岡山県の倉敷にある美観地区、様々な映画やドラマで使われるこの町並みはどこを取ってもフォトジェニック。そして実は各地からのアクセスも良好。そんな倉敷美観地区にこの秋は行ってみませんか? 今回は町の魅力を支える人たちをご紹介します。近くて魅力がいっぱい倉敷美観地区岡山県倉敷市は江戸時代には幕府の天領として栄えた場所。なかでも「倉敷美観地区」は一歩足を踏み入れると美しい町並みと懐かしさが感じられます。また、和と洋が入り混じる古きよき日本の町並みとして、伝統的建造物群保存地区にも指定されています。2014年には電線の地中化工事も完了し、電線に邪魔されない町並みと空を楽しむことができるのです。観光客は年間340万人以上! 新幹線と在来線を使って東京から3時間半、大阪から1時間半、博多から2時間少々、と本当に近い。少し早起きをしたら日帰りも可能な近さ。小旅行にもぴったりですね。そんな倉敷美観地区には見所が満載。格子窓の歴史的な町家やなまこ壁の蔵、船流しや世界的な照明デザイナーによるライトアップ、エル・グレコの「受胎告知」やクロード・モネの「睡蓮」など世界的な西洋美術のコレクションが見られる大原美術館… など。どれもが歩いて見てまわれる距離にあります。しかし今回は、ガイドブックには載っていない、美観地区を守る人たちのお話を伺いました。 新しいことにチャレンジしながら古きを守る人々「美観地区はいつ来てもイベントがありますね」と言われることが多いそうです。そしてそれらの大小のイベントはそれぞれ町の有志の発案であったり、観光局が主催であったり、自治体の主催であったり、小さな町のカフェやレストランの企画であったり… 町全体で情報を発信していることに驚かされます。そして、いま、若い世代も町の魅力作りに大きな力を発揮しています。美観地区の中には町屋をリフォームして作られたおしゃれなカフェがたくさんあります。そこで人気の自家焙煎コーヒー店を営む小林恭一さんに、美観地区との関わり方を伺いました。「美観地区は一つの組織が町を作っているわけではなくて色々なグループがイベントを企画しているんです。活性化にはまず自分たちも楽しまないといけないと思います。いま、自分が作りたいのは “音楽を奏でる町” です。倉敷には音楽大学もありますが、あまり披露する場所がないのが現状です。これからは若い人たちが発信する場やチャンスを作って行く事も大事だと思います。ふっと来て音楽を奏でる場があってもよいと思うんです。自分が出来ることは若手のミュージシャンや地元のアーティスト、作家さんなどにお店の空間を提供して、より多くの人に知ってもらい楽しんでもらうことだと思います」またもう一軒所有している店舗でも、小林さんの発案で地元の大学生たちが週末のカフェ経営にチャレンジをしています。「経営からコーヒーの基本的な入れ方などの指導はしましたけど、今ではメニュー作りからお店のコンセプトも学生たちに任せています。何かやりたいという気持ちは形にしていけるようにしてあげたいんです。自分がやりたいのはどちらかと言うと昔ながらの喫茶店。コーヒーを楽しむ場所ではあるけれど、人とのつながりが持てる場所、ハブのようにみんなのアイディアの拠点になればいいなって思います」 魅力の源は暮らす人々にありこの町の魅力は観光用に作りこまれているのではなく、そこで暮らす人々の “本物の生活の息遣いを感じることができる” ことでもあります。実は美観地区の中にはコンビニエンスストアがありません。立ててはいけないと言う条例は無いそうなのですが、住民が美観地区の中には必要がないと感じるからなのだそうです。「美観地区にはコンビニや夜型の飲食店はないのは、人がまだちゃんと住んで生活をしているから。もしここが繁華街のようになったら、生活している人たちや年寄りが町から出て行ってしまう。今まだこれだけの建物が並んで観光客の人たちにも一日楽しんで過ごしてもらえる場所はそうない、だからこそ暮らしているもの同士のコミュニケーションは大事。この町を人が住まない映画村のようにしてはいけんとおもうんよ」と話してくれたのは、美観地区の中で奥様と二人で国内外の木工おもちゃなどを取り扱うおもちゃ屋「伊勢屋」の店主であり、「倉敷伝建地区をまもり育る会」の事務局を務める角谷義浩さん。角谷さんがメンバーとして力を入れているもののひとつに「倉敷町家トラスト」があります。倉敷町家トラスト代表理事・中村泰典さんによると、空き家になってしまった建物をただ朽ちさせてしまうのはもったいない。『まちに灯をともす』を合言葉に、美観地区周辺にすむ住民など、市民有志によって発足したNPO法人で、美観地区の町家を現代的で機能的に再生させて、訪れた人たちが快適に暮らすように滞在できる施設を作っています。そうすることによって、地域の生活文化が継承されると同時に美しい景観を保つことも可能になりました。「丁寧な暮らし」を町屋で学ぶまた倉敷町屋トラストが中心になって去年から毎年10月に行っているイベント「備中 no 町家 de クラス」はなんと期間中に50近くのプログラムを美観地区を中心に備中の各地の町屋などで体験することができます。