現代アートにおける、若手作家の登竜門的美術展『VOCA展』。今年は『VOCA展 2021 現代美術の展望-新しい平面の作家たち』として、2021年3月30日(火)まで、東京・上野の森美術館で開催されている。『VOCA展』が若手作家の登竜門と言われる理由は、40歳以下の作家を全国の美術館学芸員などが推薦し、その作家たちが平面作品の新作を発表する、という点だ。さらにユニークなのは、厚さ20cm以内であれば、絵画、写真、映像、インスタレーションなど、どんな平面作品でも出品可能ということ。これまでにやなぎみわ、蜷川実花、清川あさみ、山口晃などが、受賞者に名を連ねている。コロナ禍ながら、本年度は30組の作家が出品。5人の選考委員によってVOCA賞他が選出され、展覧会の前日には授賞式が行われた。登壇した作家は、VOCA賞を受賞した尾花賢一のほか、鄭梨愛、水戸部七絵、岡本秀、弓指寛治の5人。尾花は「自分が制作を進める上で、どんな場所で展示されるかが大きなモチベーション」と語り、まずは美術館のある上野という土地について調べることから始めたという。そして知った上野の明るさと暗がり、さらに過去と現在をもひとつの作品の中に存在させることで、観る者にさまざまなことを訴え、考えさせる。VOCA奨励賞受賞の鄭は、コロナ禍における制作を「大変厳しいものだった」と振り返る。「さらに今の情勢抜きでは制作出来なかった」と語る彼女の作品は、韓国から日本に渡ってきた祖父母の姿を5枚の布に写し出し、それらを重ねることで祖父母の生きてきた時間、さらには人間の死生観までも表現する。同賞受賞の水戸部は、「コロナ禍においてSNSに流れる世界のニュースを絵日記として描いた作品」と説明。絵の具を非常に厚く塗り重ねた重量感のある作品で、平面作品とは思えないほどの圧倒的なパワーを放つ。VOCA佳作賞を受賞したのは岡本と弓指のふたり。さらに岡本は大原美術館賞も受賞したが、「他の作品を見ると全然慢心していられない」と姿勢を正す。しかし襖とその先の世界という奥行きを平面で見せてしまうその作品は、本展の中でも唯一無二だ。弓指は、新型コロナをイメージし縫いつけたというジャケット姿で登壇。本人の明るいキャラクターは一瞬作品そのままにも思えるが、実はそこに描かれているのは、満蒙開拓民たちの悲しい歴史だ。タブーから目をそらさない、弓指の強い意志を印象づけた。現代アートの今後を知る上でも、見逃して欲しくない美術展である。取材・文:野上瑠美子
2021年03月12日深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢」が、神戸ファッション美術館にて2021年11月7日(日)まで開催。その後、「金魚鉢、地球鉢。」として東京・上野の森美術館にて2021年12月2日(木)から2022年1月31日(月)まで開催される。リアルな“金魚”を描く現代美術家・深堀隆介深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢」は、“金魚”をテーマにした作品を手がける現代美術家・深堀隆介の展覧会。深堀隆介は、アーティストとしての活動を悩んでいた時期に、放置していた水槽で生き続ける金魚のの美しさに心打たれたことから、金魚をモチーフにした作品制作をスタート。深堀隆介の描き出す“深堀金魚”の大きな特徴は、ヒレの薄さやウロコの透明感、水の流れまで感じさせる、本物の金魚そっくりの写実的な超絶技巧だ。透明樹脂にアクリル絵の具で金魚を断面的に描き、何層も重ねることで立体感のあるリアルな金魚を表現している。深堀隆介の、絵画でありながら立体的な質感を生む斬新な手法は“2.5D ペインティング(積層絵画)”と呼ばれ、世界的にも高く評価されている。2020年には西武渋谷店で、2016年には横浜スカイビルでも作品展を開催した。新作を含む約300点が集結深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢」では、新作インスタレーション作品《僕の金魚園》を含む約300点の作品を紹介。本物と見まがうほどの躍動感と不思議な美しさが魅力の“深堀金魚”を存分に楽しめる。会場には、酒桝や碗、机の引き出しの中といった多彩な空間の中に漂う鮮やかな金魚の作品が勢揃い。中には、ビニール袋の中を泳ぐ出目金を表現した《初出荷 出目金》も登場する。【詳細】〈神戸展〉深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢」会期:2021年9月11日(土)~11月7日(日)会場:神戸ファッション美術館住所:兵庫県神戸市東灘区向洋町中2-9-1開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)休館日:月曜日、9月21日(ただし9月20日は開館)入館料:一般1,000円(800円)、65歳以上・大学生 500円(400円)、高校生以下・神戸市内在住の65歳以上 無料※カッコ内は有料入館者30人以上の団体料金※小学生以下は保護者(大学生以上)の同伴が必要※神戸ゆかりの美術館、小磯記念美術館の当日入館券(半券)で割引問い合わせ先TEL:078-858-0050(神戸ファッション美術館)〈東京展〉深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」会期:2021年12月2日(木)~2022年1月31日(月)会場:上野の森美術館住所:東京都台東区上野公園1-2休館日:12月31日(金)、1月1日(土)開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)入館料:・前売券 一般 1,400円、高校・大学生 1,100円、小・中学生 600円※2021年11月6日(土) 10:00~12月1日(水)まで販売。・数量限定 深堀隆介描き下ろし 金魚飴付き前売券(全2種) 一般 2,200円、高校・大学生 1,900円、小・中学生 1,400円・当日券 一般 1,600円、高校・大学生 1,300円、小・中学生 800円※金魚飴付き前売券は数量限定につき、販売枚数に到達次第、販売終了。※金魚飴付き前売券の「金魚飴」は、観覧日当日に会場内物販コーナーにて引換え。※「金魚飴<あけすず>」、「金魚飴<みずあわ>」は会場内物販コーナーでも単品販売予定(予定価格:1,000円)。※未就学児は入場無料。※小学生以下は、保護者同伴での入場。※本券は、会期中1枚につき1名1回限り有効。再入場不可。※チケットは転売禁止。また、払い戻し、交換、再発行は不可。※障がい者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、愛の手帳、被爆者健康手帳)持参者は、本人と付き添い1名まで入館無料。問い合わせ先TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル 9:00~20:00)■会期終了・長崎展会期:2021年3月12日(金)~4月18日(日)会場:長崎県美術館 県民ギャラリー・岩手展会期:2021年4月24日(土)~6月13日(日)会場:岩手県立美術館 企画展示室・高知展会期:2021年7月24日(土)~8月29日(日)会場:高知県立美術館 県民ギャラリー
2021年02月21日そごう横浜6階にあるそごう美術館が、2021年開催予定の展覧会スケジュールを発表。『篠田桃紅展』や『ひびのこづえ展』『ムーミンコミックス展』などの開催が予定されている。水墨抽象画という独自のスタイルを確立し、100歳を超えてなお挑戦し続けている篠田桃紅(しのだ・とうこう)の画業を紹介する『篠田桃紅展とどめ得ぬもの墨のいろ心のかたち』は4月3日(土)から開催。日本古典文学と書法を学ぶことから出発した初期の作品から、一瞬の「心のかたち」を追求し続ける現在までの作品、約80点でその画業をたどる。篠田桃紅《君に》公益財団法人岐阜現代美術財団蔵続いて、5月15日(金)~7月25日(日)に開催されるのは、『近代日本洋画の名作選展ひろしま美術館コレクション』。明治時代の巨匠・黒田清輝の作品を出発点に、大正、昭和への歩みをひろしま美術館の日本洋画コレクション約70点で概観する。黒田清輝《白き着物を着せる西洋婦人》1892年7月31日(土)からは、『東京藝術大学スーパークローン文化財謎解き「ゴッホと文化財」展つくる文化∞つなぐ文化』を開催。高精度の文化財複製「東京藝術大学スーパークローン文化財」を用いて、複製だからこそできる文化財の「公開・活用」への動きとその成果を紹介。オルセー美術館のゴッホ作品を中心に、ボストン美術館の浮世絵、シルクロードの文化遺産などの謎解きをしながら文化財を楽しく学ぶ企画を展開予定だ。フィンセント・ファン・ゴッホ《オーヴェルの教会》クローン文化財9月17日(金)~10月11日(月)は、30年以上第一線で演劇やダンス、映画、テレビなど多くの分野で数々の作品を制作するコスチューム・アーティスト ひびのこづえの作品世界の全貌に迫る『ひびのこづえ展』を開催。野田秀樹演出の舞台衣装やNHK Eテレ「にほんごであそぼ」の衣装など、代表的な衣装や新作、不思議な衣装をまとったダンサーたちによるパフォーマス、ワークショップなどでひびのこづえの作品世界を展観する。「Piece to Peace」九州国立博物館個展「太ンス宰府ク(ダンスザイフク)」 art & costume design (2019/4/6,7)photo(c)出口敏行10月17日(金)からの『寿(ことほ)ぎのきものジャパニーズ・ウェディング展ー日本の婚礼衣装』では、婚礼儀式がもっとも美しく、洗練された形で行われていた江戸時代から近代初期にかけての衣裳や婚礼のしつらえが、当時の作品を用いて再現される。紅綸子地松樹笹鶴模様打掛江戸~明治時代・19世紀後半共立女子大学博物館そして年末、11月19日(金)~1月10日(月・祝)には、各地を巡回している『ムーミンコミックス展』がそごう美術館にやってくる。イギリスの大手新聞「イブニング・ニューズ」紙で連載されていた漫画「ムーミンコミックス」。ムーミンキャラクターズ社が所蔵する原画作品280余点を日本初公開。今まで日本で紹介されたことのなかった、姉・トーベが描いたキャラクター設定画やスケッチ、弟・ラルスが描いたコミックスの原画などが展示される。ムーミン童話誕生の地・フィンランドででもなかなか見ることができない貴重な機会だ。トーベ・ヤンソン《まいごの火星人》スケッチA(1957年) (c)Moomin Characters™なお、恒例となっている公募展『再興第105回院展』は2月6日(土)~3月14日(日)、『第76回春の院展』は7月16日(金)~7月25日(日)に開催される。そごう美術館公式サイト( )※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、一部内容や時間を変更する場合がございます。あらかじめ、ご了承ください
2021年02月11日イタリアのランジェリーブランドとして注目を集めるIntimissimi(インティミッシミ)は、4月からオープンしたIntimissimi Art Space(インティミッシミ アートスペース)に、第三弾のアーティストとして、絵描きのLee Izumida (リー・イズミダ ) を迎え、フレッシュで躍動感に溢れた彼女の作品を展示します。2019年より、本格的に絵描きとして活動をスタートしたリー・イズミダは、アクリル画の作品を中心として、看板や宣伝美術、アパレルブランドとのコラボレーションや、ショーウィンドウのデザインを手掛けています。「おばあちゃんになるまで、絵を描き続けることが夢です。」と口癖のように言う彼女の作品は、旅や日常からインスピレーションを受けて創作され、私たちにも身近なモチーフを多くの作品に採用しています。今回のアートスペースで「PROGRESS」とタイトルした展示をするにあたり、彼女はこう語っています。「2020年を経験し、私は人を喜ばせたいと言う気持ちが強くなりました。今は、おばあちゃんになるまで絵を描き続け、人を喜ばせ続けることが夢です。新しいことに小さくてもいいから恐れず、挑戦をしたい。そんな思いが強くなった忙しい年末に作成した作品の展示になります。」また、今回の作品には、蝶々や蜂、花のモチーフを選んでいる理由については、昔からモハメドアリの名言で気合いを入れることが多く、それをよく思い出していたからと話しています。リー・イズミダの女性らしい独特なタッチと色使いは、描かれている植物や生き物たちの力強さを伝えているようです。今回のリー・イズミダのエキシビションも、新進気鋭のアートギャラリーとして注目を集める、CTAG (シータグ Central Tokyo Arts Gallery )のキュレーションによるものです。約2 ~ 3ヶ月ごとにアーティストを新しく迎え、インティミッシミ 渋谷文化村通り店のIntimissimi Art Spaceで作品を展示します。