をくだす方法にもなるでしょう。不倫をされた場合でも夫婦の再構築を望むのであれば、慰謝料という形で区切りをつける方法もあるのです。©koumaru/Adobe Stock ©buritora/Adobe Stock文・並木まき
2024年04月14日大河ドラマ『光る君へ』(毎週日曜後8:00NHK総合ほか)キャストの撮影現場からのコメントを届ける「君かたり」が、同局の公式サイト内で更新された。今回は、ききょう(清少納言)を演じるファーストサマーウイカの声を紹介する。――藤原定子の女房になるシーンこれは私個人の解釈なんですけど、ききょうはすごくハツラツとして、気も強ければ思ったことをスパッと言うタイプなので「いや、もう別れてるんですよ」とか、違うことは違いますってハッキリ言えるような性格っていうところのコントラスト。「ちょっと変わってんなぁ」っていう一面も見えつつ、ききょうとしては家を捨ててきたわけですよ。旦那さんと息子までおっつけてきちゃったけど、もらった名前が亡くなった父と旦那の少納言。旦那が少納言ではなかったんだけれども、そのすべてを背負った名前で宮中に入るっていうのがグッとくるというか。まったく新しい名前にしてすべての人生をそれこそ本当にゼロにしてリスタートしますじゃなくて「あなたの今までの人生を背負って学んだものとかをすべて持ってきて、宮中で私の力になってね」って言われたような気がして、「あぁ清少納言…いいっすね!」って。「なんで元夫のやつ入れなきゃいけないんだよ」とか「おやじの名前かよ」みたいなことじゃなくて、全部を認めてくれたような器みたいなものを名前から感じて、「いい名前だな」と思っていたんじゃないかなって。短いシーンで誰がそこに感じるかわからないですけど、私はそう思って受け入れたんじゃないかなと。欲を言えば息子の名前も入れてほしかったくらいの感じかもしれないですけど(笑)、というふうに感じましたね。――定子について清少納言にとってきっと定子様っていうのは、史実で読んでいても「推し」。神とか宗教的な心酔するというよりは「推し」の感覚にすごく近いんじゃないかな。「尊い」「一挙手一投足がいとおしい」「愛くるしい」。娘でもなく、恋人でもなく、けど命を懸けてお守りしたいとか、最大の雇い主ではあるけれども「推し」の感情に近いんだろうなというのは思いますね。
2024年04月14日大河ドラマ『光る君へ』(毎週日曜後8:00NHK総合ほか)キャストの撮影現場からのコメントを届ける「君かたり」が、同局の公式サイト内で更新された。今回は、藤原寧子を演じる財前直見の声を紹介する。――藤原寧子について一人息子(道綱)に甘い親(笑)。ひとことで言えば、やっぱり自分の負い目としては妾でいるっていうことがあるので、やっぱり正妻さんの子とはまた違うので、バカにされちゃいけないなっていうのは心のどこかにあると思うんですけど、でもああいう歌を書く人ですから、そんなに重く感じてはいないと思うんですよ。逆になんていうの…利用しているじゃないけど、こういう環境の自分を表現するっていうプロデューサー的な目もあったんじゃないかなとは思います。――まひろが『蜻蛉日記』を読んでいたと知って幼い子にはやっぱり難しいんじゃないかなと思うんですけど、この『光る君へ』の中でいうと、これから先まひろが歌を詠んでいく人になるきっかけみたいなことになるので、すごく重要な役割をいただいたなと思っていて、しかも母親がいないじゃないですか。「娘がいたらきっとそう言ったでしょう」という言葉がちょっとお母さんっていうふうに先輩なんだけど、ちょっとお母さんの面影をみるみたいな、シーンなのかなっていうことが、すごく大事ないいシーンだなというふうに思っていました。――藤原兼家について基本的に亭主元気で留守がいいじゃないかな(笑)。息子を独り占めできたし、やっぱりある意味歌のために必要な人だったっていうこと。さっきプロデューサー目線って言ったことは、歌を書くことで兼家さんという存在が必要だった。嫌いじゃないし、来てくれたらとてもうれしいし、わりと近い存在で必ず膝を触っていたりとか肩をもんだりとかっていう、そういう普段兼家さんが見せないことをたぶん寧子の前ではしていたんだろうし、そういうちょっと安らげる場所が見ている人もちょっとフフってほほえましくなるっていうシーンになったらいいなと思って演じていました。
2024年04月14日大河ドラマ『光る君へ』(毎週日曜後8:00NHK総合ほか)キャストの撮影現場からのコメントを届ける「君かたり」が、同局の公式サイト内で更新された。今回は、源雅信を演じる益岡徹の声を紹介する。――源雅信を演じて源氏として平安中期から末期、ずいぶん貴族階級が没落したりとか武士階級が起こったり、藤原氏には大きく水をあけられたんだけれども、そのすぐあとに連想するのが、『平家物語』の祇園精舎の…っていうね。そういうのをすごく連想してね。しかもそれが現代の社会にも転換できるといいますかね。それがおもしろいなってつくづくやっぱり思いまして、役として少し出し抜かれる源氏のでも位は高いんですけど、その役をやっただけでそれを感じられたっていうのは、すごい収穫だったと思います。――雅信の最期最期、婿殿(道長)に対して見方によっては皮肉なことを言うんですけれども、あれも本当はそうしたかったけど、その出発点は娘かわいさの発想ですしね。そのことを思ったときに「俺はお前のことは反対だったんだ」っていうことをせめて伝えるっていうのが、かえって2人にとって結果よかったんじゃないかなっていうね。だからその辺の書かれ方も見事だなっていうね。多少錯乱しているっていうふうな解釈ももちろんできるんですけれども、家族を大事に思った人間なんだなっていうのをすごくい感じました。ですからその言葉と裏腹に最期、手をぐっと握れたっていうのがすごくよかったと思うし、いろいろそういう意味で勉強になりましたね。生き方の問題として、あの死に方はどう考えても幸せですしね。みんなに見てもらって。――雅信の家族について表の顔と家族でも顔っていう分け方をしたとしたら全然違う表れ方をしているっていうのがね、面白いですよね。奥さんを大事にして、娘に弱くてっていうね。それがとても現代的につながるものがあるんだなっていうふうに本当にやりがいのある家族の一員になれたという、なんというかな…、「こうあったらいいだろう」と、どんな時代でもこういうふうに夫婦関係と親子関係があればいいんじゃないかって。問題は起こるんだけど、それをなんとか解決していくみたいなそういうことはね、できることはすごくいいなと思いました。
2024年04月14日ドラマ『エルピス』での暴言セクハラプロデューサー、朝ドラ『ブギウギ』での「アホのおっちゃん」、そして『虎に翼』でのヒロインの父・猪爪直言。数々の個性的な役を演じてきた岡部たかし(51)の俳優人生がアラフィフで大きな花を咲かせたのには、人生の節目節目で応援してくれる、かけがえのない女性の影響があった――。就職した会社を辞め、地元・和歌山に戻った彼は、トラックの運転手や喫茶店などフリーターとして「自由な自分」を取り戻した。「運送業は、働いている先輩後輩も仲よくて職場が楽しくて。喫茶店は、母親が雇われ店長している店で、僕は名前を変えて、母と一緒に働いてました(笑)」良好な人間関係のもとでのフリーター生活は、楽しかったと同時に「これでいいんか?」と、思い始めた時代でもあったという。「やっぱり、和歌山から出たい気持ちはあったんです。ふんわりと“華やかな芸能界に行きたい”という感じやったんです」そんなとき、一人の女性が彼の背中を押してくれた。23歳のころから付き合い始めた5歳年上の美容師の彼女だった。「厳しい母とは真逆の女性で、僕を信じて受け入れてくれました。『和歌山、出たい』と、夢を語るだけで満足しちゃって、何も行動をしない、いちばんしょうもないパターンだった僕に、『そんなに東京行きたいなら、私も一緒に行く。やりたいこと、やったほうがええよ』と言ってくれたんですね。当時の僕にとって上京は、もう外国に旅立つ感覚でした。それでも『絶対、いけるよ』って背中を押してくれたんです」彼女の後押しにより、岡部は24歳で上京する。のちに妻となるこの女性は、まだ何者でもなかった彼の未来を「面白いから、絶対大丈夫!」と唯一信じてくれたのだ。’96年、上京した岡部は、柄本明が座長を務める「劇団東京乾電池」の研究生オーディションを受け、真っ白なスーツ姿で尾崎豊の『I LOVE YOU』を熱唱して合格。「芸能人にはなりたいけれど、どうしたらいいかわからない。ここは研究生の月謝が1万円ほどと安かったのが決め手でした」1年後、研究所の卒業公演。脚本・演出・主演を務めたが、筆が進まず、十二指腸潰瘍も患った。