皮膚科というと、皮膚炎やヤケドなどの皮膚トラブルに見舞われたときに行く場所というイメージがあるかもしれません。じつは、シミやシワ対策としても活用できることをご存知ですか? 化粧品や医薬部外品よりも効果のある医薬品を処方してくれることもあり、そのなかには保険が適用されるものもあるのです。肌の悩みは皮膚科医へ相談しようシワは老化だけでなく、乾燥によっても生じます。この乾燥が進むと肌のバリア機能が低下し、さまざまな皮膚トラブルに見舞われることも少なくありません。どこまでを「病気」ととらえるかは各人の症状や医師の判断によりますが、皮膚病を招くおそれがあれば、保険適用の治療や医薬品を処方してもらえるものです。また、レーザーなどによるシミ取りにも対応しています。ヤケドなどのシミのできた原因によっては保険が適用されるので、診察を受けてみるのもいいでしょう。たとえ病気とは診断されなくても、皮膚科医はスキンケアのスペシャリスト。肌の状態によって適切なケアの方法を指導してくれるので、悩みがあるときには相談してみては。また、肌に合わない成分を調べるパッチテストを受けておくと、自分に合った化粧品探しの役に立ちます。調べる項目にもよりますが、保険適用の診療になるケースが多いので、一度受診しておくと安心です。ただし、診療方針はクリニックによって異なるので、事前に問い合わせをしておきましょう。ホームページに美容関係の項目が掲載されていたり、女医がいたりすると、美容関係の相談に応じてくれることが多いように感じます。シミやシワを撃退する医薬品も肌の悩みが治療目的と認められれば、保険適用の医薬品を処方してくれます。化粧品はあくまで肌を健やかに保つものなので、美白やシワに効果があるということはできません。医薬部外品には美白効果をうたうものもありますが、改善を目的としている医薬品の効果が上回ることはいうまでもないでしょう。美容マニアのあいだでも知られているのが「ヒルドイド」という医薬品。しもやけなどの症状に処方されますが、非常に優れた保湿効果があることで知られています。美白には「トランサミン」や「シナール」という飲み薬があり、服用し続けることでシミやそばかすを改善できるのだとか。たとえ保険が使えないとしても、確実にシワやシミとサヨナラしたいなら、医薬品に頼る方法もあることを覚えておくと、いざというときに役立ちます。ただし、医薬品には副作用が生じることもあるので、必ず服用する前に皮膚科医へ確認を。ほかにも、大人も悩まされるニキビの治療などに対応しているので、なかなか治らないときには相談してみましょう。もしかしたら、間違ったケアをしていたり、ニキビではなかったりするかもしれません。皮膚科を上手に活用できれば、美肌づくりの選択肢が広がるということを覚えておきましょう。
2016年03月25日資生堂はこのほど、「敏感肌と花粉に関する意識調査」の結果を発表した。同調査は2015年12月18日~21日、全国の20~50代女性を対象にインターネットで実施し、2,351名から有効回答を得た。自身の肌についてどの程度敏感だと感じるかを尋ねたところ、「常に敏感である」(19.8%)、「ときどき敏感である」(62.9%)をあわせ、82.7%が敏感肌意識を持っていることがわかった。「敏感ではない」と回答した人は17.3%にとどまっている。敏感肌意識を世代別で見ると、20代は86.5%、30代は86.0%で、40代の80.2%、50代の77.9%と比べて、20~30代ほど「自分の肌は敏感である」と認識していることがわかった。同社によると、化粧品に敏感な肌の女性はごく一部とのこと。一方で、睡眠不足やストレス、食事など生活環境の変化に敏感に反応し、肌トラブルが繰り返し起こり、なかなかいい肌が続かないと実感する「生活敏感肌」が増加傾向にあるという。続いて、肌あれになりやすい時期と症状について尋ねたところ、最も多くあがったのは「春のかゆみ」(39.2%)で、次いで「冬の粉ふき」(33.8%)となっている。春の肌あれ症状として多くあげられたのは、「かゆみ」に次いで「ヒリつき」(15.5%)、「赤くなる」(11.3%)で、いわゆる「皮膚炎」の状態であることがわかった。また、春に「かゆみ」を感じている人のうち、「花粉症である」と回答した人は41.5%だった。半数以上の人は花粉症を発症していないにもかかわらず、花粉の季節には肌あれ症状を感じているということが明らかとなった。季節ごとの肌あれはどの部位に現れるか尋ねると、一年を通して「ほお」に回答が集まった。春先の肌あれでは「目まわり」(41.1%)、「鼻」(31.2%)も多くなっており、花粉が多い時期にこすってしまいがちなこれらの部位は、他の時期よりも特に敏感な状態になっていることがわかる。同調査を受けて東松原皮フ科の水野惇子院長は、「近年、春になると肌あれで皮膚科の受診患者数が増加し、混み合う傾向があります。その要因の1つが『花粉皮膚炎』です」と指摘。花粉皮膚炎とは、スギ花粉が飛ぶ春先やブタクサなどが飛ぶ秋口に肌が乾燥したり、ほのかな赤みやチリチリとくすぐったいようなかゆみが出たりする症状のこと。あまり重い症状はなく、上まぶた、ほお骨、あご、首など露出が多い部分に発症するという。原因は、肌のバリア機能が低下すること。春先の肌は、バリア機能が低下して外からの刺激を受けるため、安定した肌に比べて角層の水分量、油分のバランスが乱れた状態になるという。また、バリア機能が低下する要因として「生活環境」をあげる。具体的には、睡眠不足、体調の不調、不規則な食事、便秘、ストレスのほか、生理周期や外界環境(気温・湿度の低下など)も肌ダメージの原因になりうるとしている。水野院長は、花粉皮膚炎の予防策の1つ目に「肌のバリア機能をくずさないこと」をあげ、「そのためにも、日頃からスキンケアは保湿を重点的に行いましょう」とアドバイス。2つ目は「花粉に肌が触れないこと」とし、「外出から帰宅したら肌に付いた花粉を洗い流したり、外出中でも花粉が肌に触れないようにメガネやマスクで肌を覆うと効果があります」と解説している。
2016年02月24日新潟大学は2月3日、多発性硬化症および視神経脊髄炎の神経変性に関わる新たな仕組みを発見したと発表した。同成果は、同大学 脳研究所 神経内科 河内泉 講師、西澤正豊 教授、穂苅万李子 大学院生、横関明子 医師らの研究グループによるもので、2月2日付けの米科学誌「Annals of Neurology」に掲載された。多発性硬化症(MS)および視神経脊髄炎(NMO)は、視神経や脊髄、脳に炎症が起こることで、視力の障害、手足の麻痺、しびれや認知機能障害などの症状が現れる神経難病。異常な免疫反応により、MSでは神経軸索を覆うミエリンが破壊され、NMOでは神経細胞・軸索に隣接しサポートするアストロサイトが破壊される。この結果、神経機能が重度に障害される神経変性が起こる。MSとNMOでは異なる免疫制御治療が開発されており、異常な免疫因子をある程度制御することが可能となっているが、神経を保護する治療法は未だ開発されていない。今回、同研究グループは、MSとNMOでは視力障害がしばしば起こるが、NMOではMSに比較して、より重度で回復が不良な視力障害に進展すること、MSのミエリン障害、NMOのアストロサイト障害に加え、MS・NMOともに、視神経軸索と網膜の神経細胞が強く変性していることを明らかにした。また、MSでは「未知の異常な免疫因子」によるミエリンの破壊に引き続き神経変性が起こる一方で、NMOでは「アクアポリン4抗体」によるアストロサイトの破壊に引き続き神経変性が引き起こるが、MSとNMOで障害された神経軸索には、変性したミトコンドリアや陽イオンチャネル「transient receptor potential cation channel subfamily M member 4 (TRPM4)」が異常に集積しており、MSとNMOの神経軸索減少に関与していることがわかった。さらに神経軸索の障害は、網膜の神経細胞にも変化を及ぼすことがわかった。特にNMOではMSと比較してより多くの異常なミトコンドリアが、変性した神経軸索に含まれるため、疾患の早期から免疫制御治療を行うことに加え、神経保護治療を追加する必要があることが示唆された。同研究グループは、異常な免疫分子を制御する「免疫制御治療」と「神経保護治療」の組み合わせにより、患者のQOL向上が期待されるとしている。