中村さんにイベントを始めたきっかけを聞いたところ「ハードだけでは魅力はちゃんと伝わらないからソフトの面でも伝えて行こうと思いました。特別なものはないんやけど、当たり前の町屋生活の文化、これをわしらの世代、50代、60代がもうすでに知らない、そうすると次の世代に引き継げない。自分が知らないことは次には繋げられない。例えば黒竹とモス地から “はたき” を作る講座もありますが、もうハタキは使わない人が多いでしょう? でも、はたきを知ることで丁寧な掃除を知ることが出来るんです。特別な伝統文化ではない何気ないことを知ることって大事なんだと思います。“丁寧な暮らし”をもう少しやってみるのも良いんじゃないかと思います。」ただ形だけの保存ではなく、自分たちの生活もしっかりと大切にしているからこそ美観地区は “本物の魅力” に溢れています。倉敷美観地区で生活する方々のお話から今回強く感じました。ガイドブックには載っていない暮らす人たちの思いや “丁寧な暮らし” を感じに行ってみませんか?取材協力/koba coffee 倉敷川店住所:岡山県倉敷市本町5-27TEL:086-425-0050時間:10:00~18:00定休日:火曜(祝日の場合は営業) 伊勢屋住所:岡山県倉敷市本町4-5 TEL: 086-426-1383時間:9:00~19:00定休日:月曜 倉敷町屋トラスト住所:岡山県倉敷市東町1-21 イベント「備中 no 町家 de クラス」開催期間:10月23日~11月3日
2015年10月02日© Bangkok Art and Culture Centre気軽にタイのアートシーン最先端に触れるなら「バンコク・アート&カルチャー・センター(BACC)」へ。ここは2008年、13年の構想を経てオープンしたアートスポット。真っ白な外観と、らせん状の内部がニューヨークのグッゲンハイム美術館を思わせる特長的な建物。館内にはタイのコンテンポラリーアートがインタラクティブな形で展示されている。ギャラリースペースに加えてショップ、ライブラリー、カフェも併設。美術企画展のほか、音楽や詩、演劇パフォーマンス、映画や文学に関するセミナー、キッズ向けワークショップも行われ、タイのアート好きが集まる。© Bangkok Art and Culture Centre館内は2つのエリアに分かれていて、企画展が開催されるメインギャラリーは上層階の7階、8階、9階に位置。1階には250席のイベントホールと、一休みにぴったりなおしゃれなカフェ「Gallery Drip Coffee」。広くはないが、バリスタが一杯ずつ丁寧にいれてくれ、美術鑑賞の合間はもちろん、近隣でショッピングに訪れた観光客の涼み処としても人気。2階に市民ギャラリーとショップ、3階にもまたショップがあり、4階、5階にはスタジオやミーティングルーム等がある。複数あるショップにはタイをモチーフにしたものや若手作家が手掛けたグッズもあるので、ユニークなお土産が見つかるかも!© TRIPPING!エスカレーターでメインギャラリーまで上ると、象徴的ならせん状のギャラリーと吹き抜けが眼下に広がり、定番のフォトスポットでパシャリ。ぶらり訪れてみるのも良いが、展示の内容は幅広いので、情報を事前にチェックしておくのも良い。さらに地下のアートライブラリーでは、アート関連本や企画展のプログラムを閲覧することが可能。ファミリーには嬉しいキッズコーナーもある。© TRIPPING!マーブンクローン・センター(MBK)、サイアム・ディスカバリー・センター、サイアムスクエアのある交差点の一角にあり、BTSナショナルスタジアム駅直結、サイアム駅CENからも徒歩約5分とアクセスも便利。入館無料なので、ちょっと時間が空いたら気軽に立ち寄ってみて。© Bangkok Art and Culture Centreバンコク・アート&カルチャー・センター(Bangkok Art and Culture Centre (BACC))・住所:939 Rama1 Road, Wangmai, Pathumwan, Bangkok 10330・利用時間:10:00~21:00(月休)・利用料金:無料
2015年07月30日そろそろ夏休みが視野に入ってきましたね。ヴァカンスといえば旅! 旅には常に憧れがありますが、ただの観光旅行ではない、アラフォーだからこそ愉しめる、一癖も二癖もある旅にまつわる映画で、一足早いヴァカンスを体験してみませんか? 旅先では、どこに宿泊するかが重要な要素。大人だから味わえるホテルライフの魅力は、私たちを非日常へと誘ってくれるはず。今回は、「ホテル」がキーワードの映画3本をご紹介しましょう。それでは、行ってらっしゃい! Bon Voyage♪世界のラグジュアリーホテルを満喫▼はじまりは五つ星ホテルから監督:マリア・ソーレ・トニャッツィ出演: マルゲリータ・ブイ、ステファノ・アコルシ、レスリー・マンヴィル 40歳、独身。職業は超高級ホテルの覆面調査員。仕事は5つ星、でも私生活は1つ星…!?と紹介される主人公は、ローマ在住のアラフォーど真ん中、イレーネ。