その舞台を見た彼女からは「やめたら?向いてないで」と厳しい言葉をかけられた。「僕、自分が書いたものが恥ずかしくて。舞台上で前をよう向かんかったうえ、どんどん自分から舞台の後ろに下がっていったんです」それでも正式に劇団員として認められ、うどん店・すし店の出前や居酒屋のバイトをしながら、芝居の道へ本格的に歩み出した。そして東京に一緒に来てくれた彼女と結婚。’00年、28歳で息子が誕生。同年、劇団を退団した。■「自分で道を切り開くのではなく、結局は他人任せの他力本願の人生」だが、当時の岡部はバイトが楽しくなりその仲間と遊んでばかり。「ホンマに東京に何しに来たん?」と、母親になった妻からそう言われても、「当時は『やってるよ!』と答えてはいたけれど、でもそれは“やってなかった”と今は思いますね。“何か”が見つかってへん感覚はありました。標準語もでけへんし、芝居も下手くそでした」厳しい母の庇護の下から外れた反動で、優しい妻に甘えすぎていたのかもしれないと振り返る。「おかんも奥さんも、僕のためになんでもしてくれて。自分で道を切り開くのではなく、結局は他人任せの他力本願。僕の人生、出会った人らに助けられてるんです」元ワハハ本舗の岩谷健司さんや、俳優・演出家の村松利史さん、またCMディレクター山内ケンジさん主宰の「城山羊の会」(’04年結成)と、現在にも続く芝居の仲間たちと出会ったのもこの時期だ。「面白いとは何か?」に取りつかれるように、岡部は脚本作り・芝居に没頭していった。「それまでの芝居は楽しい・軽い=面白いだけでしたが、このときは自分を突き詰めないといけなかった。それまで自分は、ずっと苦しみから逃げていただけやったと気づきました。芝居をやっていても誰にも褒められない。でもバイト先でなら『面白い!』と言ってもらえる。楽なほうへと逃げていたんです」岡部が大切にしている、作家・町田康の言葉がある。《面白いことはただ面白さだけでそこにあるのではなく、悲しみや苦しみとともにそこにある》自らの家族との日常を脚本のネタにしたこともある。芝居へ精魂を注ぐ彼の舞台を観た妻は「むちゃくちゃ面白い!」と爆笑していたという。「自分のこともネタにされても『こんなに面白いのは世に出るべきやで!』と言ってくれた。それ以降は、ずっと『面白い』と言ってくれています」役者としての修業時代、着実に力をつけていくのと反比例するかのように、夫・父としての役割は遠く、薄くなっていった。「正月に『サイゼリヤ』にこもってネタを作っていたこともあります。それまでは途中でいろいろとやめてきた僕が、それでも芝居をやめなかったのは、苦しいけれど“面白い”からでした」幼子を抱え、美容師の仕事も休んでいた妻は和歌山の岡部の実家で暮らし、別居する時期もあった。妻は東京に戻っても、生活費を稼ぐためパートの日々。時給のよいラブホテルで勤務したことも。その間も夫は家に帰ってこない。岡部はこのころ「子供と過ごす時間はほとんどなかった」と呟く。やがて、息子が6歳になるとき、妻は一つの決断を下す。《離婚してください。子供の養育費はちゃんと払ってください》「33歳で息子を産み、当時は高齢出産といわれた時代でした。美容師の職もあるし、将来のことを考えて決めたんだと思います」妻と息子は、地元・和歌山へと帰っていった。30代半ばを迎えた岡部にも変化が訪れていた。警備員、テレホンアポインター、デリバリー業とバイトは続いていたが、芝居での新たな出会いを求め、小劇場のオーディションを受け続けるようになった。「落ちてもいいから以前と違うことをやりたい衝動にかられました」離婚したことで他力から自力へと“自立”したのかもしれない。芝居ではさらに“面白い”を追求するようになっていた。「喋るのが下手なので、飲みに行って相手に向かい『お前、おもろない!』と言いすぎて、ケンカになることもありました。30代は尖ってたんです(苦笑)」悩んでいた岡部は、城山羊の会で出会い名脇役として活躍していた女優の深浦加奈子さんの言葉に助けられることになる。あるとき、岡部は深浦さんに「自分は普通で、おもろないんです」と嘆くと「そんなことで悩んでいるの?」と一笑され、こう答えてくれたという。「『普通をちゃんとやりなさい。とがっているだけじゃ駄目だし、作ってやるもんでもない。あなたのままをちゃんとしたら面白い。普通をちゃんとできる人って、あまりいないんだから』と。作らんでいいということを言われましたね」彼女の助言によって岡部の旧来の考え方に風穴が開き、ようやく壁を乗り越えられるように──。深浦さんは’03年に結腸がんを患っており、’08年天国へと旅立った。■東日本大震災を機に元妻と会話。「ちゃんとやらなあかんねんな」その3年後、2011年3月11日、東日本大震災が発生した。彼の人生も新たな局面を迎えることになる。「気になって息子に電話したら元奥さんが電話に出たんです」岡部は離婚後、息子とは時折会ってはいたが、元妻との交流は一切途絶えていた。「だから、間違い電話をかけてしまったと思ったくらいです」受話器の向こうから元妻は「大丈夫?」とまず彼を気遣ってこう続けた。「離婚をして、養育費を払わなくなる人が多いのに、ずっと払ってくれてありがとう。感謝してる」役者だけでは食えずバイトを掛け持ちしながらも、岡部は離婚時の約束を守り、毎月、養育費を払い続けていた。元妻とは、久々の会話だった。「そんなん言うなら、ちょっと甘えて『来月から安くしてくれとか言うぞ!』と冗談言えて(笑)。それからまた、元奥さんにも会うようになったんです。だから、ふざけたような生活をしてても『誠意』は大事で、ちゃんとやらなあかんねんなって思いました」当時、月収20万円を稼げればいいほうだったという彼に失礼ながら養育費の額を聞くと……。「毎月7万~8万円払ってましたよ(苦笑)。借金もしてましたし、みんなに助けてもらいました」離婚した母子家庭で、養育費を受給している世帯は、28.1%しかない(「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」)。“面白い”を追求してバイトで稼ぎながら、岡部が守った誠意とおとこ気を、元妻はしっかり感じ取っていたのだろう。「それからは定期連絡をするし、和歌山に戻ったときに元奥さんに許されて、家にも入れるようになりました。息子は息子で戸惑ったみたいです。説明せんままで、元奥さんの家に突然行くようになってるから(笑)」6歳で父と離れた息子は、中学時代、やんちゃな時期があった。当時の息子の言動について「それ、本当におもろいんか?おもろかったら、ええんちゃうん」と諭したこともあったという。大震災の翌年、40歳を迎え事務所も移籍すると、大きな劇場の芝居にも出演するようになった。「縁がつながっていったんです。前の事務所の社長が今の事務所を紹介してくれて。また僕がこれまでやってきたことが合致したタイミングがありましたね」’04年から続けている城山羊の会が、ドラマや映画の製作陣、役者たちの間で「面白い」と評判になり、劇場に足を運ぶ人が増えた。そこから岡部に声がかかる機会が増えていった。「売れることはもう諦めてました。だから売れるより誰が見ても『あの人面白いね』と言われる人になりたいと意識していました」不思議なことに“売れる”“目立つ”ことを諦めたことで、仕事が増えていった。人との縁を大事にして、深浦さんに教わった“普通にちゃんと生きて”声がかかった作品一つ一つを地道に真摯に誠実に積み上げて、俳優一本で生活できるようになったのだ。人生って“面白い”──。ちなみに、一部ネット情報では岡部が《元妻と再婚》と書かれているが「それは違う」と断言する。「彼女は美容室を経営して、夢をかなえてるし、僕は僕の道を歩んでいます。いい関係ですが、再婚はしていないと、太字で書いてください(笑)」別々の道を歩みながらも父母として絆を結び直し、私生活では新たな“家族の再生”を果たした。一方、俳優業では『エルピス』など、アラフィフで個性派俳優としての地位を確立。“翼”を得た今、まさに『虎に翼』でヒロイン寅子の父として、お茶の間の朝の顔になったのだ。■「役者の息子とは父子というより、先輩と後輩みたいな感じなんです」「(伊藤)沙莉ちゃんも仲野太賀くんも、僕のアドリブを受けて返してくれるし、猪爪家のみんなで盛り上がっている仲のよさは、きっと画面にも出ていると思います」『虎に翼』は、嫁入りするのが当然とされた昭和初期に、結婚だけが幸せではないと自らの道を切り開くヒロイン・寅子を描いている。岡部はその寅子について、「やりたいことがあるのは幸せだよね」と思いを募らせる。実は岡部の息子は高校3年に上がる前に城山羊の会で出演する彼の舞台を観ていた。