2016年02月04日韓国を拠点にアジア各国で展開するオラクル美容皮膚科はこのほど、「オラクル美容皮膚科 東京新宿院」を東京都新宿区にオープンした。「オラクル美容皮膚科」は、アジア最大級のクリニック数を誇る韓国の美容皮膚科。これまで韓国のほか、中国、台湾、フィリピン、タイ、ベトナムとアジア各国で多くのクリニックを展開してきた。このほど、東京都新宿区に日本で初となる「東京新宿院」を開設。これまでアジア各国で実施してきた何万もの治療データをもとに、患者一人ひとりの症状・希望に合わせた治療法を提案するとしている。同院は、美容外科よりも気軽に通えてエステにはない高い効果を得られる、肌のトータル治療を目指す。医師やスタッフの教育プログラムも確立しており、本国と同じクオリティの医療サービスを日本でも受けることができるという。施術メニューの一例としては、しみ・そばかす・あざ・肝斑のブルートーニングは1万5,000円(1回+美白管理)、美肌・くすみ・クマのプラセンタ注射が1アンプル1,000円、レーザー脱毛は背中全体脱毛で1回3万3,000円、エラのボトックス注射は8,000円。なお、イメージキャラクターを務める歌手のGACKTさんがプロデュースした「プレミアムビューティーコース」も提供。皮膚の治療効果をより実感することができるように、複数の治療プログラムを組み合わせて行う10回コースとなっている。価格は50万円。ホームページでは、GACKTさんによるメッセージ動画(YouTube)も公開中。診療科目は、皮膚科・美容皮膚科・美容外科。診療は完全予約制。※価格はすべて税別
2016年02月01日国立感染症研究所は1月5日、2015年12月14~20日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査の結果から、同期間中における1週間当たりの「感染性胃腸炎」の患者が、2015年で最多だったことがわかった。感染性胃腸炎の症状としては、一般的に発熱を伴った下痢や腹痛、おう吐などがある。厚生労働省は、特に冬季は食品などを通じて感染するノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行するとしている。国立感染症研究所によると、全国約3,000カ所の定点医療機関から12月14~20日(第51週)の期間中に報告があった全国の患者数は3万3,709人。第50週に2015年で初めて患者数が3万人を突破(3万2,022人)し、さらに第51週にも増加していた。また、1医療機関あたりの患者数も第50週に初めて10人を超えており、第51週には10.67人まで数値を伸ばしている。ただ、過去5年間の同時期の患者数と比較すると、2015年が最少。過去5年間では2013年が18.07で最多で、2012年が17と続いている。第51週において、都道府県別での患者数が最も多かったのは東京都の3,957人。2位以下は神奈川県(3,139人)、埼玉県(2,016人)、愛知県(1,909人)、大阪府(1,904人)となっており、大都市圏にて患者が増えている傾向がみてとれる。全国的なウイルス感染拡大を受けて、Twitter上には「年明け早々息子のノロウイルス。看病疲れか私も風邪」「ノロウイルスの胃腸炎かかりました」「2年ぶり4回目のノロウイルス」などのコメントが多くみられる(コメントは原文)。※写真と本文は関係ありません
2016年01月05日関西医科大学、国立循環器病研究センター、京都大学、大阪工業大学、科学技術振興機構、日本医療研究開発機構は12月11日、再建する皮膚がなく治療が困難であった先天性巨大色素性母斑に対する世界初の新規皮膚再生治療を開始すると発表した。同治療法による臨床研究は、関西医科大学 形成外科学講座 森本尚樹 講師、国立循環器病研究センター 山岡哲二 部長らの研究グループによるもの。「色素性母斑」は、小さいものはほくろと呼ばれる茶色~黒色のあざで、真皮の中に母斑細胞といわれる細胞が存在し、母斑細胞がメラニン色素を産生するために生じる。先天性巨大色素母斑は、産まれたときから存在し、成人で直径20cm以上になる色素性母斑のことを指し、放置すると悪性黒色腫が数%程度発生する。巨大母斑の治療は、2、3回に分けて切除する分割切除術や、組織拡張器を皮下に埋入し、数カ月かけて皮膚を拡張させた皮膚を用いて再建を行う方法、患者の皮膚を採取し移植する植皮手術が行われるが、手術の身体的負担があったり、母斑切除部の長い傷跡や皮膚採取部位の傷跡ができたりするといった問題がある。同研究では、母斑組織を2000気圧で10分間処理することで、皮膚の主要成分であるコラーゲンなどを損傷することなく自然のまま残し、母斑細胞などの細胞を完全に死滅させることに成功。腫瘍細胞のない真皮として患者に再移植することが可能となった。また、表皮は自家培養表皮を用いるため、患者自身の細胞と組織だけで皮膚を再建することができる。同治療法は、母斑が大きくて手術をしていない患者や、何度も手術したが母斑が残存している患者でも比較的小さな侵襲で実施できるもので、今後は臨床研究への参加を希望する患者を募集する予定だという。有効性が確認されれば、これまで大きな自家皮膚の犠牲を伴う治療しかなかった先天性巨大色素性母斑の治療が可能になるとともに、将来的には高圧による死滅処理方法が、皮膚悪性腫瘍やそのほかの組織の悪性腫瘍にも応用可能な組織再生方法となることが期待される。
2015年12月11日国立感染症研究所は11月17日、11月2~8日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、ノロウイルス感染由来とみられる感染性胃腸炎の全国患者が、直近1カ月で1.8倍に増加していることが明らかになった。食品などを介して感染するノロウイルスはおう吐や下痢、腹痛などの症状を引き起こす。ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は通年で発生しているが、特に冬季に流行する傾向がある。厚生労働省によると、ウイルスの潜伏期間は24~48時間で、吐き気や下痢などの症状が1~2日続いた後、症状は回復に向かうという。ただ、症状が治まってからも長いときで4週間程度、ウイルスは体内から排出され続けるため、二次感染に注意が必要となる。国立感染症研究所によると、全国約3,000カ所の定点医療機関から11月2~8日(第45週)の期間中に報告があった感染性胃腸炎の患者数は1万8,010人。第42週(10月12~18日)は1万393人だったが、そこから1万3,628人(第43週)、1万5,919人(第44週)と患者は増加の一途をたどっている。第41週(10月05~10月11日: 1万224人)から第45週の約1カ月の間で、1週間あたりの患者数は約1.8倍となっている。第45週において、都道府県別での感染者が最も多かったのは東京都(1,394人)だった。以下、大阪府(1,350人)、福岡県(1,215人)、神奈川県(988人)、兵庫県(953人)と続き、大都市圏での感染者が増えている。東京都だけに限ってみると第41週の患者は911人で、約1カ月の間に1週間あたりの患者数が約1.5倍へと増えている。ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤はなく、治療は対症療法に限られるため、予防が肝心となる。予防に関しては手洗いや食品の加熱調理が有効とされており、厚労省は「子どもやお年寄りなどの抵抗力の弱い方は、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱することが重要」と注意を呼びかけている。※写真と本文は関係ありません