世界に名だたる5つ星ホテルが、星の数にふさわしいサービスを提供しているかどうを調査するため、彼女が実際に宿泊して世界中を巡るという、そこだけ聞くと夢のようなストーリーです。そこに、彼女が独身でいることを心配する妹で、二人の娘を持つシルヴィア、元婚約者だけれど今は親友化していて、若い女性と“できちゃった婚”しそうなアンドレア、旅先での出会いと別れなどが重なり、自分の生き方を模索しながらドラマティックに物語が展開していきます。世界80ヶ国、430軒以上のホテルが加盟するザ・リーディングホテルズ・オブ・ザ・ワールドの協力のもと、フランスのオテル・ド・クリヨン、イタリアのフォンテヴェルデ・タスカン・リゾート&スパ、スイスのグシュタード・パレス、モロッコのパレ・マラケシュなど、実在ホテルでのロケが眼福です。ホテルの従業員に“ミステリーゲスト”と畏れられるホテル調査員の“秘密のチェック10項目”に従って、映画を観るのも一興かも。魅惑のインドで繰り広げられるドラマと、心に響く言葉たち▼マリーゴールドホテルで会いましょう監督: ジョン・マッデン出演:ジュディ・デンチ、ビル・ナイ、トム・ウィルキンソンイギリス人の熟年男女7人が、インドの豪華リゾートホテルで魅惑の日々を…という謳い文句に惹かれて来てみたら、将来、豪華になる“予定”の個室に扉もないホテルだった…という地味~な設定なのですが、これが予想を裏切るおもしろさ!インドの異文化の渦に飛び込んで、違和感からすぐイギリスに帰りたいと嘆く人、あちこちを訪れて現地に溶け込もうとする人、インドに特別な思いを持つ人など、7人の反応は様々。これって、私たちの普段の生活にも当てはまりませんか? そして、初めての長旅だけれど「何事もチャレンジ! 何事も楽しまなければ!」という姿勢を持つ主人公イヴリンを、オスカー女優のジュディ・デンチが好演。悲喜こもごもが織り成されます。それぞれのドラマと、インドの光、色彩、動物、すさまじい数の人々、子供たちの笑顔などが交じり合い、「“生”を権利ではなく、恩恵と思うインドが心に響いた」と語る登場人物の言葉がそれこそ心に響いたり、同じく「リスクを嫌って冒険を避ける者は何もせず、何も得ない」という言葉に考えさせられたり。インドは、“インドに呼ばれた人しか行けない”…と聞いたことがありますが、この映画を観て、初めて行ってみたくなりました。ミステリーに巻き込まれる“伝説のコンシェルジュ”▼グランド・ブダペスト・ホテル監督:ウェス・アンダーソン出演: レイフ・ファインズ、エイドリアン・ブロディ、ウィレム・デフォー、ジュード・ロウヨーロッパ最高峰と謳われたグランド・ブタペスト・ホテルの“伝説のコンシェルジュ”グスタフ・Hが主人公。高齢マダムの夜のお相手までこなすプロフェッショナルですが、ある日、彼の長年のお得意様、マダムDが殺されたことから事件に巻き込まれて…。ヨーロッパ大陸を逃避行しながら真犯人を探す、というミステリータッチのストーリー。愛弟子のベルボーイ、ゼロの協力と、コンシェルジュの秘密結社ネットワークを駆使するグスタフ。危機一髪のときに電話で助けを求めると、世界の高級ホテルのコンシェルジュたちがどんなVIPと応対中でも、彼の電話には出るシーンにワクワクしました。美しい風景に囲まれた優雅なホテルのインテリアとゴージャスな衣装にうっとり。主演のレイフ・ファインズはじめ、エイドリアン・ブロディ、ウィレム・デフォー、ジュード・ロウ、ティルダ・スウィントンら豪華スターが勢揃い。ウェス・アンダーソン監督らしいポップなスパイスも効いて、見どころ満載。まさに5つ星のミステリーコメディです。この3本で、忘れられない旅のホテルをぜひ堪能してください。・ 「はじまりは五つ星ホテルから」 ・ 「マリーゴールドホテルで会いましょう」 ・ 「グランド・プダペスト・ホテル」
2015年06月29日日本最先端の女子カルチャーがタイ・バンコクにお目見え2011年に始まった東京を中心に活動する若手女子クリエイターによるカルチャーイベント「シブカル祭。」を起点とする「SHIBUKARU MATSURI goes to BANGKOK」が、タイ・バンコクのThe Jam Factoryにて2015年6月19日から28日まで開催中。2011年に始まった東京を中心に活動する若手女子クリエイターによるカルチャーイベント「シブカル祭(まつり)。」が初めてバンコクで開催される。会場となるThe Jam FactoryThe Jam Factoryは古い倉庫をリノベーションした場所で、現在ではサブカルの聖地として若者が集う憩いの場所シブカル祭。がバンコクで魅せる表現愛☆まどんなライブペインティング(レセプションパーティーにて)「シブカル祭。」は、2011年に始まったパルコのカルチャーイベント。毎年10月、渋谷パルコ全館を舞台に約10日間にわたって開催される本イベントには、アート、ファッション、音楽、パフォーマンスなどあらゆるジャンルから、この4年間でのべ800名以上の女子クリエイターが参加している。今回バンコクで開催されるSHIBUKARU MATSURI goes to BANGKOKには「シブカル祭。」