キム・ミニとホン・サンス監督の7度目のタッグ作として話題の『逃げた女』。この度、監督の『自由が丘で』に主演し、いち早く本作を鑑賞した加瀬亮からコメントが到着。また、新たな場面写真も解禁となった。2012年に来日中のホン・サンス監督と対談をしたことをきっかけに、意気投合して誕生した奇跡のコラボレーション『自由が丘で』(2014)。ホン・サンス監督のファンを公言する加瀬さんからは、まるで詩のようなコメントが寄せられた。加瀬亮コメント遠い過去の出来事でも、それが強烈で純粋であったほど人はそれを忘れることなんて出来ない。今、髪をばっさり切った女性は、意を決したように閉ざした自身と向かい合っていく。小さな窓は開かれ、ゆっくりと風がそこに流れ込んでくる。揺れるキム・ミニの演技は、自然の中に生きる小さな動物のようで、近年稀にみる美しさだった。本作は、夫と5年間、1日たりとも離れたことのない、それは愛しているなら当然と思ってきた女性が主人公。ソウル郊外、3人の女友達と再会し、女たちの迷いと優しさ、隠された本心。「逃げた女」とは誰のことなのか、そして、彼女は一体何から逃げたのか。愛について、結婚について、これからについて、揺れ動く女性心理をスリリングにあぶり出す。『逃げた女』は6月11日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:逃げた女 2021年6月11日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国にて公開© 2019 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved
2021年04月10日世界的に注目を集める韓国映画界において、ひときわ特異な存在感を放ち続ける映画作家ホン・サンスが、公私にわたるパートナーであるキム・ミニとの7度目のタッグを組んだ『逃げた女』の公開が6月11日に決定。予告編とポスタービジュアルが解禁された。本作で、2020年・第70回ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)を受賞し、2021年の同映画祭では最新作『INTRODUCTION』(原題)が銀熊賞(脚本賞)に選ばれ、2年連続して銀熊賞受賞の快挙を果たしたホン・サンス。また、キム・ミニは2017年には『夜の浜辺でひとり』で同銀熊賞(主演女優賞)を受賞、『お嬢さん』で強烈な印象を残したことでも知られる。2020年、フランスを代表する映画雑誌「カイエ・デュ・シネマ」が選ぶベストテン2位にも選ばれた本作は、監督作品の常連俳優のソ・ヨンファやクォン・ヘヒョほか、コロナ禍の日本でスマッシュヒットを記録した『はちどり』のヨンジ先生を演じたキム・セビョク、「スタートアップ:夢の扉」「恋するアプリ Love Alarm」のソン・ソンミなど実力派が顔を揃えた注目作。5年間の結婚生活で一度も離れたことのなかった夫の出張中、初めてひとりになったキム・ミニ演じる主人公ガミ。ソウル郊外の3人の女友達を訪ね、再会する。バツイチで面倒見のいい先輩ヨンスン(ソ・ヨンファ)、気楽な独身生活を謳歌する先輩スヨン(ソン・ソンミ)、そして偶然再会した旧友ウジン(キム・セビョク)。行く先々で、「愛する人とは何があっても一緒にいるべき」という夫の言葉を執拗に繰り返すガミ。穏やかで親密な会話の中に隠された女たちの本心と、それをかき乱す男たちの出現を通して、ガミの中で少しずつ何かが変わり始めていく。果たして、「逃げた女」とは誰のことなのか、そして、彼女は一体何から逃げたのか――。愛について、結婚について、これからについて、揺れ動く女性心理をスリリングにあぶり出しながら、人間や人生の本質をユーモアと詩情豊かなホン・サンス独自のスタイルで描き出していく。ホン・サンスのキャストに加わった、猫の名演技も気になる予告編にも注目。『逃げた女』は6月11日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:逃げた女 2021年6月11日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国にて公開© 2019 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved
2021年03月22日ドラマ「ミセン-未生-」や映画『弁護人』で若手演技派の筆頭格となったイム・シワンの除隊後初主演作「他人は地獄だ」。本日9月2日よりDVD-BOXがリリースされることに合わせ、イム・シワンから日本のファンに向けたメッセージ映像が到着、さらにDVD特典映像として収録のインタビューが一部公開された。主人公のユン・ジョンウを演じるイム・シワンは、ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、チョン・ドヨン主演で贈る現在製作中の航空パニック超大作映画『非常宣言』(原題)にも出演し、その確かな演技力でドラマ・映画問わず、存在感を遺憾なく発揮する実力派。兵役を終えて初の復帰作となった本作では、地方から上京してきた純朴な青年が、古びた考試院(コシウォン:元々は受験生の勉強部屋として利用されていた簡易宿泊施設)で不安と緊張に追いつめられ、徐々に自分を見失っていくという難しい役どころを見事に演じきった。今回到着した、日本のファンに向けたコメント映像に続くインタビュー映像には、本作への出演を決めた理由についてふり返るイム・シワン。「出演を決めるにあたって特に悩むことはなかった」と語る彼は、兵役中に後輩から“ドラマ化されるなら主人公に適役だ”と勧められたそう。さらに除隊後、偶然にも彼にオファーがあったそうで、縁を感じた彼は迷わず出演を決めたという。原作は、韓国の電子漫画サイト「NAVER WEBTOON」にて連載初期から衝撃的なストーリー展開で話題を集め、連載終了時には累計8億PV、日曜ウェブ漫画ランキング(※)39週連続1位、そして平均評価点10点満点中9.8点という前代未聞の大記録を打ち立てた大ヒットウェブ漫画(※ NAVER WEBTOONにて毎週日曜日に更新される作品の人気ランキング)。DVDに収録されるインタビュー映像には、そのほか彼自身がかつて考試院に住んでいた際の経験や、本作の愛着があるシーンについて、演じたジョンウとの相似点についてや、イ・ドンウクと共演しての感想などをふり返っている。「他人は地獄だ」はDVD発売中およびレンタル中、デジタル配信中。(text:cinemacafe.net)
2020年09月02日「ミセン-未生-」「王は愛する」などの若き演技派イム・シワンの除隊後初主演作となったTVドラマ「他人は地獄だ」が、9月よりリリース、デジタル配信決定。併せて日本版アートワークと予告映像が解禁された。大学の先輩が起業した会社で働くため、地方から上京したジョンウは、町外れにある古びた考試院(コシウォン)に入居するが、住人たちは奇妙な人間ばかり。無遠慮な大家を筆頭に、奇妙な笑い方をする坊主頭の男や、独り言ばかりのタンクトップ姿の男など...その中で歯科医のムンジョだけが、ジョンウの気を許せる唯一の相手となる。しかし、職場でも上司との関係がうまくいかず、次第にストレスを溜め込んでいくジョンウ。やがて住人の失踪をきっかけに、ジョンウは考試院に潜む恐ろしい“悪”と対峙し、自らが“地獄”の真ん中にいることを悟る――。主人公のユン・ジョンウを演じるのは、「ミセン-未生-」の大ヒットで若手演技派の筆頭格となったイム・シワン。映画『弁護人』で共演したソン・ガンホをはじめ、イ・ビョンホン、チョン・ドヨン主演で贈る現在製作中の航空パニック超大作映画『非常宣言』(原題)にも出演しており、その確かな演技力で映画でもその存在感を遺憾なく発揮。そんな彼が兵役を終えて初の復帰作となった本作は、韓国のみならず日本からも大きな注目を集めた。地方から上京してきた純朴な青年が、古びた考試院(元々は受験生の勉強部屋として利用されていた簡易宿泊施設)で不安と緊張に追いつめられ、徐々に自分を見失っていく…という難役を見事に演じきった。また、「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」「真心が届く~僕とスターのオフィス・ラブ!?~」などの甘いロマンス作品でトップクラスの人気を誇るイ・ドンウクが、イム・シワンと初共演。彼はドラマ出演の一方、「Wanna One」や「IZ*ONE」を輩出した人気オーディション番組「PRODUCE X 101」では参加者たちを見守る“国民プロデューサー代表”として出演、K-POPファンからも絶大なる支持を集めているほか、第1話のゲストでコン・ユが出演し大きな話題を呼んだトークバラエティ「イ・ドンウクはトークがしたくて」のホストを務めるなど、バラエティでも活躍。本作では、考試院に住む物静かな歯科医役を演じ、ミステリアスな雰囲気を放つ!原作となった同名ウェブ漫画は、韓国の電子漫画サイトNAVER WEBTOONにて連載初期からその衝撃的なストーリー展開で話題を集め、本国で大きなブームとなった。その結果、連載終了時には累計8億PV、日曜ウェブ漫画ランキング(※)39週連続1位、そして平均評価点10点満点中9.8点という前代未聞の大記録を打ち立てた作品。実写化に際して、各キャラクターの再現性は原作ファンからも称賛を集め、ドラマで展開された原作を越える恐怖描写の数々は、オリジナル同様に中毒者を数多く生み出すことになった(※NAVER WEBTOONにて毎週日曜日に更新される人気作品ランキング)。また、本作は、映画制作陣とドラマ制作陣が集結し、ハイクオリティな作品を送り出すOCNの「ドラマチック・シネマ・プロジェクト」第2弾。第1弾のイ・ソジン主演「トラップ~最も残酷な愛~」は日本で大きな話題を呼び、異例となる劇場公開も実現した。待望の第2弾となる本作では、映画『死体が消えた夜』の監督イ・チャンヒが演出を担当。米アカデミー賞で作品賞ほか4部門を受賞し、日本でも興行収入45億円を突破する歴史的大ヒット中の『パラサイト 半地下の家族』で家政婦役を演じ、第56回大鐘賞映画祭助演女優賞ほか幾多もの映画賞を受賞したイ・ジョンウンが本作では考試院の大家を演じるほか、目が離せない実力派俳優も集結。まさに映画的な迫力とクオリティを備えた内容となっている。さらに、今回リリースされるセル版DVD-BOXには、イム・シワンの撮り下ろしインタビューやメイキング映像ほか豪華特典映像も収録される。「他人は地獄だ」は9月2日(水)よりDVD発売およびレンタル開始、デジタル配信開始。(text:cinemacafe.net)
2020年07月03日第92回アカデミー賞で作品賞、監督賞をはじめとする6部門に堂々ノミネート。米国が製作に入っていないアジア映画が作品賞にノミネーションされるのは史上初、韓国映画のノミネートも史上初と、映画史を変える偉業に王手をかけた『パラサイト 半地下の家族』。この度、同賞にもノミネートされたプロダクション・デザイナー、そして韓国映画界を代表する撮影監督が裏側を語る特別映像が公開された。日本でも1月10日から全国公開となった本作は、先行公開時から大きな話題を呼び、全国的に満席が続出する大ヒットスタート。SNS上でも「震えるほどすばらしい映画!」「見終えてすぐに立ち上がれなかった!」「こんな映画体験今までにした事がない」「全力で周りに勧めたくなる最高の映画」と絶賛の声が溢れている。そんな中、今回到着したのは、ポン・ジュノ監督が絶大な信頼を寄せるスタッフの仕事ぶりに迫る特別映像。撮影監督やプロダクション・デザイナーのインタビュー映像やコメントを交え、世界中を熱狂させている本作誕生の裏側に迫っている。『哭声/コクソン』などを手掛ける撮影監督とキャストも感服する美術監督製作には、監督からの信頼も厚いスタッフの存在が欠かせない。撮影監督を務めたホン・ギョンピョは、ウォン・カーウァイ作品の撮影監督として知られるクリストファー・ドイルの元で経験を積んだのち、1998年に撮影監督デビュー。現在韓国映画界を代表するシネマトグラファーとして幅広く知られ、ナ・ホンジン監督『哭声/コクソン』(’17)やイ・チャンドン監督『バーニング劇場版』(’18)など、日本でも人気のある作品を多く手掛けている。ポン・ジュノ監督とは『母なる証明』(’09)、『スノーピアサー』(’14)に続く3度目のタッグとなる。プロダクション・デザイナーのイ・ハジュンは、大ヒット映画『10人の泥棒たち』やジョニー・トー監督『ドラッグ・ウォー毒戦』、カンヌのコンペティション出品作イム・サンス監督『ハウスメイド』など話題作を多く手掛けるベテラン。ポン・ジュノ作品ではNetflix映画『オクジャ/Okja』に続く2度目のタッグ。