2015年11月17日熊本大学は11月2日、皮膚がんの一種である血管肉腫のがん細胞では、本来は別々であるはずの遺伝子が融合していて、その融合遺伝子ががんの発生に関わっていることを発見したと発表した。同成果は熊本大学生命科学研究部・皮膚病態治療再建学分野の神人正寿 准教授らの研究グループと、北里大学の共同研究によるもので、11月1日に科学誌「Cancer Research」に掲載された。血管肉腫は血管やリンパ管の細胞から発生し、皮膚上では年配の人の頭部にできることが多い。発見されづらく、リンパ節や内蔵に転移していってしまうが、放射線療法や化学療法などの治療が効きづらいため、新しい診断法と治療法の開発が必要とされている。がんの主な原因としてがん遺伝子の変異があるが、今回の研究では、血管肉腫のがん細胞では通常の遺伝子変異とは異なり、NUP160とSLC43A3という本来とは別々の遺伝子が異常に融合してしまっていることを発見。この「NUP160-SLC43A3融合遺伝子」は染色体の一部が切り取られ、別の染色体にくっついた結果2つの遺伝子が融合して作られると考えられており、融合遺伝子が陰性の患者と比べて、がんの進行が早い可能性があるという。また、NUP160-SLC43A3融合遺伝子をマウスに注射したところ、がん化したため、がんの発生との確認が確認されたほか、NUP160-SLC43A3融合遺伝子を血管肉腫の細胞から除去すると血管肉腫の細胞の数が減少したため、治療につながる可能性も確認された。融合遺伝子はこれまで白血病や悪性リンパ腫などのがんでも発見されており、融合遺伝子を検出することで高精度・高感度の診断が可能となる。肺がんの一部ではすでに遺伝子検査が保険適応となっており、融合遺伝子の働きを阻害する薬剤が高い治療効果を発揮していることから、今回の血管肉腫における融合遺伝子の発見は、皮膚がんの原因の解明だけでなく、簡単な診断や特効薬の開発にもつながることが期待される。
2015年11月02日乳腺炎は、産後のママの約25%で起こるといわれています。乳腺炎は、母乳が停滞・詰まってしまったうっ滞乳腺炎と、細菌感染による化膿性乳腺炎に分けられます。細菌感染症による、化膿性乳腺炎の場合細菌感染による乳腺炎は、乳頭が傷ついたこと(授乳開始後まもなくは、赤ちゃんに吸われることで、乳頭が切れることが多々あります)などがきっかけとなり、ブドウ球菌、連鎖球菌といった皮膚に住み着いている菌たちによって炎症が起こります。・おっぱいが熱を持つ・赤みを帯びる・しこりができる・押さえると痛い・発熱、悪寒・頭痛、関節痛などの全身症状・白い母乳ではなく、黄色っぽい母乳が出るなどの症状が出ます。この場合、授乳はできず、抗生物質での治療が第1選択となります。迷わず病院へ行きましょう!母乳が停滞・詰まってしまった、うっ滞乳腺炎の場合母乳が停滞・詰まった乳腺炎では、胸の張りやしこり、多少の痛みを感じますが、感染をしているわけではないので乳房の赤み、熱感はありません。しかし、母乳の停滞が続くと細菌感染を起こし、結果的に化膿性乳腺炎になることもあります。停滞・詰まった場合は乳房マッサージ、授乳、搾乳を行い、停滞・詰まりを早急に改善しなくてはいけません。そもそもなぜ、乳腺は停滞し、詰まるのか乳腺が詰まる原因は、血液やリンパ液などによる乳管の圧迫、乳汁の凝固、赤ちゃんの吸い方が上手ではない、乳頭亀裂によりオキシトシンが分泌されにくいことなどが考えられます。つまり、血行不良やおっぱいの質が悪い、おっぱいがしっかり飲まれず残っている、ホルモン異常といった感じでしょうか。そこで、第1に「血行を良くする」、第2に「おっぱいの質を良くする」、第3に「おっぱいを乳腺に残さない」、これらを徹底していただくことで停滞・詰まりの乳腺炎を回避しやすくします。乳腺炎予防のステップ(1)血行を良くするおっぱいは鎖骨、わきの下、胸骨、肋骨などの血管から血液が注がれ、作られます。そこでまずは、胸周りの血管の流れを良くすることが大切です。肩こりや肩甲骨が動かない状態では、血行不良が起こりやすくなります。マッサージやストレッチが効果的ですね。もしすでに停滞や詰まりがあったら、しこりをマッサージして小さく砕き、赤ちゃんに飲んでもらうか、搾乳をしましょう。乳腺炎予防のステップ(2)おっぱいの質を良くするおっぱいの質には、食事が大いに影響してきます。ただし、賛否両論があり、一概に「これは良くて、これはダメというものもない」ということを覚えていてください。それを踏まえた上で、食べたほうが良いものとして挙げられるのは・白米・うどん・そば・納豆・鶏肉・白身魚・根菜類 など。避けたほうが良い食べ物としては、・もち米・パスタ・ラーメン・菓子パン・乳製品・牛肉・マヨネーズ・お菓子などがあります。要は水分、たんぱく質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミンなどをバランスよく食べることが重要です。産後は忙しく、なかなかこだわった食事を作るのも大変ですが、おにぎりだけ、菓子パンだけなどという食事だけは絶対に避けなくてはいけません。東洋医学では、タンポポの根っこ(ダンディディライオン)、はと麦、ラズベリーリーフが母乳の出を良くするといわれています。これらはお茶としてよく飲まれており、カフェインも入っていないので、試してみてはいかがでしょうか? そのほか、古来より葛根湯が母乳の出を良くするといわれ、使われています。乳腺炎予防のステップ(3)おっぱいを乳腺に残さない「おっぱいを乳腺に残さない」という点については、赤ちゃんが生まれてみないとわからないことがたぶんにあります。赤ちゃんが上手に飲めるかどうかはそれぞれですし、母乳が出すぎて赤ちゃんが飲みきれないことや、逆に乳管が細くて出にくいなど、乳腺に残りやすい状況はそれぞれにありますが、どれも実際に授乳を始めてみないことにはわかりません。そこで、妊娠中から乳頭マッサージをするのは対策のひとつとして有効です。あとは搾乳することでしょうか?日本では搾乳文化はあまりありませんが、欧米では搾乳機は出産グッズのマストアイテムとなっています。もちろん、赤ちゃんがよく飲み、残さないのが理想ではありますが、うまくいかない場合は利用してみましょう。そして、飲ませる時には、乳管にあるおっぱいをご自身の手で誘導し、乳首まで運ぶことも忘れないでください。乳腺が停滞・詰まってしまったら、ステップ(1)と(3)を試し、滞っている塊を取り除きましょう。そして予防を含め、ステップ(2)を心がけましょう。この3つを駆使して、痛い乳腺炎の予防をしましょう。(鈴木元<天使のたまご総院長>)