参加クリエイターの中でも特に人気と評価の高い東京の女子クリエイター10組と、バンコクの女子クリエイター7名が参加。アートだけではなく、音楽、ファッション、映像など、ジャンルにとらわれない日タイの才能溢れる多彩な若手女子クリエイターの表現をここで発表している。展示スペースのようす東京・渋谷発女子クリエイティブをバンコクで紹介することで、女子カルチャーの種を蒔くと共に、両都市クリエイターのコラボレーションから新しい文化が生まれることをサポート。更には日本から海外へ飛び出す女子クリエイターに対して刺激的なイベントとしたいという想いが込められている。女子カルチャーの見どころキュンチョメの作品本イベントの見どころは、日本から参加したキュンチョメ、安原杏子a.k.a青椒肉絲が約1ヶ月バンコクに滞在して創り上げた新作、そして日本とタイの最旬のカルチャーが凝縮された作品の数々。正に“カルチャー”を実感できる展示は、感性を刺激するものばかり。Ly ライブペインティング(レセプションパーティーにて)カルチャーを通じて繋がる世界来場者との記念撮影(レセプションパーティーにて)世界は一つであり、カルチャーを通じてより一体化する。女子の計り知れないエネルギーと内部に起こる混沌とした心情、女子だからこそ表現できる芸術。日本とタイの若手女子クリエイターを通じて、 アジアの女子が共同で共有し創造する、日本最先端の女子カルチャーにバンコクで触れてみてはいかがだろうか?参加クリエイターたち(レセプションパーティーにて)イベント詳細・イベント名:SHIBUKARU MATSURI goes to BANGKOK・開催期間2015年6月19日~ 28日11:00-20:00・会場: The Jam Factory (Charoennakorn Rd., Klingsan Bangkok Thailand 10600)・入場料: 無料・主催: RCKT/Rocket Company*、PRACTICAL Design Studio、国際交流基金バンコク日本文化センター・協力:PARCO 、The Jam Factory、a day magazine、happening magazine、Somboon Seafood、Hoegaarden©all photos by SHIBUKARU MATSURI goes to BANGKOK
2015年06月23日昨今の日本美術ブームをうけて、江戸のポップアートと称される「浮世絵」に注目が集まっています。2014年に開催された「大浮世絵展」は、3館(江戸東京博物館、名古屋市博物館、山口県立美術館)で来場者数約38万人という大盛況ぶり。また葛飾北斎(かつしかほくさい)や娘の葛飾応為(かつしかおうい)を描く、杉浦日向子原作の漫画「百日紅」(さるすべり)が映画化されるなど、どうも“浮世絵”がキテいる感じなのです。そこで浮世絵専門美術館の太田記念美術館で、浮世絵の魅力や楽しみ方、一万四千点もの所蔵作品から大人女子に観て欲しい浮世絵を教えていただきました。江戸市民が生み育てた芸術だから大人女子が共感する部分も多い浮世絵は、江戸市民が生み育てた芸術。だから描かれた題材に親近感や共感が持てることが魅力のひとつだと言います。浮世絵には、様々な江戸が表現されていますが、なかでも多いのは美人画、風景画、役者絵の3つの題材です。美人画には、美人の変遷がわかる楽しみがあります。髪型はもちろん、顔の造作やたたずまいが時代によってまったく違うのが面白い。また吉原の花魁を描いたものだけではなく、真剣にお化粧をする町娘、浴衣で夕涼みする色っぽい芸者、旬ものをおいしそうに食べる遊女、など江戸市民の日常を描いた作品も多いのです。今と変わらぬ江戸女の日常を観ているとなんだか親しみが湧いてきます。美人画を画期的な手法で表現したのが喜田川歌麿(きたがわうたまろ)です。彼は、胸元から上をクローズアップする手法(大首絵)をはじめて美人画に用いた浮世絵師。表情には心の機微まで表現された美人画は、庶民の心をつかみ爆発的に売れたと言われています。「百日紅」で北斎宅の居候として出てくる溪斎英泉(けいさいえいせん)。「百日紅」では葛飾応為に絵が下手と揶揄されたこともある英泉ですが、美人画の名手として名を馳せます。ちょっとあだっぽい美女がお得意。高価な紅を重ねづけて玉虫色に光らせる笹紅に、眉をつくっている女性の姿を観ていると、ふわっと白粉の香りが立ち上ってきそうです。今の風景と重ねる面白さ風景画で江戸へタイムトリップ美人画や役者絵より後に人気となった風景画。地名が記されているので、今の風景と重ねる楽しさがあります。歌川広重が描く江戸の名所絵を観ていると、赤坂は桐畑だったこと、浅草寺や日本橋は今と同じく賑わっていたこと、江戸ではどこでも富士が見えたことなど、発見だらけ。大きく変わった町並みや光景と重ねながら、江戸の町へタイムトリップができちゃいます。描き損じの絵に囲まれた家で暮らし、ゴミ屋敷になるたび引っ越しを繰り返したとされる葛飾北斎(かつしかほくさい)。