また、世界最高画質のインクジェットメディアとして名高いドイツ ハーネミューレ社のファインアートペーパーを使用したリー・イズミダ初のジクレープリントをIntimissimi Art Spaceにて限定数販売します。原画のタッチをそのまま楽しめる貴重な作品です。直筆のサインと保証書が付属します。更に、CTAGがA&Ko(エー・アンド・コー/石川県加賀市)と展開するプロジェクトTMHM(手間隙/テマヒマ)からリリースされた九谷焼の作品も展示販売いたします。詳しくはCTAG(hello @ ctag.jp )までお問い合わせください。現代的なアーティストの作品やプロジェクトを扱うCTAGは、「人や社会がアートに対して能動的に関与することが出来るきっかけづくり」を大切にしています。インティミッシミもまた、ショップを訪れる人々に、このアート空間を通して、世界中のアーティストが発信するアートと、インティミッシミが表現するファッションを、同時に肌で感じてもらえるような機会を提供出来たらと考えています。Intimissimi Art Spaceでインティミッシミが届けたいことは、「Beyond Words」、つまり「言葉にならない感動」です。この素敵なアートスペースを通して、たくさんの人々にインティミッシミの世界観を楽しんでいただけることを願っています。Lee Izumida Exhibition「PROGRESS」Curated by CTAG開催期間 :2021年1月9日(土) ~ 2021年4月上旬まで(予定)作品はすべて購入可能となります。場所 :Intimissimi Art Spaceインティミッシミ 渋谷文化村通り店東京都渋谷区道玄坂2-25-12 2Fwww.intimissimi.jp#intimissimiartspaceLINE公式アカウント : @intimissimi企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2021年01月13日11月25日(水)より東京国立近代美術館で開催中の『眠り展:アートと生きること』は、その名のとおり、眠りをテーマにした展覧会だ。生物にとって生きていくために欠かせない「眠り」を芸術家たちはどのように表現してきたのだろうか。2021年2月23日(火・祝)まで開催されている。展示風景より人類は、人生の約3分の1の時間という膨大な時間を「眠り」に費やしている。それだけ時間をかけているのにもかかわらず「眠り」の時間に何が起こっているのか、未だに解明されていない部分も多い。そんなミステリアスな「眠り」の世界は、芸術家にも多くのヒントやサポートを与えてきた。この展覧会は、そんな「眠り」についてゴヤやルーベンス、塩田千春や河原温など33名、約120点の作品を通して迫っていこうとするものだ。ちなみにこの展覧会は6つの国立美術館(東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立西洋美術館、国立国際美術館、国立新美術館、国立映画アーカイブ)の収蔵品を使った合同企画展でもある。これまで、合同企画展は2010年の『陰翳礼讃』、2015年の『No Museum, No Life? ―これからの美術館事典』と5年の1回のペースで開催されおり、今回が3回目の展覧会となっている。それぞれの館の収蔵品を活用することで、ジャンルも年代などの枠を飛び越えた幅広い展示が可能となった。フランシスコ・ホセ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス「ロス・カプリーチョス」より《睡魔が彼女たちを圧倒する》1799年一口に「眠り」といっても、様々な側面や要素を持っている。目を閉じるという動作、夢を見ること、夢から生まれた想像力や不安、死のメタファーとしての眠り、目覚めの前段階……。芸術家たちにより、それらのどこに重きを置くかは大きく変わってくるのだ。本展は、その眠りを7つの章に分け、さまざまな「眠り」を紹介していく。展示風景よりたとえば序章の「目を閉じて」の章は、瞳を閉じた状態の人物画ばかりが制作年代を問わず並んでいる。目を閉じるということの無防備さや、無邪気さ、見る人と見られる人との関係性など、いろいろなことを考えさせられる。展示風景より河口龍夫《関係—種子、土、水、空気》1986〜89年第4章の「目覚めを待つ」は、覚醒の前段階として「眠り」を扱っている。河口龍夫のインスタレーション《関係—種子、土、水、空気》は、麦やたまねぎなど30種類の植物の種子が30枚の鉛の板に閉じ込められ、壁にかけられた作品だ。床に置かれた金属管のなかに入っているのは、種子を発芽させるための土や水、空気だ。つまり、この作品は現在進行形で眠り続け、そして目覚めを待っているのだ。展示風景よりそして、第5章「河原温 存在の証しとしての眠り」は、その日の日付をキャンバスに書き込む作品で知られる河原温に焦点を当てている。彼は、“I GOT UP AT ◯◯”と、自分の希少時刻を絵葉書に印字し、友人たちに送り続ける作品でも知られたアーティストだ。自分の存在を証明するときに「起きる」という動作を採用した彼の作品は、ミニマムながら現在も強く私達に訴えかけてくる。さまざまな切り口で「眠り」にまつわる本展は、いままで私達が気づかなかった「眠り」の効用にも気づかせてくれそうだ。なお、カーテンやベッドを想起される展示室の設計デザインはトラフ建築設計事務所によるものだ。本展はサスティナビリティもテーマとして盛り込まれており、先日まで開催されていた「ピーター・ドイグ展」で制作した壁面の多くを再利用しているのも特徴のひとつだ。作品だけでなく、展示空間全体をしっかりと鑑賞しておこう。取材・文:浦島茂世【開催情報】『眠り展:アートと生きること』11月25日(水) ~2021年2月23日(火・祝)、東京国立近代美術館にて開催
2020年12月11日「デザインあ展 in AICHI」が、愛知・豊田市美術館にて2021年1月5日(火)から3月14日(日)まで開催される。「デザインあ」展が愛知に「デザインあ展 in AICHI」は、子どもたちのデザイン的な思考をはぐくむ NHK・E テレの人気番組「デザインあ」のコンセプトを、実際の体験に発展させた企画展。過去に東京や富山、山梨でも開催された。総合ディレクターをグラフィックデザイナーの佐藤卓が務め、映像ディレクターとしてインターフェースデザイナーの中村勇吾、音楽ディレクターとしてミュージシャンの小山田圭吾が携わっている。“デザインマインド”を辿る体験型展示「デザインあ」の番組内でも伝え続けてきた、身のまわりに意識を向け、どのような問題があるかを探り出し、よりよい状況を生み出すという、“みる”“考える”“つくる”といった一連の思考力と感性=「デザインマインド」を、展示を通じて表現。デザインの思考を辿る五感を活用した体験型展示や、斬新な映像が登場する。デザインへのまなざしを通して、身近かつリアルな発見ができる場となっており、作品の1つ1つから“自分の目で見ること”や“自分で考える”ことの豊かさや喜びを体感することができる。場内は写真・動画撮影が可能となっているので、お気に入りの展示と一緒に写真撮影を楽しむことも可能だ。「観察のへや」「体感のへや」「概念のへや」など4つのパート会場は、「観察のへや」「体感のへや」「概念のへや」「体験コーナー」といった4つのパートに分かれている。「観察のへや」では身のまわりにあるモノ・コトから、「お弁当」「マーク」「容器」「からだ」「なまえ」といった5つのテーマにフォーカス。「体感のへや」では、番組オリジナルソングをはじめとする音楽とシンクロする映像を、展示室の壁にダイナミックに投影。四方を取り囲む映像と音の中で、体全体を使ってデザインを感じることが可能だ。「空間」「時間」「しくみ」をテーマにした「概念のへや」では、場や時の流れ、人の動きをデザインを通してどう感じるのかを明らかにする。また、「体験コーナー」では番組で人気の「デッサンあ」「もん」を実際に描いて楽しむことができる。【詳細】デザインあ展 in AICHI開催期間:2021年1月5日(火)~3月14日(日)休館日:月曜日(1月11日は除く)開館時間:10:00~17:30(入場は17:00まで)場所:豊田市美術館住所:愛知県豊田市小坂本町8-5-1※会期、内容、入場詳細等を変更する場合あり。最新の情報は豊田市美術館公式ホームページの参照を推奨。※体験コーナーに必要な「鉛筆」「消しゴム」「コンパス」は、各自で持参。■チケット〈日時指定・事前予約制〉観覧料:一般 1,300円、高校・大学生 1,000円、中学生以下無料※豊田市美術館内でのチケット販売なし。※チケット購入後の日時変更、券種変更、キャンセル、払い戻しの対応はなし。※前売料金・団体料金等各種割引料金の取扱いなし。※障がい者手帳持参者(介添者1名)、豊田市内在住又は在学の高校生及び豊田市内在住の75歳以上は無料(要証明)。その他、観覧料の減免対象者についてはホームページに記載。もしくは豊田市美術館へ問い合わせ。※無料対象者は日時指定・チケット購入は不要、来館当日にインフォメーションカウンターで観覧整理券の受け取りが必要。販売開始日:・2020年12月5日(土) 10:00~ ※対象期間:1月5日(火)~1月31日(日)・2021年1月1日(金) 10:00~ ※対象期間:2月2日(火)~2月28日(日)・2021年2月6日(土) 10:00~ ※対象期間:3月2日(火)~3月14日(日)※各入場時間枠(30分刻み)から入場時間を指定の上、チケットは来館前に購入が必要。チケット販売場所:オンライン:ローソンチケット(Lコード/ 1月分:43101、2月分:43102、3月分:43103)店舗:ローソン・ミニストップ
2020年12月07日アートディレクター、デザイナーとして多岐にわたる分野で新しい時代を切り開きつつ世界を股にかけ活躍した石岡瑛子。彼女の世界初となる大規模回顧展『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』が開催される。1992年公開のハリウッド映画『ドラキュラ』の衣装を手がけアカデミー賞を受賞。また2008年の北京五輪では開会式の衣装を担当。マイルス・デイビスやビョークら、世界の一流アーティストたちから愛された彼女の仕事と人生を総覧する内容だ。彼女の才能は、資生堂に入社し1年目ですぐに開花する。社会現象となったサマー・キャンペーンポスターをはじめ、独立後もパルコや角川書店などの数々の歴史的な広告で快進撃を続けた。拠点をNYに移した’80年代以降は映画やオペラ、サーカス、演劇、PVなど様々な分野でその才能を遺憾なく発揮し続けた。その活躍を支えたのはデザインを生み出すまでの徹底した調査や、たった1ミリという細部にまでこだわる姿勢。完璧主義を貫く彼女の制作現場は常に緊張の糸が張りつめ、刃物のような立ち振る舞いだと彼女を揶揄する者もいた。そんな声を意に介さず「デザインはタイムレスでなければ。何十年後かに見た時、古くてはならない」「時代を生き残ってゆくために必要なのは自分の内から湧き上がるオリジナリティ」「創造のゴールは国を超え、人種を超え、性別を超えたところに存在する」と哲学を持ち、生涯仕事に邁進した。本展では、「Timeless:時代をデザインする」「Fearless:出会いをデザインする」「Borderless:未知をデザインする」の3部で会場を構成。’60~’70年代の広告の仕事や、石岡のデザインプロセスを示す膨大な資料、ハリウッドをはじめとする世界各国のアーカイブから集められた映画&舞台衣装を展示する。「表現者にとって一番大切なのは鍛錬」とバイタリティの塊のような生涯を送った彼女。その人生と言葉には、人を前に向かせる力がみなぎっている。石岡瑛子とは…「すごい日本人」と、世界が称賛した人物。1938年、東京都生まれ。東京藝術大学美術学部卒。アートディレクターとして資生堂、パルコ、角川書店などの広告でセンセーションを起こす。1980年代からはNYを拠点に幅広いプロジェクトを手がけアカデミー賞、グラミー賞、ニューヨーク映画批評家協会賞、カンヌ国際映画祭芸術貢献賞を受賞。紫綬褒章受章。2012年、すい臓がんで永眠。石岡瑛子1983年 Photo by Robert Mapplethorpe ©Robert Mapplethorpe Foundation. Used by permission.’79年に制作されたPARCOのポスター「西洋は東洋を着こなせるか」は、無国籍で鮮烈なイメージ。高度成長期の日本において世界に目を向けたメッセージ性が注目を集めた。石岡瑛子ポスター『西洋は東洋を着こなせるか』(パルコ、1979年)アートディレクションシルク・ドゥ・ソレイユ『VAREKAI』の衣装。危険極まりなく見えても、絶対安全を確保できる魔法のコスチュームをデザインした。石岡瑛子コンテンポラリー・サーカス『ヴァレカイ』(シルク・ドゥ・ソレイユ、2002年)衣装デザイン Director:Dominic Champagne/Director of creation:Andrew Watson/Set designer:Stephane Roy/Courtesy of Cirque du Soleil『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』東京都現代美術館 企画展示室1F/B2東京都江東区三好4‐1‐1開催中~2021年2月14日(日)10時~18時(入場は閉館の30分前まで)月曜(11/23、1/11日は開館)、11/24、12/28~1/1、1/12休一般1800円ほかTEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)※『anan』2020年11月25日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2020年11月24日アート集団チームラボのパブリックアート「Continuous Life and Death at the Now of Eternity II, Grand Central Terminal」が、この度ニューヨーク市で公開された。本作は、マンハッタンの中心グランド・セントラル駅直結の新・高層ビル「ワン・バンダービルト」に常設展示される。誕生と死滅を永遠に繰り返し続ける花々が描かれた作品世界は、マンハッタンの日の出とともに明るくなり、日の入りとともに暗くなっていく。そして、1年を通して咲いていく花々は移り変わっていく。 Life and Death at the Now of Eternity II, Grand Central Terminal会期: 2020年9月14日(月)~常設場所: One Vanderbilt1 Vanderbilt Ave, New York, NY※ワン・バンダービルトはまだ一般公開されていません。作品はビルの外からご覧頂けます。One Vanderbilt:
2020年10月30日“猫アート”が楽しめるイベント「千の福ねこアート展 at 百段階段」が、2020年10月23日(金)から11月23日(月・祝)までホテル雅叙園東京にて開催される。約1,000体の猫アート集結東京都指定有形文化財に指定されている、ホテル雅叙園東京内の「百段階段」に猫アートが集結。“猫アートの仏師”と呼ばれるもりわじんの作品を中心に、約1,000体の作品が展示される。目玉となるのは、「猫の一生」をテーマにしたもりわじんの作品群。“楽”を表現した愉快で自由な猫たちや“死”を体現する混沌神と泣き猫などを揃えた。“生”をキーワードにした「頂上の間」では、366体もの誕生日猫を展開。自分のバースデーにあわせた誕生日猫を探すのも楽しそうだ。猫アートをショッピング「草丘の間」では、東早苗、松本浩子など、注目アーティスト8名がリレー形式で個展を開催し、陶芸、彫刻、切り絵、ぬいぐるみ、ジュエリーなど、個性豊かな猫アートを展開する。鑑賞だけでなくショッピングもできるので、気に入った作品は購入することも可能だ。【詳細】千の福ねこアート展 at 百段階段会期:2020年10月23日(金)~11月23日(月・祝)※会期中無休時間:日~木曜日・祝日 10:00~17:00(最終入館 16:30)、 金・土・祝前日及び11月1日(日) 10:00~20:00(最終入館 19:30)場所:ホテル雅叙園東京住所:東京都目黒区下目黒1-8-1入場料:当日 1,600円、特別前売 1,100円、大学生・高校生 1,000円、中学生・小学生 600円※要学生証呈示、未就学児無料。※特別前売券は、10月22日まで館内及び公式オンラインチケットで販売。※オンラインチケットでは、通常の入場券のほか、優先入場できる日時指定券も用意。【問い合わせ先】TEL.03-5434-3140(10:00~18:00)
2020年10月03日イタリアのセンシュアルなランジェリーブランドとして注目を集める、Intimissimi (インティミッシミ)は、4月からオープンしたアートスペースに、プシェメク・ソブツキを第二弾のアーティストとして迎え、彼のアーバンでフレッシュなアート作品を展示しています。プシェメク・ソブツキは、ポーランド出身で東京やアジアをベースに活躍しているアーティストです。彼のアートワークは、イラストレーションを中心に構成されており、ウィンドウディスプレイや壁画、そして短編のアニメーションなど多岐に渡ります。これまで、デザイナーのStephen JonesやManish Arora、そしてアーティストのJoanna Wangともコラボレーションした作品を発表してきました。また、伊勢丹やルイ・ヴィトン、パークハイアット東京、エル ジャパンなど、様々なクライアントに作品を提供してきており、バンタンデザイン研究所では講師として教壇に立っています。今回のアートスペースでは、「WHO is Who?」とタイトルした彼のユニークなイラストレーションを発表しています。彼の描いた様々な異なった女性たちのポートレイトを通して、誰にも違いがあることを表現しています。そして誰もが、多様なバックグラウンドを語れるほどの個々のストーリーを持っていること、さらに、私たちも含めてすべての人々が、常に変化し、進化していて、その違いは私たちを繋げている、ということを表現しています。このエキシビションで発表されている作品は、一度に作成されたものではなく、彼の過去においてその時々の状況やムードによって、とても自然発生的にクリエイトされたものであり、そのいくつかはさらに熟考を重ねられたものであり、またその他のいくつかは特別な瞬間にインスパイアされて出来たものです。彼の古いスケッチをベースにしたものなども作品に反映され、それらは彼のパーソナルな旅の一部でもあり、さらには絶え間ない進化と実験を表現しているようです。それぞれのアート作品の裏側には、パーソナルな言葉が隠れています。作品ごとに異なった言葉は、アート作品の持ち主、もしくはその裏側を見ることの出来る人のみが、閲覧可能です。そこには、作品に描かれた女性のパーソナルなメッセージや、それぞれの女性たちが持つ小さな「ストーリー」が隠れています。今回フィーチャーされているプシェメク・ソブツキも、前回同様、新進気鋭のアートギャラリーとして注目を集める、CTAG (シータグ Central Tokyo Arts Gallery)のキュレーションにより選ばれています。アーティストを約2ヶ月ごとに新しく迎え、インティミッシミ 渋谷文化村通り店のアートスペースで作品を展示していきます。アーバン・アーティストの作品やプロジェクトを扱うCTAGは「人や社会がアートに対して能動的に関与することが出来るきっかけづくり」を大切にしています。インティミッシミもまた、ショップを訪れるたくさんの人々に、この素敵なアート空間を通して、世界中のアーティストが発信するアートと、そしてインティミッシミが表現するファッションを同時に肌で感じてもらえるような機会を提供出来たらと考えています。9月29日には、このエキシビションのローンチを記念して、プシェメク・ソブツキ本人がインティミッシミ渋谷文化村通り店に来場します。Intimissimi Art Spaceでインティミッシミが届けたいことは、「Beyond Words」、つまり「言葉にならない感動」です。この素敵なアートスペースを通してたくさんの人々に、インティミッシミの世界観を一緒に楽しんでいただくことを願っています。Przemek Sobócki Exhibition「WHO is Who?」Curated by CTAGIntimissimi Art Spaceインティミッシミ 渋谷文化村通り店東京都渋谷区道玄坂2-25-12 2Fアートスペースにて開催9月23日(水)からスタートwww.intimissimi.jp#intimissimiartspaceLINE公式アカウント : @intimissimi企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年09月24日日本最大級のアート複合施設「テラダ アート コンプレックスⅡ(TERRADA ART COMPLEXⅡ)」が、2020年9月に東京・天王洲にオープンする。“日本最大級”のアート複合施設「テラダ アート コンプレックスⅡ」ギャラリー数の多さが魅力「テラダ アート コンプレックスⅡ」は、アートシティを目指した街づくりを行う寺田倉庫が手掛けた、日本最大級のアート複合施設。2021年春までに計10ギャラリーの入居を予定し、隣接する「テラダ アート コンプレックスⅠ」の8つのギャラリーと合わせると、日本最多のギャラリー数を誇るアート施設となる。カフェやガーデンも併設倉庫を改装した展示場では、オープンに合わせて現代美術のアートフェア「artTNZ produced by AFT with APCA」を開催。また、施設内にはカフェやガーデンも併設される。アートファンの憩いの場となりそうだ。【詳細】テラダ アート コンプレックスⅡオープン:2020年9月住所:東京都品川区東品川1-32-8アクセス:東京臨海高速鉄道りんかい線・天王洲アイル駅「B 出口」より徒歩約 8 分東京モノレール羽⽥空港線・天王洲アイル駅「中央口」より徒歩約 11 分
2020年09月13日9月で開館30周年を迎えるワタリウム美術館では、『生きている東京展アイラブアート15』が、9月5日(土)より開催される。同展は、アーティスたちがこの30年間で見た東京の姿を通して、東京という都市の再考を試みるもの。ワタリウム美術館のコレクションを中心に、未公開ドキュメントなども展示される。会場には、国内外での国際展に多数参加している島袋道浩による《象のいる星》をはじめ、マイノリティの人々のポートレイトを多く撮影している斎藤陽道の《「せかいさがし」シリーズ》、屋外の建物や通りに巨大な写真を貼る表現を用いるフランス出身JR(ジェイアール)による、《<インサイドアウト>プロジェクト東北》、ワタリウム美術館の建築を手がけたスイス出身のマリオ・ボッタによる、『ワタリウム建築プロジェクト』展の際の黒板ドローイング、同館と関係の深いナムジュン・パイクによる《時は三角形》など、全15組のアーティスト作品が並ぶ。加えて、会田誠、渡辺克己、SIDE COREの3組のゲストアーティストの作品も見ることができる。ワタリウム美術館では、1990年の開館以来、さまざまなアートが生み出されてきた。社会が大きく変化したこの30年の間に、アートは都市に何をもたらしてきたのだろうか? 同展から、そんな「都市の精神」が浮かび上がってくるにちがいない。【開催情報】『生きている東京展アイラブアート15』9月5日(土)~2021年1月31日(日)、ワタリウム美術館にて開催【関連リンク】ワタリウム美術館: 〈インサイドアウト〉プロジェクト東北/東京 制作ドキュメント 2013年2月7日マリオ・ボッタがワタリウムのプレ公開の際に制作した黒板ドローイング 1990年7月17日会田誠 「東京城」2019年 Tokyo Tokyo FESTIVAL スペシャル13「パビリオン・トウキョウ 2020」
2020年09月04日展覧会「エキソニモ UN-DEAD-LINK アン・デッド・リンクインターネットアートへの再接続」が、東京都写真美術館にて、2020年8月18日(火)から10月11日(日)まで開催される。「エキソニモ」初の大規模回顧展インターネットが一般へと普及を始めた1990年代から、インターネットそのものを素材として扱い、美術の表現領域を拡張し続けてきたエキソニモ。エキソニモは、千房けん輔と赤岩やえによるアート・ユニットであり、デジタルとアナログ、ヴァーチャル世界と実世界を自由に行き来することで、ユーモアのある切り口と斬新な視点をあわせ持つ作品を生み出してきた。「エキソニモ UN-DEAD-LINK アン・デッド・リンクインターネットアートへの再接続」は、世界初となるエキソニモの大規模回顧展。現実の「展示室」とオンライン上の「インターネット会場」の2会場を連動させ、初期のインターネットアート作品から近年の大型インスタレーションまで、多彩な活動を紹介する。初公開インスタレーション《UN-DEAD-LINK 2020》世界初公開となる最新作《UN-DEAD-LINK 2020》は、展示室とインターネット会場の両方で体験できるインスタレーション。シューティングゲームで敵を撃つと、これに反応してグランドピアノの音が鳴り響き、ヴァーチャルな空間での出来事が現実に連動する作品となっている。初期作から代表作、近作までまた、実会場となる展示室では、初期インターネットアート作品である《KAO》(1996)や、 ユーザーにより入力されたキーワードをもとに、ウェブ上で見つかったサイトの画像やテキストをリアルタイムかつランダムに表示する《Frag Mental Storm》(2007)、データの記録でしかないデスクトップ上のカーソルの動きを再現することで、マウスを動かす人間の身体性をイメージさせる代表作《断末魔ウス》(2007)などを展示する。展覧会概要展覧会「エキソニモ UN-DEAD-LINK アン・デッド・リンクインターネットアートへの再接続」会期:2020年8月18日(火)~10月11日(日)会場:東京都写真美術館 B1F展示室、2Fロビー、インターネット会場住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内TEL:03-3280-0099休館日:月曜日(9月21日(月・祝)・22日(火・祝)は開館、9月23日(水)は休館)開館時間:10:00〜18:00(入館は閉館30分前まで)料金:一般 700円、大学・専門学校生 560円、中高生・65歳以上 350円※小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害者手帳の所持者とその介護者は無料※各種割引の詳細は利用案内を参照※各種割引の併用は不可※内容は変更となる場合あり