本作でアカデミー賞美術賞にノミネートされるという快挙を成し遂げている。どちらも新たな傑作を生みだすべく結集した最高峰のスタッフだ。ソン・ガンホが「見せた顔はまた新しいもの」物語は、日の当たらない“半地下”と、高台にある“豪邸”を中心に、豪華キャストのアンサンブルで展開していく。名役者たちの表情を引き出した撮影について、そしてセットのこだわりについて撮影監督ホン・ギョンピョは、「本作は一人の登場人物についての話ではないので、全ての役者の間で本当のエネルギーが生み出され、私たちはたくさん笑いました」と、撮影は活気のあるものだったとふり返る。「セリフの多い人物中心の映画なので、レンズは執拗に役者の顔を映しているのですが、彼らの新たな一面を見ることができたのは非常に楽しい経験でした。特に、ソン・ガンホは膨大な数の映画に出演してきていますが、この映画で彼が見せた顔はまた新しいものでした」と、名優ソン・ガンホがさらに新しい表情を見せたことに驚いたという。“半地下”も“豪邸”もセット!「ハエや蚊も実際に飛ばしました」さらに“半地下”や“豪邸”など撮影に使われた多くが、セットで作られている。プロダクション・デザイナーのイ・ハジュンは「最初に私たちが思いついたコンセプトは、高い場所にあるパク家の邸宅と、低い場所に広がる半地下アパートのギテクの家族の家のコントラストでした」と、キム一家とパク一家の格差を立地で表現したとこだわりを明かす。「空間にリアリティを求めました。多くの時間を費やして、ソウルの再開発が予定されている古い町並みや、歴史ある集合住宅を歩き回りました。パク家の邸宅は映画の中では有名な建築家によって設計されたものという設定だったので、モダンだけれどエレガントなオープンセットを建て、家具や小物など内装にもこだわりました」と、物語の設定に沿ったよりリアリティなセットを作ることができたと自信をのぞかせる。街の細部まで精密なコンテを描いて形作った半地下住宅街については、インタビュー映像で「ハエや蚊も実際に飛ばしました。地下特有のカビ臭さを出そうと意識した」と、劇中で重要な鍵となるが映像には映らない“匂い”や雰囲気についてもリアルを追求しながら挑んでいたと語っている。『パラサイト 半地下の家族』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:パラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
2020年01月15日バロックジャパンリミテッドの新ブランド・y/m(イム)がデビュー。2019年3月6日(水)から伊勢丹新宿店本館2階にて、3月20日(水)から銀座三越3階で、期間限定ショップを開催する。ギリシャ語で“あなたへ”という意味を指すym(イム)から名付けられたy/mは、着る人の“自分だけの美しさ”を引き出すウェアを提案。「十人十色のワードローブ」をブランドコンセプトに、着る人の心を満たす、少しだけ特別な日常着を展開する。伊勢丹新宿店、銀座三越では、y/mの2019年春夏コレクションを展開。分量感のあるブラウスやリラックスしたセットアップ、エレガントなドレープ感のスカートなど、落ち着いた雰囲気かつ洗練されたカジュアルウェアを揃える。【詳細】新ブランド「y/m(イム)」■y/m 期間限定ショップ in 伊勢丹新宿店オープン日:2019年3月6日(水)~12日(火)※期間限定ショップとしての会期終了後は、伊勢丹新宿店にてアイテムを常設販売。開催場所:伊勢丹新宿店本館 2階 = TOKYOクローゼット/リ・スタイルTOKYO住所:東京都新宿区新宿3-14-1■y/m 期間限定ショップ in 銀座三越開催期間:2019年3月20日(水)~4月2日(火)開催場所:銀座三越 3階 Le PLAYCE住所:東京都中央区銀座4-6-16価格帯:・アウター 30,000円~70,000円・トップス 8,000円~30,000円・ボトムス 18,000円~30,000円・ワンピース 15,000円~30,000円
2019年03月02日こんにちは。アートディレクターの諸戸佑美です。ベストセラー小説を原作にした映画は多いですが、映画を観たあと原作小説を読むのも楽しいですね。【シネマの時間】第38回は、”ティーンエイジノワールとして、マーク・トウェインやJ.D.サリンジャーと並ぶ傑作” と絶賛されたアメリカの新進作家サム・マイソンによるベストセラーノベル『November Criminals』を映画化した話題の『クリミナル・タウン』をピックアップ!メガホンを取ったのは、『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』『ヒッチコック』で高い評価を受けた実力派のサーシャ・ガバシ監督が演出を手がけ、どこまでもクールな視点で、アメリカの首都=犯罪の首都と化したワシントンD.C.の光と陰の実態を10代の甘酸っぱい青春と共に巧みに描き出しています。主人公アディソン役は、ハリウッド『ベイビー・ドライバー』で大ブレイクを果たしたアンセル・エルゴートがナイーブで傷つきやすく真っ直ぐな主人公を、ヒロインのフィービー役は、『(500)日のサマー』『ヒューゴの不思議な発明』などで、若手トップ女優の地位を確立したクロエ・グレース・モレッツが魅力的に演じています。さらに、アメリカワシントンD.C.の学園生活の様子やそれぞれの親子関係も繊細に丁寧に描かれ、愛する我が子がさまざまな問題に遭遇したときの親としてのあり方なども大変興味深く、老若男女どの世代の方々が観ても楽しめる映画です。ハリウッドの最旬キャストで贈る衝撃のクライム・サスペンス・青春映画。ぜひ、映画館でお楽しみください!■映画『クリミナル・タウン』あらすじーーワシントンを舞台に事件の真相解明に挑む高校生の姿を描くクライムサスペンス!政治の街ワシントンD.C.は、上流中産階級の人々が暮らすアメリカのシンボルタウンであると同時に、殺人件数・襲撃、強盗件数がトップとされる犯罪の街。そのワシントンD.C.にある公立高校の卒業を控えたアディソン・シャクト(アンセル・エルゴート)は、趣味は読書とデヴィッド・ボウイを聞くこと、VHSでビデオ日記をつけるといった父とふたり暮らしの高校生。その日、幼馴染のフィービー(クロエ・グレース)から、「大学に進学する前に心許せる相手に処女を捨てたいの」と爆弾発言され、初めてふたりで親密な時間を過ごすのですが、その直後に親友である優等生のケビンが、バイト先のコーヒーショップで銃殺されたという知らせを聞きます。警察とメディアは「チンピラの黒人少年が麻薬を巡るギャング同士の抗争に巻き込まれたのだろう」と、早々に調査を終結しようとします。しかし、アディソンはあの文学好きの優等生のケビンが、チンピラと言われ麻薬に関わって殺されたなんて信じられない……と納得がいきません。優等生のケビンが、なぜ殺されなければならなかったのか?親友の名誉を取り戻すためアディソンは、校内や各所に「事件の目撃情報求む」と、張り紙をしたりとフィービーと共に犯人捜しに乗り出します。しかし、証言を取り合おうとしない警察や、大学への推薦状を餌に操作を牽制する学校、「深入りするな」と脅しをかけてくる同級生など、なぜか街中が目を背ける雰囲気に。ひるまずに捜査を続けるふたりは、ケビンのバイト仲間、担当したカウンセラー、両親などに会いますが、肝心の両親が「息子は、この街に殺された……」と口をつぐむのでした。まるで街全体がこの事件をなかったかのように処理するさまに違和感を拭えないふたり。食い違う人物像、不可解な行動。危険を感じたフィービーが、調査を止めようと訴えるのをよそに、アディソンは事件の核心へと近づいていきます。しかしそれは、ワシントンD.C.の巨大な闇を突く、最も危険な捜査だったのです。やがて明かされる残酷な真実とは……!?ワシントンD.C.に根強く存在する格差と人種差別、高校生たちの間に広がるドラッグなど、今日のアメリカの10代の青春と絡めて鮮やかに社会問題を浮き彫りにしています。映画『クリミナル・タウン』作品紹介映画『クリミナル・タウン』は、2018年8月25日(土)より新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー!公式HP:監督:サーシャ・ガバシ原作:サム・マンソン「クリミナル・タウン」(ハヤカワ文庫2018年7月5日発売)原題:November Criminals脚本:スティーブン・ナイト、サーシャ・ガバシ製作総指揮:アンガス・サザーランド、タンニャ・タワージョ、マリンディ・フィックル製作:ベス・オニール、エリカ・オールド、アラ・ケシシアン、ビル・ジョンソン、ジム・セイベル、マーク・ビエンストック撮影:ミハイ・マライメア・Jr.美術:カート・ビーチ衣装:ジュリー・ワイス編集:マーティン・ペンサ音楽:デビッド・ノーランド音楽監修:ローラ・カッツ字幕翻訳:牧野琴子製作国:アメリカ製作年:2017年映倫区分:G上映時間:86分配給:ギャガ・プラス© 2016 NOVEMBER CRIMINALS HOLDINGS, LLC映画『クリミナル・タウン』キャストアンセル・エルゴート=アディソンクロエ・グレース・モレッツ=フィービーデヴィッド・ストラザーン=テオ・シャクトキャサリン・キーナー=フィオナ【シネマの時間】アートディレクション・編集・絵・文=諸戸佑美©︎YUMIMOROTO
2018年08月28日映画『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』が、2018年11月16日(金)に全国の劇場で公開される。クライムアクション映画『ボーダーライン』続編本作は、アメリカとメキシコの国境地帯を舞台に、あらゆるルールの通用しない麻薬戦争の恐るべき現実を描き、アカデミー賞3部門にノミネートされたエミリー・ブラント主演のクライムアクション映画『ボーダーライン』の続編。アメリカへのテロリスト流入に深く関連している密入国ビジネスを仕切る麻薬カルテルを混乱に陥れるため、CIA特別捜査官のマットと、彼に雇われた一匹狼の殺し屋・アレハンドロが、カルテル間の内戦を引き起こすという危険なミッションに挑む。ストーリーアメリカ国内で市民15人の命が奪われる自爆テロが発生。犯人らがメキシコ経由で不法入国したとにらんだ政府は、国境地帯で密入国ビジネスを仕切る麻薬カルテルを混乱に陥れるという任務を、CIA特別捜査官マット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)に命じる。それを受けてマットは、カルテルに家族を殺された過去を持つ旧知の暗殺者アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)に協力を要請。麻薬王の娘イサベルを誘拐し、カルテル同士の戦争を誘発しようと企てる。しかし、その極秘作戦は敵の奇襲や米政府の無慈悲な方針変更によって想定外の事態を招き、メキシコの地で孤立を余儀なくされたアレハンドロは、兵士としての任務、復讐、そして人質として保護する少女の命の狭間で、過酷なジレンマに直面することになる......。ベニチオ・デル・トロ&ジョシュ・ブローリンが再び登場任務遂行の為には手段を問わない、CIA特別捜査官マット役を再び演じるのは、『アベンジャーズ』 シリーズのヴィラン・サノス役や『デッドプール2』のケーブル役で知られるジョシュ・ブローリン。そして殺し屋・アレハンドロ役も、『トラフィック』 でアカデミー助演男優賞を受賞したベニチオ・デル・トロが前作から続投する。また、脚本を前作『ボーダーライン』から引き続きテイラー・シェリダンが担当。監督は、世界的人気ゲーム「コール・オブ・デューティー」の実写映画化にあたり、監督として契約交渉が進む、気鋭のステファノ・ソッリマが務める。作品情報映画『ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ』公開時期:2018年11月16日(金)脚本:テイラー・シェリダン(『ボーダーライン』『ウインド・リバー』)監督:ステファノ・ソッリマ(『暗黒街』)出演:ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリン、イザベラ・モナー、ジェフリー・ドノバン、マヌエル・ガルシア=ルルフォ、キャサリン・キーナー原題:Sicario: Day of the Soldado