そんな暮らしから生まれたとは思えぬ、ダイナミックで斬新な構図の「冨嶽三十六景」シリーズ。特に波と富士山の色と形のバランスがすばらしい「神奈川沖浪裏」は、ひと目見たら忘れられない作品です。北斎の風景画と並び称される歌川広重(うたがわひろしげ)。力強い筆致の北斎に対して、抒情的な表現が持ち味です。なかでも雨、雪、夜景を描いた作品には、秀作が多いといわれます。「名所江戸百景 日本橋雪晴」は、雪が降った翌日の晴れ渡る江戸市中が描かれた作品。真っ白な富士を愛でながら雪かきする江戸市民の姿が浮かんできます。一枚の浮世絵を通して江戸の人々との対話を楽しみたい役者絵は、江戸市民のアイドルだった歌舞伎役者が描かれたもの。昔から市川団十郎は目が大きく、松本幸四郎は彫の深い顔立ちなど、今に続く名跡の顔や雰囲気が似ている点を探しだすのが面白い。ほかにも愛らしい動物、恐ろしい妖怪、事件や風俗が描かれた浮世絵からは、江戸市民が何に興味を持ち、どんなことを楽しんだのかがわかります。絵を通して彼らと対話している気分になってきます。赤穂浪士の仇討は「仮名手本忠臣蔵」として歌舞伎や人形浄瑠璃で演じられ、その物語は江戸の人々を熱狂させました。この作品の役者絵は数多いのですが、役者を蛙に描き変えた奇才・歌川国芳(うたがわくによし)の「蝦蟇手本ひやうきんぐら」は観ておきたい一枚。ユーモアセンスや批評眼に優れた国芳は、動物などを人に見立てた作品が多く、大の猫好きだったので猫の浮世絵が数多くあります。明治初期の作品ですが、四代目・歌川国政(うたがわくにまさ)「しん板猫のそばや」は、猫が蕎麦屋で楽しむ様子を描いた浮世絵。かけともりが八十文であること、膳の上で食べていること、当時の蕎麦屋が見える一枚ですね。ご紹介した浮世絵ですが、雑誌や書籍ですでに観たことがある作品かもしれません。しかし絵の迫力、摺り色の妙、彫の細やかさ、は印刷物ではなかなか伝わりにくいもの。また浮世絵は退色もしやすいため、保存状態のいい本物の作品に触れて欲しいと思います。今キテいる、江戸のポップアート“浮世絵”を観に行きませんか。取材協力/太田記念美術館東京都渋谷区神宮前1-10-10 03-5777-8600(ハローダイヤル)開館時間:10時30分~17時30分(入館は17時まで) 一万四千枚の所蔵作品を持ち、常にオリジナリティの高い展示を仕掛けている太田記念美術館。大盗賊や悪女、侠客を題材にした「江戸の悪」展(2015/6/2~6/26)や「浮世絵の戦争画」(2015/7/1~7/26)が近日開催予定。
2015年06月22日ユニクロは松竹と協業し、日本を代表する伝統芸能である「歌舞伎」を、服を通じて現代のポップカルチャーとして世界に発信する「松竹歌舞伎×ユニクロ プロジェクト」を始動。20日より順次世界に向けて展開する。○市川猿之助が監修同コレクションは、日本の伝統文化を、本物のジャパンポップカルチャーとして体現するため、ユニクロのUTクリエイティブディレクターであるNIGO氏が最適なデザイン、ボディ、素材を考え、歌舞伎の殿堂・歌舞伎座を運営する松竹と市川猿之助氏監修のもと商品を完成させた。多彩な演目から生まれたユニークな衣裳デザイン、歌舞伎独特の化粧法である隈取に加えて、プロジェクトアンバサダーである猿之助氏の屋号「澤瀉屋(おもだかや)」(※瀉のつくりは「わかんむり」)にまつわる紋や文様など、歌舞伎のアイコニックなモチーフをベースに、UTやSTETECO&RELACO、バンダナ、ストール、トートバックまで、全9種64型を展開する。中心となるTシャツコレクションでは、本物の衣裳を着る時のような感覚で身に付けてほしいという思いから、歌舞伎の代表的な演目で用いられている衣裳、独特の化粧法である隈取(くまどり)など一つ一つのモチーフや柄を、それぞれに込められた意味や特徴を忠実に再現し、色、素材、ディテールまで表現した。たとえば、歌舞伎の演目「お祭り(おまつり)」で使われる衣裳を元にしたTシャツでは、猿之助氏を表す紋である「三つ猿」をモチーフに使用。実際の衣裳と同じ「首抜き」と言われるデザインで、「三つ猿」の紋の中心をあえて少しずらして施すことで、粋なデザインに仕上げている。「黒塚(くろづか)」のTシャツでは、猿之助氏がみずからの汗と共に布に写しとった隈取をそのまま再現。写し取られた化粧を原寸で使用し、隈取の躍動感やかすれを忠実に表現する為、4色の異なる色を少しずつ重ねる事で、絶妙なかすれ具合を実現させたという。その他、「車引(くるまびき)」「身替座禅(みがわりざぜん)」「茨木(いばらき)」「天竺徳兵衛新噺(てんじくとくべえいまようばなし)」など歌舞伎の演目に登場する衣裳、文様などを元にした商品も展開する。同コレクションの発売を記念し、26日、ユニクロ銀座店オープン時(開店時間11時)に猿之助氏が登場。当日並んだ人先着100名に、猿之助氏の隈取を施したオリジナルの手ぬぐいをプレゼントする。さらに、全国のユニクロ店舗、およびオンラインストアにて、同商品を含め5,000円以上(税別)購入者に、先着でオリジナル扇子をプレゼントする。商品ラインナップは、「メンズTシャツ(16色15柄)」「ウィメンズTシャツ(10色9柄)」「ウィメンズチュニック(4色4柄)」が各1,500円、「ステテコ(6色6柄)」「リラコ(6色6柄)」が各1,290円、「ミニバック(4色4柄)」が990円、「トートバック(4色4柄)」が1,500円、「ストール(5色5柄)」が1,500円、「バンダナ(8色8柄)」が500円。※価格はすべて税別価格