2020年08月14日「TAGBOAT × 百段階段」展 ~文化財と出会う現代アート~が、2020年9月11日(金)から10月11日(日)まで、ホテル雅叙園東京内東京都指定有形文化財「百段階段」にて開催される。新進気鋭の現代アート×文化財アジア最大のオンラインギャラリーを運営する、タグボート(TAGBOAT)が百段階段を舞台にアートイベントを開催。絵画、写真、デジタル作品、立体作品など、幅広い表現力を持つ新進気鋭の作家を集め、アートの合同展示を行う。“持ち帰れるアート”もまた、一部の企画作品は“持ち帰れるアート”として購入することが可能。創り手と来場者が作品を通じて出会う、未来を担った展示構成となっている。昭和、平成、令和のアートが繋がる会場は、東京都指定有形文化財「百段階段」。昭和10年に建てられ、ホテル雅叙園東京内では、唯一の現存する木造建築だ。99段の階段廊下で結ばれた各部屋はそれぞれ趣向が異なり、各部屋の天井や欄間には、建設当時屈指の画家や大工によって創り上げられた美の世界が広がっている。この文化財を舞台に行う「TAGBOAT × 百段階段」展では、昭和、平成、令和と時代を超えてアーティスト同時がつながる、唯一無二のアートのコラボレーションを体感できるだろう。【詳細】「TAGBOAT×百段階段」展 ~文化財と出会う現代アート~期間:2020年9月11日(金)~10月11日(日)時間:日~木曜日・祝日 10:00~17:00、 金・土・祝前日 10:00~20:00※最終入館ともに閉館30分前会場:ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財「百段階段」住所:東京都目黒区下目黒1-8-1入場料:当日 1,600円(前売 1,500円)※9月10日まで公式オンラインチケットにて販売※学生 500円(要学生証呈示、未就学児無料)※混雑緩和のため入場制限あり。詳細は公式サイトを確認。<参加アーティスト>Aira / AKI / ayaka nakamura / Limo / TARTAROS JAPAN / 石井七歩 / 石川美奈子 / 伊藤咲穂 / 大槻 透 / カネコタカナオ / 鴨下容子 / 神田さおり / 小池正典 / 後藤夢乃 / 榊 貴美 / 塩見真由 / 田村久美子 / 坪山 斉 / 友成哲郎 / 西島雄志 / 橋本 仁 / 濱村 凌 / 早川モトヒロ / ヒロ杉山 / 廣瀬祥子 / ホリグチシンゴ / 前田博雅 / 柳田有希子 / 山口真人 / 渡邉 光【問い合わせ先】TEL.03-5434-3140(10:00~18:00)
2020年08月07日独自の世界を創造し続けるアーティストたちの特別展『あるがままのアート—人知れず表現し続ける者たち—』が、東京藝術大学大学美術館にて9月6日(日)まで開催されている。20世紀初頭、既存の美術教育を受けていない人たちが制作した独創的な作品が、「アウトサイダー・アート」「アール・ブリュット(生の芸術)」などと呼ばれ、新たな時代を創造するインスピレーションとして美術の世界に衝撃を与えた。同展では、今も国内外で注目を集める「あるがままのアート」の世界を、知的障害や精神障害のある人も含め、独学のアーティストたち総勢25名による約200点の作品を通して紹介するもの。会場内は、アーティストごとに作品を紹介。会場に足を踏みれてすぐ展示されているのは、さまざまな糸が絡み合い、不思議な生物のような、臓器のような集合体が生み出される小森谷章の作品や、丸木を顔型に掘りカラフルな彩色を施した記富久の彫刻だ。 )から予約することができるので、会場に足を運べない人にはおすすめだ。なにものにも縛られない、どこまでも自身の芸術的な衝動に忠実な表現の数々。見る機会が限られているだけに、同展での鑑賞を逃さないようにしてほしい。【開催情報】特別展『あるがままのアート—人知れず表現し続ける者たち—』9月6日(日)まで東京藝術大学大学美術館にて開催【関連リンク】あるがままのアート—人知れず表現し続ける者たち—( )福井誠《私の宇宙…人を見失い、自分を失う。ゾゾ、それでもあなたは人を愛せますか?》2014年喜舎場盛也《ドットシリーズ》2014〜2020年高田幸恵《無題》2006年《鳥と流木》2006年澤井玲衣子《あすかとピアノ》2006年
2020年07月29日2001年から3年に1度開催されている現代アートの国際展、ヨコハマトリエンナーレ。7回目となる『ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」 』が7月17日(金)に開幕し、10月11日(日)まで横浜美術館とプロット48を主会場に開催されている。ヨコハマトリエンナーレ( )横浜美術館会場内岩間朝子《貝塚》2020年キム・ユンチョル《クロマ》2020年インゲラ・イルマン《ジャイアント・ホグウィード》2016年(2020年再制作)ツェリン・シェルパ《54の智慧と慈悲》2013年オスカー・サンティラン《宇宙工芸船(金星)》2018年
2020年07月17日「ねこ展~ねこ・猫・ネコ アート&グッズフェア~」が、2020年7月22日(水)から27日(月)までの期間、松坂屋名古屋店にて開催される。「ねこ展~ねこ・猫・ネコ アート&グッズフェア~」は、東京・プランタン銀座にて、2016年までに50回も開催された“ねこ好き”の人たちによるイベントだ。2017年からは、全国の百貨店など、場所を変えつつ開催している。名古屋で開催される今回の「ねこ展」では、ねこをモチーフにしたアート作品やグッズ、雑貨など、ねこ好きにはたまらないユニークなアイテムを展示販売するほか、猫絵作家・くまくら珠美が初参加。ねこを描いた墨絵などのオリジナル作品が登場する。さらに、人気TVアニメ「おそ松さん」の限定グッズも登場。主人公・おそ松などお馴染みのキャラクターが猫の耳やしっぽをまとった可愛らしいビジュアルのクリアファイルなどを用意する。【詳細】ねこ展~ねこ・猫・ネコ アート&グッズフェア~期間:2020年7月22日(水)~27日(月)場所:松坂屋名古屋店 本館7階大催事場住所:愛知県名古屋市中区栄三丁目16番1号価格例:・「飾り猫ミニ額」(小泉明世) 4,620円(税込)・原画「銀の雫」(目羅健嗣) 132,000円(税込)・「猫とバラ柄吹き4層5色被せ玉 足台付グラス」(グラスアート・アン) 22,000円(税込)・「プリントTシャツ・鯛鰤鰹鮪」(鉄男) 3,080円(税込)・「葡萄と猫のブローチ」(大江フミト) 77,000円(税込)・「藍染綿素材ブラウス」(草木染め 色束irotaba) 38,500円(税込)・「おそ松さん」A4クリアファイル 440円(税込)
2020年07月17日チームラボは、森の中のアート展「チームラボ かみさまがすまう森」を2020年7月22日から11月8日(日)まで、佐賀・御船山楽園にて開催する。チームラボの「森の中のアート展」再び6年目となる「チームラボ かみさまがすまう森」が、2020年夏も開催決定。チームラボが毎年夏に行う森の中のアート展では、自然を大胆に使ったアートが体感可能だ。会場は、江戸後期につくられたとされる佐賀・御船山楽園。古来より大事にされてきた森の魅力を生かしながらつくった庭園の中には、樹齢3000年以上の神木の大楠や、超自然的に積み重なった巨石の磐座、長い年月をかけて形作られた洞窟など、神秘的なスポットが多数存在する。チームラボは“自然が自然のままアートになる”をキーワードに、御船山楽園の豊かな自然を活かした体感型アートを展開。自然を活かした体感型アート『かみさまの御前なる岩に憑依する滝 』は、自然の岩を使ったアート作品で、空から岩に白糸の滝が降りてくるような神秘的な光景を再現している。他にも、コンピュータプログラムによるグラフィックがリアルタイムで描き続けられる、立体作品『廃墟の湯屋にあるメガリス 』や、人々の存在に合わせてランプが色を変える『森の中の、呼応するランプの森とスパイラル - ワンストローク、夏の森』、水面がまるでキャンバスのように変わる『小舟と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング』などがラインナップする。全22作品群を展示予定だ。画像提供:チームラボサウナ「らかんの湯」コラボレーションもまた、「チームラボ かみさまがすまう森」とサウナ「らかんの湯」がコラボレーション。サウナとアートの両方を体験できる、御船山楽園ホテル「らかんの湯」の日帰り入浴と「チームラボ かみさまがすまう森」のセットチケットを、1日40名限定で7月20日(月)から予約販売する。「らかんの湯」は、サウナ界のミシュラン「サウナシュラン2019」で日本一のグランプリを獲得。メディケーションサウナ、水風呂、外気浴、温泉などを備えている。刺激的なアート鑑賞の前後に、サウナでゆったりとしたリラックスタイムを楽しめそうだ。【詳細】チームラボ かみさまがすまう森開催期間:2020年7月22日(水)~11月8日(日)会場:御船山楽園住所:佐賀県武雄市武雄町大字武雄4100時間:・7月22日(水)~9月13日(日) 19:00~22:30・9月14日(月)~10月11日(日) 18:00~22:30・10月12日(月)~11月8日(日) 17:00~22:30※入場は第一入門口、および開園の1時間後より第二入門口も利用可能※最終入場は22:00まで料金:・平日(8月11日~8月14日を除く): 大人 1,200円、中高生 800円、小学生 600円・土日祝および8月11日~8月14日: 大人 1,400円、中高生 1,000円、小学生 800円※未就学児は無料チケット発売日:7月20日(月) ※御船山楽園、 展覧会公式ウェブサイトにて販売。問い合わせ先TEL:0954-23-3131(御船山楽園ホテル)■御船山楽園 大浴場「らかんの湯」日帰り入浴〈完全予約制・定員制〉チケット発売日:7月20日(月)料金:1名 4850円(税込)※料金に大浴場入浴(サウナ)、「チームラボ かみさまがすまう森」展覧会鑑賞チケット、フェイスタオルが含まれる。利用時間:・7月22日(水)〜9月30日(水)1部:16:00~18:30(男女各10名) 2部:18:30 ~21:00(男女各10名)※アート展は18:30以降に鑑賞可能。・10月1日(木)〜11月8日(日)1部 15:00~17:30(男女各10名) 2部 17:30~20:00(男女各10名)※アート展は17:30以降に鑑賞可能。