「親父って、こんな面白いことをやってるんや」と衝撃を受け、俳優を志すようになっていた。「自分が18歳で就職して、やりたいことが見つからずに辛かったので、寅子にしても、息子にしても、誰しもやりたいことがあるのは本当に幸せだと思う。苦労をしても、悩みながらキラキラしているほうが絶対いいと思うんです」元妻から事前に「俳優になりたいみたい」と聞かされていた岡部は、息子から直接相談を受けると「おもろかったら、ええんちゃう」と即答。息子の名前は岡部ひろき(23)。’20年には父子で同じ舞台に立った。「離婚後も会ってはいましたけど、一緒に長いこと住んでなかったので、父と息子というより、先輩と後輩みたいな感じなんですよね」と、岡部はうれしそうに笑った。「これまで出会った人たちへの感謝しかない。やはり人間はやりたいことをやらなあかん。後悔だけはしてもらいたくない」“夢追い人”だった20代の岡部に「あなたは絶対面白い」と、背中を押してくれた元妻の存在は、とても大きかったようだ。「もう、彼女には『ありがとう』しかありませんね。実は僕と息子は高校も一緒なんです。先生にも『岡部の息子か?』と言われたらしい。芝居をやっているのも一緒で。なんかちょっと年上の女性に恋してるらしい。年上の女性と結婚して離婚して……って、そこまで親子で一緒やったら“面白い”と思いません?」このほほ笑みは、元妻への照れ隠しなのか─―。ようやく翼を得た岡部の半生にこそ、朝ドラに匹敵する人間ドラマがあった。(取材・文:川村一代)
2024年04月14日「24年間、日本にいてくれてありがとう」3月31日、たくさんのファンに愛されながら、神戸市立王子動物園のジャイアントパンダのタンタンが衰弱のため天国へ旅立った。’00年、阪神・淡路大震災復興支援と日中共同飼育繁殖研究のために来園。まあるいフォルムでおっとりとしたかわいらしい顔立ちから“神戸のお嬢様”と呼ばれて愛されてきたが、過去にはつらい経験もあった。タンタンは2回妊娠したものの、1度目は死産、2度目は4日目に赤ちゃんが死んでしまい、その2年後にはパートナーにも先立たれ、お婿さんを待つ日々が何年も続いていた。そんな境遇の中でも、大好きなにんじんを両手に持って二刀流で食べたり、短い手足をピンと伸ばしておどけたポーズを見せたり、思わず笑顔になってしまう行動で多くの人々の心を和ませてきた。春に約480本の桜の中にタンタンがたたずむ様子は圧巻の絶景で、王子動物園の風物詩となっていた。’21年に心臓疾患が見つかり、その後、療養生活を送っていたタンタン。同園が1日に開いた会見で、長年担当をしていた飼育員の梅元良次さんは「家族や友達以上の関係」と涙を流し、同じく飼育員の吉田憲一さんも「治療中に吠えられることもあったけれど、その後、目の前で無邪気にゴロンと寝てくれる姿が目に焼き付いています」と、思い出を語りながら男泣き。みんなに愛し愛され、癒してくれたタンタン。そのかわいい姿はいつまでもみんなの心の中に生き続けるはずだ。
2024年04月13日大河ドラマ『光る君へ』(毎週日曜後8:00NHK総合ほか)キャストの撮影現場からのコメントを届ける「君かたり」が、同局の公式サイト内で更新された。今回は、まひろを演じる吉高由里子の声を紹介する。――まひろの成長まひろが大人に刃向かっていくとか、戦うとかいうよりも子どもに教えたりとか、自分がやるべき使命みたいなものをちゃんと見据えて動いているような感じがして、私も年齢的にも下の子が増えていったりとか話す機会が増えていったりとかして、教えるっていうことが増えたし、人に教えることによって自分も改めて学んでいるんだなっていう実感もあったりとかして、こういう気持ちでやっているのかなっていうふうな想像につながったりはします。――ききょうについてすごく刺激を受ける人だと思います。影響はどうかわからないですけど、彼女の存在がまひろにとっての刺激になって、自分では思いもしない発想に感化されたりとかもしたり、それが仕事を探すとかいう切り替えにもなっていくんだと思いますし、何か行動しなきゃとか、足踏みしている自分にやっと気づいたっていう感じで、またさわさんとは違う関係性で必要な方なんじゃないかなっていうふうに思います。――ききょうの生き方口が裂けても言えないような言葉をききょうさんは、サクッとサラッと言って、また猛進していく姿を後ろ姿を背中を見つめるしかできないまひろは歯がゆいというか、悔しいというか、ふがいないというかっていう気持ちが自分に湧き出てきたんじゃないかなというふうに思うんですけど、目標があるというか、目的があるというかっていう自分をちゃんと見つけられたききょうが、羨ましいんじゃないかなという感じもありましたし。
2024年04月07日大河ドラマ『光る君へ』(毎週日曜後8:00NHK総合ほか)キャストの撮影現場からのコメントを届ける「君かたり」が、同局の公式サイト内で更新された。今回は、藤原道隆を演じる井浦新の声を紹介する。――兼家の後継者に指名されて道隆は、兼家父上の息子たち娘の中で僕の勝手の解釈だと、一番父上に影響を受けている人物だろうなというふうに思っています。だから道兼とはまた違う父上の影響を受けていて、家督として温室の中で大事に大事に育てられてきたからこそ、本当に疑いもなく父上のやってきていることは本当にすべて学びながら参考にしながら、という意味で一番影響を受けてきている人物でもあると思うので、家督は道隆にするっていう言葉がきたときは、いよいよ自分の時代が訪れるんだっていうそういう思いに火が付く瞬間でしょうね、野心的な。それを野心という言葉一言で表現するのは僕は乱暴だなと思っているんですけど、自分の中で道隆は父上が大事に大事に実践してきた思想、自分の家の中で権力をつなげて回していくという、この思想を道隆なりにこれからやっていく、それの準備が入内させる定子、嫡男とそれを支えていく弟っていうすべてができているのでいよいよ自分なりの政を始められるんだっていう日がつけられるところ、狼煙が上がるところというか、だろうなとは思いました。――道兼が人殺しと知って知らなかったことに対して驚きはあったと思うんですが、僕の中では道隆もずるさとか弟が全部そういうところを背負っているのはもちろん知っていて、そこは見ないふりして全部任せていたっていうこともあっただろうなって。だから驚きとともにやっぱりそれが確信にも変わったりとかして、申し訳無さとか、そこはお前に任せたよっていう思いだったりとか、一つ二つの感情だけじゃないなとは思いました、あのシーンは。道兼に対しては。
2024年04月07日大河ドラマ『光る君へ』(毎週日曜後8:00NHK総合ほか)キャストの撮影現場からのコメントを届ける「君かたり」が、同局の公式サイト内で更新された。今回は、いとを演じる信川清順の声を紹介する。――いとを演じて台本を読んで、いとってちょっと空気が読めなかったり、家族じゃないから言っちゃったり、逆に言えなかったりっていうことがあると思うので、だからそういう部分は明るくするというよりはちょっと引っ掻き回すじゃないですけど、いいも悪いも家族にぐぐっと詰め寄ったり、見守ったりができたらいいなと思っております。――推規について高杉真宙さんがもうすでにかわいいんですけど、為時さんとまひろさんがやっぱりちょっと真面目な部分が多いじゃないですか、特にまひろちゃんってズバズバ意見も言うし、いろんな勉強もしたいところをちょっと2人の小難しいところをつつく役割をしていて、とってもかわいらしい性格とかわいらしいお顔でいとは溺愛しております。――いとまを申し出るシーン為時さんへのセリフでもあったんですけど、ここにしか本当に居場所がないだけじゃなく、本当にいとにとって大切な家族の人たちの場、でも自分は家族じゃないからって殿様にお伝えするっていうのですごい絶対出ていきたくない、本当は。絶対こんなこと言いたくないけど、本当に少しでも食いぶちを減らさなければ、私がいたら見るだけであつかろうみたいな感じだったと思うんですけど、それはすごくつらくて、しかも殿様のことめちゃめちゃ好きなので(笑)。殿の顔を見るなりね「言えん」とは思ったんですけど、気丈に振る舞っていとは伝えますけど、そのへんはやっぱりあの時代ならではというか、それがなんかもう生死、生き死にみたいな感じで関わっているのが、やっぱり平安時代すごいなっていう。いともやっぱりそういう乳母で入って、まひろも推規さんもみんな時代に振り回されているじゃないですけど、もっといろんな今だったら生き方もできるけど、そこに生きて、そこでしかない、でもそこのご家族が本当にいとにとって素晴らしい、かけがえのないものっていうところで殿様に引き止めてもらえてよかったです。ありがとう殿~!