2018年07月14日いま世界一センセーショナルな映画監督と女優として注目を集める、ホン・サンスとキム・ミニの初めてのタッグ作『正しい日 間違えた日』。このほど、話題の2人がお互いへの想いを初めて語ったインタビューコメントがシネマカフェに到着した。現在、タッグを組んだ4作品が連続公開中の2人。第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、ホン・サンス監督が公式会見でキム・ミニへの愛を公言したことでも話題となった『それから』(公開中)、同じ年のカンヌ映画祭に2作品同時に出品されたイザベル・ユペールとの豪華共演作『クレアのカメラ』(7月14日公開)、キム・ミニが韓国俳優初のベルリン国際映画祭主演女優賞に輝いた『夜の浜辺でひとり』(公開中)、そしてロカルノ国際映画祭グランプリ受賞作の『正しい日 間違えた日』(公開中)。■『正しい日 間違えた日』はタッグ作の中でも異色のラブストーリー中でも本作は、運命的に出逢った男女が、タイミングの違いによってまったく異なるエンディングにたどりつくまでを、“前半”と“後半”、2通りの展開で見せる異色のラブストーリー。R18指定ながらも大ヒットとなった『お嬢さん』では体を張った演技をみせたキム・ミニが、本作ではアーティストタイプの“ふんわり系美女”となり、小悪魔のような演技で魅了。ホン・サンスは男と女の本音と建前、男の下心と女のプライドを見事に映し出している。しかも本作は、ホン・サンス監督とキム・ミニが運命的な出会いを果たした初タッグ作。妻子ある名匠とスター女優の熱愛に本国・韓国での報道が過熱する中、監督はキム・ミニを主演に精力的に作品を作り続け、今年2月にベルリン国際映画祭でワールドプレミアとなった最新作『Grass』(原題)で5作品目、さらなる新作も準備中という。■キム・ミニ「監督の映画の作り方はとてもユニーク」キム・ミニは、ホン・サンス監督と何度もコラボレーションすることについて、その喜びをインタビューで答えている。「ホン・サンス監督の映画に出られるとは思ってもいませんでした。一緒に仕事を出来て本当に嬉しいです。私にとっては監督と働くことは喜びですし、監督をとても尊敬しています」と語り、「ホン・サンス監督の映画の作り方はとてもユニークなんです。今後もぜひ一緒に仕事をしていきたいです」と、その作風に惹かれたことを明かす。前半と後半で同じシーンが繰り返される本作のような、ホン・サンス監督ならではの映画の撮り方についても、「ほかの映画監督は映画を撮る前にしっかり準備しますよね。映画の尺にあわせてきっちりとしたシナリオやストーリーボードを作って。大概、私たちはこうして用意されたシーンを、そっくりそのまま再現します。出来上がっているスキームに従うことを要求されるし、すぐにカットの声がかかります。だから演技に関して私たちはそんなに自由じゃないんです」と比較をしながら、「まさにそこがホン・サンス監督の全く違う点です。彼はかなり高い自由の余地を役者たちに残してくれます」と語っている。■「なに、この人?」と思いながら「絶対にうまくいくって確信できた」ホン・サンス監督は、撮影当日の朝までシナリオを用意しない独特のやり方で知られている。撮影開始時間も朝だったり、昼だったり、その日によって変わる。その上、長尺の長台詞シーンを繰り返しリハーサルする現場を、キム・ミニは驚きながらも楽しみ、監督の才能に感嘆した様子だ。「1カットがとても長いので、役者たちはより完全に物語の中に入り込むことができます。事前にシナリオを準備せず、当日の朝に書く、よく知られたそんな彼のやり方ですけど、実際に仕事を一緒にしてみるともう本当に驚きですよ。最初の撮影のときに完全にやられました。『なに、この人? 頭おかしいんじゃないかしら』って。でも、そう思うと同時に彼のことを完全に信頼してもいました。絶対にうまくいくって確信できたんです。私が驚いたのは、あれほど計算なしで撮影を進められる彼のその才能です」と、その作風に惚れ込んだという。そして、ホン・サンス監督との初めての仕事で演技に対する考え方に変化が起きたかという質問には、「監督とのこの最初のコラボレーションは、私にとってとても強烈でとても貴重な瞬間となりました。息がぴったりと合うというのは初めての経験でした。いま思い返してみれば、それは初恋のような体験です」と告白。「初めての感情、初めてのときめき。その時を想うと、なぜか空に浮かぶ小さなかわいらしい雲の姿が目に浮かびます。素朴で微笑ましい恋愛詩のようなものです。撮影の終わりはほんとうに辛かった。ずっと続いてくれたらいいのに、と思っていました」と熱い想いを口にした。■数々の名作を生み出したホン・サンス、キム・ミニは「創造の源」一方、キム・ミニから絶大な信頼をよせられるホン・サンスは、カンヌ国際映画祭で『それから』が上映された際の公式記者会見で、「韓国の会見で、『私は彼女を愛している』と言いました」と、キム・ミニへの愛を公言している。「そのとき、いろいろな感情がこみ上げてきました。キム・ミニと仕事をすることで、とても多くのインスピレーションを与えられました。彼女と続けて何本も仕事をしていますが、毎回、まったく違うことがどんどん浮かんでくるんです。退屈しない」と語り、「それは画家にとっての愛するモデルや、何度も繰り返し描く素材や場所があるのと同じかもしれません。画家のセザンヌが、何度も繰り返しサント・ヴィクトワール山を描いても、毎回違う絵になったのと同じです。創造の源なのです」と、セザンヌが生み出した名画にその関係性を例えた。その出会いがいかに運命的だったのか、2人の初タッグ作である本作を観ると一目瞭然。お互いを高め合う、監督と女優の名コンビが誕生した瞬間をぜひスクリーンで確かめてみてほしい。STORY予定より1日早く水原に到着してしまった映画監督のチュンス(チョン・ジェヨン)は、時間をつぶすために立ち寄った観光名所で、魅力的な女性ヒジョン(キム・ミニ)に出会う。2人はコーヒーを飲み、人生について語らい、お酒も入ってほろ酔い加減でいい雰囲気になるのだが…。『正しい日 間違えた日』はヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:それから(2018) 2018年6月9日よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開© 2017 JEONWONSA FILM CO. ALL RIGHTS RESERVED.
2018年07月08日第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された、アジアを代表する名匠ホン・サンス監督の最新作『それから』。主演をつとめるキム・ミニは、R18指定作品『お嬢さん』(パク・チャヌク監督)の妖しくミステリアスなお嬢さん役の大胆な演技で国際的に評価を高めた。現在ではホン・サンスの新たなるミューズとして、2015年の『正しい日 間違えた日』以降、4作品で主演を務めている。そんな彼女が監督のすごさを語るインタビューが、シネマカフェに到着した。いま世界から最も熱い視線を注がれる名監督×名女優コンビキム・ミニとホン・サンス監督の初タッグ作『正しい日 間違えた日』はロカルノ国際映画祭グランプリを受賞、続く『夜の浜辺でひとり』では韓国俳優史上初となるベルリン国際映画祭女優賞に輝く快挙を達成。また、『クレアのカメラ』ではフランスの大女優イザベル・ユペールとの共演を果たしており、いまキム・ミニには世界中から熱い視線が送られている。ホン・サンスとの4度目のタッグとなる最新作『それから』は、妻に浮気を疑われ、窮地に立たされている社長ボンワン(クォン・ヘヒョ)と、彼が経営する出版社に勤めることになったアルム(キム・ミニ)が織りなすヒューマンドラマ。出勤初日早々、社長の妻が会社を訪れ、アルムを夫の不倫相手と決めつけ騒ぎ立てる。同じ日の夜、彼女の前任者であり、社長の愛人であった女がひょっこり戻ってきたことで、事態は思わぬ方向へ…。カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、かつてロベルト・ロッセリーニとイングリット・バーグマン、ジャン=リュック・ゴダールとアンナ・カリーナ、小津安二郎と原節子といった名監督と名女優のコンビが生み出してきた名作に連なる作品として喝采を浴びた。キム・ミニ「本当に面白い」、予測不能の撮影を明かすキム・ミニは、「この映画は前作『夜の浜辺でひとり』とは全く違います。『それから』でのわたしは、ストーリーから一歩引いた観察者の役割です。一番はじめにストーリーを聞かされたとき、私の演じるアルムはそんなに重要な人物じゃなさそう、これって本当に主役といえるのかしら、と思いました」と言う。「ホン・サンス監督はシナリオをちゃんと書きません。ストーリーを聞かされてもこれから話がどう変わってゆくか予測もつかないし、そもそも監督にだって分かっていないんです。主役なのか、そうでないのかってことすら結局分からない。実は、アルムという人物にもっと重要性を持たせようと監督が決めたのは撮影がある程度進んでからなんです。彼がすごいのはそういうところなんですね」と明かすキム・ミニ。「最後のシーンでアルムが会社に戻って、ボンワン社長とのとあるやりとりですべてがひっくりかえる、まさにどんでん返しです。最後になって過去と現在が同時に立ち現われてくる。こういうところが本当に面白いんですよ」。シナリオを書かないホン・サンス監督と “あうん”の呼吸ホン・サンス監督が『それから』を撮るきっかけとなったのは、“家に帰りたくない男”の存在を知ったことから。昨今、日本でもまっすぐ家に帰らない“フラリーマン”が話題となっているが、本作の舞台に使った極小出版社の主人が「家から逃れるため」に早朝4時半に事務所に出勤し、深夜まで帰らない、という生活に監督が衝撃を受けたことからスタートしているという。監督といえば、場所と俳優だけ決めて、撮影する日の朝までシナリオを書かないことで有名。とはいえ、主演女優としてこの物語の真実を知っていたのか、それとも最後の瞬間まで、監督は主演女優にも映画の全容を隠していたのか、気になるところ。すると、キム・ミニからは「わたしが彼に質問しても決してはっきりと答えてくれません。いつも『どうなるかよく分からないな』と返ってくるだけ。彼自身が知らない以上、わたしが知っているわけはありません」と超然とした回答が…。毎朝、監督からはその日の撮影分のシナリオを渡されて、シーンについて少し話すだけで撮影に入るそうだが、『それから』にはワンシーン・ワンカットで撮られた長回しのシーンも多々。とくに、キム・ミニ演じるアルムとクォン・ヘヒョ演じるボンワン社長が、信仰や人生観について語り合う場面の撮影には苦労をしたらしい。「あの日、シナリオを受け取ったのは朝の10時。約5分間のワンシーン・ワンカットになる予定でした」とキム・ミニ。「陽が差している時間は限られていたので、結局そのシーンは2テイクしか撮れませんでした。私は監督に、演技に満足いかないのでもう一度やらせてほしいと頼んだのですが、『いや、これでいい』と言われました。翌日もう1回チャンスをくれることもあるのですが、このシーンに関してはダメでした。結局その2つのテイクのうち最初のものが選ばれました」と明かしている。本作の見どころ、たった2テイク!ワンカット長回しシーンの裏側は…しかし、この場面は、まさかそんな即興的に撮られたとは思えないほど完成度の高いワンシーンであり、『それから』の大きな見どころの1つともなっている。実生活でも恋人同士であることを公言しているキム・ミニとホン・サンス監督のこと、プライベートな会話が基になっているのではと邪推してしまうが…、キム・ミニは「こんな会話を交わしたことなど全くありません」ときっぱり。では、どうして、ごく自然な会話劇となったのか、その答えは監督の演出にあったようだ。「朝の10時にシナリオを渡されて『じゃあこのシーンについてちょっと話をしよう』ということになりました。日常の会話で話すような事柄ではないですから、当然覚えるのに相当苦労しました。信仰や神について監督はたっぷり1時間くらいかけて自分の考えを説明してくれました。内容を理解していないとセリフだって覚えられないですから」。これまでも優れたタッグ作を世に送りだしてきた2人だが、こうしたホン・サンス監督の丁寧な演出の積み重ねで、キム・ミニとの信頼関係は確固たるものとなったのだろう。公私にわたるミューズのキム・ミニを得た恋愛映画の名手は、最新作『それから』では人間ドラマの名手へと昇華したとの評価が高まっている。本作は、まさに監督と女優の幸せなコラボレーションから生まれた名作といえそうだ。『それから』は6月9日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:それから(2018) 2018年6月9日よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開© 2017 JEONWONSA FILM CO. ALL RIGHTS RESERVED.