2020年07月02日渋谷の現代アートギャラリー・NANZUKAがキュレーションしたグループ展「GLOBAL POP UNDERGROUND」が、渋谷パルコ4Fのパルコミュージアムトーキョー(PARCO MUSEUM TOKYO)にて、2020年7月4日(土)から7月26日(日)まで開催される。国内外総勢21名のアーティストが集結「GLOBAL POP UNDERGROUND」は、2019年にニューヨークとロサンゼルスの「Jeffery Deitch ギャラリー」を巡回した展覧会「Tokyo Pop Underground」のコンセプトを踏襲し、空山基やハビア・カジェハなど総勢21名のグローバルなアーティストセレクションを、“アンダーグラウンド”を切り口に再構成した展示が行われる。“アンダーグラウンド”を切り口にキュレーション場内には、世界で同時多発的に起こっている異端=アウトサイダーの様々な文脈を表現した作品が混在。例えば、田名網敬一が自身の戦争体験をソースに描き上げた曼荼羅的絵画作品、山口はるみが70年代に女性の性革命運動と共に描き起こしたセクシャルで攻撃的な女性の肖像画、佐伯俊男が70年代に性的タブーを描いたドローイング作品、人間の生存本能的欲望をロボットをフィルターに創作を続ける空山基など、反権威や反画一的正義といったステートメントを暗に秘めた作品が集結する。また、日本の漫画の影響を受けながらシュールレアリズム的な手法で表現するハビア・カジェハやユーズドのスケートボードを素材に作品作りを行うハロシ(Haroshi)、90年代のNYグラフィティーシーンを代表するアーティストのトッド・ジェームスなど、イラストレーション、デザイン、漫画、ストリートアート、アンダーグラウンドカルチャーと様々なバックグラウンドを持つアーティストの作品を揃え、多様なアートを紹介する。展覧会限定Tシャツも会場では展示に加え、各アーティストの書籍や作品集、展覧会記念アイテムを販売。NANZUKAとパルコミュージアムトーキョー(PARCO MUSEUM TOKYO)がコラボレーションし、空山基や佃弘樹などによるグラフィックを落とし込んだ限定プリントTシャツも展開される。空山基による全長7mの巨大「セクシーロボット」展覧会と連動して、渋谷パルコ1Fのスペイン坂広場では、空山基による全長7mの巨大な「セクシーロボット(Sexy Robot)」のパブリックアートを展示。ディオール(DIOR)の2019年プレフォールコレクションでもフィーチャーされた「セクシーロボット」が、新たなポージングで世界初披露される。さらに、展覧会「GLOBAL POP UNDERGROUND」に来場した人を対象に、4分の1サイズに再現したフィギュア「Sexy Robot floating _1/4 scale」を限定100体で抽選販売する。【詳細】GLOBAL POP UNDERGROUND〈時間指定入場制〉開催期間:2020年7月4日(土)~7月26日(日) 10:00~21:00会場:パルコミュージアムトーキョー(PARCO MUSEUM TOKYO)住所:東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ 4FTEL:03-6455-2697※入場は閉場の30分前まで※最終日18:00閉場※状況により、営業時間の変更や、入場できる人数を制限する場合あり。入場料:一般 500円学生 400円※一般または学生1名につき、小学生以下2名まで入場無料※時間指定入場制。前売券は電子チケット販売サイト「LivePocket」にて6月25日(木) 11:00より販売開始。チケット販売サイトURL:■空山基 「Sexy Robot」特別展示開催期間:7月4日(土)~7月26日(日)場所:渋谷PARCO 1F スペイン坂広場※天候等の状況により展示期間が変更になる場合あり。※写真はイメージ。■「Sexy Robot floating _1/4 scale」抽選販売価格:165,000円(税込)素材:PVC, silver platen, resin + LED lightサイズ:35x35x56cm※写真はイメージ。抽選対象者:「GLOBAL POP UNDERGROUND」来場者※1入場につき1人1回、パルコミュージアムトーキョー(PARCO MUSEUM TOKYO)会場内にて抽選に参加可能。※当選発表は本展覧会終了後、当選者のみに案内。※展示内容・商品は変更になる場合あり。※自己都合による商品の返品・交換は不可。
2020年06月28日株式会社パルコは、2020年7月4日から2020年7月26日までの期間、渋谷の現代アートギャラリーNANZUKAのキュレーションによるグループ展、『GLOBAL POP UNDERGROUND』を渋谷PARCO 4F「PARCO MUSEUM TOKYO(パルコミュージアムトーキョー)」にて開催いたします。 本展は、昨年NYとLAにあるJeffery Deitch ギャラリーを巡回したTokyo Pop Underground のコンセプトを踏襲し、空山基、Javier Callejといった同ギャラリーのグローバルなアーティストセレクション総勢21名を、Undergroundを切り口に再構成したグループ展となります。 また、本展は会場の様子を3Ⅾビューで鑑賞できるオンライン展示を併催いたします。会場内を移動、また360度見渡す等、自宅にいながらあたかも実際に展示会場に居るような鑑賞体験も併せてお楽しみいただけます。展覧会開催概要タイトル:GLOBAL POP UNDERGROUND会場:PARCO MUSEUM TOKYO(渋谷PARCO 4F)東京都渋谷区宇田川町15-1 tel:03-6455-2697期間:2020年7月4日(土)~7月26日(日) 10:00-21:00※入場は閉場の30分前まで ※最終日18時閉場※新型コロナウイルスをはじめとした感染症拡散予防の観点から、営業時間を変更したり会場にご入場いただける人数を制限させていただく場合がございます。入場料:一般 500円 学生 400円※一般または学生1名につき、小学生以下2名まで入場無料※時間指定入場制になります。前売券は電子チケット販売サイト「LivePocket」にて6月25日(木)11:00より販売開始。展覧会公式サイト:art.parco.jp主催: PARCOキュレーション:NANZUKAグラフィックデザイン:YARごあいさつTokyo Pop Undergroundにおいて、Nanzukaは日本固有の歴史的な背景を引用しながら、「芸術のための芸術」という枠の外にいる日本人アーティストの文脈を紐解きました。元来、明治時代までの日本では、およそ芸術の類と人々に考えられていたものは、そのほとんどは実用品であり、それが故に大衆文化と融合しながら共に発展しました。書や屏風、襖絵、茶道具やネゴロなどの工芸品、キーホルダーとしての根付け、ポスターやブロマイドとしての浮世絵、そして見世物=興行のために作られた生人形(いきにんぎょう)と呼ばれるリアルな細工物まで枚挙に暇がありません。そして、これらの“創作物”は、大衆的であるが故に元来“ポップ”であり、アカデミックなアートから見て、“アンダーグラウンド”なものと呼ばれるものです。本展、Global Pop Underground は、上記の文脈を踏襲し、アートのアカデミズムにおける上位と下位という固定観念へのアンチテーゼとして、グローバル規模で同時多発的に起こっている異端(アウトサイダー)の文脈の爆発を、相互作用的に混在させたに企画展です。本展には、性や暴力を纏った表現も多数含まれます。これは、反権威、脱単一的管理、反画一的正義といったステートメントを暗に秘めるために、アーティストたちが意図的に込めたものです。例えば、田名網敬一が自身の戦争体験をソースに描き上げている曼荼羅的絵画作品、山口はるみが 70 年代に女性の性革命運動と共に描き起こしたセクシャルで攻撃的な女性の肖像画、佐伯俊男が 70 年代に性的タブーを描いたドローイング作品、人間の生存本能的欲望をロボットをフィルターに描き続けている空山基など、日本の前衛芸術の黎明期に創作され、その激しさが故に“ ファインアート的” に脚光を浴びてこなかったアーティストたちです。こうした経歴を持つアーティストの存在は、日本人だけに留まりません。今年 86 歳を迎えるアメリカ人アーティスト、Peter Saul( ピーター・ソール ) は、1950 年後半には誰よりも先駆けて漫画のキャラクターを引用した POP ART 的手法の作品を制作していたにも関わらず、その強烈な風刺的スタイルが故に、長らくアートにおける権威から遠ざけられ、正当な評価を受けてきませんでした。あるいは、アメリカ生まれのキャラクターをドリップを滴ためた独特の画風で描き続け、惜しくも昨年他界したアメリカ人女性アーティスト、Joyce Pensato(ジョイス・ペンサート)も、主流な主義や潮流といったアート界における成功の波に乗らなかったため、その晩年まで脚光を浴びることはありませんでした。本展は、道を切り開いてきた伝説的アーティストに加えて、より若い世代のアーティストも含みます。日本の漫画の影響を受けながらシュールレアリズム的方法論で巨大な目のポートレートを描くスペイン人アーティストJavier Calleja、独学で習得した技巧を武器にUSEDのスケートボードを素材に木工作品を作るHaroshi、グラフィックデザイン出身の佃弘樹、グラフィティ出身の日本人アーティスト森雅人、現代社会を管理する既得権益への仮想敵としてのPUNKsをテーマにコンセプチュルな作品を数多く生み出しているイギリス人アーティストOliver Payne、90年代のNYグラフィティーシーンを代表するアーティストTodd James (Reas)など、イラストレーション、デザイン、漫画、ストリートアート、アンダーグラウンドカルチャーと様々なバックグラウンドを持つアーティストたちの作品を平行して展示する事で、現在進行形のアートの多様性を体系的に説明するものです。現代における文化言語としてのUndergroundは、もはやSex、Punk、Cyber、Science Fiction、Psychedelic、Street、Manga / Otakuといった、High(高尚)に対するLow(低俗)と看做されるあらゆるカウンター領域を巻き込んで、グローバルな規模で見直されつつあるという予兆があります。そして、このムーブメントは、排他主義的な傾向を強める現在の先進国の社会状況へのカウンターとして現れた現象とも受け止めることができるのです。NANZUKA南塚 真史NANZUKAについて2005年、ポップカルチャーと現代美術の接続を目指し、実験的な企画ギャラリーとして NANZUKA UNDERGROUND の名で東京渋谷に設立。以後、デザイン、イラスト、ストリート、漫画、ファッション、ミュージックなど、周辺分野における創造性をアカデミックに扱うギャラリーとして活動。これまで、田名網敬一、空山基、山口はるみ、佐伯俊男といった、長年日本のアートシーンの外で評価されてきた才能を再評価し、国際的な現代アートの舞台での紹介に努めている。2019年に、アメリカの著名ギャラリスト、Jeffery Deitchと組んで行った「Tokyo Pop Underground」展は、新たな枠組みで日本のアートの深淵を紐解いた展覧会として、国際的に大きな話題となった。同時に国内外の若手、中堅アーティストの育成、サポート にも力を注ぎ、海外の有力アーティストの展覧会を日本で開催するなど、グローバルなアートシーンの現在を体現している。参加アーティストChristian Rex van Minnen|クリスチャン・レックス・ヴァン・ミネン1980年アメリカ、プロビデンス生まれ。現在、サンタクルーズを拠点に活動。ニューエイジ的神秘主義、インターネット・ミーム、SNSといった要素を取り込み、古典的技法を駆使した深淵な世界を絵画に表現している。Erik Parker | エリック・パーカー1968年ドイツ、シュトゥットガルト生まれ。現在、ニューヨークを拠点に活動。政治、社会、経済を、メディアやポップ・カルチャー、音楽、歴史などに満ち溢れた独特の構図で図式化し、“MAPS”、“HEADS”、“Hieroglyphics”、“STILL LIFES”と名付けられたスタイルの絵画シリーズを発表している。上:Christian Rex van Minnen/下:Erik ParkerHajime Sorayama | 空山基1947年愛媛県生まれ。1970年代初め頃より、驚異的な写実力を武器に、ピンナップのイラストレーターとしてキャリアを築く。その名を世に知らしめた作品「セクシーロボット」シリーズ(1978年-)は、女性の人体美をロボットに取り込んだ表現で、その後のロボットのイメージ形成に大きな影響を与えた。Haroshi | ハロシ1978 東京都生まれ。東京在住。2003年よりスケートボードデッキの廃材を使った彫刻作品、インスタレーションを制作。一般的なリサイクルと一線を画す、救済とも呼べるその作品は、現代のストリートカルチャーの深層を体現するものとして、絶大な支持を集めている。上:Hajime Sorayama/下:HaroshiHarumi Yamaguchi | 山口はるみ島根県生まれ。東京芸術大学油画科卒業。フリーランスのイラストレーターとしてPARCOの広告制作に参加。1972 年よりエアブラシを用いて、新しい時代を生きる瑞々しく堂々とした女性像を描き、日本社会における女性の在り方について、視覚言語を通して大きな影響を与えた。Hiroki Tsukuda | 佃弘樹1978 年香川県生まれ。現在、東京を拠点に活動。自ら「もうひとつの世界」と呼ぶ世界の存在を信じることから、イメージを再構築する手法をとる。近年、その作品がニューヨーク近代美術館に収蔵されるなど、その国際的な評価を急速に高めている。上:Harumi Yamaguchi/下:Hiroki TsukudaJames Jarvis | ジェームス・ジャービス1970年イギリス、ロンドン生まれ。2000年にParco Museumで個展を行うなど、その作風は日本国内でも広く知られている。ミニマルなキャラクターを主人公とした漫画的イラストレーションは、コミカルに、そしてアイロニカルに、わたしたちの姿を映し出す。Javier Calleja | ハビア・カジェハ1971年スペイン、マラガ生まれ。日本の漫画的な表現の影響を受けながら欧州のシュールレアリズム的方法論で巨大な目のポートレートを描く。その作品が持つ視覚的な情報と作品中のキャラクターが持つ文脈との間には、常に隠れた罠が仕掛けられている。上:James Jarvis/下:Javier CallejaJonathan Chapline | ジョナサン・チャプリン1987年アメリカ、サバンナ生まれ。