2024年04月07日冷たくなっていくわが子の体を抱きしめながら、母の口から自然と出たのは「ありがとう」という言葉だった。生まれてきてくれてありがとう。幸せな思い出をありがとう。私を選んでくれてありがとう。たくさんの「ありがとう」とともに、幼子は旅立った。いま母は、理想のホスピス作りに尽力している。死を待つ場所ではなく、最後まで前向きに生きられる場所を。すべての親子が「ありがとう」と別れることのできる場所を(全3回の1回目)。■「第二の家を提供することを目指して」「私たちはチームユウセイです。なんでも相談してください」2019年1月、ドイツのデュッセルドルフにあるこどもホスピス「レーゲンボーゲンラント」に着くなり、石田千尋さん(41)は緊張の連続だった心がゆるりとほどけていく感覚を覚えていた。1歳9カ月になる息子の夕青くんを抱き抱えた千尋さんが招かれた場所は、幼稚園のように明るく開放感に満ちた空間だった。「病室にいるときはモニターの数値ばかりを気にしていたのですが、ホスピスでは『夕青くんの顔だけ見ていてください』と言われ、幸せな状態になれて」5日後、眠るように逝く夕青くんを千尋さんと夫は、穏やかな気持ちで見送ることができた。「最後の瞬間が近づくころ、『ありがとう。幸せだね』って声をかけることができました。『死なないで』ではなく、なぜだか自然に出てきた言葉です」それから5年後の2024年3月。千尋さんは福井市内の講演会場にいた。小雪のちらつくなか、結婚披露宴も執り行われる大広間に集まった約100人の来場者に向けて、千尋さんは凜としたたたずまいで話し始める。「みなさんはこどもホスピスにどんな印象をお持ちですか?私の講演を聞いていただいたあとは、思ったより悲しい場ではないと感じてもらえたらうれしいです」講演前は緊張の面持ちであったのがいまは別人のよう。日本におけるこどもホスピスをとりまく現状について、スライドをまじえながら柔らかな口調で語りかける。「こどもホスピスはこういうものです、という明確な定義はありません。私たちは、すべての親子に『今日も楽しかったね』と言ってもらえる第二の家を提供することを目指しています」1982年に英国で産声を上げたこどもホスピスは欧米では広く普及。英国に52カ所、ドイツにも30の拠点を置く。「日本にはいまどのくらいあると思いますか?答えは3カ所。このほかに私たちのような準備団体が10団体あります」「ふくいこどもホスピス」という団体の代表として千尋さんは今、こどもホスピスを設立する活動に身を投じている。この日、彼女の話に耳を傾けていたのは福井県内で慈善活動をする企業人や有志たちだ。彼らの理解や応援を得ることも目標に一歩近づくこと。千尋さんはドイツのホスピスで夕青くんを看取った経験も語り、福井の地にこどもホスピスを建てる意義を訴えると、会場は大きな拍手に包まれた。「千尋ちゃん、お疲れさま――」講演が終わるや、千尋さんに駆け寄る山内こずえさんは、ともに活動する最初期のメンバーだ。「今日はこんなに豪華な会で講演したの?緊張しなかった?」「汗が止まらなかったよ――」山内さんの顔を見るなり石田さんの表情がゆるむ。幼なじみのような間柄に見えるが2人の出会いは2年前のこと。「山内さんも私と同じように、子供を看取った経験をしています。彼女は出会ったその日に、私の計画に賛同してくれました」ホスピスというと、一般的には「最期を穏やかに過ごす場所」というイメージが強い。しかし彼女らの目指す理想のホスピスはそれとは異なる場所なのだという。■ドイツの地で起きたわが子の不調石田千尋さんは1983年1月、福井県鯖江市に3人きょうだいの長女として生まれた。幼少期は不器用なうえマイペースすぎる行動で“悪目立ち”していた、と千尋さんは当時を振り返る。そんな千尋さんの転機は小学3年生で硬式テニスクラブに入会し鬼コーチと出会ったこと。「とにかく厳しくて。挨拶をせずコートに入ると、『今日は帰れ!』と。そこで鍛えられて人並みに動けるようになりました(笑)」プロを目指す子もいる強豪クラブ。千尋さんも県大会で表彰台に登る成績を残したことがある。「引っぱってくれる恩師や仲間に恵まれただけ」と語る努力型の千尋さんは、早稲田大学の政治経済学部へ進学。就職先として選んだのは、地元の福井テレビだった。「大学時代、9.11のテロがあり、テレビ画面にくぎ付けになって。報道の世界に興味が湧きました」テレビ局時代は報道記者として県政からスポーツまで取材に飛び回った。そんななか出会ったのが後に夫となる男性だった。千尋さんは30歳で結婚。その4年後の2017年3月19日に長男・夕青くんが誕生した。「心配なことが何一つなくて。発育が早すぎるくらいでした。9カ月で歩き始めて、すぐにボールを蹴ったりジャングルジムに登っては滑り台を駆け下りたり。発育も言葉も早かったです」千尋さんが夕青くんとともにドイツ・デュッセルドルフに降り立ったのは2018年9月のこと。夫が仕事の都合で赴任することになったのだが、到着して1週間後、夕青くんの体調に異変が見られた。「いつも『ママー、抱っこ』と勢いよく駆け寄ってくる夕青の元気がなくて……。渡独前にも発熱はあり、このくらいの年齢にはよくあることなのかと思って最初は地元の小さな病院で受診しました」このときの医師は触診だけで「問題なし」との診断で、夕青くんには胃腸の調子を整える作用があるからとカモミールティーを処方された。しかし解熱せず、もやもやした気持ちを抱えたまま2つ目の病院へ赴いた。「ここでも『お母さんの(新生活への)不安がお子さんに伝わっています。ドンと構えていないとダメだよ』と励まされただけでした」その後も体調は安定せず。翌週は首のリンパ節が腫れあがっていたため、地域の中核病院で受診。ここではエコーなどの検査のあとただならぬ様子で「もっと大きな病院へ」と促された。このあと千尋さんは、夕青くんが小児がんであるとの告知を受けることに。「『ニューロブラストーマ(神経芽腫)です』と。最初はドイツ語だったので理解できず、『英語でお願いします』と。キャンサーという単語も出ていたため『がん』なのだと理解しました」神経芽腫は乳幼児に多いがんの一種で、夕青くんはすでに全身に転移のある「ステージ4」だった。(取材・文:本荘そのこ)【中編】「幸せだね。ありがとう」冷たくなっていく1歳9カ月の息子の体を抱いてへ続く
2024年03月31日※このコラムは『君が心をくれたから』11話までのネタバレを含んでいます。■二人で過ごす、コミュニケーションをとることができる最後の時とうとう最後の五感、聴覚を失うことを目前に控えた雨(永野芽郁)。そんな中、残された時間を最高のものにしようと、太陽(山田裕貴)と二人で思い出の地を巡ります。太陽は雨の心を支える言葉をノートにまとめ、聴覚を失う前に、自分の気持ちを目一杯届けて、いつか五感を取り戻せる日が来るまで、雨の心を少しでも満たせるよう準備を進めていました。最後に二人で訪れたのは思い出のいっぱいつまった高校。太陽が初めて声をかけた場所、赤い傘に入った玄関、太陽が放送テロを起こした放送室。聴覚を失う16時まで、教室で二人は語り合います。二人が出会えて、どれだけこの人生が幸せだったか。しかしやはり太陽の中に残るしこりは消えません。出会っていなかったら、雨は五感を失うこともなかったんじゃないか……。しかし雨は、「大切な思い出をそんな風に言わないで」と感謝の言葉を告げます。五感を失う戸惑いはもうそこにはなく、太陽の幸せを願い、ただまっすぐ前を向く強くなった雨の姿がありました。■太陽にとって残酷すぎる、雨の最後のうそ「プロポーズの時の花火の勝負のお願いを使ってもいい?」そう言って告げられた雨からのお願いは、太陽にとっては残酷なものでした。「もう会いにこないで、二度と思い出さないでほしい。これで私たちの恋はおしまい。さようなら、太陽くん」雨と太陽それぞれが描く「幸せな未来の形」が違っているため、相手を思って考えた一方の決断が、もう一方にとって残酷なものになるもどかしさ。太陽は、いつか五感を取り戻す未来への希望を抱きながら雨と一緒に生きたかった。雨は、自分のことは忘れて太陽には自由に生きて、幸せになってほしかった。どうして「好き」だけじゃ幸せになれないのか。そうして、その言葉を最後に雨は聴覚を失います。約束の16時はまだきていないのに。「太陽の最後の言葉を聞いたら、身を引こうと考えているのに辛くなってしまう」雨はそう考えて、聴覚を失う時間を一時間早く太陽に伝えていたのです。たくさん伝えたいことがあった太陽は、最後の言葉も伝えられず、別れを告げられ、突然のことに戸惑いと悲しみと混乱、絶望、全ての感情でぐっちゃぐちゃになりながら叫び泣き崩れます。あまりに苦しく残酷で、救いのなかった二人のストーリー。それを断ち切るようにやってきた、案内人・日下(斎藤工)。「まだ奇跡の続きがあります」■神・カイジの兵藤会長説ある朝起きると、雨は全ての五感を取り戻していました。そこにやってきたのは司(白洲迅)。雨が五感を失った後、太陽に気持ちを伝言してもらうための伝書鳩役だったはずの彼でしたが、逆に雨に大切な事実を伝えにきたのです。太陽は急性心不全で亡くなっていました。日下から提案された奇跡の続きは、「雨からの心を受け取るか否か」。受け取れば太陽はこのまま生きていける。雨に返せば、太陽の命と引き換えに雨の五感は元に戻るというものでした。なんて残酷な奇跡なのでしょう。究極の選択を迫られ、太陽に心を捧げる決断をした雨は、たくさんの苦悩を味わい、太陽もまた同じように苦しみました。それを乗り越えた先にあったのは、また新たな究極の選択。この二人のように強く結ばれているパターンもあれば、時には日下のように、怪我を肩代わりさせたまま一方が裏切る場合もあります。ありのままの運命に従わせるのではなく、あえて「奇跡という名の苦悩」を与え、極限状態の人の心を不要にかき乱す神が、「賭博黙示録カイジ」の兵藤会長にしか思えなくなってきました。