2018年06月04日ホン・サンス監督の最新作『それから』の公開を記念して、彼の新ミューズで本作の主演、キム・ミニのヒット作『お嬢さん』が、6月2日(土)~8日(金)にヒューマントラストシネマ渋谷にて限定公開されることが緊急決定した。■ 『お嬢さん』“スペシャル・エクステンデッド版”で公開!『お嬢さん』は、「このミステリーがすごい!」で第1位を獲得したサラ・ウォーターズの「荊の城」を、『オールド・ボーイ』の奇才パク・チャヌクが大胆に映像化したエロティックサスペンス。キム・ミニ演じる美しく純真なお嬢さま・秀子の財産を狙う詐欺師と侍女の3人が、極限の騙し合いを繰り広げ、誰が騙し騙され、誰が愛されたのか、先の読めない物語展開と華麗で過激な官能世界に魅了される人が続出。R-18指定ながら、韓国でも記録的大ヒットを飛ばし、日本でもスマッシュヒットとなった話題作だ。また、今回は、パク・チャヌク監督自らが再編集を手掛け、通常本編より“24分間”長くなっているという「スペシャル・エクステンデッド版」での上映。日本では2週間しか上映されなかった貴重な「スペシャル・エクステンデッド版」を堪能できる機会となる。■ホン・サンスの新ミューズ! キム・ミニとは…モデル出身の抜群のスタイルとユニークな顔立ちが印象的なキム・ミニ。中学生の頃からモデルとして活動した後、90年代末からテレビドラマと映画で女優としての活動を開始。中でも、宮部みゆきの原作を韓国で映画化した『火車 HELPLESS』の演技が称賛され、パク・チャヌク監督の目に留まったことで『お嬢さん』への主演に抜擢。この演技が国際的に高く評価され、数々の受賞に輝いた。現在では、世界の映画祭が絶賛する名匠ホン・サンスの新たなるミューズとしてその存在感を確固たるものとし、すでにホン・サンス監督作で5作品の主演を務めている。■カンヌコンペに出品! ホン・サンス監督最新作『それから』そんなホン・サンスとキム・ミニが4度目のタッグを組んだ最新作、第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され話題となった『それから』が来月公開。妻に浮気を疑われ、窮地に立たされている社長ボンワン(クォン・ヘヒョ)が経営する出版社に勤めることになったアルム(キム・ミニ)。出勤初日早々、社長の妻がやってきて、アルムを夫の不倫相手と決めつけ騒ぎ立てる。同じ日の夜、前任者であり社長の愛人であった女がひょっこり戻ってきたことで、事態は思わぬ方向へ…というあらすじだ。■併せて観たい!ホン・サンス×キム・ミニ作品が一挙公開また今回、ホン・サンス×キム・ミニがタッグを組んだ3作品も公開される。6月16日(土)には、 キム・ミニが韓国俳優史上初となるベルリン国際映画祭主演女優賞(銀熊賞)に輝く快挙を達成した『夜の浜辺でひとり』。30日(土)には2人が初タッグを組んだ『正しい日 間違えた日』。そして、7月14日(土)には大女優イザベル・ユペールとの共演を果たした『クレアのカメラ』が公開される。『お嬢さん』スペシャル・エクステンデッド版は6月2日(土)~8日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷にて限定公開。『それから』は6月9日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)■関連作品:お嬢さん 2017年3月3日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2016 CJ E&M CORPORATION, MOHO FILM, YONG FILM ALL RIGHTS RESERVEDそれから(2018) 2018年6月9日よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開© 2017 JEONWONSA FILM CO. ALL RIGHTS RESERVED.
2018年05月17日実生活で恋人であることを公言し、いま世界一センセーショナルな監督と女優として注目を集めるホン・サンス監督とキム・ミニの初タッグ作『正しい日 間違えた日』が今夏、日本公開が決定。本作の予告編がいち早くシネマカフェに到着した。STORY予定より一日早く水原(スヲン)に到着してしまった映画監督のチュンス(チョン・ジェヨン)は、時間をつぶすために立ち寄った観光名所で、魅力的な女性ヒジョン(キム・ミニ)に出会う。2人はコーヒーを飲み、人生について語らい、お酒も入ってほろ酔い加減でいい雰囲気になるのだが…。本作は運命的に出逢った男と女が、タイミングの違いによって全く異なるエンディングを迎えることになるまでを、前半と後半それぞれの場合で見せる異色のラブストーリー。また、全米映画批評No.1サイト「ロッテントマト」では96%Freshという高評価を獲得し(2017年11月時点)、日本でも長らく公開が待ち望まれていた。主演を務めるのは、『お嬢さん』で大胆なヌードも披露したキム・ミニ。本作では、ふわふわとしながらもどこか陰のあるアーティストを演じている。また、ホン監督と2人が組んだ『夜の浜辺でひとり』は、2016年ベルリン国際映画祭にて、キム・ミニが韓国俳優史上初となる女優賞に輝き、『それから』『クレアのカメラ』が2017 年カンヌ国際映画祭に出品と、2作品同時出品という異例の快挙を達成。本作は、その2人の記念すべき初タッグ作だ。予告編公開された予告編では、本作の特徴である物語が2通りの展開で描かれている様子が分かる仕上がりに。なお、キム・ミニのほかにも、『さまよう刃』のチョン・ジェヨンや、コ・アソン、チェ・ファジョン、ソ・ヨンファ、ユン・ヨジョンらが出演している。『正しい日 間違えた日』は今夏、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2018年03月16日俳優活動でも大きな注目を集めるアイドルグループ「ZE:A」のイム・シワンが主演を務め、「太陽の末裔」のチン・グを筆頭に韓国の豪華俳優陣が集結した『ワンライン/5人の詐欺師たち』。華麗なる頭脳戦を繰り広げる詐欺師たちの姿を描く本作の日本公開が決定。併せて予告動画&ビジュアルが解禁となった。一見、平凡な大学生のミンジェ(イム・シワン)は、あらゆる経歴を偽って銀行からカネを借りる銀行ローン詐欺業界の伝説詐欺師チャン課長(チン・グ)に出会い、才能を見出され瞬く間に業界の新星となる。頭脳明晰なミンジェは少年のようにピュアな容姿を武器に、手がけた仕事をことごとく成功させていく。そんな中、チャン課長の長年のパートナーで野心家のパク室長(パク・ビョンウン)はミンジェの活躍を快く思わず、チームは次第に亀裂が入り…。本作で主演を務めるのは、9人組アイドルグループ「ZE:A」のメンバーで、日本でもリメイクされたドラマ「ミセン-未生-」や、観客動員数1,100万人を突破したソン・ガンホ主演『弁護人』などで俳優としても高い評価を受けているイム・シワン。また、社会現象を巻き起こした大ヒットドラマ「太陽の末裔」で一躍スターダムを駆け上がり、本作では伝説の詐欺師として主人公を導くチャン課長役で出演したチン・グのほか、韓国映画界の売れっ子俳優パク・ビョンウン、イ・ドンフィ、キム・ソニョン、さらには「JYJ」ユチョンの弟パク・ユファンら豪華キャストが顔を揃えた。このほど解禁となったポスタービジュアルと予告映像には、見るからにひとクセありそうなキャラクターが勢揃い!銀行から大金を騙し取るために、名前、年齢、職業すべてを偽ってありとあらゆる手を尽くす様を、痛快な“コンゲーム”映画ならではのスリリングに描く映像となっている。卓越した才能を見せる若き主人公と、彼を導く伝説の詐欺師、彼らを取り巻く面々を個性豊かな俳優陣が演じる、予測不可能なアクション・エンターテインメント。新たな痛快娯楽作として韓国映画に一石を投じること間違いなしの本作の魅力を、まずはこちらの映像から味わってみて。『ワンライン/5人の詐欺師たち』は2018年1月6日(土)よりシネマート新宿・シネマート心斎橋にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年12月08日レニー・クラヴィッツの愛娘にして、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』や『ダイバージェント』シリーズなどで活躍するゾーイ・クラヴィッツ主演のクライム・ラブストーリー『ロキシー』(原題:Vincent N Roxxy)。本作から、先日のフジロックでのパフォーマンスが話題になりTwitterトレンド入りも果たした「The xx(ザ・エックス・エックス)」の「Angels」が彩る予告編映像と、ポスタービジュアル&場面写真が一挙に解禁となった。人通りの少ない路地裏で、ギャング風の男たちから逃げようとする女性を偶然に見かけ、助けたヴィンセント。会話もなく、どこまでも続く穀倉地帯を走り続ける2人。彼女の名はロキシー。ギャングから金を盗んだとして兄が殺され、金の行方を知っていると疑われたロキシーはギャングから追われていたのだった。行くあてもなく、ヴィンセントの故郷の町に身を潜める2人は、次第に心惹かれてゆくように。しかし、平穏な日々は続かず、居場所をかぎつけたギャングの手が、すぐそこまで迫っていた…。昨年4月にトライベッカ映画祭でプレミア上映されるやいなや、批評家と観客を衝撃の渦に巻き込んだクライム・ラブストーリーが、ついに日本上陸。『地獄の逃避行』(’73/テレンス・マリック監督)や『タクシードライバー』(’76/マーティン・スコセッシ監督)に多大な影響を受け、アメリカン・ニューシネマの新たな系譜を感じさせる1本となっている。組織から追われ、逃げ場を失った主人公のロキシーを演じるのは、歌手、モデル、そして女優とマルチに活躍し、「Variety」誌の「注目の俳優10人」に選出された次世代スターのゾーイ。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』では、イモータン・ジョーに囚われた妻たちの中で最も覚悟を決めた強い女性トーストの印象が記憶に新しく、エミー賞ノミネートの海外ドラマ「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」では若き母親役に挑戦。本作でも、心に傷を負い、復讐に燃えるロキシーを強く美しく演じている。共演には、本格ホラーの傑作『ジェーン・ドウの解剖』やショーン・ペン監督作『イントゥ・ザ・ワイルド』などで知られる実力派エミール・ハーシュ、カリスマ的人気を誇るミュージシャン、カニエ・ウェストの愛弟子キッド・カディらが名を連ねている。この公開された日本版ポスターでは、ロキシーとヴィンセント、2人の目線が合うことはなく、ロキシーの手に握られた銃と背景に飛び散る赤が不穏な雰囲気を醸し出している。また、予告編では、ロキシーとヴィンセントの出会いから、2人が思いを重ね合う幸せな日々が長くは続かない、緊迫感と疾走感あふれる仕上がりに。