2015年09月26日九州大学(九大)は7月21日、アトピー性皮膚炎に伴う慢性的な痒みのメカニズムに、「アストロサイト」と呼ばれる細胞が関わっていることを発見したと発表した。同成果は同大学大学院薬学研究院ライフイノベーション分野の津田誠 教授、白鳥美穂 学術研究員らの研究グループによるもので、7月20日(現地時間)に米科学誌「Nature Medicine」オンライン版に掲載された同研究では、アトピー性皮膚炎モデルマウスを用い、マウスが引掻く皮膚と神経でつながっている脊髄後角で、神経系を構成する非神経細胞であるグリア細胞の一種「アストロサイト」が長期にわたって活性化していることを発見した。さらに、このアストロサイト内では、遺伝子の発現を促すタンパク質「STAT3」が働いていて、その働きを阻害することで、アストロサイトの活性化と引掻き行動が抑えられることを確認した。また、アトピーマウスの脊髄の遺伝子を調べたところ、活性化アストロサイトが、炎症に応答して産生されるLCN2というタンパク質を作り出し、それが脊髄後角ニューロンでの痒み伝達物質の作用を強めてしまうことも判明した。慢性的な痒みはこれまで主に皮膚を中心に研究されてきたが、今回の研究でアストロサイトの重要性が明らかになったことで、痒みのメカニズムの解明だけでなく、アストロサイトを標的とする新たな治療薬の開発につながることが期待される。
2015年07月22日慶應義塾大学(慶大)は4月21日、マウスを用いた実験で、アトピー性皮膚炎は黄色ブドウ球菌などの異常細菌巣によって引き起こされることを解明したと発表した。同成果は慶大医学部皮膚科学教室と米国National Institutes of Healthの永尾圭介 博士(元慶應義塾大学医学部専任講師)との研究グループによるもので、4月21日(現地時間)に米科学誌「Immunity」電子版に掲載された。アトピー性皮膚炎は気管支喘息、食べ物アレルギー、花粉症などのアレルギー疾患を合併することがあるため、アトピー性皮膚炎そのものもアレルギー性の疾患だと考えられている。しかし、生体が何に反応して皮膚炎を発症しているかはわかっておらず、原因となるアレルゲンは特定されていない。血液検査で強い抗体が検出されることからダニやホコリが原因と考えられているが、それを裏付ける臨床的な証拠は存在していない。一方、アトピー性皮膚炎がひどくなると皮膚表面の細菌の種類が減少し、過半数が黄色ブドウ球菌によって占められることは知られていたが、黄色ブドウ球菌がどのようにアトピー性皮膚炎に関係しているかはわかっていなかった。同研究では、アトピー性皮膚炎を発症するマウスに皮膚細菌巣を培養したところ、生後4周からC. mastitidisという菌の出現に続いて黄色ブドウ球菌が出現し、最終的にはC. bovisという菌と黄色ブドウ球菌が皮膚細菌巣を支配することがわかった。このモデルマウスに対し離乳直後から、異常細菌巣に効果を発揮する抗生物質2種類で持続的な抗菌治療を行ったところ、正常な皮膚細菌巣を保ち、皮膚炎を発症しなかった。さらに、離乳後無治療で10週目に抗菌治療を開始したマウスと、離乳直後から抗菌治療を実施し10週目で抗菌治療を中止したマウスの症状の推移を観察したところ、前者は皮膚炎がほぼ治癒したのに対し、後者は正常だった細菌巣が一気に黄色ブドウ球菌とC. bovisに置き換わり、激しい皮膚炎を発症した。そこで、治療を止めて皮膚炎を発症したマウスの細菌を、治療により一時的に炎症が寛解していたマウスに接種した結果、黄色ブドウ球菌が最も強い皮膚の炎症を誘導した。また、C. bovisはIgEという抗体の上昇をもたらす免疫反応を誘導し、それぞれの細菌が異なった役割を果たしていることがわかった。今回の成果は、偏った異常細菌巣を正常化することでアトピー性皮膚炎を治療する新しい治療法の開発につながる可能性がある。研究では抗生物質を使用したものの、腸内細菌への悪影響もあるため、今後、抗生物質に頼らずに正常な細菌巣を誘導する方法の検討が期待される。
2015年04月22日富士フイルムは4月14日、マウスに経口で摂取させた抗酸化成分「アスタキサンチン」が皮膚まで到達していることを確認したと発表した。同成果は、同社ならびに京都大学 大学院農学研究科 海洋生物生産利用学分野の菅原達也 教授らによるもの。詳細は5月14日からパシフィコ横浜で開催される「第12回アジア栄養学会議(ACN2015)」にて発表される予定だという。これまでの研究にて研究グループは、アスタキサンチンをマウスが経口摂取すると、紫外線による肌のシワ形成と表皮からの水分蒸散が抑制されるという研究結果を報告していたが、この仕組みとして、経口摂取したアスタキサンチンが消化吸収され、皮膚まで到達。紫外線(UVA)により皮膚の真皮に発生した活性酸素を除去したことで、シワ形成抑制効果が生じたと推察したほか、経皮水分蒸散量の抑制効果も同様に、皮膚に到達したアスタキサンチンが、表皮のバリア機能を維持するのに必要なセラミドの産生や維持に影響を与えていると考え、今回、研究を行ったという。その結果、経口摂取したアスタキサンチンが皮膚まで届いていること、ならびにナノ乳化した場合はさらにその量が増加することを確認したという。なお同社では、美容ドリンクやサプリメントでアスタキサンチンを摂取することで、肌のシワ形成や経皮水分蒸散量が抑制されることが期待できるとしており、今後もアスタキサンチンの美容・健康における効能効果やメカニズムについての研究を進めていくとしている。
2015年04月15日子どもが急に「耳が痛い」と言ってきたり、いきなり耳のあたりを押さえて泣いたりする時は、中耳炎の疑いがあります。中耳炎は、大人よりも子どもに多くみられる病気の1つ。乳幼児の頃はまだ耳管が十分に発達していないため、細菌が入りやすいことが原因です。今回は、子どもの中耳炎について、詳しくチェックしておきましょう。■中耳炎ってどんな病気? 中耳という、耳の鼓膜から奥にあたる部分が炎症を起こし、痛みや熱などの症状が見られるのが中耳炎です。耳に直接菌が入り込むというよりは、菌を含んだ鼻水が耳に入ることで発症することが多いようです。鼻と耳は繋がっているので、鼻づまりや鼻水などがひどい時には、中耳炎になりやすい傾向があります。■耳を清潔にしていても中耳炎にかかるつまり、耳自体を清潔にしていたとしても、中耳炎になる可能性はあるということです。「耳掃除をすれば大丈夫」というわけではなく、耳掃除では触れることのできない部分の問題なので、耳掃除による清潔さとは関係ありません。それよりも、風邪をひいた時、鼻水が出る時などに早期に対処して、そうした症状をひどくさせないことが、中耳炎にかからない秘訣です。■中耳炎になった時、子どもはどうやって痛みを訴えてくる? 中耳炎になると、ほとんどの子どもは「耳が痛い」と言って激しく泣くようです。言葉を話せない小さな子でも、耳や頭あたりを手で押さえて、いつもとは違った泣き方をするので、きっと「何か違う」と感じられるはずです。ただ、まれに痛みを訴えてこないケースもあります。中耳炎の痛みは、炎症による腫れが原因で耳管の通りが悪くなり、鼓膜に圧がかかることが発生するのですが、鼓膜に抜け道ができ、圧を回避することがあります。この場合だと、痛みはなくなりますが、耳から膿や血が流れてくることがあるので、「様子が変だ」と思ったら、耳の中を確認してみましょう。■中耳炎の時、病院に連れて行くまでの応急処置中耳炎の症状があると思ったら、病院に行くまでの間は耳あたりを冷やしたり、鼻づまりを解消できるよう対処したりして、応急処置をしておきましょう。また、寝ている状態よりも、座っている、立っている状態のほうがまだ痛みが軽いので、痛みがひどそうな時は、なるべく横にさせないほうがよいようです。一度発症すると、何度も繰り返す可能性のある中耳炎。子どもの様子をしっかりと確認して、早期発見、早期治療に繋げられるようにしておきましょう!