2015年03月14日パイオニアは、世界中のクラバー・DJ・クラブを音楽でつなぐクラブカルチャー・エンターテインメント・サービス「KUVO(クーヴォ)」を公開した。同サービスでは、専用無料アプリ「KUVO App」やWebサイトを通じて、世界中のクラバーがリアルタイムにクラブ情報や最新のトレンドを入手できる。クラブで今流れている楽曲の情報を正確に簡単に入手できる「KUVO FEED」、世界各国の楽曲やDJの最新トレンドが分かる「Discover」、お気に入りのDJがプレイした楽曲情報が分かる「Playlist」、近場の行きたいクラブがすぐわかる「Club Map」、クラブで撮った情報入り写真を共有できる「Photo Album」などのコンテンツが用意されている。また、クラブでプレイするプロDJだけでなく、自宅でDJプレイを楽しむホームDJも自分のDJプレイをアップロードできる機能なども、今後公開される予定ということだ。
2014年10月29日Levi’s®(リーバイス)は、アメリカンカルチャーを象徴する「Oil & Leather」展を2012年12月11日(火)~2013年1月15日(火)の期間、Levi’s® Store 新宿店にて開催する。リーバイスによる、バイカージャケットをカスタマイズした21着のジャケットはインスタレーションとして各地で「Oil & Leather」展として公開され、遂に日本に上陸する。1950年代初期、「BIKER」という言葉は、白いTシャツ、黒いレザージャケット、そして501®が当時のバイカーファッションのシンボリック的ルックとなり、この歴史に対し、世界からイラストレーターや、アーティスト13名を招待し、シーズンコレクションの一部であるバイカージャケットをカスタマイズしたものを展示する。「The Bikeriders」という1968年に発刊されたダニー・ライアンの歴史的ドキュメンタリー写真集のエキシビジョンも行い、文化的側面で影響力の深いこの出版物の個人文書コレクションや写真、未公開のアーカイブ画像などを通じ、モーターサイクルの黄金期における一部のごくかぎられた者にしか知り得なかった事柄に触れる事が出来る。新宿ストアではカスタマイズジャケットの販売も行い、その売上金は「あしなが育英会」へ全額寄付される。会期:2012年12月11日(火)~2013年1月15日(火)会場:Levi’s® Store 新宿店販売価格:130,000円(税込) あしなが育英会へ全額寄付。-ARTIST-Chris Bianchi/Nille Salvation/Etienne Memon/Nick Jones/Mario Desa/Ben Lamb/Chris Davie/Harry Malt/Yuko Kondo/Harry Malt/Nick Colella/Daniel Jackson元の記事を読む
2012年12月10日日本が誇る“Jカルチャー”を発信する英国最大規模のイベント「HYPER JAPAN」が、ロンドンのアールズコート(ブロンプトンホール)にて、「HYPER JAPAN 2012 Christmas」として11月23日~25日(現地時間)の3日間開催される。今年は、クエンティン・タランティーノ監督の映画『キル・ビルVol.1』(’03)で、出演・殺陣振付を担当し、一躍その名を世界に知らしめるきっかけとなった「かむゐ」のステージ&ワークショップが行われる。既成の枠にとらわれない表現方法で芝居、形式美、武術を融合した独自の立ち廻りパフォーマンスを確立した殺陣パフォーマンスグループだ。その直後には、サプライズゲストとして同じく同作に楽曲を提供した日本屈指のギタリスト・布袋寅泰が緊急参戦することも決定!刀技とJ-ROCKの迫力で、海外オーディエンスを大いに盛り上げてくれること必至だ。さらに、海外の若者に人気の“ジャパニメーション”と呼ばれる日本のハイクオリティなアニメーションを始め、アート、エンターテインメント、マンガの4部門で、高い評価を得た作品を鑑賞できる文化庁とのコラボレーションで開催される「文化庁メディア芸術祭」もまた、熱気にあふれたイベントになるだろう。今年は、ハリウッド映画にも影響を与えた押井守監督の『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(’95)などで知られる制作会社「プロダクション I.G」の石川光久と、アニメ評論家の氷川竜介によるトークセッションが行われる。また、“食育”が叫ばれる日本の食文化を書籍、雑誌、ウェブ、イベントと多角的に紹介していく「Eat-Japan」の反応も気になるところ。