そのロキシーとヴィンセントが次第に心惹かれてゆくロマンティックな世界観を彩るのは、女性ヴォーカルが印象的な英バンド「The xx」の代表曲「Angels」。「The xx」は最新アルバム「I See You」が全米チャート2位を飾り、先日行われた世界最大規模のロック・フェスティバル「グラストンベリー・フェスティバル」のメインステージを務め、「フジロック2017」では日本も沸かせたばかり。監督を務めたゲイリー・マイケル・シュルツは日本での公開にあたり、「この映画は“愛”という普遍的なものを描いている作品なので、きっと日本の人々にも受け入れてもらえると思う。そして少しでもキャラクターたちの感情に共感してもらえると監督として嬉しい」とコメント。本作の日本公開に喜びの声を寄せている。『ロキシー』は10月21日(土)より新宿シネマカリテほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2017年08月08日中島裕翔主演の「HOPE~期待ゼロの新入社員~」の基になったドラマで、韓国で社会現象を巻き起こした「ミセン-未生-」の主役を務めた「ZE:A」のイム・シワン。“最も成功した演技ドル(=演技もできるアイドル)”と絶賛を受ける彼の魅力を、存分に堪能できる映画が2本、相次いで公開される。1本目は、朝鮮戦争まっただ中、すべてを失った子どもたちによる「児童合唱団」のピュアな歌声が、人々の心を癒していく実話の映画化『戦場のメロディ』。舞台は、朝鮮戦争まっただ中の1952年、最前線から釜山に転属されたハン・サンヨル少尉は、戦争孤児の世話を担当する。イム・シワンは映画初主演となった本作で、ピアノ演奏や指揮者にも初挑戦し、過酷な戦闘アクションから、涙を誘う繊細な感情表現までを確かな演技力で表現。監督のイ・ハンは「このまま初心を忘れず進んでいけば、恐ろしい俳優になる」と、その演技力に太鼓判を押している。2本目は、韓国で観客動員数1,100万人突破した、国民的俳優ソン・ガンホ主演の社会派映画『弁護人』。故ノ・ムヒョン元大統領が弁護士時代に担当し、政治家転身のきっかけとなった冤罪事件「プリム事件」をモチーフに、国家に戦いを挑んだひとりの弁護士の奮闘を描く。イム・シワンは、国家保安法違反容疑で逮捕されたクッパ店の息子ジヌを好演。本作が映画初出演の彼について、ソン・ガンホも「これからが期待できる素晴らしい素質をもった俳優、役者だと思います」と大絶賛を贈っている。アイドルとしての人気もさることながら、確固たる演技力で役者としての道も次々と切り開いているイム・シワン。これからも目が離せない彼の演技が光る2作品を、ぜひチェックしてみて。『戦場のメロディ』は10月29日(土)よりシネマート新宿ほか全国にて公開。『弁護人』は11月12日(土)より新宿シネマカリテほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2016年10月14日加瀬亮が韓国の名匠ホン・サンス監督と組んだ『自由が丘で』が12月13日(土)に公開を迎え、2人が揃って都内劇場で舞台挨拶に臨んだ。ヴェネツィア国際映画祭の「オリゾンティ部門」に出品されたほか、第36回ナント三大陸映画祭では「グランプリ」を受賞するなど国際的にも注目を集める本作。スーツケースひとつで、思いを寄せる韓国人女性を追ってソウルへとやって来た日本人・モリが彼の地を迷うかのように歩き回る中で織り成すドラマを映し出す。2人はこの日の会場となった映画館「シネマート新宿」で2年前にトークショーを行ない、そこで初めて顔を合わせ意気投合し、一緒に映画を作ることを約束。2年越しで本作が完成した。加瀬さんは「2年経って、再びこうやってここに立っているのを不思議に思うし嬉しく思います」としみじみ。サンス監督は2年前の初対面の時の加瀬さんの印象について「お会いしてお話する中で、加瀬さんのお顔が赤くなったのが印象的でした。繊細で、映画へのいろんな意見が聞けて楽しかったです。男性ですが美しい方だと感じました」と語る。改めてサンス監督の現場を経験し、加瀬さんは「いま『これ以上の現場があるのかな?』と不安に思うほど楽しかったです」と述懐。サンス監督の現場はスタッフの人数も必要最小限しかおらず、脚本も当日撮る分を監督がその日の朝に書くという特異なスタイルで知られている。加瀬さんは「監督の映画が好きな理由のひとつが、登場人物たちがいつも飾らないこと。欠点だらけという人もいますが(笑)。普段、一面を強調したり飾って演じているのを、監督が解放してくれました。人はいろんな面があり、毎日違う。そういうのを素直に映画の中で演じられたのは単純に喜びでした」と充実の表情を見せる。サンス監督は「映画作りでは“自由”が重要。現場で起こるいろんなことを反映するスタイルをとっています」と説明。加瀬さんは「普通は不安でいろんなことを準備して安定を求めるものですが、監督がやろうとしているのは、“頼りなさ”の中に自分を置くということ。目の前のことがすごく強烈に飛び込んでくる。そういう体験でした」とふり返る。加瀬さん自身、普段は自分の出演映画を「1回しか観ない」と言うが、本作に関しては「7回観て、7回発見がありました。モリが『韓国女性を追いかけてソウルに来た』とありますが、何回も観る中で『そうなのかな?』と思うようになったり、観るたびにこんなに印象が違う映画は初めてです」と本作がいかにこれまで関わってきた作品と違うかを感慨深げに語っていた。『自由が丘で』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:自由が丘で 2014年12月13日よりシネマート新宿ほか全国にて公開(C) 2014 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.
2014年12月13日“韓国のゴダール”“エリック・ロメールの弟子”など、ヌーヴェルバーグの巨匠たちを引き合いに出されるほど世界で評価されるホン・サンス監督を特集した『ホン・サンス/恋愛についての4つの考察』が、11月10日(土)より公開される。特集では、日本劇場未公開だった近作4作がうれしいことに一挙上映。今回、そのうち3作に出演した、ホン・サンス作品の常連俳優で、韓国で“夫にしたい男NO.1”にもなったユ・ジュンサンが、監督との映画作りについて語ってくれた。ホン・サンス監督のトークショー情報ホン・サンス作品で一貫して描かれるのは男女の“恋愛”。どこにでもいるような男と女のごくごくありふれた日常の中から生まれる恋愛の機微が、時にリアルすぎるほど生々しく、時に煙に巻いたようにファンタジックに映し出される。今回上映される4本『よく知りもしないくせに』『ハハハ』『教授とわたし、そして映画』『次の朝は他人』も同様。普通の男女が交わすたわいのない会話や、やりとりから、ムクムクと人間の真理や本性が浮かび出てきて、いつしか映画から目が離せなくなる。ところがその映画に「脚本はない」と、ユ・ジュンサンは笑顔で明かす。「実は1冊という形での台本はないんです。撮影当日の朝、その日やる分の台本が渡される。その連続なんです。一度、監督に尋ねたことがあります。“俳優に渡さないだけで台本は出来上がっているんですよね?”と。すると、監督は“いや、出来ていない。常に、撮影前日の夜から朝にかけて翌日撮る脚本を考えるんだ”と言っていました(苦笑)」ただ、そういった即興的な手法を用いながら、演出は緻密。アドリブは一切なく、綿密なリハーサル、本番も納得いくまでテイクを重ねるという。「例えば、『次の朝は他人』のバーで偶然と必然について語り合うシーンは、確か60テイクを重ねました。もう現場から逃げ出しかったですよ(笑)」ドラマに舞台、アート作品から大作まで、さまざまなジャンルの作品に出演するメジャー人気俳優のユ・ジュンサンだが、その苦労を知ってもなお、今後もホン・サンス作品に出演したいという。「撮影中はつらい事だらけ。でも、出来上がった作品を観ると、その苦労がいつも吹っ飛びます。類稀な才能を持った監督ですよ」世界で今最も脚光を浴びる韓国の天才監督が描く世界と、韓国で大活躍の続く実力派俳優ユ・ジュンサンの勇姿をこの機会に触れてほしい。『ホン・サンス/恋愛についての4つの考察』は11月10日(土)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほかにてロードショー。なお、ホン・サンス監督と俳優の加瀬亮によるトークショーが、11月25日(日)に東京・シネマート新宿で行われる。チケットは11月17日(土)10時より一般発売開始。チケットぴあでは、11月10日(土)11時より先行抽選「プレリザーブ」を受け付ける。取材・文:水上賢治
2012年11月08日韓国からフレンチの香り漂う恋愛映画がこの秋やってきます。ホン・サンス「恋愛についての4つの考察」と題し、日本未公開4作品が一挙上映に!韓流ドラマの「ありえない設定だけど妄想炸裂!」なんてこともなければ、韓国特有の過激なバイオレンスシーンも一切なし。ホン・サンスの作品は、奇をてらうことのない何気ない男と女の会話の中から「人間のおかしさ、愛おしさ」を描いた物語でいっぱいです。さあ、男と女の心理を考察する旅に一緒に出かけてみませんか?4作品の一つ『ハハハ』は映画監督のムンギョンと、先輩の映画評論家・ジュンシクが“一目惚れ”から始まったひと夏の思い出を酒の肴に語り合う、“回想シーン”が軸になった物語。『ハハハ』において、ホン・サンス的に“一目惚れ”を定義するならば、男が惚れるのは「パーツ」、女が惚れるのは「言葉」ではないでしょうか。だってムンギョンはムン・ソリ演じるソンオクに惚れた理由を、「脚が綺麗だった。顔は普通だけど脚が美しい」と先輩にサラッと告白するのですから(名女優に対して「顔は普通」と言ってしまうセンスはさすがホン・サンス!)。女としては「えっ、惚れたのは脚かい?ピンポイントすぎやしませんか」となるわけで。と同時に髪や肌のお手入れは念入りにしなくては!と実感もさせられるのです。そんな脚フェチ男も、食堂を営む実母が客の前でタンクトップ姿でいようものなら「露出しすぎでみっともない!」と激怒するのだから、男って微笑ましいというかなんというか…(笑)。一方、女が男に好意を抱くのは「どれだけ自分を理解してくれているか」を実感するときなのではないでしょうか。例え男が合鍵で女の家に忍び込み、彼女の好みをリサーチしていたとしても、女はそんなこと露知らず「ああ、この男だけは私のことを分かってくれているのね」と心ときめいてしまうのです。でも、そんな夢見がちな女にも冷静な面もあったりして、男が女のために詩を書けば「詩なんてみんな書くわよ」と言ってのけたり、「海兵隊の彼氏がいるの。強い男が好き」なんて悪びれもせず語る姿は、同性にはドキッと共感する部分もあったりするのではないでしょうか。『ハハハ』は第63回カンヌ国際映画祭ある視点部門でグランプリを獲った作品。ここで、私の「ある視点」で気になったのは登場人物たちの衣裳の色。