神は「債務者を集めて崖っぷちのゲームをさせ、人間の極限状態を見て楽しんでいる兵藤会長」のように、人間模様を楽しんでいるのか、人間の愛と絆を試しているのか……。■『君が心をくれたから』のタイトルに隠された意味神の悪趣味さはさておき、本来あの事故で亡くなるはずだった太陽。雨のおかげで少し長く生きる猶予時間をもらったのだ、と、太陽は心を返すことを躊躇なく即決します。二人が思い合っていると、奇跡は不幸ではなく、「少し長く生きる時間」としてポジティブに成立するのです。そして、この猶予時間のおかげで、本来かなわないはずだった太陽の「花火師になる」といいう夢もかないました。となると、『君が心をくれたから』のタイトルがここにきてエモさ爆発。高校時代に「太陽が心をくれたから」雨が自己肯定感を取り戻し、生きる意味を見つけました。社会人になってから再会し、「雨が心をくれたから」亡くなるはずだった太陽は生きる時間の猶予をもらって夢をかなえることができました。最後は「太陽が雨に心をくれた」から、雨は強くなり、夢をかなえるために生きていける。「君」がどんどん入れ変わっていくストーリーだったのです。■太陽の夢が全てかなった瞬間日下と取引を交わし、午前0時に亡くなった太陽は、雨へたくさんのメッセージを残していました。太陽からの手紙に従い、雨はアレクサ的な機械に思い出の魔法の呪文を唱えると、そこから流れてくるのは太陽からのボイスメッセージ。本当は聴覚がなくなるはずだったあの日、太陽が伝えようとしていた愛のある言葉がたくさん詰まっていました。出会えた喜び、パティシエの夢をかなえてほしいこと。夢がかなったら雨を降らすから、あの赤い傘をさしてほしい、という新たな約束。ふと雨の腕を見るとあの日太陽にあげたはずの赤いミサンガがついていました。そして、太陽の父(遠藤憲一)からは、「太陽が作った花火の予備があるから雨に見せるよう頼まれている」のだと、桜祭りのあの日、見ることがかなわなかった赤く大きな傘のような花火も見ることができました。その花火でにっこりと微笑む雨。自分の花火で雨を笑顔にしたいというもう一つの太陽の夢もかないました。■全ての伏線が美しく回収されたハッピーエンドその数年後、パティシエとなり、お店を構える雨の姿がありました。お店の名前は「Sun & Rain」で太陽と雨。入り口には思い出のマーガレットが花咲き、雨の制服の第二ボタンには「太陽との思い出の第二ボタン」がつけられています。店内には切れた「赤いミサンガ」や、祖母との思い出の「アラビアンナイト」の本が飾られ、太陽との思い出のお菓子「マカロン」をお客様に出しながら「どれも私の最高傑作ですから」と太陽が語っていた雨の未来像のセリフをそのままに、お客様をおもてなしする笑顔の雨。「太陽くん!夢をかなえたよ!」というメッセージが溢れているような、太陽との全ての思い出が込められたお店です。そして、その瞬間太陽がそれを見ていたかのように優しく雨が降り、雨は赤い傘をさし「二つの約束かなえたよ」とにっこりと微笑みます。太陽がここにいないことだけがとても心残りではありますが、奇跡が与えてくれた猶予時間おかげで雨は自己肯定感を取り戻し、太陽は花火師に、雨はパティシエになるという夢をかなえることができました。視聴者の涙の雨もやまない、感動のラストに爽やかな気持ちでいっぱいです。名ドラマでした。コラムにも付き合いいただきありがとうございました!(やまとなでし子)
2024年03月25日永野芽郁が主演した月9「君が心をくれたから」が3月18日の放送でフィナーレを迎え、雨のために太陽が選択した最後の“奇跡”に視聴者から様々な声が寄せられている。永野さん月9ドラマ初主演作となった本作は、主人公がかつて心を通わせた男性のために、自分の心を差し出す宿命を背負うというファンタジーラブストーリー。太陽が作った花火を見ることなく視覚を失ってしまった逢原雨役で永野さんが主演を務めるほか、事故で亡くなるはずだったが雨が五感を差し出すことと引き換えに命を得た朝野太陽に山田裕貴。当初は雨に想いを抱いていたが雨と太陽のことを応援するようになった望田司には白洲迅。密かに花火師になりたいという夢を抱いていた太陽の妹・春陽に出口夏希。太陽と春陽の父で花火師をしている陽平に遠藤憲一。雨と和解した母・霞美に真飛聖。太陽の命を救うのと引き換えに雨の五感を奪う“奇跡”を選択させた案内人の日下に斎藤工といったキャストが出演した。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。残された最後の感覚である“聴覚”を失う最後の1日を迎えた雨は「最後は太陽君と出会った場所に行きたい」と太陽に告げ、太陽が許可を取って母校に向かう。放送室で雨は「夢だったんだ。1日の終わりに太陽君と並んで座って『今日も幸せだったね』って笑い合うの」と太陽に語りかけ「太陽君が隣にいてくれる人生で良かった。この人生で幸せだった」と太陽の出会いに感謝すると、「私のこと二度と思い出さないで」と自らを忘れるよう願いを伝え、その直後に聴覚を失くす。最後に伝えたかった言葉を伝えられないまま、雨が五感全てを失ったことに絶望し放心状態の太陽。そこに日下が現れ「奇跡はまだ終わっていません」と告げる。その後、雨は目覚め五感も戻るのだが、そこに司が訪ねてきて太陽の死を告げる。日下は「雨が差し出した心を受け取るか否か、君の選択を見せて欲しい」と口にし、五感を差し出した雨の心を受け取り天寿を全うするか、自らの命と引き換えに雨の心(=五感)を戻すか選ぶよう促す…というのが最終回のストーリー。太陽は自らの命と引き換えに雨に五感を戻し、雨はパティシエとして成功するという展開だったが、SNSには「君が心をくれたから(そのぶん長く一緒にいれて)僕は後悔なく死ねる」ってことなのね」「ないはずだった君との時間ができた。だからもう心は返すね。なの?」「一緒に過ごせる大切なかけがえのない時間が出来た。だから命をお返しするね…。ってことなんだね」など、タイトルと絡めて太陽が取った選択について語るコメントが続々とアップ。また「雨が降ってる時は太陽出てないもんね。太陽出てる時は雨降ってないもんね。一緒にはならない運命だったのかな」「五感を失った雨と一緒にいるより雨を元に戻して生きていってくれる方が太陽くんはいいよね。こっちの展開のほうがまだ未来はある」など、雨と太陽が結ばれないラストに対して、様々な想いを吐露する声も上がっている。(笠緒)
2024年03月19日※このコラムは『君が心をくれたから』10話までのネタバレを含んでいます。■とうとう訪れた、視覚を失う日太陽(山田裕貴)は、若干目がキマッちゃってる花火師協会会長のお許しを受け、無事桜祭りで花火を上げられることになりました。雨との約束を果たす瞬間も目前です。そしてついに訪れた雨(永野芽郁)が視覚を失う桜祭り当日。花火までの間、雨は最後に母に会いに行きます。触覚を失い、杖がないと歩けない雨の弱々しい姿と、今日にも視覚を失う現実を前に、母はまた「何もできなくてごめん」と泣き崩れます。そんな母を笑顔で受け止め、「じゃあ今してもらおうかな。笑ってほしい。最後にお母さんの笑っている顔を覚えていたいから」と、明るく切り返す雨。そして、本当は雨が一番泣きたい立場のはずなのに、雨は自分が祖母にしてもらったのと全く同じように心の扉が開く魔法の呪文を唱え、母からもらったお守りの刺繍のハンカチを手に、泣き崩れる母を元気づけようとするのです。自己肯定感が低く、いつも支えてもらう側だった雨が、いつしか人を支えるまでになっていたなんて。■雨から私たちへのメッセージ司(白洲迅)も言っていましたが、以前は弱々しかった雨。パティシエの夢に敗れ、地元に戻ってきた頃は「変わりたい」と泣いていたけれど、今や「母子で支え合ってほしい」という祖母の願いまでかなえ、母との関係も修復しました。全てのきっかけは“奇跡”。五感と心を失うという、夢も希望もない宿命を抱え、残された時間の価値を考え、一瞬一瞬を大切に生きた結果なのでしょう。雨のようにタイムリミットははっきりとはしていないものの、私たちの時間も有限であることを忘れず今を大切に生きれば、なりたい自分に変われる、という雨からのメッセージなのかもしれません。■突然立ちはだかる2つの問題送迎をしてくれている司の車に乗りあとは花火大会に向かうだけ、かと思いきや、事故による渋滞と、突然の大雨。「会場には間に合うのか?」「花火大会は決行されるのか?」という2つの問題が突如雨の前に立ちはだかりました。しかも、雨が視覚を失うのはあと数時間後。花火大会が延期になってしまっては、もう間に合いません。「絶対に会場に行く!」という強い決意のもとに、雨は司の車を降り、5キロ以上ある距離を杖が必要な足で会場に向かい始めます。そこですかさずできる男・司が太陽の妹・春陽(出口夏希)を派遣します。以前とんでもない暴言で雨を傷つけた春陽。「謝るなら今しかない」というニュアンスの煽りも加えて、すぐさま春陽に会場までのサポートをさせるとは……このシゴデキっぷり、将来絶対に出世する男です。仕事の斡旋から施設の紹介まで、あらゆる情報の引き出しを持っている男ですから、あとは「これはアステカ時代から南米の原住民の間で伝わる、雨を止ませる踊りなんだ」とか、さらっと披露して、次は大雨を止ませてくれるかと思いきや、司の出番はここまででした。司ファンとしては無念です。■太陽に訪れたもう一つの奇跡と別れそんな中、太陽は強風で煽られた機材の下敷きになり、病院に運ばれていました。何かにつけて大怪我の多い太陽。即刻厄祓いに行ってください。目が覚めた頃には、雨で花火が中止になることを知り、案内人・日下(斎藤工)と千秋(松本若菜)に、「自分の命をかけてでもいいからこの雨を止ませてほしい」と懇願するのです。そこで千秋は「自分が天との約束を破れば月明かりに溶けて消える。