今回は、ベスト・ブリティッシュ・ショコラティエ賞を受賞したウィリアム・カーリー氏が、和のテイストを取り入れたチョコレートのステージデモンストレーションを行う。さらに、海を越えても“ジャパニーズ・サケ”として愛される日本酒が20種以上も体験できる欧州最大規模の日本酒イベント「Eat-Japan SAKE EXPERIENCE 2012」も開催される。そのほか最新のテクノロジーから組木細工、版画、習字、着物などさまざまな日本の伝統文化がお披露目され、海外に“Jカルチャー”を発表する貴重な場となりそうだ。「HYPER JAPAN 2012 Christmas」日時:11月23日~25日(現地時間)会場:ロンドン・アールズコート(ブロンプトンホール)主催:クロスメディア社公式サイト:www.hyperjapan.co.uk/Facebook:::■関連作品:ももへの手紙 2012年4月21日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2012『ももへの手紙』製作委員会
2012年11月23日私立大学の京都精華大学(京都市左京区)は、2013年4月、音楽とファッションの2コースからなる「ポピュラーカルチャー学部」を新設する。同学部は、「ポピュラーカルチャー」(大衆文化)を学問対象として専攻するもの。文化表現を通して産業界の将来を担い、世界で活躍できる人材の養成を目指している。実技系学部として「つくる」ことを機軸に、音楽・ファッションと社会をつないで「届ける」ことや、音楽・ファッションを社会的に位置づけて「考える」こともカリキュラムの中で展開するという。教員には、ミュージシャンの細野晴臣氏、音楽家であり映画監督のピエール・バルー氏、ミュージシャンの藤原ヒロシ氏らをはじめとする客員教授のほか、佐久間正英氏、近田春夫氏、Bose氏(スチャダラパー)、柳田剛氏、山縣良和氏、西谷真理子氏らの就任が決定している。なお、開設にあたり同学部特設サイトでは、細野晴臣氏とピエール・バルー氏から音楽を志す若者たちに向けたメッセージと、自身と音楽との関わりについて語ったインタビューを公開しているとのこと。インタビュー記事などの詳細は、同学部特設サイトで見ることができる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月05日海外旅行先で日本との文化の違いを感じることは多いもの。カルチャーショックを受けてしまった、なんて方も中にはいるかもしれません。マイナビニュース読者に「海外旅行で体験したカルチャーショック」をアンケートしました。調査期間:2012/5/8~2012/5/11アンケート対象:マイナビニュース会員有効回答数 946件(ウェブログイン式)■働き方編「NYの空港で重量オーバーの荷物を預ける際、機械が故障しカードを切れないので無料でいいと言われた。ラッキーだけど適当すぎる」(27歳/男性)「ニューカレドニアではスーパーや飲食店が土日休みだった」(26歳/女性)「スペインではみんな平日の昼間からカフェでビールを飲んでいた。働けよ!」(28歳/女性)何だかうらやましい海外のワークスタイル。一度でいいから平日の昼間からビールを飲んでみたいですが、小心者な筆者は誰かに見つからないかびくびくしてしまいそうです。■トイレ事情編「ハワイの小用トイレがものすごく高い位置に設置されていて困った」(28歳/男性)「日本以外のほとんどの国では、トイレットペーパーはトイレに流さないものだと知って驚いた」(25歳/女性)「多くの国で、洋式トイレなのに便座がない」(27歳/女性)ほかにも「扉なしトイレ」(26歳/女性)や「トイレの水流れの悪さ」(29歳/女性)などといった意見も。日本のトイレってすごいんですね。■交通編「フランスの地下鉄には時刻表がなかった」(29歳/女性)「バリで四人乗りの原付きを見かけた。現地では普通のことのようですが」(30歳/女性)日本では大問題に発展しそうな交通事情。■思い込みだったこと編「ハワイでは日本語が通じると言われているけど、全然通じなかった」(44歳/男性)「外国人は必ずしもかっこよくない」(26歳/女性)行ってみて初めて分かることって多いですよね。■そのほか「NYの映画館で戦闘シーンのある映画を見たとき。決着した瞬間に、スタンディングオベーションが起きた」(30歳/男性)「韓国で、電車の中で包丁を実演販売しているおじさんがいた」(28歳/女性)韓国では包丁の実演はポピュラーなものらしいですが、なぜ揺れる電車内でやる必要があるかは分かりません。文化の違いを実感することが海外旅行の醍醐味(だいごみ)。個人的には海外のトイレ事情だけはどうにかならないものかと常々思ってしまいますが……これも海外ならではの楽しみの一つと、早く割り切れるようになりたいです。(山本莉会/プレスラボ)