絵画制作に必要なあらゆる物理的な要素を、予め3Dプログラムを駆使したコンピューターの画面上でシミュレートし、古典的な表現を再解釈した作品を多数描く。デジタル世代を自負するアーティスト。Joyce Pensato | ジョイス・ペンサート1941 年アメリカ、ニューヨーク生まれ。2019年6月13日没。アメリカのアニメーションに登場する様々なキャラクターを大スケールで描くことで知られる。大胆な筆さばきによって変身を遂げたキャラクター達は、大衆文化に対する認識について議論を投げかけている。上:Jonathan Chapline/下:Joyce PensatoKatherine Bernhardt|キャサリン・バーンハート1975 年アメリカ、セントルイス生まれ。大きなキャンバスに鮮やかな色彩を用いて、日常生活の中で頻繁に目にするモチーフを大胆に描く。溢れかえる様々なイメージとのパーソナルな関係性、親和性を示唆している。Kazuki Umezawa | 梅沢和木1985 年埼玉県生まれ。現在、東京を拠点に活動。2008 年頃から、インターネット上で収集したアノニマスな画像などを大量に用いた巨大なデジタルコラージュの作品を制作。「インターネットの風景」を描き出す作風で注目を集めている。上:Katherine Bernhardt/下:Kazuki UmezawaKeiichi Tanaami | 田名網敬一1936年東京都生まれ。1960年代より、メディアやジャンルの境界を積極的に横断して創作活動を続けている。近年、記憶や夢を原風景に、自身の80年以上の歴史を記した“曼荼羅図”の制作に取り組む。NY近代美術館やベルリン国立美術館など世界中の名だたる美術館が作品を収蔵している。Koichi Sato | 佐藤貢一1974年東京生まれ。現在、ニューヨークを拠点に活動。テレビやスポーツ誌に溢れる膨大なイメージの影響下に育つ傍、独学で絵画の技法を習得。有名無名を問わず様々な人物を独特なパターンと色使いでユーモラスに再形成した絵画を制作している。上:Keiichi Tanaami/下:Koichi SatoMakoto Taniguchi |谷口真人1982年東京都生まれ。類似したイメージを繰り返し描き続け、描かれたキャラクターに特定の感読を持たせないことで、インターネットや人工知能などの新たなテクノロジーの普及と発展を前に、私たち人間の在り方を探し続けている。Masato Mori|森雅人1976年徳島県生まれ。アウトサイダーアートを想起させる奇妙に現代的でコミカルな作品を制作。漫画やTV ゲーム、アニメーションなどを自身の美学的観点のルーツとする。近年は芸術における純真性、無心性といったテーマに関心を寄せている。上:Makoto Taniguchi/下:Masato MoriOliver Payne | オリバー・ペイン1977年イギリス、ロンドン生まれ。現在、ロサンゼルスを拠点に活動。1990年代からアーティストデュオとして作品を発表、ヴェネチア・ビエンナーレにて金獅子賞を受賞するなど輝かしい経歴を持つ。2009 年からソロアーティストとして活動、 サブカルチャーを土台にした作品を制作している。Peter Saul | ピーター・ソール1934年アメリカ、サンフランシスコ生まれ。半世紀以上に渡り、歴史的な名画のサンプリングや政治家の肖像、美術史にまつわる逸話などを題材とした作品を制作。美術業界の権威からは距離を取り続けてきたが、近年、その重要性が再認識されるに至り、2010年にはアメリカ芸術アカデミーに選出された。上:Oliver Payne/下:Peter SaulTodd James | トッド・ジェームス1969年アメリカ、ニューヨーク生まれ。リアス(REAS)のタグネームで知られるNYのストリートアートを代表する1人。子供の絵を思わせるイノセントな線と形態、キャラクター化されカラフルに色塗りされた様々な登場人物たちが特徴。Toshio Saeki | 佐伯俊男1945 年宮崎県生まれ。2019年11月21日没。エロス、ユーモア、ホラーを織り交ぜた独特の作品で国際的に知られる。その世界観は、あらゆる性的タブーを露にすることで、私たちの内面をえぐる刺激的な仕掛けに満ちあふれている。上:Todd James/下:Toshio SaekiYOSHIROTTEN | ヨシロットン1983 年鹿児島県生まれ。現在、東京を拠点に活動。グラフィック、映像、立体、インスタレーション、音楽など、ジャンルを超えた様々な表現方法で作品を制作。またアートディレクター、デザイナーとしても国際的に活動している。YOSHIROTTEN商品販売情報会場では各アーティストの書籍や作品集などに加え、本展覧会の開催を記念した商品を販売いたします。NANZUKA×PARCO MUSEUM TOKYOがコラボレーションし、参加アーティストの作品がバックプリントされた展覧会限定Tシャツを発売いたします。『Hajime Sorayama BACK PRINTED T-SHIRT』5,500円(税込) カラー:全2色(White/Black) サイズ:S M L XLHajime Sorayama BACK PRINTED T-SHIRT『Harumi Yamaguchi BACK PRINTED T-SHIRT』5,500円(税込)カラー:全2色(White/Black) サイズ:S M L XLHarumi Yamaguchi BACK PRINTED T-SHIRT『Hiroki Tsukuda BACK PRINTED T-SHIRT』5,500円(税込)カラー:全2色(White/Black) サイズ:S M L XLHiroki Tsukuda BACK PRINTED T-SHIRT『Javier Calleja BACK PRINTED T-SHIRT』5,500円(税込)カラー:全2色(White/Black) サイズ:S M L XLJavier Calleja BACK PRINTED T-SHIRT『Joyce Pensato BACK PRINTED T-SHIRT』5,500円(税込)カラー:全2色(White/Black) サイズ:S M L XLJoyce Pensato BACK PRINTED T-SHIRT『Oliver Payne BACK PRINTED T-SHRT』5,500円(税込)カラー:全2色(White/Black) サイズ:S M L XLOliver Payne BACK PRINTED T-SHRT※本商品以外にも関連商品を販売する予定です。本商品は後日パルコオンラインストアでも販売予定です。パルコオンラインストアURL:自宅で楽しめる3Dビューのオンライン展示を併催!自宅で楽しめる3Dビューのオンライン展示を併催!本展示は、リアルの会場「PARCO MUSEUM TOKYO」での展示開催に並行して、会場の様子を3ⅮビューでPARCO ARTのWEB SITEから無料鑑賞できるオンライン展示を併催します。会場内を移動、また360度見渡す等、自宅にいながらあたかも実際に展示会場に居るような鑑賞体験を楽しむことができます。公開日:7月11日を予定しております。※画像はイメージです。※展示内容は変更になる場合がございます。※お客様のご都合による商品の返品・交換はお受けできません。企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年06月22日「東京都現代美術館」では、アート・ディレクター、デザイナーとして多岐に渡る分野で新しい時代を切り開きつつ、世界を舞台に活躍した石岡瑛子の回顧展「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」を開催する。石岡さんは、パルコ、角川書店などの数々の歴史的な広告を手掛け、ニューヨークに拠点を移した後、映画、オペラ、MVなど多岐にわたる分野で活躍。映画『ドラキュラ』の衣装でアカデミー賞衣装デザイン賞受賞、2008年の北京オリンピック開会式では衣装デザインを担当したことでも知られる。今回の回顧展では、時代を画した初期の広告キャンペーンから、映画、オペラ、演劇、オリンピックのプロジェクトなど、その唯一無比の個性と情熱が刻印された仕事を総覧する。本展示は、「Timeless:時代をデザインする」「Fearless:出会いをデザインする」「Borderless:未知をデザインする」という3つのカテゴリーで構成。マイルス・デイヴィス、レニ・リーフェンシュタールら名だたる表現者たちとのコラボレーションの連続で生み出されてきた石岡さんの仕事。展示では、集団制作の中で個のクリエイティビティをいかに発揮するかに賭けた「石岡瑛子の方法」を、デザインのプロセスを示す膨大な資料とともに紹介し、その秘密に迫る。さらに、『ドラキュラ』、『落下の王国』、『白雪姫と鏡の女王』など、ハリウッド・アカデミーをはじめ世界各国のアーカイブから集められた映画・舞台衣装の展示も必見だ。「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」は11月14日(土)~2021年2月14日(日)東京都現代美術館にて開催(休館日あり)。(cinemacafe.net)
2020年06月14日国立新美術館にて開催予定の『古典×現代2020—時空を超える日本のアート』展。新型コロナウイルスの影響により、現在は休館中だが、先日行われた内覧会から展示の様子をレポートする。江戸時代以前の絵画や仏像、陶芸や刀剣の名品が、現代を生きる8人のアーティストの作品と組み合わせて紹介される同展。展示室は8つの部屋にしきられ、それぞれの部屋でペアとなった新旧アーティストの作品が展示される。その興味深い組み合わせは、「仙厓×菅木志雄」「花鳥画×川内倫子」「円空×棚田康司」「刀剣×鴻池朋子」「仏像×田根剛」「北斎×しりあがり寿」「乾山×皆川明」「蕭白×横尾忠則」の8組。現代アーティスト側には、美術家、写真家、彫刻家、建築家、漫画家、デザイナーと錚々たる顔ぶれが並ぶ。最初の部屋に登場するのは、「仙厓×菅木志雄」だ。仙厓義梵(1750〜1837)は、「円」で悟りの境地を示す禅画で知られる江戸時代の禅僧。菅は仙厓の《円相図》に呼応するように、亜鉛板で示した円形に木や石などを配置した過去作を再制作。「人とものの在り方」についての新旧の思想が、最もシンプルな形で立ち現れる。古典×現代2020時空を超える日本のアート( )
2020年04月13日小動物の写真展&物販展「まるっと小動物展 2020」が、2020年6月5日(金)から6月21日(日)まで東京のトゥデイズ ギャラリー スタジオで、2020年8月22日(土)から9月13日(日)まで名古屋のトゥデイズ ギャラリー スタジオ ナゴヤで、開催される。「まるっと小動物展」は、うさぎや小鳥、ハリネズミ、ハムスター、リス、ペンギンといった小動物の魅力を幅広くまるごと楽しめる展覧会。東京ギャラリーでは1年半ぶりの開催となる。今回の展示作品は、新作をベースに一新。過去最大規模で展示を行う。SNSで人気のハリネズミ「うに&とろ」やリスの「ビッケ&トッド」が登場する他、“ハムソン動画”の火付け役・Erikoの未公開作品も展示。また、可愛い兄弟フェレットの姿を撮影するh.n.b2809による作品や、チンチラで人気のぽこじろうによる、デグーの作品も新たに展示される。物販では、愛らしいハリネズミのイラストグッズを手がけるにしかわなみや、ハンドメイドの繊細な動物刺繍作品を制作するmoha._.moha、ガラス作品が人気のRINVERREが初出展。ヤムや灯さかすなど人気クリエイターも集結する。刺繍アクセサリーや羊毛フェルト作品、キーホルダー、雑貨など、手の込んだハンドメイドグッズを多数取り揃える。また、「まるっと小動物展」公認の、作品を収録した新作書籍『「まるっと小動物展」公認!まるっと小動物写真集』も販売。会場限定特典として、購入者にはオリジナルステッカーを数量限定でプレゼントする。【詳細】■東京「まるっと小動物展 2020」開催日時:2020年6月5日(金)~6月21日(日) 11:00~19:00休館日:毎週月曜日会場:トゥデイズ ギャラリー スタジオ(TODAYS GALLERY STUDIO.)住所:東京都台東区浅草橋5-27-6 5F入場料:600円/3歳以下は入場無料出展者:36組■名古屋「まるっと小動物展 2020 in 名古屋」開催日時:2020年8月22日(土)~9月13日(日)※2020年4月18日(土)~5月10日(日)で開催予定だったが延期となった。休館日:毎週月曜・火曜日(但し5月4日、5日の祝日は開館 ※振替なし)会場:トゥデイズ ギャラリー スタジオ ナゴヤ(TODAYS GALLERY STUDIO.NAGOYA)住所:愛知県名古屋市中区新栄1-17-12入場料:600円/3歳以下は入場無料出展者:36組 ※上記は予定のため、内容は変更になる可能性あり。■グッズ例・<moha._.moha> 刺繍ポーチ 3,800〜7,500円+税・<RINVERRE> アクセサリー各種 1,500円〜7,500円+税・<にしかわなみ> ミラー 1,500円+税