そうすれば月が出るから雨が止むのでは」と提案し、太陽の静止も虚しく、千秋は自分が太陽の母であることを告げます。告げた瞬間、月明かりに消えるわけじゃなく、サッカーで言うアディショナルタイムのような時間があるようです。そのおかげで、やっと千秋と太陽は親子としての会話を交わすことができました。「また俺のせいで……」と自分がきっかけで2度も母の命がなくなることに罪悪感を禁じ得ない太陽。しかし、「親が子どもにもらいたいのはそんな言葉じゃない」と千秋に言われ、母のおかげでここまで来れた感謝や、お互いの想いを告げることができ、涙ながらに幸せな別れを迎えることができました。何も伝えられぬまま、火事で突然母を失った後悔を抱き続けてきた太陽にとって、直接想いを伝えることができる、この時間が訪れたこともまた一つの奇跡。そして、千秋の思惑どおり雨は止み、大きな満月が顔を出しました。■みんなの想いが詰まった花火と残酷な結末謎の天の力が働き、豪雨にも関わらず一切濡れていない雨の元に、春陽が到着し、なんとかサポートを得て会場にたどり着くことができました。太陽の父(遠藤憲一)と弟子の強い訴えのおかげで、花火大会も無事再開。雨は太陽とも合流することができ、あとは太陽の花火を待つだけ、のはずが……。こんな残酷なことがあるでしょうか。花火の開始時間が遅れたせいで、あと一歩のところで雨は太陽の花火を見ることがかなわず、そのまま視覚を失ってしまうのです。■悲しく優しいうそのやりとり人生で一番大切だった10秒間を込めた太陽の花火。それは初めて太陽が雨に声をかけた日。赤い傘で一緒に帰った高校時代。その花火はとても真っ赤で、大きく花開いた後はまるで傘のように枝垂れ落ちる美しいものでした。色覚障害を乗り越えて、雨の見ている赤と同じものであることを祈りながら作った赤い花火。そんな数多の意味と想いが込められていた花火は、たくさんの人々のサポートや想いに後押しされ、無事に打ち上げられたにも関わらず……。あと一歩で見ることがかなわなかった雨は、まるで見えていたかのようなふりをします。「私たちが見ている赤は一緒だったね。太陽君、夢をかなえてくれてありがとう」「悲しそうだった雨の横顔を笑顔にしたい」と花火師を再度目指すことを決意した太陽。しかし、その横顔が見ている先は、花火とは全く違う方角……すでに視覚を失い、見えていなかったことを隠している事実に気づいた太陽は絶望と悔しさで涙を流すしかありませんでした。■聴覚を失うカウントダウンこの日のために生きてきたと言っても過言ではないほど、雨の希望になっていた、太陽が夢をかなえる瞬間。視覚を失う雨にとって人生で一番大切な10秒間になるはずだったのに。雨のうそに太陽も「雨に花火を見せられてうれしくて泣いているんだ」と、優しいうそで返します。仕方がないけれど、あまりに残酷すぎる。二人はお互い、花火を見たていでうそをつき合いながら、ずっとこの日を心残りに生きていくのだと思うと、報われません。次回はとうとう最終回。最後の五感、聴覚を失うときがやってきます。雨は太陽に告げず、母と一緒に遠くへ行きたいと言っていましたが……。互いを想い合い、自分よりも相手のために行動し、選択し続けてきたピュアでまっすぐな二人の恋。どうか幸せな結末を迎えてほしいと願うばかりです。(やまとなでし子)
2024年03月18日永野芽郁主演「君が心をくれたから」よりクランクアップ写真が到着した。本作は、永野さん演じる主人公・逢原雨が、かつて心を通わせた男性、朝野太陽(山田裕貴)のために自分の“心”を差し出す宿命を背負うことから始まる、ファンタジーラブストーリー。まず撮影を終えたのは、太陽役の山田さん。高校でのシーンでクランクアップすると、「朝野太陽役、山田裕貴さんオールアップです!」の声と共にスタッフ一同から拍手が起こり、松山監督から花束が手渡された。山田さんは「昨今、悲しい出来事がたくさん起きている中で、“心って本当に大事だな”と感じていました。そんな時、これほどまでに“善き心の大切さ”を考えさせてくれるドラマに参加できてうれしかったです。僕はこういうドラマがやりたくて俳優をやっているんだと再確認できましたし、“本番!”のかけ声で、スタッフの皆さんがグッと集中してくれるこの現場の雰囲気がすごく好きでした」とふり返る。続けて、「こんなに毎話毎話泣いているドラマはこの先絶対ないんじゃないかと思います。僕はこの作品が大好きだし、“この作品を見て心が動かない人はいない!”って思いながら演じていました」とドラマに対しての思いを明かした。そして、このシーンがともに“過酷な奇跡”に立ち向かってきた雨役の永野さんとも最後の共演シーン。山田さんは永野さんに、「芽郁ちゃんの演じる雨が、僕をどれだけ太陽でいさせてくれたことか…本当にありがとう。雨ちゃんの心をいっぱいもらって、最後まで僕も太陽として心をこめることができました」と感謝を伝え、温かな拍手に包まれてクランクアップした。また、雨役を演じた主演の永野さんは、水辺にある公園のシーンでクランクアップ。雨として演じる最後の時間を終えると、スタッフから「このシーンをもちまして、主演・逢原雨役、永野さんオールアップです!」の声が上がり、現場は大きな拍手に包まれた。松山監督から花束が渡されると、これまでの緊張から解放されたのか、ホッとしたような笑顔が広がった。永野さんは、「お疲れ様でした!何度か(撮影が)終わらないんじゃないかって思うような瞬間が、きっと皆さんにもあったと思います(笑)。でも、最後まで諦めることなく、自分の役と、それぞれの登場人物の人生と向き合えたことを本当に誇りに思います」と、“五感を失う”という難しい役を演じ切ったことへの思いを明かした。撮影に入る前は、「孤独を感じながら過ごす時間が多くなるんじゃないかと覚悟していました」と、不安に思っていたそう。しかし、撮影現場の雰囲気に救われることも多かったようで、「皆さんが本当に愛情深くて、こんなにも笑って過ごせる現場を作ってくれたことに心から感謝しています」と、共演者やスタッフたちへの感謝を伝えていた。最後に、「私はこの作品と出会えたこと、そして今の自分がこの役と向き合えたことをこれからの自信に変えて、日々頑張っていきたいと思います。ありがとうございました!」と締めくくり、フジテレビ系ドラマ&月9ドラマ初主演となった本作の現場を卒業した。「君が心をくれたから」最終話は、いよいよ本日21時から放送。先週11日に放送された第10話では、太陽の作った花火を雨に見せるという「十年後の約束」がついに実現するも、無情にも視覚のタイムリミットが訪れ、その花火を雨が見ることはなかった。残る五感は聴覚のみ。果たして、過酷な奇跡の果てに、雨と太陽には何が待っているのか?結末を見届けたい。コメント◆永野芽郁「お疲れ様でした!何度か(撮影が)終わらないんじゃないかって思うような瞬間が、きっと皆さんにもあったと思います(笑)。でも、最後まで諦めることなく、自分の役と、それぞれの登場人物の人生と向き合えたことを本当に誇りに思います。すごく孤独を感じながら過ごす時間がとても多くなるんじゃないかと覚悟して撮影に入ったんですけど、スタッフの皆さんが本当に愛情深くて、こんなにも笑って過ごせる現場を作ってくれたことに心から感謝しています。たくさん話したいことがありますけれど、私はこの作品と出会えたこと、そして今の自分がこの役と向き合えたことをこれからの自信に変えて、日々頑張っていきたいと思います。皆さん、本当にお疲れ様でした!ありがとうございました!」◆山田裕貴「昨今、悲しい出来事がたくさん起きている中で、“心って本当に大事だな”と感じていました。そんな時、これほどまでに“善き心の大切さ”を考えさせてくれるドラマに参加できてうれしかったです。僕はこういうドラマがやりたくて俳優をやっているんだと再確認できましたし、“本番!”のかけ声で、スタッフの皆さんがグッと集中してくれるこの現場の雰囲気がすごく好きでした。こんなに毎話毎話泣いているドラマはこの先絶対ないんじゃないかと思います。僕はこの作品が大好きだし、“この作品を見て心が動かない人はいない!”って思いながら演じていました。そして、何より芽郁ちゃんの演じる雨が、僕をどれだけ太陽でいさせてくれたことか…本当にありがとう。雨ちゃんの心をいっぱいもらって、最後まで僕も太陽として心をこめることができました。語ろうとしたらまだ尽きないですが、皆さんには最後の現場が待っていますので、早く向かってください(笑)!皆さんと一緒にお芝居できて本当によかったです。ありがとうございました!」「君が心をくれたから」は毎週月曜21時~フジテレビ系で放送中。(シネマカフェ編集部)
2024年03月18日吉高由里子主演大河ドラマ「光る君へ」の公式サイトでは、ユースケ・サンタマリアと上地雄輔、2名の「君かたり」が公開されている。大河ドラマ第63作目として現在放送中の本作は、「源氏物語」を生み出した紫式部の人生を描く物語。出演者の撮影現場からのコメントが聞けるこの「君かたり」。陰陽師・安倍晴明を演じているユースケ・サンタマリアさんは、これまで多くの作品に登場してきた安倍晴明とは、また異なると説明し、「ビジネスマン安倍晴明みたいなところを今回やりたいということで。要は生きていくために、世渡り上手にやっていくみたいな」「見ていて不思議な感じになると思います」と説明。関わりの多い藤原家については「内心は嫌いになれない」「ただ単にビジネスとして利用しようとしているってだけでもなく、ある種の感情っていうか、愛情に近い何かを持っていて」と語っている。また、才に恵まれず、兼家から軽く扱われている道長の異腹の兄・藤原道綱役の上地さんは、道綱について“天然素材”と表現。「見ている方がホッとするようなかわいらしさもあり、人間らしさもあり、視聴者目線であるような感情をしっかり道綱という役の中で、ぬくもりというか温度を出せたらいいな」とコメントしている。第11回「まどう心」兼家(段田安則)の計画により花山天皇(本郷奏多)が退位。為時(岸谷五朗)は再び官職を失うこととなった。まひろ(吉高由里子)は左大臣家の娘・倫子(黒木華)に父が復職できるよう口添えを頼むが、摂政となった兼家(段田安則)の決定を覆すことはできないと断られる。諦めきれないまひろは兼家に直訴する。一方、東三条殿では道隆(井浦新)の嫡男・伊周(三浦翔平)らも招いて宴が催され、栄華を極めようとしていた――。大河ドラマ「光る君へ」は毎週日曜日20時~NHK総合(再放送 翌週土曜13時5分)、毎週日曜日18時~BS・BSP4K、毎週日曜日12時15分~BSP4Kにて放送中。(シネマカフェ編集部)