ムンギョンは男性でありながら、ピンク色やサーモン色のシャツを着てることが多いのですが、これは「愛したい、愛されたい」心理を表す色。一方、ソンオクや劇中に登場する女性たちはブルーや紫色の衣装が印象的。特に紫色には「高貴で華麗」でありながら「神秘的」などの二面性を表す心理的意味があるので、監督はもしかして意図的に色を取り入れたのかしら?なんて深読み、想像してみたり(笑)。劇中の「色」に注目してみると、一味違った楽しみ方ができるかもしれません。『ハハハ』のほかにも“過去の恋の罠”を考察した『よく知りもしないくせに』、“三角関係”に焦点を当てた『教授とわたし、そして映画』、“その恋はホンモノ?”かを解く『次の朝は他人』の3作も上映されます。男をカッコつけさせようとせず、女を美しく見せようとせずに描くホン・サンス監督の作品だからこそ、“本当の愛とは何か”のヒントが見つかるかもしれません。この秋、ホン・サンスの世界から、味わったことのない芳醇な恋の香りを堪能してみるのはいかがですか?(text:Tomomi Kimura)特集:これが常識?アジア式恋愛ルール■関連作品:よく知りもしないくせに 2012年11月10日よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて公開© 2009 Jeonwonsa Film Co.. All Rights Reserved.次の朝は他人 2012年11月10日よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて公開教授とわたし、そして映画 2012年11月10日よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて公開ハハハ 2012年11月10日よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて公開
2012年09月25日ジョディ・フォスターが新作クライムTVドラマ「Angie’s Body」(原題)の監督を務めることになった。米ケーブル局「Showtime」で放送予定の同作は、人気ドラマ「HEROES/ヒーローズ」や「TOUCH/タッチ」などを手がけてきたロブ・フレスコが脚本を担当する予定で、ジョディはフレスコやラス・クランスノフらと共に本作の製作総指揮を担当。家族ぐるみの犯罪組織の女頭を主人公にした作品になるという。同局では、メアリー=ルイーズ・パーカー主演の「WEEDS~ママの秘密」が年内に、またローラ・リニー主演の「The Big C」(原題)が来年には放送を終了する予定で、女性を主人公にしたドラマ作品を模索していたようだ。ジョディはストッカード・チャニング、ローラ・ダーンらが出演した1998年のTV映画「The Baby Dance」(原題)でもShowtimeとタッグを組んでプロデューサーを務めている経緯がある。1991年の『リトルマン・テイト』、1995年の『ホーム・フォー・ザ・ホリデイ』、2011年の『それでも、愛してる』など映画監督も経験しており、今回のドラマでもその手腕に注目が集まりそうだ。
2012年08月15日このほど日本デビューを飾り、プロモーションのために来日中の韓流ボーカルグループ「2AM」のイム・スロンが1月16日(月)、都内劇場で自身が出演する映画『アコースティック』の舞台挨拶に登壇し、ファンの声援を浴びた。韓国で人気を誇るアーティストたちが数多く出演し、普段とはまた違った一面を見せていると話題を呼んだ本作。音が武器になりうるということであらゆる音楽が消えてしまった未来を舞台に、甘酸っぱい青春ラブストーリーが展開する。先日より「2AM」のほかのメンバーと共に来日しており、昨日はおよそ1万人のファンの前に登場しハイタッチ会を行なったスロン。この日も日本語で「2AMのイケメン、スロンです!」とノリノリで挨拶し、詰めかけたファンを沸かせた。映画では音の研究に励むちょっぴり頼りない大学生・ジフを演じているが、本作への出演を決めた理由について「僕にとっては初めての映画ですが、音やミュージシャンを扱っているということで興味を持ちました。ほかにもアーティストが参加しており、楽しく撮影できそうだったので」と明かした。ちなみに自身が演じたジフとの共通点を尋ねると「なかなか決断を下せないところは似てますね」と苦笑。一方で「(ジフのように)彼女のために仕事を断念するというのは違うかなと思ってます」と恋よりも仕事一筋であることを宣言し、ファンを安心させた。ちなみに、ほかのメンバーはわざわざ映画館に足を運んで本作を鑑賞したそうで、チャンミンとジヌンが漏らした感想について「電話で感想を聞かせてくれたんですが、電話がつながるや30秒ほどずっと受話器の向こうで笑い続けて、それから『キミじゃないみたいだったよ』と言われました。喜んでくれていたのか、おかしくて笑ってたのか分かりませんが…」と複雑そうな表情を浮かべていた。最後に詰めかけたファンに対し「これからも映画やドラマ、音楽で頻繁に日本を訪れたいです」と挨拶。最後まで黄色い声援はやむことなく、熱狂のなか舞台挨拶は幕を閉じた。『アコースティック』は2月4日(土)より全国にて公開。■関連作品:アコースティック 2012年2月4日(土)よりK’s cinema、第七藝術劇場、シネマスコーレほか全国にて公開© TimeStory Group Co.,Ltd
2012年01月17日韓国映画『ハウスメイド』の公開を記念して8月24日(水)、都内で開催された試写会にタレントのほしのあきがセクシーメイド服で登場。集まった報道陣からは昨夜、芸能界引退を発表した島田紳助についての質問が矢継ぎ早に飛んだ。本国韓国で大ヒットを記録した本作。金持ちの邸宅のハウスメイドが主人に求められるままに関係を持ったことをきっかけに、邸内に暮らす人々の様々な思惑が絡み合い、ドロドロの人間ドラマが展開していく。メイド服のほしのさんは「エプロンと胸元がポイント」とニッコリ。「衝撃的で想像以上にハマりました」と映画を絶賛し、主人公のメイドを演じたチョン・ドヨンについて「セクシーでドキドキしながら観てました。何をしているわけじゃないのに色っぽいんですよ」と羨望のまなざしを浮かべた。そう言うほしのさんも十分にセクシーで若々しいが、美の秘訣を尋ねられると「人に見られることが大事。ミニスカートをはいたり脚を出したりして人に見られて刺激を受けています」と明かしてくれた。劇中、メイドに強引に言い寄る主人(イ・ジョンジェ)については「草食系よりはこれくらいの強引さがあった方が好き。今回はやりすぎですけど(笑)」とほしのさん。もしも同じ展開になったら?との質問には「どうでしょう?意外とかわすのは上手なので(笑)。でも雇われの身だと委ねてしまうかも…。ドロドロは嫌なんですが」と思案顔だった。トーク後に報道陣の取材に応じてくれたが、昨夜、暴力団との交際を理由に引退を発表した紳助さんの件に質問は集中。「今朝ニュースで知ってびっくりした」というほしのさんは、「こうやって色んなところに出させてもらっているのも紳助さんがきっかけ。最初にTVに出たときに『27歳でグラビアやってるのは普通じゃないから、それをアピールした方がいい』と言ってくれた」と思い出を語り、「色々相談もさせていただいていたのでショックです」と心境を明かした。引退を決めたことについても「けじめを自分でつけたのは紳助さんらしいのかも。見られなくなるのはさみしいけど、これが最後ではなくまた会えると思う」と惜別の思いを語った。『ハウスメイド』は8月27日(土)よりTOHOシネマズ シャンテ、新宿ミラノほか全国にて公開。■関連作品:ハウスメイド 2011年8月27日よりTOHOシネマズ シャンテ、新宿ミラノほか全国にて順次公開© 2010 MIROVISION Inc. All Rights Reserved■関連記事:【シネマモード】『ハウスメイド』イム・サンス監督の“囚われない”映画づくりK-POPグループ「バニラルーシー」がメイドに変身?美脚と生演奏を披露!どちらを観る?両極端の“純愛”描く『ハウスメイド』&『サンザシの樹の下で』禁断の愛から始まる衝撃のサスペンス『ハウスメイド』試写会に10組20名様ご招待危険な家政婦に警告!女を知り尽くした女優、漫画家、作家らの強烈コメント到着
2011年08月24日韓国のみならず、世界が認める1960年の傑作韓国映画『下女』。上流階級の裕福な家庭に新しい家政婦がやってきたことで、上流階級の人々が持つ残酷さ、エゴイズム、強い性的な欲望が浮き彫りになっていく様子を描き、衝撃を与えたキム・ギヨン監督の作品だ。韓国国内で活躍する映画監督たちはもちろんのこと、ロマン・ポランスキーやミヒャエル・ハネケら世界の名匠たちにも影響を与えているとされるこの作品が、マーティン・スコセッシのサポートと韓国映像資料院の協力のもと、2007年にデジタルリマスターされ、翌年にはカンヌ国際映画祭に特別上映されたことで再び大きな話題となった。そして、これほどまでの世界的傑作をリメイクするという難題に挑んだのが、『ディナーの後に』、『ティアーズ』、『浮気な家族』などで世界的な名声を確立してきたイム・サンス監督。チョン・ドヨン、イ・ジョンジェら実力派キャストを迎え、伝説を進化させることに成功した彼に、本作へ寄せた思いを聞いた。「リメイクというのは常に前作を越えることが難しく、制限のある中で作品をつくらなくてはいけないということもあるので、監督をやらないかというお話をいただいた際は色々と葛藤や懸念はありました」。決断前の複雑な心境と、気持ちを変えていった要素について、隠すことなく口にしていくイム監督。「キム・ギヨン監督の『下女』は歴史に残る名作ですし、非常に熱狂的なファンの方も多い作品ですが、実は私自身はそこまで熱狂的なファンというわけではなかったからです。そんな私が引き受けていいものなのかと不安に思いました。さらに、これだけ称えられている作品をリメイクするとなると制限されることも多くなってくるでしょう。たくさん越えなければならないハードルがあることで葛藤も多かったのです。でも、脚本と演出について自由にやらせてくださるというお話をいただけたこと、さらには、“階級問題”というテーマをいまの時代に真っ向から取り扱うことは商業映画監督にはなかなかできないことであり、この作品ではそれができると思ったので、この作品の監督を引き受けました。目指したことも、この作品を通して“階級問題”を描くということでした」。本作に登場する特権階級の人々は、人間の欲望を象徴する存在として、物語に強い緊張感を与えていく。階級問題を通して見えてくる社会の不条理は、生々しくて恐ろしい。「過去の身分制度は終わり、私たちは誰もが平等な民主主義の時代を生きていると思ってしまっていますが、世界のどこかしらで、財産や職業、出身、国籍、皮膚の色等々を理由に未だ侮辱的な生活を強いられている人がいるのが現実です。一部の傲慢な特権(上流)階級の人々が遠慮なく侮辱をばら撒いていて、その侮辱を受け止めて苦しんでいる人々が世の中に散在しているのがいまの時代だと思います。