2015年03月28日森永乳業が日本農芸化学会で発表森永乳業はアロエステロール(R)を含むアロエベラ葉肉粉末(AVGP)を経口摂取することにより、紫外線による皮膚弾力性の低下が予防されることをマウスで確認したと発表した。研究成果は、日本農芸化学会2015年度大会(2015年3月26日~29日:岡山)で発表。背景アロエベラの食用として認められている葉肉部分であるアロエベラゲルの成分がアロエステロール(R)。森永乳業は既にヒト臨床試験および皮膚光老化モデルにて、アロエステロール(R)経口摂取による、皮膚水分量の低下予防ならびにシワ形成予防・シワ深度の改善効果を報告している。研究成果アロエステロール(R)経口摂取による皮膚弾力性低下に対する予防効果と、そのメカニズムについて検討。皮膚光老化モデルマウスにアロエステロール(R)を経口摂取させると皮膚弾力性の低下は有意に予防されることが明らかとなった。そのメカニズムに関しては紫外線によって真皮のコラーゲンやエラスチンあるいは表皮と真皮の間に存在する基底膜の構成成分であるIV型コラーゲンを分解する酵素が増加するのを抑制することが判明した。皮膚組織中のヒアルロン酸は紫外線によって減少するが、アロエステロール(R)経口摂取によってその減少が予防されることも明らかとなった。(画像はプレスリリースより)【参考】・森永乳業プレスリリース
2015年03月28日丹平製薬はこのほど、子ども用口内炎治療スプレー「コウナキッズ」(7ml / 税別1,000円)を発売した。同社では2014年7月、直近1年間で口内炎になったことのある3~9歳の子どもを持つ母親1,022人を対象に口内炎に関する調査を実施した。その結果、母親の80%以上が「子どもの口内炎により日常生活で困ることがある」と回答。中でも、「痛がって食事を満足に取れない」(51.8%)、「患部がしみて歯磨きを嫌がる」(39.1%)が上位を占め、多くの母親が口内炎によって日常生活に不便を感じている実態がわかったとのこと。同商品は、子どもに適した工夫が施された口内炎治療スプレー。濃度処方で薬液が患部にしみにくく、広角噴射ポンプにより患部にやさしく届くのが特徴とのこと。また、ぶどう味のため、子どもでも嫌がらずに口内炎を治すことができるという。口内炎のほか、のどの炎症によるのどの痛み、のどのあれなどにも作用するとしている。
2015年03月13日皮膚保護剤のアンケート調査輸入日用品等を扱っているKura Kenは、花粉による皮膚の不快感に対する皮膚保護剤(ファムズベビー:製品名)のアンケート調査を行った。花粉症で目や鼻に不快感がでる人が多くなってきたが、花粉症が重要化していると肌が露出している部分に不快感を覚える。調査内容実施時期は2014年2月~4月、実施方法は実際に目の周り、鼻の周り、唇、首筋、耳、腕・足に製品を使用して、とても良い・良い・あまり良くない・良くないの4段階のアンケート調査。サンプル数は50名で、対象者は花粉症を有する20~50代の男女。花粉症は軽度が18人、中度が17人、重度が14人。(判断は自己申告)総合評価は50例中28人が「とても良い」と答え、残り22人も「良い」と回答。「かゆみが軽減した、和らいだ」というコメントが多かった。なかには、「香りがよくない」、「香りが良いともっと嬉しい」とのコメントもあった。ファムズベビーファムズベビーは、角質層の中に保護層を形成することに初めて成功した皮膚保護剤。肌を傷める様々な原因(水、お湯、洗剤、 汗、分泌物、乾燥、摩擦、雑菌)から皮膚を遮断し、保護するという新しいタイプのスキンケア製品。保護層は肌の水分蒸発を防ぐことから、保湿作用にも優れている。赤ちゃんの乳児性脂漏湿疹、あせも予防、保湿によるアトピー性皮膚炎の予防に一定の効果が得られている。また、老人の乾燥肌対策にもよく使われている。看護師の手荒れ、くつずれ、院内感染予防、介護の分野でも乾燥肌対策、おむつかぶれ予防などで評価されている。保護層の力を最大限高めるために品質の安定性を重視し、香料を省いている。販売価格は2,400円(35g)、米国からの輸入品。(画像はプレスリリースより)【参考】・Kura Kenプレスリリース(PDF)・Kure Kenホームページ
2015年03月04日アトピー性皮膚炎は30万人以上の人が悩まされている症状です。かゆくて困るだけでなく、湿疹ができてしまうのが気になるという人もいるかもしれません。実は、寝ることによって症状が改善すると言われていますが、必要な睡眠時間はどのくらいなのでしょうか?アトピー性皮膚炎の患者数は約36万9千人厚生労働省が発表した『平成23年患者調査』によると、アトピー性皮膚炎の患者数はおよそ36万9千人いると言います。アレルギー性疾患のひとつであり、何らかの原因に対して皮膚が過剰に反応し、肌が炎症を起こしてしまっているんです。アトピー性皮膚炎は全身がかゆくなってしまうので、不快な気持ちになる人も少なくないと思います。また、湿疹ができてしまうのでコンプレックスに感じてしまう人もいるかもしれません。実は、睡眠によってアトピー性皮膚炎は改善すると言います。ぐっすり眠ると皮膚がキレイになるメカニズムについてご紹介します。7時間以上の睡眠を確保しよう人間は、睡眠によって体力や身体の機能を回復します。このとき、成長ホルモンを分泌しますが、まず身体の内側からケアすると言います。でも、お肌の改善は後回しになってしまいます。アトピー性皮膚炎をキレイにしたいと思うのであれば、最低でも7時間から8時間以上寝るのがいいという意見があります。また、できる限り横になっていたほうが、眠れなくてもお肌の調子は回復するのだとか。これは、直立歩行は人間にとって無理な姿勢であり、身体にさまざまな負担がかかっているからだそうです。アトピー性皮膚炎が気になるなら、お休みの日は横になっているのもいいかもしれません。ゴールデンタイムにぐっすり寝てアトピー改善アトピー性皮膚炎が気になるというアナタ。お肌の調子を改善するなら8時間以上の睡眠がおすすめですが、寝る時間帯に注意するともっと効果的かもしれません。成長ホルモンは、昼間よりも夜に寝るほうが分泌されるそうです。夜10時から深夜2時まではお肌のゴールデンタイムと言われていますが、昼夜逆転すると回復力が衰えてしまう可能性があります。せっかく同じ時間眠るのであれば、できるだけ早めに寝てしまうのがベター。アトピー性皮膚炎を改善するためにも、睡眠時間を夜のうちにたっぷり確保して、ぐっすり眠るようとよいでしょう。Photo by Insert Magazine
2015年02月13日グリーンエージェントは、本物さながらの自然な炎の揺らぎを忠実に再現するLEDキャンドル「LUMINARA」の新製品として、コンセントタイプの「LUMINARA ピッグテール」を、ビックカメラにて店頭販売を開始した。サイズは3タイプを展開。ビックカメラのほか、全国百貨店やインテリアショップ、家電量販店などでも販売している。参考小売価格はSサイズが6,500円、Mサイズが7,000円、Lサイズが7,500円(いずれも税別)。従来モデルは乾電池を使用していたため、定期的に電池交換が必要だったが、「LUMINARA ピッグテール」はACアダプター付きのUSB電源を採用し、コンセントやUSBハブから電源を取ることができる。なお、本物のロウを使った質感や、タイマー機能、リモコン機能などは従来品のまま。タイマー機能は、指定した時間に自動で点灯/消灯する機能。リモコン機能は、リモコンを使って点灯/消灯ができる機能。また、複数のLIUMINARAをひとつのリモコンで操作できるため、ピックテールを手の届かない高い場所に設置したり、ガラスケースに入れても使える。サイズは、Sサイズが7.5×7.5×12cm、Mサイズが7.5×7.5×17cm、Lサイズが7.5×7.5×22cm。