2024年03月17日永野芽郁主演「君が心をくれたから」の第10話が3月11日放送。太陽が雨に見せようとした花火が打ち上がる…そこに待ち受けていた残酷な展開に「もう耐えきれない」「辛すぎる」などの反応が続出。ハッピーエンドを望む視聴者からの声もSNSに続々届いている。本作は永野さん演じる主人公が愛する男性のために自分の“心”を差し出す宿命を背負うことから始まる、過酷な“奇跡”が引き起こすファンタジーラブストーリー。パティシエの夢を諦め長崎に帰郷、高校時代から想っていた太陽を救うため自分が五感を失うという選択をした逢原雨を永野さんが演じ、“案内人”の千秋が亡くなった母親だと知った朝野太陽には山田裕貴。長崎市役所で働く望田司には白洲迅。太陽の妹・春陽に出口夏希。幼少期の雨を虐待していた母の霞美に真飛聖。太陽の父で花火師の陽平に遠藤憲一。自らも“奇跡”を背負った過去を持つ案内人・日下に斎藤工。太陽の母親だった案内人の千秋に松本若菜といったキャストが出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。太陽が桜まつりの花火大会で打ち上げる花火の審査に合格。陽平の次、2番目に花火を打ち上げることが決まる。そして桜まつり当日、雨は司の車で霞美が入院してる病院に向かい、霞美に触覚を失いもうすぐ視覚も失ってしまうことを告白する。その頃、花火大会の会場では太陽たち朝野煙火工業の面々が打ち上げの準備を進めていたが天候が悪化。強風でテントが壊れ、太陽は機材の下敷きとなり病院に搬送され、雨の乗った車も事故渋滞に巻き込まれる。病院で目覚めた太陽は日下と千秋に、雨を止めて欲しい、そのためなら命でも差し出すと懇願する。自分たちにはできないと告げる日下だが千秋は、自分が天との約束を破れば自分は月明りに溶けて消える…月が出るときは晴れるから花火を打ち上げられると話し、「私ね、あなたのお母さんなの」と口にする…というのが10話の展開。千秋が自らの消滅と引き換えに実現した花火大会だったが、やっと太陽の花火が上がった時、すでに雨の視覚は失われていた。花火が上がったのとは別の方向を向いて「きれい…」と声を上げ、太陽の花火が見れてよかったと嘘をつく雨…視聴者からは「花火見れずに目見えなくなるのやばいよほんとやばい」「太陽くんに嘘つく雨ちゃんの気持ち考えたらもう耐えきれないし、見れなかったのに嘘ついてる雨ちゃんを見る太陽くんの気持ちももう辛すぎる」「味覚失って聴覚失って触覚まで失って最後くらい太陽くんの花火見せてあげてほしかった」といった反応多数。残酷なストーリー展開に「夢オチで良いのでハッピーエンドでお願いしたい」「最終回は頼むからハッピーエンドてお願いします」「来週の最終回はハッピーエンドで泣かせてほしい」などといった感想もSNSに数多く上がっている。【最終回あらすじ】五感のうち残された最後のひとつ「聴覚」が失われるまでのタイムリミットが時計に表示される。それは1週間後の3月31日午後4時だった。日下からそれを教えられた雨は、線香花火の勝負で勝ったからと言って太陽にひとつ頼み事をする。桜まつりからの帰り道、太陽は「雨の心を支える言葉を伝えるよ」と約束していた。雨は聴覚がなくなるとき最後に聴くのはその言葉がいいと太陽に頼む…。「君が心をくれたから」は毎週月曜21時~フジテレビ系で放送中。(笠緒)
2024年03月12日20代の頃に社内不倫をしていた不倫相手と、再び同じオフィスで働くことになった美咲さん(仮名)。夫には不倫を隠しきっているものの、元不倫相手からしつこく復縁を迫られ、過去の過ちのせいで苦労する日々を送っているそうです。メンタル心理カウンセラーの並木まきが、過去の不倫のせいで今の生活に不安を抱いている30代女性のエピソードをお届けします。過去の不倫を隠すために、元不倫相手の連絡を無視できない日々美咲さんは、元不倫相手である田中さん(仮名)から復縁を迫られた際に、「今は夫が一緒に住んでいるから無理」と跳ねのけたそう。しかし、その後もオフィスにいるときに田中さんからやたらと視線を感じるようになったり、社内チャットが頻繁に届いたりして、どう対応すればいいか困ってしまっていたとのこと。過去の不倫を絶対に周囲にバラされたくない美咲さんは、田中さんを完全に無視することもできず、付かず離れずの距離感をキープするために苦心していたと語ります。「田中さんを逆上させて、不倫をバラされたら仕事にも家庭にも影響が出るので、それだけは絶対に避けたかったんです。だから、ときには彼の発言に対して、私が思わせぶりな態度をとることもありました。そんなことをしているうちに、ある日彼に自宅の最寄り駅で待ち伏せされてしまって…。さすがにこれはまずいと思いました。私の自宅近くにまで来るほど思い詰めているなら、今きちんと話そうと提案したのですが、田中さんは話を聞いてくれなくて。だから仕方なく『もうあなたと関係を持つことはできない』と、改めてはっきり伝えたんです」すると、田中さんは大声で「あんなに俺のことが好きだって言ってくれていたのに!」と叫び出したとのこと。周りに人がいる場所でいきなり感情的になっている姿を見て、美咲さんはしばらく唖然とした状態に。すると、突然背後から夫が現れ、「どういうことだ?」と声をかけられてしまったのだとか…。夫と元不倫相手が鉢合わせ「その日は雪が降る予報だったので、なんと夫は私を駅まで迎えに来てくれていたんです。まだ夫は駅に到着していないと思っていたんですが、実はもう着いていて、私が見知らぬ男性と会っている様子だったのでこっそり見ていたらしいです。かなりヤバい状況だと思ったので、田中さんを置き去りにする形でその場をいったん離れ、夫婦で家に帰りました。夫から『あいつは誰なんだ?』と聞かれたので、元不倫相手とは言わずに、昔付き合っていた元彼だと説明しました」最初は疑っていた様子の夫も、今までに密会の気配がなかったことや駅での二人の様子から、いったんは美咲さんの潔白を信じてくれたとのこと。しかし、本当に「元彼」でしかないのかを怪しまれる日々が続いているそうです。「田中さんは、夫と鉢合わせてからようやく大人しくなりました。しかし、夫はやっぱり私と田中さんの関係を疑っているみたいです。独身時代に付き合っていた元彼が同じ職場にいるなんて話はしたことがなかったので、腑に落ちないところがあるのでしょう。今は、不倫の過去をとにかく知られないように気をつけていますが、田中さんが暴走すれば職場にバレるのは時間の問題ですし、いつ夫に不倫がバレるか毎日恐ろしくてたまりません」過去のあやまちだと考えていても、家族を裏切った事実が発覚すれば、家族仲に影響が及ぶのは必然と言えます。「絶対にバレない」という自信があったとしても、不倫をするべきではないのは言うまでもありません。©polkadot/Adobe Stock ©ARAMYAN/Adobe Stock文・並木まき
2024年03月10日永野芽郁主演、山田裕貴共演「君が心をくれたから」第9話が3月4日放送。案内人・千秋の素性と彼女の“願い”に今週も涙する視聴者多数。また太陽が雨に語った言葉にも「その発想は無かった」「本当に名の通り太陽みたい」といった声が上がっている。五感を失いつつある逢原雨を永野さんが演じ、雨のために花火を打ち上げようとする朝野太陽に山田裕貴。太陽の妹・春陽に出口夏希。太陽の父・陽平に遠藤憲一。雨を支えようとする望田司に白洲迅。“案内人”日下に斎藤工。同じく案内人の千秋に松本若菜といったキャストが出演する本作。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。陽平が亡くなった妻・明日香の写真を取り寄せたことで、太陽は母の顔を知ることになるが、写真に写る明日香は“案内人”千秋だった…千秋が太陽の母だと知った雨は「これでお母さんに伝えたい事を伝えられるね」と喜ぶが、そこに日下が現れ、案内人と奇跡の対象者が生前の関係者だった場合、本来担当することは許されないが、千秋が食い下がり正体を隠すと誓ったことで、天が生前にまつわる会話を禁ずることを条件に雨と太陽のもとにやってきたことを明かす。そして太陽が千秋を「母さん」と呼んだ場合、千秋の魂は完全に消滅すると告げる。太陽は休憩中の話し相手になって欲しかったと言って千秋を呼び出し、もし天国で偶然、明日香に出会ったら伝えて欲しいと前置きして「ごめんなさい。俺のせいで火事に巻き込んで」と、ずっと言えなかった謝罪を口にする。すると千秋は「私もいいかしら」と言って「見たい景色がある」と太陽に頼み事をする…。それは“家族団らん”だった。太陽は陽平と春陽を誘って家族で鍋を囲うが、そこには千秋の姿もあった。太陽は「母さんもここに呼ぼう」と言うと陽平の隣の空席の椅子を引き、鍋を取り分ける。太陽にだけ見える千秋はそこに座り、生前の明日香が果たせなかった“家族団らん”が叶う…。この展開に「千秋さん、よかったね。家族団欒の時間を持つことができて」「太陽くんお母さんに謝れてよかったね。千秋さん息子がどんな人生だったか聞けて、感謝の言葉も聞けて、家族団欒に参加できてよかったね」「太陽君と千秋さんとのやり取りからの涙、家族団欒を見れた、明日香さんの涙、もうもらい泣きしました」などの声がSNSに殺到。