2020年03月21日「六本木アートナイト2020」が、六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウンなど東京・六本木エリアにて開催される。“一夜限り”のアートの祭典「六本木アートナイト」2009年3月にスタートした「六本木アートナイト」は、生活の中でアートを楽しむという新しいライフスタイルの提案などを行う、東京を代表する“一夜限り”のアートの祭典。様々な商業施設や文化施設が集積する六本木を舞台に、現代アート、デザイン、音楽、映像、パフォーマンス等の多様な作品を街中に点在させ、非日常的な体験を作り出す。メインアーティストは村上隆2020年のメインプログラムアーティストは、世界を舞台に活躍する現代アーティストの村上隆。村上はルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)やユニクロ(UNIQLO)などともコラボレーションしており、ファッションとのつながりも強い。「ドラえもん」モチーフの新作アートを制作今回村上が「六本木アートナイト2020」のために選んだモチーフは、誕生から50周年というメモリアルイヤーを迎える「ドラえもん」。村上は「ドラえもん」を「20世紀、日本が生んだ最大のポップアイコン」とリスペクトしており、これまでにも「ドラえもん」の生みの親であるアーティスト藤子・F・不二雄と、アーティスト村上隆のコラボレーションとして数々の作品を生み出してきた。村上は「六本木アートナイト2020」に向けて、過去最大級のバルーン作品を制作予定。また公開されたメインビジュアルには、村上の代名詞ともいえるカラフルなフラワーと「ドラえもん」が描かれている。このフラワーは「六本木アートナイト」にも参加するアーティストMADSAKIとコラボレーションしたもの。ビジュアルの制作はデザインスタジオのグルーヴィジョンズが担当した。村上主宰「カイカイキキ」所属アーティストによる作品も村上が主宰するアーティスト集団「カイカイキキ」所属のアーティストも、「ドラえもん」をモチーフにした新作アートを制作予定。それらを村上プロデュースのもと、六本木ヒルズアリーナ、東京ミッドタウン、国立新美術館の3か所に展示する予定となっている。世界中から現代アートが集結「マジカル大冒険 この街で、アートの不思議を探せ!」をテーマにした「六本木アートナイト2020」では、「ドラえもん」をモチーフにした現代美術作品のほかにも、光のインスタレーション、映像、音楽や演劇など、世界中から集結した多くの作品を目にすることができる。展示作品の詳細は順次発表される予定だ。【詳細】「六本木アートナイト2020」日時:メインイベント 2020年5月30日(土)10:00〜5月31日(日)18:00当初、2020年5月30日(土)・31日(日)の開催を予定していたが、5月の開催は取止め決定。今後のスケジュールは、公式ウェブサイトなどで今後公開予定。※六本木アートナイト2020開催に先駆けて展示・設置する「プレプログラム」も実施予定開催場所:六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、サントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHT、国立新美術館、六本木商店街、その他六本木地区の協力施設や公共スペース入場料:無料(但し、一部のプログラム及び美術館企画は有料)【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル) ※年中無休 8:00~20:00
2020年03月20日現代アートにおける“若手の登竜門”と言われる美術展『VOCA展2020 現代美術の展望-新しい平面の作家たち-』(The Vision of Contemporary Art)が、東京・上野の森美術館にて3月30日(月)まで開催中だ。【チケット情報はこちら】『VOCA(ヴォーカ)展』は、現代アートにおける「平面」の領域で、国際的にも通用するような将来性のある若い作家の支援を目的に、1994年より毎年、開催されている美術展。全国の美術館学芸員、研究者、ジャーナリストなどから選出した推薦委員が、それぞれ40歳以下の作家1名(組)を推薦し、推薦された作家全員に出品を依頼している。過去には福田美蘭(1994年VOCA賞)、やなぎみわ(1999年VOCA賞)、蜷川実花(2006年大原美術館賞)、清川あさみ(2010年佳作賞)らも出品している。今年出品したのは、新進気鋭の作家33人(組)。その中から、グランプリとなるVOCA賞には「Nerhol(ネルホル/田中義久・飯田竜太)」の『Remove』、VOCA奨励賞には菅実花の『A Happy Birthday』『#selfiewithme』と李晶玉の『Olympia 2020』、VOCA佳作賞には黒宮菜菜の『Image - 終わりし道の標べに』と宮本華子の『白が消えていく。 - Mein Tagebuch -』、大原美術館賞には浅野友理子の『くちあけ』が選出されている。選出委員長の小勝禮子(美術史・美術批評)は「今回のVOCA 展は、手法は多様でありながら、それぞれ質の高い作品が揃った。その中で受賞作品には写真の技法を使ったものが多く入ったが、単に写真というだけではなく、それに手を加えて加工した、独自の技法を駆使したものであった。デジタルばかりでなく、アナログ的な手法も使い、いかに加工するか、そこに各作家のオリジナリティと創意が込められ、また作品の主張も凝縮されていた。VOCA 賞のNerhol《Remove》、奨励賞の菅実花《A Happy Birthday》《#selfiewithme》、李晶玉《Olympia2020》などである」とコメントを寄せた。展示されている作品は、「平面」と言えど絵画や写真、布や網戸を使ったものまで実に多種多様。作品サイズも巨大なものからiPadまで幅広い。若い世代による「今日の美術」を体験するということに加え、ひとつの展示でさまざまなジャンルの美術を一挙に堪能できる面白さもあるだろう。それぞれの作品には作家を選出した推薦委員が“鑑賞の手引き”を書いており、それらも一つひとつが興味深い。ぜひさまざまな衝撃を受けに、足を運んでほしい。「VOCA展2020」は3月30日(月)まで。入場料は一般600円、大学生500円、高校生以下無料。開館時間は10時から18時(※入場は閉館30分前まで)。取材・文:中川實穂
2020年03月17日東京国際フォーラムにて開催される予定だった「アートフェア東京2020」が、開催を中止。日本最大級の国際的なアートフェア日本最大級の国際的なアートフェアである「アートフェア東京」。15回目の開催を迎える2020年は、“with Art”をテーマに国内外から147軒のギャラリーが出展し、古美術から工芸、日本画、現代アートまで幅広い作品が集結。作品を見るのみならず、購入することもできる。会場は主に、古美術や近代美術、現代アートなど多彩なジャンルの作品が集まる「ギャラリーズ(Galleries)」に加え、ロビーギャラリーで開催される入場無料の「プロジェクツ(Projects)」「クロッシング(Crossing)」の3つのセクションから構成される。「ギャラリーズ」セクション「ギャラリーズ」セクションには、有名作家作品が多数登場。葛飾北斎の《昇龍富士波濤図》や印象派クロード・モネの《牧草地、曇り空》をはじめ、ピカソや藤田嗣治、日本のメディアアートを牽引するエキソニモ、そして2019年から2020年にかけて個展も開催されている塩田千春や白髪一雄、森村泰昌など、巨匠から現代アーティストまでの多彩な作品が集まる。「プロジェクツ」セクション入場無料エリアのロビーギャラリーで展開する「プロジェクツ」セクションでは、今注目すべき12人のアーティストを個展形式で紹介。鑑賞者と絵画の知覚の関係を探るアメリカの若手作家、エヴァン・ネスビットなど3人の海外作家のほか、アクロバティックな視点からさまざまな都市風景を描く田島大介らが参加する。「クロッシング」セクションAFT2020の玄関口である「クロッシング」セクションでは、日本各地の文化・伝統を今に伝える地方工芸団体や百貨店企画のギャラリーなど、11軒のギャラリーが参加する。詳細アートフェア東京2020〈開催中止〉※当初、2020年3月20日(金)~22日(日)、3月19日(木)は招待制にて開催を予定していたが、開催をすべて中止。※国際展「ワールド アート トーキョー 2020」も開催を中止。※前売券は販売中止。既に販売した分の払い戻し対応に関しては、公式ホームページにて告知。場所:東京国際フォーラム ホールE、ロビーギャラリー住所:東京都千代田区丸の内3-5-1【問い合わせ先】一般社団法人 アート東京TEL:050-3187-5050(自動音声案内)
2020年02月29日尾田栄一郎による漫画・アニメ作品『ワンピース(ONE PIECE)』を題材としたアートプロジェクト「BUSTERCALL」が日本上陸し、展覧会「BUSTERCALL=ONE PIECE展 ~ 受け継がれる意志 人の夢 時代のうねり 人が「自由」の答えを求める限りそれらは決して止まらない~」が横浜・アソビルにて開催される。期間は、2020年11月20日(金)から12月27日(日)まで。尾田栄一郎『ONE PIECE』のアートプロジェクトが日本上陸「BUSTERCALL」は、尾田栄一郎の描く『ONE PIECE』が漫画&アニメという表現をベースに20年以上をかけて発信してきた圧倒的な熱量のストーリー、メッセージ、コンテンツを、日本・世界中のアーティストと共に全く新しい形で表現・発信していくことを目的としたアートプロジェクトだ。本プロジェクトは、日本に先行して、2019年11月にロサンゼルスで開催された「ComplexCon Long Beach」、12月に上海で開催された「innersect Shanghai」2都市のイベントでブースを出展している。この「BUSTERCALL」が日本初上陸し、開催される「BUSTERCALL=ONE PIECE展 」では、世界中のアーティストたちが様々な手法で『ONE PIECE』の世界観を表現した作品を展示する。イベントには、Kosuke Kawamuraや、COOKIE、PERIMETRON、蒼井ブルー、朝倉未来などの豪華アーティストを含む総勢200名が参加する。平面作品と立体作品、映像を組み合わせたダイナミックな空間会場には、多くの色鮮やかな平面作品や、複数のモニターに表示される映像によって作られたダイナミックな空間が出現。モニターの中で移り変わる映像、多様なグラフィックやカラーで構成される作品が展示されている。フィギュアや立体作品が展示空間中央に展示空間の中央に配置された複数のビッグテーブルには、アーティストのフィギュアや立体作品がずらりと並ぶ。その立体作品の周りを囲むように、壁には大迫力の原画作品が飾られているため、会場のどこを見ても作品を楽しむことができる。シアタールームで映像作品を上映会場内に設置されたシアタールームでは、有名クリエイティブチームや、クリエイターが創り出した映像作品が上映される。クリエイターたちによって自由に表現された『ONE PIECE』の世界に没頭することができる。本展限定のオリジナルグッズ会期中には、Tシャツやフーディやソックスなど、全12種類のオリジナルグッズが販売される。本展でしか手に入らないレアグッズは要チェックだ。アーティストと手掛けたアパレルアイテムオリジナルグッズの他にも、YouthQuakeやYARなどの有名アーティストとコラボレーションした限定のアパレルグッズも多数ラインナップする。Tシャツやパーカー、MA-1といったアイテムを各アーティストたちの個性あふれるデザインで展開。さらにカラフルなスカーフやネックレスなど小物類も充実している。開催概要BUSTERCALL=ONE PIECE展 〜受け継がれる意志 人の夢 時代のうねり 人が「自由」の答えを求める限りそれらは決して止まらない〜開催時期:2020年11月20日(金)~12月27日(日)開催時間:10:00〜20:00(最終入場19:00)定休日:不定休 ※施設に準ずる会場:アソビル2F「ALE-BOX」(神奈川県横浜市西区高島2‐14‐9)入場料:無料※入場には入場予約が必要。※入場予約は各時間帯先着順、予定枚数に達し次第受付終了。※1回の申し込みにつき、1人各日5枚まで。※全日QRコードチケットでの用意。※会場でのチケット販売は無いため、事前にWEBからの申し込みが必須。限定アイテム例:・T shirt GD 7,150円(税込)・MA-1 83,600円(税込)・Socks GD 2,970円(税込)抽選販売作品例:・ONE PIECE BUSTERCALL Enel (ZEROSTUDIO×山岸鋳金工房×高木謙造) 2,200,000円(税込)・ONEPIECE BUSTERCALL Devilish NAMI(石崎紗央里) 550,000円(税込)※アパレルアイテムの一部は受注販売を行う。※当初抽選販売としていたアイテムは、受注販売に変更。※発注された商品は、会期終了後に届く。※一部商品は、会場販売のものと仕様が変更される場合あり。※会場で展示されるアート作品の複製は数量限定で抽選販売される。※会場内でのグッズ購入には、本イベントの入場券が必要。※来場者は、抽選販売商品の抽選には参加不可。ⓒ尾田栄一郎/集英社ⓒ尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション
2020年02月08日ブリヂストン美術館を前身とする新美術館「アーティゾン美術館」が1月18日に開館。開館記念展として「見えてくる光景コレクションの現在地」が3月31日(火)まで開催されている。株式会社ブリヂストンの創業者、石橋正二郎が収集した美術品を展示するため、1952年に開館したブリヂストン美術館。2015年から建て替えのため約5年間の休館を経て、この度「アーティゾン美術館」という新たな館名でリニューアルオープンした。新美術館は、23階建ての高層ビル「ミュージアムタワー京橋」の低層階3フロアを展示室とし、その展示面積は旧ブリヂストン美術館の約2倍に。最新の照明や空調設備を備え、快適で明るく開放的な空間が広がる。アーティゾン美術館1階部分の吹き抜け開館に先駆けて行われたプレス内覧会では、館長の石橋寛氏が登壇。新美術館では「創造の体感」をコンセプトに、単に観賞の場を提供するだけでなく、見る、感じる、知ることにより作品の創造性を体感し、そのインスピレーションが新たな時代を切り拓くきっかけとなることを目指すという。アーティゾン美術館石橋寛館長同館では、利用者がより快適に「創造の体感」を味わえるような工夫が随所に施されている。例えば、チケットは日時指定予約制を導入。入館までの待ち時間の短縮や館内での混雑緩和が期待できるほか、一部の作品を除き作品の写真撮影もOK。美術館の情報を閲覧できるインフォルームやレクチャールームが併設され、鑑賞後に湧き出る探究心も満たしてくれる。そして今回、開館記念展として開催されているのが『見えてくる光景コレクションの現在地』だ。約2,800点の石橋財団コレクションの中から、選りすぐりの206点を紹介。第1部「アートをひろげる」で近現代美術を一望し、第2部「アートをさぐる」で古今東西の美術を7つのテーマで掘り下げていく。第1部「アートをひろげる」会場エドゥアール・マネ《自画像》1878〜79年ほか第1部「アートをひろげる」メアリー・カサット《日光浴(浴後)》1901年ほか第1部「アートをひろげる」ピエール=オーギュスト・ルノワール《すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢》1876年ほか第1部では、1870年代のマネの作品から2000年代のスーラージュまで、約140年間の東西の名品が並ぶ。印象派、ポスト印象派、象徴派、ナビ派、フォーヴィズム、キュビズム、抽象美術、ダダイズム、シュルレアリスム、抽象表現主義と、次々に展開したヨーロッパ美術の系譜を、ルノワール、セザンヌ、カサット、青木繁から、ピカソ、ブラック、カンディンスキー、マーク・ロスコ、猪熊弦一郎、草間彌生まで、石橋コレクションが誇る数々の名作で辿ることができる。第1部「アートをひろげる」左:青木繁《海の幸》1904年中央:ポール・セザンヌ《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》1904〜06年頃右:オーギュスト・ロダン《立てるフォーネス》1884年頃第1部「アートをひろげる」ヴァシリー・カンディンスキー《自らが輝く》1924年ほか展示がスタートする6階はフロア全体に柱がなく、それぞれの作品はゆるやかに空間を仕切る可動式の壁に展示されている。アーティゾン美術館の教育普及部長である貝塚健氏によると、その壁を利用することで、作品同士の響き合いを感じとってほしいと言う。「ある地点から見ると、セザンヌによる山の絵と、青木繁の《海の幸》を同時に眺めることができる。場所は違えど同時代に活躍したふたりの、異なる個性がぶつかり合う様を楽しんでほしいと思います」(教育普及部長貝塚健氏)また、注目したいのが休館中に新収蔵された作品。モリゾ、カサット、ボッチョーニ、カンディンスキー、ジャコメッティ、松本竣介など31点が今回初めてのお披露目となる。続く第2部「アートをさぐる」では、「装飾」「古典」「原始」「異界」「聖俗」「記録」「幸福」という7つの視点からアートを掘り下げていく。5階では、人が身の回りを飾りたいという欲望から生まれた「装飾」のアートに始まり、多様な造形を整理しスタンダードを確立した「古典」、人間の欲望や欲求の源となる「原始」、ふとした時に立ち現れる「異界」をテーマに持つ作品を紹介していく。第2部「アートをさぐる・装飾」イランテペ・シアルク《幾何文台付鉢》紀元前4千年紀ほか第2部「アートをさぐる・古典」小杉未醒(放庵、放菴)《山幸彦》1929年第2部「アートをさぐる・異界」古賀春江《素朴な月夜》1929年ほか続く4階フロアでは、聖なるものと俗なるものを併せ持つ「聖俗」、自画像や街の風景を描きとめた「記録」、そして、人と人との出会いによって生まれるアートの「幸福」をテーマに展示は締めくくられる。第2部「アートをさぐる・聖俗」《洛中洛外図屏風》江戸時代・17世紀第2部「アートをさぐる・記録」小出楢重《帽子をかぶった自画像》1924年ほか第2部「アートをさぐる・幸福」青木茂《わだつみのいろこの宮》1907年ほか今後のアーティゾン美術館では、鴻池朋子が石橋財団コレクションと“共演”するインスタレーションを発表するほか、ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館展示帰国展など、現代美術の紹介も積極的に行なっていく予定。この先どんな「創造の体感」をさせてくれるのか。新しいアートの発信拠点として、これからも目が離せない。【開催情報】『開館記念展「見えてくる光景コレクションの現在地」』
2020年01月23日新しい年を迎えた、白金のOUR FAVOURITE SHOPでは、キギ(KIGI)と酔独楽プロジェクトチームによる、体験型アートプロジェクト「スタンディング酒 BAR・酔独楽〈よいごま〉」第2回企画展が開催されている。期間は2月16日まで。みなさんは、お座敷遊びなどで古くから伝わる“可杯(べくはい)”をご存知だろうか? 普段、日本酒をいただく盃(さかずき)は、酒を注いだまま卓上に置けるのがもちろん当たり前なので、どんなに強い酒でもちびちび飲めばOK。しかし可杯の場合、盃が尖ったり個性的な形をしていたり穴が空いていたりしているため、すべてを飲み干すまでは台へ置くことができない。KIGIと酔独楽プロジェクトチームによる「盃・酔独楽」「ベロベロの神様の歌」といったお座敷唄にのせながら、大勢で輪になって独楽をかわるがわる回し、盃を決めながら飲む、というのが可杯の遊び方。KIGIの酔独楽は、そんな伝統的な酒席遊びから着想を得て生み出されたユニークな体験型アート作品である。このプロジェクトが最初に発表されたのは2018年7月、新潟の「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2018 / 方丈記私記」。KIGIの「盃・酔独楽」と、新潟の酒蔵とのコラボレーションによる「清酒・酔独楽」を提供する「スタンディング酒BAR・酔独楽」という四畳半のバーの設えで体験型のアート作品としてお披露目され、約50日間の芸術祭期間中、実際に毎日営業が行われ、多くの人が訪れてはさかずきを交わした。「スタンディング酒BAR・酔独楽」その進化版と言える今回の展示。訪れるのはぜひ、平日水・木・金の16時30分から19時まで、土・日・祝の12時30分から19時までの廻し人による「スタンディング酒BAR・酔独楽」が体験できる時間帯をおすすめしたい。ここからは、編集部員が会場で体験した酔独楽をほろ酔いでレポートしよう。参加費は500円。サイコロをふって出た目に今宵の運命を委ねる酔独楽体験。参加したのはオープニングの夜。“酒”と“盃”、二つの文字が記された升でサイコロを振るう。“酒”の出目で酒の等級、“盃”の出目で盃の大きさが決まる。盃は松・竹。ゾロ目が出ると一番大きな鶴亀。小さな梅の盃での無料体験もできる。続いて廻し人が盃を独楽のように廻す。初めは勢いよく廻る盃は、やがて酔っ払いの姿のようにゆらゆらとバランスを崩していく。その間、盃の廻る調子に合わせて廻し人は拍子木を叩く。廻る盃が止まるとそれを手に取る。日本酒に書かれた「酔いが回れば独楽も廻る」という一文。出目は2、お酒は「純米吟醸」。ぐいっといただく。「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」でのお披露目を経て、第2回となる本展。今回は、このお酒と独楽に加えて、KIGIによる造語で「酔書(よいしょ)」と名付けられた書き初めさながらに、しかし利き手とは反対の手で書をしたためる(酔っ払いの書とという意)娯遊も一緒に体験できる。書は、本展の会期終了後に、京都の武信稲荷神社に奉納していただけるそうだ。「酔書(よいしょ)」2月1日にはゲストに小説『オートリバース』(2019年刊)の著者、高崎卓馬さんを招いてのKIGIの植原亮輔さん、渡邉良重さんによるトークイベント「酔独楽とオートリバース」も開催される(参加無料)。イベントは予約優先。また、KIGIのお2人の在廊予定日も公開中。詳細はOFSのオフィシャルサイト()よりチェックを。元来からともにある祝いの文化と酒文化。2020年も良き一年でありますようにと願って、豪快で愉快であり美しく奥ゆかしくもある、日本特有の酒文化を本展で感じてください。【イベント情報】体験型アートプロジェクト「スタンディング酒 BAR・酔独楽〈よいごま〉」第2回企画展会期:1月11日〜2月16日会場:OFS gallery(OUR FAVOURITE SHOP内)住所:東京都港区白金5-12-21時間:12:00〜19:00(最終日は17:00まで)休館日:月・火(祝日を除く)■酔書の酔独楽体験(所要時間20分) 1,000円〜3,000円■サイコロの酔独楽体験(所要時間5分) 500円■KIGI(植原亮輔、渡邉良重)在廊予定2月1日14:00〜16:002月8日15:00〜18:002月15日15:00〜18:002月16日14:00〜17:00※念のためSNS等で要確認。
2020年01月20日清澄白河の東京都現代美術館では、世界各地で展覧会やアーティスト支援を行う団体、カディスト・アート・ファウンデーションとの共同企画展「もつれるものたち」を、2020年6月9日(火)から9月27日(日)まで開催する。なお、当初は2020年3月14日(土)から開催の予定だった。時代や場所と結びつく「もの」に着目木や種、化石、そして道具や本......。日常生活にはさまざまな「もの」が溢れていて、わたしたちは日々それらに何気なく触れていることだろう。しかしそうした「もの」は、ある場所や時代とは切り離せない。変化する時代や社会に合わせて、「もの」の持つ意味、あるいはお互いの関係性も刻々と変わってゆくのだ。「もつれるものたち」は、そのように時代や場所ともつれ合い、ともに変化する「もの」の側面に光を当てる、国内外12のアーティストを紹介する国際美術展だ。パフォーマンスや映像、インスタレーション、写真など多彩な表現媒体を用いた作品を通して、無数のコンテクストが複雑に交錯する現代への新しい視点を探求する。国内外から12のアーティストが参加本展には、自らの共同体で語られてこなかった歴史を考察するオーストラリア人アーティスト、デイル・ハーディングや、映像や彫刻を通して日常に潜む権力性を探るジュマナ・マナらが参加。世界的に注目される多数の若手アーティストを日本で初めて紹介する機会となる。また国内からは、自然の諸要素と身体の関係の変容に光を当てる岩間朝子や、芸術と社会構造の関係性をひもとく藤井光らを紹介。多彩な視点から、「もの」が意味や価値の運び手として紡いできた軌跡を描きだす展覧会となる。展覧会概要カディスト・アート・ファウンデーションとの共同企画展「もつれるものたち」会期:2020年6月9日(火)~9月27日(日)※当初は2020年3月14日(土)〜6月14日(日)の開催を予定していたが、延期しての開催会場:東京都現代美術館住所:東京都江東区三好4-1-1(木場公園内)休館日:月曜日(8月10日(月)、9月21日(月)は開館)、8月11日(火)、9月23日(水)開館時間:10:00〜18:00(展示室入場は閉館30分前まで)観覧料:一般 1,300円、大学生・専門学校生・65 歳以上 900円、中高生 500円、小学生以下 無料※各種プログラムは開催中止※来館に際しての注意事項は、公式サイトを参照のこと※予定は変更となる場合あり【問い合わせ先】ハローダイヤル:03-5777-8600 ※年中無休 8:00~22:00TEL:03-5245-4111(代表)※平日 9:30~18:00
2020年01月09日