2015年02月09日寒い季節。うっかり底冷えした時に女子がなりやすい病気の代表例が「膀胱炎」です。膀胱炎は病院に行って抗生物質を処方されれば簡単に治る病気ですが、真冬にかかる膀胱炎は、再発を繰り返してしまう人が増えるのが特徴です。腎臓と膀胱の機能をサポートして冷えを撃退し、膀胱炎になりにくい体質を作る食品を、香港薬膳師のマダム晴子がご紹介します。ぜひ参考にしてください。■1.シナモン底冷えするような寒い場所でミニスカートなどを履いて、ついうっかり下半身を冷やしてしまった時にぴったりなのがシナモンです。シナモンは「下半身のホッカイロ」といっても過言ではありません。冷えが原因で悪寒がする時や生理前、生理中などにもおすすめです。■2.ふき痛みを伴う膀胱炎になってしまった時にいただきたい食品は、お野菜のふきです。ふきには天然の解毒効果があります。また体を温めながら解毒してくれるので、冷え性が原因の膀胱炎に効果的です。土佐煮などで冬のお料理としていただいてください。■3.ニラ膀胱炎が進んでついには血尿が出てしまった時に効果的なのはニラです。(※血尿が出てしまう前にきちんと病院へ行って抗生物質を処方してもらいましょう)ニラは冷え性が原因で膀胱炎を繰り返してしまうタイプのひとにお勧めです。■4.小豆普段から下半身がむくみがちで、あまり尿の出がよくない(お手洗いが遠い)タイプの人におすすめなのが小豆です。小豆は身体の中に溜まった余分な水分をどんどん体外に排出する働きをサポートします。甘さを控えたお汁粉などでいただくといいでしょう。■5.ぜんまい強い痛みや熱をともなう膀胱炎に効果的なのはぜんまいです。利尿作用が高く、普段からムクミがちなタイプに相応しいでしょう。早春が旬のぜんまいは、てんぷらなどでいただく大人の味で、ビールとの相性がいいでしょう。■6.冬瓜冬瓜は夏場が旬の野菜ですが、膀胱炎に効果的な食品なのでご紹介しておきます。冬瓜には、膀胱炎が原因のむくみや熱をスピーディに排出する利尿作用が期待できます。夏場、特に梅雨時などの湿度が高い時期も膀胱炎になりやすい季節なので、その頃にいただいてください。■7.とうもろこしのひげお茶として市場に流通している「とうもろこしのひげ茶」は、膀胱炎になってしまった時の水分補給にぴったりです。お茶の中でも利尿作用が極めて強く、膀胱にたまった熱をどんどん排出する働きをサポートします。■8.白菜キムチやお漬物で手軽に摂れる白菜も、利尿効果が期待できる冬野菜です。普段から胃が弱いタイプの人は白菜の生食を避けて、お鍋などの温かいお料理でいただくのがポイントです。■おわりにいかがでしたか?膀胱炎は生活の質を落とす、女子の悩みの種です。普段の食生活にちょっぴり気を使うことで、膀胱炎になりやすい体質から抜け出すことができます。また再発予防にぜひ役立ててください。(マダム晴子/ハウコレ)
2014年12月18日新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は12月10日、東北大学、Clioらのグループと共同で、多能性幹細胞の一種であるMuse細胞からメラニン産生細胞を安定的に作り出す技術の開発に成功し、そこで得られたメラニン産生細胞を用いて3次元培養皮膚を作製する技術を確立したと発表した。Muse細胞は2010年に東北大学大学院医学系研究科の出澤真理 教授らの研究グループが発見した多能性幹細胞。皮膚、骨髄などに広く存在し、腫瘍性を持たない、損傷部位へ自発的に移動し修復するなどの特徴をもつ。一方、メラニン産生細胞は紫外線による皮膚障害や悪性腫瘍の発生などを抑えるメラニンを産生することが知られているが、単離が難しく、増殖性が弱いことから、これまでは大量に培養することが難しかった。今回、Muse細胞からメラニン産生細胞を誘導する方法を確立できたことで、大量培養が可能となり、同細胞を組み込んだ3次元培養皮膚を作製することが可能となった。同技術はDSファーマバイオメディカルにライセンスされ、医薬品・化粧品の開発におけるスクリーニングや製品性能検証などに用いるキット「POCA ヒト3D HADA」として2015年1月15日より販売される。NEDOの山崎知巳バイオテクノロジー・医療技術部長は今回の成果について「従来品に比べてヒトの皮膚にきわめて近いものが作れるので、医薬品・化粧品などの安全性試験の精度向上につながる」と説明。より精度の高い安全性試験が実現することによって、新薬の開発における安全性へのリスクを低減できることから、コスト削減にも貢献するという。今後、東北大学は今回の成果を白斑症の治療へ応用することを検討していくほか、DSファーマバイオメディカルではMuse細胞から分化誘導した肝臓の細胞を用いた薬物代謝などに対する細胞アッセイ系として、実用化を進める予定だ。
2014年12月11日東京工科大学は11月20日、褐藻類シワヤハズ由来の「テルペノイド・ゾナロール」が、潰瘍性大腸炎を抑制することを発見したと発表した。同成果は同大学応用生物学部の佐藤拓己 教授らによるもので、米科学誌「PLOS ONE」11月19日号に掲載された。佐藤教授らが潰瘍性大腸炎モデルマウスを用いた研究で、褐藻類シワヤハズに由来する化合物であるゾナロールを経口投与したところ、大腸における潰瘍を抑制する効果を確認した。ゾナロールが転写因子Nrf2の活性化に作用し、炎症反応を抑制したと考えられている。褐藻類とは、コンブやワカメなど、褐色をした海産の多細胞の藻類を中心とする生物群。シワハヤズは日本、台湾など北太平洋に分布している。今後は製薬会社や食品会社と連携しながら、医薬品や健康食品への応用、新たな治療法の開発を目指していくという。
2014年11月20日前回 は、乳腺炎の3つの段階と症状について解説しました。今回は、おもに改善策についてお話しします。乳腺炎がどの段階になったら病院を受診すべきなのか、そして、病院へ行く前にできることはあるのか、解説していきます。■第1段階:急性鬱滞(うったい)性乳腺炎(急性停滞性乳腺炎)乳房の一部が熱を持つ、痛む、しこりができるなど、「様子がおかしい?」と自覚できる段階。この段階では、病院を受診しない人も多いです。自分でできる改善策としては、以下の3つが挙げられます。・抱き方を変えながら赤ちゃんに乳首の奥までしっかりくわえてもらい、乳腺に溜まったおっぱいを飲んでもらう循環が良くなり、乳房の血液やリンパの流れも改善して炎症がおさまっていきます。・葛根湯を飲む葛根湯は、頭痛、発熱、悪寒など風邪の初期症状に効く漢方薬です。筋肉痛や肩こりといった体内の炎症を抑える効果もあるので、乳腺炎にも良いとされています。ただし、衰弱している人や胃腸が弱い人には効果が薄いともいわれているので、不安な場合は飲む前に医師や薬剤師に相談しましょう。・食事は甘い物や高カロリー食や乳製品を控え、あっさり和食にする食べたものの脂肪分がカスとなって乳腺内に残り、おっぱいが詰まりやすくなることで乳腺炎を発症することもあります。母乳育児中はとてもお腹がすきますが、スープや常備菜などを上手に使って、甘いものや動物性脂肪を摂取する頻度を抑えましょう。■第2段階:感染性乳腺炎細菌による炎症が加わり、発熱や痛みの症状が強くなります。ここまで乳腺炎の症状が進行すると、病院を受診する必要があります。寒気がして発熱した時点で、すぐに病院や助産院、桶谷式の母乳相談室で様子を見てもらいましょう。症状の進行度合いによっては、抗生物質の服用が必要になることもあります。授乳中でも飲める抗生物質もありますので、医師にきちんと相談すれば大丈夫です。受診までに少し時間がある時は、以下のことをやっておきましょう。・鬱滞性乳腺炎と同じく、溜まったおっぱいを出し切るもし「おっぱいの味まで変わってしまった」といった理由で、赤ちゃんに飲んでもらえない場合は、清潔な手で搾乳してください。・おっぱいの分泌量を増やし過ぎないよう、入浴はシャワーで済ませる湯船に浸かり、血行が良くなると母乳の分泌量が増え、さらなる炎症をおこすきっかけになります。入浴はシャワーだけで済ますようにしましょう。・里芋で作った湿布やキャベツの外葉などを当て、乳房を適度に冷やす昔から里芋で作る湿布には消炎作用があると言われ、打ち身やねんざ、腫れものなど、酸化した古い血や毒素の吸い出しなどに使われてきました。作り方は、すりおろした里芋、または水に溶かした里芋粉を厚手のクッキングペーパーやふきんなどに包み、乳房にあてて冷やすだけ。少しゆるいようであれば、小麦粉を加えてもよいでしょう。キャベツの外葉を一枚はがしておっぱいの上にかぶせるだけでも、おっぱい全体が張って熱を持った時に、ちょうどよい具合に熱を取る効果があるとされています。保冷剤で冷やすのもよいですが、冷やし過ぎも乳腺炎にとってよくないので、注意が必要です。■第3段階:腫瘍性乳腺炎(化膿性乳腺炎)感染性乳腺炎よりも細菌がさらに繁殖し、乳房の中で膿の塊ができてしまった状態。皮膚が赤く腫れて、熱や痛みをもち、39度以上に発熱することもあります。ここまでくると、もはや自宅できることはありません。一刻も早く病院(できれば乳腺科)を受診しましょう。外科での切開手術が必要になります。 切開と聞くととても痛そうですが、膿をしっかり出し切ることができたら、嘘のようにスッキリするそうです。あとは傷の回復を待ちながら、無理のないよう暮らしましょう。■乳腺炎はあっという間に進行します。早めの処置を乳腺炎の発症は、おっぱいが溜まることだけが原因ではなく、食生活や全身の疲れも大きく影響します。日頃からこってりしたものや甘い物を食べ過ぎず、睡眠不足の日は「赤ちゃんと一緒に眠る」などして、疲れを溜め過ぎないようにしましょう。乳腺炎は進行がとても早く、ひどくなるのもあっという間です。病院に行くのは抵抗があるという人は、熱が出たらすぐに、母乳育児の専門の助産師や、桶谷式の母乳相談室に行ってみてください。症状に応じて、的確に処置してもらえるはずです。乳腺炎も、正しい対処法を知っておけばきっと大丈夫なはず! と信じて、赤ちゃんと二人三脚の母乳生活をがんばっていきましょう。