そういうことを知ってもらうためにも、上流階級の人々を題材として取り上げました」。そう話す監督がこの物語を練り上げていく上で最もこだわったのは、“サスペンス”というスタイルだったそう。「制限された空間でたった6人のキャラクターと彼らのシンプルな関係性だけを用いて、どのように観客を興奮させ、映画に没頭させることができるか。そこにこだわりましたね。メイドは家主とこっそり関係を交わし、それが自分だけの秘密だと考えていましたが、メイドが気づかないうちに女主人の知るところとなり、女主人は怒りを感じる。このとき、観客はサスペンスというものを感じ始めます。メイドは一家に背信を感じて関係を終わらせますが、女主人はある陰謀を画策し始める。観客のサスペンスは増幅されます。陰謀によりメイドは恐ろしい目に遭う…。サスペンスは創り上げていくというより、様々な要素を絡み合わせていくことで生まれるものなので、面白さはそこにあると言えるでしょう」。陰謀に巻き込まれる純真なメイド・ウニを演じているのが、国内外で高い評価を得ている名女優チョン・ドヨン。監督は彼女に“一級の芸術家”と最高の賛辞を捧げている。「チョン・ドヨンには苦労をかけたと思います。彼女は、感情型(感情を大事にするタイプ)の女優ですが、私はその反対のところにいる演出家です。私は彼女にできるだけ感情を排除した形の演技を求めました。それは彼女にとって大変な苦痛だったと思います。あるとき、私の元に来て『どうしたらいいのか分からない。私は本当にウニになれているの?」と泣きながら訴えたことがありました。そんな迷いや葛藤も含め、彼女はウニそのものだなと感じていました。彼女でなければ、ウニは成立しませんでした。彼女はどんなときも素晴らしいです。撮影に臨む時点で、正確に100のものを持ってきます。でも私がそこに対して5つ変なことを言うんです(笑)。そうすると、彼女は駄々をこねたり、正面切って私を非難したりしながらも、撮影に入る時にはその5つを利用して再度プラス10をつくりあげ、110の状態で演じるんです。素晴らしい女優だなと感じました。今回はユン・ヨジョンさんやイ・ジョンジェさんという存在も、相乗効果として働いてくれましたね」。今回のインタビューでも、オリジナリティ溢れる言葉遣いで心情を披露し、優れた表現者たる風格を感じさせてくれた監督だが、映画的言語センスにも極めて優れていることは、本作を観ただけでもよく分かる。アメリカ映画やヨーロッパ映画を観て育ったという監督は、「実は、韓国映画をちゃんと観始めたのは20代を過ぎてからで、ほかのアジア諸国の映画を観始めたのは…監督になった後なんです。 映画監督としては、悲劇的ですね」と笑う。「十代の頃から映画監督になること以外は考えずに生きてきました。ただ、映画だけを愛して崇拝するということについては、違和感を覚えます。監督になろうと考えながらも、映画にただただ魅了されてきたのかというと、私はちょっと違うように思いますね」。映画監督を目指しながらも、映画だけに囚われない。そんな個性が、広い視野を育み、鋭い感性が溢れる豊かな映画作りへと反映されるのだろう。「今後は国際的な合作プロジェクトというものをやってみたいですね。日本や中国という近い国とのプロジェクトからやっていってみたいです」と、これからの創作にも意欲を燃やす。国境という枠に囚われず、より高く羽ばたくイム・サンス監督の創造性に触れる日が、もう既に待ち遠しい。(text:June Makiguchi)特集「どちらに溺れる?純女ヒロインの愛」■関連作品:ハウスメイド 2011年8月27日よりTOHOシネマズ シャンテ、新宿ミラノほか全国にて順次公開© 2010 MIROVISION Inc. All Rights Reserved■関連記事:K-POPグループ「バニラルーシー」がメイドに変身?美脚と生演奏を披露!どちらを観る?両極端の“純愛”描く『ハウスメイド』&『サンザシの樹の下で』禁断の愛から始まる衝撃のサスペンス『ハウスメイド』試写会に10組20名様ご招待危険な家政婦に警告!女を知り尽くした女優、漫画家、作家らの強烈コメント到着【シネマモード】この夏、恋愛偏差値を高めるなら…アジア発のこの二作
2011年08月22日“純愛ラブストーリー”とはよく聞く恋愛映画のキャッチフレーズだが、一言に“純愛”と言っても、どのポイントにその要素を感じるのか、また共感できるのかは人それぞれで異なるだろう。この夏、女性にお薦めする秀作、中国発のチャン・イーモウ監督『サンザシの樹の下で』と韓国発のイム・サンス監督『ハウスメイド』は、まさに両極端の純真ヒロインの愛と孤独を描いた作品。シネマカフェでは、公開に先駆けて両作品を鑑賞した女性読者を対象にアンケートを実施!全く異なる愛の形に、女性たちの反応は…?片や文化革命下の中国、片や現代の韓国と、国も時代も全く異なる2作。『サンザシの樹の下で』では、初恋をまだ知らぬ女子高生・ジンチュウと、誠実に彼女を見守り尽くす年上の青年・スンの身分違いの切ない悲恋を描き、『ハウスメイド』では、豪邸で暮らす一家に仕えるメイド・ウニと一家の主の禁断の愛、愛に翻弄される女の性と狂気を描いていく。身分違いという障害に阻まれながらも、純真さゆえの盲目の愛の形やヒロインの行動に、それぞれ異なる共感ポイントが見られた。『サンザシの樹の下で』を観終わった女性からは、「まさに『セカチュー』(『世界の中心で、愛をさけぶ』)でした。“初恋”を感じました」(27歳女性)、「主人公の人たちのかわいらしさ、“絶対少女”という言葉がすごく当てはまります」(55歳女性)、「結末が分かっていても涙が出てきました」(31歳女性)といった感想が寄せられ、「この映画で泣きましたか?」という質問では、ほぼ全員が「はい」と回答した。中でも「ラストシーンに号泣した」という声が多く集まった。一方、『ハウスメイド』を観た女性たちからは、一家の主をめぐる女性同士の嫉妬と狂気、そこから見えてくる人間の怖ろしい一面に「恐怖を感じた」という声が大多数。「ラストが衝撃的で、観ていられなかったです…。同じ女性として、同情するところがありました」、「人間の“怖ろしさ”はどこまで続くのか心配になりました」(51歳女性)、「トリッキーな雰囲気の中にも人間臭さを感じる、おもしろい作品でした。ラストはかなり衝撃」と、号泣のラストの前者に対して、こちらのラストは「衝撃」に尽きるそう…。そんな2作品の両極端の“愛”について、「キャッチフレーズをつけるなら?」と聞いてみたところ、『サンザシの樹の下で』については「一生に一度の愛」、「全てを受け入れる愛」、「永遠」と、男女の美しい無償の愛を表現する言葉が集まった。一方、ヒロイン・ウニがみせる狂気が強烈なインパクトを残していた『ハウスメイド』だが、ここで描かれる“愛”については、意外にも「正直で無垢」、「天使のような純粋な愛」、「優しいうさぎちゃん」と、恐怖よりも純粋無垢なヒロインを肯定する女性の共感が勝ったようだ。また、異なる純真ヒロインたちへの共感ポイントに加えて、尽くされる愛、翻弄される愛、どちらにより共感でき、許容できるかも観る人それぞれで分かれるであろう、この2作。ちなみに、読者に向けた「理想の愛は、追われる愛?追い求める愛?」との質問では、きれいに回答は半々に分かれる結果に。そして最後に、「劇場で観るなら誰と観たい?」と聞くと、2作品共に「女友達と一緒に観たい映画」と答える女性が大多数。女友達同士で、この2作品で描かれる愛の形について意見を交わしてみるのもおもしろいかも?『サンザシの樹の下で』は全国にて公開中。『ハウスメイド』は8月27日(土)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。特集「どちらに溺れる?純女ヒロインの愛」■関連作品:サンザシの樹の下で 2011年7月9日より新宿ピカデリーほか全国にて順次公開© 2010, Beijing New Picture Film Co., Ltd and Film Partner (2010) International, Inc. All Rights Reserved.ハウスメイド 2011年8月27日よりTOHOシネマズ シャンテ、新宿ミラノほか全国にて順次公開© 2010 MIROVISION Inc. All Rights Reserved■関連記事:禁断の愛から始まる衝撃のサスペンス『ハウスメイド』試写会に10組20名様ご招待危険な家政婦に警告!女を知り尽くした女優、漫画家、作家らの強烈コメント到着【シネマモード】この夏、恋愛偏差値を高めるなら…アジア発のこの二作巨匠チャン・イーモウが見出した若き才能!主演2人が語る心揺さぶられる純愛国生さゆり、幸せオーラ全開で来年のバレンタイン入籍を説明
2011年08月12日1960年に製作され伝説的な人気を博している傑作『下女』を、現代に新生させた映画『ハウスメイド』が27日(土)から日本公開されるが、主演を務めたチョン・ドヨンが本作で主人公ウニを演じた際の苦悩について語った。その他の写真『ハウスメイド』の主人公ウニは大邸宅にメイドとして働くことになった女性。彼女は、豪邸の主人と関係を持つようになるが、それを機に若き女主人、彼女の母、そして先輩メイドなど一見、豪華で穏やかに暮らしているかに見えた邸宅の人々の隠された関係と、その奥に潜むドロドロとした人間関係や欲望があらわになっていく。ドヨンは、演技派女優として世界の映画祭などでも高い評価を得ている人気女優。『ユア・マイ・サンシャイン』ではHIVに冒されながらも決死に愛に生きようとするヒロインを演じ、前作『シークレット・サンシャイン』ではわが子を失い、生きる意味を探して彷徨する女性を熱演。その実力は高く評価され、カンヌ映画祭では女優賞を受賞している。そんな“演技派”のドヨンが「精神的にもすごく苦しみながら演じた」と語るのが本作の主人公ウニだ。彼女は、従順なメイドでありながら、やがて狂気の愛へと身を投じていく多面的な魅力をもった女性。つまりそれはカメラの前に立つドヨンにとって、多面的な演技が要求されることになる。「撮影現場ではある日はドラマで、ぶったりぶたれたり、ある日はアクションでワイヤーを使ったり、ある日はベッドシーンがあったりと…1日1日があまりにもダイナミックで、まるでひとりで何役もこなしているかのように疲れました」。さらに彼女は撮影現場で“カンヌも評価した名女優”というプレッシャーとも戦わなければならなかった。「現場では“チョン・ドヨンだったらちゃんとやり遂げる”といった空気があり『私にはできません、苦しいです』といった弱音をはくのが難しかったのです。痛くても笑って、苦しかったら後ろを向いて泣いて…。周囲の人は私が全てを持っているというようなことをおっしゃったり、思ったりされるのですが、自分ではそんな風に感じたことがないし、何を持っているのか自分ではわかりません。出来ないことも多いんです。今回の現場でも、みなさんを失望させないためにいろいろともがいて必死でした」。「撮影中は、なぜイム・サンス監督の作品に出演しちゃったのかと何度も後悔しました」と笑顔で振り返るドヨンだが、本作の演技については「女優としてこんな風に難しいことに挑める時間が持てたことはとても幸せなことでした」と語る。一時は彼女に恨まれた(?)サンス監督も「ドヨンはまさに一級の芸術家だと思います」と賛辞をおくっている。世界が注目するドヨンが最新作『ハウスメイド』でどんな演技を見せているのか? 映画ファンならずとも気になるところだ。『ハウスメイド』8月27日(土)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