2012年07月15日9月16日(日)に行われる音楽とカルチャーのフェスティバル「ぐるぐる回る2012」の出演者が発表になった。今回発表された出演者はLOST IN TIME、HARCO、BiSなど。東方神起がアンドロイドに?!最新シングルのジャケ写解禁今年で3年目を迎えるこのフェスは、埼玉スタジアム2002コンコースを会場にし、文化祭のようなロックフェスをコンセプトに、周回するコンコース上に大小10以上のバンドステージやダンスフロア、観客参加型インスタレーション、アートマーケットを配置し、文字通り参加者がぐるぐる周りながらライブや出し物を楽しむという異色のスタイルとなっている。これからも出演者は続々と追加される模様なので、公式サイトなどでご確認を。チケットの一般発売は6月30日(土)10:00から。なお、チケットぴあでは一般発売に先駆けて、先行先着「プリセール」を6月15日(金)18:00より実施。■ぐるぐる回る20122012年9月16日(日)会場:埼玉スタジアム2002コンコース料金:スタンディング 3500円出演:LOST IN TIME/HARCO/BiS/フジロッ久(仮)/Fragment feat.DOTAMA、空也MC/CARD/Limited Express(has gone?)/ウラニーノ/エイプリルズ/(M)otocompo/魔ゼルなでこキ犬/cryv/それでも世界が続くなら/bananafish/レコライド/さよなら、また今度ね/静カニ潜ム日々/大森靖子/Varelser/アカリノート/バロムワン/Oh my God,you’ve gone/姫乃/あなるちゃん/taske/廃いゆー子@一点のあいまいさも許さないさすがロゴス/and more
2012年06月15日海外旅行に出かけたとき、日本とかけ離れた常識や習慣に戸惑ったこと、ショックを受けた経験はありませんか?外国で受けたカルチャーショックについて、アンケート調査を行い、皆さんの体験談を集めました。調査期間:2012/02/10~2012/02/15アンケート対象:マイナビニュース会員有効回答数 874件(ウェブログイン式)■トイレとはオープンなもの!?圧倒的に多かったのが、国や理由は異なるものの「トイレ」(195票……22.3%)に関する事情でした。「台湾ではトイレットペーパーを流さず、所定のごみ箱に捨てる」(27歳/女性)、「スリランカではトイレに紙がなく、ホースの水を使って手で洗う」(59歳/男性)など、ビジュアルが浮かびます。トイレといえば、プライベートな空間と思いがちですが、「南アフリカでは一般家庭の警備が厳重だったにも関わらず、なぜか行く先々のトイレは窓が大きくて開けっ放しで、外から丸見えだった」(24歳/女性) 、「アメリカのトイレの扉は隙間が大きいので使用中の人が見えることがある」(23歳/女性)、「コンクリートブロックで仕切られた中国のトイレではドアもなく、穴がぽっかり空いていて、下は水路のように水が流れている」(38歳/女性)驚きが隠せない面もありますが、世界各地では、トイレはオープンこそが普通なのか、と思ってきました。■紅茶にインスタントコーヒーを混ぜる2番目に多かったのが、「食」(62票・7.1%)に関するカルチャーショック。「アメリカでは牛乳が1リットルなどではなく、ガロン(約3.785リットル)で売っていた。何もかも、大きなサイズで売っている」(25歳/女性)、「ドイツでは水よりもビールのほうが安かった」(24歳/男性)など、スーパーでふと目にする食材も、日本と比べると「常識」が異なるようです。「タイで食後にホットコーヒーを頼んだ際、紅茶にインスタントコーヒーを混ぜて飲んでいた」(31歳/女性)お味の方は……?また、「中国で、コップにカビが浮いていて、指摘したら、『お客さん、死~ぬことないよ~』と言われました」(27歳/男性)こんなツッコミようもないツッコミをされるとは……。■発車する列車に飛び乗る人を引き上げる3番目に多かったのは、「車」(31票……3.5%)など、移動手段について「フランスでは、車をぶつけながら縦列駐車」(30歳/男性) 、「イタリアでは、電車が発車しても乗ろうとする人を引き上げる人がいる」(33歳/男性)、「スペインで、特にアナウンスもないのに電車が1時間以上遅れた」(28歳/男性)ヨーロッパではよく見かけるシーンです。アジアでは、「韓国のタクシーがスピードを出し過ぎて、アクション映画みたいだった」(25歳/女性)、「タイやバリでは原動機付自転車の3人乗り4人乗りが当たり前。ヘルメットもかぶらない 」(29歳/女性)どちらもヒヤヒヤものです。最後に、くすっと笑えるエピソードをご紹介。「ドイツで電車の運転手が、駅で停車中に近くのパン屋にパンを買いに行っていた」(24歳/女性) 、「オーストラリアのお昼休みに公園でご飯を食べていたら、おじさんたちが人間チェスを始めた。休み時間を存分に楽しんでいた」(29歳/女性)、「シドニーでは、ビジネスマンがスーツにビーサンで出勤していた」(24歳/女性)数々の文化の違いがありますが、個人的には「車をぶつけながら縦列駐車」が印象的でした。海外の車のバンパー、丈夫そうです。皆さん、貴重な体験談をありがとうございました。(蘭景×ユンブル)
2012年04月12日