2014年11月08日乳腺炎とは、乳腺が炎症をおこすこと。妊娠中の人でも一度は聞いたことがあるでしょう。乳腺炎になるとおっぱいが腫れて痛い、熱が出てつらいといった症状が出て、授乳に支障をきたします。乳腺炎のことは、妊娠中から知っておいたほうが、いざという時の役に立ちます。今回はまず、乳腺炎の症状について紹介しましょう。乳腺炎には、進行の度合いによって3つの段階があり、それぞれ症状が異なります。■第1段階:急性鬱滞(うったい)性乳腺炎(急性停滞性乳腺炎)乳腺炎の初期段階です。赤ちゃんに飲んでもらえないまま、乳腺の小葉や乳管の中に残った母乳が、濃く、古くなることがきっかけで生じます。母乳育児をしているママなら、一度は経験するのではないでしょうか。おもな症状は・おっぱいの一部が熱を持つ、痛む、しこりができる・おっぱいの一部が赤くなる・母乳が黄味がかった色になる(まれに、かぼちゃやにんじんの食べ過ぎなどでβカロチンを過剰摂取すると、黄味がかった色になることもあります)・肩や背中が重くなり、赤ちゃんを抱っこする時に違和感が生じるなどです。出産後まもないママがなりやすいともいわれています。■第2段階:感染性乳腺炎鬱滞性乳腺炎を改善できないでいると、溜まったおっぱいに細菌が繁殖し、感染性乳腺炎になってしまうことがあります。感染性乳腺炎のおもな症状は・おっぱいが痛み、赤く腫れる・寒気がする、熱が出始める・赤ちゃんを抱っこしたり、歩いたりすると振動が胸に響いて痛む・母乳が少ししょっぱい味になるなど。栄養いっぱいで温かいおっぱいは、細菌にとって最高の住処。そのため、進行も早まります。おっぱいに痛みがあり、熱が出てきてしまったら、すぐに助産院か病院を受診したほうがよいでしょう。■第3段階:腫瘍性乳腺炎(化膿性乳腺炎)感染性乳腺炎を放っておくと、細菌がさらに繁殖して、乳房の中で膿(うみ)の塊を作ってしまいます。・皮膚が赤く腫れている・おっぱいに痛みと熱をもった固いしこりができている・39度以上の発熱がある以上のような症状が見られる時は、ただちに病院を受診してください。ここまでくると母乳マッサージだけでは対応しきれず、乳房の脇を切開して膿を出す外科手術が必要になります。乳腺炎にかかり始めたなと思ったら、まずはしっかりと赤ちゃんにおっぱいを飲んでもらいましょう。そうしないと、1日と経たないうちに鬱滞性乳腺炎に移行し、数日で感染性乳腺炎や腫瘍性乳腺炎に進行してしまいます。■乳腺炎にならないために、普段からできること乳腺炎は、体質によってかかりやすさが違う部分もありますが、日々の心がけで、ある程度予防することができます。以下の3つのポイントに気をつけておきましょう。・あっさりした和食や塩分控えめな自然の食材を中心にとした、赤ちゃんにとっておいしいおっぱいを作れる食生活にする・「ちょっと危ないかも」と感じた段階でしっかり授乳しながら、できるだけ安静を心がける・日頃から授乳する時の角度を変えて、正しいくわえ方で赤ちゃんにおっぱいを飲んでもらうようにする乳腺炎が進むと、赤ちゃんが母乳をしばらく飲めなくなる場合も出てきます。そうなると、これまで母乳だけで育てていたママは、ミルクの準備や後片付けなどでさらに大変になってしまいます。できるだけ、乳腺炎予防を心がけてください。次回は、乳腺炎の進行段階別に、医療機関に相談すべきタイミングや、病院に行く前にできることを解説します。
2014年11月06日ヒュー・ジャックマンが3度目の皮膚がん治療を受けていたことが分かった。26日(現地時間)、ニューヨークで愛犬と散歩中をパパラッチに撮られたヒューの鼻に絆創膏が貼られていたことから、ヒューの代理人が明らかにした。代理人は「E! News」の取材に、ヒューが治療を受けたことを認めて「すべて大丈夫です」と語った。ヒューは昨年11月に鼻に基底細胞がんが見つかり、摘出手術を受けた。今年5月にも同様の手術をしている。直後に『X-MEN:フューチャー&パスト』プレミアに出席した北京で「僕は未来については現実的なんだ。今後少なくとも1回、おそらく数回は(皮膚がんになることは)あるだろう。オーストラリア人、それもオーストラリア育ちのイギリス系にはめずらしくないことなんだよ。日焼け止めを塗れ、なんて言われた記憶もないんだから」と語った。27日には、「Good morning」と愛犬と一緒の笑顔の画像をインスタグラムに投稿したヒュー。数時間後には「SUNSCREEN!」と、改めて日焼け止めを塗る大切さを伝えるメッセージを投稿した。(text:Yuki Tominaga)
2014年10月29日(画像はイメージです)冬季のアトピー性皮膚炎(湿疹型)に対するビタミンDの効果マサチューセッツ総合病院(米国)は2009年2月から3月に、モンゴルの国立皮膚センターと協力してウランバートル(モンゴル)在住の107人の子どもを対象に冬季のアトピー性皮膚炎に対するビタミンDの効果を調べる臨床試験を行いました。この研究は、ボストンで行われた小規模試験の結果を二重盲検比較試験で確認することが目的です。この研究成果は、Journal of Allergy and Clinical Immunologyの2014年10月号に掲載されています。試験内容登録条件は年齢が2歳から17歳、湿疹の範囲と重症を使ったアトピー性皮膚炎のスコアが10から72で冬場に悪化するアトピー性皮膚炎であることでした。経口でcholecalciferol(1,000 IU/日)飲む群とプラセボを飲む群に無作為に症例を割り付けました。投与期間は1か月です。皮膚のクリームを子どもとその両親に渡し、アトピー性皮膚炎と基本的なスキンケアについて教育を行いました。試験に登録した人数は107人で平均年齢は9歳、59%が男性でした。投与開始時の湿疹の範囲と重症を使ったアトピー性皮膚炎の平均スコアは21でした。試験を完結したのは104人でした。プラセボに比較してビタミンDを飲む群では有意に湿疹の範囲と重症を使ったアトピー性皮膚炎のスコアが改善しました。副作用はありませんでした。紫外線がビタミンDの合成を促進することから、重度のアトピー性皮膚炎に治療に紫外線が使われています。しかし、経口的にビタミンDを与えて、アトピー性皮膚炎の改善を二重盲検比較試験で実証したのは今回が初めてとのことです。今後は成人におけるビタミンDの効果や通年性のアトピー性皮膚炎の子どもに対するビタミンDの効果を検討する必要があります。【参考】・マサチューセッツ総合病院プレスリリース・Randomized trial of vitamin D supplementation for winter-related atopic dermatitis in childrenVolume 134, Issue 4, Pages 831–835.e1, October 2014