2011年08月05日ここに純粋無垢なヒロインがいます。1970年代初頭の中国に生きたジンチュウと、現代の韓国に生きるウニの二人。彼女たちが出会う運命の恋愛を描いたのが、中国の巨匠チャン・イーモウ監督の『サンザシの樹の下で』と、世界が注目する韓国人監督イム・サンスの『ハウスメイド』です。この二つの作品は、アジアが舞台であること、純真な女性が経験する身分違いの恋愛物語であること、という共通項はあるものの、実は全く異なる愛の形を描いているのです。『サンザシの樹の下で』の舞台は、文化大革命下の中国。国策により、農村での再教育に送られた高校生のジンチュウは、住み込んだ村長宅で、年上の青年・スンに出会います。家族と離れて暮らすジンチュウを何かと気遣い、好意を隠さないスンに、彼女は自然と惹かれていくのです。でも、地主階級の父と教師の母が反革命分子として迫害されているジンチュウにとって、この恋は絶対に許されないもの。愛を誓い、密会を重ねるのですが、時代、そして過酷な運命のいたずらによって、二人は試練を課されるのです。一方、『ハウスメイド』は、1960年に映画化されたキム・ギヨン監督の名作『下女』のリメイクですが、舞台は現代の韓国。主人公・ウニは、ある日、上流階級の家でメイドとして働くことになります。控えめなウニは、すぐに屋敷に溶け込みますが、自分の欲望に素直であるという純粋さを持つ彼女は、屋敷の主人・フンに誘惑されるとすぐに彼を情熱的に受け入れてしまいます。それが、大変な事態を招くとも知らずに。いずれも、ずばり悲恋です。でも、ジャンルとしては同じ悲恋物語でも、温かい想いも残してくれるのが『サンザシの樹の下で』であり、欲深い人間の恐ろしさを感じさせるのが『ハウスメイド』。後味が全く違うのです。もちろんヒロインの性格は違いますし、国、時代、文化、ヒロインの年齢、立場も違いますが、恋愛的な視点から二人に最も大きな違いをもたらしたのは、相手の男性にほかなりません。ジンチュウにはどこまでも優しく、「いつまでも待つ」と言ってくれる愛に満ちたスンがいて、ウニの相手となったのは、使用人と肉体関係を結んでも何の罪悪感のかけらもなく、奪うも捨てるも気ままなフン。どちらの男性も社会的にはエリートですが、すべての行為が愛から生まれているスンと、欲望から生まれているフンでは、相手の女性の運命も大きく変わってしまうというもの。似ているのは、名前の響きぐらいなものなのです。ジンチュウとウニが出会った恋愛の種類が、純愛と性愛の違いだったとことも大きかったのかもしれませんが、それはやはり相手あってのこと。女の人生は男次第とよく言ったもの。現代に生きる、自分の運命を切り開くことができる立場の女性ですら、関わり合った男性次第で天国にも登れるし、地獄にも落とされますからね。これは、実際に目撃済みですから、私だって断言できます。ただ、ひとつ言えることは、どの男性を選ぶかだってその人次第だということ。初恋で素敵な男性に出会えて美しい時間を過ごすことのできたジンチュウは、ある種の幸せを手にした女性と言えるでしょう。でも、ウニについては、女に敬意を払えず尊重もできないフンと、外れクジを引いている様子。それも、それぞれが持つ“男を見る目”の違いゆえなのでしょう。映画の中で、ジンチュウとウニの言動、スンとフンの言動を比べてみると、男を見る目の違いとはどういうものかがはっきり見えてくるのも興味深い。この二作を見比べてみて、「私はどちらのタイプかしら…」とか「私の相手はどちらのタイプ?」とか、ちょっと客観的に自分自身の恋愛を見つめてみるのもいいのではないでしょうか。永遠に続く純愛か、刹那的な性愛か。どちらを好むか、どちらを選ぶかは個人の自由ですが、愛の違いがくっきりとわかる『サンザシの樹の下で』と『ハウスメイド』を並べてみると、自分の恋愛の好みがはっきりするはず。とはいえ恋愛は、頭でするものではなく、心でするものですから、自分を大切に思ってくれる人と出会いたいと思っていても、つい性悪な男を好きになるというタイプの女性もいることでしょう。実は、そんな女性の目を覚まさせてくれるヒントも、この二作の中には潜んでいます。というわけで、恋のドツボにはまってしまった乙女たちにこそ、この二つの悲恋物語をダブルでお勧めしたいもの。ジンチュウとスン、ウニとフンという二組の男女を観察して、より幸せな愛を見つける恋愛偏差値をぐんと高めてみてください。(text:June Makiguchi)特集「どちらに溺れる?純女ヒロインの愛」■関連作品:ハウスメイド 2011年8月27日よりTOHOシネマズ シャンテ、新宿ミラノほか全国にて順次公開© 2010 MIROVISION Inc. All Rights Reservedサンザシの樹の下で 2011年7月9日より新宿ピカデリーほか全国にて順次公開© 2010, Beijing New Picture Film Co., Ltd and Film Partner (2010) International, Inc. All Rights Reserved.■関連記事:巨匠チャン・イーモウが見出した若き才能!主演2人が語る心揺さぶられる純愛国生さゆり、幸せオーラ全開で来年のバレンタイン入籍を説明恐ろしいほどの愛情『ハウスメイド』女性限定試写会に10組20名様ご招待300万人が涙した実話を映画化『サンザシの樹の下で』試写会に10組20名様ご招待究極の純愛に涙!女性限定『サンザシの樹の下で』特別試写会に10組20名様をご招待
2011年07月13日今月27日、スペイン版のウォーク・オブ・フェイムが首都マドリッドに誕生し、ペネロペ・クルス&ハビエル・バルデム夫妻をはじめ、スペインを代表する映画関係者25人の名前が刻まれた星型のプレート除幕セレモニーが行われた。夫妻を何度もキャスティングしてきたペドロ・アルモドバル監督もスペイン映画アカデミー創立25周年を記念したこのイベントに出席。マドリッドの中心地にあるマルティン・デ・ロス・エロス通りは周辺にアートハウス系の映画館や映画関連書店が多い、映画ファンにはなじみある場所だ。ハリウッドでも活躍中のアントニオ・バンデラスや女優のマリサ・パレデスなど俳優16人、アレハンドロ・アメナーバル、カルロス・サウラ、いまは亡きルイス・ブニュエルなどスペインを代表する監督9人の計25人のプレートが設置されたが、今後も年に1、2枚ずつプレートを増やしていく予定だという。(text:Yuki Tominaga)写真はセレモニーの様子。右からハビエル・バルデム、ペネロペ・クルス、ペドロ・アルモドバル監督。© Splash/AFLO■関連作品:ドン・ジョヴァンニ天才劇作家とモーツァルトの出会い 2010年4月10日よりBunkamuraル・シネマ、銀座テアトルシネマにて公開© 2009: Edelweiss Production (Italia), Intervenciones Novo Film 2006, AIE e Radio Plus (Spagna)アレクサンドリア 2011年3月5日より丸の内ピカデリーほか全国にて順次公開© 2009 MOD Producciones,S.L.ALL Rights Reserved.長ぐつをはいたネコ 2012年、全国にて公開PUSS IN BOOTS (R) and © 2011 DreamWorks Animation LLC. All Rights Reserved.抱擁のかけら 2010年2月6日より新宿ピカデリー、TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開© Juan GattiEl Deseoパイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉 2011年5月20日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.BIUTIFULビューティフル 2011年6月25日よりTOHシネマズ シャンテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開© Menageatroz S. de R.L. de C.V., Mod Producciones S.L., Ikiru Films S.L.■関連記事:『カーズ2』全米初登場1位!初日興収はディズニー/ピクサー史上第2位!【ハリウッドより愛をこめて】公開直前、期待と混乱?ゆれる『ハリポタ』ファン【ハリウッドより愛をこめて】セレブ妊娠ブーム到来?最もセクシーな彼女の相手は…ハビエル・バルデム主演!『ビューティフル』試写会に20組40名様ご招待和製ジャック・スパロウを演じてほしい俳優1位は水嶋ヒロ!キムタクらもランクイン
2011年06月29日ハウスメイドとの不倫に隠し子発覚…といえば、先日のアーノルド・シュワルツェネッガー前カリフォルニア州知事をめぐる泥沼離婚劇が連日ゴシップを賑わせているが、そんな中、多額の慰謝料では決して済まされない(?)、狂気の復讐ドラマが韓国から誕生した。その名も『ハウスメイド』の最新予告編が、シネマカフェで先行解禁となった。主人公は無口で従順なメイド、ウニ。上流一家に仕えるためにやってきた彼女だったが、一家の主から求められるままに関係を持って以来、次々とこの家で不可解な出来事が起こり始める。無垢で危ういウニの存在が一家の本能を誘い出し、それぞれの野望を賭けた駆け引きが繰り広げられる――。巨匠マーティン・スコセッシもリスペクトする、故キム・ギヨン監督による傑作『下女』(’60)を、『浮気な家族』、『ユゴ 大統領有故』などで高い評価を受けるイム・サンス監督がリメイク。昨年のカンヌ国際映画祭での上映を皮切りに、世界各国の映画祭で喝采を浴びた本作。主人公のメイド、ウニを官能的な魅力たっぷりに演じるのは、韓国映画界を代表する女優のひとり、チョン・ドヨン。無垢でいながら、やがて狂気に翻弄されていくさまに注目したい。これを観たらシュワルツェネッガーも、身につまされるどころではない…?緊張感あふれる予告編映像をまずはご覧あれ。『ハウスメイド』は8月、TOHOシネマズ シャンテ、新宿ミラノほか全国にて順次公開。※こちらの予告編映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:ハウスメイド 2011年8月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2010 MIROVISION Inc. All Rights Reserved
2011年06月02日