一方、千秋は太陽に対し、五感が無くなった後の人生に怯えてる雨を力づけるよう伝える。帰宅した太陽は「五感が無くなったら私の希望もなくなる」と話す雨に、自分が雨の五感を取り戻すと話す…。そんな太陽に「五感が無くなったら…取り戻す、その発想は無かった。確かに取り戻そうとしてもいいんだよな」「雨ちゃんの五感を取り戻す…って…また、新たな奇跡が起きるのかな…」「奇跡ではなくとも希望を灯してくれる太陽くん、本当に名の通り太陽みたいな人だな」などといった声も送られている。【第10話あらすじ】逢原雨は、朝野太陽から嬉しい報告を受ける。桜まつりの花火大会で打ち上げる花火の審査に、合格したのだ。トップバッターが太陽の父・陽平で、太陽の花火はその次だという。大喜びした雨は、どんな花火にしたのかと尋ねた。すると太陽は、当日までのお楽しみ、としながらも、「俺の人生で一番大切だった十秒間かな」と返す。桜まつり当日。雨は、望田司に頼み、母・霞美が入院している病院まで車を出してもらう。やってきた雨が杖をついていることに驚く霞美。雨は、触覚を失い、もうすぐ視覚も失ってしまうことを霞美に打ち明ける。雨のために何もできない、と泣きじゃくる霞美に、「お母さんの笑顔が見たい」と頼む雨。花火大会の会場では、太陽たち朝野煙火工業の面々が打ち上げの準備を進めていた。離れた場所でその様子を見つめていた千秋は、美術館で「自分の人生は今日この瞬間のためにあったのかもしれない」と言っていた日下の言葉を借り、太陽の作った花火を見届けることができたらもう思い残すことはない、と日下に伝える。雨は、霞美と別れて司とともに花火大会の会場へと向かう。だが会場では、次第に分厚い雲が広がり、強い風が吹き始めていた…。「君が心をくれたから」は毎週月曜21時~フジテレビ系で放送中。(笠緒)
2024年03月05日大河ドラマ「光る君へ」より、出演者の撮影現場からのコメントが聞ける「君かたり」が公式サイトにて公開された。吉高由里子が紫式部に扮する本作。今回公開された「君かたり」には、まひろ(紫式部)ののんびりとした弟・藤原惟規役の高杉真宙、まひろとは特別な絆がある藤原道長役の柄本佑、町辻で風刺劇を披露する散楽の一員である直秀役の毎熊克哉が登場。それぞれ、演じる役柄やまひろについてなどを語っている本映像。高杉さんは、「助けたくなる姉」「なくてはならない存在」と姉・まひろや乳母・いと(信川清順)について語る。柄本さんは、直秀について「同じにおいを感じる」「自由さみたいなものに対する、憧れみたいなのも意外に道長の中にはちょっとあるんじゃないかな」と考えを述べた。そんな直秀を演じた毎熊さんは、「若いときに失ったこととかが、むしろ何か得るタイミングだったりする気がしていて、それを忘れないでほしい」「若いときに味わった気持ちを汚さずにというか、やっぱり人生いつまで生きるかわからないですけど、大事なものっていうのはそんなに何個もないはずなので、そういうのを持っていてほしいなと思いますね」とまひろと道長への思いを明かしている。第10回あらすじ兼家(段田安則)は道長(柄本佑)たち一族を巻き込んで、秘密裏に花山天皇(本郷奏多)を退位させ、孫の懐仁親王(高木波瑠)を擁立する計画を進め始める。その頃まひろ(吉高由里子)は、家に帰ってこない為時(岸谷五朗)を案じ、妾の家を訪ねてみる。そこには身寄りもなく最期を迎えようとしている妾の看病をする為時の姿があった。帰宅したまひろのもとに道長からの恋文が届く。まひろは道長への文をしたため始めるが――。大河ドラマ「光る君へ」は毎週日曜日20時~NHK総合(再放送 翌週土曜13時5分)、毎週日曜日18時~BS・BSP4K、毎週日曜日12時15分~BSP4Kにて放送中。(シネマカフェ編集部)
2024年03月04日※このコラムは『君が心をくれたから』8話までのネタバレを含んでいます。■あまりに多機能すぎる万能な男・司約1ヶ月後、視覚を失う雨(永野芽郁)。それを知った恋人の太陽(山田裕貴)は桜祭りで雨に花火を見せることがかなったら、その後は花火師の夢を諦め、雨を支えていくことに専念しようと決意します。雨の介護と両立するため、別の仕事を紹介してもらえないか、司(白洲迅)にお願いする太陽。司は、仕事の斡旋から、雨の介護施設の紹介まで手広く請負い、ある時はばあちゃんの願いをかなえる伝書鳩に、ある時は雨の偽装彼氏に、(後述の)挙げ句の果てには婚姻届の証人から、雨が五感を失った後の伝書鳩パート2と、アレクサもびっくりの多機能っぷり。多分、犯罪以外なら何でも無償で引き受けてくれそうです。しかも、「視覚を失う期限が分かるんですか?信じます。何か言えない事情があるんですよね」と物分かりまでよすぎます。とにかく使える男です。そして、主要人物でありながら名前に天気が入っていない理由も分かりました。「つかさ」で傘だったんですね。みんなの困りごとを跳ね除け、大きな傘となってくれている司。とにかくなんかあったら司に情報吹き込んでおけば、うまいこと動いてみんなの運命をいい方向に導いてくれます。次はどんなファインプレーを繰り出してくれるのでしょうか。■自分の過去を雨に重ね、追体験しているように見える日下「雨と生きよう」と決意した太陽は、雨にプロポーズをします。しかし、雨はその答えを保留。あまりに早すぎるプロポーズの理由が、太陽が読んでいた本にあったことに気づいてしまいます。雨の介護をするために、書類の上でも家族になった方がさまざまな手続がスムーズにいくなど、雨の将来を考えての決断だったのです。「太陽と一緒にいることが彼の負担になるのでは」と雨が悩み続ける中、案内人・日下(斎藤工)が「それでも彼は支えるかも。五感を失ってからは断る術はない。プロポーズ受けてみては?」と柄にもなく助言をします。「雨に肩入れはするな」と言っていた彼がこんな発言をするなんて、なんだか自分の過去を雨に重ねて希望を抱いているようにも見えます。自分も奇跡の取引をして、人を助けた日下。おそらくその結末は悲しいもので、それを原因に彼は心を失ってしまったけれど、雨と太陽が純粋に相手を思い合う姿を見て、日下も心を取り戻し始めたのかもしれません。「人間、最後は自分を守る」と言っていたので、日下は裏切られたけれど、太陽たちはそうはならないのでは?とどこかで期待をし、自分はかなわなかった幸せな結末を信じたい、と思っているように見えてなりません。■前科持ちクラッシャー春陽・2犯目確定そんな中、やってくるのが感情で生きる女・春陽(出口夏希)。太陽の妹です。高校生の時も、雨と太陽の関係を無神経にクラッシュした前科持ちの女ですが、今回もやってくれました。「プロポーズ断って。お兄から花火を奪わないで。お願いします。お兄の前からいなくなってください」お前もう少し言い方があるだろうよと。五感を失いかけてる人間を前に、いなくなってくださいだと?しかも、「雨は太陽から花火を奪おうとしてる」って言ってますけど、お前は「太陽から雨を奪おうとしてる」んですが?「雨と花火、どちらの方が太陽にとって大切か」を確認もせず、自分の価値観で独りよがりにこれぞ善行だとばかりに関係をぶち壊す。これって、高校の時にやらかしたことと全く同じです。反省したんじゃなかったんかい!そこで雨は、太陽が自分のために夢を諦めようとしていることを知り、そんな太陽の人生を望んではいない、と身を引くことを改めて決意します。■千秋の正体と、約束から解放された太陽一方で、悩む太陽は案内人・千秋に相談をします。「父さんの期待、母さんとの約束。でも雨がいないとダメなんです」と、花火や約束よりも、自分の中で大きな存在になった雨への気持ちを吐露します。そして千秋は言うのです。「あなたは間違ってない。跡取りなんてだれでもいい。お母さんが生きてたらこう言うわ。私との約束もどうでもいいのよ。心のままに生きなさい」。その言葉で太陽は解放されます。そして実は千秋は亡くなった太陽の母だということが発覚します。そんなことはつゆ知らず、母との約束を解消してもらい、自由に生きることを後押ししてもらった太陽。雨を選ぶ人生に迷いがなくなりました。■雨が母と暮らすことのリスク毒親だった雨の母・霞美(真飛聖)の退院に合わせて、雨は一緒に遠くに住むことを提案します。太陽の前から姿を消すために頼れるのは母しかいないので、仕方ない部分はありますが、いくら病院で更生したとはいえ、虐待を受けていた母に五感を失った状態で一緒に暮らし、世話を頼むというのはあまりにもリスキーです。幼い子どもだったとはいえ、五感がある状態でも雨との生活に精神がギリギリだった母が、五感を失い意思疎通もままならなくなった雨を受け止めて、生涯暮らしていくほどの心のキャパはあるのでしょうか?本来ならお試しで暮らしてみて、無理なら離れるという選択ができますが、もう雨には時間がありません。■結婚詐欺師、爆誕太陽の前から静かに消える計画を雨はこっそり進めます。スムーズに計画を実行するため、雨は結婚詐欺を働くのです。プロポーズを受け、婚姻届を出したふりをして、1ヶ月だけ太陽と擬似結婚生活を過ごす。そして、五感を失ったら「太陽くんは責任感じず自由に生きて」と伝えてもらうよう、多機能で万能な男・司をボイスレコーダー役に任命します。1ヶ月の間だけは夢だった太陽のお嫁さんとして過ごす。それは幸せでもあり、とても苦しいものでしょう。これが期限のない現実だったら……と、幸せであればあるほど、胸が締めつけられそうです。結婚式も雨の手作りで、家で急ぐように二人だけで執り行われます。とうとう二人初めてのキス。奥手な二人がやっとここまで来た!はずなのに……。そしてどうしてもこれだけはうそがつききれず、一生を誓うための“誓いの言葉”を省略する雨の姿がまた痛々しい……。せっかく結ばれたと思ったら、また壊れてしまうこの関係。また、ゲームチェンジャー司がどうにかしてくれないか、期待をしながら次回を待ちましょう。頼んだ司!(やまとなでし子)
2024年03月04日