2014年10月13日(画像はイメージです)保湿剤のアトピー性皮膚炎の予防効果2014年10月1日、国立成育医療研究センターは、生後に1日1回保湿剤を塗布することによって、アトピー性皮膚炎の発生率を下げることができることを、比較試験によって確認したことを明らかにしました。この研究成果は、Journal of Allergy & Clinical Immunology誌に掲載され、オンライン版で公開されています。研究背景と内容アトピー性皮膚炎を予防するために様々な試みが行われてきました。妊婦のアレルゲンとなる食物の制限や空気中のアレルゲンの除去あるいはその両方の研究が行われましたが、芳しい結果ではありませんでした。今回の研究には、アトピー性皮膚炎のリスクが高い118人の新生児が登録されました。両親あるいは兄か姉がアトピー性皮膚炎を持っていることをリスクとしています。出生後1週間後にコントロール群と保湿剤塗布群に無作為に割り付けて、4週間ごとに観察を行いました。試験期間は塗布開始から32週間です。コントロール群59例、塗布群59例が割り付けられました。32週間の試験を終了した例数はコントロール群49例、保湿剤塗布群50例でした。アトピー性皮膚炎を発症していない割合を乳児の週齢ごとに計算して、アトピー性皮膚炎の発症率をコントロール群と保湿剤塗布群の差をlog-rank testという解析法で比較しました。(画像はプレスリリースより)その結果、保湿剤塗布群はコントロール群に対して有意に(P=0.012)アトピー性皮膚炎の発症を抑えました。卵に対するアレルギーがあるかどうかをIgE抗体の血中濃度を調べましたが、保湿剤塗布群とコントロール群ではどちらもIgE抗体が高値になっていました。しかし、塗布の有無にかかわらず、アトピー性皮膚炎の有無でIgEを検討したところ、アトピー性皮膚炎を発症した群ではIgEが高くなっていました。今後の展開アトピー性皮膚炎の皮膚では免疫細胞が表皮を貫いて突起を伸ばしていることが報告されています。保湿剤により、アトピー性皮膚炎の発症の可能性は示されましたが、アトピー性皮膚炎が発生してからのIgE抗体の発生に保湿剤は効果がありませんでした。今後は、保湿剤で発生を予防するとともに、免疫細胞の突起に対する処置が必要になるとのことです。また、保湿剤による効果が例えば3歳児になったときにはどうなっているかなどは興味のあることです。【参考】・国立成育医療研究センター
2014年10月06日国立成育医療研究センター(NCCHD)は10月1日、乳児期に保湿剤を塗布することでアトピー性皮膚炎の発症率を低下させることに成功したと発表した。同成果は、同センターの斎藤博久 副研究所所長と大矢幸弘 生体防御系内科部アレルギー科医長らの研究グループによるもので、10月1日付けの米アレルギー臨床免疫学会雑誌に掲載された。これまでの研究成果から、乳児期にアトピー性皮膚炎を発症した子供は食物アレルギーなど他のアレルギーを発症する確率が高いことが示唆されている。また、アトピー性皮膚炎の皮膚では免疫細胞が表皮を貫いて突起を伸ばしてアレルゲンを取り込むことも判明している。同研究グループは、皮膚が乾燥すると表皮のバリア機能が低下し、アトピー性皮膚炎を発症しやすくなるのではないかという仮説のもと研究を進めたところ、新生児期からの保湿剤塗布によりアトピー性皮膚炎の発症リスクが3割以上低下することを確認。そして、アトピー性皮膚炎発症が卵アレルギーの発症と関連することもわかったという。この結果は乳児期のアトピー性皮膚炎は、食物アレルギー疾患などの発症誘因となることを示唆しており、同研究チームは今後、アトピー性皮膚炎の発症率をさらに減少させ、食物アレルギーの発症予防を実現することを目指しさらなる臨床研究を実施するとのこと。
2014年10月02日レバノン出身の作家ワジディ・ムワワドによる戯曲を麻実れい、岡本健一ら実力派キャストを迎え、話題作を次々と手掛ける文学座の新鋭・上村聡史の演出で上演する『炎 アンサンディ』東京・三軒茶屋のシアタートラムにて9月28日に開幕を迎えた。舞台『炎アンサンディ』チケット情報内戦が続くレバノンからカナダに移住したムワワドの人生が反映された原作は『灼熱の魂』の邦題で映画化もされ、アカデミー賞外国語映画部門にノミネートを果たした。亡くなった母・ナワルの遺言で、双子の姉弟のジャンヌ(栗田桃子)とシモン(小柳友)は母の故郷・中東にいるという、その存在さえ初めて知らされた兄と父への手紙を託される。心を閉ざしたまま亡くなった母への反発を覚えつつも彼の地へ旅立ったふたりは、そこで内戦に翻弄された母の壮絶な半生を知ることに…。舞台装置はごくシンプルで、四角い舞台の左右後方と中央奥に出入口があるのみ、少し傾斜のついた床は舗装されていないデコボコの砂地のようになっており、そのシンプルな作りとも相まって内戦で荒廃した大地を思わせる。また横からの強い照明による登場人物たちの巨大な影が、その時々の彼らの心情を言い表すかのように印象的に壁に映し出される。少女期から晩年までのナワルを演じる麻実、ナワルの若き恋人役に始まり複数の役を演じ分ける岡本をはじめ、それぞれの俳優が抱えるセリフは膨大だが、複雑ながらも詩的で深遠な言葉の数々は見る者の胸に沁み、怒りや哀しみ、激しい憎悪、そして愛、慈しみといった感情をしっかりと伝えてくる。中でもやはり圧巻は、実に自身と50歳差となる14歳から60代までのナワルをひとりで演じ切る麻実の存在。特徴的で不思議な響きを持つ“声”を最大限に生かし、純粋に世界を信じる少女、強い意思を持って生きる女性、慈愛にあふれる母親を見事に体現している。やがて、登場人物たちはそれぞれにある“真実”に行き当たる。ある者は法廷で、ある者は旅路の中で、ある者はナワルが託した手紙で…。想像を絶する真実を前にした瞬間、人はどのようにそれに向き合い、受け止めるのか?物語の最後で、ナワルと家族たちがまるで集合写真のように舞台中央に並び立つ。その時、彼らがどのような表情を見せているのか――過酷な現実の中から彼らが導き出す“答え”を見届けてほしい。10月15日(水)までシアタートラムにて上演。10月18日(土)には兵庫県立芸術文化センター阪急中ホールでも上演。取材・文:黒豆直樹
2014年10月01日(画像はプレスリリースより)ストレスが皮膚を衰えに関与する機序を発見ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業は、ストレス関連物質「サブスタンスP」が、肌の弾力性やくすみに影響を与える真皮線維芽細胞のコラーゲンの発現を低下させることを発見。サブスタンスPは、刺激によって神経線維から放出される神経物質の一つ。真皮の細胞にはサブスタンスPの受容体があり、サブスタンスPはその受容体と結合して初めて真皮に影響を与えます。サブスタンスPは受容体と結びつくとコラーゲンの生産が低下します。皮膚の透明度、光透過性を支えるIII型コラーゲンに強い影響があることが判明しました。ロータスエキスがサブスタンスPの作用を抑制ポーラ化成工業は上記事実に基づき、III型コラーゲンの産生抑制を防ぐ素材を色々探した結果、ハスの胚芽から抽出した「ロータスエキス」が効果を示すことを発見。その機序はサブスタンスPの受容体の発現を抑制することでした。ロータスエキスは保湿成分として、すでに使われています。フラボノイド類などの成分が含まれています。【参考】・ポーラ・オルビスグループプレスリリース・ポーラプレスリリース(ブルームスパ)
2014年07月08日(画像はプレスリリースより)森下仁丹第14回日本抗加齢医学会総会で発表森下仁丹は九州大学と共同で「ザクロエキス」が皮膚で長寿遺伝子が活性化することを確認した。「ザクロエキス」由来のポリフェノール成分の皮膚細胞(HaCaT細胞)のSIRT1活性化作用を検討。その結果、エラグ酸、ブニカリン、ブニカラジン、ウロリチンAの4つのポリフェノールがベータアクチン中のSIRT1を活性化することを確認した。この実験は皮膚細胞を用いた実験。今後皮膚老化作用に関しては動物皮膚にこのポリフェノールあるいはザクロエキスを塗布した実験や経口投与したときの皮膚の変化を検討することが必要となる。人での経口投与あるいは肌に塗布による皮膚の老化の予防あるいはシミ・シワの改善等の検討が必要となる。ザクロ1968年にザクロに含まれるエストロンが発見された。エストロンにはエストロゲン様作用ががあることからザクロには女性の更年期障害を緩和するといわれたことがある。国民生活センターは市販のザクロジュースにはエストロゲンは含まれていないことを発表。成分としてアルカロイドとタンニンを含むため過剰摂取は危険。カロリー制限と寿命延長効果カロリー制限や低温環境下にある動物は代謝速度が低下し、それに伴い加齢速度も落ち、寿命が著しく延長する。加齢速度を制御していると想定されているのが、SIRT1遺伝子。周囲の環境ストレスに適合するために発現し、様々な作用を有することが確認されている。【参考】・森下仁丹プレスリリース
2014年06月18日